(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008972
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】業務管理用プログラム、業務管理装置及び業務管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20250109BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023111642
(22)【出願日】2023-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】000128131
【氏名又は名称】株式会社エヌテック
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】三宅 英治
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 透
(72)【発明者】
【氏名】長瀬 正樹
(72)【発明者】
【氏名】酒本 雅史
(72)【発明者】
【氏名】細江 靖浩
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA06
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】取得したデータ・情報をツール・手段や分析目的に依存しない、業務管理に適した構造でデータベースを生成できる業務管理用プログラム、業務管理装置及び業務管理方法を提供する。
【解決手段】コンピュータ31は、記憶部33を備える。業務管理プログラムは、コンピュータ31を、選択部51、時間分割ブロック生成部52、プロパティ生成部53として機能させる。選択部51は、入出ログ情報、位置ログ情報及び作業ログ情報に基づく時間軸上の変化点時刻のうち所定の判定条件に基づいて分割時刻を選択する。時間分割ブロック生成部52は、管理対象者の1日の業務時間帯を分割時刻で分割することにより、複数の時間分割ブロックを生成する。プロパティ生成部53は、作業ログ情報又は業務情報に基づいて時間分割ブロックごとに生成した作業内容を、時間分割ブロックにプロパティとして付与する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象者の業務を管理するデータベースを生成する処理をコンピュータに実行させる業務管理用プログラムであって、
前記コンピュータは、記憶部を備え、
前記記憶部は、
前記管理対象者が会社施設に入出した入出ログ情報を記憶する第1記憶部と、
前記管理対象者の動的な位置を示す位置ログ情報を記憶する第2記憶部と、
前記管理対象者が業務作業で操作する情報機器から取得した作業ログ情報を記憶する第3記憶部と、
前記管理対象者の業務に係る予定と結果のうち少なくとも一方を含む業務情報を記憶する第4記憶部とを含み、
前記コンピュータを、
前記入出ログ情報、前記位置ログ情報及び前記作業ログ情報に基づく時間軸上の変化点時刻のうち所定の判定条件に基づいて分割時刻を選択する選択部と、
前記管理対象者の1日の業務時間帯を前記分割時刻で分割することにより複数の時間分割ブロックを生成するブロック生成部と、
前記作業ログ情報又は前記業務情報に基づいて前記時間分割ブロックごとの作業内容を生成するとともに、生成した前記作業内容を前記時間分割ブロックにプロパティとして付与することで、前記管理対象者の識別情報、前記分割時刻から特定される開始時刻及び終了時刻、並びに前記作業内容をプロパティとして含む複数の前記時間分割ブロックを生成するプロパティ生成部、
として機能させる業務管理用プログラム。
【請求項2】
前記選択部は、生成済みの前記時間分割ブロックの前記プロパティとして含まれる作業内容を少なくとも一部に含む前記業務情報を取得し、前記業務情報を参照して、最小単位の作業を複数の連続するブロックに分割せず、且つ最小単位の異なる作業を分割するように、前記分割時刻を選択する請求項1に記載の業務管理用プログラム。
【請求項3】
前記作業ログ情報は、前記管理対象者が前記情報機器を操作した操作ログ情報、及び前記情報機器で起動中のソフトウェアの稼動ログ情報を含み、
前記選択部は、前記判定条件として、前記操作ログ情報に基づく操作頻度が閾値以上で、且つ前記稼動ログ情報に基づく稼動率が閾値以上のソフトウェアの種類に応じて前記分割時刻を選択する請求項1又は請求項2に記載の業務管理用プログラム。
【請求項4】
前記作業ログ情報は、前記管理対象者による前記情報機器に対する操作ログ情報、及び前記情報機器で起動中のソフトウェアの稼動ログ情報を含み、
前記選択部は、前記判定条件として、前記操作ログ情報に基づく操作頻度が閾値以上で、且つ前記稼動ログ情報に基づく稼動率が閾値以上のソフトウェアの種類とを、学習済みの学習器に入力することで、前記学習器の出力結果として前記分割時刻を選択する請求項1又は請求項2に記載の業務管理用プログラム。
【請求項5】
前記コンピュータを、
前記時間分割ブロックのプロパティを前記管理対象者の端末に表示させ、前記管理対象者による承認処理、又は必要に応じたデータ修正処理を行わせる承認修正処理部として機能させる請求項1又は請求項2に記載の業務管理用プログラム。
【請求項6】
前記コンピュータは、複数の管理対象者に係る前記時間分割ブロックの集合体である時間分割ブロック集合体を前記データベースとして記憶するデータベース記憶部を備え、
前記コンピュータを、
前記時間分割ブロック集合体に対して、所定のプロパティによるフィルタ処理を行うことで目的に合った時間分割ブロックを選択し、選択した時間分割ブロックのプロパティの内容を分析する分析部として機能させる請求項1又は請求項2に記載の業務管理用プログラム。
【請求項7】
前記コンピュータは、前記管理対象者が所持する活動量計から取得される活動ログ情報を記憶する第5記憶部を備え、
前記プロパティ生成部は、前記活動ログ情報に基づく活動情報を前記時間分割ブロックのプロパティの1つとして付与する請求項6に記載の業務管理用プログラム。
【請求項8】
前記分析部は、前記プロパティの内容を分析することで、前記管理対象者である社員の勤怠時間管理、前記社員の業務評価・スキル評価、情報セキュリティーリスク管理、及び前記社員の健康管理のうち少なくとも1つを分析する請求項7に記載の業務管理用プログラム。
【請求項9】
管理対象者の業務を管理するデータベースを生成する処理を実行するコンピュータを備える業務管理装置であって、
前記コンピュータは、
前記管理対象者が会社施設に入出した入出ログ情報を記憶する第1記憶部と、
前記管理対象者の動的な位置を示す位置ログ情報を記憶する第2記憶部と、
前記管理対象者が業務作業で操作する情報機器から取得した作業ログ情報を記憶する第3記憶部と、
前記管理対象者の業務に係る予定と結果のうち少なくとも一方を含む業務情報を記憶する第4記憶部と、
前記入出ログ情報、前記位置ログ情報及び前記作業ログ情報に基づく時間軸上の変化点時刻のうち所定の判定条件に基づいて分割時刻を選択する選択部と、
前記管理対象者の1日の管理対象である業務時間帯を前記分割時刻で分割することにより複数の時間分割ブロックを生成するブロック生成部と、
前記作業ログ情報又は前記業務情報に基づいて前記時間分割ブロックごとの作業内容を生成するとともに、生成した前記作業内容を前記時間分割ブロックにプロパティとして付与することで、前記管理対象者の識別情報、前記分割時刻から特定される開始時刻及び終了時刻、並びに前記作業内容をプロパティとして含む複数の前記時間分割ブロックを生成するプロパティ生成部と
を備える業務管理装置。
【請求項10】
管理対象者の業務を管理するデータベースを生成する処理をコンピュータに実行させる業務管理方法であって、
前記コンピュータは、記憶部を備え、
前記記憶部は、
前記管理対象者が会社施設に入出した入出ログ情報を記憶する第1記憶部と、
前記管理対象者の動的な位置を示す位置ログ情報を記憶する第2記憶部と、
前記管理対象者が業務作業で操作する情報機器から取得した作業ログ情報を記憶する第3記憶部と、
前記管理対象者の業務に係る予定と結果のうち少なくとも一方を含む業務情報を記憶する第4記憶部とを含み、
前記コンピュータの選択部が、前記入出ログ情報、前記位置ログ情報及び前記作業ログ情報に基づく時間軸上の変化点時刻のうち所定の判定条件に基づいて分割時刻を選択する選択ステップと、
前記コンピュータのブロック生成部が、前記管理対象者の1日の業務時間帯を前記分割時刻で分割することにより複数の時間分割ブロックを生成するブロック生成ステップと、
前記コンピュータのプロパティ生成部が、前記作業ログ情報又は前記業務情報に基づいて前記時間分割ブロックごとの作業内容を生成するとともに、生成した前記作業内容を前記時間分割ブロックにプロパティとして付与することで、前記管理対象者の識別情報、前記分割時刻から特定される開始時刻及び終了時刻、並びに前記作業内容をプロパティとして含む複数の前記時間分割ブロックを生成するプロパティ生成ステップと、
を含む業務管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務管理用プログラム、業務管理装置及び業務管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1~3には、業務管理用プログラム、業務管理装置及び業務管理方法が開示されている。特許文献1では、業務の進捗を適切に管理することで、作業者の負担をこれまでよりも軽減する業務の進捗を管理するシステムが開示されている。また、特許文献2には、作業状況を自動的に判定して、空いている作業者に作業を割り当てる業務管理システム及びプログラムが開示されている。さらに、特許文献3には、既存の業務管理システムの操作履歴を業務分析に活用できるようにした業務分析装置及びプログラムが開示されている。
【0003】
これらの業務の進捗を適切に管理したり、作業を効率よく割り当てたり、業務管理システムで業務分析を行ううえで業務管理用のデータベースの構築が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-79868号公報
【特許文献2】特開2007-141039号公報
