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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025092380
(43)【公開日】2025-06-19
(54)【発明の名称】回路基板および回路基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20250612BHJP
   H05K 3/18 20060101ALI20250612BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20250612BHJP
【FI】
H05K1/02 J
H05K3/18
H05K3/46 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024108932
(22)【出願日】2024-07-05
(31)【優先権主張番号】10-2023-0177107
(32)【優先日】2023-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】趙 泳雄
(72)【発明者】
【氏名】徐 欣永
【テーマコード(参考)】
5E316
5E338
5E343
【Fターム(参考)】
5E316AA32
5E316AA35
5E316AA43
5E316BB16
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC32
5E316CC37
5E316CC38
5E316CC57
5E316DD23
5E316DD24
5E316DD33
5E316DD47
5E316EE31
5E316FF03
5E316FF04
5E316FF07
5E316FF09
5E316FF10
5E316FF13
5E316FF14
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG22
5E316GG23
5E316GG28
5E316HH31
5E338AA03
5E338AA16
5E338BB13
5E338BB14
5E338BB19
5E338BB25
5E338EE31
5E343AA17
5E343AA18
5E343BB23
5E343BB24
5E343BB44
5E343DD33
5E343DD43
5E343ER11
5E343FF16
5E343GG20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ワイヤーボンディングチップの実装のためのボンディングパッドを微細ピッチのパターンで実現しながらボンディングワイヤーが接続されるボンディングパッドの幅を確保することができる回路基板および回路基板の製造方法を提供する。
【解決手段】開示された回路基板100は、互いに対向する第1面110aと第2面110bとを有する絶縁層110、前記絶縁層110に埋め込まれ前記第1面110aで前記絶縁層110から少なくとも一部分露出される第1部分121aと前記第1部分121aより前記第2面110bにさらに近い第2部分121bとを有する第1接続パッド121を含み、前記第1面110aに平行な方向に沿った幅において、前記第1部分121aの第1幅w1と前記第2部分の第2幅w2は互いに異なる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する第1面と第2面とを有する絶縁層;および
前記絶縁層に埋め込まれ前記第1面で前記絶縁層から少なくとも一部分露出される第1部分と、前記第1部分より前記第2面にさらに近い第2部分とを有する第1接続パッド
を含み、
前記第1面に平行な方向に沿った幅において、前記第1部分の第1幅と前記第2部分の第2幅が互いに異なる、回路基板。
【請求項2】
前記第1幅が前記第2幅より大きい、請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記第1部分と前記第2部分は段差を有するように構成される、請求項1に記載の回路基板。
【請求項4】
前記絶縁層の前記第1面に配置され前記第1接続パッドを露出させるように開口された保護層をさらに含む、請求項1に記載の回路基板。
【請求項5】
前記絶縁層に埋め込まれ前記保護層で覆われる第1回路配線をさらに含み、
前記第1面に垂直な方向による厚さにおいて、前記第1回路配線の厚さは前記第1接続パッドの前記第1部分の厚さより厚い、請求項4に記載の回路基板。
【請求項6】
前記第1接続パッドの上に配置された導電層をさらに含む、請求項1に記載の回路基板。
【請求項7】
前記導電層は、前記第1接続パッドの露出された部分に配置される、請求項6に記載の回路基板。
【請求項8】
前記導電層は、前記絶縁層の前記第1面から突出した、請求項6に記載の回路基板。
【請求項9】
前記第1面に平行な方向による前記導電層の幅は、前記第1接続パッドの前記第2部分の前記第2幅よりさらに大きい、請求項6に記載の回路基板。
【請求項10】
前記導電層は、金(Au)メッキ層を含む、請求項6に記載の回路基板。
【請求項11】
前記第1接続パッドは銅(Cu)を含む、請求項1に記載の回路基板。
【請求項12】
