(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025091378
(43)【公開日】2025-06-18
(54)【発明の名称】プリント回路基板
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20250611BHJP
H01L 23/15 20060101ALI20250611BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20250611BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20250611BHJP
【FI】
H01L23/12 Z
H01L23/14 C
H05K3/46 T
H05K3/46 N
H05K1/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024208648
(22)【出願日】2024-11-29
(31)【優先権主張番号】10-2023-0175815
(32)【優先日】2023-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】鄭 景文
(72)【発明者】
【氏名】李 東▲ヒョン▼
(72)【発明者】
【氏名】鄭 治鉉
【テーマコード(参考)】
5E316
5E338
【Fターム(参考)】
5E316AA32
5E316AA43
5E316CC04
5E316CC05
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC16
5E316CC17
5E316CC18
5E316CC19
5E316CC32
5E316CC33
5E316CC34
5E316CC37
5E316CC38
5E316CC39
5E316DD17
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5E316DD24
5E316EE31
5E316FF07
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5E338AA03
5E338AA16
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5E338BB19
5E338BB25
5E338BB61
5E338BB65
5E338EE28
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ガラスのような無機材料をコアとして用いる場合にも、外部からの衝撃や工程による残留応力に対応してクラック等を防止することができるプリント回路基板を提供する。
【解決手段】プリント回路基板500Aは、長さ方向に互いに反対側の第1外側部111及び第2外側部112を有する基板110と、基板の上側に配置された第1絶縁層210と、基板の下側に配置された第2絶縁層310と、第1外側部の少なくとも一部を覆う第1絶縁材410と、基板の第2外側部の少なくとも一部を覆う第2絶縁材420と、を含み、第1絶縁層及び第2絶縁層は、それぞれ基板よりも熱膨張係数がさらに大きく、第1及絶縁材び第2絶縁材は、それぞれ基板よりも熱膨張係数がさらに小さい。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向に互いに反対側の第1外側部及び第2外側部を有する基板と、
前記基板の上側に配置された第1絶縁層と、
前記基板の下側に配置された第2絶縁層と、
前記基板の前記第1外側部の少なくとも一部を覆う第1絶縁材と、
前記基板の前記第2外側部の少なくとも一部を覆う第2絶縁材と、を含み、
前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層は、それぞれ前記基板よりも熱膨張係数が大きく、
前記第1絶縁層及び前記第2絶縁材は、それぞれ前記基板よりも熱膨張係数が小さい、プリント回路基板。
【請求項2】
前記第1絶縁材は、前記第1外側部の上側に配置された第1-1絶縁材、及び前記第1外側部の下側に配置された第1-2絶縁材を含み、
前記第2絶縁材は、前記第2外側部の上側に配置された第2-1絶縁材、及び前記第2外側部の下側に配置された第2-2絶縁材を含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項3】
前記第1-1絶縁材及び前記第1-2絶縁材は、前記第1外側部を挟んで離隔し、
前記第2-1絶縁材及び前記第2-2絶縁材は、前記第2外側部を挟んで離隔する、請求項2に記載のプリント回路基板。
【請求項4】
前記基板は、前記第1外側部及び前記第2外側部のそれぞれにおいて第1突出部及び第2突出部を有し、
前記第1突出部及び前記第2突出部のそれぞれの厚さは、前記基板の前記第1突出部及び前記第2突出部を除いた残りの領域における厚さよりも薄く、
前記第1-1絶縁材は、前記第1突出部及び前記第1絶縁層間に配置され、
前記第1-2絶縁材は、前記第1突出部及び前記第2絶縁層間に配置され、
前記第2-1絶縁材は、前記第2突出部及び前記第1絶縁層間に配置され、
前記第2-2絶縁材は、前記第2突出部及び前記第2絶縁層間に配置される、請求項3に記載のプリント回路基板。
【請求項5】
前記第1突出部及び前記第2突出部のそれぞれの外側面の少なくとも一部と、前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層のそれぞれの外側面の少なくとも一部は、前記第1絶縁材及び第2絶縁材から露出する、請求項4に記載のプリント回路基板。
【請求項6】
前記第1-1絶縁材は、前記第1外側部において前記基板の上面上に配置されて、前記第1絶縁層の外側面の少なくとも一部を覆い、
前記第1-2絶縁材は、前記第1外側部において前記基板の下面上に配置されて、前記第2絶縁層の外側面の少なくとも一部を覆い、
前記第2-1絶縁材は、前記第2外側部において前記基板の上面上に配置されて、前記第1絶縁層の外側面の他の少なくとも一部を覆い、
前記第2-2絶縁材は、前記第2外側部において前記基板の下面上に配置されて、前記第2絶縁層の外側面の他の少なくとも一部を覆う、請求項3に記載のプリント回路基板。
【請求項7】
前記第1外側部及び前記第2外側部のそれぞれにおける前記基板の外側面の少なくとも一部は、前記第1絶縁材及び前記第2絶縁材から露出する、請求項6に記載のプリント回路基板。
【請求項8】
前記第1絶縁層内に配置された複数の第1配線層と、