【特許文献3】特許第7163463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、業務管理用のデータベースを構築するうえで、社員などの管理対象者の活動や行動をセンシングするためのツールや手段の選択肢や性能・機能は、近年、急速に拡大している。しかしながら、それぞれのツール・手段から取得するデータ・情報等のログ情報(センシング情報を含む)は、その仕様・特性が異なっているため、そのままログ情報をデータベース化する場合は、以下の問題が顕著化してくる。
【0006】
例えば、データ・情報を容易に増やすことができても、これらのデータ・情報は、取得したツール・手段や分析目的に特化・依存した仕様であり、データベースによる情報分析において、各種データ間の連携がとりにくい。また、ツール・手段の増設や機能アップに伴って、連携性、継続性の低いデータ量が増加し、データベースが非効率に膨張していくことになる。そのため、取得したデータ・情報をツール・手段や分析目的に依存しない、業務管理に適した構造でデータベースを生成したい要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記課題を解決するための手段について記載する。
上記課題を解決する業務管理用プログラムは、管理対象者の業務を管理するデータベースを生成する処理をコンピュータに実行させる業務管理用プログラムであって、前記コンピュータは、記憶部を備え、前記記憶部は、前記管理対象者が会社施設に入出した入出ログ情報を記憶する第1記憶部と、前記管理対象者の動的な位置を示す位置ログ情報を記憶する第2記憶部と、前記管理対象者が業務作業で操作する情報機器から取得した作業ログ情報を記憶する第3記憶部と、前記管理対象者の業務に係る予定と結果のうち少なくとも一方を含む業務情報を記憶する第4記憶部とを含み、前記コンピュータを、前記入出ログ情報、前記位置ログ情報及び前記作業ログ情報に基づく時間軸上の変化点時刻のうち所定の判定条件に基づいて分割時刻を選択する選択部と、前記管理対象者の1日の業務時間帯を前記分割時刻で分割することにより複数の時間分割ブロックを生成するブロック生成部と、
前記作業ログ情報又は前記業務情報に基づいて前記時間分割ブロックごとの作業内容を生成するとともに、生成した前記作業内容を前記時間分割ブロックにプロパティとして付与することで、前記管理対象者の識別情報、前記分割時刻から特定される開始時刻及び終了時刻、並びに前記作業内容をプロパティとして含む複数の前記時間分割ブロックを生成するプロパティ生成部、として機能させる。
【0008】
上記業務管理用プログラムにおいて、前記選択部は、生成済みの前記時間分割ブロックの前記プロパティとして含まれる作業内容を少なくとも一部に含む前記業務情報を取得し、前記業務情報を参照して、最小単位の作業を複数の連続するブロックに分割せず、且つ最小単位の異なる作業を分割するように、前記分割時刻を選択してもよい。
【0009】
上記業務管理用プログラムにおいて、前記作業ログ情報は、前記管理対象者が前記情報機器を操作した操作ログ情報、及び前記情報機器で起動中のソフトウェアの稼動ログ情報を含み、前記選択部は、前記判定条件として、前記操作ログ情報に基づく操作頻度が閾値以上で、且つ前記稼動ログ情報に基づく稼動率が閾値以上のソフトウェアの種類に応じて前記分割時刻を選択してもよい。
【0010】
上記業務管理用プログラムにおいて、前記作業ログ情報は、前記管理対象者による前記情報機器に対する操作ログ情報、及び前記情報機器で起動中のソフトウェアの稼動ログ情報を含み、前記選択部は、前記判定条件として、前記操作ログ情報に基づく操作頻度が閾値以上で、且つ前記稼動ログ情報に基づく稼動率が閾値以上のソフトウェアの種類とを、学習済みの学習器に入力することで、前記学習器の出力結果として前記分割時刻を選択してもよい。
【0011】
上記業務管理用プログラムにおいて、前記コンピュータを、前記時間分割ブロックのプロパティを前記管理対象者の端末に表示させ、前記管理対象者による承認処理、又は必要に応じたデータ修正処理を行わせる承認修正処理部として機能させてもよい。
【0012】
上記業務管理用プログラムにおいて、前記コンピュータは、複数の管理対象者に係る前記時間分割ブロックの集合体である時間分割ブロック集合体を前記データベースとして記憶するデータベース記憶部を備え、前記コンピュータを、前記時間分割ブロック集合体に対して、所定のプロパティによるフィルタ処理を行うことで目的に合った時間分割ブロックを選択し、選択した時間分割ブロックのプロパティの内容を分析する分析部として機能させてもよい。
【0013】
上記業務管理用プログラムにおいて、前記コンピュータは、前記管理対象者が所持する活動量計から取得される活動ログ情報を記憶する第5記憶部を備え、前記プロパティ生成部は、前記活動ログ情報に基づく活動情報を前記時間分割ブロックのプロパティの1つとして付与してもよい。
【0014】
上記業務管理用プログラムにおいて、前記分析部は、前記プロパティの内容を分析することで、前記管理対象者である社員の勤怠時間管理、前記社員の業務評価・スキル評価、情報セキュリティーリスク管理、及び前記社員の健康管理のうち少なくとも1つを分析してもよい。
【0015】
上記課題を解決する業務管理装置は、管理対象者の業務を管理するデータベースを生成する処理を実行するコンピュータを備える業務管理装置であって、前記コンピュータは、前記管理対象者が会社施設に入出した入出ログ情報を記憶する第1記憶部と、前記管理対象者の動的な位置を示す位置ログ情報を記憶する第2記憶部と、前記管理対象者が業務作業で操作する情報機器から取得した作業ログ情報を記憶する第3記憶部と、前記管理対象者の業務に係る予定と結果のうち少なくとも一方を含む業務情報を記憶する第4記憶部と、前記入出ログ情報、前記位置ログ情報及び前記作業ログ情報に基づく時間軸上の変化点時刻のうち所定の判定条件に基づいて分割時刻を選択する選択部と、前記管理対象者の1日の管理対象である業務時間帯を前記分割時刻で分割することにより複数の時間分割ブロックを生成するブロック生成部と、前記作業ログ情報又は前記業務情報に基づいて前記時間分割ブロックごとの作業内容を生成するとともに、生成した前記作業内容を前記時間分割ブロックにプロパティとして付与することで、前記管理対象者の識別情報、前記分割時刻から特定される開始時刻及び終了時刻、並びに前記作業内容をプロパティとして含む複数の前記時間分割ブロックを生成するプロパティ生成部とを備える。
【0016】
上記課題を解決する業務管理方法は、管理対象者の業務を管理するデータベースを生成する処理をコンピュータに実行させる業務管理方法であって、前記コンピュータは、記憶部を備え、前記記憶部は、前記管理対象者が会社施設に入出した入出ログ情報を記憶する第1記憶部と、前記管理対象者の動的な位置を示す位置ログ情報を記憶する第2記憶部と、前記管理対象者が業務作業で操作する情報機器から取得した作業ログ情報を記憶する第3記憶部と、前記管理対象者の業務に係る予定と結果のうち少なくとも一方を含む業務情報を記憶する第4記憶部とを含み、前記コンピュータの選択部が、前記入出ログ情報、前記位置ログ情報及び前記作業ログ情報に基づく時間軸上の変化点時刻のうち所定の判定条件に基づいて分割時刻を選択する選択ステップと、前記コンピュータのブロック生成部が、前記管理対象者の1日の業務時間帯を前記分割時刻で分割することにより複数の時間分割ブロックを生成するブロック生成ステップと、前記コンピュータのプロパティ生成部が、前記作業ログ情報又は前記業務情報に基づいて前記時間分割ブロックごとの作業内容を生成するとともに、生成した前記作業内容を前記時間分割ブロックにプロパティとして付与することで、前記管理対象者の識別情報、前記分割時刻から特定される開始時刻及び終了時刻、並びに前記作業内容をプロパティとして含む複数の前記時間分割ブロックを生成するプロパティ生成ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、取得したデータ・情報をツール・手段や分析目的に依存しない、業務管理に適した構造でデータベースを生成できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、一実施形態における業務管理システムを示す模式図である。
【
図3】
図3は、業務管理装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、時間分割ブロックの一例を示す模式図である。
【
図5】
図5は、業務管理装置を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、時間分割ブロックの生成処理を説明するタイムチャートである。
【
図7】
図7は、時間分割ブロックを生成する処理を説明するブロック図である。
【
図8】
図8は、選択部の構成の一例を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、管理対象者の位置と動的位置とから分割時刻の候補を検出する処理を示すタイムチャートである。
【
図10】
図10は、情報機器からの作業ログ情報に基づく分割時刻の候補から分割時刻を選択する選択部の処理を示すタイムチャートである。
【
図11】
図11は、時間分割ブロックにプロパティを付与する処理を示すタイムチャートである。
【
図12】
図12は、1日の時間分割ブロック集合体の一例を示す模式図である。
【
図13】
図13は、時間分割ブロックを生成する処理の流れを示す模式図である。
【
図14】
図14は、データベースを用いた分析の流れを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、業務管理システム、業務管理装置及び業務管理用プログラムについて、図面を参照して説明する。
<業務管理システム10の基本構成>
まず、
図1を参照して業務管理システムの構成を説明する。
図1に示すように、業務管理システム10は、管理対象者である社員の業務管理を行うシステムである。業務管理システム10は、各種情報を取得するための情報取得部11と、会社サーバ12と、業務管理サーバ30とを備える。会社サーバ12と業務管理サーバ30とは、インターネット等のネットワークNWを通じて通信可能に接続されている。業務管理サーバ30は、情報取得部11が取得した各種情報を会社サーバ12からネットワークNWを介して取得する。
【0020】
