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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025091206
(43)【公開日】2025-06-18
(54)【発明の名称】照明システム及び照明器具
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/125 20200101AFI20250611BHJP
   H05B 47/13 20200101ALI20250611BHJP
   H05B 47/165 20200101ALI20250611BHJP
【FI】
H05B47/125
H05B47/13
H05B47/165
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023206342
(22)【出願日】2023-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 弥生
(72)【発明者】
【氏名】野坂 哲郎
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA10
3K273QA11
3K273QA29
3K273SA02
3K273SA11
3K273SA21
3K273SA37
3K273SA57
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA18
3K273TA22
3K273TA27
3K273TA40
3K273TA41
3K273TA48
3K273TA54
3K273TA57
3K273TA62
3K273TA66
3K273UA16
(57)【要約】
【課題】本開示は照明システム及び照明器具に関し、照明器具が設置されたエリアに滞在するユーザの意図に反した照明制御が行われない照明システム及び照明器具を提供することを目的とする。
【解決手段】本開示の照明システムは、端末と、人の有無を検知する人検知部と、照明器具を備える。照明器具は、制御回路と、光源の点灯制御を行う点灯制御回路を有する。端末は、制御回路に調光指示を送信するよう構成され、人検知部は、照明器具の設置されたエリアにおける人の有無を検知し、検知結果を制御回路に送信するよう構成され、制御回路は、検知結果に基づき、自身の制御エリアに人がいるかいないかを判断する処理と、人がいない場合、調光指示を含む指示情報を点灯制御回路に送信する処理とを実施するよう構成され、点灯制御回路は、指示情報に基づき、光源の点灯制御を行う処理を実施するよう構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末と、人の有無を検知する人検知部と、照明器具を備え、
前記照明器具が、制御回路と、光源の点灯制御を行う点灯制御回路を有し、
前記端末が、前記制御回路に調光指示を送信するよう構成され、
前記人検知部が、
前記照明器具の設置されたエリアにおける人の有無を検知し、検知結果を前記制御回路に送信するよう構成され、
前記制御回路が、
前記検知結果に基づき、自身の制御エリアに人がいるかいないかを判断する処理と、
人がいない場合、前記調光指示を含む指示情報を前記点灯制御回路に送信する処理と
を実施するよう構成され、
前記点灯制御回路が、
前記指示情報に基づき、前記光源の点灯制御を行う処理を実施するよう構成されている
照明システム。
【請求項2】
前記人検知部が前記照明器具に内蔵されている
請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
ユーザに直接操作された際に、前記照明器具を点灯制御するスイッチをさらに備え、
前記人検知部が前記スイッチに内蔵されている
請求項1に記載の照明システム。
【請求項4】
前記調光指示が、該調光指示の対象となる照明器具の情報を含み、
前記制御回路が、前記照明器具の情報を参照することによって、前記調光指示が自身宛てであるかを判定する処理をさらに備える
請求項1に記載の照明システム。
【請求項5】
前記制御回路が、遠隔操作の有効と無効との切り替え結果に基づき、遠隔操作が有効であるか否かを判定する処理をさらに備える
請求項1に記載の照明システム。
【請求項6】
ユーザに直接操作された際に、前記照明器具を点灯制御するスイッチをさらに備え、
前記スイッチが、遠隔操作の有効と無効とを切り替える機能をさらに有する
