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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025091535
(43)【公開日】2025-06-19
(54)【発明の名称】操舵部連結構造
(51)【国際特許分類】
   A01D 34/90 20060101AFI20250612BHJP
   A01D 34/47 20060101ALI20250612BHJP
【FI】
A01D34/90 D
A01D34/47
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023206784
(22)【出願日】2023-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】510155210
【氏名又は名称】アピュアン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(72)【発明者】
【氏名】渡部 幸雄
【テーマコード(参考)】
2B083
【Fターム(参考)】
2B083AA02
2B083BA02
2B083CA07
2B083CA27
2B083HA26
2B083HA54
(57)【要約】
【課題】機械部から発せられた振動を低減することのできる操舵部連結構造を提供する。
【解決手段】先端寄りコイルスプリング部材70と、基端寄りコイルスプリング部材60とによって圧接された挿通部31を備える操舵部30は、軸部10に伝播された振動や衝撃が吸収されることによって作業性能が格段に向上するとともに、支持部100と操舵部30との間には、回転抑制用コイルスプリング部110を配設したため、回転部21を操舵部30で適切に操舵することも可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源を有する本体部と、
前記本体部と連係している長尺状の軸部と、
前記軸部の先端に配されており、前記駆動源によって駆動することで振動する機械部と、
所定の振動抑制部を介して前記軸部と連結されており、当該軸部を操舵するための操舵部と、
前記操舵部が前記軸部の軸周りに回動することを抑制する回転抑制機構と、
を備え、
前記振動抑制部は、
前記操舵部に備えられ、前記軸部が軸方向に移動可能に挿通されてなる挿通部と、
前記挿通部を基準として前記軸部の先端寄りに配された先端寄りコイルスプリング部材と、
前記挿通部を基準として前記軸部の基端寄りに配された基端寄りコイルスプリング部材と、
前記軸部に備えられ、前記先端寄りコイルスプリング部材の先端部が圧接する軸部側先端寄り圧接部と、
前記軸部に備えられ、前記基端寄りコイルスプリング部材の基端部が圧接する軸部側基端寄り圧接部と、
を備えており、
前記機械部が駆動する駆動状態で、
前記先端寄りコイルスプリング部材は、前記軸部側先端寄り圧接部と前記挿通部の先端部分との間で、弾性変形範囲で伸縮自在な状態で配置されてなり、
前記基端寄りコイルスプリング部材は、前記軸部側基端寄り圧接部と前記挿通部の基端部分との間で、弾性変形範囲で伸縮自在な状態で配置されてなる
ことを特徴とする操舵部連結構造。
【請求項2】
前記機械部が、草刈り用の回転刃を備える回転部である
請求項1に記載の操舵部連結構造。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺状の軸部を操舵するために当該軸部に連結される操舵部の連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば特許文献1に開示されている草刈り用の刈払機のように、先端に機械部としての回転刃を備えた長尺状の軸部を操舵するために当該軸部に連結される操舵部を備えたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-29114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような人が歩きながら手で操作する刈払機(刈取機)にあっては、機械部が取り付けられた軸部の先端部から発生した振動が、操舵のために軸部に取り付けられた操舵部にまで達して刈取機を操舵するものに大きな負荷を与えてしまう。こうした振動を長期間受け続けると人体に害が及ぶおそれが大きい。
【0005】
