IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シンクランド株式会社の特許一覧 ▶ 株式会社ファンケルの特許一覧

特開2025-92132培養器具、培養キット及び組織の培養方法
<>
  • 特開-培養器具、培養キット及び組織の培養方法 図1
  • 特開-培養器具、培養キット及び組織の培養方法 図2
  • 特開-培養器具、培養キット及び組織の培養方法 図3
  • 特開-培養器具、培養キット及び組織の培養方法 図4
  • 特開-培養器具、培養キット及び組織の培養方法 図5
  • 特開-培養器具、培養キット及び組織の培養方法 図6
  • 特開-培養器具、培養キット及び組織の培養方法 図7
  • 特開-培養器具、培養キット及び組織の培養方法 図8
  • 特開-培養器具、培養キット及び組織の培養方法 図9
  • 特開-培養器具、培養キット及び組織の培養方法 図10
  • 特開-培養器具、培養キット及び組織の培養方法 図11
  • 特開-培養器具、培養キット及び組織の培養方法 図12
  • 特開-培養器具、培養キット及び組織の培養方法 図13
  • 特開-培養器具、培養キット及び組織の培養方法 図14
  • 特開-培養器具、培養キット及び組織の培養方法 図15
  • 特開-培養器具、培養キット及び組織の培養方法 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025092132
(43)【公開日】2025-06-19
(54)【発明の名称】培養器具、培養キット及び組織の培養方法
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20250612BHJP
   C12N 1/00 20060101ALI20250612BHJP
【FI】
C12M1/00 C
C12N1/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023207815
(22)【出願日】2023-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】514277260
【氏名又は名称】シンクランド株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】593106918
【氏名又は名称】株式会社ファンケル
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100178847
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 映美
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】辛島 亨
(72)【発明者】
【氏名】木村 泰治
(72)【発明者】
【氏名】山口 俊二
(72)【発明者】
【氏名】東ヶ崎 健
【テーマコード(参考)】
4B029
4B065
【Fターム(参考)】
4B029AA01
4B029AA27
4B029BB11
4B029CC02
4B029DA10
4B029DG06
4B029GA02
4B029GA03
4B029GB02
4B029GB10
4B065AA90X
4B065AC17
4B065BC50
4B065CA44
(57)【要約】
【課題】組織培養を長期に継続可能とする培養器具を提供する。また、このような培養器具を備え、組織培養を長期に渡って継続しやすい培養キットを提供する。さらに、組織培養を長期に渡って継続しやすい組織の培養方法を提供する。
【解決手段】底部を有する筒状のセルカルチャーインサートと、セルカルチャーインサートに挿入され、底部の上面で培養される組織に培地を供給する供給部材と、を有し、供給部材は、培地が流動する流路を有する本体部と、セルカルチャーインサート内の供給部材の高さ位置を保持する保持部と、本体部の他端側において流路の開口部を覆って設けられたマイクロニードル部と、を有し、マイクロニードル部は、流路に連通するマイクロニードルを有し、マイクロニードルは、供給部材をセルカルチャーインサート内に挿入した姿勢において底部から離間し、組織に穿刺される培養器具。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部を有する筒状のセルカルチャーインサートと、
前記セルカルチャーインサートに挿入され、前記底部の上面で培養される組織に培地を供給する供給部材と、を有し、
前記供給部材は、前記培地が流動する流路を有する本体部と、
前記セルカルチャーインサート内の前記供給部材の高さ位置を保持する保持部と、
前記本体部の他端側において前記流路の開口部を覆って設けられたマイクロニードル部と、を有し、
前記マイクロニードル部は、前記流路に連通するマイクロニードルを有し、
前記マイクロニードルは、前記供給部材を前記セルカルチャーインサート内に挿入した姿勢において前記底部から離間し、前記組織に穿刺される培養器具。
【請求項2】
前記本体部の外側面に設けられ、前記本体部と前記セルカルチャーインサートの内面とを離間させる離間部を有する請求項1に記載の培養器具。
【請求項3】
