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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025091312
(43)【公開日】2025-06-18
(54)【発明の名称】鞍乗り型電動車両
(51)【国際特許分類】
   B62K 19/30 20060101AFI20250611BHJP
   B62M 7/02 20060101ALI20250611BHJP
   B62J 43/16 20200101ALI20250611BHJP
   B62J 43/23 20200101ALI20250611BHJP
【FI】
B62K19/30
B62M7/02 E
B62M7/02 B
B62J43/16
B62J43/23
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023206514
(22)【出願日】2023-12-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2025-05-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】佐川 了允
(72)【発明者】
【氏名】長瀬 倫太郎
(72)【発明者】
【氏名】田中 幹祥
【テーマコード(参考)】
3D212
【Fターム(参考)】
3D212BH02
3D212BH06
3D212BH08
3D212BH09
(57)【要約】
【課題】電動機の着脱を容易にしながら駆動システムの耐浸水性を向上させることができる鞍乗り型電動車両を提供する。
【解決手段】電動機(電気モーター30)と、蓄電池(バッテリ100)と、制御装置(PCU320)と、を備える電動二輪車1は、前記制御装置と前記電動機との間に、前記制御装置から延びる第一配線と前記電動機から延びる第二配線とを着脱可能に接続する端子台50が設けられ、前記端子台50は、車両上下方向において乗員用の着座部(シート8)と足載せ部(フロアステップ9a)との間に配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を走行させる電動機(30)と、
前記電動機(30)への供給電力を蓄電する蓄電池(100)と、
前記蓄電池(100)の電力を制御して前記電動機(30)に供給する制御装置(320)と、を備える鞍乗り型電動車両(1)において、
前記制御装置(320)と前記電動機(30)との間に、前記制御装置(320)から延びる第一配線(40A)と前記電動機(30)から延びる第二配線(40B)とを着脱可能に接続する端子台(50)が設けられ、
前記端子台(50)は、車両上下方向において乗員用の着座部(8)と足載せ部(9a)との間に配置されていることを特徴とする鞍乗り型電動車両。
【請求項2】
前記電動機(30)は、車両の駆動輪(4)と一体的に設けられるインホイールモータであることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型電動車両。
【請求項3】
前記着座部(8)と足載せ部(9a)との間に渡る外装部材(25d)を備え、
前記外装部材(25d)は、車両前後方向で前記端子台(50)を前方から覆い、
前記端子台(50)は、前記外装部材(25d)を取り外した際に、端子締結部(51,52,53)、又は前記端子締結部(51,52,53)を覆うカバー(55)を、車両前方に露出させることを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型電動車両。
【請求項4】
前記制御装置(320)は、足載せ部(9a)の下方に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型電動車両。
【請求項5】
前記端子台(50)は、車体フレーム(11)に取り付けられる支持部材(56)に支持され、
前記支持部材(56)は、前記第一配線(40A)および前記第二配線(40B)を支持する配線支持部(58)を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型電動車両。
【請求項6】
車体のバンク角度を検知するバンク角センサ(60)を備え、
支持部材(56)は、前記バンク角センサ(60)を支持するセンサ支持部(57)を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型電動車両。
【請求項7】
前記着座部(8)の下方に前記蓄電池(100)を収納するバッテリボックス(103)を備え、
支持部材(56)は、前記バッテリボックス(103)を支持するボックス支持部(56a)を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型電動車両。
【請求項8】
前記端子台(50)は、長手方向が前記外装部材(25d)に沿うように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の鞍乗り型電動車両。
【請求項9】
前記端子台(50)は、前記着座部(8)の前端(8b)より後方に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の鞍乗り型電動車両。
【請求項10】
前記電動機(30)および前記端子台(50)は、車体左右中央(CL)に対して左右方向一側方に偏って配置され、