そこで本発明は、機械部から発せられた振動を低減することのできる操舵部連結構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、駆動源を有する本体部と、前記本体部と連係している長尺状の軸部と、前記軸部の先端に配されており、前記駆動源によって駆動することで振動する機械部と、所定の振動抑制部を介して前記軸部と連結されており、当該軸部を操舵するための操舵部と、前記操舵部が前記軸部の軸周りに回動することを抑制する回転抑制機構と、を備え、前記振動抑制部は、前記操舵部に備えられ、前記軸部が軸方向に移動可能に挿通されてなる挿通部と、前記挿通部を基準として前記軸部の先端寄りに配された先端寄りコイルスプリング部材と、前記挿通部を基準として前記軸部の基端寄りに配された基端寄りコイルスプリング部材と、前記軸部に備えられ、前記先端寄りコイルスプリング部材の先端部が圧接する軸部側先端寄り圧接部と、前記軸部に備えられ、前記基端寄りコイルスプリング部材の基端部が圧接する軸部側基端寄り圧接部と、を備えており、前記機械部が駆動する駆動状態で、前記先端寄りコイルスプリング部材は、前記軸部側先端寄り圧接部と前記挿通部の先端部分との間で、弾性変形範囲で伸縮自在な状態で配置されてなり、前記基端寄りコイルスプリング部材は、前記軸部側基端寄り圧接部と前記挿通部の基端部分との間で、弾性変形範囲で伸縮自在な状態で配置されてなることを特徴とする操舵部連結構造である。
【0007】
かかる構成にあっては、前記軸部と前記操舵部とが前記振動抑制部を介して連結されているため、振動抑制部によって軸部の振動が操舵部に達することを抑制することができる。また、上記構成にあっては、前記操舵部の挿通部に前記軸部が挿通されてなる構成であるから、前記軸部の軸回りに操舵部が回転してしまう構成であるところ、前記回転抑制機構を配設して、機械部の振動が操舵部に伝達することを抑制しつつ前記操舵部が前記軸部に対して軸回りに回転してしまうことを抑制し、もって操舵部で機械部を操舵可能としている。
【0008】
また、前記機械部が、草刈り用の回転刃を備える回転部である構成が提案される。
【0009】
かかる構成とすることにより、特に草刈り機(刈取機)が地面に生えている草を刈り取る際に発生する振動や衝撃を、前記振動抑制部によって好適に吸収することができ、しかも操舵部で回転部を所望位置に操舵することが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の操舵部連結構造は、機械部から発せられた振動を低減することができるとともに、操舵部で機械部を所望位置に操舵することができる優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例1にかかる草刈り機の斜視図である。
図2】実施例1にかかる草刈り機における、挿通部近傍を拡大して示す背面図である。
図3】実施例1にかかる草刈り機における部分縦断面図である。
図4】実施例2にかかる草刈り機の斜視図である。
図5】実施例2にかかる草刈り機における、挿通部近傍を拡大して示す背面図である。
図6】実施例2にかかる草刈り機における部分縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態を、実施例に従って説明する。なお本発明は、下記に示す実施例に限定されることはなく、適宜、設計変更が可能である。また便宜上、実施例において前後を規定して説明しているが、これによって本発明が限定されるものではない。
【0013】
〔実施例1〕
図1に示すように、草刈り機1は、長尺状の杆材で構成された軸部10を備えている。軸部10の一方の端部である基端部には駆動源を有する本体部20が取り付けられている。また、軸部10の他方の端部である先端部には機械部として、草刈り用の回転刃22を含む回転部21が取り付けられている。駆動源としては、電源またはエアー源などの公知技術が採用される。
【0014】
また、軸部10には、軸部10を操舵するための操舵部30が取り付けられている。詳述すると、操舵部30は、操舵杆35と、操舵杆35の両端に形成された左右一対の把持部36,36を具備している。そして、図2図3に示すように、操舵杆35の中央の外周部には、軸部10が軸方向に移動可能に挿通される円筒状の挿通部31が連成されている。すなわち、操舵部30は、軸部10に対して完全に固定されているわけではなく、軸部10の軸回りに回動自在となる構成となっている。
【0015】
