(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009035
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】ラミネート型電池
(51)【国際特許分類】
H01M 50/105 20210101AFI20250109BHJP
H01M 50/124 20210101ALI20250109BHJP
【FI】
H01M50/105
H01M50/124
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023111751
(22)【出願日】2023-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柿下 健一
(72)【発明者】
【氏名】鬼頭 澄子
【テーマコード(参考)】
5H011
【Fターム(参考)】
5H011AA01
5H011CC02
5H011DD13
5H011FF02
5H011HH02
5H011KK01
(57)【要約】
【課題】外部からの衝撃に対する耐衝撃性に優れるラミネート型電池が提供される。
【解決手段】本開示のラミネート型電池は、電極体と、前記電極体を覆って内部に封入するラミネートフィルムと、を備える。前記ラミネートフィルムは、端部同士が重ね合わされて内面が融着された融着部を有する。前記融着部は、前記融着部の長手方向に延在する折り曲げ線部に沿って、折り曲げられている。前記融着部は、前記折り曲げ線部よりも先端側の領域において、前記電極体に向いた面を有し、かつ前記融着部の長手方向に沿って波状にうねった形状を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極体と、
前記電極体を覆って内部に封入するラミネートフィルムと、
を備え、
前記ラミネートフィルムが、端部同士が重ね合わされて内面が融着された融着部を有し、
前記融着部が、前記融着部の長手方向に延在する折り曲げ線部に沿って、折り曲げられており、
前記融着部が、前記折り曲げ線部よりも先端側の領域において、前記電極体に向いた面を有し、かつ前記融着部の長手方向に沿って波状にうねった形状を有する、ラミネート型電池。
【請求項2】
前記形状の波の山の数が2つ以上であり、かつ前記融着部の先端において、前記形状の波の山と波の谷との高低差が0.5mm以上である、請求項1に記載のラミネート型電池。
【請求項3】
前記融着部が、前記折り曲げ線部に沿って、角状又は弧状に折り曲げられている、請求項1又は請求項2に記載のラミネート型電池。
【請求項4】
前記融着部の長手方向において、前記形状の先端における長さが、前記融着部の前記折り曲げ線部における長さよりも長い、請求項1又は請求項2に記載のラミネート型電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ラミネート型電池に関する。
【背景技術】
【0002】
電極体がラミネートフィルムに覆われたラミネート型電池では、電極体を封入するためにラミネートフィルムの一部を融着して融着部を形成することが行われている。
【0003】
特許文献1は、ラミネート加工をした二次電池の外装体において、少なくとも1つの端部に折り曲げ部を有する二次電池の製造方法を開示している。特許文献1に開示の製造方法は、第1工程と、第2工程とを備える。第1工程及び第2工程は、この順で実施される。第1工程では、前記外装体の前記端部の折り曲げの基点に押さえ板を当接させる。第2工程では、前記端部を挟むように前記押さえ板と前記押さえ板に対向する位置に配置されている押し付け板とを摺動させて、前記基点を中心に前記端部を折り曲げるとともに、前記押さえ板と前記押し付け板とで前記端部を挟持することにより前記折り曲げ部を形成する。前記押し付け板の前記端部と摺動する面は、前記端部の折り曲げを行う傾斜面と、前記端部を挟持する挟持面と、を有する。前記傾斜面は前記押し付け板の幅方向に直交する断面において、前記押し付け板の断面積は、前記摺動方向に狭まるように傾斜している。前記傾斜面は、前記幅方向に傾斜している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電極体を1枚のラミネートフィルムで覆うラミネート型電池では、ラミネートフィルムの一端側と他端側とを重ね合わせてその内面を融着して融着部を形成することで、電極体をラミネートフィルムにより封入する。電極体を複数のラミネートフィルムで覆うラミネート型電池では、複数のラミネートフィルムの端部同士を重ね合わせてその内面を融着して融着部を形成することで封入を行う。ラミネート型電池の構造効率を向上させるため、これらの融着部を例えば折り曲げてラミネート型電池全体の外形のサイズを小さくすることが行われる。