前記端子台(50)は、左右方向一側方から前記第二配線(40B)が接続され、左右方向他側方から前記第一配線(40A)が接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型電動車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗り型電動車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両駆動用のモーターおよびバッテリと、バッテリの電力を制御してモーターに供給する制御装置と、を備える電動二輪車において、バッテリと制御装置との間に端子台を備え、バッテリ側のケーブルと制御装置側のケーブルとを分離可能としたものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の端子台は、フロア部の上方に位置し、浸水し難い配置とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-182930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の構成は、バッテリと制御装置との間に端子台を備えることで、バッテリの着脱は容易になるが、モーターの着脱を容易にするものではない。例えばバッテリがモバイルバッテリである場合、端子台の有無によらずバッテリは容易に着脱可能である。一方、駆動輪に近付けるために車体下部に配置されることの多いモーターは、被水しやすいことから十分な防水対策がなされる。したがって、制御装置とモーターとの間に端子台を備えてモーターの着脱を容易にしながら、駆動システムの耐浸水性を良好に維持する構成が要望されている。
【0005】
そこで本発明は、電動機の着脱を容易にしながら駆動システムの耐浸水性を向上させることができる鞍乗り型電動車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の解決手段として、本発明の第一の態様は、車両を走行させる電動機(30)と、前記電動機(30)への供給電力を蓄電する蓄電池(100)と、前記蓄電池(100)の電力を制御して前記電動機(30)に供給する制御装置(320)と、を備える鞍乗り型電動車両(1)において、前記制御装置(320)と前記電動機(30)との間に、前記制御装置(320)から延びる第一配線(40A)と前記電動機(30)から延びる第二配線(40B)とを着脱可能に接続する端子台(50)が設けられ、前記端子台(50)は、車両上下方向において乗員用の着座部(8)と足載せ部(9a)との間に配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、制御装置および電動機の各々から延びる第一配線および第二配線が、端子台において互いに接続される。端子台は、着座部の下方で足載せ部よりも上方に配置される。これにより、制御装置および電動機の間の配線を端子台により着脱可能に分断し、電動機の脱着を容易にしつつ、端子台の被水を抑えて駆動システムの耐浸水性を向上させることができる。
【0007】
本発明の第二の態様は、上記第一の態様において、前記電動機(30)は、車両の駆動輪(4)と一体的に設けられるインホイールモータであることを特徴とする。
この構成によれば、タイヤ交換時等におけるインホイールモータの脱着を容易にしつつ、端子台の被水を抑えた構成とすることができる。
【0008】
本発明の第三の態様は、上記第一又は第二の態様において、前記着座部(8)と足載せ部(9a)との間に渡る外装部材(25d)を備え、前記外装部材(25d)は、車両前後方向で前記端子台(50)を前方から覆い、前記端子台(50)は、前記外装部材(25d)を取り外した際に、端子締結部(51,52,53)、又は前記端子締結部(51,52,53)を覆うカバー(55)を、車両前方に露出させることを特徴とする。
この構成によれば、着座部および足載せ部の間に渡る外装部材に端子台が前方から覆われることで、走行中の端子台への外乱を抑制するとともに外観性を向上させることができる。外装部材を取り外した際に、端子締結部又はそのカバーが車両前方に露出することで、外装部材を取り外せば足載せ部側から端子台に容易にアクセス可能となり、端子台に対する作業性を向上させることができる。
【0009】
本発明の第四の態様は、上記第一から第三の態様の何れか一つにおいて、前記制御装置(320)は、足載せ部(9a)の下方に配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、制御装置を足載せ部よりも下方に配置することで、車体の低重心化を図ることができる。制御装置は防水性を高めることとなるが、制御装置とは別に端子台を設けることで、制御装置での配線の着脱を不要とし、作業性への影響を抑えることができる。
【0010】
本発明の第五の態様は、上記第一から第四の態様の何れか一つにおいて、前記端子台(50)は、車体フレーム(11)に取り付けられる支持部材(56)に支持され、前記支持部材(56)は、前記第一配線(40A)および前記第二配線(40B)を支持する配線支持部(58)を有していることを特徴とする。
この構成によれば、端子台を支持する支持部材が配線支持部を有することで、支持部材によって端子台および配線を効率よく支持することができる。
【0011】
