(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009064
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】流通業効率化支援装置、流通業効率化支援システム、方法、又は、コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0201 20230101AFI20250109BHJP
【FI】
G06Q30/0201
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023111804
(22)【出願日】2023-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】505391160
【氏名又は名称】株式会社トライアルカンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】清水 正隆
(72)【発明者】
【氏名】山口 雄二
(72)【発明者】
【氏名】康 博涵
(72)【発明者】
【氏名】張 彪
(72)【発明者】
【氏名】張 星
(72)【発明者】
【氏名】葛 培宇
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB01
5L049BB01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】流通業各事業者が有するデータ、店舗に関連ある地政学的データ、人口統計データ、生活圏データの分析結果を多角的に必要に応じ図式化し、バックグランドが異なる各流通業者が、店舗商圏ごとに最適な商圏戦略を業界連携するシステム、情報処理装置、サーバー、情報端末、方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】システムにおいて、サーバーは、店舗を特定するデータ、領域を特定するデータ、を情報端末から取得し、店舗に係るデータと、領域に係るデータと、の関係を示すデータベースを利用して、取得した店舗を利用した人であって、取得した領域において通勤先又は住所を有する人に係る商圏データを生成する。情報端末は、サーバーから取得した、商圏データを表示する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は複数のサーバーと、前記サーバーとネットワークを介して信号の送受信が可能に接続された一又は複数の情報端末と、を備える流通業効率化支援装置であって、
前記サーバーは、
店舗を特定するデータ、及び、領域を特定するデータ、を前記情報端末から取得する取得部と、
少なくとも、店舗に係るデータと、領域に係るデータと、の関係を示すデータベースを利用して、取得した前記店舗を利用した人であって、取得した前記領域において通勤先又は住所を有する人に係る商圏データを生成する生成部、
を備え、
前記情報端末は、
前記サーバーから取得した、前記商圏データを表示する表示部を備える、
流通業効率化支援装置。
【請求項2】
前記サーバーは、取得された前記店舗と競合関係にある複数の店舗について、取得した前記店舗との間の距離又は移動時間が所定区間内のもの、又は、取得した前記店舗との間の距離又は移動時間の長短の順序付け、を生成し、
前記情報端末は、前記サーバーから取得した、前記距離又は移動時間が所定区間内の店舗、又は、前記距離又は移動時間の長短の順序付けがされた複数の店舗を、表示する、
請求項1に記載の流通業効率化支援装置。
【請求項3】
前記サーバーは、取得された前記店舗と競合関係にある複数の店舗について、取得した前記店舗との間の移動時間が短い順で、順序を生成し、
前記情報端末は、前記サーバーから取得した、前記複数の店舗を、前記移動時間が短い順で表示する、
請求項1又は2に記載の流通業効率化支援装置。
【請求項4】
前記サーバーは、
取得した前記店舗を利用した人の住所が含まれる一又は複数の領域を特定し、
前記領域毎に、前記店舗を利用した人による前記店舗における全部又は所定の範囲の商品又は役務に関し支払われた合計金額を算出し、
前記合計金額に応じて、前記領域を区別するデータを出力処理し、
前記情報端末は、前記サーバーから取得した、前記領域が区別されたデータを、領域を区別して表示する、
請求項1又は2に記載の流通業効率化支援装置。
【請求項5】
前記サーバーは、少なくとも前記店舗を利用した人の住所が含まれる領域内における、取得した前記店舗に対する一又は複数の競合他社に係るデータを出力し、
前記情報端末は、前記サーバーから取得した、前記一又は複数の競合他社に係るデータを、表示する、
請求項4に記載の流通業効率化支援装置。
【請求項6】
前記サーバーは、
複数の店舗を取得し、
前記複数の店舗の少なくとも一つを利用した人による、前記複数の店舗の利用割合を出力し、
前記情報端末は、
前記情報端末は、前記サーバーから取得した、前記複数の店舗の利用割合を表示する、
請求項1又は2に記載の流通業効率化支援装置。
【請求項7】
前記サーバーは、
人と、前記人が利用した各店舗の利用に係るデータと、を関係づけて記憶するデータベースを利用して、前記領域に住所を有する人であって、前記複数の店舗の少なくとも一つに利用した人についての、利用に係るデータを取得し、
前記人が、前記複数の店舗に対して、各々の店舗を利用した利用の割合を、前記利用割合とする、
請求項6に記載の流通業効率化支援装置。
【請求項8】
前記サーバーは、
所定の領域と、前記所定の領域内で販売された特定の商品区分内の商品についての製造メーカー毎の売上額と、の関係を記憶するデータベースと、
所定の領域と、特定の商品区分と、を取得する取得部と、
前記所定の領域と前記特定の商品区分を利用して、前記所定の領域における、前記特定の商品区分の製造メーカー毎の売上額比率又は売上数比率を算出する算出部と、
を備え、
前記情報端末は、
前記サーバーから取得した、売上額比率又は売上数比率を表示する、
請求項1又は2に記載の流通業効率化支援装置。
【請求項9】
前記サーバーは、
第1商品区分を取得し、
取得された前記地理的領域内の住民が、取得された前記店舗で購入した前記第1商品区分内の下位区分の第2商品区分又は商品について、所定期間内における売上額又は売上数順に、順序を生成し、
前記第1商品区分及び前記第2商品区分とは異なる第3商品区分内の、前記第2商品区分又は商品、について所定の関係を出力し、
前記情報端末は、
前記サーバーから取得した、前記第2商品区分又は商品についての所定の関係を表示する、
請求項1又は2に記載の流通業効率化支援装置。
【請求項10】
前記領域を特定するデータは、一又は複数の、行政区分に基づいて特定される、
請求項1又は2に記載の流通業効率化支援装置。
【請求項11】
前記領域は、二次元上の領域に対するユーザの入力によって特定された、一又は複数の行政区分の按分によって特定される、
請求項1又は2に記載の流通業効率化支援装置。
【請求項12】
前記商圏データは、人口特性に係る情報、世帯特性に係る情報、及び/又は、競合情報である、
請求項1又は2に記載の流通業効率化支援装置。
【請求項13】
一又は複数のサーバーと、前記サーバーとネットワークを介して信号の送受信が可能に接続された一又は複数の情報端末と、を備える流通業効率化支援装置において実行されるコンピュータプログラムであって、
前記サーバーを、
店舗を特定するデータ、及び、領域を特定するデータ、を取得する手段、
少なくとも、店舗に係るデータと、領域に係るデータと、の関係を示すデータベースを利用して、取得した前記店舗を利用した人であって、取得した前記領域において通勤先又は住所を有する人に係る商圏データを生成する手段、
として動作させ、
前記情報端末を、
前記サーバーから取得した、前記商圏データを表示する手段、
として動作させるためのコンピュータプログラム。
【請求項14】
一又は複数のサーバーと、前記サーバーとネットワークを介して信号の送受信が可能に接続された一又は複数の情報端末と、を備える流通業効率化支援装置において、
前記サーバーが、
店舗を特定するデータ、及び、領域を特定するデータ、を取得するステップ、
少なくとも、店舗に係るデータと、領域に係るデータと、の関係を示すデータベースを利用して、取得した前記店舗を利用した人であって、取得した前記領域において通勤先又は住所を有する人に係る商圏データを生成するステップ、
を実行し、
前記情報端末が、
前記サーバーから取得した、前記商圏データを表示するステップ、
を実行する方法。
【請求項15】
一又は複数のサーバーと、前記サーバーとネットワークを介して信号の送受信が可能に接続された一又は複数の情報端末と、を備える流通業効率化支援システムであって、