さらに、軸部10の外周面には、軸部10の外径よりも径大なフランジ形状の軸部側基端寄り圧接部40が形成されている。具体的に、軸部側基端寄り圧接部40は、上述の挿通部31の配置箇所よりも基端側に配置されている。
【0016】
また、軸部10の外周面には、軸部10の外径よりも径大なフランジ形状の軸部側先端寄り圧接部50が形成されている。具体的に、軸部側先端寄り圧接部50は、上述の挿通部31の配置箇所よりも先端側に配置されている。
【0017】
そして、軸部10の外周であって、操舵部30の挿通部31と軸部側基端寄り圧接部40との間の位置には、当該軸部10が挿通されてなる基端寄りコイルスプリング部材60が配置されている。ここで、基端寄りコイルスプリング部材60の基端は、軸部側基端寄り圧接部40に圧接し、当該基端寄りコイルスプリング部材60の先端は、挿通部31の基端部分である基端部31aに圧接している。すなわち、基端寄りコイルスプリング部材60は、軸部側基端寄り圧接部40と挿通部31との間で、弾性変形範囲で伸縮自在な状態で配置されている。
【0018】
加えて、軸部10の外周であって、操舵部30の挿通部31と軸部側先端寄り圧接部50との間の位置には、当該軸部10が挿通されてなる先端寄りコイルスプリング部材70が配置されている。ここで、先端寄りコイルスプリング部材70の先端は、軸部側先端寄り圧接部50に圧接し、当該先端寄りコイルスプリング部材70の基端は、挿通部31の先端部分である先端部31bに圧接している。すなわち、先端寄りコイルスプリング部材70は、軸部側先端寄り圧接部50と挿通部31との間で、弾性変形範囲で伸縮自在な状態で配置されている。
【0019】
なお、本実施例にかかる挿通部31、軸部側基端寄り圧接部40、軸部側先端寄り圧接部50、基端寄りコイルスプリング部材60、及び先端寄りコイルスプリング部材70によって、振動抑制部80が構成されている。
【0020】
さらに、軸部側先端寄り圧接部50には、軸部10の前後方向(軸方向)と直交する左右方向(横方向)に延びる杆状の支持部100が連成されている。そして、支持部100に、一対の回転抑制用コイルスプリング部110が互いに並行して取り付けられている。
【0021】
具体的には、支持部100の両端部に、操舵杆35側へ向かって突き出された一対の棒体で構成された支持部側位置決め部130がそれぞれ配設されている。これに対して、操舵杆30における各支持部側位置決め部130に対向する位置に、支持部100側へ向かって突き出された一対の棒体で構成された操舵杆側位置決め部120がそれぞれ配設されている。
【0022】
そして、互いに向かい合う支持部側位置決め部130と操舵杆側位置決め部120とが、回転抑制用コイルスプリング部110の中空部に差し入れられて、当該回転抑制用コイルスプリング部110が、支持部100に取り付けられている。かかる構成とすることにより、回転抑制用コイルスプリング部110が、操舵部30と支持部100との間で位置決めされている。
【0023】
ところで、回転抑制用コイルスプリング部110の一端は支持部100に圧接し、当該回転抑制用コイルスプリング部110の他端は操舵杆35に圧接しており、このような支持部100と操舵杆35との間で、回転抑制用コイルスプリング部110は弾性変形範囲で伸縮自在な状態となっている。
【0024】
なお、軸部側先端寄り圧接部50を介して軸部10に固定された支持部100と、回転抑制用コイルスプリング部110とによって、操舵時(使用時)に操舵部30が軸部10の軸周りに回転してしまうことを防止する回転抑制機構150が構成されている。
【0025】
また、振動抑制部80及び回転抑制機構150によって、操舵部連結構造200が構成されている。
【0026】
かかる草刈り機1は、本体部20を駆動源として回転刃22を回転させて草刈り作業を行うにあたり、操舵部30の把持部36を把持して作業を行うが、回転部21の駆動状態で回転刃22や本体部20から発せられる振動や衝撃は、操舵部30には伝播しにくいものとなる。すなわち、操舵部30は本体部20や回転刃22が直接接続された軸部10に直接取り付けられている構成でなく、基端寄りコイルスプリング部材60、先端寄りコイルスプリング部材70、及び回転抑制用コイルスプリング部110を介して軸部10に取り付けられている。したがって、基端寄りコイルスプリング部材60、先端寄りコイルスプリング部材70、及び回転抑制用コイルスプリング部110が、操舵部30に伝達される振動や衝撃を吸収することにより、作業者に振動が伝播しにくい構成となっている。
【0027】
〔実施例2〕