本発明の第六の態様は、上記第一から第五の態様の何れか一つにおいて、車体のバンク角度を検知するバンク角センサ(60)を備え、支持部材(56)は、前記バンク角センサ(60)を支持するセンサ支持部(57)を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、端子台を支持する支持部材がバンク角センサを支持することで、バンク角センサ用の支持部材を別途設けることを不要とし、部品点数の削減を図ることができる。
【0012】
本発明の第七の態様は、上記第一から第六の態様の何れか一つにおいて、前記着座部(8)の下方に前記蓄電池(100)を収納するバッテリボックス(103)を備え、支持部材(56)は、前記バッテリボックス(103)を支持するボックス支持部(56a)を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、端子台を支持する支持部材がバッテリボックスを支持することで、バッテリボックス用の支持部材を無くす又は削減することが可能となり、部品点数の削減を図ることができる。
【0013】
本発明の第八の態様は、上記第三の態様において、前記端子台(50)は、長手方向が前記外装部材(25d)に沿うように配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、端子台が長手方向を外装部材に沿わせて配置されることで、端子台と外装部材との間の空間を最小限に設定可能となり、外装部材を取り外した際に端子台にアクセスしやすく、作業性を高めることができる。
【0014】
本発明の第九の態様は、上記第一から第八の態様の何れか一つにおいて、前記端子台(50)は、前記着座部(8)の前端(8b)より後方に配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、端子台が着座部の前端より後方に配置されることで、端子台およびこれを覆う外装部材が足載せ部側に張り出さず、乗員の脚の邪魔にならない。
【0015】
本発明の第十の態様は、上記第一から第九の態様の何れか一つにおいて、前記電動機(30)および前記端子台(50)は、車体左右中央(CL)に対して左右方向一側方に偏って配置され、
前記端子台(50)は、左右方向一側方から前記第二配線(40B)が接続され、左右方向他側方から前記第一配線(40A)が接続されていることを特徴とする。
この構成によれば、電動機および端子台が左右方向一側方に偏って配置され、端子台には、左右方向一側方から前記第二配線が接続され、左右方向他側方から前記第一配線が接続されることで、各ケーブルを最短且つストレスなく配索することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、電動機の着脱を容易にしながら駆動システムの耐浸水性を向上させることができる鞍乗り型電動車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態における電動二輪車の左側面図である。
図2】上記電動二輪車のシート下方の端子台周辺の左側面図である。
図3】上記端子台周辺の右側面図である。
図4】上記端子台周辺の前面図である。
図5】上記電動二輪車の駆動システムの概略を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ以下に説明する車両における向きと同一とする。また以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、車両上方を示す矢印UP、車体左右中央を示す線CLが示されている。
【0019】
<車両全体>
図1には、鞍乗り型電動車両の一例として、乗員(運転者)が足を載せるフロア部(低床部)9を有するスクータ型の電動二輪車(自動二輪車)1が示されている。電動二輪車1は、操向輪である前輪3と、駆動輪である後輪4と、を備えている。前輪3は、フロントフォーク6に支持され、バーハンドル(操向ハンドル)2によって操向可能である。図中符号2aはバーハンドル2の左右両側のグリップ部、符号2bは左右グリップ部2aを除いてバーハンドル2の周囲を覆うハンドルカバー2bを示している。
【0020】
後輪4は、スイングアーム20の後端部に支持され、電気モーター30によって駆動可能である。スイングアーム20の前端部は、車体フレーム11に連結されている。駆動ユニット30Aは、後輪4を支持するスイングアーム20と一体的に設けられる。駆動ユニット30Aは、インホイールモータを含む。
【0021】
バーハンドル2、フロントフォーク6及び前輪3を含むステアリング系部品5は、車体フレーム11の前端部に操向可能に支持されている。スイングアーム20、駆動ユニット30Aおよび後輪4は、車体フレーム11の下部に上下揺動可能に支持されている。車体フレーム11の周囲は、車体カバー25によって覆われている。
【0022】
電動二輪車1は、シート8に着座した運転者が足を載せる足載せ面を形成するフロア部9と、フロア部9の前方に連なるフロントボディFBと、フロア部9の後方に連なるリヤボディRBと、を備えている。フロア部9の上方には、乗員が車体を跨ぎやすくするための跨ぎ空間K1が形成されている。
【0023】