前記第1絶縁層内に配置され、前記複数の第1配線層のうち少なくとも1つとそれぞれ連結された複数の第1ビア層と、
前記第2絶縁層内に配置された複数の第2配線層と、
前記第2絶縁層内に配置され、前記複数の第2配線層のうち少なくとも1つとそれぞれ連結された複数の第2ビア層と、を含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項9】
前記基板を貫通する少なくとも1つの貫通ビアをさらに含み、
前記複数の第1ビア層のうち最下側に配置された第1ビア層の少なくとも一部は、前記貫通ビアの上側に連結され、
前記複数の第2ビア層のうち最上側に配置された第2ビア層の少なくとも一部は、前記貫通ビアの下側に連結される、請求項8に記載のプリント回路基板。
【請求項10】
前記基板は、熱膨張係数が6ppm/℃~10ppm/℃のガラス基板を含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項11】
前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層は、熱膨張係数が10ppm/℃超であるABF(Ajinomoto Build-up Film)をそれぞれ含む、請求項10に記載のプリント回路基板。
【請求項12】
前記第1絶縁材及び前記第2絶縁材は、熱膨張係数が6ppm/℃未満であるPPG(Prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)またはセラミック(ceramic)をそれぞれ含む、請求項10に記載のプリント回路基板。
【請求項13】
長さ方向に互いに反対側の第1外側部及び第2外側部を有する基板と、
前記基板の上側に配置された第1絶縁層と、
前記基板の下側に配置された第2絶縁層と、
前記基板の第1外側部の少なくとも一部を覆う第1絶縁材と、
前記基板の第2外側部の少なくとも一部を覆う第2絶縁材と、を含み、
前記第1外側部及び前記第2外側部のそれぞれにおける前記基板の外側面の少なくとも一部は、前記第1絶縁材及び前記第2絶縁材から露出する、プリント回路基板。
【請求項14】
前記第1絶縁材は、前記第1外側部の上側に配置された第1-1絶縁材、及び前記第1外側部の下側に配置された第1-2絶縁材を含み、
前記第2絶縁材は、前記第2外側部の上側に配置された第2-1絶縁材、及び前記第2外側部の下側に配置された第2-2絶縁材を含み、
前記第1-1絶縁材及び前記第1-2絶縁材は、前記第1外側部を挟んで離隔し、
前記第2-1絶縁材及び前記第2-2絶縁材は、前記第2外側部を挟んで離隔する、請求項13に記載のプリント回路基板。
【請求項15】
前記基板は、前記第1外側部及び前記第2外側部のそれぞれにおいて第1突出部及び第2突出部を有し、
前記第1突出部及び前記第2突出部のそれぞれの厚さは、前記基板の前記第1突出部及び前記第2突出部を除いた残りの領域における厚さよりも薄く、
前記第1-1絶縁材は、前記第1突出部及び前記第1絶縁層間に配置され、
前記第1-2絶縁材は、前記第1突出部及び前記第2絶縁層間に配置され、
前記第2-1絶縁材は、前記第2突出部及び前記第1絶縁層間に配置され、
前記第2-2絶縁材は、前記第2突出部及び前記第2絶縁層間に配置される、請求項14に記載のプリント回路基板。
【請求項16】
前記第1-1絶縁材は、前記第1外側部において前記基板の上面上に配置されて、前記第1絶縁層の外側面の少なくとも一部を覆い、
前記第1-2絶縁材は、前記第1外側部において前記基板の下面上に配置されて、前記第2絶縁層の外側面の少なくとも一部を覆い、
前記第2-1絶縁材は、前記第2外側部において前記基板の上面上に配置されて、前記第1絶縁層の外側面の他の少なくとも一部を覆い、
前記第2-2絶縁材は、前記第2外側部において前記基板の下面上に配置されて、前記第2絶縁層の外側面の他の少なくとも一部を覆う、請求項14に記載のプリント回路基板。
【請求項17】
前記第1絶縁層内に配置された複数の第1配線層と、
前記第1絶縁層内に配置され、前記複数の第1配線層のうち少なくとも1つとそれぞれ連結された複数の第1ビア層と、
前記第2絶縁層内に配置された複数の第2配線層と、
前記第2絶縁層内に配置され、前記複数の第2配線層のうち少なくとも1つとそれぞれ連結された複数の第2ビア層と、
前記基板を貫通する少なくとも1つの貫通ビアと、をさらに含み、
前記複数の第1ビア層のうち最下側に配置された第1ビア層の少なくとも一部は、前記貫通ビアの上側に連結され、
前記複数の第2ビア層のうち最上側に配置された第2ビア層の少なくとも一部は、前記貫通ビアの下側に連結される、請求項13に記載のプリント回路基板。
【請求項18】
前記基板は、熱膨張係数が6ppm/℃~10ppm/℃のガラス基板を含み、
前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層は、熱膨張係数が10ppm/℃超であるABF(Ajinomoto Build-up Film)をそれぞれ含み、
前記第1絶縁材及び前記第2絶縁材は、熱膨張係数が6ppm/℃未満であるPPG(Prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)又はセラミック(ceramic)をそれぞれ含む、請求項13に記載のプリント回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プリント回路基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、ハイエンド(high-end)半導体製品に用いられるパッケージ基板は、非常に多い入出力端子に対応するために、微細回路を実現することが求められており、また、複数のチップを実装するために、大面積化が求められている。一方、有機材料をコアとして用いる一般的なパッケージ基板は、微細回路の実現に困難があり、低いモジュラスなどによって反りを制御する上で限界があり得る。そこで、有機材料の代わりにガラス(glass)のような無機材料をコアとして用いるパッケージ基板に対する研究が進められている。但し、ガラス素材は脆性(brittle)であって、外部からの衝撃や工程による残留応力に脆弱であることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示の様々な目的の一つは、ガラスのような無機材料をコアとして用いる場合にも、外部からの衝撃や工程による残留応力に対応してクラック等を防止することができるプリント回路基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示を介して提案する様々な解決手段のうち1つは、ガラスのような無機材料を含む基板をコアとして用い、基板の上側と下側にそれぞれ絶縁層などをビルドアップするが、基板の外側部のエッジ部分に基板よりも比較的低い熱膨張係数を有する材料を含む絶縁材を配置して、高い熱膨張係数を有する絶縁層の収縮挙動によって生じる引張応力を減少させることである。