請求項5に記載の照明システム。
【請求項7】
前記端末が、遠隔操作の有効と無効とを切り替える機能をさらに有する
請求項5に記載の照明システム。
【請求項8】
前記端末が、遠隔操作の有効と無効とを切り替える時間帯を予め設定する機能をさらに有する
請求項7に記載の照明システム。
【請求項9】
前記端末が、クラウドサーバを介して前記制御回路に調光指示を送信する
請求項1に記載の照明システム。
【請求項10】
前記端末が、前記制御回路に直接調光指示を送信する
請求項1に記載の照明システム。
【請求項11】
前記人検知部が人を検知するセンサである
請求項1に記載の照明システム。
【請求項12】
端末及び人の有無を検知する人検知部と接続されている照明器具であって、
制御回路と、光源の点灯制御を行う点灯制御回路を有し、
前記端末が、前記制御回路に調光指示を送信するよう構成され、
前記人検知部が、
前記照明器具の設置されたエリアにおける人の有無を検知し、検知結果を前記制御回路に送信するよう構成され、
前記制御回路が、
前記検知結果に基づき、自身の制御エリアに人がいるかいないかを判断する処理と、
人がいない場合、前記調光指示を含む指示情報を前記点灯制御回路に送信する処理と
を実施するよう構成され、
前記点灯制御回路が、
前記指示情報に基づき、前記光源の点灯制御を行う処理を実施するよう構成されている
照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明システム及び照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、照明スイッチを、クラウドを介した遠隔操作によって制御する照明スイッチシステムの技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許7117936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし上述のシステムでは、制御対象となる照明器具が設置されたエリアに人がいるか否かに関わらず、遠隔操作による照明制御が可能である。すなわち、該当する照明器具が設置されたエリアに滞在するユーザの意図に反した照明制御が行われ得るという課題があった。
【0005】
本開示は上述の問題を解決するため、照明器具が設置されたエリアに滞在するユーザの意図に反した照明制御が行われない照明システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第一の態様は、端末と、人の有無を検知する人検知部と、照明器具を備え、照明器具が、制御回路と、光源の点灯制御を行う点灯制御回路を有し、端末が、制御回路に調光指示を送信するよう構成され、人検知部が、照明器具の設置されたエリアにおける人の有無を検知し、検知結果を制御回路に送信するよう構成され、制御回路が、検知結果に基づき、自身の制御エリアに人がいるかいないかを判断する処理と、人がいない場合、調光指示を含む指示情報を点灯制御回路に送信する処理とを実施するよう構成され、点灯制御回路が、指示情報に基づき、光源の点灯制御を行う処理を実施するよう構成されている照明システムであることが好ましい。
【0007】
本開示の第二の態様は、端末及び人の有無を検知する人検知部と接続されている照明器具であって、制御回路と、光源の点灯制御を行う点灯制御回路を有し、端末が、制御回路に調光指示を送信するよう構成され、人検知部が、照明器具の設置されたエリアにおける人の有無を検知し、検知結果を制御回路に送信するよう構成され、制御回路が、検知結果に基づき、自身の制御エリアに人がいるかいないかを判断する処理と、人がいない場合、調光指示を含む指示情報を点灯制御回路に送信する処理とを実施するよう構成され、点灯制御回路が、指示情報に基づき、光源の点灯制御を行う処理を実施するよう構成されている照明器具であることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本開示の第一及び第二の態様によれば、照明器具が設置されたエリアに滞在するユーザの意図に反した照明制御が行われない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施の形態1に係る照明システムの構成を示す図である。
図2】本開示の実施の形態1に係る照明器具の構成を示す図である。
図3】本開示の実施の形態1に係る遠隔操作を実施するかの決定方法を示すフローチャートである。