リヤボディRB上には、乗員が着座するシート8が支持されている。シート8は、前端部下側が、車幅方向(左右方向)に沿うヒンジ軸8aを介して車体に連結されている。シート8は、前記ヒンジ軸8aを中心に上下に回動することで、リヤボディRBの上部を開閉する。シート8が座面を略水平にしてリヤボディRBの上部を閉塞した閉状態(図1参照)になると、乗員がシート8に着座可能となり、かつシート8下方のバッテリ収容部が閉じられる。この状態で、シート8は施錠可能である。シート8がヒンジ軸8a回りに回動し、座面を上方に起立させてリヤボディRBの上部を開放した開状態になると、乗員がシート8に着座不能となり、かつシート8下方のバッテリ収容部が開いてバッテリ100を着脱可能となる。
【0024】
車体フレーム11は、複数種の鋼材を溶接等により一体に接合して形成されている。車体フレーム11は、前端部に位置するヘッドパイプ12と、ヘッドパイプ12から下方へ延びるダウンフレーム13と、ダウンフレーム13の下部から左右に分岐して後方へ延びる左右一対のロアフレーム14と、左右ロアフレーム14の後部から上後方へ延びる左右一対のリヤフレーム15と、を備えている。左右ロアフレーム14の上方には、ダウンフレーム13の下部と左右リヤフレーム15の前下部との間に渡って車両前後方向に延びる左右一対のサポートフレーム14aが設けられている。左右ロアフレーム14および左右サポートフレーム14aに囲まれるフロア下空間には、後述するPCU320が配置されている。左右リヤフレーム15の前部間には、センタークロスフレーム16が設けられている。
【0025】
車体フレーム11の周囲は、車体カバー25で覆われている。車体カバー25は、車体フレーム11の前部を前方から覆うフロントカバー25aと、車体フレーム11の前部を後方から覆うインナーカバー25bと、車体フレーム11の下部を上方から覆うフロアカバー25cと、車体フレーム11の後部を前方から覆うリヤセンターカバー25dと、車体フレーム11の後部を左右側方から覆う左右一対のリヤサイドカバー25eと、を備えている。
【0026】
フロントカバー25aおよびインナーカバー25bは、フロントボディFBの外面を形成するフロントボディカバー25fを構成している。フロントボディカバー25fは、運転者の脚部の前方を覆うレッグシールドを兼ねている。フロアカバー25cの上面部は、フロアステップ9aを構成している。フロアステップ9aは、例えば車幅方向の全幅に渡って平坦な上面(足載せ面)を形成している。フロアステップ9aは、車幅方向内側で上方に隆起するセンタートンネルを備えてもよい。リヤセンターカバー25dおよび左右リヤサイドカバー25eは、リヤボディRBの外面を形成するリヤボディカバー25gを構成している。車体カバー25は、ハンドルカバー2bを除き、車体フレーム11に固定的に支持されている。
【0027】
<駆動ユニット30A>
駆動ユニット30Aは、電動二輪車1の走行用の駆動力を発生する電気モーター30と、電気モーター30を収容しスイングアーム20の左アームと一体的に設けられたユニットケース35と、を備えている。「一体的に設けられる」とは、スイングアーム20およびユニットケース35が一体化される構成に限らず、相対回転を含めて相対動不能に連結される構成を含む。駆動ユニット30Aは、電気モーター30の出力を減速する減速機構を備えてもよい。電気モーター30は、車体左右中央CLに対して左右方向一側方(左側)に偏って配置されている。
【0028】
電気モーター30は、バッテリ100の電力により駆動する。電気モーター30は、駆動軸を車幅方向に沿わせて(例えば後輪4の車軸と同軸にして)配置されている。電気モーター30は、駆動軸と一体回転するロータと、ロータの外周を囲うとともにユニットケース35に固定されるステータと、を備えている(何れも不図示)。電気モーター30は、例えばVVVF(variable voltage variable frequency)制御による可変速駆動がなされる。電気モーター30は、無段変速機を有する如く変速制御されるが、これに限らない。電気モーター30は、有段変速機を有する如く変速制御されてもよい。
【0029】
電気モーター30が発生する駆動力は、スイングアーム20に支持された駆動輪(後輪4)に伝達されて電動二輪車1を走行させる、例えば、スイングアーム20には、リヤフェンダ27が支持されている。例えば、スイングアーム20の後端部には、リヤクッション28の下端部が連結されている。スイングアーム20およびリヤクッション28を含んで、後輪4を支持する懸架装置(リヤサスペンション)が構成されている。
【0030】
<バッテリ100>
バッテリ100は、シート8の下方に搭載されている。バッテリ100は、平面視でシート8の前部と重なるように配置されている。バッテリ100は、例えば一つの単位バッテリ101を備えている。バッテリ100は、例えば複数の単位バッテリ101を備えてもよい。
【0031】
単位バッテリ101は、例えば断面矩形状(例えば略正方形状)をなして長手方向(図中矢印Lで示す)に延びる角柱状(直方体状)をなしている。単位バッテリ101は、断面形状の前後辺を左右方向に沿わせて配置されている。単位バッテリ101は、長手方向を上方に位置するほど後方に位置するように傾斜させた起立姿勢で配置されている。単位バッテリ101は、充放電可能なエネルギーストレージとして、例えばリチウムイオンバッテリで構成されている。
【0032】
図5を併せて参照し、バッテリ100の正負極からは、それぞれバッテリケーブル45が延びている。各バッテリケーブル45は、PDU(Power Driver Unit)321に接続されている。PDU321からは三相ケーブル40が延び、この三相ケーブル40が電気モーター30に接続されている。
【0033】