前記サーバーは、
店舗を特定するデータ、及び、領域を特定するデータ、を取得する取得部と、
少なくとも、店舗に係るデータと、領域に係るデータと、の関係を示すデータベースを利用して、取得した前記店舗を利用した人であって、取得した前記領域に通勤先又は住所を有する人に係る商圏データを生成する出力部、
を備え、
前記情報端末は、
前記サーバーから取得した、前記商圏データを表示する表示部、
を備える流通業効率化支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流通業に関する集積情報を表示し、流通業を支援するシステム、情報処理装置、サーバー、情報端末、方法、コンピュータプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
流通業に関する集積情報を表示し、流通業を支援する観点から、種々の技術が提案されている。例えば、文献1は店舗に地理的に近い順に領域を指定する技術であり、文献2は時間的距離又は物理的距離に着目した技術であり、文献3は広告の提供を目的とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-123787号公報
【特許文献2】特開2016―76084号公報
【特許文献3】欧州特許3146753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、
従来技術では、GISエリアマーケティングシステムによる商圏分析や生活圏分析では小売業の出退店、競合他社分析、店舗支援、生産メーカーのみといった、業界ターゲットを絞った支援システムしか存在せず、生産者、運送業社、小売業、卸売業という流通業に関わる業者それぞれによる情報の寸断によりムダ・ムラ・ムリが生じ、地域的特性を有する利用者が利用する店舗における最適商品ラインナップ、在庫数、レコメンドや広告方法、商品運搬システムを流通業全体で効率的に行うことが困難であった。また、それぞれのデータ分析と適切な図式化に時間がかかり、各業界に異なるバックグラウンドを有する者であっても、視覚的に理解しやすく全体を通じて同一システムを利用した的確なマーケティング戦略や解決策を図ることは困難であった。
【0005】
そこで、本発明は、流通業各事業者が有する各データ、各店舗に関連ある地政学的データ、人口統計データ、生活圏データの分析結果を多角的に必要に応じ図式化して瞬時に表示しバックグランドが異なる各流通業者もしくは各流通事業者間であっても、タイムリーに店舗商圏ごとに最適な商圏戦略を業界連携して行い、結果として流通業の効率化を支援するシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る発明の一態様は、
一又は複数のサーバーと、前記サーバーとネットワークを介して信号の送受信が可能に接続された一又は複数の情報端末と、を備える流通業効率化支援装置であって、
前記サーバーは、
店舗を特定するデータ、及び、領域を特定するデータ、を前記情報端末から取得する取得部と、
少なくとも、店舗に係るデータと、領域に係るデータと、の関係を示すデータベースを利用して、取得した前記店舗を利用した人であって、取得した前記領域において通勤先又は住所を有する人に係る商圏データを生成する生成部、
を備え、
前記情報端末は、
前記サーバーから取得した、前記商圏データを表示する表示部を備える、
流通業効率化支援装置である。
【0007】
本願に係る発明の一態様は、
一又は複数のサーバーと、前記サーバーとネットワークを介して信号の送受信が可能に接続された一又は複数の情報端末と、を備える流通業効率化支援装置において実行されるコンピュータプログラムであって、
前記サーバーを、
店舗を特定するデータ、及び、領域を特定するデータ、を取得する手段、
少なくとも、店舗に係るデータと、領域に係るデータと、の関係を示すデータベースを利用して、取得した前記店舗を利用した人であって、取得した前記領域において通勤先又は住所を有する人に係る商圏データを生成する手段、
として動作させ、
前記情報端末を、
前記サーバーから取得した、前記商圏データを表示する手段、
として動作させるためのコンピュータプログラムである。
【0008】
本願に係る発明の一態様は、
一又は複数のサーバーと、前記サーバーとネットワークを介して信号の送受信が可能に接続された一又は複数の情報端末と、を備える流通業効率化支援装置において、
前記サーバーが、
店舗を特定するデータ、及び、領域を特定するデータ、を取得するステップ、
少なくとも、店舗に係るデータと、領域に係るデータと、の関係を示すデータベースを利用して、取得した前記店舗を利用した人であって、取得した前記領域において通勤先又は住所を有する人に係る商圏データを生成するステップ、
を実行し、
前記情報端末が、
前記サーバーから取得した、前記商圏データを表示するステップ、
を実行する方法である。
【0009】
本願に係る発明の一態様は、
一又は複数のサーバーと、前記サーバーとネットワークを介して信号の送受信が可能に接続された一又は複数の情報端末と、を備える流通業効率化支援システムであって、
前記サーバーは、
店舗を特定するデータ、及び、領域を特定するデータ、を取得する取得部と、
少なくとも、店舗に係るデータと、領域に係るデータと、の関係を示すデータベースを利用して、取得した前記店舗を利用した人であって、取得した前記領域に通勤先又は住所を有する人に係る商圏データを生成する出力部、
を備え、
前記情報端末は、
前記サーバーから取得した、前記商圏データを表示する表示部、
を備える流通業効率化支援システムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の流通効率化支援システムによれば、各流通業が取得するデータ、人口統計データ、地政学的データ、生活圏データ等の必要情報分析結果を最適に図式化し、流通業に関わる異なるバックグラウウドを持つ者が視覚的に理解し、かつ、遠隔地に存在する者同士であっても商圏戦略をタイムリーに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態1に係るシステムの概略構成図である。
【
図2a】実施の形態1に係るシステムのフローの一例である。
【
図2b】実施の形態1に係るシステムのフローの一例である。
【
図3】実施の形態1に係るシステムに係る画面の一例である。
【
図4】実施の形態1に係るシステムにおける画面の一例である。
【
図5】実施の形態1に係るシステムにおける画面の一例である。
【
図6】実施の形態1に係るシステムにおける画面の一例である。
【
図7】実施の形態2に係るシステムのフローの一例である。
【
図8】実施の形態2に係るシステムにおける画面の一例である。
【
図9】実施の形態3に係るシステムのフローの一例である。
【
図10】実施の形態3に係るシステムにおける画面の一例である。
【
図11】実施の形態4に係るシステムのフローの一例である。
【
図12】実施の形態4に係るシステムにおける画面の一例である。
【
図13】実施の形態4に係るシステムにおける画面の一例である。
【
図14】実施の形態4に係るシステムのフローの一例である。
【
図15】実施の形態4に係るシステムのフローの一例である。
【
図16】実施の形態4に係るシステムのフローの一例である。
【
図17】実施の形態5に係るシステムのフローの一例である。
【
図18】実施の形態5に係るシステムにおける画面の一例である。
【
図19】実施の形態5に係るシステムのフローの一例である。
【
図20】実施の形態5に係るシステムのフローの一例である。
【
図21】実施の形態5に係るシステムのフローの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ及び配置等は、本発明の範囲内で適宜変更することができる。
【0013】
1.実施の形態1
1.1.構成例
図1は、実施の形態1に係る流通業効率化支援システムの概略構成図である。本実施の形態の流通業効率化支援システムは、店舗に関する情報を管理するシステムであり、商品のメーカー、卸売業者及び小売業者において、店舗に関する情報の管理を行う場合などに用いられるシステムである。流通業効率化支援システムは、データベース・サーバー、ウェブサーバーと、情報端末を含んでよい。データベース・サーバーと、ウェブサーバーと、情報端末は、ローカルネット又はインターネットを介して通信可能に接続されてよい。本図におけるデータベース・サーバーとウェブサーバーが備える機能の一例であって、これらの機能は、一または複数のサーバーによって適宜備えられてよい。また、これらの一または複数のサーバーが備える機能の一部又は全部は、クラウドにおいて実装されてもよい。また、本図では一つの情報端末を開示するが、一または複数の情報端末が本形態1に係るシステムと接続されてよい。なお、本願書類において、システムという語は、一または複数のサーバー、クラウド、又は、これらの組合せを示す語であってよい。システムは、一または複数の情報端末を含んでもよい。また、システムは、本図に現れる機能の一部または全部を実行する、ハードウェア、プログラム、又はこれらの組合せであってもよい。また、システムは、後述の一または複数のデータベースを含んでもよい。また、流通業効率化支援は、一又は複数の情報処理装置から構成されてよい。