【0006】
ラミネート型電池に含まれる電極体に衝撃が加えられた場合、電極体が破損し、求められる電池の性能を発揮できなくなることがある。そのため、ラミネート型電池には耐衝撃性が求められている。
【0007】
特許文献1に開示のラミネート型電池の融着部の折り曲げの基点より先端側の部位(以下、「曲げ部位」ともいう)は、平面状である。そのため、ラミネート型電池に外部からの衝撃(例えば、側突等)が加わった際に、曲げ部位は、衝撃の緩衝材として機能しにくいおそれがある。その結果、特許文献1に開示のラミネート型電池の耐衝撃性は、十分ではないおそれがある。
【0008】
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものである。
本開示の一実施形態が解決しようとする課題は、外部からの衝撃に対する耐衝撃性に優れるラミネート型電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための手段には、以下の実施態様が含まれる。
【0010】
<1>本開示の第1態様のラミネート型電池は、電極体と、前記電極体を覆って内部に封入するラミネートフィルムと、を備え、前記ラミネートフィルムが、端部同士が重ね合わされて内面が融着された融着部を有し、前記融着部が、前記融着部の長手方向に延在する折り曲げ線部に沿って、折り曲げられており、前記融着部が、前記折り曲げ線部よりも先端側の領域において、前記電極体に向いた面を有し、かつ前記融着部の長手方向に沿って波状にうねった形状を有する、ラミネート型電池である。
【0011】
第1態様では、前記融着部は、前記折り曲げ線部よりも先端側の領域(以下、「折り曲げ領域」ともいう)において、前記電極体に向いた面を有し、かつ前記融着部の長手方向に沿って波状にうねった形状(以下、「波形状」ともいう)を有する。折り曲げ領域は、通常、適度な形状保持性を有する。そのため、折り曲げ領域に外部から衝撃(例えば、側突等)が加わった際に、折り曲げ領域は、折り曲げ領域が平面状である場合よりも、衝撃の緩衝材として機能しやすい。その結果、第1態様のラミネート型電池は、外部からの衝撃に対する耐衝撃性に優れる。
【0012】
<2>本開示の第2態様のラミネート型電池は、前記形状の波の山の数が2つ以上であり、かつ前記融着部の先端において、前記形状の波の山と波の谷との高低差が0.5mm以上である、前記<1>に記載のラミネート型電池である。
【0013】
本開示において、「波の山と波の谷との高低差」とは、山部の頂部と、この山部の隣の谷部の底部との距離を示す。
【0014】
第2態様では、折り曲げ領域に外部から衝撃(例えば、側突等)が加わった際に、折り曲げ領域は、折り曲げ領域が第2態様の条件を満たさない場合よりも、衝撃の緩衝材としてより機能しやすい。その結果、第2態様のラミネート型電池は、外部からの衝撃に対する耐衝撃性により優れる。
【0015】
<3>本開示の第3態様のラミネート型電池は、前記融着部が、前記折り曲げ線部に沿って、角状又は弧状に折り曲げられている、前記<1>又は前記<2>に記載のラミネート型電池である。
【0016】
第3態様では、折り曲げ領域は、融着部が折り曲げ線部に沿って角状又は弧状に折り曲げられていない場合よりも優れた形状保持性を有する。その結果、第3態様のラミネート型電池は、外部からの衝撃に対する耐衝撃性により優れる。
【0017】
<4>本開示の第4態様のラミネート型電池は、前記融着部の長手方向において、前記形状の先端における長さが、前記融着部の前記折り曲げ線部における長さよりも長い、前記<1>~前記<3>のいずれか1つに記載のラミネート型電池である。
【0018】
第4態様では、折り曲げ領域に外部から衝撃(例えば、側突等)が加わった際に、折り曲げ領域は、折り曲げ領域が第4態様の条件を満たさない場合よりも、衝撃の緩衝材としてより機能しやすい。その結果、第4態様のラミネート型電池は、外部からの衝撃に対する耐衝撃性により優れる。