バッテリ100は、車体に対して工具を使わず手動で着脱可能なモバイルバッテリである。バッテリ100は、例えば車体から取り外した状態で、車外の充電器を用いて充電可能である。バッテリ100は、モバイルバッテリとして外部機器の電源として利用する等、単独で用いることが可能である。
【0034】
<PCU320>
図1図5を参照し、PCU320は、フロア部9の内側に配置されている。PCU320は、左右ロアフレーム14の間に配置されている。PCU320は、全体が左右ロアフレーム14の下端よりも上方に配置されている。これにより、PCU320と地上面との接触が抑えられる。PCU320のインバータには、三相ケーブル40の一端が接続されるとともに、バッテリ100を収容するバッテリボックス103から延びる正負極のバッテリケーブル45が接続される。
【0035】
<駆動システム>
図5に示すように、PDU(Power Driver Unit)321およびECU(Electric Control Unit)322は、一体の制御ユニットであるPCU(Power control unit)320を構成している。PDU321は、バッテリ100が供給する直流電流を三相交流に変換して電気モーター30に供給するインバータを備えている。PDU321は、電気モーター30のステータ巻線に対する通電を制御する。電気モーター30は、PDU321による制御に応じて力行運転を行い、電動二輪車1を走行させる。電気モーター30は、電動二輪車1の減速時には回生制動を行い、車体の運動エネルギーを電気エネルギーとしてバッテリ100に回収する。
【0036】
バッテリ100からの出力電圧は、DC-DCコンバータ(ダウンレギュレータ)を介して降圧され、12Vのサブバッテリの充電に供される(何れも不図示)。サブバッテリは、灯火器等の一般電装部品、メーター、スマートユニット及びECU322等の制御系部品に電力を供給する。サブバッテリを搭載することで、バッテリ100の取り外し時にも各種電磁ロック等を操作可能である。
【0037】
バッテリ100は、充放電状況や温度等を監視するBMU(Battery Managing Unit)101aを備えている。BMU101aが監視した情報は、バッテリ100を車体に搭載した際にECU322に共有される。ECU322には、不図示のアクセルセンサから出力要求情報が入力される。ECU322は、入力された出力要求情報に基づき、PDU321を介して電気モーター30を駆動制御する。
【0038】
<端子台50>
実施形態では、PCU320と電気モーター30との間に渡る三相ケーブル40を途中で分割し、分割ケーブル同士を端子台50で繋いでいる。以下、PCU320から延びる三相の分割ケーブルを第一ケーブル40A、電気モーター30から延びる三相の分割ケーブルを第二ケーブル40Bということがある。
端子台50は、第一ケーブル40Aの端部の端子と第二ケーブル40Bの端部の端子とを、それぞれ相毎に締結ボルトB1,B2,B3によって着脱可能に接続する。
【0039】
図2から図4を参照し、端子台50は、概略直方体状の外観をなしている。端子台50は、厚さ方向の寸法を抑えた偏平形状をなしている。端子台50は、厚さ方向を車両前後方向に沿わせて前後幅を抑えた態様で、リヤセンターカバー25dの内側(後方側)に配置されている。端子台50は、上下および左右の幅方向をリヤセンターカバー25dの内面に沿わせるように配置されている。特に、端子台50は、前後方向視の長手方向(実施形態では上下幅方向)をリヤセンターカバー25dの内面に沿わせるように配置されている。これにより、リヤセンターカバー25dおよびバッテリボックス103の間の限られたスペースに端子台50を配置可能である。この配置により、端子台50は、バッテリボックス103の配置スペースへの影響、およびリヤセンターカバー25dの膨出による足載せスペースへの影響を抑えている。さらに、端子台50およびリヤセンターカバー25dは、シート8の前端8b(図1に線8bで示す)よりも後方に位置しており、足載せスペースへの影響を抑えている。実施形態の端子台50は、上下方向を長手方向としているが、左右方向を長手方向としたり上下方向および左右方向の間の斜め方向を長手方向としたりしてもよい。
【0040】
端子台50は、リヤセンターカバー25dの内面に近接し、リヤセンターカバー25dを取り外した際のアクセス性を高めている。端子台50とリヤセンターカバー25dとの間は、他部品を配置しない部品無し空間K2とされ、この点でも端子台50へのアクセス性が高められる。尚、部品無し空間K2については、リヤセンターカバー25dを外した際に端子台50全体が露出するような空間である必要はない。例えば、本願の様なカバー55を有さず、リヤセンターカバー25dを外すことで、ケーブル端子を固定するネジ部材(締結ボルトB1,B2,B3)が露出し、作業性が向上するような空間形状であってもよい。
【0041】
図4を参照し、端子台50は、車体左右中央CLに対して左右方向一側方(左側、電気モーター30と同側)に偏って配置されている。端子台50には、車幅方向中央CL側(右側)からPCU320側のケーブル40Aが接続され、車幅方向外側(左側)から電気モーター30側のケーブル40Bが接続される。これにより、各ケーブル40A,40Bを最短且つストレスなく配索することができる。端子台50の前面側には、各ケーブル40A,40Bの端子を締結固定する端子締結部51,52,53が備えられている。
【0042】