前記本体部の一端側に接続され、前記流路と連通する供給管を有する請求項1又は2に記載の培養器具。
【請求項4】
前記本体部と前記供給管とを接続する接続部材を有する請求項3に記載の培養器具。
【請求項5】
前記接続部材は、前記本体部に設けられた第1接続部と、
前記供給管の端部に設けられた第2接続部と、を有し、
前記第1接続部と前記第2接続部とが合わさって前記本体部と前記供給管とを接続する請求項4に記載の培養器具。
【請求項6】
前記供給管を支持する支持部材を有する請求項3に記載の培養器具。
【請求項7】
前記マイクロニードル部は、前記本体部に対して交換可能に設けられている請求項1又は2に記載の培養器具。
【請求項8】
前記マイクロニードル部と交換可能な第2マイクロニードル部を有し、
前記第2マイクロニードル部が有するマイクロニードルは、前記マイクロニードル部が有するマイクロニードルと構成が異なる請求項7に記載の培養器具。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の培養器具と、
複数のウェルを備え、前記ウェルに培地を貯留するウェルプレートと、を有する培養キット。
【請求項10】
組織を培地に浸漬するとともに、前記組織の内部に配置した供給部材から前記組織の内部に培地を供給する組織の培養方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、培養器具、培養キット及び組織の培養方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生命科学の分野では、組織を培養し、得られた組織を用いて種々の研究が行われている。これらの組織は、通常、ウェルプレート等の培養容器に貯留された培地に浸漬された状態で培養されている。その際、培養される組織を、セルカルチャーインサートのメンブレン上に配置された状態で培養する方法が広く採用されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-141877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような従来の培養方法においては、培養する組織の周囲に配置された培地から組織に栄養素が供給される。そのため、成長した組織では、成長前の組織と比べ、培地から組織内部にまで培地(に含まれる栄養素)が届きにくいということが生じる。その結果、成長した組織では、組織の内部から壊死や炎症が生じ易く、実験の長期継続が困難となっていた。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、組織培養を長期に継続可能とする培養器具を提供することを目的とする。また、このような培養器具を備え、組織培養を長期に渡って継続しやすい培養キットを提供することを合わせて目的とする。さらに、組織培養を長期に渡って継続しやすい組織の培養方法を提供することを併せて目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、以下の態様を包含する。
【0007】
[1]底部を有する筒状のセルカルチャーインサートと、前記セルカルチャーインサートに挿入され、前記底部の上面で培養される組織に培地を供給する供給部材と、を有し、前記供給部材は、前記培地が流動する流路を有する本体部と、前記セルカルチャーインサート内の前記供給部材の高さ位置を保持する保持部と、前記本体部の他端側において前記流路の開口部を覆って設けられたマイクロニードル部と、を有し、前記マイクロニードル部は、前記流路に連通するマイクロニードルを有し、前記マイクロニードルは、前記供給部材を前記セルカルチャーインサート内に挿入した姿勢において前記底部から離間し、前記組織に穿刺される培養器具。
【0008】
[2]前記本体部の外側面に設けられ、前記本体部と前記セルカルチャーインサートの内面とを離間させる離間部を有する[1]に記載の培養器具。
【0009】
[3]前記本体部の一端側に接続され、前記流路と連通する供給管を有する[1]又は[2]に記載の培養器具。
【0010】
[4]前記本体部と前記供給管とを接続する接続部材を有する[3]に記載の培養器具。
【0011】
[5]前記接続部材は、前記本体部に設けられた第1接続部と、前記供給管の端部に設けられた第2接続部と、を有し、前記第1接続部と前記第2接続部とが合わさって前記本体部と前記供給管とを接続する[4]に記載の培養器具。
【0012】
[6]前記供給管を支持する支持部材を有する[3]から[5]のいずれか1項に記載の培養器具。
【0013】
[7]前記マイクロニードル部は、前記本体部に対して交換可能に設けられている[1]から[6]のいずれか1項に記載の培養器具。
【0014】
[8]前記マイクロニードル部と交換可能な第2マイクロニードル部を有し、前記第2マイクロニードル部が有するマイクロニードルは、前記マイクロニードル部が有するマイクロニードルと構成が異なる[7]に記載の培養器具。
【0015】
[9][1]から[8]のいずれか1項に記載の培養器具と、複数のウェルを備え、前記ウェルに培地を貯留するウェルプレートと、を有する培養キット。
【0016】