【0014】
データベース・サーバー、ウェブサーバー、情報端末は、各々、制御装置と、記憶装置とを有する。制御装置は、CPUなどのプロセッサであり、記憶装置は、例えば、RAM、ROM又はフラッシュメモリなどの揮発性又は不揮発性のメモリである。記憶装置12は、データベース・サーバー、ウェブサーバー、情報端末で実行されるプログラム及びプログラムで用いられる各種データなどを記憶する。
【0015】
ウェブサーバーは、流通業効率化支援システムに係る機能を有するGISエリアマーケティングシステムを実行可能であってよい。GISエリアマーケティングシステムであって流通業効率化支援システムの一部である本形態のサーバーは、データベース(例えば、地図データ、ID/POSデータ、統計データ、移動データ、の一部または全部のデータを備えるデータベース)と接続する機能を有してよい。加えて、本形態のサーバーは、データベースから情報を取得する機能を有してよい。加えて、本形態のサーバーは、一または複数の情報端末から情報を取得する機能を有してよい。加えて、本形態のサーバーは、データベースから取得した情報、及び/又は、情報端末から取得した情報、を利用して店舗に関する情報を生成する機能を有してよい。加えて、本形態のサーバーは、店舗に係る情報を、情報端末に対して、送信する機能などを提供してよい。
【0016】
情報端末は、ウェブサーバーから受信したデータを表示する機能を有してよい。加えて、情報端末は、情報を入力する機能を有し、入力された情報をウェブサーバーに送信する機能を有してよい。また、情報端末自体もデータの処理をする機能を有してよい。かかる情報端末は、生産者、運送業社、小売業、卸売業という流通業に関わる業者それぞれが利用可能なものであってよい。なお、流通業者の例として運送業社、流通事業者の例としてじゃ小売業や卸売業が挙げられる。そして、複数の運送業者間、複数の小売業者間、複数の卸売業間において、上記複数の情報端末が利用されてよい。また、これらの複数の情報端末において、後述の対象店舗情報という特定の店舗についての共通の情報を表示可能にすることで、同一の対象店舗情報に関する戦略を検討する支援ができる。
【0017】
次に、店舗に係る情報として、人口特性に係る情報、世帯特性に係る情報、競合情報、について説明する。なお、本願書類において、人口特性に係る情報、世帯特性に係る情報、競合情報、の上位概念の語として、「商圏データ」という語も利用する。
【0018】
データベースは、人口特性に係る情報、世帯特性に係る情報、及び/又は、競合情報、を格納してよい。
【0019】
人口特性に係る情報は、所定の領域と関連付けられてかかる所定の領域内の人口の情報を含んでよい。例えば、所定の領域は、都道府県や市町村であってよい。人口の情報は、年少人口、労働力人口、老齢人口、昼間人口、及び/又は、夜間人口を含んでよい。ここで、年少人口は、0~14歳、老齢人口は65歳以上、昼間人口は、流入人口を含めた通勤人口、夜間人口は、流出人口を含めた常住人口でよい。
【0020】
世帯特性に係る情報は、常住人口の世帯の年収の情報、世帯の人員数の情報、一人世帯の年代の情報を含んでよい。世帯の年収の情報は、各世帯と、300万円、300~500万円、500~700万円、700~1000万円、1000~1500万円、1500万円以上、などの情報のいずれか一つの年収とが関連付けられて格納されてよい。世帯の人員数の情報は、各世帯と、1人、2人、3人、4人以上、のいずれか一つの情報とが関連付けられて格納されてよい。一人世帯の年代の情報は、一人世帯と、年代の情報とが関連付けられて格納されてよい。例えば、一人世帯と、20代世帯、高齢世帯(65歳以上)、その他の世帯と関連付けられて格納されてよい。
【0021】
競合情報は、競合の情報を含んでよい。競合の情報は、例えば、小売りの店舗に対する、競合の情報としては、小売りの競合の店舗の情報であってよい。この場合、データベースは、小売りの競合の店舗の地理的情報を含んでよい。この場合、本形態のサーバーは、競合の店舗の地理的情報(例えば、店舗の位置情報)と、対象となる店舗の地理的情報(例えば、店舗の位置情報)から、これらの間の道路に沿った移動距離及び平均的な移動時間を算出できてよい。なお、この場合、本形態のサーバーは、道路情報を格納したデータベースと連携して、道路に沿った移動距離を算出できてよい。また、本形態のサーバーは、道路の平均的な渋滞情報を用いて、平均的な移動時間を算出できてよい。
【0022】
人口特性に係る情報、世帯特性に係る情報、及び/又は、競合情報、自体は種々の手法で収集されたものでよく、例えば店舗の利用者としての会員情報などによって収集されたものでよい。
【0023】
1.2.処理のフローの例
次に、本形態のサーバーが、店舗に係る情報(人口特性に係る情報、世帯特性に係る情報、及び/又は、競合情報)を生成するフローを説明する。なお、店舗に係る情報を生成するフローのより具体的な例としては、
図2a及び
図2bが挙げられる。
【0024】
ステップ1
まず、本形態のサーバーは、対象となる店舗を特定する情報(以下、「対象店舗情報」ということもある。)を取得する。対象店舗情報は、店舗名で特定されてもよいし、住所で特定されてもよいし、IDで特定されてもよい。なお、対象店舗情報は、一つのみでもよいし、複数でもよい。また、複数の対象店舗情報を取得した場合、以下で述べる種々の処理やデータの表示は、各々の対象店舗情報について実行されてよい。この場合、各々の対象店舗情報についての結果の表示は、独立して表示されてもよいし、対応する項目を同一にして比較された態様で表示されてもよい。例えば、以下の競合情報において、例えば、二つの対象店舗情報の各々について、移動時間の短い時間順に、並列表示されてよい。この場合、対比して見ることができる利点がある。以下の他の形態においても同様である。
【0025】
ステップ2
次に、本形態のサーバーは、期間を特定する情報(以下、「対象期間」ということもある。)を取得する。対象期間は、日、週、月、年などの種々の単位で特定されてよい。対象期間が設定されることによって、その特定の期間特有のデータを取得できる。また、他の期間のデータと比較することにも利用できる利点がある。例えば、平日と休日において小売の利用態様は異なると考えられるし、5月の所定のゴールデンウィーク期間、7月~8月の所定の夏季期間、12月のクリスマスシーズンの期間、年末年始の期間、などは特有の小売りの状況が考えられるため、これらの特有の期間におけるデータを取得できる。また、対象期間は、更に、特定の時間帯(例えば、16時~20時などの夕方の時間帯)を含んでもよいし特定の時間帯であってもよい。この場合、特定の時間帯に特有の事象のデータを取得できる。例えば、
図3は、カテゴリーAの製品類(アルコール類)とカテゴリーBの製品類(お弁当類)の売上額について、ある平日における時間帯に応じた推移を示すものである。この図によれば、昼の時間帯である11時から14時ぐらいまで、カテゴリーBの製品類(お弁当類)が、カテゴリーAの製品類(アルコール類)よりも売り上げ数が高い。この点は、昼食時にアルコール類が購入されるより、お弁当類が購入され食されている常識と合致するものといえる。しかしながら、その後の時間帯である、14時から18時という時間帯は、夕食に近づく時間帯であることから夕食用のお弁当類の購入の増加が予測されるところであるが、この14時から18時という時間帯は、データによればカテゴリーBの製品類(お弁当類)よりもカテゴリーAの製品類(アルコール類)の売り上げが高く、時間帯のデータによって予想とは異なる結果が判明した。このデータの閲覧により、例えば、販売店の担当者はカテゴリーAの製品類(アルコール類)をタイムリーに店頭に並べる作業を進めることができ、製品が製品棚に存在しないことによる販売機会の逸失を回避できる利点がある。なお、19時から22時の間の時間帯は、カテゴリーBの製品類(お弁当類)がカテゴリーAの製品類(アルコール類)よりも売上が増えることが示されている。この点においても、夜の時間帯でアルコール類の売上額が増加するという予想に反してお弁当類の売上額が増加することが判明し、このデータの表示に基づき同様に販売店のオペレーションを向上できる。
