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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009169
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】皮膚用アルコール消毒剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A01N 31/02 20060101AFI20250110BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20250110BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20250110BHJP
   A61K 8/365 20060101ALI20250110BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20250110BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20250110BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20250110BHJP
   A61K 31/045 20060101ALI20250110BHJP
   A61K 31/047 20060101ALI20250110BHJP
   A61K 31/19 20060101ALI20250110BHJP
   A61K 31/4164 20060101ALI20250110BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20250110BHJP
   A01N 25/00 20060101ALI20250110BHJP
   A01N 25/02 20060101ALI20250110BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20250110BHJP
【FI】
A01N31/02
A61P31/04
A61K8/34
A61K8/365
A61K8/49
A61K8/36
A61Q19/00
A61K31/045
A61K31/047
A61K31/19
A61K31/4164
A61K45/00
A01N25/00 101
A01N25/02
A01P3/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023111984
(22)【出願日】2023-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002620
【氏名又は名称】弁理士法人大谷特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅岡 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】坂本 有紀
(72)【発明者】
【氏名】岡田 安弘
【テーマコード(参考)】
4C083
4C084
4C086
4C206
4H011
【Fターム(参考)】
4C083AC101
4C083AC102
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC182
4C083AC301
4C083AC302
4C083AC422
4C083AC692
4C083AC851
4C083AD042
4C083AD282
4C083AD532
4C083BB04
4C083BB51
4C083CC02
4C083EE10
4C083EE11
4C084AA22
4C084MA02
4C084NA05
4C084NA12
4C084ZA89
4C084ZB35
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC38
4C086MA03
4C086MA05
4C086NA05
4C086NA07
4C086NA12
4C086ZA89
4C086ZB35
4C206AA01
4C206AA02
4C206CA03
4C206CA05
4C206DA02
4C206DA07
4C206MA03
4C206MA05
4C206NA05
4C206NA07
4C206NA12
4C206ZA89
4C206ZB35
4H011AA01
4H011BA01
4H011BA03
4H011BA05
4H011BB03
4H011BC03
4H011BC06
4H011BC19
4H011DA13
4H011DC05
4H011DG05
4H011DH03
4H011DH10
(57)【要約】
【課題】優れた抗菌持続性を有し、且つ皮膚に対する刺激が少なく手荒れ抑制効果にも優れる皮膚用アルコール消毒剤組成物を提供する。
【解決手段】成分(A):エタノール及び/又はイソプロパノール、成分(B):(OH基数/C原子数)<1を満たすポリオール、並びに、成分(C):乳酸、ピルビン酸及びウロカニン酸からなる群から選ばれる1種以上の酸又はその塩を含有する皮膚用アルコール消毒剤組成物であって、前記成分(A)の含有量が40質量%以上95質量%以下であり、前記成分(B)の含有量が2.5質量%以上10質量%以下であり、前記成分(C)の含有量が0.10質量%以上2.0質量%以下であり、25℃におけるpHが4.0以上6.5以下である、皮膚用アルコール消毒剤組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分(A):エタノール及び/又はイソプロパノール、
成分(B):(OH基数/C原子数)<1を満たすポリオール、並びに、
成分(C):乳酸、ピルビン酸及びウロカニン酸からなる群から選ばれる1種以上の酸又はその塩
を含有する皮膚用アルコール消毒剤組成物であって、
前記成分(A)の含有量が40質量%以上95質量%以下であり、
前記成分(B)の含有量が2.5質量%以上10質量%以下であり、
前記成分(C)の含有量が0.10質量%以上2.0質量%以下であり、
25℃におけるpHが4.0以上6.5以下である、皮膚用アルコール消毒剤組成物。
【請求項2】
前記成分(B)が、(OH基数/C原子数)が0.45超のポリオール(b-1)と、(OH基数/C原子数)が0.45以下のポリオール(b-2)とを含有する、請求項1に記載の皮膚用アルコール消毒剤組成物。
【請求項3】
前記ポリオール(b-2)に対する前記ポリオール(b-1)の質量比[(b-1)/(b-2)]が、0.05以上3.0以下である、請求項2に記載の皮膚用アルコール消毒剤組成物。
【請求項4】
前記成分(C)に対する前記成分(B)の質量比[(B)/(C)]が、1.5以上7.5以下である、請求項1~3のいずれかに記載の皮膚用アルコール消毒剤組成物。
【請求項5】
さらに成分(D):炭素数12の親油基を有し、HLBが8.9以上17.0以下であるノニオン性界面活性剤
を含有し、
成分(D)の含有量が0.03質量%以上2.0質量%以下である、請求項1~4のいずれかに記載の皮膚用アルコール消毒剤組成物。
【請求項6】
前記成分(D)に対する前記成分(B)の質量比[(B)/(D)]が、3.0以上90以下である、請求項5に記載の皮膚用アルコール消毒剤組成物。
【請求項7】