[10]組織を培地に浸漬するとともに、前記組織の内部に配置した供給部材から前記組織の内部に培地を供給する組織の培養方法。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、組織培養を長期に継続可能とする培養器具を提供することができる。また、このような培養器具を備え、組織培養を長期に渡って継続しやすい培養キットを提供することができる。さらに、組織培養を長期に渡って継続しやすい組織の培養方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、培養キット1000の概略斜視図である。
図2図2は、培養器具100の分解斜視図である。
図3図3は、培養器具100の分解断面図である。
図4図4は、マイクロニードル部25の断面図である。
図5図5は、マイクロニードル部25の底面図である。
図6図6は、培養キット1000及び培養器具100の使用方法を示す模式図である。
図7図7は、支持部材60の説明図である。
図8図8は、供給部材の変形例を示す分解斜視図である。
図9図9は、供給部材の変形例を示す分解斜視図である。
図10図10は、供給部材の変形例を示す分解斜視図である。
図11図11は、変形例にかかる組織の培養方法の説明図である。
図12図12は、実施例の皮膚組織を示す拡大写真である。
図13図13は比較例の皮膚組織を示す拡大写真である。
図14図14は、皮膚細胞が産生した物質の量を示すグラフである。
図15図15は、皮膚細胞が産生した物質の量を示すグラフである。
図16図16は、皮膚細胞が産生した物質の量を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図1図11を参照しながら、本実施形態に係る培養器具、培養キット及び組織の培養方法について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
【0020】
以下の説明においては、xyz直交座標系を設定し、このxyz直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。ここでは、水平面内の所定方向をx軸方向、水平面内においてx軸方向と直交する方向をy軸方向、x軸方向及びy軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をz軸方向とする。「平面視」とは、+z方向からの視野において対象物を観察する視野を意味する。
【0021】
また、+z方向を「上」、-z方向を「下」と称することがある。また、各構成を説明する際、部材の上方の端部を「一端」、部材の下方の端部を「他端」と称することがある。
【0022】
《培養キット、培養器具》
図1は、培養キット1000の概略斜視図である。培養キット1000は、本実施形態の培養器具100と、ウェルプレート50と、を有する。
【0023】
[ウェルプレート]
ウェルプレート50は、天板51と、天板51を支持する枠体52と、天板51に設けられた複数(図では12つ)のウェル53と、を有する。培養キット1000の使用時には、培養器具100はウェル53に挿入される。
【0024】
天板51は、平面視で矩形であり、同じく平面視矩形を呈する筒状の枠体52の内周面に接続され支持されている。
【0025】
ウェル53は、細胞培養に用いる培地を貯留する。ウェル53は、天板51において3行4列のマトリクス状に配列している。ウェル53の底部は、公知の種々の形状を採用し得る。ウェル53の底部は、平底であってもよく、丸底であってもよく、V底であってもよい。
【0026】
ウェルプレート50は、ウェルプレートの材料として公知の材料で形成されている。例えば、ウェルプレート50の材料は、ポリスチレンを採用することができる。
【0027】
図2は、培養器具100の分解斜視図である。図3は、培養器具100の分解断面図である。図2,3に示すように、培養器具100は、セルカルチャーインサート10と、供給部材20Aと、を有する。以下の説明においては、セルカルチャーインサートを「インサート」と略称することがある。
【0028】
[セルカルチャーインサート]
インサート10は、一端が開口し、他端に底部120を有する筒状の部材である。詳細には、インサート10は、一端110xが開口する筒状の側壁110と、側壁110の他端110yに設けられた底部120とを有する。
【0029】
側壁110は、一端側に設けられた筒状の第1側壁部111と、第1側壁部111の他端側において第1側壁部111に接続された筒状の第2側壁部112と、を有する。第1側壁部111は、第2側壁部112よりも開口径が大きい。
【0030】
側壁110は、セルカルチャーインサートの材料として公知の材料で形成されている。例えば、側壁110の材料は、ポリスチレンを採用することができる。
【0031】
底部120は、樹脂製の膜(メンブレン)が用いられている。底部120の上面120aには細胞が播種されて培養され、組織Xを形成している。培養中の組織Xには、底部120を介してウェル53内の培地が供給される。
【0032】
培養キット1000及び培養器具100を用いた操作では、組織Xとして種々の組織を培養することができる。組織Xとしては、培養皮膚、培養軟骨、培養心筋シート等のヒトの組織、マウス等のヒト以外の動物の組織、及び動物の組織を模した人工臓器等の人工組織が挙げられる。
【0033】
[供給部材]