会社サーバ12は、情報取得部11と通信可能に接続されている。情報取得部11は、社員に関する業務管理上必要な各種情報を取得する。なお、会社サーバ12は、社内に限らず社外にあってもよいし、さらに社外の場合、国内に限らず国外にあってもよい。また、業務管理サーバ30についても、社内に限らず社外にあってもよいし、さらに社外の場合、国内に限らず国外にあってもよい。また、社員に関する各種情報は、社員の識別情報に紐付けされていてもよい。この場合、社員に関する各種情報は、識別情報と直接紐付けられても、間接的に紐付けられてもよい。例えば、氏名と紐付けることで間接的に識別情報と紐付けられてもよいし、会社内で決まった座席、電話番号、役職、生年月日、住所、公的期間の登録番号と紐付けることで間接的に社員の識別情報と紐付けられてもよい。
【0021】
図1に示すように、情報取得部11は、認証部21、位置取得部22、情報機器23、活動量計24等を含む。認証部21、位置取得部22、情報機器23、活動量計24等は、社内ネットワークNTを通じて会社サーバ12と通信可能な状態で接続されている。社内ネットワークNTは、例えば、LAN等により構成される。LANは、有線LANと無線LANとのうち少なくとも一方を備えてもよい。また、社内ネットワークNTは、例えば、Bluetooth(登録商標)や赤外線通信等の近距離無線通信を含んでもよい。
【0022】
認証部21は、玄関や通用口等に設置されたゲートの認証機器である。認証部21は、社員カードで認証する認証機器でもよい。認証部21は、顔認証、指紋認証、光彩認証など社員カードを用いずに社員を認証するものでもよい。また、認証部21の設置場所は、会社の玄関や門に限らず、建物の通用口、建物内の部屋等の通用口でもよい。
【0023】
位置取得部22は、社員の動的な位置を検出する。位置取得部22は、GPS(Global Positioning System)受信器を有する携帯端末が挙げられる。この種の携帯端末は、携帯電話、スマートフォン、腕時計、活動量計などでもよい。位置取得部22は、GPS受信器を備えず、ビーコンで位置を取得できるものでもよい。この場合も、位置取得部22は、携帯電話、スマートフォン、腕時計、活動量計、音楽機器などでもよい。なお、位置取得部22は、位置情報の変化を調べることで、移動速度の検出にも使用される。
【0024】
情報機器23は、パソコン(PC)、スマートフォン、タブレット端末、複合機、プリンター、スキャナ、ファクシミリ等を含む。パソコンは、デスクトップパソコン、ノートパソコンを含む。情報機器23は、社員の業務に係る作業に用いられる。
【0025】
活動量計24は、社員の活動量を計測してその計測値を出力する。活動量としては、歩数、心拍数(回/分)、体温などが挙げられる。その他の活動量として、血圧、呼吸数(回/分)、脳波(α波、β波やθ波)等が含まれてもよい。また、活動量は、ストレスレベル、身体エネルギー残量、運動量、GPS、移動距離、消費カロリー、睡眠の質、血中酸素などでもよい。なお、身体エネルギー残量とは、心拍数変動、ストレスレベル、睡眠、活動エネルギー等を分析して身体エネルギーの残量を数値化したものである。
【0026】
会社サーバ12は、管理対象者である各社員の各種情報を社内LAN等の社内ネットワークNTを通じて取得する。会社サーバ12は、逐次取得した社員の各種情報をメモリに一時的に保存する。会社サーバ12は、メモリに一時的に保存した各種情報を、業務管理サーバ30に定期的又は逐次送信する。各社員に関する各種情報は、各種ログ情報や数値データ等を含む。業務管理サーバ30は、会社サーバ12からインターネット等のネットワークNWを介して受信した各種情報を記憶部33(
図3参照)に記憶する。
【0027】
<会社施設の説明>
図2は、会社施設15の一例を示す。
図2に示すように、会社施設15には、敷地Aと、敷地A内の建物B,Cとを備える。会社施設には、玄関や通用門のゲートGa、建物Bの通用口であるゲートGb、建物Cの通用口であるゲートGcを備える。本実施形態では、各ゲートGa~Gcには、認証部21が備えられている。ゲートGa~Gcごとに認証部21が異なってもよい。例えば、社員が、認証カードを認証部21に近接又はタッチさせて認証を行う構成でもよい。社員は、建物B,Cのいずれかで業務を行う。認証部21は、入場口用と退出口用が別々に設けられてもよいし、入場と退出との認証が共通の1つで行われる構成されてもよい。また、建物B内に
図2に二点鎖線で示す部屋Dに社員等が入室・退室するときに認証する認証部21を備えてもよい。各ゲートGa~Gcを社員が通過するごとに認証部21に認証されることで、入出ログ情報として後述するゲートA~Cが各認証部21から出力される。
【0028】
<業務管理サーバ30の概略構成>
図3は、業務管理サーバ30の概略構成を示す。本実施形態では、業務管理サーバ30が、業務管理装置の一例に相当する。
図3に示すように、業務管理サーバ30は、コンピュータ31及び記憶部33を備える。記憶部33には、業務管理用プログラムPR(以下、単に「プログラムPR」ともいう。)が記憶されている。プログラムPRは、例えば、業務管理システム又はその一部を販売する販売会社により販売される。販売形態は、プログラムPRが記憶された記憶媒体を購入者に販売してもよいし、購入者が、例えばインターネット上の販売サイトにアクセスし、販売コードを入力することでプログラムPRをダウンロードする販売形態でもよい。プログラムPRを記憶する記憶媒体は、USBメモリ、光記憶ディスク、磁気記憶ディスク、SDカード、SSDメモリでもよい。
【0029】
コンピュータ31は、記憶部33に記憶されているプログラムPRを実行することで、業務管理方法を行う。業務管理サーバ30は、会社サーバ12から取得した各種のログ情報を用いて時間分割ブロックを生成する。時間分割ブロックは、業務管理用データベースを構成する最小単位のデータ構造である。時間分割ブロックは、社員の1日の業務時間帯を含む時間領域を作業内容ごとに分割した場合の1つ分のデータである。社員1人の1日の業務時間(勤務時間)を含む時間領域を作業内容ごとに「0」~「N」のN+1個に分割した場合、作業内容単位の時間分割ブロックがN+1個生成される。時間分割ブロックは、社員の識別データ(識別情報)、開始時間/終了時間、及び作業内容を含む複数の情報をプロパティとして含む。ここで、「N」は、事前に設定された値ではなく、時間分割ブロックの生成過程で決まる変数である。「N」は、「休暇」等でなければ、例えば、「2」以上の自然数である。なお、本実施形態では、業務管理上必要な「休憩」や「食事」、「移動」等も作業内容の1つとし、1つの時間分割ブロックが割り当てられる。
【0030】
<時間分割ブロックBTのデータ構造>
図4は、業務管理サーバ30のコンピュータ31が生成する社員1人の1日分の時間分割ブロックBTの群を示す。
図4に示す例では、社員1人(例えば、Aさん)の1日の業務時間帯とその前後の時間帯を含む時間領域が、業務内容(作業内容)等に応じて、例えば、N+1個に分割される。ここで、Nは、各社員の1日の業務内容・作業内容に応じて決まる自然数である。また、値N+1の中には、休憩や昼休み等の時間帯の数も含まれる。ここで、1日の業務時間としては、(1)8時出社、12時退社して出張する場合、(2)8時~12時までリモートワークをして、13時に出社、18時に退社する場合などが含まれる。また、1日の業務時間は、夜勤を含む場合など日を跨いでもよい。業務管理サーバ30は、分割数N+1に応じて
図4に示すN+1個の時間分割ブロック#0~#Nを生成する。なお、時間分割ブロック#0は、出社前を示し、時間分割ブロック#Nは、退社後を示す。したがって、社員の1日の業務時間帯は、N-1個に分割される。
【0031】
図4に示すように、1つの時間分割ブロックBTは、複数のプロパティを含む。本実施形態では、
図4に示す13個のプロパティがある。すなわち、複数のプロパティは、「社員コード」、「開始時刻」・「終了時刻」、「場所」、「活動分類コード」、「業務コード」、「作業コード1」、「作業コード2」、「歩数」、「平均心拍数」、「平均体温」、「未完成成果物URL」、「完成成果物URL」である。作業コードは1つであってもよい。本実施形態では、「歩数」、「平均心拍数」、「平均体温」等のバイタルデータ(活動情報)をプロパティとして含む。バイタルデータは、活動量計24(
図1参照)から得られるデータ、又はこのデータを基に算出される。
【0032】
業務管理サーバ30は、社員1人1日につきN+1個の時間分割ブロック#0~#Nを生成し、社員全員分の時間分割ブロックBTを記憶部33のデータベース記憶部46(
図5も参照)に記憶する。こうして、社員全員分の時間分割ブロックBTが毎日データベース記憶部46に蓄積される。これにより、記憶部33に時間分割ブロック集合体DBであるデータベースが構築される。
【0033】
<社員の1日分の時間分割ブロック群について>
例えば、
図12は、ある1人の社員のある1日の時間分割ブロックの群を示す。
図12に示す例では、1日の勤務時間を含む時間領域が作業内容等に応じて「0」~「13」の14個に分割されている。
図12において、縦方向にN+1個(一例として14個)の時間分割ブロック#0~#Nが配列されている。各時間分割ブロック#0~#Nは、それぞれプロパティとして、社員コード、開始時刻、終了時刻、場所、活動分類コード、業務コード、作業コード1、作業コード2、歩数、平均心拍、平均体温、未完成の成果物URL、完成の成果物URLを含む。本実施形態の時間分割ブロック#0~#13は、1日の時間領域を作業内容ごとにN+1個に分割した時刻(分割時刻)を含む。プロパティである開始時刻と終了時刻とが分割時刻に相当する。これらの開始時刻と終了時刻とが、作業内容に応じて適切に選択される必要がある。
【0034】
分割数Nを決める作業内容は、
図12では「作業コード」(特に「作業コード1」)に相当する。
図12に示す例では、分割数N(=14)に相当する14個の「作業コード1」として、「通勤」、「業務準備」、「プログラム設計」、「休憩」、「文書作成」、「社内移動(休憩)」、「会議」、「雑務(社内移動)」、「社外移動」、「休憩」、「社外移動」、「業務準備」、「プログラム設計」が特定されている。
【0035】