【発明の効果】
【0019】
本開示によれば、外部からの衝撃に対する耐衝撃性に優れるラミネート型電池が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本開示の実施形態に係るラミネート型電池の外観斜視図である。
【
図3】本開示の実施形態に係るラミネート型電池の上面図である。
【
図4】本開示の実施形態に係るラミネート型電池の半製品の外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示において、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。本開示において、「工程」との用語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
【0022】
以下、図面を参照して、本開示のラミネート型電池、電池スタック及びラミネート型電池の製造方法の実施形態について説明する。図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0023】
(1)ラミネート型電池
本開示の実施形態に係るラミネート型電池1は、
図1に示すように、電極体10と、ラミネートフィルム20と、一対の端子30と、を備える。一対の端子30の一方は、正極端子である。一対の端子30の他方は、負極端子である。ラミネート型電池1は、直方体状物である。
【0024】
本実施形態では、ラミネート型電池1の主面の短手方向の一方側をX軸正方向とし、その反対側をX軸負方向と規定する。ラミネート型電池1の主面の長手方向の一方側をY軸正方向とし、その反対側をY軸負方向と規定する。ラミネート型電池1の厚み方向の一方側をZ軸正方向とし、その反対側をZ軸負方向と規定する。X軸、Y軸及びZ軸の各々は、互いに直交する。なお、これらの向きは、本開示のラミネート型電池1の使用時の向きを限定するものではない。
【0025】
一対の端子30は、電極体10を介して、互いに対向して配置されている。電極体10は、一対の端子30の各々と電気的に接続されている。ラミネートフィルム20は、電極体10を覆って内部に封入している。ラミネートフィルム20は、一対の端子30の一部を覆っている。
【0026】
(1.1)ラミネートフィルム
ラミネートフィルム20は、1枚物である。ラミネートフィルム20は、端部同士が重ね合わされて内面が融着された融着部21を有する。融着部21は、折り曲げ線部Rに沿って、折り曲げられている。折り曲げ線部Rは、融着部21の長手方向(すなわち、Y軸方向)に沿って延在している。本実施形態では、
図2に示すように、融着部21は、折り曲げ線部Rに沿って、弧状ASに折り曲げられている。
【0027】
融着部21は、折り折り曲げ領域211と、非折り曲げ領域212とを有する。折り曲げ領域211は、ラミネート型電池1の主面(XY平面)に対して折り曲げられている。折り曲げ領域211は、融着部21の折り曲げ線部Rよりも融着部21の先端側の領域を示す。非折り曲げ領域212は、ラミネート型電池1の主面(XY平面)に対して折り曲げられていない。非折り曲げ領域212は、融着部21の折り曲げ線部Rよりも融着部21の先端側とは反対側の領域を示す。
【0028】
(1.1.1)波形状
折り曲げ領域211は、電極体10に向いた面S211を有する。折り曲げ領域211は、融着部21の長手方向(Y軸方向)に沿って波状にうねった形状WS(以下、「波形状WS」ともいう)を有する。
本実施形態では、
図3に示すように、波形状WSの波の山Mの数が2つ以上である。融着部21の先端において、波形状WSの波の山Mと波の谷Vとの高低差L1(
図3参照)は0.5mm以上である。
【0029】
本実施形態では、融着部21の長手方向(Y軸方向)において、波形状WSの先端T21(
図2参照)における長さL2は、融着部21の折り曲げ線部Rにおける長さL3よりも長い。
【0030】