供給部材20Aは、供給部21と、マイクロニードル部25と、を有し、培地が流動する流路20xを有する。また、供給部材20Aには、流路20xと連通し、培地を供給する供給管30が接続されている。供給部材20Aは、インサート10に挿入され、底部120の上面120aで培養される組織Xに培地を供給する機能を有する。
【0034】
(供給部)
供給部21は、本体部211と、保持部212と、結合部213と、離間部214と、第1接続部215と、第2接続部216とを有する。本体部211、保持部212、結合部213、離間部214及び第1接続部215は一体的に構成され、第2接続部216は別部材として構成されている。
【0035】
本体部211は、両端が開口した筒状部材であり、培地が流動する流路211xを有する。流路211xの一端側は、流路211xよりも拡径された孔211yに連通している。流路211xの他端側は、下方に向かうに従って徐々に拡径している拡径孔211zに連通している。流路211x及び拡径孔211zは、供給部材20Aの流路20xの一部を構成する。
【0036】
本実施形態の本体部211は円筒状の部材であるが、発明の効果を損なわない範囲において、これに限らず種々の形状を採用可能である。
【0037】
保持部212は、本体部211の一端側において、本体部211の外側面211aから本体部211の径方向外側に広がる平面視円盤状(フランジ状)の部分である。供給部材20Aをインサート10に挿入した姿勢において、保持部212の下面212a(インサート10側の面)は、インサート10の一端側の端面10aに接し、インサート10内の供給部材20Aの高さ位置を保持する。
【0038】
保持部212の周縁部には、切り欠き212xが形成されている。図2では、切り欠き212xが1つ図示しているが、これに限らず、2以上であってもよい。切り欠き212xは、供給部材20Aをインサート10に挿入した姿勢において、インサート10内と外部とをつなぐ空気穴として機能する。
【0039】
結合部213は、本体部211の他端側において、本体部211の外側面211aから本体部211の径方向外側に広がる平面視円盤状(フランジ状)の部分である。結合部213は、フランジ状の基部213aと、基部213aの下面の周縁部において平面視円環状に設けられた凸状部213bとを有する。また、基部213aの下面には、凸状部213bの内側に円環状の溝部213cが設けられている。結合部213には、マイクロニードル部25が結合している。
【0040】
離間部214は、本体部211の外側面211aに設けられている。離間部214は、本体部211の軸方向と同方向に延びる平板状の構造であり、本体部211の外側面211aにおいて本体部211の周方向の複数個所に互いに等間隔に配置されている。複数の離間部214は、同形状、且つ同じ大きさである。本実施形態においては、離間部214は、本体部211の周方向に等間隔に4か所配置されている。
【0041】
離間部214は、供給部材20Aがインサート10に挿入された姿勢において、インサート10の内面110aと干渉することにより、本体部211とインサート10の内面110aとを離間させる。そのため、供給部材20Aは、インサート10に挿入した姿勢において、本体部211をインサート10の中心に配置させやすい。インサート10において培養される組織Xは、通常、インサート10の底部120の中央に配置されるため、供給部21が離間部214を有することにより、供給部材20Aが組織Xに正対しやすい。
【0042】
第1接続部215及び第2接続部216は、供給部21(本体部211)と供給管30とを接続する本発明の「接続部材」に該当する。
【0043】
第1接続部215は、供給部21(本体部211)に設けられ、供給部21と供給管30とを接続する。第1接続部215は、保持部212の上面212bにおいて、平面視中央に設けられている。第1接続部215は、筒状に設けられ本体部211の孔211yと連通する貫通孔を有する。
【0044】
第2接続部216は、供給管30の端部に設けられている。第2接続部216は、一端が閉じ他端が開口する筒状の第1部材216aと、第1部材216aの内部に挿入された筒状の第2部材216bと、第1部材216aの上面において平面地中央に設けられた筒状の第3部材216cとを有する。第3部材216cは、上端の外周面が円錐台状に形成され、円錐台状の端部の下部には反し216dを有する。
【0045】
第2接続部216は、第3部材216cの上端から第2部材216bの下端まで連通する貫通孔216xを有する。貫通孔216xは、供給部材20Aの流路20xの一部を構成する。
【0046】
第2接続部216は、第1接続部215の孔211yに封止部材(Oリング)ORを挿入した状態で第2部材216bを挿入することで、第1接続部215と液密に接続可能である。第1接続部215と第2接続部216とは、公知のルアーロック方式の接続方式を採用している。第1接続部215と第2接続部216との接続方法は、これに限らず、ねじ止め方式やルアースリップ方式など、他の公知の接続方法であってもよい。
【0047】
(マイクロニードル部)
図4は、マイクロニードル部25の断面図である。図5は、マイクロニードル部25の底面図である。
【0048】