【0005】
例えば、一例に係るプリント回路基板は、長さ方向に互いに反対側の第1及び第2外側部を有する基板と、上記基板の上側に配置された第1絶縁層と、上記基板の下側に配置された第2絶縁層と、上記基板の第1外側部の少なくとも一部を覆う第1絶縁材と、上記基板の第2外側部の少なくとも一部を覆う第2絶縁材と、を含み、上記第1及び第2絶縁層はそれぞれ上記基板よりも熱膨張係数がさらに大きく、上記第1及び第2絶縁材はそれぞれ上記基板よりも熱膨張係数がさらに小さいものであることができる。
【0006】
例えば、一例に係るプリント回路基板は、長さ方向に互いに反対側の第1及び第2外側部を有する基板と、上記基板の上側に配置された第1絶縁層と、上記基板の下側に配置された第2絶縁層と、上記基板の第1外側部の少なくとも一部を覆う第1絶縁材と、上記基板の第2外側部の少なくとも一部を覆う第2絶縁材と、を含み、上記第1及び第2外側部のそれぞれにおける上記基板の外側面の少なくとも一部は、上記第1及び第2絶縁材から露出するものであることもできる。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る様々な効果のうち、一効果としてガラスのような無機材料をコアとして用いる場合にも、外部からの衝撃や工程による残留応力に対応してクラック等を防止することができるプリント回路基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【
図2】電子機器の一例を概略的に示した斜視図である。
【
図3】プリント回路基板の一例を概略的に示した断面図である。
【
図4a】
図3のプリント回路基板をA方向から見た場合を概略的に示した断面図である。
【
図4b】
図3のプリント回路基板をB方向から見た場合を概略的に示した断面図である。
【
図5】プリント回路基板の他の一例を概略的に示した断面図である。
【
図6a】
図5のプリント回路基板をC方向から見た場合を概略的に示した断面図である。
【
図6b】
図5のプリント回路基板をD方向から見た場合を概略的に示した断面図である。
【
図7a】ガラス基板の上側及び下側に絶縁層が配置された場合のガラス基板の熱応力発生メカニズムを概略的に示したものである。
【
図7b】ガラス基板の上側及び下側に絶縁層が配置された場合のガラス基板の熱応力解析結果を概略的に示したものである。
【
図8a】
図3のプリント回路基板の構造におけるガラス基板の熱応力発生メカニズムを概略的に示したものである。
【
図8b】
図3のプリント回路基板の構造におけるガラス基板の熱応力解析結果を概略的に示したものである。
【
図9a】
図5のプリント回路基板の構造におけるガラス基板の熱応力発生メカニズムを概略的に示したものである。
【
図9b】
図5のプリント回路基板の構造におけるガラス基板の熱応力解析結果を概略的に示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付の図面を参照して本開示について説明する。図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0010】
電子機器
図1は、電子機器システムの例を概略的に示したブロック図である。
【0011】
図面を参照すると、電子機器1000はメインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040などが物理的及び/または電気的に連結されている。これらは後述する他の電子部品とも組み合わせて様々な信号ライン1090を形成する。
【0012】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップと、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのアプリケーションプロセッサチップと、アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップなどが含まれるが、これらに限定されず、これ以外にもその他の形態のチップ関連電子部品が含まれ得ることもできる。さらに、これらのチップ関連部品1020を互いに組み合わせることもできる。チップ関連部品1020は、上述したチップまたは電子部品を含むパッケージ形態であることもできる。
【0013】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi-Fi(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth(登録商標)、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これらに限定されず、これ以外にもその他の多数の無線または有線標準やプロトコルのいずれかが含まれ得る。また、ネットワーク関連部品1030がチップ関連部品1020とともに互いに組み合わされることもできる。
【0014】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(low Temperature Co-Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)フィルタ(filter)、MLCC(Multi-Layer Ceramic Condenser)などが含まれる。但し、これらに限定されるものではなく、これ以外にもその他の様々な用途のために用いられるチップ部品の形態の受動素子などが含まれ得る。また、その他の部品1040をチップ関連部品1020及び/又はネットワーク関連部品1030と互いに組み合わせることもできる。
【0015】
電子機器1000の種類に応じて、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/又は電気的に連結されるか、または連結されない他の電子部品を含むことができる。他の電子部品の例を挙げると、カメラモジュール1050、アンテナモジュール1060、ディスプレイ1070、バッテリー1080などがある。但し、これらに限定されるものではなく、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、羅針盤、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカー、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)、CD(compact disk)、DVD(digital versatile disk)なども挙げられる。これ以外にも、電子機器1000の種類に応じて様々な用途のために用いられるその他の電子部品などが含まれることもできる。