さらに成分(E):カチオン系殺菌剤、ヨウ素系殺菌剤、フェノール系殺菌剤、ビグアナイド系殺菌剤、テルペノイド系殺菌剤、塩素系殺菌剤、及び両性界面活性剤系殺菌剤からなる群から選ばれる1種以上
を含有し、
成分(E)の含有量が0.01質量%以上0.5質量%以下である、請求項1~6のいずれかに記載の皮膚用アルコール消毒剤組成物。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の皮膚用アルコール消毒剤組成物を皮膚に適用する工程を含む、皮膚の消毒方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚用アルコール消毒剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の調査によれば、人の日常生活、公共施設、医療及び介護の現場における菌又はウイルスの感染経路としては、接触感染が多いことが知られてきている。接触感染は主として、菌又はウイルスの感染者、ドアノブ、ハンドル、食器、玩具、その他日用品、内装品等の被接触物に手指が接触することにより起こる。
【0003】
手指を介しての菌又はウイルスの接触感染を予防する方法として、手指にアルコール系消毒剤等を適用して殺菌消毒する方法が知られている。
【0004】
例えば、特許文献1には、次の成分(A)、成分(B)及び成分(C):
(A):エタノール及び/又はイソプロパノール 40~95質量%
(B):水溶性多価アルコール 0.2~3質量%
(C):脂肪酸トリグリセリド 0.01~0.15質量%
を含有する手指消毒剤組成物が開示されている。
また、特許文献2には、(A)乳酸、ピルビン酸及びウロカニン酸からなる群から選ばれる1種以上の酸又はその塩、及び、(B)炭素数12の親油基を有し、HLBが8.0以上17.0以下であるノニオン性界面活性剤、を含有し、成分(A)の含有量が0.02質量%以上20.0質量%以下であり、成分(B)の含有量が0.006質量%以上5.0質量%以下であり、pHが3.5以上5.0以下である、リーブオン皮膚外用剤組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-219410号公報
【特許文献2】特開2022-33040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、アルコール系消毒剤は、揮発性が高く、手指に殺菌、殺ウイルス効果を付与するという観点では効果の持続性が充分に得られず、アルコールの蛋白変性作用によって手荒れを誘発することが問題になっていた。
特許文献1では、エタノール等のアルコールを含んだ組成物の手荒れ抑制効果についての検討は行われているが、抗菌持続性と手荒れ抑制効果との両立という観点については、改良の余地があった。また、特許文献2では、積極的にエタノール等のアルコールを含まない組成物の殺菌又は殺ウイルス活性についての検討は行われているが、エタノール等のアルコールを必須成分として含んだ組成物の抗菌持続性と手荒れ抑制効果との両立という観点については、改良の余地があった。
【0007】
そこで、本発明は、優れた抗菌持続性を有し、且つ皮膚に対する刺激が少なく手荒れ抑制効果にも優れる皮膚用アルコール消毒剤組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、特定のポリオールと特定の酸又はその塩とを特定量含有し、且つ、特定のpH範囲にある皮膚用アルコール消毒剤組成物が、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、
成分(A):エタノール及び/又はイソプロパノール、
成分(B):(OH基数/C原子数)<1を満たすポリオール、並びに、
成分(C):乳酸、ピルビン酸及びウロカニン酸からなる群から選ばれる1種以上の酸又はその塩
を含有する皮膚用アルコール消毒剤組成物であって、
成分(A)の含有量が40質量%以上95質量%以下であり、
成分(B)の含有量が2.5質量%以上10質量%以下であり、
成分(C)の含有量が0.10質量%以上2.0質量%以下であり、
25℃におけるpHが4.0以上6.5以下である、皮膚用アルコール消毒剤組成物に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、優れた抗菌持続性を有し、且つ皮膚に対する刺激が少なく手荒れ抑制効果にも優れる皮膚用アルコール消毒剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[定義]
本明細書において、「抗菌」とは、菌を殺す作用の意味、及び菌を殺さないが増殖を抑える作用の意味の両方を含む。また、「抗菌持続性」とは、組成物を皮膚に適用した後、一定以上の時間を経過しても抗菌活性を示すことを意味する。
【0011】
[皮膚用アルコール消毒剤組成物]
本発明の皮膚用アルコール消毒剤組成物(以下、単に「本発明の組成物」ともいう)は、
成分(A):エタノール及び/又はイソプロパノール、
成分(B):(OH基数/C原子数)<1を満たすポリオール、並びに、
成分(C):乳酸、ピルビン酸及びウロカニン酸からなる群から選ばれる1種以上の酸又はその塩
を含有する皮膚用アルコール消毒剤組成物であって、
前記成分(A)の含有量が40質量%以上95質量%以下であり、
前記成分(B)の含有量が2.5質量%以上10質量%以下であり、
前記成分(C)の含有量が0.10質量%以上2.0質量%以下であり、
25℃におけるpHが4.0以上6.5以下である。
【0012】
本発明によれば、優れた抗菌持続性を有し、且つ皮膚に対する刺激が少なく手荒れ抑制効果にも優れる皮膚用アルコール消毒剤組成物を提供することができる、という効果を奏する。
この理由は必ずしも定かではないが、以下のように考えられる。
成分(A)は、抗菌活性を有するものの、単独では揮発性が高く、皮膚に対する刺激性も高いことが知られている。
成分(B)は、(OH基数/C原子数)<1を満たすポリオールであり、ヒドロキシ基を含む親水部と、C原子を含む疎水部とを有する。該ポリオールの疎水部は、水の三次元水素結合ネットワークを歪ませるないし破壊することにより、抗菌活性を発現すると考えられる。一方、該ポリオールの親水部は、水分子との親和性が高く、皮膚に対する刺激性を緩和することができると考えられる。さらに成分(B)は、成分(A)よりも揮発性が低い特性も有している。
成分(C)は、乳酸、ピルビン酸及びウロカニン酸からなる群から選ばれる1種以上の酸又はその塩である。成分(C)は、抗菌活性を有しながらも、汗腺から供給されるなどして本来ヒトの皮膚上に存在する成分であることから、皮膚に対する刺激性を緩和することができると考えられる。
組成物中に成分(A)と成分(B)と成分(C)とを特定量組み合わせて含有させて、pHを特定範囲に調整すると、上記作用機構により、抗菌持続性と手荒れ抑制効果が向上すると考えられる。
【0013】
本発明の組成物が抗菌性を発現する対象となる菌としては、該組成物との接触により不活性化又は死滅するものであれば特に制限されず、例えば厚生労働省の保育所における感染症対策ガイドラインに記載の微生物を適用することができる。
具体的には、菌としてはグラム陽性細菌である炭疽菌、結核菌、溶血性レンサ球菌、黄色ブドウ球菌、肺炎球菌等、あるいはグラム陰性細菌であるセラチア菌、野兎病菌、ペスト菌、ブルセラ菌、鼻疽菌、コレラ菌、サルモネラ菌、赤痢菌、大腸菌、百日咳菌等が挙げられる。