図4,5に示すように、マイクロニードル部25は、平面視円形の部材である。マイクロニードル部25は、平面視円盤状の基部251と、基部251の上面の周縁部において平面視円環状に設けられた凸状部252と、基部251の下面に設けられた複数のマイクロニードルと、を有する。マイクロニードルは、直径や長さが1mm未満(μmオーダー)の針である。
【0049】
基部251の平面視中央には、上方に盛り上がる凸部251aが設けられている。
【0050】
マイクロニードル部25は、凸状部252を結合部213の溝部213cに挿入し、供給部21に液密に接続する。
【0051】
マイクロニードル部25が供給部21に接続された姿勢において、マイクロニードル部25と供給部21との間には、空間25xが形成されている。また、凸部251aは、流路211x(拡径孔211z)に面する位置に配置される。空間25xは、供給部材20Aの流路20xの一部を構成する。
【0052】
マイクロニードル部25は、マイクロニードルとして、第1マイクロニードル255と第2マイクロニードル256とを有する。第1マイクロニードル255と第2マイクロニードル256とは、それぞれ4本ずつ設けられ、基部251の下面において平面視で周方向に交互且つ等角度間隔に配置している。図4,5においては、マイクロニードル部25は第1マイクロニードル255と第2マイクロニードル256とをそれぞれ4本ずつ有することとしたが、これに限らない。
【0053】
第1マイクロニードル255及び第2マイクロニードル256の先端は、平面視でマイクロニードル部25の内側に面する傾斜面となっている。
【0054】
第1マイクロニードル255は、基部251の上面に達する貫通孔255xを有する。貫通孔255xの基部251側は、基部251側に向かって徐々に拡径している。
【0055】
一方で、第2マイクロニードル256は、貫通孔を有さない。
【0056】
第1マイクロニードル255の高さ(基部251の底面からニードル先端までのZ方向の距離)と第2マイクロニードル256の高さとは、異なっていてもよいが、同じであると好ましい。なお、第1マイクロニードルの高さと第2マイクロニードルの高さとが「同じ」とする場合、成形誤差を許容する。
【0057】
第1マイクロニードル255、第2マイクロニードル256の高さは、例えば10μm以上100μm以下である。
【0058】
このようなマイクロニードル部25においては、流路211xを流動する培地Lは、マイクロニードル部25の凸部251aに衝突して空間25x内に拡散し、貫通孔255xを介して第1マイクロニードル255の先端から供給される。
【0059】
マイクロニードル部25は、本体部211に対して交換可能に設けられていてもよく、取り外しができないよう結合部213に固定されていてもよい。
【0060】
マイクロニードル部25が交換可能である場合、培養器具100は、マイクロニードル部25と交換可能な、又は予備の第2マイクロニードル部を有するキットであってもよい。その場合、培養器具100は、第2マイクロニードル部を複数有し、実験ごとに交換可能であってもよい。
【0061】
第2マイクロニードル部が有するマイクロニードルは、マイクロニードル部25が有するマイクロニードルと同じ構成であってもよく、構成が異なっていてもよい。マイクロニードルの「構成」としては、個々のマイクロニードルの構成と、マイクロニードル全体の構成と、の両方が挙げられる。
【0062】
個々のマイクロニードルの構成としては、マイクロニードルの長さ、直径、先端の傾斜面の傾斜角、第1マイクロニードル255の貫通孔255xの直径等、が挙げられる。
【0063】
マイクロニードル全体の構成としては、複数のマイクロニードルの配置、マイクロニードルの総数、第1マイクロニードル255の総数、第2マイクロニードル256の総数等、が挙げられる。
【0064】
マイクロニードル部と第2マイクロニードル部とでマイクロニードルの「構成」が異なることにより、実験内容に応じて適切なマイクロニードル部を用いて培養を行うことができる。
【0065】
例えば、図4,5においては、マイクロニードル部25が第1マイクロニードル255を4本有することとして示したが、第1マイクロニードル255の数が増えると、培地Lの供給の際の吐出抵抗が低下する。そのため、培地Lの種類や供給速度に応じ、安定した培地Lの注入を実現するために、第1マイクロニードル255の数を異ならせた第2マイクロニードル部を用意し、適宜交換するとよい。
【0066】
第1マイクロニードル部255の貫通孔255xの直径についても、上記第1マイクロニードル255の数と同様の考え方で理解することができる。
【0067】
[組織の培養方法]
図6は、培養キット1000及び培養器具100の使用方法を示す模式図であり、本実施形態の組織の培養方法の説明図である。
【0068】
本実施形態の組織の培養方法では、組織Xを培地Lに浸漬するとともに、組織Xの内部に配置した供給部材20Aから組織Xの内部に培地Lを供給する。このような方法を実施するため、上述した培養キット1000及び培養器具100は、次のように用いられる。
【0069】
インサート10の底部120には、組織Xとして皮膚細胞を培養していることとして説明する。組織Xは、例えば1mm厚に成長した組織であることとする。
【0070】