【0026】
ステップ3
本形態のサーバーは、表示項目の選択を取得してよい。表示項目としては、統計データ、店別データ、全店データを選択できてよい。
【0027】
ステップ4
次に、本形態のサーバーは、統計データの対象となる地理的情報である、商圏情報(以下では、「対象商圏」ということもある。)を取得してよい。商圏情報の地理的情報は、種々の手法で地理的情報が特定されてよい。なお、対象商圏は、地理的な二次元又は三次元における閉領域であってよい。
【0028】
地理的情報は、例えば、対象店舗を中心として、所定の半径の円で規定されてよい。ここで所定の半径は、あらかじめ規定されていてもよいし、本形態のサーバーが入力を促し、ユーザによって入力された距離(例えば、1キロメートル、3キロメートルなど)であってもよい。
【0029】
地理的情報は、上述に代えて又は加えて、売上シェア商圏であってよい。例えば、所定の売上シェア以上の地理的情報を、特定されてよい。ここで売上シェアは、所定の売上額で規定されてもよいし、シェアで規定されてもよい。
【0030】
地理的情報は、上述に代えて又は加えて、徒歩圏内であってよい。例えば、徒歩で可能な地理的範囲であってよく、例えば、道路情報を用いて、対象店舗から徒歩時間で規定されてよい。ここで、徒歩時間は、あらかじめ規定されていてもよいし、本形態のサーバーが入力を促し、ユーザによって入力された徒歩時間(例えば、5分、10分、15分など)であってもよい。
【0031】
地理的情報は、上述に代えて又は加えて、車両(例えば自動車や自転車)を利用した車両圏内であってよい。例えば、道路情報を用いて、対象店舗から車両を利用した時間で規定されてよい。ここで、車両を利用した時間は、あらかじめ規定されていてもよいし、本形態のサーバーが入力を促し、ユーザによって入力された利用時間(例えば、自転車で5分、10分又は15分など、あるいは、自動車で5分、10分、15分など)であってもよい。
【0032】
地理的情報は、上述に代えて又は加えて、ユーザが地図を示す二次元又は三次元画面において、自由に設定されたものでもよい。例えば、地図を示す二次元又は三次元画面において、ユーザは、三角形、四角形、多角形、円形、楕円形、などの任意の閉じた閉領域を設定してよい。特に、後述のとおり、小売の店舗の戦略上、地理的情報を自由に設定することにより、店舗の利用に影響与える地理的な情報を精密に検討できる利点がある。より具体的には、例えば、徒歩又は自転車で店舗を利用する人は、交通量の多い幹線道路を横断するための横断歩道や歩道橋、踏切、河川の橋、などが店舗の利用に影響を与える場合がある。また、自動車で店舗を利用する人は、幹線道路、一方通行道路、渋滞の有無などが店舗の利用に影響を与える場合がある。渋滞の有無は、駅の周辺、高速道路出入口付近、踏切周辺、などがある。これらの個々の要素を踏まえて、小売の出店をするための情報などの収集のために、店舗の予定利用者を検討する観点で、地理的情報を自由な形状の閉領域を設定することで、精密に検討できる。
【0033】
ステップ5
本形態のサーバーは、次に、人口特性、世帯特性、又は、競合情報、の選択の情報を取得することに応じて、対応する情報を表示可能に生成してよい。
【0034】
まず、人口特性について説明する(本願書類において、「人口統計データ」ということもある。)。
【0035】
人口特性が選択された場合、本形態のサーバーは、人口特性についてのデータをデータベースに問い合わせ、対応した情報を取得して、対象期間及び/又は対象商圏についての、人口特性に係る情報を生成してよい。本形態のサーバーは、生成された人口特性に係る情報を情報端末に送信し、情報端末が人口特性に係る情報を表示してよい。例えば、
図4が、人口特性に係る情報を、情報端末が表示する一例であり、人口統計データの分析結果を図式化して表示した一例である。また、本図は、対象商圏に基づくものである点において、地政学的データの分析結果を図式化して表示した一例でもある。
【0036】
より具体的には、本形態のサーバーは、対象商圏における人口特性に係る情報を生成してよい。より具体的には、本形態のサーバーは、対象商圏における、年少人口、労働力人口、老齢人口、昼間人口、及び/又は、夜間人口を生成してよい。また、各比率を生成してよい。より具体的には、年少人口、労働力人口、老齢人口の各比率は、年少人口、労働力人口、及び老齢人口の合計に対する各人口の比率であってよい。また、昼間人口と夜間人口の各比率は、昼間人口と夜間人口の合計に対する各比率であってよい。同様に、対象店舗情報内の対象店舗を含む所定の領域(例えば、千葉県内に対象店舗がある場合における千葉県)を特定し、かかる所定の領域における年少人口、労働力人口、老齢人口、昼間人口、及び/又は、夜間人口を生成し、各比率を生成してよい。このように、対象商圏における人口特性に係る情報を生成することによって、かかる対象商圏を対象とする店舗に関する戦略を支援する情報を得ることができる。
【0037】
なお、対象商圏が、一または複数の都道府県及び一または複数の市町村の領域と一致する場合はそれらの情報の加算によって計算されてよい。他方、対象商圏が、一または複数の都道府県及び/又は一または複数の市町村の領域と異なる場合、一または複数の都道府県及び/又は一または複数の市町村の領域に係る情報の按分によって、情報は生成されてよい。例えば、対象商圏が、ある市の3分の1の領域である場合、かかる市の人口の3分の1を、対象商圏の人口としてよい。このように、(単に個々の市町村等の行政区域における人口特性に係る情報ではなく)ユーザによって入力された対象商圏を利用してかかる個々の市町村等の行政区域における人口特性に係る情報を合計及び/又は按分することにより、対象商圏に対応した人口特性に係る情報を生成することによって、ユーザが対象商圏を対象とする店舗に関する戦略を支援する情報を得ることができる。
【0038】
次に、世帯特性について説明する(本願書類において、「生活圏データ」ということもある。)。
【0039】
世帯特性が選択された場合、本形態のサーバーは、世帯特性についてのデータをデータベースに問い合わせ、対応した情報を取得して、対象期間及び/又は対象商圏についての、世帯特性に係る情報を生成してよい。本形態のサーバーは、生成された世帯特性に係る情報を情報端末に送信し、情報端末が世帯特性に係る情報を表示してよい。例えば、
図5が、世帯特性に係る情報を、情報端末が表示する一例であり、生活圏データの分析結果を図式化して表示した一例である。また、本図は、対象商圏に基づくものである点において、地政学的データの分析結果を図式化して表示した一例でもある。
【0040】
より具体的には、本形態のサーバーは、対象商圏における世帯特性に係る情報を生成してよい。より具体的には、本形態のサーバーは、対象圏内における人について、各年収レベルに属する人数及び/又は比率を生成してよい。例えば、本形態のサーバーは、対象圏内における人が、300万円、300~500万円、500~700万円、700~1000万円、1000~1500万円、1500万円以上、に属する人数を生成し、また、全体に占める率を生成してよい。このように、(単に個々の市町村等の行政区域における各年収レベルに属する人数及び/又は比率ではなく)ユーザによって入力された対象商圏を利用してかかる個々の市町村等の行政区域における各年収レベルに属する人数及び/又は比率を合計及び/又は按分することにより、対象商圏に対応した各年収レベルに属する人数及び/又は比率を生成することによって、ユーザが対象商圏を対象とする店舗に関する戦略を支援する情報を得ることができる。また、かかる各年収レベルに属する人数及び/又は比率は、対象期間における情報が用いられてもよい。この場合、ユーザは、対象商圏に加えて対象期間における各年収レベルに属する人数及び/又は比率を把握して、店舗に関する戦略を支援する情報を得ることができる。
【0041】
本形態のサーバーは、上述の各年収レベルに属する人数及び/又は比率に代えて又は加えて、対象圏内における世帯の人員別世帯数及び/又は比率を生成してよい。例えば、本形態のサーバーは、対象圏内における世帯数が、1人、2人、3人、4人以上、に属する世帯数を生成し、また、全体に占める率を生成してよい。このように、(単に個々の市町村等の行政区域における人員別世帯数及び/又は比率ではなく)ユーザによって入力された対象商圏を利用してかかる個々の市町村等の行政区域における人員別世帯数及び/又は比率を合計及び/又は按分することにより、対象商圏に対応した人員別世帯数及び/又は比率を生成することによって、ユーザが対象商圏を対象とする店舗に関する戦略を支援する情報を得ることができる。また、かかる人員別世帯数及び/又は比率は、対象期間における情報が用いられてもよい。この場合、ユーザは、対象商圏に加えて対象期間における人員別世帯数及び/又は比率を把握して、店舗に関する戦略を支援する情報を得ることができる。