図4は、ラミネート型電池1の半製品100の外観斜視図を示す。半製品100の構成は、融着部21に折り曲げ加工処理が施されていないことの他は、ラミネート型電池1と同様である。波形状WSは、半製品100を公知のロールフォーミング法による折り曲げ加工処理が施されることによって形成される。詳しくは、半製品100の融着部21を複数の一対のローラの各々の間を通過させて融着部21を段階的に折り曲げる際に、融着部21の短手方向において、融着部21の先端T21は、折り曲げ線部Rとは反対側に引っ張られて塑性変形する。これにより、折り曲げ領域211には、波形状WSが形成される。波形状WSの長さL2は、主として、一対のローラの通過による折り曲げ角度と、隣り合う一対のローラ対のロールピッチと、によって調整される。「折り曲げ角度」とは、ラミネート型電池1の主面(XY平面)に対する折り曲げ領域211の角度を示す。
【0031】
(1.1.2)フィルム構成
ラミネートフィルム20は、ラミネート型電池に用いられる公知のラミネートフィルムであればよく、3層構造のフィルムであってもよい。3層構造のフィルムは、金属層と、金属層の一方の主面上に配置された第1樹脂層と、金属層の他方の主面上に配置された第2樹脂層と、を有する。第1樹脂層は融着層として機能してもよく、第2樹脂層は保護層として機能してもよい。
【0032】
融着層の材料としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のオレフィン系樹脂等が挙げられる。金属層の材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼等が挙げられる。保護層の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン等が挙げられる。融着層の厚さは、40μm~100μmであってもよい。金属層の厚さは、30μm~60μm以下であってもよい。保護層の厚さは、20μm~60μmであってもよい。ラミネートフィルム20の厚さは、70μm~220μmであってもよい。
【0033】
(1.2)電極体
電極体10は、ラミネート型電池1の発電要素として機能する。電極体10の形状は特に限定されないが、例えば、直方体の形状、端面が傾斜面となる形状等が挙げられる。電極体は、複数の単位電極層がZ軸方向に沿って積層されてなる。単位電極層は、Z軸方向に沿って、正極集電体、正極合材層、固体電解質層、負極合材層及び負極集電体がこの順に積層されてなる。
【0034】
正極集電体の材質は、例えば、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、チタン又はカーボンである。正極集電体の各々の形状は、例えば、箔状、又はメッシュ状である。
【0035】
正極合材層は、正極活物質(例えば、LiCoO2、LiMn2O4、又はLiFePO4)を含有する。正極合材層は、必要に応じて、固体電解質(例えば、硫化物固体電解質、酸化物固体電解質、又はハロゲン化固体電解質)、導電材(例えば、アセチレンブラック、金属粒子又は導電性ポリマー等)及びバインダー(例えば、スチレンブタジエンゴム又はポリフッ化ビニリデン)を更に含有してもよい。
【0036】
固体電解質層は、固体電解質(例えば、硫化物固体電解質、酸化物固体電解質、又はハロゲン化固体電解質)を含有し、必要に応じて、バインダー(例えば、スチレンブタジエンゴム又はポリフッ化ビニリデン)を更に含有してもよい。硫化物固体電解質の組成は、例えば、xLi2S・(100-x)P2S5(70≦x≦80)、yLiI・zLiBr・(100-y-z)(xLi2S・(1-x)P2S5)(0.7≦x≦0.8、0≦y≦30、0≦z≦30)である。酸化物固体電解質としては、ガーネット型固体電解質、ペロブスカイト型固体電解質、ナシコン型固体電解質、Li-P-O系固体電解質、Li-B-O系固体電解質等が挙げられる。ハロゲン化固体電解質は、例えば、Li6-3zZzX6(Xは、Cl及びBrの少なくとも1種であり、zは0<z<2である)である。
【0037】
負極集電体の材質は、例えば、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、チタン又はカーボンである。負極集電体の形状は、例えば、箔状、又はメッシュ状である。
【0038】
負極合材層は、負極活物質(例えば、金属リチウム、グラファイト、チタン酸リチウム、又はSi単体)を含有する。負極合材層は、必要に応じて、固体電解質(例えば、硫化物固体電解質、酸化物固体電解質、又はハロゲン化固体電解質)、導電材(例えば、アセチレンブラック、金属粒子又は導電性ポリマー等)及びバインダー(例えば、スチレンブタジエンゴム又はポリフッ化ビニリデン)を更に含有してもよい。