なお、本実施例では、セラチア菌を例に挙げて抗菌性を評価しているが、本発明の組成物が消毒対象とする菌はこれに限定されない。
【0014】
また、本発明の組成物は、菌だけでなく、ウイルスに対しても使用することができる。該ウイルスとしては、エンベロープウイルスであるアレナウイルス、エボラウイルス、痘そうウイルス、ナイロウイルス、マールブルグウイルス、コロナウイルス、サル痘ウイルス、ベータコロナウイルス、インフルエンザウイルス、RSウイルス、ヘルペスウイルス、ムンプスウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス、風しんウイルス、麻しんウイルス等、及びノンエンベロープウイルスであるエンテロウイルス、アデノウイルス、コクサッキーウイルス、ノロウイルス、ロタウイルス等が挙げられる。
【0015】
<成分(A)>
本発明の組成物は、成分(A)としてエタノール及び/又はイソプロパノールを含有する。成分(A)は、抗菌成分として作用する。
【0016】
本発明の組成物中の前記成分(A)の含有量は、殺菌・抗菌活性の観点から、40質量%以上であり、好ましくは45質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは52質量%以上であり、また、95質量%以下であり、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下、よりさらに好ましくは70質量%以下、よりさらに好ましくは65質量%以下、よりさらに好ましくは60質量%以下である。
エタノール及びイソプロパノールを併用する場合、その混合比は、エタノール/イソプロパノール(質量比)が、好ましくは50/50~99/1、より好ましくは80/20~99/1である。
【0017】
<成分(B)>
本発明の組成物は、成分(B)として(OH基数/C原子数)<1を満たすポリオールを含有する。成分(B)は、皮膚に対する刺激を少なくし手荒れを抑制する観点、抗菌活性及びその持続効果向上の観点から、(OH基数/C原子数)が0.45超のポリオール(b-1)と、(OH基数/C原子数)が0.45以下のポリオール(b-2)とを含有することが好ましい。
ポリオール(b-1)は、皮膚に対する刺激を少なくし手荒れ抑制に寄与するだけでなく、ポリオール(b-2)と共に存在することにより、抗菌成分であるポリオール(b-2)の揮発を抑制し、ポリオール(b-2)の抗菌活性及びその持続効果向上に寄与することができる。
【0018】
(ポリオール(b-1))
ポリオール(b-1)の(OH基数/C原子数)は、皮膚に対する刺激を少なくし手荒れを抑制する観点、及び抗菌成分であるポリオール(b-2)の揮発を抑制する観点から、0.45超であり、好ましくは0.46以上、より好ましくは0.47以上、さらに好ましくは0.48以上であり、また、1未満であり、より好ましくは0.9以下、さらに好ましくは0.8以下、よりさらに好ましくは0.7以下である。
【0019】
ポリオール(b-1)は、皮膚に対する刺激を少なくし手荒れを抑制する観点、及び抗菌成分であるポリオール(b-2)の揮発を抑制する観点から、低分子化合物であることが好ましい。ポリオール(b-1)の分子量は、好ましくは1,000以下、より好ましくは800以下、さらに好ましくは500以下、よりさらに好ましくは200以下、よりさらに好ましくは150以下であり、また、好ましくは50以上、より好ましくは60以上、さらに好ましくは70以上、よりさらに好ましくは80以上である。
【0020】
ポリオール(b-1)のC原子数は、皮膚に対する刺激を少なくし手荒れを抑制する観点、及び抗菌成分であるポリオール(b-2)の揮発を抑制する観点から、好ましくは3以上、より好ましくは4以上であり、また、好ましくは24以下、より好ましくは18以下、さらに好ましくは12以下、よりさらに好ましくは8以下、よりさらに好ましくは6以下である。
またポリオール(b-1)のOH基数は、皮膚に対する刺激を少なくし手荒れを抑制する観点、及び抗菌成分であるポリオール(b-2)の揮発を抑制する観点から、好ましくは2以上6以下であり、より好ましくは2以上5以下、さらに好ましくは2以上4以下であり、よりさらに好ましくは2である。
【0021】
ポリオール(b-1)は、鎖状ポリオール、環状構造を有するポリオールが挙げられ、これらのいずれも用いることができるが、皮膚に対する刺激を少なくし手荒れを抑制する観点、及び抗菌成分であるポリオール(b-2)の揮発を抑制する観点から、好ましくは鎖状ポリオールであり、より好ましくは鎖状ジオール又は鎖状トリオールであり、さらに好ましくは鎖状ジオールである。なお、鎖状ポリオールにおいて、OH基の結合位置は特に制限されない。
【0022】
ポリオール(b-1)として用いられる鎖状ポリオールとしては、例えば、プロピレングリコール(1,2-プロパンジオール)(0.67)、1,3-プロパンジオール(0.67)、1,2-ブチレングリコール(0.5)、1,3-ブチレングリコール(0.5)、1,4-ブチレングリコール(0.5)、2,3-ブタンジオール(0.5)等の直鎖状ジオール;
1,2,3-ブタントリオール(0.75)、1,2,4-ブタントリオール(0.75)、1,2,5-ペンタントリオール(0.6)、1,2,6-ヘキサントリオール(0.5)等の直鎖状トリオール;
2-メチル-1,3-プロパンジオール(0.5)等の分岐鎖状ジオール又はトリオール;
(OH基数/C原子数)が0.45超で1未満であるマルチトール(0.75)、ラクチトール(0.75)、イソマルトース(0.66)等の糖アルコール;
(OH基数/C原子数)が0.45超で1未満であるポリグリセリン等のポリマー;
等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を含有することができる。
なお、カッコ内の数値は(OH基数/C原子数)の値を示す。
【0023】
上記の中でも、皮膚に対する刺激を少なくし手荒れを抑制する観点、及び抗菌成分であるポリオール(b-2)の揮発を抑制する観点から、ポリオール(b-1)は、好ましくはプロピレングリコール(1,2-プロパンジオール)、1,3-ブチレングリコール、1,2,6-ヘキサントリオール、及び1,4-ブチレングリコールからなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはプロピレングリコール(1,2-プロパンジオール)、及び1,3-ブチレングリコールからなる群から選ばれる1種以上であり、さらに好ましくは1,3-ブチレングリコールである。
【0024】
(ポリオール(b-2))
ポリオール(b-2)の(OH基数/C原子数)は、抗菌活性及びその持続効果向上の観点から、0.45以下であり、好ましくは0.40以下、より好ましくは0.35以下であり、また、好ましくは0.10以上、より好ましくは0.15以上、さらに好ましくは0.17以上である。
【0025】
ポリオール(b-2)は、抗菌活性及びその持続効果向上の観点から、低分子化合物であることが好ましい。具体的には、ポリオール(b-2)の分子量は、好ましくは1,000以下、より好ましくは800以下、さらに好ましくは500以下、よりさらに好ましくは200以下、よりさらに好ましくは150以下であり、また、好ましくは70以上、より好ましくは80以上、さらに好ましくは90以上、よりさらに好ましくは100以上である。
【0026】