図4】本開示の実施の形態2に係る照明システムの構成を示す図である。
図5】本開示の実施の形態2に係る照明器具の構成を示す図である。
図6】本開示の実施の形態3に係る照明システムの構成を示す図である。
図7】本開示の実施の形態3に係る遠隔操作を実施するかの決定方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1
図1は、本開示の実施の形態1に係る照明システムの構成を示す図である。照明システム1000は、照明器具100を備える。照明器具100は、ルータ200を介してクラウドサーバ300と無線通信を実施できる。ルータ200は、例えば無線LANルータである。クラウドサーバ300は、表示部を有する端末400と無線通信あるいは有線通信で接続されている。
【0011】
以上のように、照明器具100と端末400は、ルータ200及びクラウドサーバ300を介して通信を行うことができる。すなわち照明システム1000は、端末400をユーザが操作することによって、遠隔操作により照明器具100の点灯制御を実施できるシステムである。
【0012】
図2は、本開示の実施の形態1に係る照明器具の構成を示す図である。照明器具100は、ルータ200と情報を送受信できる受信部160を備える。受信部160は、ルータ200から送信された無線信号を受信し、信号処理部150に送信する。この無線信号は、例えばユーザ操作により端末400から送信された調光指示である。この調光指示は、調光指示の対象となる照明器具の情報を含んでもよい。
【0013】
信号処理部150は、受信した無線信号を処理して得た指示情報を、制御部130に送信する。この指示情報は、調光指示及び調光指示の対象となる照明器具の情報を含む。
【0014】
また照明器具100は人検知部140を備える。人検知部140は、照明器具100が設置されたエリアにおける人の有無を検知する機能を有し、検知結果を制御部130に送信する。
【0015】
制御部130は、受信した指示情報及び検知結果に基づき、受信した指示情報に基づく遠隔操作を実施するかを決定する。決定方法の詳細は後述する。
【0016】
なお、人検知部140が有する人の有無を検知する機能は、カメラ等を用いて静止している人間を画像認識で検知する機能、あるいは焦電センサで検知する機能が好ましい。あるいは、電波センサ等で検知する機能でもよい。
【0017】
遠隔操作を実施する場合、制御部130は、指示情報を点灯制御部120に送信する。点灯制御部120は、制御部130からの指示情報に基づいて光源110の点灯制御を行う。光源110は少なくとも一つの発光素子からなる光源である。遠隔操作を実施しない場合、制御部130は指示情報を破棄する。
【0018】
図示は省略するが、本開示の実施の形態1に係る照明器具の第一のハードウェア構成について、例えば、光源110は発光素子を含み、点灯制御部120は点灯制御回路であり、制御部130は制御回路である。また、例えば、人検知部140は焦電センサを用いることができ、信号処理部150は信号処理回路であり、受信部160はアンテナである。このように、照明器具における点灯制御部120、制御部130及び信号処理部150の機能は、専用のハードウェアである点灯制御回路、制御回路及び信号処理回路によりそれぞれ実現されてもよい。
【0019】
さらに、図示は省略するが、本開示の実施の形態1に係る照明器具の第二のハードウェア構成について、照明器具100における点灯制御部120、制御部130及び信号処理部150の機能は、例えば、メモリ190に格納されるプログラムを実行するCPU180により実現されてもよい。
【0020】
図3は、本開示の実施の形態1に係る遠隔操作を実施するかの決定方法を示すフローチャートである。この判断は、ユーザ操作により、端末400から照明器具100に送信された調光指示をトリガーとして開始される。
【0021】
まずステップS100で、照明器具100が、調光指示が自身宛てであるか否かを判定することによって、遠隔操作の有効化または無効化を決定する。具体的には、制御部130が、指示情報に含まれる照明器具の情報を参照することによって、調光指示が自身宛てであるかを判定する。自身宛てであると判定された場合は、遠隔操作の有効化を決定し、ステップS102に進む。自身宛てではないと判定された場合は、遠隔操作の無効化を決定し、ステップS110に進む。
【0022】
ステップS102では、照明器具100が、自身の制御エリアに人がいるかいないかを判断する。具体的には、制御部130が、前述した検知結果に基づき判断する。人がいないと判断された場合、ステップS104に進む。人がいると判断された場合、ステップS112に進む。