まず、インサート10に供給部材20Aを挿入して培養器具100を組み立てる。供給部材20Aは、保持部212がインサート10の上端の縁に接することにより、インサート10内の高さ位置が保持される。供給部材20Aが有するマイクロニードル(第1マイクロニードル255、第2マイクロニードル256)は、供給部材20Aをインサート10内に挿入した姿勢(保持部212により保持された高さ位置)において、底部120から離間し、組織Xに穿刺されている。
【0071】
マイクロニードル部25が組織Xに穿刺される際、マイクロニードル部25の下方の第1マイクロニードル255と第2マイクロニードル256とが組織Xに押し当てられる。このとき、第2マイクロニードル255は、組織Xに食い込み、マイクロニードル部25の組織Xの表面方向へのずれを抑制する「滑り止め」として機能する。
【0072】
また、マイクロニードル部25が第2マイクロニードル256を有することで、穿刺時に周方向に隣り合う第2マイクロニードル256間で組織Xを伸ばし広げ、組織Xに適度な張りを与える。そのため、マイクロニードル部25が4本の第1マイクロニードル255を有し第2マイクロニードル256を有さない場合と比べると、柔らかい組織Xや弾性に富む組織Xに第1マイクロニードル255を穿刺しやすい。
【0073】
培養器具100は、培地Lが貯留されたウェルプレート50のウェル53に挿入される。培養器具100は、インサート10の外側面の上端部においてウェル53の縁に接し、ウェル53内で高さ位置が保持される。ウェル53内の培地Lは、メンブレン製の底部120を介して組織Xの外表面に供給される。組織Xは、外表面から培地Lを吸収する。
【0074】
一方、供給部材20Aには、不図示の貯留部から供給管30を介して培地Lが供給される。不図示の貯留部には、適宜シリンジポンプ等の微量ポンプが接続されていてもよい。培地Lは、断続的に供給されてもよく、微量ずつ連続的に供給されてもよい。
【0075】
このとき、ウェルプレート50に対して複数の培養器具100を取り付ける場合、各培養器具100が有する供給管30の弾性や重みにより培養キット1000が動きやすく、静置が困難となるおそれがある。そのため、培養器具100は、複数の供給管30を支持する支持部材を有することとしてもよい。
【0076】
図7は、支持部材60の説明図である。支持部材60は、一対の柱部61と、柱部61の間に渡された支持部62とを有する。支持部62は、複数の凹部62aを有している。複数の供給管30は、支持部材60の凹部62aに引っ掛かり、支持されるとともに動きが規制されている。
【0077】
なお、ここに示す支持部材60は一例であり、供給管30を支持することが可能であれば種々の構成を採用することができる。支持部材60は、複数の供給管30を同時に支持することとしたが、これに限らず、1つの支持部材で1つの供給管30を支持する構成であってもよい。
【0078】
培地Lは、供給部材20Aが有する流路20x(貫通孔216x、流路211x、拡径孔211z、空間25x及び貫通孔255xが連通した流路20x)を介して、組織Xに穿刺された第1マイクロニードル255の先端から組織Xの内部に供給される。組織Xは、内部において培地Lを吸収する。
【0079】
このとき、第1マイクロニードル255が平面視において等角度間隔に配置されているため、組織Xに接する供給部材20Aの接触箇所においては、偏り無く培地Lを供給することができる。
【0080】
すなわち、培養キット1000(培養器具100)は、培養される組織Xに対して、組織Xの外表面及び内部に培地Lを供給することができる。これにより、培養キット1000(培養器具100)を用いた組織の培養方法では、成長した後の組織Xであっても、組織内部にまで効果的に培地を供給することができ、実験を長期に継続可能となる。
【0081】
なお、本実施形態においては、本体部211と供給管30とを接続する接続部材として、第1接続部215と第2接続部216とがルアーロック方式で接続する構成を示したが、これに限らない。
【0082】
図8,9は、供給部材の変形例を示す分解斜視図である。図8に示す供給部材20Bは、上述の供給部材20Aと異なり、保持部212の平面視中央には第1接続部が設けられておらず、代わりに孔212yが形成されている。孔212yは、不図示の流路211xと連通している。
【0083】
また、供給管30の端部には、接続部材217が設けられている。接続部材217は、外周面がテーパ面である円錐台状の部材であり、供給管30の内部空間と連通する不図示の貫通孔を有する。
【0084】
供給部材20Bでは、このような接続部材217を孔212yに差し込むことにより、本体部211と供給管30とを接続する。
【0085】
図9に示す供給部材20Cは、上述の供給部材20Aと異なり、供給管30の端部に第2接続部が設けられていない。また、保持部212の平面視中央には第1接続部が設けられておらず、代わりに接続部材218が形成されている。接続部材218は、貫通孔218xを有する筒状部材であり、上端の外周面が円錐台状に形成されている。貫通孔218xは、不図示の流路211xと連通している。
【0086】
供給部材20Cでは、このような接続部材218に供給管30を差し込むことにより、本体部211と供給管30とを接続する。
【0087】
また、本実施形態においては、本体部211が平板状の離間部214を4つ有することとしたが、これに限らない。図10は、供給部材の変形例を示す断面図である。