業務管理サーバ30は、情報取得部11のうち認証部21、位置取得部22、情報機器23等からのログ情報に基づいて分割時刻を決定する。そして、業務管理サーバ30は、1日の時間領域を分割時刻で分割された各時間枠に、作業内容を割り当てる。業務管理サーバ30は、1日の時間領域を、結果的に、作業内容(「休憩」を含む。)の数に応じた分割数で分割する。なお、ログ情報には、センシング情報が含まれる。
【0036】
業務管理サーバ30は、情報取得部11から取得した各種の情報を基に分割時刻となりうる候補(分割時刻の候補)を取得する。そして、業務管理サーバ30は、分割時刻の候補の中から、適切なものを所定の判定条件に基づいて取捨選択する絞り込み処理を行うことで、分割時刻を決定(選択)する。
【0037】
業務管理サーバ30は、作業内容に応じた適切な開始時刻と終了時刻とを選択する。この場合、作業内容は、最小単位の作業内容であることが好ましい。例えば、最小単位の作業内容が複数の作業に分断されたり、1つの時間分割ブロックに、本来別々に分けられるべき複数の作業内容が混在したりすることをなるべく回避する必要がある。そこで、本実施形態では、分割時刻(開始時刻・終了時刻)から1つの時間枠が決まると、その時間枠内の作業内容が最小単位の作業内容であるかどうかも検証する。検証の結果、作業内容が最小単位の作業内容でなければ、さらに2つ以上の複数の作業内容に分けられるように、分割時刻(開始時刻・終了時刻)を決定(選択)し直す。なお、プロパティは、社員コード、開始時刻/終了時刻、作業コードが必須である。例えば、プロパティに、場所、活動分類コード、業務コード、作業コード2、歩数、平均心拍、平均体温、未完成成果物URL、完成成果物URLがなくてもよい。
【0038】
図12に示す例では、14個の時間分割ブロック#0~#13の中に、業務時間外の「通勤」を作業コードとする時間分割ブロック#0や、「プライベート」を作業コードとする時間分割ブロック#13が含まれる。時間分割ブロック#0は、開始時刻が自宅を出た時刻(図示略)であり、終了時刻が業務時間帯の開始時刻である。また、時間分割ブロック#13は、開始時刻が業務時間帯の終了時刻であり、終了時刻が、例えば、翌日自宅を出る時刻に相当する。なお、これらの勤務時間以外の時間分割ブロックは生成しない構成でもよい。ここで、「勤務時間外」は、出社及び帰宅のための「通勤」や「休暇」等を指し、「在宅勤務」を含まない。つまり、「在宅勤務」は「勤務時間内」として取り扱う。
【0039】
業務管理サーバ30は、順番として、分割時刻(開始時刻/終了時刻)を決定することで、N+1個の時間分割ブロック[0]~[N]を生成する。これらN+1個の時間分割ブロック[0]~[N]は、プロパティが全ては付与されていない未完のデータである。次に、未完の時間分割ブロック[0]~[N]に、計M個(本実施形態では、13個)のプロパティの全てを付与する。全てのプロパティとは、例えば、社員コード(識別情報)、開始時刻、終了時刻、場所、活動分類コード、業務コード、作業コード1,2、歩数、平均心拍、平均体温、成果物未完成,完成である。このような手順で、時間分割ブロック#0~#Nは生成される。
【0040】
<業務管理サーバ30の構成>
次に、
図5を参照して、業務管理サーバ30の構成について説明する。
図5に示すように、記憶部33は、コンピュータ31が会社サーバ12から受信した、時間分割ブロックの生成に必要な各種のログ情報を記憶する。記憶部33は、第1記憶部41、第2記憶部42、第3記憶部43、第4記憶部44、第5記憶部45及びデータベース記憶部46を含む。なお、記憶部33は、主に3つに分類される。1つ目は、センシング・ログ情報を記憶する第1記憶部41~第3記憶部43である。2つ目は、社内データベースから読み込んだ、社員コード、作業コード、作業計画、作業結果等を記憶する第4記憶部44である。そして、3つ目が、時間分割ブロック#0~#Nの集合体であるデータベースを記憶するデータベース記憶部46である。また、記憶部33は、センシング・ログ情報の1つとして活動量情報(バイタルデータ)を記憶する第5記憶部45を含んでもよい。
【0041】
第1記憶部41は、管理対象者である社員が会社施設に対して入出した入出ログ情報を記憶する。この場合、社員が入出する会社施設の場所は、前述のとおり、会社敷地A、建物B,C及び建物内の部屋D等である。そして、社員を認証した認証部21は位置ログ情報を出力する。位置ログ情報は、会社サーバ12を介してネットワークNWを通じて業務管理サーバ30に送信される。第1記憶部41には、社員の入出ログ情報が記憶される。入出ログ情報は、社員の識別番号、社員ごとの入場(in)か退場(out)かの情報、入場時刻/退場時刻、入場/退場したゲートの位置等の情報を含む。この場合、位置情報は、社内情報として紐付けられている各ゲート識別番号でもよい。
【0042】
第2記憶部42は、社員の動的な位置を示す位置ログ情報を記憶する。
第3記憶部43は、社員が業務作業で操作する情報機器23から取得した作業ログ情報を記憶する。ここで、作業ログ情報は、社員が情報機器23を操作した操作ログ情報、及び情報機器23で起動中のソフトウェアの稼動ログ情報を含む。例えば、情報機器23がPCである場合、キーボード及びマウスの入力操作に関するログ情報が操作ログ情報に含まれる。また、例えば、情報機器23がPCである場合、起動中のソフトウェアの稼動率などが稼動ログ情報に含まれる。
【0043】
第4記憶部44は、管理対象者である社員の業務に係る予定と結果のうち少なくとも一方を含む業務情報を記憶する。予定に係る業務情報には、管理対象者の業務上の目標、計画、スケジュール、予定リスト等が含まれる。また、結果に係る業務情報には、日報、成果物に係る情報等が含まれる。成果物に係る情報には、未完の成果物と完成した成果物のそれぞれに係る情報を含んでもよい。このように、業務情報は、業務予定情報、業務履歴情報、進行中業務情報のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0044】
データベース記憶部46は、複数の管理対象者(例えば社員)に係る時間分割ブロックBTの集合体である時間分割ブロック集合体DBをデータベースとして記憶する。
また、コンピュータ31は、プログラムPRを実行することで構成される機能部分として、選択部51、ブロック生成部の一例としての時間分割ブロック生成部52、プロパティ生成部53、及び承認修正処理部54を備える。これらは、時間分割ブロックBTの生成に用いられる。さらに、コンピュータ31は、プログラムPRを実行することで構成される機能部分として、分析部60を備える。分析部60は、第1分析部61、第2分析部62、第3分析部63及び第4分析部64を含む。分析部60は、時間分割ブロックBTの集合体である時間分割ブロック集合体DB(データベース)を用いた業務管理上の各種の分析を行う。なお、コンピュータ31を分析部60として機能させるプログラム(分析プログラム)は、プログラムPRにおいて時間分割ブロック#0~#Nを生成するプログラム(時間分割ブロック生成プログラム)とは別のものであってもよい。つまり、業務管理用プログラムPRは、時間分割ブロック生成プログラムと、分析プログラムとを含む。業務管理用プログラムPRは、時間分割ブロック生成プログラムと分析プログラムのうち時間分割ブロック生成プログラムのみ含んでもよい。
【0045】
選択部51は、入出ログ情報、位置ログ情報及び作業ログ情報に基づく時間軸上の変化点時刻のうち所定の判定条件に基づいて分割時刻を選択する。選択部51は、業務情報を参照して、最小単位の作業を複数の連続するブロックに分割せず、且つ最小単位の異なる作業を分割するように、分割時刻を選択してもよい。選択部51は、判定条件として、操作ログ情報に基づく操作頻度が閾値以上で、且つ稼動ログ情報に基づく稼動率が閾値以上のソフトウェアの種類に応じて分割時刻を選択する。また、選択部51は、AI技術を用いて分割時刻を選択するAI選択部56でもよい。AI選択部56は、判定条件として、操作ログ情報に基づく操作頻度が閾値以上で、且つ稼動ログ情報に基づく稼動率が閾値以上のソフトウェアの種類を含む複数の入力値を入力することで、その出力結果として分割時刻を出力(選択)する。
【0046】
時間分割ブロック生成部52は、管理対象者の1日の業務時間帯を分割時刻で分割することにより、管理対象者の識別情報、分割時刻から特定される開始時刻及び終了時刻を、プロパティとして含む複数(N+1個)の時間分割ブロック[0]~[N]を生成する。複数の時間分割ブロック[0]~[N]は、識別情報、開始時刻及び終了時刻以外のプロパティはまだ付与されていない。なお、時間分割ブロック[0]~[N]は、プロパティが一切付与されていない空のデータであってもよい。
【0047】
プロパティ生成部53は、作業ログ情報又は業務情報に基づいて時間分割ブロック[0]~[N]ごとの作業内容などのプロパティ(例えば、社員コード(識別情報)、開始時刻、終了時刻、場所、活動分類コード、業務コード、作業コード1,2、歩数、平均心拍、平均体温、成果物未完成,完成)を生成する。そして、プロパティ生成部53は、生成した作業内容などを時間分割ブロック[0]~[N]にプロパティとして付与する。こうして、社員の識別情報、開始時刻、終了時刻、作業内容などをプロパティとして含む時間分割ブロック#0~#Nが生成される。ここで、業務情報は、社員の生成済みの時間分割ブロックBTのプロパティとして含まれる作業内容を少なくとも一部に含んでもよい。
【0048】
承認修正処理部54は、時間分割ブロックBTのプロパティを管理対象者である社員の端末23Tに表示させる。そして、承認修正処理部54は、管理対象者による承認処理、又は管理対象者に対して必要に応じてデータ修正処理を促す。なお、承認修正処理部54は、一定の表示期間経過後に自動的に次のプロセスに進む処理であってもよい。また、承認修正処理部54は、必要時に追加するオプション機能とし、無くした構成でもよい。
【0049】
業務管理サーバ30は、
図4に示す時間分割ブロックBTを生成する機能と、時間分割ブロック集合体DBを用いて各種の分析等を行う分析機能とを備える。時間分割ブロック集合体DBを用いた各種の分析は、分析部60が行う。
【0050】
分析部60は、時間分割ブロック集合体DBに対して、所定のプロパティによるフィルタ処理を行うことで、目的に合った時間分割ブロックBTを選択し、選択した時間分割ブロックのプロパティの内容を分析する。分析部60は、例えば、第1分析部61、第2分析部62、第3分析部63及び第4分析部64を備えてもよい。