端子締結部51,52,53は、UVWの各相に合わせて三つ設けられ、これらが上方から順に並んでいる。各相の端子締結部51,52,53には、それぞれPCU320側の第一ケーブル40Aおよび電気モーター30側の第二ケーブル40Bが、同相同士で共締め固定されている。端子台50の前面側には、複数の端子締結部51,52,53および各ケーブル40A,40Bの端子周辺を前方から覆う平坦状のカバー55が、上下一対のボルトB4により着脱可能に取り付けられている。
【0043】
車体フレーム11のセンタークロスフレーム16には、前後方向と直交する前面を形成する板状の取り付けブラケット56が固定されている。取り付けブラケット56は、その前面に端子台50が複数のボルトB5により締結固定されている。取り付けブラケット56における端子台50と重なる部位は、端子台50を取り付ける端子台取り付け部である。
【0044】
取り付けブラケット56の右側部には、センタークロスフレーム16の右側部まで延長するように延びる側方延出部57を備えている。側方延出部57の前面には、車両のバンク角(ロール角)を検出する角度センサ60が左右一対のボルトB6により取り付けられている。側方延出部57(取り付けブラケット56の右側部)は、角度センサ60を取り付けるセンサ取り付け部である。角度センサ60は、例えば5軸または6軸のIMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)とされる。IMUは、車体における3軸(ロール軸、ピッチ軸、ヨー軸)の角速度を検知する。IMU等の加速度センサに代わり、車体のバンク角度を検知する傾斜センサを備えてもよい。
【0045】
ここで、センタークロスフレーム16は、上前方に凸の湾曲状をなしている。センタークロスフレーム16には、バッテリボックス103の前下部に前方から近接している。センタークロスフレーム16は、バッテリボックス103の前下部を避けるように、前上方に向けて凸の湾曲形状をなしている。センタークロスフレーム16の左右側部の上面側には、前後方向から見て下方に開放するU字形状の左右支持ブラケット17が固定されている。バッテリボックス103の下部前面側には、下方に臨む段差部104が形成されている。段差部104は、左右支持ブラケット17に下方から支持されている。左右支持ブラケット17は、例えば段差部104に締結されて、バッテリボックス103の前下部を固定的に支持している。
【0046】
センタークロスフレーム16の左右側部の下面側と左右リヤフレーム15との間には、後部同乗者用のピリオンステップ18aを支持するステップブラケット18がそれぞれ固定されている。左右ステップブラケット18の上面側とセンタークロスフレーム16の左右側部の下面側との間には、第一ガセット19aがそれぞれ固定されている。センタークロスフレーム16の左右側部の上面側と左右リヤフレーム15との間には、第二ガセット19bがそれぞれ固定されている。このように、センタークロスフレーム16の左右側部周辺は屈強に構成されており、端子台50およびバッテリボックス103からの荷重入力に耐える。
【0047】
取り付けブラケット56の左右には、それぞれケーブル支持部58が固定されている。左右ケーブル支持部58の各々は、PCU320側の第一ケーブル40Aおよび電気モーター30側の第二ケーブル40Bをそれぞれ束ねて支持する。左右ケーブル支持部58は、例えば細身の鋼材(線材)を屈曲させて形成されている。左右ケーブル支持部58は、取り付けブラケット56の前面に沿って上下方向に延びる固定腕部58aと、固定腕部58aの下方で上下方向に延びる円筒の外周に沿うように湾曲する保持部58bと、を備えている。右側の保持部58bには、PCU320側の三相の第一ケーブル40Aが、円筒状のゴムブッシュ58cを介して束ねた状態で保持される。左側の保持部58bには、電気モーター30側の三相の第二ケーブル40Bが、円筒状のゴムブッシュ58cを介して束ねた状態で保持される。
【0048】
インホイールモータ式の電動二輪車1において、タイヤ交換等のために後輪4を取り外す際には、電気モーター30とPCU320との間の電力ケーブル40を取り外す必要がある。したがって、電気モーター30とPCU320との間に端子台50を備え、PCU320側の第一ケーブル40Aと電気モーター30側の第二ケーブル40Bとを容易に分断可能とすることで、後輪4の着脱に要する作業を容易にしている。一方、端子台50は被水し難い高さにあることが好ましい。
【0049】
実施形態では、端子台50をフロアステップ9aの足載せ面よりも上方に配置している。これにより、車体下部に位置する電気モーター30およびPCU320は十分な防水構造を採用しながら、電気モーター30およびPCU320の間の電気接続を断続する端子台50は防水構造の簡素化を図ることができる。これにより、作業者が端子台50にアクセスしやすく、かつ各ケーブル40A,40Bの着脱作業を容易にすることができる。例えば、端子台50は、少なくとも電気モーター30側のケーブル40Bのみ着脱可能であってもよい。後輪4の着脱時には、電気モーター30側のケーブル40Bを端子台50から取り外すことで、電気モーター30ごと後輪4を着脱することができる。
【0050】
以上説明したように、上記実施形態における鞍乗り型電動車両は、駆動輪(後輪4)と一体的に設けられる電動機(電気モーター30)と、電動機への供給電力を蓄電する蓄電池(バッテリ100)と、蓄電池の電力を制御して電動機に供給する制御装置(PCU320)と、を備える電動二輪車1であって、前記制御装置と前記電動機との間に、制御装置から延びる第一配線(第一ケーブル40A)と電動機から延びる第二配線(第二ケーブル40B)とを着脱可能に接続する端子台50が設けられ、前記端子台50は、車両上下方向において乗員用の着座部(シート8)と足載せ部(フロアステップ9a)との間に配置されている。