図4に示すように、草刈り機2は、長尺状の杆材で構成された軸部310を備えている。軸部310の一方の端部である基端部には駆動源を有する本体部320が取り付けられている。また、軸部310の他方の端部である先端部には機械部として、草刈り用の回転刃322を含む回転部321が取り付けられている。駆動源としては、電源またはエアー源などの公知技術が採用される。
【0028】
また、軸部310には、当該軸部310が軸方向に移動可能に挿通される円筒状の挿通部331が配置されている。
【0029】
さらに、軸部310の外周面には、軸部310の外径よりも径大なフランジ形状の軸部側基端寄り圧接部340が形成されている。具体的に、軸部側基端寄り圧接部340は、上述の挿通部331の配置箇所よりも基端側に配置されている。
【0030】
また、軸部310の外周面には、軸部310の外径よりも径大なフランジ形状の軸部側先端寄り圧接部350が形成されている。具体的に、軸部側先端寄り圧接部350は、上述の挿通部331の配置箇所よりも先端側に配置されている。
【0031】
そして、軸部310の外周であって、挿通部331と軸部側基端寄り圧接部340との間の位置には、当該軸部310が挿通されてなる基端寄りコイルスプリング部材360が配置されている。ここで、基端寄りコイルスプリング部材360の基端は、軸部側基端寄り圧接部340に圧接し、当該基端寄りコイルスプリング部材360の先端は、挿通部331の基端部分である基端部331aに圧接している。すなわち、基端寄りコイルスプリング部材360は、軸部側基端寄り圧接部340と挿通部331との間で、弾性変形範囲で伸縮自在な状態で配置されている。
【0032】
加えて、軸部310の外周であって、挿通部331と軸部側先端寄り圧接部350との間の位置には、当該軸部310が挿通されてなる先端寄りコイルスプリング部材370が配置されている。ここで、先端寄りコイルスプリング部材370の先端は、軸部側先端寄り圧接部350に圧接し、当該先端寄りコイルスプリング部材370の基端は、挿通部331の先端部分である先端部331bに圧接している。すなわち、先端寄りコイルスプリング部材370は、軸部側先端寄り圧接部350と挿通部331との間で、弾性変形範囲で伸縮自在な状態で配置されている。
【0033】
なお、本実施例にかかる挿通部331、軸部側基端寄り圧接部340、軸部側先端寄り圧接部350、基端寄りコイルスプリング部材360、及び先端寄りコイルスプリング部材370によって、振動抑制部380が構成されている。
【0034】
さらに、軸部側先端寄り圧接部350には、軸部310の前後方向(軸方向)と直交する左右方向(横方向)に延びる杆状の先端寄り支持棒部400が配置されている。
【0035】
具体的には、軸部側先端寄り圧接部350に、左右方向に向かって貫通状に貫通孔411が設けられた先端寄り支持部410が一体的に形成されている。この先端寄り支持部410の貫通孔411に先端寄り支持棒部400が左右方向に摺動自在に挿通されている。なお、この貫通孔411及び先端寄り支持棒部400は例えばリニアブッシュといわれる部材にて構成可能である。
【0036】
先端寄り支持棒部400の両端部には夫々、径大のフランジ部401,401が形成されている。
【0037】
また、先端寄り支持棒部400の外周には、当該先端寄り支持棒部400が挿通されてなる先端寄り横コイルスプリング部420が先端寄り支持棒部400の左右に夫々配置されている。ここで、先端寄り横コイルスプリング部420の一端は先端寄り支持部410に圧接し、他端は先端寄り支持棒部400のフランジ部401に圧接している。すなわち、先端寄り横コイルスプリング部420は、先端寄り支持部410とフランジ部401との間で、弾性変形範囲で伸縮自在な状態で配置されている。
【0038】
さらに、挿通部331には、軸部310の前後方向(軸方向)と直交する左右方向(横方向)に延びる杆状の基端寄り支持棒部430が配置されている。
【0039】
具体的には、挿通部331に、左右方向に向かって貫通状に貫通孔441が設けられた基端寄り支持部440が一体的に形成されている。この基端寄り支持部440の貫通孔441に基端寄り支持棒部430が左右方向に摺動自在に挿通されている。なお、この貫通孔441及び基端寄り支持棒部430は例えばリニアブッシュといわれる部材にて構成可能である。
【0040】
基端寄り支持棒部430の両端部には夫々、径大のフランジ部431,431が形成されている。
【0041】