【0042】
上述に代えて又は加えて、本形態のサーバーは、対象圏内における世帯のうちの一人世帯について、20代世帯、高齢世帯(65歳以上)、又は、その他の世帯、に属する数及び/又は比率を生成してよい。このように、(単に個々の市町村等の行政区域における一人世帯に係る情報ではなく)ユーザによって入力された対象商圏を利用してかかる個々の市町村等の行政区域における一人世帯に係る情報を合計及び/又は按分することにより、対象商圏に対応した一人世帯に係る情報を生成することによって、ユーザが対象商圏を対象とする店舗に関する戦略を支援する情報を得ることができる。また、かかる一人世帯に係る情報は、対象期間における情報が用いられてもよい。この場合、ユーザは、対象商圏に加えて対象期間における一人世帯に係る情報を把握して、店舗に関する戦略を支援する情報を得ることができる。
【0043】
なお、年収レベル、世帯の情報、一人世帯の情報に関する上述において、対象圏内における人や世帯は、昼間人口、又は、夜間人口であってよい。すなわち、本形態のサーバーは、対象圏内における人や世帯について、昼間人口、又は、夜間人口、の選択を取得し、選択された人口を用いて、情報を生成してよい。かかる情報が表示された場合、ユーザは、昼間人口又は夜間人口を分けて、詳細に分析できる利点がある。かかる構成に代えて、本形態のサーバーは、対象圏内における人や世帯について、昼間人口、及び、夜間人口、の両方を用いて、年収レベル、世帯の情報、及び/又は一人世帯の情報を生成してよい。かかる構成において、年収レベル、世帯の情報、及び/又は一人世帯の情報について、昼間人口及び夜間人口の両方が表示された場合、ユーザは、昼間人口及び夜間人口の両方を把握して、特に対比して、小売業の戦略に生かすことができる利点がある。
【0044】
以上述べたものに加えて、そして上述と同様に、対象店舗情報内の対象店舗を含む所定の領域(例えば、千葉県内に対象店舗がある場合における千葉県)を特定し、かかる所定の領域について、(そして任意的に、対象期間について)、各年収レベルに属する人数及び/又は比率、かかる所定の領域における世帯のうちの一人世帯について、20代世帯、高齢世帯(65歳以上)、又は、その他の世帯、に属する数及び/又は比率を生成してよい。かかる所定の領域についての情報と、上述の対象商圏についての情報の両方が表示された場合、ユーザは、所定の領域と、対象商圏との両方を、対比して把握できる利点がある。
【0045】
次に、競合情報について説明する。
【0046】
競合情報が選択された場合、本形態のサーバーは、競合情報についてのデータをデータベースに問い合わせ、対応した情報を取得して、対象店舗についての競合情報を生成してよい。本形態のサーバーは、生成された競合情報を情報端末に送信し、情報端末が競合情報を表示してよい。例えば、
図6が、競合情報を、情報端末が表示する一例である。
【0047】
より具体的には、本形態のサーバーは、上述のとおり取得した対象店舗情報を利用して、競合情報を選定してよい。データベース内には、競合情報の店舗の位置情報が含まれていることから、本形態のサーバーは、対象店舗情報の地理的情報(例えば、対象店舗の位置情報)と、競合情報の店舗の地理的情報(例えば、競合店舗の位置情報)から、これらの間の道路に沿った移動距離及び平均的な移動時間を算出できてよい。なお、この場合、本形態のサーバーは、道路情報を格納したデータベースと連携して、道路に沿った移動距離を算出できてよい。この場合において、本形態のサーバーは、対象期間における道路情報を用いて、道路に沿った移動距離を算出してもよい。この場合、工事などの道路事情の変化に応じた移動距離を算出できる。また、本形態のサーバーは、道路の平均的な渋滞情報などの道路情報を用いて、平均的な移動時間を算出できてよい。この場合において、本形態のサーバーは、対象期間における道路情報を用いて、平均的な移動時間を算出してよい。この場合、工事や渋滞などの道路事情の変化に応じた移動時間を算出できる。なお、移動時間は、徒歩、自転車、又は、自動車等、のあらかじめ設定された移動手段を用いた場合の平均の移動時間が利用されてよい。
【0048】
上述の移動距離及び/又は移動時間は、本形態のサーバーにおいて長い又は短い順序で順序付けられた後に、情報端末に送信され、情報端末において表示されてよい。かかる構成に代えて、上述の移動距離及び/又は移動時間は、本形態のサーバーから情報端末に送信された後に、情報端末において長い又は短い順序で順序付けられて表示されてよい。特に、移動距離が短い順ではなく、移動時間が短い順に順序付けられて、情報端末において表示された場合、実際の店舗に訪問する場合の負担としての移動時間の観点で、競合を把握できる利点がある。また、移動距離及び/又は移動時間は、本形態のサーバーにおいて所定の範囲のものに限定された後に、情報端末に送信され、情報端末において表示されてよい。かかる構成に代えて、移動距離及び/又は移動時間は、本形態のサーバーから情報端末に送信された後に、情報端末において所定の範囲のものに限定されて表示されてよい。ここで、所定の範囲のものに限定されるとは、例えば、移動距離であれば、5km以内のもの、3km以内のもの、などの所定の移動距離の範囲内のものが挙げられる。また、移動時間であれば、10分以内のもの、20分以内のもの、などの所定の移動時間の範囲内のものが挙げられる。
【0049】
なお、上述に代えて又は加えて、本形態のサーバーは、ユーザから、人口特性、世帯特性、又は、競合情報、の選択の情報を取得しなくとも、これら全てに対応する情報を表示可能に生成してもよい。
【0050】
2.実施の形態2
2.1.構成例
【0051】
本形態のサーバーを含む全体のシステムは、実施の形態1に係る流通業効率化支援システム100と同一の構成を備えてよい。ただし、本形態のサーバーの機能は、実施の形態1で述べたサーバーの機能を備えなくてもよいし、実施の形態1で述べたサーバーの一部または全部の機能を備えてもよい。
【0052】
なお、本形態のサーバーと接続されうるデータベースは、店舗と、かかる店舗を利用した店舗利用者と、かかる店舗利用者が利用した日時及び金額、とを関連付けて記憶してよい。また、データベースは、店舗利用者と、かかる店舗利用者の住所と、を関連付けて記憶してよい。
【0053】
2.2.処理のフローの例
次に、本形態のサーバーが、店舗に係る情報を生成するフローの例を、
図7を利用して説明する。
【0054】
ステップ1
まず、本形態のサーバーは、対象店舗情報を取得する。また、本形態のサーバーは、対象期間を取得してもよい。
【0055】
ステップ2
次に、本形態のサーバーは、対象店舗情報における店舗を利用した人を特定し、あらかじめ定められた所定の領域毎に、かかる所定の領域に住所を有する前記店舗を利用した人が前記店舗で利用した金額の合計金額を算出する。例えば、ある領域内に住所を有するA、B、及びCがいるとする。そして、A、B、及びCは、各々、対象店舗で、XA円、XB円、XC円を利用したとする。この場合、本形態のサーバーは、XA+XB+XCを計算する。かかる計算により、所定の領域毎に、その領域内に住居を有する人によって利用された金額の合計額が算出される。ここで所定の領域は、市町村などの行政区分に応じてもよいし、その他の領域であってもよい。また、住所は、上述のとおり、勤務先の住所及び/又は居住住所であってもよい。なお、本形態のサーバーが対象期間を取得した場合は、かかる対象期間において前記店舗で利用した金額の合計金額が算出されてよい。この場合、かかる対象期間における利用合計額を計算できる利点がある。
【0056】
ステップ3
次に、本形態のサーバーは、前記所定の領域毎に、前記所定の領域毎に算出された合計額に応じて区別されたデータを出力する。区別されたデータは、合計額で区別されているものであるから、例えば、合計金額が10千円未満、10千円以上、20千円以上、40千円以上、70千円以上、100千円以上、などのデータであってよい。
【0057】
ステップ4
かかる所定の領域と関連付けられたかかる区別されたデータは情報端末に送信され、かかる所定の領域と関連付けられたかかる区別されたデータを取得した情報端末は、地図などの地理を示す二次元及び/又は三次元表示内において、所定の領域と関連付けて区別されたデータを表示する。例えば、所定の領域であるA市は40千円以上であるとして黄色で表示され、A市とは異なる所定の領域であるB市は100千円以上であるとして赤色で表示されてよい。かかる色分けがされた場合、利用者は、各領域の店舗利用者がどの程度の金額を消費しているかを把握できる利点がある。例えば、