【0016】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、個人用情報端末機(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニター(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビジョン(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などであることができる。但し、これらに限定されず、これ以外にもデータを処理する任意の他の電子機器であることもできる。
【0017】
図2は、電子機器の一例を概略的に示した斜視図である。
【0018】
図面を参照すると、電子機器は例えば、スマートフォン1100であることができる。スマートフォン1100の内部には、マザーボード1110が収容されており、このようなマザーボード1110には様々な部品1120が物理的及び/又は電気的に連結されている。さらに、カメラモジュール1130及び/又はスピーカー1140のように、マザーボード1110に物理的及び/又は電気的に連結されるか、または連結されない他の部品が内部に収容されている。部品1120の一部は、上述したチップ関連部品であることができ、例えば、部品パッケージ1121であることができるが、これに限定されるものではない。部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品を含む電子部品が表面に実装配置されたプリント回路基板の形態であることができる。または、部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品が内蔵されたプリント回路基板の形態であることもできる。一方、電子機器は必ずスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述したように他の電子機器であることもできる。
【0019】
プリント回路基板
図3は、プリント回路基板の一例を概略的に示した断面図であり、
図4a及び
図4bは、それぞれ
図3のプリント回路基板をA方向及びB方向から見た場合を概略的に示した断面図である。
【0020】
図面を参照すると、一例に係るプリント回路基板500Aは、長さ方向に互いに反対側の第1及び第2外側部111、112を有する基板110、基板110の上側に配置された第1絶縁層210、基板110の下側に配置された第2絶縁層310、第1外側部111の少なくとも一部を覆う第1絶縁材410、及び第2外側部112の少なくとも一部を覆う第2絶縁材420を含むことができる。第1及び第2外側部111、112は、断面上で基板110の長さ方向の両端部からそれぞれ所定の領域を有することができる。第1及び第2外側部111、112のそれぞれの所定の領域は、ほぼ第1及び第2絶縁材410、420に対応する大きさであり得る。第1及び第2絶縁層210、310はそれぞれ基板110よりも熱膨張係数がさらに大きいことがあり、第1及び第2絶縁材410、420はそれぞれ基板110よりも熱膨張係数がさらに小さいことがあり得る。例えば、基板110よりも熱膨張係数が小さい第1及び第2絶縁材410、420が基板110の第1及び第2外側部111、112のそれぞれのエッジに隣接して配置されることができ、よって基板よりも熱膨張係数が大きい第1及び第2絶縁層210、310の収縮挙動によって発生する引張応力を減少させることができる。したがって、基板110の材料としてガラスのような無機材料を用いる場合にも、外部からの衝撃や工程による残留応力に対応してクラック等を防止することができる。一方、基板110の材料としてガラスのような無機材料を用いる場合には、高いモジュラスと高いガラス転移温度などで反り制御により有利であることができ、基板110の大面積化が可能であることができる。また、基板110の低い表面粗さと高い加工性により、微細回路実現により有利であることができる。
【0021】
一方、熱膨張係数は、測定が必要なプリント回路基板内の各構成を同じ大きさで切断してサンプルを得て、各サンプルを同じ熱機械分析装置、例えばTMA 8310、TATMA Q400などを用いて測定することができる。例えば、製造されたプリント回路基板内の基板、絶縁層、絶縁材等を事後的に同じ大きさで切断して各サンプルを得ることができ、同じ方向で、例えば製造されたプリント回路基板を基準として長さ方向に各サンプルの熱膨張係数が測定されることができるように、各サンプルを切断することができる。このとき、各サンプルの熱膨張係数は同じ条件で測定されることができ、例えば、各サンプルを熱機械分析装置に装着した後、荷重0.1Nの引張モードで室温から170℃までサンプルを昇温させ、この後、サンプルを室温まで冷却する過程で50℃~80℃の範囲内の熱膨張係数の平均値を求めることによって、熱膨張係数を測定することができるが、条件が必ずしもこれに限定されるものではない。
【0022】
一方、第1絶縁材410は、第1外側部111の上側に配置された第1-1絶縁材411と、第1外側部111の下側に配置された第1-2絶縁材412を含むことができる。第1-1絶縁材411及び第1-2絶縁材412は、第1外側部111を挟んで離隔することができる。第2絶縁材420は、第2外側部112の上側に配置された第2-1絶縁材421と、第2外側部112の下側に配置された第2-2絶縁材422を含むことができる。第2-1絶縁材421及び第2-2絶縁材422は、第2外側部112を挟んで離隔することができる。基板110は、第1及び第2外側部111、112のそれぞれにおいて第1及び第2突出部P1、P2を有することができる。第1及び第2突出部P1、P2のそれぞれの厚さは、基板110の残りの領域における厚さよりも薄いものであり得る。第1-1絶縁材411は、第1突出部P1と第1絶縁層210との間に配置されることができ、第1-2絶縁材412は、第1突出部P1と第2絶縁層310との間に配置されることができる。第2-1絶縁材421は、第2突出部P2と第1絶縁層210との間に配置されることができ、第2-2絶縁材422は、第2突出部P2と第2絶縁層310との間に配置されることができる。第1及び第2突出部P1、P2のそれぞれの外側面の少なくとも一部と、第1及び第2絶縁層210、310のそれぞれの外側面の少なくとも一部は、第1及び第2絶縁材410、420から露出することができる。このような構造により、上述した技術的効果を効果的に実現することができる。