ポリオール(b-2)のC原子数は、C原子を含む疎水部が水の三次元水素結合ネットワークを歪ませるないし破壊する観点から、好ましくは5以上、より好ましくは6以上であり、また、好ましくは24以下、より好ましくは20以下、さらに好ましくは16以下、よりさらに好ましくは12以下、よりさらに好ましくは11以下である。
またポリオール(b-2)のOH基数は、抗菌活性及びその持続効果向上の観点から、好ましくは2以上5以下であり、より好ましくは2以上4以下、さらに好ましくは2以上3以下であり、よりさらに好ましくは2である。
【0027】
ポリオール(b-2)は、鎖状ポリオール、環状構造を有するポリオールが挙げられ、これらのいずれも用いることができるが、C原子を含む疎水部が水の三次元水素結合ネットワークを歪ませるないし破壊する観点から、好ましくは鎖状ポリオールであり、より好ましくは鎖状ジオール又は鎖状トリオールであり、さらに好ましくは鎖状ジオールである。なお、鎖状ポリオールにおいて、OH基の結合位置は特に制限されない。
【0028】
ポリオール(b-2)として用いられる鎖状ポリオールとしては、例えば、ジプロピレングリコール(0.33)、トリプロピレングリコール(0.22)、1,2-ペンタンジオール(0.44)、1,5-ペンタンジオール(0.44)、1,2-ヘキサンジオール(0.33)、2,5-ヘキサンジオール(0.33)、1,6-ヘキサンジオール(0.33)、1,2-ヘプタンジオール(0.29)、1,7-ヘプタンジオール(0.29)、1,2-オクタンジオール(0.25)、1,8-オクタンジオール(0.25)、1,2-ノナンジオール(0.22)、1,9-ノナンジオール(0.22)、1,2-デカンジオール(0.2)、1,10-デカンジオール(0.2)、1,2-ドデカンジオール(0.17)、1,12-ドデカンジオール(0.17)、1,2-テトラデカンジオール(0.14)、1,2-ヘキサデカンジオール(0.13)、1,16-ヘキサデカンジオール(0.13)等の直鎖状ジオール;
1,2,7-ヘプタントリオール(0.43)、1,2,8-オクタントリオール(0.38)、1,2,9-ノナントリオール(0.33)、1,2,10-デカントリオール(0.3)等の直鎖状トリオール;
2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(0.4)、3-メチル-1,3-ブタンジオール(0.4)、2-メチルペンタン-2,4-ジオール(0.33)、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール(0.25)、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール(0.22)、3-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,2-プロパンジオール(0.18)、(ラウリル/ミリスチル)グリコールヒドロキシプロピルエーテル(0.12~0.13)、3,7,11,15-テトラメチルヘキサデカン-1,2,3-トリオール(0.15)等の分岐鎖状ジオール又はトリオール;及び、
(OH基数/C原子数)が0.45以下であるポリエチレングリコール等のポリマー;等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を含有することができる。
なお、カッコ内の数値は(OH基数/C原子数)の値を示す。
【0029】
上記の中でも、抗菌活性及びその持続効果向上の観点から、ポリオール(b-2)は、好ましくはジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,2-ノナンジオール、1,9-ノナンジオール、1,2-デカンジオール、1,10-デカンジオール、1,2-ドデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,2,10-デカントリオール、2-メチルペンタン-2,4-ジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、3-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,2-プロパンジオール、及びポリエチレングリコールからなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはジプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2,10-デカントリオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、及び3-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,2-プロパンジオールからなる群から選ばれる1種以上であり、さらに好ましくはジプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、及び3-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,2-プロパンジオールからなる群から選ばれる1種以上であり、よりさらに好ましくはジプロピレングリコール、及び3-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,2-プロパンジオールからなる群から選ばれる1種以上であり、よりさらに好ましくはジプロピレングリコールである。
【0030】
本発明の組成物中の前記成分(B)の含有量は、抗菌持続性、及び手荒れ抑制効果の観点から、2.5質量%以上であり、好ましくは2.7質量%以上、より好ましくは2.8質量%以上、さらに好ましくは2.9質量%以上、さらにより好ましくは3.0質量%以上、さらにより好ましくは3.1質量%以上であり、また、10質量%以下であり、好ましくは9質量%以下、より好ましくは8質量%以下、さらに好ましくは7質量%以下である。
【0031】
本発明の組成物は、前記成分(B)以外のポリオール、すなわち、(OH基数/C原子数)が1以上の成分(B’)(例えばグリセロール)を含有してもよい。
(OH基数/C原子数)が1以上の成分(B’)の含有量は、抗菌活性及びその持続効果向上の観点から、成分(B)100質量部に対して、好ましくは30質量部以下、より好ましくは25質量部以下、さらに好ましくは20質量部以下、よりさらに好ましくは16質量部以下である。
【0032】
ポリオール(b-2)に対するポリオール(b-1)の質量比[(b-1)/(b-2)]は、皮膚に対する刺激を少なくし手荒れを抑制する観点、及び抗菌成分であるポリオール(b-2)の揮発を抑制する観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.03以上、さらに好ましくは0.05以上、よりさらに好ましくは0.08以上であり、また、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.5以下、さらに好ましくは2.0以下、よりさらに好ましくは1.5以下である。
【0033】
<成分(C)>
本発明の組成物は、成分(C)として乳酸、ピルビン酸及びウロカニン酸からなる群から選ばれる1種以上の酸又はその塩を含有する。
【0034】