この構成によれば、制御装置および電動機の各々から延びる第一配線および第二配線が、端子台50において互いに接続される。端子台50は、着座部の下方で足載せ部よりも上方に配置される。これにより、制御装置および電動機の間の配線(三相ケーブル40)を端子台50により着脱可能に分断し、タイヤ交換時等にインホイールモータの脱着を容易にしつつ、端子台50の被水を抑えて駆動システムの耐浸水性を向上させることができる。バッテリ100は、車両に対して着脱自在なモバイルバッテリであり、バッテリ100とPCU320との間の端子台を無くしても、バッテリ100の脱着に対する影響が抑えられる。
【0051】
上記鞍乗り型電動車両において、着座部と足載せ部との間に渡る外装部材(リヤセンターカバー25d)を備え、前記外装部材は、車両前後方向で端子台50を前方から覆い、前記端子台50は、前記外装部材を取り外した際に、端子締結部51,52,53、又は前記端子締結部51,52,53を覆うカバー55を、車両前方(足載せ部側)に露出させる。
この構成によれば、着座部および足載せ部の間に渡る外装部材に端子台50が前方から覆われることで、走行中の端子台50への外乱を抑制するとともに外観性を向上させることができる。外装部材を取り外した際に、端子締結部又はそのカバーが車両前方に露出することで、外装部材を取り外せば足載せ部側から端子台50に容易にアクセス可能となり、端子台50に対する作業性を向上させることができる。
【0052】
上記鞍乗り型電動車両において、前記制御装置は、足載せ部の下方に配置されている。
この構成によれば、制御装置を足載せ部よりも下方に配置することで、車体の低重心化を図ることができる。制御装置は防水性を高めることとなるが、制御装置とは別に端子台50を設けることで、制御装置での配線の着脱を不要とし、作業性への影響を抑えることができる。
【0053】
上記鞍乗り型電動車両において、端子台50は、車体フレーム11に取り付けられる支持部材(取り付けブラケット56)に支持され、支持部材は、第一配線および第二配線を支持する配線支持部(ケーブル支持部58)を有している。
この構成によれば、端子台50を支持する支持部材が配線支持部を有することで、支持部材によって端子台50および配線を効率よく支持することができる。
【0054】
上記鞍乗り型電動車両において、車体のバンク角度を検知するバンク角センサ(角度センサ60)を備え、前記支持部材は、バンク角センサを支持するセンサ支持部(側方延出部57)を備えている。
この構成によれば、端子台50を支持する支持部材がバンク角センサを支持することで、バンク角センサ用の支持部材を別途設けることを不要とし、部品点数の削減を図ることができる。
【0055】
上記鞍乗り型電動車両において、着座部の下方に蓄電池を収納するバッテリボックス103を備え、支持部材は、バッテリボックス103を支持するボックス支持部56aを備えている。
この構成によれば、端子台50を支持する支持部材がバッテリボックス103を支持することで、バッテリボックス103用の支持部材を無くす又は削減することが可能となり、部品点数の削減を図ることができる。
【0056】
上記鞍乗り型電動車両において、前記端子台50は、長手方向が前記外装部材(リヤセンターカバー25d)に沿うように配置されている。
この構成によれば、端子台50が長手方向を外装部材に沿わせて配置されることで、端子台50と外装部材との間の空間を最小限に設定可能となり、外装部材を取り外した際に端子台50にアクセスしやすく、作業性を高めることができる。
【0057】
上記鞍乗り型電動車両において、前記端子台50は、前記着座部(シート8)の前端8bより後方に配置されている。
この構成によれば、端子台50が着座部の前端より後方に配置されることで、端子台50およびこれを覆う外装部材(リヤセンターカバー25d)が足載せ部側に張り出さず、乗員の脚の邪魔にならない。
【0058】
上記鞍乗り型電動車両において、前記電動機30および前記端子台50は、車体左右中央CLに対して左右方向一側方に偏って配置され、前記端子台50は、左右方向一側方から前記第二ケーブル40Bが接続され、左右方向他側方から前記第一ケーブル40Aが接続されている。
この構成によれば、電動機30および端子台50が左右方向一側方に偏って配置され、端子台50には、左右方向一側方から前記第二ケーブル40Bが接続され、左右方向他側方から前記第一ケーブル40Aが接続されることで、各ケーブル40A,40Bを最短且つストレスなく配索することができる。
【0059】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、フロア部の下方に配置されたフロア下電装部品としてPCUを挙げたが、これに限らない。例えばフロア下電装部品は、バッテリであってもよく、あるいはPCUから制御装置(ECU)を分離させたPDU(少なくともインバータを備えるモータドライバ)であってもよく、さらにはPCUおよびバッテリの少なくとも一部を備える構成であってもよい。単一のバッテリでなく複数のバッテリを備える構成であってもよい。例えば端子台は、第一・第二ケーブルを同一のネジ部材で締め付けなくてもよい。例えばバッテリおよびモーターは、車両駆動用に限らず、駆動以外の目的や用途のものと共用であってもよい。