【0051】
第1分析部61は、時間分割ブロック集合体DBから社員コード単位のデータ群を収集し、これらデータ群を用いて社員に対する各種の分析を行う。社員に対する各種の分析には、対象者の勤務間管理、人事評価、健康評価などが含まれる。
【0052】
第2分析部62は、時間分割ブロック集合体DBから業務コード単位のデータ群を収集し、これらデータ群を用いて業務に関する各種の分析を行う。業務に関する各種の分析には、作業効率分析及び間接費用算出等が含まれる。
【0053】
第3分析部63は、時間分割ブロック集合体DBから場所コード単位のデータ群を収集し、これらデータ群を用いて場所に関する各種の分析を行う。業務に関する各種の分析には、施設使用率分析及び勤務場所分析等が含まれる。
【0054】
第4分析部64は、時間分割ブロック集合体DBから成果物単位のデータ群を収集し、これらデータ群を用いて成果物に対する各種の分析を行う。成果物に対する各種の分析には、成果物管理及び情報セキュリティが含まれる。情報セキュリティでは、これらの分析結果を活用して、成果物の機密度に応じた保管管理(無断でのコピー・プリントアウト・改ざんの防止、未許可や外部ユーザー、によるアクセス防止など)を行う。
【0055】
なお、第1分析部61~第4分析部64は、一例であって、これらのうち1つのみ、2つのみ又は3つのみ備えてもよいし、他の内容を分析する分析部を含んだり、他の内容を分析する分析部のみで構成されたりしてもよい。また、業務管理用プログラムPRは、選択部51、時間分割ブロック生成部52、プロパティ生成部53及び承認修正処理部54として機能する時間分割ブロック生成プログラムと、分析部60として機能する分析用プログラムとを別々に含む構成でもよい。
【0056】
<時間分割ブロックの生成過程について>
次に、
図6を参照して、時間分割ブロックの生成過程について説明する。
図6において、横軸は時間軸であり、上から順番に、社内、社外、業務に係る各種情報が示されている。「社内」に係る情報には、入退室情報、ゲート通過情報、タイムカードの各種情報がある。タイムカードは、例えば、ゲートGaの近くの認証部21の1つである社員カード読取機が社員カードを読み取ることで、その読取り時刻が社員の出社時刻又は退社時刻として特定される。上向き矢印が出社「IN」の時刻、下向き矢印が退社「OUT」の時刻を示す。ゲート通過情報は、ゲートGb,Gcを通過したときのログ情報である。上向き矢印が「IN」の時刻、下向き矢印が「OUT」の時刻を示す。入退室情報は、部屋のゲートを通過したときのログ情報である。上向き矢印が入室「IN」の時刻、下向き矢印が退室「OUT」の時刻を示す。例えば、ゲートGaを通過するログ情報に基づき、社員が社内にいるか社外にいるかを特定できる。
【0057】
「社外」に係る情報には、位置情報及び移動速度の各種情報がある。移動速度は、例えば、GPS位置情報より業務管理サーバ30側で算出されるデータである。「業務」に係る情報には、ログイン/アウトに係る情報、アプリ稼動ログ、入力操作ログの各種情報がある。上向き矢印が「IN」の時刻、下向き矢印が「OUT」の時刻である。
図6において、社内、社外、業務に係る各種のログ情報の時刻は、分割時刻の候補とされる。
【0058】
そして、業務管理サーバ30の選択部51は、分割時刻の候補の中から、1日の業務時間帯を含む時間領域を作業内容ごとに分割する分割時刻を選択する。選択された分割時刻は、時間分割フラグTF(t)として記憶部33の所定記憶領域に保存される。そして、1日の時間領域が時間分割フラグTF(t)が立った時刻で分割される。この結果、時間分割ブロック[0]~[N]が生成される。なお、時間分割ブロック[0]~[N]は、社員を識別する社員コード(識別情報)、分割時刻から特定される開始時刻及び終了時刻を、プロパティとして含んでもよい。時間分割ブロック[0]~[N]は、その他のプロパティについてはまだ付与されていないか、この時点で未処理である少なくともバイタルデータと業務・作業に係るコードについては、プロパティとしてまだ付与されていない。
【0059】
次に、プロパティ生成部53によって、業務内容(業務コード)及び作業内容(作業コード)のプロパティをはじめとする他のプロパティを生成するプロパティ生成処理が行われる。歩数、心拍数、体温に係るプロパティを生成・特定するために、バイタルデータが用いられる。業務コード及び作業コードを生成・特定するために、業務に係る予定及び結果を含む業務情報が用いられる。業務に係る予定には、社員又は所属部署の目標、計画、スケジュール等が含まれる。また、業務に係る結果には、社員の日報、成果物等が含まれる。プロパティ生成部53によって、「場所」、「活動分類コード」、「業務コード」、「作業コード1」、「作業コード2」、「歩数」、「平均心拍」、「平均体温」「未完成成果物URL」、「完成成果物URL」のプロパティが生成される。なお、各プロパティの生成方法の詳細については後述する。
【0060】
<時間分割ブロックを生成するための構成>
次に、
図7を参照して、選択部51、時間分割ブロック生成部52、プロパティ生成部53の構成について説明する。
【0061】
図7に示すように、選択部51は、入出ログ情報、位置ログ情報、作業ログ情報を入力し、入力した各ログ情報に係る時刻を分割時刻の候補としてその中から分割時刻を選択する。入出ログ情報は、各認証部21から得られるゲートA~Cの通過時刻を含む。位置ログ情報は、位置取得部22から取得される社員の位置座標X(t),Y(t)を含む。選択部51は、位置座標X(t),Y(t)を基に移動速度を算出し、その移動速度が閾値を超えている間は、社員が移動中であると判断する。また、作業ログ情報は、ログイン/アウトのログ情報、キーボード及びマウス等の入力装置の操作ログ情報を含む。情報機器23は、ソフトウェアとしてインストールされているアプリケーション(以下、単に「アプリ」ともいう。)として、第1アプリ、第2アプリ、第3アプリを含む複数のアプリを備える。作業ログ情報には、社員が業務作業で使用する、第1アプリ、第2アプリ、第3アプリの稼動率を含む稼動ログ情報も含まれる。なお、本実施形態では、第1アプリは、例えば、プログラム設計に使用されるソフトウェアである。第2アプリは、例えば、文書作成に使用されるソフトウェアである。第3アプリは、例えば、会議アプリなどの音声で通話可能なソフトウェアである。
【0062】
図7に示すように、選択部51は、これらのログ情報から特定される時刻を分割時刻の候補とし、分割時刻の候補の中から、1日の業務時間帯を複数の時間分割ブロックに分割する時刻である分割時刻を選択する。選択部51は、入力した各種のログ情報から分割時刻を選択する部分として、選択処理部55を備える。なお、選択部51は、入力した各種のログ情報から分割時刻を選択する部分として、AI(Artificial Intelligence)により分割時刻を選択するAI選択部56を備えてもよい。選択部51は、分割時刻で立ち上がる時間分割フラグTFを出力する。時間分割フラグTFは、例えば、時間tの関数TF(t)で示され、分割時刻tdのときに、例えば、値「1」をとり、分割時刻td以外の時刻のときに、例えば、「0」をとる。
【0063】
時間分割ブロック生成部52は、選択部51から分割時刻tdを含む時間分割フラグTFを入力する。時間分割ブロック生成部52は、時間分割フラグTFに基づいて特定される複数の分割時刻tdで、1日の時間領域を複数に分割することで、複数(N+1個)の時間分割ブロック[0]~[N](
図12参照)を生成する。
【0064】
プロパティ生成部53は、作業分析部57、所在分析部58及び移動分析部59を備える。作業分析部57は、入出ログ情報、位置ログ情報、作業ログ情報、業務に係る予定及び結果を含む業務情報を分析することで、作業内容を特定する。作業分析部57が特定した作業内容は、プロパティの1つである作業コードに格納される。
【0065】
所在分析部58は、入出ログ情報及び位置ログ情報を分析することで、社員の所在を特定する。所在分析部58が特定した所在は、プロパティの1つである場所に格納される。
移動分析部59は、入出ログ情報及び位置ログ情報を分析することで、社員が移動中であるか否かを特定する。移動分析部59が特定した移動中であるか否かの情報は、プロパティのそれぞれ1つである活動分類コードと作業コードに格納される。活動分類コードには、例えば、「出社移動」、「出張移動」、「帰宅移動」(
図12参照)等が格納される。また、作業コードには、例えば、「社内移動」、「社外移動」(
図12参照)等が格納される。
【0066】
プロパティ生成部53は、時間分割ブロック[0]~[N]に、プロパティ[1]~[M]を付与する。ここで、既に、社員コード(識別情報)、開始時刻、終了時刻が付与されている場合は、他のプロパティを付与する。こうして、プロパティ生成部53は、それぞれに例えば13個のプロパティ[1]~[M]が付与された時間分割ブロック#0~#Nを生成する。
【0067】
承認修正処理部54は、時間分割ブロック生成部52が生成したN+1個の時間分割ブロック#0~#N中のプロパティを、社員の端末23T(
図1参照)に表示することで、社員本人に承認を求める。社員は、端末23Tの表示画面でプロパティの内容(例えば
図12)を確認し、その内容で正しければ承認の操作を端末23Tで行う。一方、端末23Tの表示画面に表示されたプロパティの内容が正しくなければ、その間違い又は不適切な部分を正しい内容又はより適切な内容に修正したうえで、訂正の旨の操作を行う。社員は、訂正の確認画面で訂正内容を確認後、その内容で正しければ、承認の操作を行う。承認修正処理部54は、社員の端末23Tから承認を受け付けると、その承認された内容で時間分割ブロック#0~#Nをデータベース記憶部46に記憶する。なお、承認修正処理部54は、表示後、一定期間内に承認又は訂正等の応答を受け付けなかった場合、次のステップに進む。また、承認修正処理部54は、オプション機能であるので、なくてもよい。
【0068】
<選択部51の詳細な構成>
次に、
図8を参照して選択部51の詳細な構成について説明する。
図8に示すように、選択部51の選択処理部55は、各認証部21が認証したゲートA~Cの入出ログ情報の時刻を1つに結合する結合部71と、結合部71の出力である結合後の時刻フラグをフィルタ処理により絞り込む時間軸フィルタ72とを備える。ここで、時刻フラグは、時刻フラグ関数GF(t)で示される。時間軸フィルタ72は、該当時刻又は該当時間(開始~終了)で値=1とし、それ以外の時刻で値=0とする時間軸フィルタ処理を行う。時間軸フィルタ72は、時間軸フィルタ処理の結果、ゲートフラグGF(t)を出力する。