【0088】
図10に示す供給部材20Dは、上述の供給部材20Aと異なり、平板状の離間部214を有していない。また、供給部材20Dは、供給部材20Aの保持部212の代わりに、椀状の保持部219を有する。
【0089】
保持部219は、フランジ部219aと、テーパ部219b、円環部219cととを有する。フランジ部219aは、本体部211の外側面211aから本体部211の径方向外側に広がる平面視円盤状の構造である。
【0090】
テーパ部219bは、フランジ部219aの外縁に接続し、上方に向かって拡径する円錐台状の管状部である。
【0091】
円環部219cは、テーパ部219bの外縁に接続する環状の構造である。
【0092】
このような供給部材20Dにおいては、インサート10に供給部材20Dを挿入した姿勢において、円環部219cがインサートの一端側の端面10aに接し、インサート10内の供給部材20Dの高さ位置を保持する。また、保持部219の外周面219xがインサート10の内面110aと干渉することにより、本体部211とインサート10の内面110aとを離間させる。そのため、供給部材20Dは、インサート10に挿入した姿勢において、本体部211をインサート10の中心に配置させやすい。すなわち、供給部材20Dの保持部219は、離間部としても機能する。
【0093】
また、本実施形態においては、組織の培養方法を実施する際に上述の培養キット1000及び培養器具100を用いることとして説明したが、組織の培養方法を実施する上で培養キット1000及び培養器具100は必須ではない。
【0094】
図11は、変形例にかかる組織の培養方法の説明図である。図11に示す組織の培養方法では、不図示の貯留部と、配管200とを有する培養キットを用いる。
【0095】
図11に示す構成では、培地Lが流動する配管200の外側面200aに細胞を播種し、組織Xを培養している。配管200の管壁には微細な複数の貫通孔200xが設けられており、組織Xは貫通孔200xを覆っている。さらに、配管200は、不図示の貯留部に貯留された培地Lに浸漬されている。
【0096】
このような組織の培養方法においても、組織Xは、外表面から培地Lを吸収するとともに、組織Xの内部からも培地Lを吸収される。そのため、成長した後の組織Xであっても、組織内部にまで効果的に培地を供給することができ、実験を長期に継続可能となる。
【0097】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計、仕様等に基づき種々変更可能である。
【実施例0098】
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0099】
本実施例においては、上述した供給部材20Aを有する培養器具100(培養キット1000)を用いて皮膚組織を培養した。すなわち、実施例においては、皮膚組織の表面に培地を供給するとともに、上記供給部材20Aにより皮膚組織の内部にも培地を供給した。
【0100】
比較例として、上述の供給部材を用いず、セルカルチャーインサートとウェルプレートとを用いた公知の培養キットを用いて皮膚細胞を培養した。すなわち、比較例においては、皮膚組織の表面にのみ培地を供給した。
【0101】
直径約12mm、厚さ約900μmの市販のヒト腹部皮膚片(Biopredic International社)を実験に用いた。各皮膚片を、セルカルチャーインサート(Thermo Fisher Scientific社製)内に設置し、培養用培地(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium(Thermo Fisher Scientific社製))をインサート下部のメンブレンより浸透させて、37℃、5%CO下で最長11日間培養した。培養期間中、培地は毎日交換した。
【0102】
実施例では、皮膚上部(表皮側)に供給部材20Aのマイクロニードルを刺し、シリンジポンプ(アズワン社製)を用いて2ml/dayの速度で皮膚真皮内部へ培地を供給した。
【0103】
(培養組織の様子)
実施例及び比較例の皮膚細胞について、公知の方法で染色し様子を観察した。
【0104】
培養開始時、培養開始5日後及び11日後の皮膚組織を、それぞれ4%パラホルムアルデヒドで固定して、約1mmの厚さに薄切し、ブロッキングバッファー(Starting Block(ThermoFisher Scientific社製))によりブロッキング処理した。
【0105】
1次抗体として、真皮弾性繊維の可視化のため抗エラスチン抗体(Santa Cruz Biotechnology社)、基底膜の可視化のため抗COL VII抗体(Abcam社)を用いた。
【0106】
2次抗体として、抗マウスIgG H&L抗体(Alexa Fluor 488(ThermoFisher Scientific社製))、抗ウサギIgG抗体(Alexa Fluor 647(ThermoFisher Scientific社製))を用いた。
【0107】
さらに、細胞核染色としてDAPI(同仁化学社)を用いた。
【0108】
撮像前には、Rapiclear1.49(サンジンラボ社)により組織透明化処理を行った。撮像は、走査型共焦点レーザー顕微鏡AX R(株式会社ニコン製)により、40倍のdryレンズを用いて3次元的に撮像した。