【0023】
一方、第1及び第2絶縁材410、420は、基板110の長さ方向における両側の外側部111、112のエッジ部分だけでなく、幅方向への両側の外側部のエッジ部分にも隣接して配置されることができる。例えば、第1及び第2絶縁材410、420、例えば第1-1、第1-2、第2-1、第2-2絶縁材411、412、421、422は、幅-厚さ方向における断面においても、上述の長さ-厚さ方向における断面と実質的に同じ形態で配置されることができる。必要に応じて、第1-1及び第2-1絶縁材411、421が互いに連結されることができ、第1-2及び第2-2絶縁材412、422が互いに連結されることができる。例えば、第1及び第2絶縁材410、420は、平面上で基板110の外側部を連続的に囲むように配置されることができる。但し、これに限定されるものではない。一方、基板110に対する第1及び第2絶縁層210、310の積層方向を厚さ方向とするとき、長さ方向は厚さ方向と垂直ないずれか一方向であることができ、幅方向は長さ方向及び厚さ方向と全て垂直な他の一方向であることができる。このとき、長さ方向はプリント回路基板500Aの少なくとも1つの外側面と実質的に平行であることができ、厚さ方向はプリント回路基板500Aの他の少なくとも1つの外側面と実質的に平行であることができる。
【0024】
一方、一例に係るプリント回路基板500Aは、第1絶縁層210内に配置された複数の第1配線層220、第1絶縁層210内に配置され、複数の第1配線層220の少なくとも1つとそれぞれ連結された複数の第1ビア層230、第2絶縁層310内に配置された複数の第2配線層320、第2絶縁層310内に配置され、複数の第2配線層320の少なくとも1つとそれぞれ連結された複数の第2ビア層330、及び基板110を貫通する少なくとも1つの貫通ビア130をさらに含むことができる。例えば、一例に係るプリント回路基板500Aは、大面積の多層回路基板であることができ、よって、パッケージ基板として用いられることができる。一方、複数の第1ビア層230のうち最下側に配置された第1ビア層231の少なくとも一部は、貫通ビア130の上側に連結されることができる。また、複数の第2ビア層330のうち最上側に配置された第2ビア層331の少なくとも一部は、貫通ビア130の下側に連結されることができる。例えば、基板110の上面及び下面には、配線層が直接形成されないことができ、貫通ビア130は、最下側の第1ビア層231及び最上側の第2ビア層331とそれぞれ直接連結されることができる。
【0025】
以下では、図面を参照して一例に係るプリント回路基板500Aの構成要素についてより詳細に説明する。
【0026】
基板110は、コア層であることができる。基板110は無機絶縁材を含むことができる。無機絶縁材は、ガラス(glass)、シリコン(Si)、セラミック(ceramic)などであり得る。例えば、基板110は、ガラス基板、シリコン基板、またはセラミック基板を含むことができる。好ましくは、基板はガラス基板を含むことができ、より好ましくは熱膨張係数(CTE、Coefficient of Thermal Expansion)が約6ppm/℃~10ppm/℃程度のガラス基板を含むことができる。一方、ガラス基板はガラスを含むことができ、ガラスは、例えば、純粋二酸化ケイ素(約100%SiO2)、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス(alumino-silicate glass)などを含むことができる。但し、これに限定されず、代替的なガラス材料である、例えば、フルオロガラス、リン酸ガラス、カルコゲンガラスなどもガラス層の材料として用いられることができる。さらに、特定の物理的特性を有するガラスを形成するために、その他の添加剤をさらに含むこともできる。このような添加剤は、炭酸カルシウム(例えば、石灰)及び炭酸ナトリウム(例えば、ソーダ)のみならず、マグネシウム、カルシウム、マンガン、アルミニウム、鉛、ホウ素、鉄、クロム、カリウム、硫黄及びアンチモンと、このような元素及び他の元素の炭酸塩及び/または酸化物を含むことができる。一方、ガラスは、有機絶縁材に含まれるガラス繊維(glass fiber、glass cloth、glass fabric)とは区別されることができる。また、シリコン基板はシリコン(Si)を含むことができ、必要に応じては、シリコン(Si)上に形成された酸化層を含むこともできる。また、酸化層上に形成された窒化層を含むこともできる。酸化層はシリコン酸化膜を含むことができ、窒化層はシリコン窒化膜を含むことができるが、これに限定されない。また、セラミック基板はセラミック(ceramic)を含むことができる。セラミックは、例えば、アルミナ(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si3N4)などを含むことができるが、これらに限定されない。
【0027】
貫通ビア130はそれぞれ金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/またはこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されない。貫通ビア130は、基板110の材質に応じて、TGV(Through Glass Via)、TSV(Through Silicon Via)などであることができる。貫通ビア130の内部には、必要に応じてプラギング材が配置されることができ、プラギング材は絶縁物質または導電性物質を含むことができる。貫通ビア130は、断面上で実質的に垂直な側面を有することができ、円柱、楕円柱、四角柱などの柱の形態を有することができるが、これらに限定されない。貫通ビア130は、設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。貫通ビア130は、スパッタリング層及び電解めっき層(または電気銅)を含むことができる。必要に応じて、スパッタリング層の代わりに無電解めっき層(または化学銅)を含むこともでき、両方を含むこともできる。貫通ビア130は複数個であることができ、この場合、互いに実質的に同じ金属を含むことができる。
【0028】