【0069】
また、選択処理部55は、位置取得部22が取得した位置座標X(t),Y(t)から移動速度を算出する移動速度算出部73と、閾値を超える移動速度の期間を特定する閾値処理部74と、特定した期間をフィルタ処理により絞り込む時間軸フィルタ75とを備える。時間軸フィルタ75は、移動フラグMF(t)を出力する。
【0070】
また、選択処理部55は、社員が業務作業に使用する情報機器23から各種の作業ログ情報を入力する。作業ログ情報には、ログイン/アウト、キーボード及びマウスからの操作ログ情報、アプリなどのソフトウェアの稼動率を含む稼動ログ情報などがある。
【0071】
ログイン/アウトの作業ログ情報で特定される時刻フラグ(ログイン時刻とログアウト時刻で値=1、それ以外で値=0)を入力してフィルタ処理により時刻を絞り込む時間軸フィルタ76を備える。時間軸フィルタ76は、ログインフラグLF(t)を出力する。
【0072】
また、選択処理部55は、社員が業務作業で使用する情報機器23のキーボード及びマウスからの操作ログ情報を入力して結合する結合部77と、結合部77の出力である結合後の時刻フラグをフィルタ処理により絞り込む時間軸フィルタ78を備える。
【0073】
また、選択処理部55は、第1アプリ、第2アプリ及び第3アプリなどの複数のソフトウェアの稼動率を入力するとともに、閾値を超える稼動率の範囲で時刻を特定する閾値処理部79と、特定した時刻フラグをフィルタ処理により絞り込む時間軸フィルタ80とを備える。さらに、選択処理部55は、各時間軸フィルタ78,80の出力を入力して結合する結合部81と、結合部81の出力を入力してエッジを検出する時間軸エッジ検出部82と、時間軸エッジ検出部82の出力を入力する時間軸フィルタ83とを備える。
【0074】
選択処理部55は、各フラグGT(t),MT(t),LF(t)、時間軸フィルタ83の出力WF(t)をそれぞれ入力する結合部84を備える。結合部84は、複数入力した時刻を1つに結合する。結合部84は、1つに結合した時刻を分割時刻TF(t)として時間分割ブロック生成部52に出力する。
【0075】
<実施形態の作用>
次に、
図9~
図14等を参照して、業務管理装置である業務管理サーバ30の作用について説明する。業務管理サーバ30は、コンピュータ31がプログラムPRを実行することで、業務管理方法を実現する。なお、
図9~
図11は、
図6のタイミングチャートを、より詳細に示すもので3図に分けているが、連続する1つのタイミングチャートを示す。
【0076】
図9は、入出ログ情報及び位置ログ情報に基づき分割時刻を選択する処理を示す。
図10は、作業ログ情報に基づき分割時刻を選択する処理及び分割時刻に基づき複数の時間分割ブロックを生成する処理を示す。さらに、
図11は、プロパティ生成処理を示す。そして、これらの業務管理方法により
図12に示す、ある社員(例えば、Aさん)の1日分に相当するN+1個の時間分割ブロック#0~#Nが生成される。
【0077】
以下、
図9~
図11を参照して、時間分割ブロック生成処理について説明する。
図9~
図11に示すタイミングチャートは、横軸が時間であり、縦方向に上から順番に、認証部21からの入出ログ情報及び処理内容、位置取得部22からの位置ログ情報及び処理内容が示されている。
【0078】
図9に示すように、認証部21からのゲートA~Cを通過した際の入出ログ情報を基に選択部51がフィルタ処理等を含む選択処理(
図8参照)を行うことで、場所が特定される。
図9の例では、場所Xは社外、場所Aは会社敷地内、場所B,Cは、それぞれ建物内を指す。ここで、場所が異なっても1つの作業とすべき場合があるので、結合部71と時間軸フィルタ72(
図8参照)とにより1つの作業や行動として分けられるべき時刻でゲートフラグGF(t)が設定される。なお、ゲートフラグGF(t)は、実線の矢印で示され、破線の矢印はゲートフラグGF(t)としては選択されなかった時刻を指す。
【0079】
次に、位置取得部22からの位置座標X(t),Y(t)は、時間と共に変化する。移動速度算出部73(
図8参照)は、位置座標X(t),Y(t)を基に移動速度XY(t)/dtを算出する。選択部51は、移動速度XY(t)/dtが閾値Svを超えている期間を「移動中(move)」と判断し、一方、移動速度XY(t)/dtが閾値Sv以下の期間を「停止中(stay)」と判断する。こうして、「移動中」と「停止中」との境界時刻に、移動フラグMF(t)が設定される。この移動フラグMF(t)により、場所として、「社外移動中」、「会社」、「社外移動中」、「食事・休憩」「社外移動中」、「会社」が特定される。なお、閾値Svは、自動車で移動中のときに「移動中」と判定される値(
図9の例)でもよいし、徒歩で移動中のときに「移動中」と判定される値でもよい。
【0080】
次に、
図10に示すように、情報機器23からの作業ログ情報の1つであるログイン/アウトの時刻からログインフラグLFが設定される。キーボード及びマウスの操作検出K*M(t)により操作された期間が特定される。また、会議アプリ(例えば第3アプリ)の音声Voice(t)が発話した期間に立ち上がる。社員が情報機器23で起動した第1アプリ、第2アプリ、第3アプリの各稼動率a1CPU%(t),a2CPU%(t),a3CPU%(t)と、CPU稼動とが取得される。各アプリの稼動率及びCPU稼動は、閾値処理部79(
図8参照)によりそれぞれ個別に設定された閾値を超える場合に立ち上がる。これらの作業ログ情報を基に作業フラグWF(t)が設定される。
【0081】
そして、各フラグGF(t),MF(t),LF(t),WF(t)を基に結合部84により時間分割フラグTF(t)が生成される。そして、時間分割ブロック生成部52(
図8参照)が、時間分割フラグTF(t)を基に時間分割ブロック[0]~[N]を生成する。この段階では、まだ作業コード等のプロパティは付与されていない。以後の処理で、
図10に示す作業コードのプロパティを生成し付与する。
【0082】
次に、
図11を参照して、プロパティ生成部53がプロパティの生成と、プロパティの付与とを行うことで、時間分割ブロック#0~#Nを生成する処理について説明する。
図11に示すように、バイタルデータは、歩数NS(t)、心拍数HR(t)、体温BT(t)を含む。歩数NS(t)は、例えば、1日単位でリセットされる累積歩数である。
【0083】
また、予定リストは、業務目的コード、作業分類コードを含む。プロパティ生成部53は、業務目的コード及び作業分類コードも適宜利用して、作業コードのプロパティを特定する。成果物は、途中と完了とがある。
図11の例では、設計途中のプログラムファイルが所定時刻で保存されて終了している。また、報告書と議事録がそれぞれ所定時刻で完了して保存されている。プロパティ生成部53は、成果物情報も用いて「プログラム設計」や「文書作成」、「Web会議」の作業内容を特定する。プロパティ生成部53は、プロパティ[1]~[M]が付与された
図12に示す時間分割ブロック#0~#Nを生成する。
【0084】
図13及び
図14は、コンピュータ31がプログラムPRを実行することで行われる業務管理方法を示す流れ図である。
図13は、時間分割ブロックの生成する処理の流れを示す。
図14は、時間分割ブロック集合体DBのプロパティを利用して各種の分析を行う分析処理の流れを示す。
【0085】
まず、
図13を参照して、業務管理方法における時間分割ブロック生成処理の流れについて説明する。なお、ステップS11~S23の処理は、コンピュータ31の選択部51が行う。ステップS24の処理は、コンピュータ31の時間分割ブロック生成部52が行う。ステップS25及びS26の処理は、コンピュータ31のプロパティ生成部53が行う。ステップS27及びS28の処理は、承認修正処理部54が行う。なお、承認修正処理部54が行うステップS27の処理は、パスしてもよい。
【0086】
この時間分割ブロック生成処理は、
図9~
図11で説明した処理と基本的に同である。社員Aさんの1日分の時間分割ブロックは、次の流れに沿って処理される。
まず、ステップS11で、社員Aがゲート認証した際のゲート通過時刻GA(t),GB(t),GC(t)を取得する。ステップS12で、これらのゲート通過時刻GA(t),GB(t),GC(t)を基に社内所在分析を行う。この分析の結果、ステップS13で、社内所在データPin(t)を取得する。ステップS14では、Pin(t)を基に社内移動フラグGF(t)を生成する。
【0087】
ステップS15で、社員Aの位置として、例えばGPSで緯度X(t)と経度Y(t)を取得する。ステップS16で、これらの位置X(t),Y(t)を基に移動所在分析を行う。この分析の結果、ステップS17で、社外所在データPout(t)を取得する。ステップS18では、Pout(t)を基に社外移動フラグMF(t)を生成する。
【0088】
ステップS19で、社員Aの業務履歴を取得する。すなわち、作業ログ情報として、ログイン/アウト、入力操作、マイク音声、アプリ稼動、CPU稼動率などを取得する。ステップS20で、これらの業務履歴(作業ログ情報)を基に作業内容分析を行う。この分析の結果、ステップS21で、作業履歴データPCW(t)を取得する。ステップS22では、PCW(t)を基に作業フラグWF(t)を生成する。
【0089】
ステップS23では、各フラグGF(t),MF(t),WF(t)を基に時間分割フラグTF(t)を生成する。
次のステップS24では、時間分割ブロック生成部52が、複数の時間分割フラグTF(t)を基に時間分割ブロック[0]~[N]を生成する。
【0090】
ステップS25では、プロパティ生成部53がプロパティ[1]~[M]を生成する。プロパティ生成部53は、バイタルデータ、業務計画(業務に係る予定)、及び成果物報告書(業務に係る結果)を基にプロパティ[1]~[M]の少なくとも一部(「作業内容」を含む)を生成する。次のステップS26で、プロパティ生成部53がプロパティ[1]~[M]を、N+1個の時間分割ブロック[0]~[N]に付与する。これにより、時間分割ブロック#0~#Nを生成する。なお、前述のとおり、M個のプロパティのうち、識別情報、開始時刻、終了時刻については、ステップS24で付与されてもよい。