【0039】
(1.3)端子
端子30は、X軸方向を長手方向とし、Z軸方向を短手方向とする直方体状物である。
端子30の材質としては、金属(例えば、ステンレス(SUS)等)等が挙げられる。
【0040】
(1.4)用途
ラミネート型電池1の用途としては、例えば、車両の電源、車両以外の移動体(例えば、鉄道、船舶、航空機)の電源、電気製品(情報処理装置等)の電源等が挙げられる。車両としては、例えば、ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(BEV)、ガソリン自動車、ディーゼル自動車等が挙げられる。
【0041】
(1.5)作用効果
図1~
図4を参照して説明したように、ラミネート型電池1は、電極体10と、ラミネートフィルム20と、を備える。ラミネートフィルム20は、融着部21を有する。融着部21は、折り曲げ線部Rに沿って、折り曲げられている。融着部21は、折り曲げ領域211において、電極体10に向いた面S211を有し、かつ波形状WSを有する。
折り曲げ領域211は、通常、適度な形状保持性を有する。そのため、折り曲げ領域211に外部から衝撃(例えば、側突等)が加わった際に、折り曲げ領域211は、折り曲げ領域211が平面状である場合よりも、衝撃の緩衝材として機能しやすい。その結果、ラミネート型電池1は、外部からの衝撃に対する耐衝撃性に優れる。
【0042】
図1~
図4を参照して説明したように、ラミネート型電池1は、波形状WSの波の山Mの数が2つ以上であり、かつ融着部21の先端T21において高低差L1(
図3参照)が0.5mm以上である。
これにより、折り曲げ領域211に外部から衝撃(例えば、側突等)が加わった際に、折り曲げ領域211は、折り曲げ領域211が上記条件を満たさない場合よりも、衝撃の緩衝材としてより機能しやすい。その結果、ラミネート型電池1は、外部からの衝撃に対する耐衝撃性により優れる。
【0043】
図1~
図4を参照して説明したように、ラミネート型電池1では、融着部21は、折り曲げ線部Rに沿って、弧状に折り曲げられている。
これにより、折り曲げ領域211は、融着部21が折り曲げ線部Rに沿って角状又は弧状に折り曲げられていない場合よりも優れた形状保持性を有する。その結果、ラミネート型電池1は、外部からの衝撃に対する耐衝撃性により優れる。
【0044】
図1~
図4を参照して説明したように、ラミネート型電池1は、融着部21の長手方向(Y軸方向)において、波形状WSの先端T21における長さL2(
図3参照)が、融着部21の折り曲げ線部Rにおける長さL3よりも長い。
これにより、折り曲げ領域211に外部から衝撃(例えば、側突等)が加わった際に、折り曲げ領域211は、折り曲げ領域211が上記条件を満たさない場合よりも、衝撃の緩衝材としてより機能しやすい。その結果、ラミネート型電池1は、外部からの衝撃に対する耐衝撃性により優れる。
【0045】
(2)変形例
ラミネート型電池1では、波形状WSの波の山Mの数が2つ以上であり、かつ高低差L1(
図3参照)が0.5mm以上であるが、本開示はこれに限定されない。本開示のラミネート型電池は、波形状WSの波の山Mの数が2つ以上であることと、融着部21の先端T21において高低差L1(
図3参照)が0.5mm以上であることとの少なくとも一方を満たしていなくてもよい。
【0046】
ラミネート型電池1では、融着部21は、折り曲げ線部Rに沿って、弧状に折り曲げられているが、本開示はこれに限定されない。融着部21は、折り曲げ線部Rに沿って、角状に折り曲げられていてもよいし、弧状及び角状のいずれとも違う形状に折り曲げられていてもよい。「角状」とは、角を有する形状を示す。
【0047】
電極体10は、固体電解質層を備える全固体電池であるが、非水電解質を備えるリチウム二次電池であってもよいし、金属イオン二次電池(例えば、ナトリウムイオン二次電池、マグネシウムイオン二次電池等であってもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 ラミネート型電池
10 電極体
20 ラミネートフィルム
21 融着部
T21 先端
211 折り曲げ領域
S211 面
212 非折り曲げ領域
30 端子
100 半製品
AS 弧状
R 折り曲げ線部
M 山
V 谷
WS 波形状