図8は、かかる表示の一例である。
【0058】
以上では区別されたデータの例として色で区別する例を示したが、他の種々の表示態様で区別されてよい。例えば、区別されたデータは、視覚的に区別出来ればよく、例えば、区別可能なデザインパターン(例えば、3万円までを縦線とし、3万円~5万円を横線とする等)、区別可能な説明(例えば、3万円まで、3万円~5万円等の説明)、区別可能な省略した説明(例えば、<3万円、3万円~5万円等の省略した説明)、区別可能な形状(例えば、3万円までを●、3万円~5万円を◎等)などであってもよい。
【0059】
なお、本形態のサーバーは、前記店舗に対する一または複数の競合に係るデータを、地図などの地理を示す二次元及び/又は3次元表示内において、表示してもよい。競合に係るデータは、競合の店舗の位置や競合の名称、種類、規模、売上高、等の情報を含んでよい。例えば、競合店舗の位置を、前記二次元及び/又は3次元表示内において表示されることにより、ユーザは、競合店舗の位置と、その周辺地域などにおける店舗の利用金額の関係などを把握することができ、小売業の戦略に生かすことができる。
【0060】
3.実施の形態3
3.1.構成例
本形態のサーバーを含む全体のシステムは、実施の形態1に係る流通業効率化支援システム100と同一の構成を備えてよい。ただし、本形態のサーバーの機能は、実施の形態1で述べたサーバーの機能を備えなくてもよいし、実施の形態1及び/又は形態2で述べたサーバーの一部または全部の機能を備えてもよい。
【0061】
なお、本形態のサーバーと接続されうるデータベースは、市町村などの各領域の住居の人と、前記人が利用した各店舗の利用に係るデータと、を関係づけて記憶するものであってよい。ここで、利用に係るデータは、人が店舗を利用した利用日時、及び/又は、人が店舗を利用した場合に使用した合計金額、を含んでよい。かかる利用に係るデータを利用することによって、店舗の利用回数や、利用率が計算されてよい。ここで、利用率は、例えば、ある人が、複数の店舗の利用回数の合計(例えばX回)に対する特定の店舗の利用回数(Y回)の比率(Y/X)であってもよいし、複数の人が、複数の店舗の利用回数の合計(例えばX回)に対する特定の店舗の利用回数(Y回)の比率(Y/X)などであってもよい。
【0062】
3.2.処理のフローの例
次に、本形態のサーバーが、店舗利用者のシェアを生成するフローの例を、
図9を利用して説明する。
【0063】
ステップ1
まず、本形態のサーバーは、複数の店舗を特定する情報を取得する。各店舗を特定する情報は、店舗名で特定されてもよいし、住所で特定されてもよいし、IDで特定されてもよい。また、本形態のサーバーは、対象期間を取得してもよい。
【0064】
ステップ2
次に、本形態のサーバーは、対象商圏を習得し、対象商圏内の人を特定する。
【0065】
ステップ3
次に、本形態のサーバーは、前記対象商圏内の人が、前記複数の店舗を利用することについての利用に係るデータを生成する。ここで、本形態のサーバーは、データベースを利用して、対象商圏内の人が、前記複数の店舗に対する、各店舗の利用回数や利用率を計算してよい。
【0066】
ステップ4
かかる店舗の利用回数や利用率は情報端末に送信され、かかる店舗の利用回数や利用率を取得した情報端末は、かかるデータを表示する。
図10は、情報端末が表示する一例である。
【0067】
また、本形態のサーバーは、前記対象圏内の領域毎に(例えば、市町村等の予め定められた領域毎に)、前記領域内の人による利用回数又は利用率が最も多い店舗を示すデータ、及び、その利用回数又は利用率の利用の程度を示すデータ、を生成して、領域毎に、利用回数又は利用率が最も多い店舗及びその利用の程度を理解できるよう、区別するデータを生成してもよい。例えば、対象圏内の領域毎に、前記領域内の人による利用回数又は利用率が最も多い店舗を示す色と、その利用回数又は利用率の利用の程度を示す前記色の濃さ、で表示してもよい。この場合、領域毎に、店舗を示す色と、その店舗の利用の程度を示す色の濃さによって、ユーザは、状況を把握できる利点がある。なお、色及び色の濃さは一例であり、領域毎に、店舗と利用の程度を、デザインパターンとデザインパターンの濃淡で示したり、文字で示したりしてもよい。
【0068】
4.実施の形態4
4.1.構成例
本形態のサーバーを含む全体のシステムは、実施の形態1に係る流通業効率化支援システム100と同一の構成を備えてよい。ただし、本形態のサーバーの機能は、実施の形態1で述べたサーバーの機能を備えなくてもよいし、実施の形態1乃至形態3で述べたサーバーの一部または全部の機能を備えてもよい。
【0069】
なお、本形態のサーバーと接続されうるデータベースは、所定の領域と、前記所定の領域内で販売された商品と、その商品区分と、製造メーカーと、所定の期間と、売上額と、売上数と、の関係を記憶するものであってよい。所定の領域は、市町村などの行政区分であってよい。商品区分は、商品を特定する区分であってよい。商品区分は、複数の階層に分かれていてもよい。例えば、日用品という区分と、飲食物という区分があり、飲食物という区分は、食料と飲物という区分があり、飲物は、アルコール類、ノンアルコール類、という区分があってよい。売上額は、所定の領域内の店舗で所定の期間内に販売によって生じた売上額であってよい。売上数は、所定の領域内の店舗で所定の期間内に販売によって生じた売上数であってよい。
【0070】
4.2.処理のフローの例
次に、本形態のサーバーが、販売数又は販売額(売上)やランキングを生成するフローの例を、
図11を利用して説明する。
【0071】
ステップ1
まず、本形態のサーバーは、対象商圏を取得する。また、本形態のサーバーは、対象期間を取得してもよい。
【0072】
ステップ2
次に、本形態のサーバーは、一または複数の商品区分を取得する。一または複数の商品区分は、複数の階層化された商品区分であってよい。かかる階層化された複数の商品区分としては、例えば、アンダーウェア、インナー、メンズインナー、メンズトップスなどの順のように下位層になるものであってよい。また、商品区分は、大項目、中項目、小項目、細項目、などのように階層化された商品区分であってもよい。このように商品区分を指定することにより、各領域における情報を理解できる利点がある。
【0073】
ステップ3
本形態のサーバーは、前記一または複数の商品区分について、前記対象商圏内で販売された販売数又は販売額(売上)を算出する。かかる販売数又は販売額は、情報端末に伝達されて、表示されてよい。このような販売数又は販売額により、ユーザは、ユーザが設定した対象商圏における一又は複数の商品区分について、販売数又は販売額を理解できる利点がある。特に、設定された対象商圏に応じて、販売数又は販売額を理解できる利点があり、店舗戦略に利用できる。なお、対象期間を取得している場合は、対象期間における、販売数又は販売額を算出してよい。この場合、季節に応じて変化しうる商品区分についても、より精緻に検討するための情報を得られる利点がある。また、対象期間を取得している場合において、対象期間における、販売数又は販売額について、各年の推移を生成してもよい。例えば、
図12は、情報端末が販売額(売上)の各年の推移を表示する一例である。
【0074】
なお、本形態のサーバーは、上述の一又は複数の商品区分に含まれる商品区分又は商品について、販売額又は販売数の上位数からのランキングを生成してもよい。例えば、設定された商品区分が乳製品である場合、乳製品の商品(例えば、牛乳A、牛乳B、ヨーグルトA、ヨーグルトB、チーズAなどの商品)又は乳製品の下位の商品区分(例えば、牛乳、ヨーグルト、チーズという商品区分)について、販売数又は販売額のランキングを生成してよい。この場合、乳製品という特定の商品区分における販売数又は販売額のランキングを理解できる利点がある。例えば、
図13は、情報端末に表示される販売額が大きい順のランキングを表示する一例である。
【0075】