第1及び第2絶縁層210、310はそれぞれビルドアップ絶縁層であることができる。第1及び第2絶縁層210、310はそれぞれ有機絶縁材を含むことができる。有機絶縁材は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、または樹脂と共に無機フィラー、有機フィラー及び/またはガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)を含む材料を含むことができる。例えば、有機絶縁材は、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、PPG(プリプレグ、Prepreg)などの非感光性絶縁材であることができるが、これに限定されるものではなく、それ以外にも他の高分子素材が用いられることができる。好ましくは、第1及び第2絶縁層210、310は、ABF(Ajinomoto Build-up Film)をそれぞれ含むことができ、より好ましくは熱膨張係数(CTE、Coefficient of Thermal Expansion)が約10ppm/℃超、例えば約35ppm/℃~45ppm/℃程度のABF(Ajinomoto Build-up Film)をそれぞれ含むことができる。第1及び第2絶縁層210、310はそれぞれ複数の絶縁層を含むことができ、各絶縁層は互いに実質的に同じ有機絶縁材を含むことができる。したがって、層間境界が不明確である場合がある。
【0029】
第1及び第2配線層220、320はそれぞれビルドアップ配線層であることができる。第1及び第2配線層220、320はそれぞれ金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/またはこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されない。第1及び第2配線層220、320は、それぞれ設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、信号パターン、パワーパターン、グランドパターンなどを含むことができる。これらのパターンはそれぞれライン、プレーン、パッドなどの様々な形態を有することができる。第1及び第2配線層220、320は、それぞれシード層と、シード層上に形成されためっき層を含むことができる。シード層は、無電解めっき層(または化学銅)及び/またはスパッタリング層であることができ、めっき層は電解めっき層(または電気銅)であることができるが、これらに限定されない。第1及び第2配線層220、320はそれぞれ複数の配線層を含むことができ、それぞれの配線層は、互いに実質的に同じ金属を含むことができる。
【0030】
第1及び第2ビア層230、330はビルドアップビア層であることができる。第1及び第2ビア層230、330はそれぞれ金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/またはこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。第1及び第2ビア層230、330は、それぞれビアホールを満たすフィルドビア(filled VIA)を含むことができるが、ビアホールの壁面に沿って配置されるコンフォーマルビア(conformal VIA)を含むこともできる。第1及び第2ビア層230、330は、設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。第1及び第2ビア層230、330は、互いに反対方向にテーパされることができる。例えば、第1ビア層230は、断面上で上端部の幅が下端部の幅よりも広いことができ、第2ビア層330は、断面上で下端部の幅が上端部の幅よりも広いことができる。第1及び第2ビア層230、330はそれぞれ無電解めっき層(または化学銅)及び電解めっき層(または電気銅)を含むことができる。無電解めっき層(または化学銅)の代わりにスパッタリング層を含むこともでき、両方を含むこともできる。第1及び第2ビア層230、330はそれぞれ複数のビア層を含むことができ、それぞれのビア層は互いに実質的に同じ金属を含むことができる。
【0031】
第1及び第2絶縁材410、420はそれぞれ応力減少層であることができる。第1及び第2絶縁材410、420は、それぞれ低い熱膨張係数を有する物質を含むことができる。例えば、第1及び第2絶縁材410、420は、それぞれ低い熱膨張係数を有する有機絶縁材、低い熱膨張係数を有する無機絶縁材等を含むことができる。例えば、第1及び第2絶縁材は、熱膨張係数(CTE、Coefficient of Thermal Expansion)が6ppm/℃未満、例えば約1ppm/℃~5ppm/℃程度のPPG(Prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)またはセラミック(ceramic)をそれぞれ含むことができる。第1絶縁材410は、第1-1絶縁材411と第1-2絶縁材412を含むことができ、第2絶縁材420は、第2-1絶縁材421と第2-2絶縁材422を含むことができる。第1-1絶縁材411と第1-2絶縁材412と第2-1絶縁材421と第2-2絶縁材422は、互いに実質的に同一の有機または無機絶縁材を含むことができ、よって、互いに実質的に同じ熱膨張係数を有することができる。
【0032】
図5は、プリント回路基板の他の一例を概略的に示した断面図であり、
図6a及び
図6bは、それぞれ
図5のプリント回路基板をC方向及びD方向から見た場合を概略的に示した断面図である。
【0033】
図面を参照すると、他の一例に係るプリント回路基板500Bは、長さ方向に互いに反対側の第1及び第2外側部111、112を有する基板110、基板110の上側に配置された第1絶縁層210、基板110の下側に配置された第2絶縁層310、第1外側部111の少なくとも一部を覆う第1絶縁材410、及び第2外側部112の少なくとも一部を覆う第2絶縁材420を含むことができる。第1及び第2外側部111、112は、断面上で基板110の長さ方向の両端部からそれぞれ所定の領域を有することができる。第1及び第2外側部111、112のそれぞれの所定の領域は、ほぼ第1及び第2絶縁材410、420に対応する大きさであることができる。第1及び第2絶縁層210、310はそれぞれ基板110よりも熱膨張係数がさらに大きいことがあり、第1及び第2絶縁材410、420はそれぞれ基板110よりも熱膨張係数がさらに小さいものであり得る。例えば、基板110よりも熱膨張係数が小さい第1及び第2絶縁材410、420が基板110の第1及び第2外側部111、112のそれぞれのエッジに隣接して配置されることができ、よって基板よりも熱膨張係数が大きい第1及び第2絶縁層210、310の収縮挙動により発生する引張応力を減少させることができる。したがって、基板110の材料としてガラスのような無機材料を用いる場合にも、外部からの衝撃や工程による残留応力に対応してクラック等を防止することができる。一方、基板110の材料としてガラスのような無機材料を用いる場合には、高いモジュラスと高いガラス転移温度などにより反り制御により有利であることができ、基板110の大面積化が可能であることがある。また、基板110の低い表面粗さと高い加工性によって微細回路実現により有利であることができる。