前記第1接続パッドは、ボンドフィンガー(bond finger)領域に配置される、請求項1に記載の回路基板。
【請求項13】
前記絶縁層の前記第2面上に配置される第2接続パッドをさらに含む、請求項1に記載の回路基板。
【請求項14】
前記絶縁層は複数の絶縁層を含み、
前記複数の絶縁層は複数の回路層を含む、請求項1に記載の回路基板。
【請求項15】
シード層の上に第1金属で第1接続パッドの第1部分を形成し、
前記第1部分を覆ったメッキレジストをパターニングし前記第1金属をメッキして前記第1部分の上に前記第1部分と幅が異なる前記第1接続パッドの第2部分を形成し、そして
前記第1部分と前記第2部分とを覆うように絶縁層を形成する
ことを含む、回路基板の製造方法。
【請求項16】
前記第1部分の第1幅は、前記第2部分の第2幅より大きく形成される、請求項15に記載の回路基板の製造方法。
【請求項17】
前記第1部分の少なくとも一部が前記絶縁層から露出されるように前記シード層を除去することをさらに含む、請求項15に記載の回路基板の製造方法。
【請求項18】
前記絶縁層から露出された前記第1部分の上に導電層を形成することをさらに含む、請求項15に記載の回路基板の製造方法。
【請求項19】
前記導電層が露出されるように前記絶縁層の上に保護層を形成することをさらに含む、請求項18に記載の回路基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は回路基板および回路基板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
リードフレーム(Lead Frame)を用いた半導体パッケージ製造工程において、半導体チップをリードフレームに実装するチップ付着(chip attach)工程以後に、金属細線で半導体チップとリードフレームを電気的に連結するワイヤーボンディング(Wire Bonding)工程を行う。ワイヤーボンディング工程は、例えば超音波(Ultrasonic)を用いて金属ワイヤーを半導体チップのメタルパッド(Metal pad)層に局部的な溶融現象を起こして接合する方式で行われる。
【0003】
電子産業が発達して電子機器の小型化および高機能化が加速されるにつれて半導体パッケージの大きさも共に小さくなる傾向である。パッケージ製品での小型化に対応するためにワイヤーボンディングのための印刷回路基板(Printed Circuit Board、PCB)のボンディングパッドの大きさも減少している。反面、ワイヤーボンディング工程時、ボンディング不良率を減らすために印刷回路基板の製造時にボンディングパッド幅の拡大が要求されるのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態の一側面は、ワイヤーボンディングチップの実装のためのボンディングパッドを微細ピッチのパターンで実現しながらボンディングワイヤーが接続されるボンディングパッドの幅を確保することができる回路基板および回路基板の製造方法を提供しようとする。
【0005】
しかし、本発明の実施形態が解決しようとする課題は上述の課題に限定されず、本発明に含まれている技術的な思想の範囲で多様に拡張できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態による回路基板は、互いに対向する第1面と第2面とを有する絶縁層、および前記絶縁層に埋め込まれ前記第1面で前記絶縁層から少なくとも一部分露出される第1部分と前記第1部分より前記第2面にさらに近い第2部分とを有する第1接続パッドを含み、前記第1面に平行な方向に沿った幅において、前記第1部分の第1幅と前記第2部分の第2幅は互いに異なる。
【0007】
前記第1幅が前記第2幅よりさらに大きくてもよい。
【0008】
前記第1部分と前記第2部分は段差を有するように構成することができる。
【0009】
前記回路基板は、前記絶縁層の前記第1面に配置され前記第1接続パッドを露出させるように開口された保護層をさらに含むことができる。
【0010】
前記絶縁層に埋め込まれ前記保護層で覆われる第1回路配線をさらに含み、前記第1面に垂直な方向による厚さにおいて、前記第1回路配線の厚さは前記第1接続パッドの前記第1部分の厚さよりさらに厚くてもよい。
【0011】
前記回路基板は、前記第1接続パッドの上に配置された導電層をさらに含むことができる。
【0012】
前記導電層は、前記第1接続パッドの前記露出された部分に配置することができる。
【0013】
前記導電層は、前記絶縁層の前記第1面から突出していてもよい。
【0014】
前記第1面に平行な方向による前記導電層の幅は、前記第1接続パッドの前記第2部分の第2幅よりさらに大きくてもよい。
【0015】
前記導電層は、金(Au)メッキ層を含むことができる。
【0016】
前記第1接続パッドは銅(Cu)を含むことができる。
【0017】
前記第1接続パッドは、ボンドフィンガー(bond finger)領域に配置することができる。
【0018】
前記回路基板は、前記絶縁層の前記第2面上に配置される第2接続パッドをさらに含むことができる。
【0019】
前記絶縁層は複数の絶縁層を含み、前記複数の絶縁層は複数の回路層を含むことができる。
【0020】