【0109】
図12は、実施例の皮膚組織を示す拡大写真であり、図13は比較例の皮膚組織を示す拡大写真である。図12,13において、符号Aは表皮、符号Bは基底膜、符号Cは真皮を示す。また、図12、13において、それぞれ(a)は培養開始時(0日目)、(b)は培養開始から5日目、(c)は培養開始から11日目の皮膚組織を示す。図12(a)と図13(a)とは、培養開始時の様子を示す同じ写真である。
【0110】
出願人の知見として、従来の方法で皮膚組織を培養すると、通常は3~4日、長くても1週間ほどで皮膚組織が一部死滅し、真皮と表皮との間が剥離して培養の継続ができないことが分かっている。
【0111】
上記知見を踏まえ図12を確認すると、実施例の皮膚組織は、培養開始から11日目であっても真皮と表皮とが剥離することなく、適切に培養されていることが確認できた。
【0112】
対して図13を確認すると、比較例の皮膚組織は、培養開始から11日目には真皮と表皮とが剥離している箇所(符号αで示す)が確認でき、従来の知見通り、以後の培養の継続ができないことが確認できた。また、図13(b)(培養開始から5日目)を詳細に観察すると、細胞核の形状が楕円から真円に近い形状となっており、皮膚細胞が衰弱していることが確認できた。
【0113】
(細胞産生物質の確認)
実施例及び比較例の皮膚細胞について、公知の方法により細胞の産生物質を確認した。確認方法は以下の通りであった。
培養開始から5、11日後の培地を回収し、細胞毒性の指標として培地中の血清乳酸脱水素酵素(LDH)の量を、市販の測定キット(富士フイルム和光純薬株式会社)を用い、付属の使用書に基づいて測定した。
【0114】
また、培養11日後の培地中の炎症性サイトカインの量を、市販の測定キット(BD Cytometric Bead Array (CBA) Human Inflammatory Cytokine Kit(Becton, Dickinson and Company社)を用い、付属の使用書に基づいて測定した。
【0115】
図14~16は、皮膚細胞が産生した物質の量を示すグラフである。図14は、炎症性サイトカインであるインターロイキン6(IL-6)の量を示すグラフである。図15は、炎症性サイトカインであるインターロイキン8(IL-8)の量を示すグラフである。IL-6及びIL-8は、組織に生じる炎症の程度を示すマーカーとして用いられる。
【0116】
実施例の皮膚組織においては、培養1日目から培養11日目にかけてIL-6の値が低下し(図14)、IL-8の値の上昇が抑制されている(図15)。そのため、実施例においては、皮膚組織の炎症が抑制されていることが分かる。
【0117】
一方で、比較例の皮膚組織においては、培養1日目から培養11日目にかけてIL-6及びIL-8の値がいずれも増加しており、皮膚組織に炎症が生じていることが分かる。
【0118】
図16は、細胞毒性マーカーである血清乳酸脱水素酵素(LDH)の量を示すグラフである。LDHは、細胞死が増えると検出量が多くなるため、細胞毒性のマーカーとして用いられる。
【0119】
実施例の皮膚組織においては、培養11日目までLDHの量の上昇が抑制されており、皮膚細胞の細胞死が抑制されていることが分かる。
【0120】
対して、比較例の皮膚組織においては、培養5日目ですでに培養11日目に匹敵するほど多量のLDHが検出されている。上述したように、比較例の皮膚組織は、培養5日目では表皮と真皮との剥離は確認できなかったが、上述した図13(b)における細胞核の形状変化と、図16に示すLDH量の急上昇とを合わせて考えると、培養5日目にはすでに多くの細胞が細胞死していることが分かる。
【0121】
以上の結果より、本発明により細胞培養を長期に継続することが可能であることが確認でき、本発明が有用であることが分かった。
【符号の説明】
【0122】
10…セルカルチャーインサート、10a…端面、20x,211x…流路、20A,20B,20C,20D…供給部材、21…供給部、25…マイクロニードル部、25x…空間、30…供給管、50…ウェルプレート、51…天板、52…枠体、53…ウェル、60…支持部材、61…柱部、62…支持部、62a…凹部、100…培養器具、110…側壁、110a…内面、110x…一端、110y…他端、111…第1側壁部、112…第2側壁部、120…底部、120a,212b…上面、200…配管、200a,211a…外側面、200x,216x,218x,255x…貫通孔、211…本体部、211y,212y…孔、211z…拡径孔、212,219…保持部、212a…下面、212x…切り欠き、213…結合部、213a,251…基部、213b,252…凸状部、213c…溝部、214…離間部、215…第1接続部、216…第2接続部、216a…第1部材、216b…第2部材、216c…第3部材、216d…反し、217,218…接続部材、219a…フランジ部、219b…テーパ部、219c…円環部、219x…外周面、251a…凸部、255…第1マイクロニードル、256…第2マイクロニードル、1000…培養キット、L…培地、OR…封止部材(Oリング)、X…組織
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16