また、上記に代えて又は加えて、本形態のサーバーは、上述の一又は複数の商品区分に含まれる商品区分又は商品について、所定の関係にある、商品区分又は商品を特定してよい。例えば、設定された商品区分が乳製品である場合、乳製品におけるランキングの商品(例えば、牛乳A、牛乳B、牛乳C、ヨーグルトA、チーズAなどの商品)に対して、牛乳A、牛乳B、牛乳C、という同一の商品区分内の商品であることが特定されてよい。かかる特定によって、牛乳A、牛乳B、牛乳Cが同一の商品区分であることが、情報端末において表示されてよい。この場合、乳製品におけるランキングの内、牛乳A、牛乳B、牛乳Cという複数の商品は、牛乳という同一の商品区分の商品であることが理解できる。すなわち、乳製品のうち、牛乳という同一の商品区分の商品によっていわばパイを食い合っている状態を見つけ出すことができ、商品の要不要を検討する情報を取得できる利点がある。このために、本形態のサーバーは、ランキング上の商品(例えば、牛乳A、牛乳B、牛乳C、ヨーグルトA、チーズAなどの商品)について、各商品が属する商品区分を特定し、各商品が属する商品区分に同一性があれば、これらを同一商品区分に属する商品であると特定してよい。これらの複数の商品が、同一の商品区分にあるという所定の関係を、各商品と関連付けて表示してよい。また、上記に代えて又は加えて、これらは同一の商品区分に属する商品であることから、これらの商品の一方の商品(例えば、ランキング下位の商品)を不要とするレコメンドを表示してもよい。また、上記に代えて又は加えて、これらは同一の商品区分に属する商品であってこれらの商品の一方の商品については更に売上増加の可能性もあるといえることから、これらの商品の一方の商品の広告をアドバイスする表示をしてもよい。また、上記に代えて又は加えて、上述の同一の商品区分に属する商品におけるランキング下位の商品は上述のとおり不要な商品ともいえるため、このような同一の商品区分に属する複数の商品については、ランキングが二位以下の商品は表示せずにランキングが一位の商品のみを表示することで、当該店舗における最適商品ラインナップを表示してもよい。ここで、最適商品ラインナップは、かかる店舗において対象となる商品区分についてのみの最適商品ラインナップであってもよいし、かかる店舗における全ての商品についての最適商品ラインナップでもよい。また、上記に代えて又は加えて、当該店舗(例えば、店舗X)において同一の商品区分に属する複数の商品のうち、ランキング下位の商品(例えば、商品A)は当該店舗Xではなく他の店舗(例えば、店舗Xから所定の距離範囲内にある店舗Y)に供給し、ランキング上位の商品(例えば、商品B)は他の店舗Yから当該店舗Xに供給することを二次元的に示す商品運搬システムの図を表示してもよい。より具体的には、店舗Xと商品A及びBの商品数、及び、店舗Yと商品AとBの商品数、が各々関連付けられて表示されてよく、ユーザの入力により、商品Aと商品Bの商品数を増減することができてよい。例えば、上述のように商品Xが商品Yよりもランキングが下位であれば、商品Xの商品数を減少させ(場合によっては0とし)、商品Yの商品数を増加させるユーザの操作により、商品の運搬状況をシミュレーションができてよい。この場合、商品A及びBの供給商品数と、店舗X及びYにおける商品AとBの商品数と、の双方が関連付けされて表示されていてよい。すなわち、店舗X及びYの商品Aの合計商品数が、商品Aの供給商品数と常に同一になって表示されており、店舗Xにおける商品Aの数を増減させると、対応して、商品Aの供給数及び/又は店舗Yにおける商品Aの商品数も(商品Aの合計数が常に同一になるように)連動して増減して表示されてよい。(同様の思想に基づき、所定の関係にある商品区分も特定できてよい。また、以上の処理は、サーバーにおいて処理されたのちにその結果が情報端末において表示されてもよいし、サーバーと情報端末が協調して各々一部ずつ処理してもよいし、サーバーから送られた情報に基づいて情報端末で全て処理されてもよい。
【0076】
ステップ4
上述の販売数又は販売額(売上)やランキングは、情報端末に送信され、情報端末において、上述の販売数又は販売額(売上)やランキングが表示されてよい。なお、その他の販売数又は販売額(売上)やランキングを生成するフローとしては、
図14、
図15、及び
図16が挙げられる。
【0077】
5.実施の形態5
5.1.構成例
本形態のサーバーを含む全体のシステムは、実施の形態1に係る流通業効率化支援システム100と同一の構成を備えてよい。ただし、本形態のサーバーの機能は、実施の形態1で述べたサーバーの機能を備えなくてもよいし、実施の形態1乃至形態4で述べたサーバーの一部または全部の機能を備えてもよい。
【0078】
なお、本形態のサーバーと接続されうるデータベースは、所定の領域と、所定の商品区分と、前記所定の領域内で販売されて前記商品区分内の商品のメーカーと、かかるメーカーの単位期間毎の前記商品区分についての売上額と、の関係を記憶するものであってよい。所定の領域は、市町村などの行政区分であってよい。かかる売上額は、POSデータに基づくものであってよい。また、データベースは、商品区分毎の日本市場規模及のデータも格納してよい。
【0079】
5.2.処理のフローの例
次に、本形態のサーバーが、特定の領域についてのシェアを生成するフローの例を、
図17を利用して説明する。
【0080】
ステップ1
まず、本形態のサーバーは、対象商圏、及び、一又は複数の商品区分を取得する。また、本形態のサーバーは、対象期間を取得してもよい。
【0081】
ステップ2
次に、本形態のサーバーは、前記対象商圏に含まれる全ての一又は複数の地理的領域及び前記一又は複数の商品区分について、前記領域で販売された前記一又は複数の商品区分内の全ての商品の製造及び/又は販売したメーカー毎に、売上額の合計を算出する。例えば、ある対象商圏は、A市の全部及びB市の半分の面積が一致するとする。この場合、商品区分内の商品であってA市内で販売された商品について、かかる商品を販売したメーカー毎に売上額を合計する。B市についても同様に、商品区分内の商品であってA市内で販売された商品について、かかる商品を販売したメーカー毎に売上額を合計し、最後に按分(半分)にする。メーカー毎に、かかるA市の売上額合計とかかるB市の売上額合計(ただし半分のもの)、を合計することで、かかるメーカーの売上額を算出する。また、メーカー毎にシェア率も計算されてよい。各メーカーのシェア率は、全てのメーカーの売上額の合計額(分母)に対する、対象となるメーカーの売上額(分子)であってよい。なお、かかる構成に代えて、各メーカーのシェア率は、対象となる商品区分の日本全市場規模(分母)に対する、対象となるメーカーの売上額(分子)であってもよい。この場合、各メーカーは、市場規模と各店舗の商圏内に有する売上と比較し、商圏内の売上ポテンシャルや売上予測を計算でき、品揃えや在庫数、広告のやり方を検討できる利点がある。
【0082】
ステップ3
本形態のサーバーは、売上額及び/又はシェア率を、各メーカーと関連付けて、生成する。かかる各メーカーと関連付けられた売上額及び/又はシェア率は、情報端末に送信され、情報端末において、各メーカーと関連付けられた売上額及び/又はシェア率が表示されてよい。表示は、種々の態様であってよく、例えば、期間毎のシェアの推移を示す折れ線グラフや、対象期間内におけるシェアの比率を示す円フラフなどであってよい。
図18は、かかる表示の一例である。なお、その他のシェア率を生成するフローとしては、
図19及び
図20が挙げられる。
【0083】
なお、本形態のサーバーにおいては、メーカーのシェアに代えて、小売業全体のシェアを生成してもよい。具体的には、分母を対象とする商品区分の日本市場規模とし、分子を小売業の商品区分の売上額としてもよい。例えば、商品区分がビールであるとすると、(小売業以外も含めた)ビールについての日本市場全体規模を分母として、(小売業のみの)ビールについての売上実績でよい。
【0084】
6.その他の実施態様について
第1の態様による流通業効率化支援装置は、「
一又は複数のサーバーと、前記サーバーとネットワークを介して信号の送受信が可能に接続された一又は複数の情報端末と、を備える流通業効率化支援装置であって、
前記サーバーは、
店舗を特定するデータ、及び、領域を特定するデータ、を前記情報端末から取得する取得部と、
少なくとも、店舗に係るデータと、領域に係るデータと、の関係を示すデータベースを利用して、取得した前記店舗を利用した人であって、取得した前記領域において通勤先又は住所を有する人に係る商圏データを生成する生成部、
を備え、
前記情報端末は、
前記サーバーから取得した、前記商圏データを表示する表示部を備える、
流通業効率化支援装置」である。
【0085】
第2の態様による流通業効率化支援装置は、上記第1の態様において「
前記サーバーは、取得された前記店舗と競合関係にある複数の店舗について、取得した前記店舗との間の距離又は移動時間が所定区間内のもの、又は、取得した前記店舗との間の距離又は移動時間の長短の順序付け、を生成し、
前記情報端末は、前記サーバーから取得した、前記距離又は移動時間が所定区間内の店舗、又は、前記距離又は移動時間の長短の順序付けがされた複数の店舗を、表示する、」ものである。
【0086】
第3の態様による流通業効率化支援装置は、上記第1の態様又は上記第2の態様において「
前記サーバーは、取得された前記店舗と競合関係にある複数の店舗について、取得した前記店舗との間の移動時間が短い順で、順序を生成し、