【0023】
ステップS104では、照明器具100が、光源110の点灯制御を行う。具体的には、まず制御部130が、遠隔操作の有効化を決定し、調光指示を含む指示情報を点灯制御部120に送信する。点灯制御部120は、受信した指示情報に基づき、光源110の点灯制御を行う。この点灯制御は、点灯及び消灯操作でもよいし、調光操作でもよい。
【0024】
次にステップS106では、照明器具100が、成功情報を端末400に送信する。成功情報とは、照明器具100の点灯制御が、調光指示の通りに完了したことを報知するための情報である。
【0025】
次にステップS108では、成功情報を受信した端末400が、表示部に処理終了の表示をする。この表示により、ユーザは、調光指示が成功したことを確認できる。
【0026】
ステップS110では、端末400が表示部に制御不可の表示をする。具体的には、制御部130が、遠隔操作の無効化を決定し、その調光指示を破棄する。また制御部130は、判定結果を端末400に送信する。端末400は、判定結果に基づき、表示部に制御不可の表示をする。この表示により、ユーザは、照明器具100が制御不可の状態であり、調光指示が失敗したことを確認できる。
【0027】
ステップS112では、端末400が表示部に制御不可の表示をする。具体的には、人がいると判断した制御部130が、その調光指示を破棄する。また制御部130は、判断結果を端末400に送信する。端末400は、判断結果に基づき、表示部に制御不可の表示をする。この表示により、ユーザは、照明器具100の制御エリアに人がいるため、調光指示が失敗したことを確認できる。
【0028】
以上のように、本実施形態によれば、制御対象となる照明器具が設置されたエリアに人がいない場合のみ、遠隔操作による照明制御が実施される。すなわち、照明器具が設置されたエリアに滞在する人の意図に反した照明制御が行われない照明システムを提供できる。
【0029】
実施の形態2
図4は、本開示の実施の形態2に係る照明システムの構成を示す図である。本実施形態は、人の有無を検知する機能を有するスイッチ500を備える点が、実施の形態1と異なる。
【0030】
照明システム2000はスイッチ500を備える。スイッチ500は、ユーザに直接操作された際に、本実施形態の照明器具100aを点灯制御する機能を有する。この点灯制御は、照明器具100aのオン/オフの切り替えでもよいし、調光率あるいは色温度の変更であってもよい。またスイッチ500は、例えば押しボタン式でもよいし、液晶式でもよい。
【0031】
さらに、本実施形態のスイッチ500は、照明器具100aが設置されたエリアにおける人の有無を検知する機能を有し、検知結果を照明器具100aに送信する。スイッチ500が有する人の有無を検知する機能は、カメラ等を用いて静止している人間を画像認識で検知する機能、あるいは電波センサで検知する機能が好ましい。あるいは、焦電センサ等で検知する機能でもよい。
【0032】
人の有無を検知する機能についてより詳細に述べる。人検知に用いられるセンサとして、焦電センサあるいは電波センサが知られている。焦電センサは横切る方向の検知に適し、電波センサは近づく及び遠ざかる動きの検知に適する。そのため、天井に設置される照明器具100は焦電センサを、壁面に設置されるスイッチ500は電波センサを有する方が、適切な人検知を実施できる。
【0033】
焦電センサは、周囲温度と移動体の温度差によって人の有無を検知する。そのため夏場のように、周囲温度と移動体である人の温度差が小さい環境では、人の有無を検知しにくくなる可能性がある。一方電波センサは、電波によって人の有無を検知するため、周囲温度の影響で人の有無を検知しにくくなることはない。
【0034】
本実施形態では、スイッチ500が人の有無を検知する機能を有するため、電波センサを用いることが好ましい。そのため本実施形態では、周囲温度による影響を受けることなく、人の有無を検知することができる。
【0035】
また焦電センサと電波センサは、デザイン面でも相違がある。焦電センサはレンズ型の形状が多いため、ユーザに監視カメラと勘違いされ、敬遠されることがある。一方電波センサはフラットかつ薄型の形状が多いため、ユーザに見た目で敬遠されることはない。さらに電波センサは、樹脂が電波を通すため、例えばプラスチック製のスイッチ500に内蔵されていてもよい。この場合、電波センサはユーザに意識されることなく機能を発揮できる。