【0034】
一方、第1絶縁材410は、第1外側部111の上側に配置された第1-1絶縁材411と、第1外側部111の下側に配置された第1-2絶縁材412を含むことができる。第1-1絶縁材411及び第1-2絶縁材412は、第1外側部111を挟んで離隔することができる。第2絶縁材420は、第2外側部112の上側に配置された第2-1絶縁材421と、第2外側部112の下側に配置された第2-2絶縁材422を含むことができる。第2-1絶縁材421及び第2-2絶縁材422は、第2外側部112を挟んで離隔することができる。第1-1絶縁材411は、第1外側部111において基板110の上面上に配置されることができ、第1絶縁層210の外側面の少なくとも一部を覆うことができる。第1-2絶縁材412は、第1外側部111において基板110の下面上に配置されることができ、第2絶縁層310の外側面の少なくとも一部を覆うことができる。第2-1絶縁材421は、第2外側部112において基板110の上面上に配置されることができ、第1絶縁層210の外側面の他の少なくとも一部を覆うことができる。第2-2絶縁材422は、第2外側部112において基板110の下面上に配置されることができ、第2絶縁層310の外側面の他の少なくとも一部を覆うことができる。第1及び第2外側部111、112のそれぞれにおける基板の外側面の少なくとも一部は、第1及び第2絶縁材410、420から露出することができる。このような構造によって上述した技術的効果を効果的に実現することができる。
【0035】
一方、第1及び第2絶縁材410、420は、基板110の長さ方向への両側の外側部111、112のエッジ部分だけでなく、幅方向への両側の外側部のエッジ部分にも隣接して配置されることができる。例えば、第1及び第2絶縁材410、420、例えば第1-1、第1-2、第2-1、第2-2絶縁材411、412、421、422は、幅-厚さ方向の断面においても、上述の長さ-厚さ方向における断面と実質的に同じ形態で配置されることができる。必要に応じて、第1-1及び第2-1絶縁材411、421が互いに連結されることができ、第1-2及び第2-2絶縁材412、422が互いに連結されることができる。例えば、第1及び第2絶縁材410、420は、平面上で基板110の外側部を連続的に囲むように配置されることができる。但し、これに限定されるものではない。一方、基板110に対する第1及び第2絶縁層210、310の積層方向を厚さ方向とするとき、長さ方向は厚さ方向と垂直ないずれか一方向であることができ、幅方向は長さ方向及び厚さ方向と全て垂直な他の一方向であることができる。このとき、長さ方向はプリント回路基板500Bの少なくとも1つの外側面と実質的に平行であることができ、厚さ方向はプリント回路基板500Bの他の少なくとも1つの外側面と実質的に平行であることができる。
【0036】
一方、他の一例に係るプリント回路基板500Bは、第1絶縁層210内に配置された複数の第1配線層220、第1絶縁層210内に配置され、複数の第1配線層220のうち少なくとも1つとそれぞれ連結された複数の第1ビア層230、第2絶縁層310内に配置された複数の第2配線層320、第2絶縁層310内に配置され、複数の第2配線層320のうち少なくとも1つとそれぞれ連結された複数の第2ビア層330、及び基板110を貫通する少なくとも1つの貫通ビア130をさらに含むことができる。例えば、他の一例に係るプリント回路基板500Bは、大面積の多層回路基板であることができ、よって、パッケージ基板として用いられることができる。一方、複数の第1ビア層230のうち最下側に配置された第1ビア層231の少なくとも一部は、貫通ビア130の上側に連結されることができる。また、複数の第2ビア層330のうち最上側に配置された第2ビア層331の少なくとも一部は、貫通ビア130の下側に連結されることができる。例えば、基板110の上面及び下面には、配線層が直接形成されないことができ、貫通ビア130は、最下側の第1ビア層231及び最上側の第2ビア層331とそれぞれ直接連結されることができる。
【0037】
それ以外の他の一例に係るプリント回路基板500Bの構成要素の説明は、上述した一例に係るプリント回路基板500Aで説明したものと実質的に同一であることができる。
【0038】
図7a及び
図7bは、それぞれガラス基板の上側及び下側に絶縁層が配置された場合のガラス基板の熱応力発生メカニズム及び熱応力解析結果を概略的に示したものである。
【0039】
図面を参照すると、熱膨張係数が約7.2ppm/℃程度のガラス基板110’に対して比較的熱膨張係数が高い絶縁層210’、310’、例えば熱膨張係数が約39ppm/℃程度のABFを有機基板110’の上側及び下側にそれぞれ配置したパネルをユニット単位に切断すると、絶縁層210’、310’の強い収縮挙動によってガラス基板110’のエッジ部分に高い引張応力が発生することがあり、よって、ガラス基板110’の水平方向、例えば長さ方向及び/または幅方向にクラックが発生する可能性がある。ここで、正規化された引張応力(normalized tensile stress)は1.00程度であることができる。
【0040】
図8a及び
図8bは、それぞれ
図3のプリント回路基板の構造におけるガラス基板の熱応力発生メカニズム及び熱応力解析結果を概略的に示したものである。
【0041】
図面を参照すると、熱膨張係数が約7.2ppm/℃程度のガラス基板110に対して比較的熱膨張係数が小さい絶縁材410、420、例えば熱膨張係数が約4ppm/℃程度であり、モジュラスが約14GPaであるPPGを
図3のプリント回路基板の第1及び第2絶縁材410、420に配置する場合、ガラス基板110に対して比較的熱膨張係数の高い絶縁層210、310、例えば熱膨張係数が約39ppm/℃程度のABFを