他の実施形態による回路基板の製造方法は、シード層の上に第1金属で第1接続パッドの第1部分を形成し、前記第1部分を覆ったメッキレジストをパターニングし前記第1金属をメッキして前記第1部分の上に前記第1部分と幅が異なる前記第1接続パッドの第2部分を形成し、そして前記第1部分と前記第2部分を覆うように絶縁層を形成することを含む。
【0021】
前記第1部分の第1幅は、前記第2部分の第2幅よりさらに大きく形成することができる。
【0022】
前記製造方法は、前記第1部分の少なくとも一部が前記絶縁層から露出されるように前記シード層を除去することをさらに含むことができる。
【0023】
前記製造方法は、前記絶縁層から露出された前記第1部分の上に導電層を形成することをさらに含むことができる。
【0024】
前記製造方法は、前記導電層が露出されるように前記絶縁層の上に保護層を形成することをさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0025】
実施形態による回路基板によれば、ワイヤーボンディングチップの実装のためのボンディングパッドを微細ピッチのパターンで実現しながらボンディングワイヤーが接続されるボンディングパッドの幅を広く確保することができる。ボンディングパッドの幅確保を通じてパッケージング進行時のボンディングパッドミス(miss)不良を改善することができる。同時に絶縁層内部に埋め込まれるパッドの幅は相対的に狭く設計してデザイン自由度を高め、パッケージ小型化による微細ピッチのボンドフィンガーに対応できる。
【0026】
実施形態による回路基板の製造方法によれば、ETS(Embedded Trace Substrate)工法で製作してボンディングパッドを微細ピッチパターンで維持しながらボンディングワイヤー接続面幅を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】一実施形態による回路基板を示した断面図である。
図2図1に示した回路基板を製造する方法を示した工程断面図である。
図3図1に示した回路基板を製造する方法を示した工程断面図である。
図4図1に示した回路基板を製造する方法を示した工程断面図である。
図5図1に示した回路基板を製造する方法を示した工程断面図である。
図6図1に示した回路基板を製造する方法を示した工程断面図である。
図7図1に示した回路基板を製造する方法を示した工程断面図である。
図8図1に示した回路基板を製造する方法を示した工程断面図である。
図9図1に示した回路基板を製造する方法を示した工程断面図である。
図10図1に示した回路基板を製造する方法を示した工程断面図である。
図11図1に示した回路基板を製造する方法を示した工程断面図である。
図12図1に示した回路基板を製造する方法を示した工程断面図である。
図13図1に示した回路基板を製造する方法を示した工程断面図である。
図14図1に示した回路基板を製造する方法を示した工程断面図である。
図15図1に示した回路基板を製造する方法を示した工程断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付した図面を参照して本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように本発明の実施形態を詳しく説明する。図面で本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一な参照符号を付けた。また、添付図面において一部構成要素は誇張されるか、または省略されるか、または概略的に図示され、各構成要素の大きさは実際の大きさを完全に反映するものではない。
【0029】
添付された図面は本明細書に開示された実施形態を容易に理解することができるようにするためのものに過ぎず、添付された図面によって本明細書に開示された技術的思想が制限されず、本発明の思想および技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むと理解されなければならない。
【0030】
第1、第2などのように序数を含む用語は多様な構成要素を説明するのに使用することができるが、前記構成要素は前記用語によって限定されない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使用される。
【0031】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分「の上に」または「上に」あるという時、これは他の部分「の直上に」ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分「の直上に」あるという時には中間に他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分「の上に」または「上に」あるというのは基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力反対方向に向かって「の上に」または「上に」位置することを意味するのではない。
【0032】
明細書全体で、「含む」または「有する」などの用語は明細書中に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。したがって、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対になる記載がない限り他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0033】