本発明は、自動二輪車以外の鞍乗り型車両に適用してもよい。前記鞍乗り型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(原動機付自転車を含む)のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪(四輪バギー等)の車両も含まれる。フロア部9を有するスクータ型車両以外の車両も含まれる。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 電動二輪車(鞍乗り型電動車両)
4 後輪(駆動輪)
8 シート(着座部)
8b 前端
9a フロアステップ(足載せ部)
11 車体フレーム
16 センタークロスフレーム
25d リヤセンターカバー(外装部材)
30 電気モーター(電動機)
40A 第一ケーブル(第一配線)
40B 第二ケーブル(第二配線)
50 端子台
51,52,53 端子締結部
55 カバー
56 取り付けブラケット(支持部材)
56a ボックス支持部
57 側方延出部(センサ支持部)
58 ケーブル支持部(配線支持部)
60 角度センサ(バンク角センサ)
100 バッテリ(蓄電池)
103 バッテリボックス
320 PCU(制御装置)
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2025-03-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動輪(4)と一体的に設けられて車両を走行させるインホイール式の電動機(30)と、
前記電動機(30)への供給電力を蓄電する蓄電池(100)と、
前記蓄電池(100)の電力を制御して前記電動機(30)に供給する制御装置(320)と、を備える鞍乗り型電動車両(1)において、
車両上下方向で乗員用の着座部(8)と足載せ部(9a)との間に渡る外装部材(25d)を備え、
前記制御装置(320)と前記電動機(30)との間に、前記制御装置(320)から延びる第一配線(40A)と前記電動機(30)から延びる第二配線(40B)とを着脱可能に接続する端子台(50)が設けられ、
前記端子台(50)は、車両上下方向において前記着座部(8)と前記足載せ部(9a)との間に配置され
前記外装部材(25d)は、車両前後方向で前記端子台(50)を前方から覆い、
前記端子台(50)は、長手方向が前記外装部材(25d)の内面に沿うように配置されていることを特徴とする鞍乗り型電動車両。
【請求項2】
前記端子台(50)は、前記外装部材(25d)を取り外した際に、端子締結部(51,52,53)、又は前記端子締結部(51,52,53)を覆うカバー(55)を、車両前方に露出させることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型電動車両。
【請求項3】
前記制御装置(320)は、足載せ部(9a)の下方に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型電動車両。
【請求項4】
前記端子台(50)は、車体フレーム(11)に取り付けられる支持部材(56)に支持され、
前記支持部材(56)は、前記第一配線(40A)および前記第二配線(40B)を支持する配線支持部(58)を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型電動車両。
【請求項5】
車体のバンク角度を検知するバンク角センサ(60)を備え、
支持部材(56)は、前記バンク角センサ(60)を支持するセンサ支持部(57)を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型電動車両。
【請求項6】
前記着座部(8)の下方に前記蓄電池(100)を収納するバッテリボックス(103)を備え、
支持部材(56)は、前記バッテリボックス(103)を支持するボックス支持部(56a)を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型電動車両。
【請求項7】
前記端子台(50)は、前記着座部(8)の前端(8b)より後方に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型電動車両。
【請求項8】
前記電動機(30)および前記端子台(50)は、車体左右中央(CL)に対して左右方向一側方に偏って配置され、
前記端子台(50)は、左右方向一側方から前記第二配線(40B)が接続され、左右方向他側方から前記第一配線(40A)が接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型電動車両。
【請求項9】
前記車体フレームは、
前端部に位置するヘッドパイプ(12)と、
前記ヘッドパイプ(12)から下方へ延びるダウンフレーム(13)と、
前記ダウンフレーム(13)の下部から左右に分岐して後方へ延びる左右一対のロアフレーム(14)と、
前記左右一対のロアフレーム(14)の後部から上後方へ延びる左右一対のリヤフレーム(15)と、を少なくとも備え、
前記左右一対のリヤフレーム(15)の前部間には、車幅方向に延在するセンタークロスフレーム(16)が設けられ、
前記端子台(50)は、前記センタークロスフレーム(16)に固定した前記支持部材(56)の前面に取付けられていることを特徴とする請求項4に記載の鞍乗り型電動車両。