図3のプリント回路基板の第1及び第2絶縁層210、310に配置した構造のパネルを、ユニット単位で切断する場合において、ガラス基板110のエッジ部分における第1及び第2絶縁層210、310の収縮挙動が減少することができ、よって、これにかかる引張応力が減少することができる。したがって、ガラス基板110の水平方向、例えば長さ方向及び/または幅方向にクラックが発生することを防止することができる。ここで、正規化された引張応力(normalized tensile stress)は0.60程度であることができる。
【0042】
図9a及び
図9bは、それぞれ
図5のプリント回路基板の構造におけるガラス基板の熱応力発生メカニズム及び熱応力解析結果を概略的に示したものである。
【0043】
図面を参照すると、熱膨張係数が約7.2ppm/℃程度のガラス基板110に対して比較的熱膨張係数が小さい絶縁材410、420、例えば熱膨張係数が約4ppm/℃程度であり、モジュラスが約14GPaであるPPGを
図5のプリント回路基板の第1及び第2絶縁材410、420に配置する場合、ガラス基板110に対して比較的熱膨張係数の高い絶縁層210、310、例えば熱膨張係数が約39ppm/℃程度のABFを
図5のプリント回路基板の第1及び第2絶縁層210、310に配置したパネルを、ユニット単位で切断する場合において、ガラス基板110のエッジ部分での第1及び第2絶縁層210、310の収縮挙動が減少することができ、よって、これにかかる引張応力が減少することができる。したがって、ガラス基板110の水平方向、例えば長さ方向及び/または幅方向にクラックが発生することを防止することができる。ここで、正規化された引張応力(normalized tensile stress)は0.57程度であることができる。
【0044】
本開示において、覆うという表現は、全体的に覆う場合だけでなく、少なくとも一部を覆う場合を含むことができ、また直接覆う場合だけでなく間接的に覆う場合も含むことができる。また、満たすという表現は、完全に満たす場合だけでなく、少なくとも一部を満たす場合を含むことができ、また、大略的に満たす場合を含むことができる。例えば、一部空隙やボイドなどが存在する場合を含むことができる。また、囲むという表現は、完全に囲む場合だけでなく、一部を囲む場合と大略的に囲む場合を含むことができる。また、露出させることは、完全に露出させる場合だけでなく、一部を露出させる場合を含むことができ、露出は、該当構成を埋め込むことから露出することを意味することができる。また、隣接するということは、少なくとも一部が互いに当接することを意味することができる。
【0045】
本開示において、実質的には製造工程上で発生する工程誤差や位置偏差、測定時の誤差などを含んで判断することができる。例えば、実質的に共面であるということは、完全に同一平面に存在する場合だけでなく、大略的に同一平面に存在する場合も含むことができる。また、実質的に同一の絶縁材は、組成が完全に同一の場合のみならず、大略的に組成が同一の場合を含むことができる。
【0046】
本開示において、断面上の意味は、対象物を垂直に切断したときの断面形状、または対象物を垂直に切断したときの断面形状、または対象物をサイドビューで見たときの断面形状を意味することができる。また、平面上の意味は、対象物を水平に切断したときの平面形状、または対象物をトップビューまたはボトムビューで見たときの平面形状であることを意味することができる。
【0047】
本開示において、下側、下部、下面などは、便宜上図面の断面を基準に下方方向を意味するものとして用い、上側、上部、上面などはその逆方向を意味するものとして用いた。但し、これは説明の便宜上の方向を定義したものであって、特許請求の範囲の権利範囲がこのような方向に対する記載によって特に限定されるものではないことはもちろんであり、上/下の概念はいつでも変わることができる。
【0048】
本開示において、連結されるという意味は、直接連結された場合だけでなく、接着剤層などを介して間接的に連結された場合を含む概念である。また、電気的に連結されるという意味は、物理的に連結された場合と、連結されていない場合を全て含む概念である。さらに、第1、第2などの表現は、ある構成要素と他の構成要素を区分するために用いられるものであって、当該構成要素の順序及び/又は重要度などを限定しない。場合によっては、権利範囲から逸脱することなく、第1構成要素は第2構成要素と命名されることもでき、同様に第2構成要素は第1構成要素と命名されることもできる。
【0049】
本開示において、厚さ、幅、長さ、深さ、線幅、間隔、ピッチなどは、それぞれプリント回路基板を研磨または切断した断面を基準に走査顕微鏡や光学顕微鏡などで測定することができる。切断断面は、垂直断面または水平断面であることができ、必要な切断断面に基づいてそれぞれ数値を測定することができる。例えば、ビアの上端部及び/または下端部の幅は、ビアの中心軸を切断した断面上で測定することができる。この時、数値が一定でない場合には、任意の5地点で測定した値の平均値として数値を決定することができる。一方、最小数値は、該当層や該当領域などで最も小さい値に測定される数値で決定することができる。
【0050】
本開示で用いられた一例という表現は、互いに同一の実施例を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかしながら、上記提示された一例は、他の一例の特徴と組み合わせて実現されることを排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が他の一例で説明されていなくても、他の一例でその事項と反対または矛盾する説明がない限り、他の一例に関連した説明であると理解することができる。
【0051】
本開示で用いられた用語は、単に一例を説明するために用いられたものであり、本開示を限定する意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なるものを意味しない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0052】
1000 電子機器
1010 メインボード
1020 チップ関連部品
1030 ネットワーク関連部品
1040 その他の部品
1050 カメラ
1060 アンテナ
1070 ディスプレイ
1080 バッテリー
1090 信号ライン
1100 スマートフォン
1110 マザーボード
1120 部品
1121 部品パッケージ
1130 カメラモジュール
1140 スピーカー
500A、500B プリント回路基板
110 基板
111、112 外側部
P1、P2 突出部
130 貫通ビア
210、310 絶縁層
220、320 配線層
230、330、231、331 ビア層
410、420、411、412、421、422 絶縁材