前記情報端末は、前記サーバーから取得した、前記複数の店舗を、前記移動時間が短い順で表示する、」ものである。
【0087】
第4の態様による流通業効率化支援装置は、上記第1乃至上記第3のいずれか一の態様において「 前記サーバーは、
取得した前記店舗を利用した人の住所が含まれる一又は複数の領域を特定し、
前記領域毎に、前記店舗を利用した人による前記店舗における全部又は所定の範囲の商品又は役務に関し支払われた合計金額を算出し、
前記合計金額に応じて、前記領域を区別するデータを出力処理し、
前記情報端末は、前記サーバーから取得した、前記領域が区別されたデータを、領域を区別して表示する、」ものである。
【0088】
第5の態様による流通業効率化支援装置は、上記第1乃至上記第4のいずれか一の態様において「 前記サーバーは、少なくとも前記店舗を利用した人の住所が含まれる領域内における、取得した前記店舗に対する一又は複数の競合他社に係るデータを出力し、
前記情報端末は、前記サーバーから取得した、前記一又は複数の競合他社に係るデータを、表示する、」ものである。
【0089】
第6の態様による流通業効率化支援装置は、上記第1乃至上記第5のいずれか一の態様において「 前記サーバーは、
複数の店舗を取得し、
前記複数の店舗の少なくとも一つを利用した人による、前記複数の店舗の利用割合を出力し、
前記情報端末は、
前記情報端末は、前記サーバーから取得した、前記複数の店舗の利用割合を表示する
」ものである。
【0090】
第7の態様による流通業効率化支援装置は、上記第1乃至上記第6のいずれか一の態様において「 前記サーバーは、
人と、前記人が利用した各店舗の利用に係るデータと、を関係づけて記憶するデータベースを利用して、前記領域に住所を有する人であって、前記複数の店舗の少なくとも一つに利用した人についての、利用に係るデータを取得し、
前記人が、前記複数の店舗に対して、各々の店舗を利用した利用の割合を、前記利用割合とする」ものである。
【0091】
第8の態様による流通業効率化支援装置は、上記第1乃至上記第7のいずれか一の態様において「前記サーバーは、
所定の領域と、前記所定の領域内で販売された特定の商品区分内の商品についての製造メーカー毎の売上額と、の関係を記憶するデータベースと、
所定の領域と、特定の商品区分と、を取得する取得部と、
前記所定の領域と前記特定の商品区分を利用して、前記所定の領域における、前記特定の商品区分の製造メーカー毎の売上額比率又は売上数比率を算出する算出部と、
を備え、
前記情報端末は、
前記サーバーから取得した、売上額比率又は売上数比率を表示する、」ものである。
【0092】
第9の態様による流通業効率化支援装置は、上記第1乃至上記第8のいずれか一の態様において「 前記サーバーは、
第1商品区分を取得し、
取得された前記地理的領域内の住民が、取得された前記店舗で購入した前記第1商品区分内の下位区分の第2商品区分又は商品について、所定期間内における売上額又は売上数順に、順序を生成し、
前記第1商品区分及び前記第2商品区分とは異なる第3商品区分内の、前記第2商品区分又は商品、について所定の関係を出力し、
前記情報端末は、
前記サーバーから取得した、前記第2商品区分又は商品についての所定の関係を表示する、」ものである。
【0093】
第10の態様による流通業効率化支援装置は、上記第1乃至上記第9のいずれか一の態様において「前記領域を特定するデータは、一又は複数の、行政区分に基づいて特定される、」ものである。
【0094】
第11の態様による流通業効率化支援装置は、上記第1乃至上記第10のいずれか一の態様において「前記領域は、二次元上の領域に対するユーザの入力によって特定された、一又は複数の行政区分の按分によって特定される、」ものである。
【0095】
第12の態様による流通業効率化支援装置は、上記第1乃至上記第11のいずれか一の態様において「前記商圏データは、人口特性に係る情報、世帯特性に係る情報、及び/又は、競合情報である、」である。
【0096】
第13の態様によるコンピュータプログラムは、
「一又は複数のサーバーと、前記サーバーとネットワークを介して信号の送受信が可能に接続された一又は複数の情報端末と、を備える流通業効率化支援装置において実行されるコンピュータプログラムであって、
前記サーバーを、
店舗を特定するデータ、及び、領域を特定するデータ、を取得する手段、
少なくとも、店舗に係るデータと、領域に係るデータと、の関係を示すデータベースを利用して、取得した前記店舗を利用した人であって、取得した前記領域において通勤先又は住所を有する人に係る商圏データを生成する手段、
として動作させ、
前記情報端末を、
前記サーバーから取得した、前記商圏データを表示する手段、
として動作させるためのコンピュータプログラム」である。
【0097】
第14の態様による方法は、
「一又は複数のサーバーと、前記サーバーとネットワークを介して信号の送受信が可能に接続された一又は複数の情報端末と、を備える流通業効率化支援装置において、
前記サーバーが、
店舗を特定するデータ、及び、領域を特定するデータ、を取得するステップ、
少なくとも、店舗に係るデータと、領域に係るデータと、の関係を示すデータベースを利用して、取得した前記店舗を利用した人であって、取得した前記領域において通勤先又は住所を有する人に係る商圏データを生成するステップ、
を実行し、
前記情報端末が、
前記サーバーから取得した、前記商圏データを表示するステップ、
を実行する方法」である。
【0098】
第15の態様によるシステムは、
「一又は複数のサーバーと、前記サーバーとネットワークを介して信号の送受信が可能に接続された一又は複数の情報端末と、を備える流通業効率化支援システムであって、
前記サーバーは、
店舗を特定するデータ、及び、領域を特定するデータ、を取得する取得部と、
少なくとも、店舗に係るデータと、領域に係るデータと、の関係を示すデータベースを利用して、取得した前記店舗を利用した人であって、取得した前記領域に通勤先又は住所を有する人に係る商圏データを生成する出力部、
を備え、
前記情報端末は、
前記サーバーから取得した、前記商圏データを表示する表示部、
を備える流通業効率化支援システム」である。
7.その他
なお、本願書類に記載されたデータベースは、種々のデータベースであってよく、種々のデータベースモデルに基づくものであってよい。例えば、階層型データベース、ネットワークデータベース、リレーショナルデータベース、オブジェクト指向データベース、などが挙げられるが、これらに限られない。また、これらのデータベースが実装される情報処理装置は、一または複数であってよく、サーバーでもよいしクラウドでもよい。
【0099】
また、本願書類において、店舗を利用するとは、店舗において現実に商品を購入したりサービスに対価を支払う場合であってもよいし、単に店舗内の敷地に入る訪問であってもよいし、これらの組合せであってもよい。
【0100】
また、本願書類において、店舗利用者に係る住所は、店舗利用者の勤務先の住所、又は、店舗利用者の居住の住所であってよい。
【0101】
本願書類において、店舗に関連ある地政学的データとは、特定の店舗に対する対象商圏に係るデータであってよい。
【0102】
また、本願書類において、サーバーと情報端末における処理は、適宜分担されてよい。例えば、サーバーにおいて処理されたのちにその結果が情報端末に送信されて表示されてもよいし、サーバーと情報端末が協調してサーバーが一部処理して情報端末に送信されて情報端末において残部を処理されて表示されてもよいし、サーバーから送られた情報に基づいて情報端末で全て処理されて表示されてもよい。
【0103】
また、本願における表示の態様として、サーバーから情報端末にデータが送信され、情報端末においてデータが表示される態様を主に説明したが、かかる態様に限定されない。例えば、サーバーにおける処理の一部が情報端末において処理されて、情報端末において表示されてもよい。また、サーバーにおける表示装置が、直接データを表示してもよい。
【0104】
本願書類の実施例において述べた発明例は、本願書類で説明されたものに限らず、その技術的思想の範囲内で、種々の例に適用できることはいうまでもない。
【0105】
また、本願書類で説明される処理及び手順は、実施形態において明示的に説明されたものによってのみならず、ソフトウェア、ハードウェア又はこれらの組み合わせによっても実現可能なものであってよい。また、本願書類で説明される処理及び手順は、それらの処理・手順をコンピュータプログラムとして実装し、各種のコンピュータに実行させることが可能であってよい。またこれらのコンピュータプログラムは、記憶媒体に記憶されてよい。また、これらのプログラムは、非一過性又は一時的な記憶媒体に記憶されてよい。