【0091】
次のステップS27では、承認修正処理部54が承認・修正処理を行う。すなわち、承認修正処理部54は、社員Aの端末23Tにプロパティの内容(
図12参照)を表示する。社員Aは、表示内容が正しい又は適切であれば端末23Tの入力装置を操作して承認処理を行い、一方、表示内容に修正・補足が必要な場合は、端末23Tの入力装置を操作することで、画面上で内容の修正又は補足を行う。社員Aは、修正又は補足の内容が正しければ承認を行う。そして、ステップS28において、承認修正処理部54は、承認された時間分割ブロック#0~#Nを記憶部33のデータベース記憶部46に保存する。
【0092】
次に、
図14を参照して、業務管理方法における分析処理の流れについて説明する。なお、ステップS31~S39の処理は、コンピュータ31の分析部60が行う。
まず、ステップS31では、分析部60が時間分割ブロック集合体DBから目標別データを収集する。分析業務を許可された管理者は、端末23Tから業務管理サーバ30に対して目的とする分析内容を指示する。分析部60は、指示された目的とする分析内容に応じたデータを収集する。具体的な分析処理は、第1分析部61~第4分析部64が行う。
【0093】
コンピュータ31の分析部60は、勤務時間管理、人事評価、健康評価のうち1つを目的とする指示を受け付けると、ステップS31~S33の処理を実行する。まず、ステップS31では、第1分析部61が社員コード単位のデータ群を収集する。ステップS32では、そのデータ群が記憶部33に記憶される。ステップS33において、第1分析部61は、社員コード単位のデータ群を基に、勤務時間管理、人事評価、健康評価のうち指示された1つを実行する。
【0094】
また、コンピュータ31の分析部60は、作業効率と間接費用算出とのうち1つを目的とする指示を受け付けると、ステップS31,S34,S35の処理を実行する。まず、ステップS31では、第2分析部62が業務コード単位のデータ群を収集する。ステップS34では、そのデータ群が記憶部33に記憶される。ステップS35において、第2分析部62は、作業効率と間接費用算出とのうち指示された1つを実行する。
【0095】
また、コンピュータ31の分析部60は、施設使用率分析と勤務場所分析とのうち1つを目的とする指示を受け付けると、ステップS31,S36,S37の処理を実行する。まず、ステップS31では、第3分析部63が場所コード単位のデータ群を収集する。ステップS36では、そのデータ群が記憶部33に記憶される。ステップS37において、第3分析部63は、施設使用率分析と勤務場所分析とのうち指示された1つを実行する。
【0096】
さらに、コンピュータ31の分析部60は、成果物管理と情報セキュリティとのうち1つを目的とする指示を受け付けると、ステップS31,S38,S39の処理を実行する。まず、ステップS31では、第4分析部64が成果物単位のデータ群を収集する。ステップS38では、そのデータ群が記憶部33に記憶される。ステップS39において、第4分析部64は、成果物管理と情報セキュリティとのうち指示された1つを実行する。
【0097】
<実施形態の効果>
以上、詳述した実施形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)業務管理用プログラムPRは、コンピュータ31を、選択部51、時間分割ブロック生成部52、プロパティ生成部53として機能させる。選択部51は、入出ログ情報、位置ログ情報及び作業ログ情報に基づく時間軸上の変化点時刻のうち所定の判定条件に基づいて分割時刻を選択する。時間分割ブロック生成部52は、管理対象者の1日の業務時間帯を分割時刻で分割することにより、複数の時間分割ブロック[0]~[N]を生成する。プロパティ生成部53は、作業ログ情報又は業務情報に基づいて時間分割ブロック[0]~[N]ごとの作業内容を生成するとともに、生成した作業内容を時間分割ブロック[0]~[N]にプロパティとして付与することで、管理対象者の識別情報、分割時刻から特定される開始時刻及び終了時刻、並びに作業内容をプロパティとして含む複数の時間分割ブロック#0~#Nを生成する。この構成によれば、取得したデータ・情報をツール・手段や分析目的に依存しない、業務管理に適した構造でデータベースDBを生成できる。特に本実施形態では、取得したデータ・情報をツール・手段や分析目的に依存しない、例えば、分割時刻に変換し、業務時間帯を分割時刻で分割した各時間帯に作業内容等の他のプロパティを紐付けるので、分析等を含む業務管理を行うのに適したデータベースDBを生成できる。
【0098】
社員の業務・勤怠管理を目的として社員の種々活動情報を収集するセンシング機器、ツールの高度化、多機能化が進んでいる。これらの最新機器を導入していく場合、従来より設置している機器やそれらより取得したデータベースとの互換性や相互活用などは、容易ではない。しかし、各種機器から入手した情報を統一性あるデータ(例えば、分割時刻)に変換してデータベースDBを構築することにより、最新機器の追加導入による管理システム全体の機能アップ、データ間連携や活用が容易となる。また、従来システムでは、分析目的とセンシング機器が一体化しているケースも多く、分析目的毎にセンシング機器を設置することが必要となる場合も多い。しかし、本実施形態では、分析目的とは分離して、社員の活動情報をデータベース化できる。よって、情報収集系と情報分析系とをそれぞれで独立して更新・バージョンアップが可能なシステムを構築できる。
【0099】
(2)選択部51は、生成済みの時間分割ブロックBTのプロパティとして含まれる作業内容を少なくとも一部に含む業務情報を取得する。選択部51は、業務情報を参照して、最小単位の作業を複数の連続するブロックに分割せず、且つ最小単位の異なる作業を分割するように、分割時刻を選択する。この構成によれば、最小単位の1つの作業が複数の連続するブロックに分割されたり、最小単位の異なる作業が1つのブロックにまとめられたりしまう不都合が低減された、より適切なデータベースDBを生成できる。
【0100】
(3)作業ログ情報は、管理対象者が情報機器23を操作した操作ログ情報、及び情報機器23で起動中のソフトウェアの稼動ログ情報を含む。選択部51は、判定条件として、操作ログ情報に基づく操作頻度が閾値以上で、且つ稼動ログ情報に基づく稼動率が閾値以上のソフトウェアの種類に応じて分割時刻を選択する。よって、管理対象者が、作業を行う際に使用した情報機器23の操作ログ情報、及び、作業を行う際に使用したソフトウェアの種類に関する情報に基づいて、適切な分割時刻を選択できる。例えば、分割時刻を補うための人手による入力作業を低減できる。
【0101】
(4)コンピュータ31を、時間分割ブロック#0~#Nのプロパティを管理対象者の端末23Tに表示させ、管理対象者による承認処理、又は必要に応じたデータ修正処理を行わせる承認修正処理部54として機能させる。この構成によれば、生成した時間分割ブロック#0~#N中のプロパティの是非を管理対象者本人に確認できるうえ、必要に応じて本人が修正できる。よって、プロパティの内容(分割時刻の適切さや作業内容の適切さ)が、本人に承認・修正されたより適切なデータベースDBを生成できる。そのうえ、管理側の人手によるデータベースDBの修正や補足のための入力作業を低減できる。
【0102】
(5)業務管理用プログラムPRは、コンピュータ31を、分析部60として機能させる。分析部60は、時間分割ブロック集合体DBに対して、所定のプロパティによるフィルタ処理を行うことで目的に合った時間分割ブロックBTを選択し、選択した時間分割ブロックBTのプロパティの内容を分析する。よって、分析部60は、時間分割ブロック集合体DBに対して所定のプロパティによるフィルタ処理を行って選択した時間分割ブロックBTのプロパティの内容を分析することで、目的に合った分析を行うことができる。
【0103】
(6)コンピュータ31は、管理対象者が所持する活動量計24から取得される活動ログ情報を記憶する第5記憶部45を備える。プロパティ生成部53は、活動ログ情報に基づく活動情報を時間分割ブロック[0]~[N]のプロパティの1つとして付与する。この構成によれば、管理対象者の活動ログ情報から得られる活動情報をプロパティとして含むデータベースDBを生成できる。例えば、作業の効率と活動情報との関連性から作業効率を高めやすい作業の提案や作業の分担を行うのに役立つ。
【0104】
(7)分析部60は、プロパティの内容を分析することで、管理対象者である社員の勤怠時間管理、社員の業務評価・スキル評価、情報セキュリティーリスク管理、及び社員の健康管理のうち少なくとも1つを分析する。この構成によれば、時間分割ブロックBTの集合体であるデータベースDBを用いて、社員の勤怠時間管理、社員の業務評価・スキル評価、情報セキュリティーリスク管理、及び社員の健康管理のうち少なくとも1つを分析できる。社員の勤怠時間管理、社員の業務評価・スキル評価、情報セキュリティーリスク管理、及び社員の健康管理に役立てることができる。
【0105】
(8)業務管理装置の一例である業務管理サーバ30のコンピュータ31は、第1記憶部41、第2記憶部42、第3記憶部43、第4記憶部44、選択部51、ブロック生成部52及びプロパティ生成部53を備える。選択部51は、入出ログ情報、位置ログ情報及び作業ログ情報に基づく時間軸上の変化点時刻のうち所定の判定条件に基づいて分割時刻を選択する。ブロック生成部52は、管理対象者の1日の管理対象である業務時間帯を分割時刻で分割することにより、複数の時間分割ブロック[0]~[N]を生成する。プロパティ生成部53は、作業ログ情報又は業務情報に基づいて時間分割ブロック[0]~[N]ごとの作業内容を生成するとともに、生成した作業内容を時間分割ブロック[0]~[N]にプロパティとして付与する。これにより、管理対象者の識別情報、分割時刻から特定される開始時刻及び終了時刻、並びに作業内容をプロパティとして含む複数の時間分割ブロック#0~#Nが生成される。よって、取得したデータ・情報をツール・手段や分析目的に依存しない、業務管理に適した構造でデータベースDBを生成できる。
【0106】