また、明細書全体で、「平面上」という時、これは対象部分を上から見た時を意味し、「断面上」という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0034】
また、明細書全体で、「連結される」という時、これは二つ以上の構成要素が直接的に連結されることのみを意味するのではなく、二つ以上の構成要素が他の構成要素を通じて間接的に連結されること、物理的に連結されることだけでなく電気的に連結されること、または位置や機能によって異なる名称で称されたが、一体であることを意味することができる。
【0035】
図1は、一実施形態による回路基板を示した断面図である。
【0036】
図1を参照すれば、本実施形態による回路基板100は、絶縁層110と、この絶縁層110に埋め込まれた第1接続パッド121および第1回路配線122とを含む。絶縁層110と第1接続パッド121および第1回路配線122は埋め込みパターン基板を構成することができる。回路基板100は印刷回路基板として半導体パッケージ用に使用することができる。
【0037】
絶縁層110は互いに対向する第1面110aと第2面110bを有し、樹脂絶縁層を含むことができる。絶縁層110はエポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、またはこれらにガラス繊維または無機フィラーのような補強材が含浸された樹脂、例えば、プリプレグ(prepreg)を使用することができ、また熱硬化性樹脂および/または光硬化性樹脂などを含むことができるが、これに限定されない。
【0038】
第1接続パッド121は絶縁層110に埋め込まれ、上段部と下段部の幅が互いに異なる形態を有することができる。絶縁層110に埋め込まれた第1接続パッド121は、絶縁層110の第1面110aに近い第1部分121aと、第2面110bに近い第2部分121bを含むことができる。第1部分121aは第1面110aで絶縁層110から少なくとも一部分露出され、第2部分121bは第1部分121aより第2面110bにさらに近く配置されてもよい。
【0039】
絶縁層110の第1面110aに平行な方向に沿って測定された幅を基準にする時、第1部分121aの第1幅w1は第2部分121bの第2幅w2よりさらに大きくてもよい。絶縁層110から露出された第1部分121aの第1幅w1は、第2部分121bの第2幅w2よりさらに大きくてもよい。この時、第1接続パッド121の第1部分121aと第2部分121bは互いに段差を有する構造からなり得る。これにより、絶縁層110に埋め込まれた第1接続パッド121は微細ピッチでボンディングパッド(bonding pad)を実現しながらもワイヤーボンディングが行われる表面の幅を広く確保してボンディング(bonding)エラーを減らすことができるようになる。
【0040】
第1導電層141は、第1接続パッド121の上に積層されて配置されてもよい。第1導電層141は、絶縁層110から露出された第1接続パッド121の第1部分121aに配置されてもよい。第1接続パッド121の露出された第1部分121aは、絶縁層110の第1面110aと同一平面を成すか、または絶縁層110の第1面110aから若干陥没して形成されてもよい。第1接続パッド121の上に積層された第1導電層141は、絶縁層110の第1面110aから少なくとも部分的に突出していてもよい。
【0041】
第1接続パッド121と第1回路配線122は銅(Cu)層を含むことができる。第1導電層141は、ニッケル(Ni)メッキ層と金(Au)メッキ層を含むことができる。第1導電層141は、第1接続パッド121上にニッケルメッキ層がメッキされ、ニッケルメッキ層上に金メッキ層がメッキされて形成されることができる。
【0042】
本実施形態で、第1導電層141は電解金メッキ方法で形成することができる。即ち、銅を含む第1接続パッド121に電流を印加してニッケル/金金属被膜を形成させる方法でニッケルメッキ層と金メッキ層を形成することができる。他の例として、第1導電層141は無電解金メッキ方法で形成することもできる。
【0043】
回路基板100を厚さ方向に切断した断面上から見る時、第1導電層141の幅は第1接続パッド121の幅と実質的に同一であるか、またはこれよりさらに大きくてもよい。第1導電層141が第1接続パッド121と接する部分で第1導電層141の幅が第1接続パッド121の幅と同一であるか、またはこれよりさらに大きくてもよい。
【0044】
第1接続パッド121はボンドフィンガー領域に配置されるボンドフィンガー(bond finger)になり得る。また、複数の第1接続パッド121は複数のボンドフィンガーを構成することができる。即ち、第1接続パッド121はワイヤーボンディングパッド用ボンドフィンガーから構成されて、半導体チップのワイヤーボンディング時、導電性ワイヤーがこれに接合されてもよい。
【0045】
絶縁層110の第1面110aには、第1保護層131が配置されてもよい。第1保護層131は、第1接続パッド121を露出させるように開口されてもよい。また、第1保護層131は、絶縁層110内部に位置した第1回路配線122と重畳してこれを覆うことができる。第1保護層131は、ソルダーレジスト層からなり得る。