乳酸、ピルビン酸及びウロカニン酸の塩としては、乳酸、ピルビン酸及びウロカニン酸の、カリウム塩、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アミン塩;アンモニウム塩等が挙げられる。これらの中でも、抗菌活性及びその持続効果向上の観点、及び皮膚に対する刺激を少なくし手荒れを抑制する観点から、乳酸、ピルビン酸及びウロカニン酸の、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩からなる群から選ばれる1種以上が好ましく、乳酸、ピルビン酸及びウロカニン酸の、カリウム塩、ナトリウム塩、及びカルシウム塩からなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、乳酸カリウム、乳酸ナトリウム、及び乳酸カルシウムからなる群から選ばれる1種以上がさらに好ましい。
【0035】
成分(C)としては、抗菌活性及びその持続効果向上の観点、及び皮膚に対する刺激を少なくし手荒れを抑制する観点から、乳酸、及びその塩からなる群から選ばれる1種以上が好ましく、乳酸、乳酸カリウム、乳酸ナトリウム、及び乳酸カルシウムからなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、乳酸、及び乳酸ナトリウムから選ばれる1種以上がさらに好ましく、乳酸、及び乳酸ナトリウムがさらにより好ましい。
【0036】
本発明の組成物中の前記成分(C)の含有量は、抗菌持続性、及び手荒れ抑制効果の観点から、0.10質量%以上であり、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは0.7質量%以上、よりさらに好ましくは0.9質量%以上であり、また、2.0質量%以下であり、好ましくは1.9質量%以下、より好ましくは1.8質量%以下、さらに好ましくは1.7質量%以下、よりさらに好ましくは1.6質量%以下、よりさらに好ましくは1.5質量%以下である。
【0037】
乳酸、及びその塩を併用する場合、乳酸/その塩(質量比)は、抗菌活性及びその持続効果向上の観点、及び皮膚に対する刺激を少なくし手荒れを抑制する観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは2.5以上、さらに好ましくは0.4以上、よりさらに好ましくは0.6以上、よりさらに好ましくは0.8以上、よりさらに好ましくは1.5以上、また、好ましくは20以下、より好ましくは15以下、さらに好ましくは10以下、よりさらに好ましくは8以下、よりさらに好ましくは6以下である。
【0038】
成分(C)全量中における、乳酸、及びその塩の合計含有量は、抗菌活性及びその持続効果向上の観点、及び皮膚に対する刺激を少なくし手荒れを抑制する観点から、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上、さらにより好ましくは100質量%である。
【0039】
成分(C)に対する成分(B)の質量比[成分(B)/成分(C)]は、皮膚に対する刺激を少なくし手荒れを抑制する観点、及び抗菌成分であるポリオール(b-2)の揮発を抑制する観点から、好ましくは1以上、より好ましくは1.5以上、さらに好ましくは2.0以上、よりさらに好ましくは2.5以上、よりさらに好ましくは3.0以上であり、また、好ましくは7.5以下、より好ましくは7.0以下、さらに好ましくは6.5以下、よりさらに好ましくは6.0以下である。
【0040】
<成分(D)>
本発明の組成物は、さらに成分(D)として、炭素数12の親油基を有し、HLB(親水性-親油性のバランス;Hydrophilic-Lypophilic Balance)が8.9以上17.0以下であるノニオン性界面活性剤を含有することが好ましい。
【0041】
成分(D)における、炭素数12の親油基としては、炭素数12の1価アルコール残基又は炭素数12の脂肪酸残基が挙げられる。抗菌活性及びその持続効果向上の観点から、炭素数12の親油基は、直鎖脂肪族基を有する基であることが好ましく、該直鎖脂肪族基は、直鎖飽和脂肪族基であることがより好ましい。
より詳細には、成分(D)における炭素数12の親油基としては、抗菌活性及びその持続効果向上の観点から、R11-O-、R12-COO-、及びR12-CONH-で表される基からなる群から選ばれる1種以上が好ましく、R11-O-及びR12-COO-で表される基からなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、R11-O-で表される基であることがさらに好ましい。ここで、R11は炭素数12の脂肪族基であり、R12は炭素数11の脂肪族基である。
11及びR12における脂肪族基は、抗菌活性及びその持続効果向上の観点から、好ましくは直鎖脂肪族基であり、より好ましくは直鎖飽和脂肪族基である。
【0042】
成分(D)は、炭素数12の親油基を1つのみ有していてもよく、2以上有していてもよい。抗菌活性及びその持続効果向上の観点から、成分(D)は炭素数12の親油基を1つのみ有するノニオン性界面活性剤が主成分であることが好ましい。ここでいう「主成分」とは、成分(D)中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上を占めることを意味し、100質量%であってもよい。
【0043】
成分(D)の具体例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ショ糖ラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンラウリン酸エステル、ポリグリセリルラウリルエーテル、ラウリン酸ポリグリセリル、ラウリルグルコシド、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンソルビタンラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビットラウリン酸エステル等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、抗菌活性及びその持続効果向上の観点から、成分(D)は、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ショ糖ラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンラウリン酸エステル、ポリグリセリルラウリルエーテル、ラウリン酸ポリグリセリル、ラウリルグルコシド、及びポリオキシエチレンラウリルアミンからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
【0044】
上記のうち、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンソルビタンラウリン酸エステル、及びポリオキシエチレンソルビットラウリン酸エステルからなる群から選ばれる1種以上が好ましく、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリン酸エステル、及びポリオキシエチレンラウリルアミンからなる群から選ばれる1種以上がより好ましい。これらのオキシエチレン基の平均付加モル数(以下、「EO平均付加モル数」という)は、組成物の溶解性及び安定性を向上させる観点から、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、さらに好ましくは5以上、よりさらに好ましくは7以上であり、抗菌活性及びその持続効果向上の観点、及び所望のHLB値を得る観点から、好ましくは25以下、より好ましくは24以下、さらに好ましくは23以下、よりさらに好ましくは22以下である。なお、EO平均付加モル数は数平均値である。