(9)業業務管理方法は、選択ステップと、ブロック生成ステップと、プロパティ生成ステップとを含む。選択ステップでは、コンピュータ31の選択部51が、入出ログ情報、位置ログ情報及び作業ログ情報に基づく時間軸上の変化点時刻のうち所定の判定条件に基づいて分割時刻を選択する。ブロック生成ステップでは、コンピュータ31のブロック生成部52が、管理対象者の1日の業務時間帯を分割時刻で分割することにより、複数の時間分割ブロック[0]~[N]を生成する。プロパティ生成ステップでは、コンピュータ31のプロパティ生成部53が、作業ログ情報又は業務情報に基づいて時間分割ブロック[0]~[N]ごとの作業内容を生成するとともに、生成した作業内容を時間分割ブロック[0]~[N]にプロパティとして付与する。これにより、管理対象者の識別情報、開始時刻及び終了時刻、並びに作業内容をプロパティとして含む複数の時間分割ブロック#0~#Nが生成される。よって、取得したデータ・情報をツール・手段や分析目的に依存しない、業務管理に適した構造でデータベースDBを生成できる。
【0107】
実施形態は、上記に限定されず、以下の態様に変更してもよい。
・選択部51は、
図15に示すAI選択部56でもよい。AI選択部56は、入出ログ情報、位置ログ情報、作業ログ情報を入力して、分割時刻を出力する学習済み学習器56M(モデル)を備える。入出ログ情報は、GA(t),GB(t),GC(t)を含む。位置ログ情報は、X(t),Y(t)を含む。作業ログ情報は、ログイン/ログアウト、入力操作、マイク音声、アプリ稼動率、CPU稼動率を含む。AI選択部56は、その出力値である分割時刻として時間分割フラグTF(t)を出力する。AI選択部56は、N個の時間分割フラグTF(t1),TF(t2),…,TF(tn)を出力してもよいし、N個の分割時刻を出力してもよい。学習済み学習器56Mは、例えば、教師あり学習又は半教師あり学習を終えている。AIは、例えば、ディープラーニング(深層学習)が挙げられるが、機械学習を用いるものでもよい。また、学習器は、教師あり学習、半教師あり学習、教師なし学習、強化学習等のどれを用いてもよい。半教師あり学習のディープラーニングである場合、学習器56Mがトランスフォーマの仕組みを備えるものでもよい。なお、X(t),Y(t)、マイク音声、アプリ稼動率、CPU稼動率等の入力値は、複数ビットであってもよい。さらに、社員の業務に係る予定又は結果を含む業務情報を学習済み学習器56Mの入力値として入力してもよい。また、作業コードを業務情報として学習済み学習器56Mの入力値としてもよい。
【0108】
このように、選択部51は、判定条件として、操作ログ情報に基づく操作頻度が閾値以上で、且つ稼動ログ情報に基づく稼動率が閾値以上のソフトウェアの種類とを、学習済みの学習器56Mに入力する。選択部51は、学習器56Mの出力結果として分割時刻を選択する。この構成によれば、管理対象者が、作業を行う際に使用した情報機器23の操作情報、及び、情報機器23で使用したソフトウェアの種類に関する情報を、学習器56Mに入力することで、より適切な分割時刻を学習器56Mの出力結果として取得できる。また、学習を継続することで学習器56Mの出力精度が向上するので、学習器56Mを用いることで、業務時間帯を適切な時刻で分割したデータベースDBを生成できる。なお、学習器56Mは、分割時刻の候補のうちより適切な分割時刻の選択を内部処理で行う。
【0109】
・承認修正処理部54は、修正内容又は補足内容などの変更履歴を記憶部33の所定記憶領域に保存し、以後のプロパティの決定の際に変更履歴も参照することで、より適切なプロパティを生成してもよい。この場合、変更履歴を学習器に学習させることでAIにより適切なプロパティを選択してもよい。
【0110】
・承認修正処理部54は、社員による修正又は補足された入力内容の正否をチェックし、入力内容が間違いであれば、間違いを指摘することで入力内容の訂正を求めてもよい。
・
図7では、社員が業務作業に使用する情報機器23を、アプリを起動させて社員が入力装置を操作して作業を行うPCやタブレット等としたが、印刷装置やスキャナであってもよい。これらの場合、プロパティ生成部53は、印刷対象のファイル名やスキャンされた原稿の情報等を分析することで、作業内容(例えば、作業コード)を特定してもよい。
【0111】
・時間分割ブロックBTのプロパティは、管理対象者の識別情報、開始時刻、終了時刻、作業内容のみでもよい。
・時間分割ブロックの生成前に既知の識別情報と、時間分割ブロックの生成過程で既知となる分割時刻から特定される「開始時刻」と「終了時刻」の各プロパティを付与するタイミングは、既知後いつでもよい。例えば、全てのプロパティが決まるまで、時間分割ブロックはプロパティが全く付与されていない空データで、「識別情報」と、「開始時刻」と「終了時刻」を他のプロパティとまとめて一緒に時間分割ブロックBTに付与してもよい。また、「識別情報」のみ先に時間分割ブロック[0]~[N]に付与されてもよい。
【0112】
・複数の時間分割ブロックBTを1つずつ分けて記憶部33に保存したが、複数の時間分割ブロックBTの1日分を1つのデータとして記憶部33に保存してもよい。また、複数の時間分割ブロックBTを午前と午後の2つのデータとして記憶部33に保存してもよい。要するに、業務管理し易い時間分割ブロックをデータベースとして利用できれば、その保存形式は任意に設定してよい。また、複数日分の時間分割ブロックを1つのデータとして記憶部33に保存してもよい。この場合、例えば、2日分、1週間分でもよい。
【0113】
・業務時間帯のみを複数(例えばN個)に分割してもよい。つまり、
図12において、時間分割ブロック#0と#13がない構成である。#12が#Nになる。
・休憩を除いて業務を管理してもよい。例えば、
図12において、時間分割ブロック#3,#5をなくしてもよい。この場合でも、社外の移動途中などでとる規定外の休憩である場合は、作業コードに「休憩」が設定された時間分割ブロックを生成してもよい。
【0114】
・選択部51は、業務情報を参照することで分割時刻を選択してもよい。例えば、第1アプリの稼動率と第2アプリの稼動率とに基づいて第1アプリの作業と第2アプリの作業とに分けたものの、業務情報の例えば予定の内容を参照することで、1つの作業にまとめてもよい。この場合、選択処理部55とAI選択部56とのどちらに適用してもよい。
【0115】
・プロパティ生成部53は、学習済みの学習器を用いてAIによりプロパティの生成を行ってもよい。この場合、作業分析部57、所在分析部58及び移動分析部59のうち少なくとも1つでAIを用いてもよい。例えば、作業分析部57がAIを用いることで、プロパティ生成部53は、学習済みの学習器を用いて時間分割ブロック[0]~[N]ごとのプロパティの1つである作業内容(例えば、作業コード)を生成してもよい。
【0116】
・プロパティの数Mは任意に設定してもよい。バイタルデータを含まない時間分割ブロックBTでもよい。なお、時間分割ブロックBTは、管理対象者(例えば社員)の識別情報、開始時刻、終了時刻、及び作業内容の少なくとも4個のプロパティを含んでいればよい。開始時刻及び終了時刻は、秒単位、10秒単位、分単位、5分単位の時刻でもよい。作業内容は、文字列で管理されてもよいし、コードで管理されてもよい。
【0117】
・時間分割ブロックBTがプロパティとして含むバイタルデータは、歩数、心拍数、体温以外のものでもよい。例えば、睡眠時間、労働時間、消費カロリー、栄養バランス等のいずれか1つを含んでもよい。また、プロパティとして含むバイタルデータは、歩数、心拍数、体温のうちのいずれか1つ又は2つでもよい。
【0118】
・会社サーバ12が、業務管理サーバ30を兼ねてもよい。この場合、端末23Tと業務管理サーバ30とが社内LANを介して接続される構成でもよい。また、業務管理サーバ30が会社サーバ12を兼ねてもよい。この場合、情報取得部11が取得した各種の情報がネットワークNWを介して業務管理サーバ30に送信されてもよい。
【0119】
・会社サーバ12は、会社所有のサーバでもよいし、社外のレンタルサーバでもよい。業務管理サーバ30は、会社所有のサーバでもよいし、社外のレンタルサーバでもよい。
・前記実施形態及び変形例における会社サーバ12が、業務管理装置であってもよい。すなわち、会社サーバ12が、
図3、
図5等に示す構成を備えてもよい。さらに、端末23Tが、業務管理装置であってもよい。すなわち、端末23Tが、
図3、
図5等に示す構成を備えてもよい。この場合、端末23Tが生成した時間分割ブロックBTは、会社サーバ12又は業務管理サーバ30に送られ、データベースDBは、会社サーバ12又は業務管理サーバ30の記憶部に構築されてもよい。
【0120】
・会社サーバ12、業務管理サーバ30、端末23Tのうちの1つが、データベースDBの生成と、分析部60による分析との両方を行ってもよい。また、会社サーバ12、業務管理サーバ30、端末23Tのうち、1つが、データベースDBの生成を行い、他の1つが分析部60による分析を行ってもよい。
【0121】
・管理対象者は、会社の社員に限らず、業務や作業を管理される対象者であればよい。例えば、他社の社員、外注先の作業員、会社形式をとらない組織の組織員でもよい。
【符号の説明】
【0122】
10…業務管理システム、11…情報取得部、12…会社サーバ、15…会社施設、21…認証部、22…位置取得部、23…情報機器、23T…端末、24…活動量計、30…業務管理サーバ、31…コンピュータ、32…CPU、33…記憶部、41…第1記憶部、42…第2記憶部、43…第3記憶部、44…第4記憶部、45…第5記憶部、46…データベース記憶部、51…選択部、52…ブロック生成部の一例としての時間分割ブロック生成部、53…プロパティ生成部、54…承認修正処理部、55…選択処理部、56…AI選択部、56M…学習器、60…分析部、61…第1分析部、62…第2分析部、63…第3分析部、64…第4分析部、71…結合部、72…時間軸フィルタ、73…移動速度算出部、74…閾値処理部、75…時間軸フィルタ、76…時間軸フィルタ、77…結合部、78…時間軸フィルタ、79…閾値処理部、80…時間軸フィルタ、81…結合部、82…時間軸エッジ検出部、83…時間軸フィルタ、84…結合部、NW…ネットワーク、NT…社内ネットワーク、PR…業務管理用プログラム、[0]~[N]…未完の時間分割ブロック、[0]~[M]…プロパティ、BT,#0~#N…時間分割ブロック、GF(t)…ゲートフラグ、TF(t)…時間分割フラグ、MF(t)…移動フラグ、LF(t)…ログインフラグ、WF(t)…作業フラグ、DB…データベースとしての時間分割ブロック集合体。