【0046】
絶縁層110の第1面110aに垂直な方向に沿った厚さにおいて、第1回路配線122の厚さは第1接続パッド121の第1部分121aの厚さよりさらに厚くてもよい。また、第1部分121aと第2部分121bを含む第1接続パッド121全体の厚さは第1回路配線122の厚さと同一であってもよい。
【0047】
絶縁層110の第2面110b上には、第2接続パッド125と第2回路配線126がさらに形成されてもよい。第2接続パッド125と第2回路配線126は絶縁層110の第2面110bから突出していてもよく、ビア123を通じて第1回路配線122と連結できる。絶縁層110の第2面110bで第2接続パッド125の周囲に第2保護層135を形成できる。第2保護層135は第2回路配線126と重畳してこれを覆うことができ、ソルダーレジスト層からなり得る。
【0048】
第2接続パッド125と第2回路配線126は銅(Cu)層を含むことができ、第2接続パッド125上には第2導電層145を形成できる。第2導電層145は、ニッケル(Ni)メッキ層と金(Au)メッキ層を含むことができる。ニッケルメッキ層は第2接続パッド125上に形成され、金メッキ層はニッケルメッキ層上に形成されてもよい。
【0049】
一方、図1に示した回路基板100は絶縁層110の両面に接続パッド121、125を有する構造を示したものであるが、絶縁層110の第2面110bに配置された第2接続パッド125は省略することができ、これも本開示の範囲に属するものである。さらには、絶縁層110は複数の絶縁層を含み、前記複数の絶縁層はそれぞれ回路層を含むことができる。したがって、3層以上の絶縁層それぞれに回路層が形成され、これら回路層を連結するように前記絶縁層の厚さ方向にビアが延長されてもよい。
【0050】
図2図15は、図1に示した回路基板を製造する方法を示した工程断面図である。以下、図2図15図1を共に参照して回路基板を製造する方法を説明する。
【0051】
図2図5を参照すれば、少なくとも一面に第1シード層71が配置されたキャリア基板60を準備し、回路形成工程を通じて第1シード層71に第1接続パッド121の第1部分121aを形成する。キャリア基板60は絶縁基板61の両面に銅箔層62が積層されている基板であってもよく、第1シード層71と銅箔層62は互いに分離できる(図2参照)。キャリア基板60上に形成されたメッキレジストを露光および現像して第1メッキレジストパターン83を形成することができる。前記第1メッキレジストパターン83は、前記第1接続パッド121の第1部分121aが形成される部分のみを除去して形成することができる(図3参照)。第1接続パッド121の第1部分121aは、パターニングされた第1メッキレジストパターン83の開口を通じて露出された第1シード層71の部分に導電性金属がメッキされて形成されることができる(図4参照)。第1接続パッド121の第1部分121aの形成後、第1メッキレジストパターン83は除去される(図5参照)。
【0052】
第1シード層71は回路基板分野で回路用導電性金属として使用されるものであれば制限なく適用可能であり、銅(Cu)を使用することが一般的である。第1接続パッド121の第1部分121aはキャリア基板60の第1シード層71と連結でき第1シード層71と同じ種類の金属を含むことができる。例えば、第1シード層71と第1接続パッド121の第1部分121aは銅(Cu)を含むことができる。
【0053】
本実施形態ではキャリア基板60の両面上に第1接続パッド121の第1部分121aを形成することを示したが、キャリア基板60の一面上のみに第1接続パッド121の第1部分121aを形成することもまた可能であり、これも本開示の範囲に属するものである。
【0054】
図6および図7を参照すれば、第1接続パッド121の第1部分121aが形成されたキャリア基板60上に、第1接続パッド121の第2部分121bが形成される部分が露光および現像を通じて除去された第2メッキレジストパターン85を形成することができる。第1接続パッド121の第2部分121bは、パターニングされた第2メッキレジストパターン85の開口を通じて露出された第1接続パッド121の第1部分121aの上に導電性金属がメッキされて形成されることができる(図6参照)。この時、第1接続パッド121の第1部分121aが形成されていない第1シード層71の一部分でも第2メッキレジストパターン85が開口されてもよい。この部分では第1シード層71の上に導電性金属がメッキされて第1回路配線122が形成されることができる。第1回路配線122と第1接続パッド121の第2部分121bの形成後、第2メッキレジストパターン85は除去される(図7参照)。
【0055】
図8を参照すれば、第1接続パッド121が埋め込まれるように絶縁層110Aを積層し、絶縁層110Aの上部面に第2シード層73を形成する。第2シード層73は第2接続パッド125と第2回路配線126を形成するために設けられ、導電性金属であれば制限なく使用可能であるが、銅(Cu)を使用することが一般的である。
【0056】