また、基端寄り支持棒部430の外周には、当該基端寄り支持棒部430が挿通されてなる基端寄り横コイルスプリング部450が基端寄り支持棒部430の左右に夫々配置されている。ここで、基端寄り横コイルスプリング部450の一端は基端寄り支持部440に圧接し、他端は基端寄り支持棒部430のフランジ部431に圧接している。すなわち、基端寄り横コイルスプリング部450は、基端寄り支持部440とフランジ部431との間で、弾性変形範囲で伸縮自在な状態で配置されている。
【0042】
そして、基端寄り支持棒部430のフランジ部431,431には、軸部310を操舵するための操舵部460が取り付けられている。詳述すると、操舵部460は、操舵杆465と、操舵杆465の両端に形成された左右一対の把持部466,466を具備している。
【0043】
さらに、操舵部460の操舵杆465と、先端寄り支持棒部430のフランジ部401との間には、一対の縦杆部470,470が配置されている。縦杆部470は、フランジ部401側においては回動自在に取り付けられている。また、縦杆部470は、操舵杆465側においては、縦杆部470に形成された縦長状の長孔部471に操舵杆465から突き出された係止ピン部480が挿通されることによって上下摺動自在に遊嵌されている。
【0044】
なお、軸部側先端寄り圧接部350を介して軸部310に固定された先端寄り支持部410と、先端寄り支持棒部400と、先端寄り横コイルスプリング部420と、基端寄り支持棒部430と、基端寄り支持部440と、基端寄り横コイルスプリング部450と、縦杆部470とによって、操舵時(使用時)に操舵部460が軸部310の軸周りに回転してしまうことを防止する回転抑制機構500が構成されている。
【0045】
また、振動抑制部380及び回転抑制機構500によって、操舵部連結構造600が構成されている。
【0046】
かかる草刈り機2は、本体部320を駆動源として回転刃322を回転させて草刈り作業を行うにあたり、操舵部460の把持部466を把持して作業を行うが、回転部321の駆動状態で回転刃322や本体部320から発せられる振動や衝撃は、操舵部460には伝播しにくいものとなる。すなわち、操舵部460は本体部320や回転刃322が直接接続された軸部310に直接取り付けられている構成でなく、基端寄りコイルスプリング部材360、先端寄りコイルスプリング部材370、先端寄り横コイルスプリング部420、及び基端寄り横コイルスプリング部450を介して軸部310に取り付けられている。したがって、基端寄りコイルスプリング部材360、先端寄りコイルスプリング部材370、先端寄り横コイルスプリング部420、及び基端寄り横コイルスプリング部450が、操舵部460に伝達される振動や衝撃を吸収することにより、作業者に振動が伝播しにくい構成となっている。
【0047】
上記実施例において、各部の寸法形状は適宜自由に選択可能である。
本発明は草刈り機1以外にも、軸部10の振動や衝撃を操舵部30に伝播させたくない装置全般に適用可能である。
例えば把持部36は操舵杆35の1個に対して左右一対の2個設ける必要はなく、把持部36が1個であっても構わない。
把持部36は人の手以外にも、例えばロボットアーム等によって把持される構成であっても構わない。
また、上記した構成のほか、軸部10,310に対して、前後、左右、及び上下の各方向(X,Y,Z方向)に沿って振動抑制部が設けられているような構成としてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1,2 草刈り機
10,310 軸部
20,320 本体部
21,321 回転部(機械部)
22,322 回転刃
30,460 操舵部
31,331 挿通部
31a,331a 基端部
31b,331b 先端部
35,465 操舵杆
36,466 把持部
40,340 軸部側基端寄り圧接部
50,350 軸部側先端寄り圧接部
60,360 基端寄りコイルスプリング部材
70,370 先端寄りコイルスプリング部材
80,380 振動抑制部
100 支持部
110 回転抑制用コイルスプリング部
120 操舵杆側位置決め部
130 支持部側位置決め部
150,500 回転抑制機構
200,600 操舵部連結構造
400 先端寄り支持棒部
401 フランジ部
410 先端寄り支持部
411 貫通孔
420 先端寄り横コイルスプリング部
430 基端寄り支持棒部
431 フランジ部
440 基端寄り支持部
441 貫通孔
450 基端寄り横コイルスプリング部
470 縦杆部
471 長孔部
480 係止ピン部

図1
図2
図3
図4
図5
図6