【0045】
成分(D)は、組成物の溶解性及び安定性を向上させる観点から、HLBが、好ましくは8.9以上、より好ましくは9.0以上、より好ましくは10.0以上、さらに好ましくは11.0以上、よりさらに好ましくは12.0以上であり、また、好ましくは18.0以下、より好ましくは17.5以下、さらに好ましくは17.0以下、よりさらに好ましくは16.8以下である。
HLB(親水性-親油性のバランス;Hydrophilic-Lypophilic Balance)は、ノニオン性界面活性剤の全分子量に占める親水基部分の分子量の割合を示すものであり、次のグリフィン(Griffin)の式により求められる。
HLB=20×(ノニオン性界面活性剤分子量中の親水基部の分子量/ノニオン性界面活性剤分子量)
【0046】
本発明の組成物中の前記成分(D)の含有量は、抗菌持続性、及び手荒れ抑制効果の観点から、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.03質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上、よりさらに好ましくは0.08質量%以上、よりさらに好ましくは0.15質量%以上であり、また、好ましくは2.0質量%以下であり、より好ましくは1.8質量%以下、さらに好ましくは1.5質量%以下、よりさらに好ましくは1.2質量%以下、よりさらに好ましくは1.0質量%以下、よりさらに好ましくは0.8質量%以下である。
【0047】
成分(D)に対する成分(B)の質量比[成分(B)/成分(D)]は、抗菌活性及びその持続効果向上の観点、及び皮膚に対する刺激を少なくし手荒れを抑制する観点から、好ましくは3.0以上、より好ましくは5.0以上、さらに好ましくは8.5以上、よりさらに好ましくは10.0以上、よりさらに好ましくは15.0以上であり、また、好ましくは90以下、より好ましくは80以下、さらに好ましくは70以下、よりさらに好ましくは50以下、よりさらに好ましくは40以下、よりさらに好ましくは35以下である。
【0048】
<成分(E)>
本発明の組成物は、さらに成分(E)として、アルコール系以外の殺菌剤を含有することが好ましい。
【0049】
成分(E)としては、カチオン殺菌剤、ヨウ素系殺菌剤、フェノール系殺菌剤、ビグアナイド系殺菌剤、テルペノイド系殺菌剤、塩素系殺菌剤、及び両性界面活性剤系殺菌剤からなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。
【0050】
カチオン殺菌剤としては、塩化セチルピリジニウム等のアルキル基の炭素数が8~18のアルキルピリジニウム塩、塩化ベンゼトニウム等のベンゼトニウム塩、アルキル基の炭素数が8~18のアルキルベンジルジメチルアンモニウム塩(塩化ベンザルコニウム)、塩化ジデシルジメチルアンモニウム等のアルキル基の炭素数が8~12のジアルキルジメチルアンモニウム塩等の第四級アンモニウム塩化合物が挙げられる。ここで塩は、塩素塩、メチル硫酸塩、エチル硫酸塩等を挙げることができ、塩素塩が好ましい。
ヨウ素系殺菌剤としては、ポビドンヨード、ポリビニルアルコールヨード、シクロデキストリンヨード等が挙げられる。
フェノール系殺菌剤としては、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、フェノキシエタノール等が挙げられる。
ビグアナイド系殺菌剤としては、クロルヘキシジングルコン酸塩等が挙げられる。
テルペノイド系殺菌剤としては、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸ステアリル、β-グリチルレチン酸等が挙げられる。
塩素系殺菌剤としては、次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、塩素化イソシアヌル酸等が挙げられる。
両性界面活性剤系殺菌剤としては、アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩、アルキルポリアミノエチルグリシン等が挙げられる。
【0051】
成分(E)は、1種又は2種以上を用いることができる。
上記の中でも、抗菌活性及びその持続効果向上の観点、及び皮膚に対する刺激を少なくし手荒れを抑制する観点から、成分(E)としては、好ましくはカチオン殺菌剤、ヨウ素系殺菌剤、フェノール系殺菌剤、及びビグアナイド系殺菌剤からなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはカチオン殺菌剤、ヨウ素系殺菌剤、及びビグアナイド系殺菌剤からなる群から選ばれる1種以上である。
これらの中でも、より好ましくは塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ポビドンヨード、及びクロルヘキシジングルコン酸塩からなる群から選ばれる1種以上であり、さらに好ましくはアルキル基の炭素数が8~16の塩化ベンザルコニウムである。
【0052】
本発明の組成物中の前記成分(E)の含有量は、抗菌持続性、及び手荒れ抑制効果の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上、さらに好ましくは0.03質量%以上、よりさらに好ましくは0.04質量%以上であり、また、好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、さらに好ましくは1.0質量%以下、よりさらに好ましくは0.5質量%以下、よりさらに好ましくは0.3質量%以下、よりさらに好ましくは0.1質量%以下である。
【0053】
<その他の成分>
本発明の組成物は、前記成分(A)~成分(E)の他に、下記成分(F)、成分(G)、成分(H)を含有させることもできる。
成分(F)は、感触向上剤であり、例えば、中鎖脂肪酸トリグリセリドやミリスチン酸イソプロピルをはじめとするエステル系油剤、イソドデカンや水添ポリイソブテン、スクワラン、スクワレン、流動パラフィンをはじめとする炭化水素系油剤、シクロペンタシロキサンやメチルポリシロキサン、ジメチコンをはじめとするシリコーン系油剤等が挙げられる。
成分(G)は、皮膚保護剤であり、例えば、グリチルレチン酸、ニコチン酸アミド、セラミド、疑似セラミド、アラントイン、ヒアルロン酸塩、尿素、酢酸トコフェロール、グリチルリチン酸ジカリウム等が挙げられる。
成分(H)は、増粘剤であり、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースをはじめとするセルロース系増粘剤、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(ポリクオタニウム)をはじめとするビニル系増粘剤、でんぷん、寒天、ゼラチン、グアーガム、キサンタンガム、カラギーナン等が挙げられる。
【0054】
本発明の組成物中の前記成分(F)の含有量は、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.008質量%以上、さらに好ましくは0.01質量%以上であり、また、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。