絶縁層110Aは、樹脂絶縁層を含むことができる。絶縁層110Aはエポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、またはこれらにガラス繊維または無機フィラーのような補強材が含浸された樹脂、例えば、プリプレグを使用することができ、また絶縁層110Aは熱硬化性樹脂および/または光硬化性樹脂などを含むことができるが、これに限定されない。
【0057】
図9図12を参照すれば、絶縁層110の上に回路形成工程を通じて第2接続パッド125と第2回路配線126を形成するための配線パターン層125Aを形成することができる。配線パターン層125Aは、第1回路配線122および第1接続パッド121と同じ種類の物質を含むことができる。この時、第1回路配線122と配線パターン層125Aを互いに連結するビア123を形成するために絶縁層110を部分的にエッチングして第1回路配線122の一部を露出させることができる(図9参照)。そして、配線パターン層125Aを形成するために第2シード層73の上に第3メッキレジストパターン87を形成することができる(図10参照)。第3メッキレジストパターン87は、配線パターン層125Aが形成される部分が開口されて第2シード層73が露出される。このように露出された第2シード層73と第1回路配線122の部分の上にメッキ工程を行うことができる(図11参照)。配線パターン層125Aの形成後、第3メッキレジストパターン87は除去されキャリア基板60の両側に埋め込みパターン(Embedded Pattern)基板部が完成される(図12参照)。
【0058】
図示した実施形態によれば、それぞれの埋め込みパターン基板部は一つの絶縁層110と二つの金属層である第1回路配線122および第2回路配線126を含むものとして示したが、これに限定されず、さらに多くの数のビルドアップ(build-up)絶縁層とさらに多くのビルドアップ配線パターン層を含むことができ、これも本開示の範囲に属するものである。
【0059】
図13を参照すれば、第1シード層71とキャリア基板60を分離して埋め込みパターン基板を準備する。キャリア基板60の両面上に形成された第1シード層71を銅箔層62から分離して一対の埋め込みパターン基板を得ることができ、一対の埋め込みパターン基板それぞれに対して個別的に工程が適用できる。
【0060】
図14を参照すれば、図13で得られた埋め込みパターン基板をソフトエッチングして第1シード層71と第2シード層73を除去する。第1シード層71と第2シード層73を除去した後、絶縁層110に埋め込まれて第1面110aに露出された第1接続パッド121と第1回路配線122が形成される。絶縁層110の第2面110bの上に配置された配線パターン層125Aは互いに分離されて第2接続パッド125と第2回路配線126として形成される。第1シード層71を除去することによって第1接続パッド121の第1部分121aの一部は絶縁層110から露出される。第1シード層71を除去する過程で絶縁層110から露出された第1接続パッド121と第1回路配線122の表面も部分的にエッチングされて絶縁層110の表面より陥没して形成されることができる。
【0061】
図15を参照すれば、図14で得られた埋め込みパターン基板の両面に絶縁層110と回路配線122、126を覆うように第1保護層131と第2保護層135を形成する。第1保護層131と第2保護層135はソルダーレジスト層を含むことができる。第1保護層131は、第1接続パッド121が露出された絶縁層110の第1面110aで第1接続パッド121を露出させるようにパターニングされてもよい。第2保護層135は、第2接続パッド125が配置された絶縁層110の第2面110bで第2回路配線126を覆い第2接続パッド125を露出させるように開口されてもよい。
【0062】
再び図1を参照すれば、図15で得られた埋め込みパターン基板で保護層131、135によって露出された第1接続パッド121と第2接続パッド125の上にそれぞれ第1導電層141と第2導電層145を形成することができる。第1導電層141と第2導電層145は、電解金メッキ方法で形成することができる。銅を含む第1接続パッド121または第2接続パッド125に電流を印加してニッケル/金金属被膜を形成させる方法でニッケルメッキ層と金メッキ層を形成できる。選択的に、第1導電層141と第2導電層145は無電解金メッキ方法で形成することもできる。
【0063】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲と発明の説明および添付した図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも本発明の範囲に属することは当然である。
【符号の説明】
【0064】
100:回路基板
110:絶縁層
110a:第1面
110b:第2面
121:第1接続パッド
122:第1回路配線
125:第2接続パッド
126:第2回路配線
131:第1保護層
135:第2保護層
141:第1導電層
145:第2導電層
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9
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図11
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図15