【0036】
図5は、本開示の実施の形態2に係る照明器具の構成を示す図である。本実施形態の照明器具100aは、受信部161を備える点と、人の有無を検知する機能を有さない人検知部140aを備える点が、照明器具100と異なる。
【0037】
照明器具100aは、スイッチ500から情報を受信できる受信部161を備える。例えば受信部161は、スイッチ500から送信された検知結果を受信し、人検知部140aに送信する。人検知部140aは、受信した検知結果を管理し、必要に応じて制御部130に送信する。制御部130は、受信した検知結果に基づき、受信した指示情報に基づく遠隔操作を実施するかを決定する。
【0038】
決定方法は、人の有無を検知するのがスイッチ500である点以外、実施の形態1と同様である。すなわち、図3のステップS102において、制御部130が判断に用いる検知結果が、スイッチ500で検知された検知結果である点以外は、実施の形態1と同様である。
【0039】
以上のように、本実施形態によれば、制御対象となる照明器具が設置されたエリアに人がいない場合のみ、遠隔操作による照明制御が実施される。すなわち、照明器具が設置されたエリアに滞在する人の意図に反した照明制御が行われない照明システムを提供できる。さらに、人の有無を検知する機能をスイッチ500が有することによって、周囲温度による影響を受けないと同時に、ユーザに意識されることなく、人の有無を検知することができる。
【0040】
実施の形態3
図6は、本開示の実施の形態3に係る照明システムの構成を示す図である。本実施形態は、照明器具100aと直接通信可能な端末401を備える点と、遠隔操作の有効と無効とを切り替える機能を備える点が、実施の形態2と異なる。
【0041】
照明システム3000は端末401を備える。端末401は、照明器具100aと、例えばBluetooth(登録商標)で通信可能な端末である。端末401は、ユーザに操作された際に、本実施形態の照明器具100aを点灯制御する機能を有する。この点灯制御は、照明器具100aのオン/オフの切り替えでもよいし、調光率あるいは色温度の変更であってもよい。
【0042】
また、上述のオン/オフの切り替えにフェード時間を設けてもよい。これにより、光源110を急激に変化させることなく、オン/オフの切り替えを実施できるので、ユーザが混乱したり不安全な状況に陥ったりすることを回避することができる。さらに、端末401を介して、ユーザがフェード時間を設定できるようにしてもよい。
【0043】
さらに本実施形態の照明器具100aは、端末401とペアリングされている場合、通信範囲外にある他の端末400からの遠隔操作を受け付けないこととしてもよい。
【0044】
また照明システム3000はスイッチ500aを備える。スイッチ500aは、スイッチ500の機能に加えて、遠隔操作の有効と無効とを切り替える機能を有する。すなわちスイッチ500aは、ユーザが遠隔操作の有効と無効とを切り替える操作をした場合、その切り替え結果を、受信部161を介して照明器具100aに送信する。
【0045】
以上のように、照明システム3000は遠隔操作の有効と無効とを切り替える機能を有するため、人がいないエリアにおける遠隔操作を一時的に制限することができる。例えば、夜間のように人が長期間いないエリアに対し、誤って不要な点灯制御を行うことによって発生する無駄なコストを削減することができる。
【0046】
なお、ここでは遠隔操作の有効と無効とを切り替える機能をスイッチ500aが有する態様を示したが、端末401が有してもよい。また、遠隔操作の有効と無効とを切り替える時間帯を予め設定し、自動的に切り替えることによって、人がいないエリアにおける遠隔操作を一時的に制限してもよい。この場合、遠隔操作の有効と無効とを切り替える時間帯の設定は、端末401を介してユーザが実施できてもよい。
【0047】
図7は、本開示の実施の形態3に係る遠隔操作を実施するかの決定方法を示すフローチャートである。なお、図3のフローチャートと共通するステップについては説明を省略する。
【0048】
まずステップS114で、照明器具100aが、遠隔操作が有効であるか否かを判定することによって、遠隔操作の有効化または無効化を決定する。具体的には、制御部130が、前述した切り替え結果に基づき判定する。有効であると判定された場合は、ステップS102に進む。有効でないと判定された場合は、ステップS116に進む。
【0049】