本発明の組成物中の前記成分(G)の含有量は、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.008質量%以上、さらに好ましくは0.01質量%以上であり、また、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。
本発明の組成物中の前記成分(H)の含有量は、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.08質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、また、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。
【0055】
本発明の組成物は、さらに、それ以外の成分として、例えば、pH調整剤(塩酸、水酸化ナトリウム等)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、制汗剤、香料、保湿剤(成分(B)、成分(G)を除く)、抗炎症剤等を含有させることもできる。
【0056】
<水>
本発明の組成物は、成分(A)~(C)を溶解又は分散させる観点、及び皮膚表面等の対象物に適用し易くする観点から、さらに水を含有することが好ましい。
本発明の組成物が水を含有する場合、該組成物中の水の含有量は、剤型によっても異なるが、成分(A)~(C)を溶解又は分散させる観点、対象物に適用し易くする観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは25質量%以上、よりさらに好ましくは30質量%以上であり、また、好ましくは57質量%以下、よりさらに好ましくは50質量%以下、よりさらに好ましくは45質量%以下である。
なお、本発明の組成物中の水の含有量は、成分(A)~(C)の残部であってもよい。
【0057】
<pH>
本発明の組成物の25℃におけるpHは、抗菌持続性の観点から、4.0以上であり、好ましくは4.1以上、より好ましくは4.2以上、また、手荒れ抑制の観点から、6.5以下、より好ましくは6.0以下、さらに好ましくは5.5以下である。
本発明の組成物の25℃におけるpHは、具体的には実施例に記載の方法により測定できる。
【0058】
[皮膚の消毒方法]
本発明はまた、本発明の組成物を皮膚に適用する工程を含む、皮膚の消毒方法を提供することができる。
本発明の組成物を皮膚に適用する方法は適用部位等に応じて適宜選択でき、例えば、本発明の組成物を皮膚表面に塗布、噴霧等して適用することができる。
【0059】
前記方法においては、本発明の組成物を皮膚に適用した後に水洗等で該組成物を除去せず、皮膚表面に残留させることが好ましい。該組成物をリーブオン消毒剤組成物として用いて、成分(A)~(C)を皮膚表面に残留させることにより、抗菌持続性及び手荒れ抑制効果を発現させる。
【0060】
本発明の組成物を皮膚に適用する工程において、該組成物の適用量は特に制限されない。優れた抗菌持続性及び手荒れ抑制効果を発現させる観点からは、通常、両てのひらに対し、該組成物を好ましくは0.1mL以上5mL以下の範囲で適用する。
【0061】
本発明の組成物は、予め水、石鹸、ボディソープ、ハンドソープ等で皮膚を洗浄し、洗浄後の皮膚に適用してもよく、未洗浄の皮膚に適用することもできる。洗浄後の皮膚は、生来存在する皮膚の保護成分が洗い流され、外界に存在する菌やウイルスの防御力が低下している状態であることから、洗浄後の皮膚に該組成物を適用することがより好ましい。
【実施例0062】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されない。なお実施例において、各種測定及び評価は以下の方法により行った。
【0063】
(pH)
組成物のpHは、25℃において電極6367-10D((株)堀場製作所製)により測定した。
校正及び測定方法は以下のように行った。
pH 4.01標準液(フタル酸塩標準液)、pH 6.86(中性リン酸塩標準液)、pH 9.18標準液(ホウ酸塩標準液)をそれぞれ100mlビーカーに充填し、25℃の恒温槽内に30分間静置し、25℃の恒温に調整された各標準液のうち、先ず中性リン酸塩標準液にpH測定用電極を3分間浸す校正操作を行い、次いで、ホウ酸塩標準液、フタル酸塩標準液の順に同様の校正操作を行った。
試料となる組成物を100mlビーカーに充填し、25℃の恒温槽内に60分間以上静置し、25℃の恒温に調整された試料にpH測定用電極を3分間浸し、pHを測定した。
【0064】
[抗菌持続性の評価]
(菌液の調製)
抗菌持続性の評価には、下記方法により調製したセラチア菌(NBRC12648株)の菌液を用いた。
セラチア菌(NBRC12648株)を、滅菌済みカルチャーチューブ(ワトソン社、2332-012S)に入れた4mLのLB液体培地(富士フイルム和光純薬(株)製、LB培地「ダイゴ」)に播種し、37℃で16時間、振盪培養した。培養終了後、培養液を滅菌済みマイクロチューブ2本(ワトソン社、ハイパーマイクロチューブ132-620CS)に1.6mLずつ分注し、遠心分離機(トミー精工社製、MX-307)で、8000Gで3分間遠心分離を行った。次に、当該LB液体培地を除去した後、純水1.6mLを添加し、ボルテックスミキサー(ケニス社製「Vortex-Genie2」)で30秒間混合した後、遠心分離機で、8000Gで3分間遠心分離を行い、純水を除去する洗浄操作を2回行った。続いて、セラチア菌を回収した後、純水を用いてセラチア菌を懸濁した溶液が、分光光度計(エッペンドルフ社製、Eppendorf BioSpectrometer basic)を用いて波長600nmにおける濁度OD600が10になるように調整し、菌液を得た。
【0065】
〔a.皮膚用アルコール消毒剤組成物の抗菌活性(対数減少値)〕
被験者の前腕内側部を20℃の水道水で10秒間濡らし、「ビオレu Rg」(花王(株)製)1プッシュを適用し、30秒間前腕を擦り洗いし、20℃の水道水で30秒間濯いで洗浄した。25℃、60%RHの環境下、10分待機後、表1~2に記載の皮膚用アルコール消毒剤組成物を前腕内側部の皮膚表面(2.0cmの範囲)に一定量(6.0μL/cm)、均一に塗布した。
2時間静置し乾燥後、前記方法で調製した菌液を、皮膚用アルコール消毒剤適用後の皮膚表面に一定量(1.0μL/cm)、均一に塗布した。この状態で、10分間静置した後、カルチャースワブ2本と中和液(3g/L レシチン(富士フイルム和光純薬(株)製、レシチン,大豆由来)、20g/L Tween80(富士フイルム和光純薬(株)製、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)、0.02M リン酸水素二ナトリウム(富士フイルム和光純薬(株)製、リン酸水素二ナトリウム・12水和物)、0.01M リン酸二水素ナトリウム(富士フイルム和光純薬(株)製、リン酸二水素ナトリウム二水和物)、9g/L 塩化ナトリウム(シグマアルドリッチ社製、塩化ナトリウム、生化学用)水溶液)1.5mLを用いて塗布した菌液を回収した。
次いで、インキュベーションリーダー「HiTS」((株)サイニクス製)を用いて、下記方法により生存菌数を測定して、菌数の減少量(生存菌数/初期の生菌数)を確認した。
インキュベーションリーダー「HiTS」中で37℃にて液体培養し、波長600nmにおける吸光度(濁度)OD600を経時で測定して、菌液中の生菌数の増殖曲線を作成した。同時に既知の生菌数を有する菌液を段階希釈し、同様に培養及び増殖曲線の作成を行い、一定の濁度に到達する時間と生菌数との検量線を作成した。各サンプルの一定濁度に到達するまでの時間と検量線の関係より、回収した菌液中の生存菌数を推定し、菌数の減少量を確認した。