ステップS116では、端末400が表示部に制御不可の表示をする。具体的には、まず遠隔操作が有効でないと判定した制御部130が、その調光指示を破棄する。また制御部130は、判定結果を端末400に送信する。端末400は、判定結果に基づき、表示部に制御不可の表示をする。この表示により、ユーザは、照明器具100aの遠隔操作が有効でない状態であり、調光指示が失敗したことを確認できる。
【0050】
以上のように、本実施形態によれば、制御対象となる照明器具が設置されたエリアに人がいない場合のみ、遠隔操作による照明制御が実施される。すなわち、照明器具が設置されたエリアに滞在する人の意図に反した照明制御が行われない照明システムを提供できる。さらに、照明システムが遠隔操作の有効と無効とを切り替える機能を有することによって、人がいないエリアにおける遠隔操作を一時的に制限することができる。
【0051】
以下、本開示の所態様を付記としてまとめて記載する。
【0052】
(付記1)
端末と、人の有無を検知する人検知部と、照明器具を備え、
前記照明器具が、制御回路と、光源の点灯制御を行う点灯制御回路を有し、
前記端末が、前記制御回路に調光指示を送信するよう構成され、
前記人検知部が、
前記照明器具の設置されたエリアにおける人の有無を検知し、検知結果を前記制御回路に送信するよう構成され、
前記制御回路が、
前記検知結果に基づき、自身の制御エリアに人がいるかいないかを判断する処理と、
人がいない場合、前記調光指示を含む指示情報を前記点灯制御回路に送信する処理と
を実施するよう構成され、
前記点灯制御回路が、
前記指示情報に基づき、前記光源の点灯制御を行う処理を実施するよう構成されている
照明システム。
(付記2)
前記人検知部が前記照明器具に内蔵されている
付記1に記載の照明システム。
(付記3)
ユーザに直接操作された際に、前記照明器具を点灯制御するスイッチをさらに備え、
前記人検知部が前記スイッチに内蔵されている
付記1または付記2に記載の照明システム。
(付記4)
前記調光指示が、該調光指示の対象となる照明器具の情報を含み、
前記制御回路が、前記照明器具の情報を参照することによって、前記調光指示が自身宛てであるかを判定する処理をさらに備える
付記1から付記3の何れか一つに記載の照明システム。
(付記5)
前記制御回路が、遠隔操作の有効と無効との切り替え結果に基づき、遠隔操作が有効であるか否かを判定する処理をさらに備える
付記1から付記3の何れか一つに記載の照明システム。
(付記6)
ユーザに直接操作された際に、前記照明器具を点灯制御するスイッチをさらに備え、
前記スイッチが、遠隔操作の有効と無効とを切り替える機能をさらに有する
付記5に記載の照明システム。
(付記7)
前記端末が、遠隔操作の有効と無効とを切り替える機能をさらに有する
付記5または付記6に記載の照明システム。
(付記8)
前記端末が、遠隔操作の有効と無効とを切り替える時間帯を予め設定する機能をさらに有する
付記7に記載の照明システム。
(付記9)
前記端末が、クラウドサーバを介して前記制御回路に調光指示を送信する
付記1から付記8の何れか一つに記載の照明システム。
(付記10)
前記端末が、前記制御回路に直接調光指示を送信する
付記1から付記8の何れか一つに記載の照明システム。
(付記11)
前記人検知部が人を検知するセンサである
付記1から付記10の何れか一つに記載の照明システム。
(付記12)
端末及び人の有無を検知する人検知部と接続されている照明器具であって、
制御回路と、光源の点灯制御を行う点灯制御回路を有し、
前記端末が、前記制御回路に調光指示を送信するよう構成され、
前記人検知部が、
前記照明器具の設置されたエリアにおける人の有無を検知し、検知結果を前記制御回路に送信するよう構成され、
前記制御回路が、
前記検知結果に基づき、自身の制御エリアに人がいるかいないかを判断する処理と、
人がいない場合、前記調光指示を含む指示情報を前記点灯制御回路に送信する処理と
を実施するよう構成され、
前記点灯制御回路が、
前記指示情報に基づき、前記光源の点灯制御を行う処理を実施するよう構成されている
照明器具。
【符号の説明】
【0053】
100 照明器具
100a 照明器具
110 光源
140 人検知部
140a 人検知部
300 クラウドサーバ
400 端末
401 端末
500 スイッチ
500a スイッチ
1000 照明システム
2000 照明システム
3000 照明システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7