菌数の減少度合い(対数減少値)については、上記菌数減少量の-log値をとり、表1~2に「評価結果a」として示した。この値が大きいほど、抗菌活性が高いことを意味する。
【0066】
〔b.純水の抗菌活性(対数減少値)〕
表1~2に記載の皮膚用アルコール消毒剤組成物に替えて純水を用い、前記a.と同様の方法で抗菌活性を評価した(評価結果b)。
【0067】
さらに、評価結果aとbとの差分(a-b)を算出し、表1~2に示した。この差分(a-b)の値が大きいほど、皮膚用アルコール消毒剤組成物の抗菌性の持続効果が高いことを意味する。
【0068】
更に、抗菌持続性は、以下の基準で評価した。
A:差分(a-b)が2.5以上の場合、優れた抗菌持続性を有すると評価した。
B:差分(a-b)が1.8以上2.5未満の場合、抗菌持続性が実用上問題ないレベルであると評価した。
C:差分(a-b)が1.8未満の場合、抗菌持続性が低いと評価した。
【0069】
[皮膚刺激性の評価]
In vitro試験で皮膚刺激性を予測できることが知られている三次元皮膚モデルを用い、その生細胞率を算出して皮膚刺激性を評価した〔参考文献1:加藤ら、第22回日本動物実験代替法学会(2009年)、参考文献2:LabCyteエピモデル取扱説明書〕。三次元皮膚モデルとして、株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(略称J-TEC)製のLabCyte EPI-MODEL 24(ラボサイト エピ・モデル 24ウェル)(以降エピモデルと略す)を用いた。
本評価の操作は無菌状態で行った。エピモデルに同封されているアッセイ培地(以降アッセイ培地と略す。)をあらかじめ37℃に加温し、24個のウェルの各ウェルに0.5(mL)分注した。エピモデルをアッセイ培地が分注された24個のウェルに移し、37℃、5%COの嫌気条件下で1時間以上培養した。
その後各種サンプル溶液(皮膚用アルコール消毒剤組成物の原液)をエピモデルの表面に50(μL)添加し7分放置した。このときネガティブコントロールを生食で処理したものとした。その後溶液を廃棄し、0.5(mL)の生食で5回ウォッシュした。アッセイ培地を交換し、37℃、5%COの嫌気条件下で42時間培養した。アッセイ培地を廃棄後、37℃にあらかじめ加温した0.5(mg/mL)MTT(3-(4,5-Dimethyl-2-thiazolyl)-2,5-diphenyl-2H-tetrazolium bromide、関東化学(株)製)/DMEM培地(ギブコBRL)に置換し、37℃、5%COの嫌気条件下で3時間培養した。陰性対象のウェルが青紫色に染まっていることを確認後、ヒト表皮組織を採取した。表皮組織をマイクロチューブに加え、0.5(mL)のイソプロピルアルコール(以降IPAと略す。)(和光純薬工業(株)製)を添加し、4℃、暗所で1晩以上静置した。抽出溶液を0.2(mL)分取り、96ウェルに加えた(ブランクにIPAを同量添加)。サンプル、ネガティブコントロール(生食)、及びブランクのそれぞれについて、570(nm)、650(nm)の吸光度を測定し、570(nm)の吸光度の値から650(nm)の吸光度の値を差し引き、下記の計算式で用いる吸光度の値(Bs、Bn、Bb)に用いた。以下の式で生細胞率を算出した。この値が大きいほど、皮膚用アルコール消毒剤組成物の手荒れ抑制効果が高いことを意味する。
生細胞率(%)=100×(Bs-Bb)/(Bn-Bb)
【0070】
式中、
Bs:サンプル吸光度
Bn:ネガティブコントロール(生食)吸光度
Bb:ブランク(IPA単独)吸光度
【0071】
更に、皮膚刺激性は、以下の基準で評価した。
A:生細胞率が75%以上の場合、皮膚に対する刺激が少なく手荒れ抑制効果に特に優れると評価した。
B:生細胞率が55%以上75%未満の場合、皮膚に対する刺激が少なく手荒れ抑制効果が実用上問題ないレベルであると評価した。
C:生細胞率が55%未満の場合、皮膚に対する刺激が多く手荒れ抑制効果が低いと評価した。
【0072】
実施例1~13、比較例1~6
表1~2に示す量の各成分を配合し、室温にて混合した後、pH調整剤として濃度1mol/Lの塩酸水溶液及び/又は濃度1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを各表に記載の値に調整し、皮膚用アルコール消毒剤組成物を調製した。表1~2に記載した配合量は、各成分の有効成分量(質量%)である。
得られた皮膚用アルコール消毒剤組成物を用いて、前記方法により評価を行った。結果を表1~2に示す。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
表1~2に記載の成分は下記である。表に記載された配合量は有効分である。
<成分(A)>
a-1 エタノール:合同酒精(株)製「発酵アルコール95%1級」
<成分(B)>
b-1 1,3-ブチレングリコール:KHネオケム(株)製「1,3-ブチレングリコール-P」
b-2 ジプロピレングリコール:ADEKA(株)製「DPG-RF」
<成分(B’)>
b’-1 グリセロール:花王(株)製「日本薬局方グリセリン」
<成分(C)>
c-1 乳酸:(株)武蔵野化学研究所「ムサシノ乳酸90」
c-2 乳酸ナトリウム:(株)武蔵野化学研究所「乳酸ナトリウム液50%」
<成分(D)>
d-1 ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル:花王(株)製「エマルゲン109P」、HLB13.6、EO平均付加モル数9
d-2 ポリオキシエチレン(21)ラウリルエーテル:花王(株)製「エマルゲン121-G」、HLB16.6、EO平均付加モル数21
<成分(E)>
e-1 塩化ベンザルコニウム:花王(株)製「サニゾールC」、アルキル基の炭素数が8~16の直鎖アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド
<成分(F)>
f-1 中鎖脂肪酸トリグリセリド:花王(株)製「ココナードMT」、炭素数が8~10の脂肪酸とグリセリンのトリエステル体
<成分(G)>
g-1 グリチルレチン酸:アルプス薬品工業(株)製「グリチルレチン酸」
<成分(H)>
h-1 ヒドロキシプロピルセルロース:日本曹達(株)製「HPC-H」、重量平均分子量100万、粘度1000-4000mPa・s[20℃/2%水溶液]
<その他成分>
ニコチン酸アミド:有機合成薬品工業(株)製「ニコチン酸アミド」
【0076】
表1~2に示される結果から、以下のことが確認された。
実施例1~13では、抗菌持続性の評価も、手荒れ抑制効果の評価も、「B」以上の評価であり、優れた抗菌持続性を有し、且つ皮膚に対する刺激が少なく手荒れ抑制効果にも優れた皮膚用アルコール消毒剤組成物が得られることが確認された。
一方、比較例1~6では、抗菌持続性の評価、及び手荒れ抑制効果の評価のいずれか一方が「C」の評価であり、実施例1~13に比べて抗菌持続性又は手荒れ抑制効果が劣ることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明によれば、優れた抗菌持続性を有し、且つ皮膚に対する刺激が少なく手荒れ抑制効果にも優れる皮膚用アルコール消毒剤組成物を提供することができる。