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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025092391
(43)【公開日】2025-06-19
(54)【発明の名称】プリント回路基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20250612BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20250612BHJP
   H01L 23/15 20060101ALI20250612BHJP
【FI】
H05K3/46 Q
H05K3/46 B
H05K3/46 T
H05K3/46 N
H01L23/12 F
H01L23/14 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024137721
(22)【出願日】2024-08-19
(31)【優先権主張番号】10-2023-0176390
(32)【優先日】2023-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 美善
(72)【発明者】
【氏名】全 美貞
(72)【発明者】
【氏名】柳 泰熙
(72)【発明者】
【氏名】趙 英旭
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA12
5E316AA32
5E316AA38
5E316AA43
5E316CC18
5E316CC31
5E316CC32
5E316CC33
5E316CC34
5E316CC37
5E316CC38
5E316DD17
5E316DD23
5E316DD24
5E316EE31
5E316FF13
5E316FF14
5E316GG14
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG28
5E316HH07
5E316HH11
5E316HH33
5E316JJ12
(57)【要約】
【課題】ガラス層を含むプリント回路基板を提供する。また、反り特性が向上したプリント回路基板を提供する。さらに、信頼性を向上させることができるプリント回路基板を提供する
【解決手段】本発明は、キャビティを有するガラス層、ガラス層を貫通する貫通部、及びガラス層上に突出した突出部を有する貫通ビア、キャビティ内に配置される電子部品、キャビティの少なくとも一部を充填し、電子部品の少なくとも一部を覆う第1絶縁層を含むプリント回路基板に関する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビティを有するガラス層と、
前記ガラス層を貫通する貫通部、及び前記ガラス層上に突出した突出部を有する貫通ビアと、
前記キャビティ内に配置される電子部品と、
前記キャビティの少なくとも一部を充填し、前記電子部品の少なくとも一部を覆う第1絶縁層と、を含む、プリント回路基板。
【請求項2】
前記貫通部及び前記突出部は一体になっている、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項3】
前記第1絶縁層は、前記ガラス層の下面上に延長されるように配置される
請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項4】
前記第1絶縁層上に配置される第1配線層と、
少なくとも一部が前記貫通ビアと接し、前記第1配線層と前記貫通ビアとを互いに連結するように、前記第1絶縁層の少なくとも一部を貫通する第1ビア層と、をさらに含む、請求項3に記載のプリント回路基板。
【請求項5】
前記第1絶縁層上に配置される第2絶縁層と、
前記第2絶縁層上に配置される第2配線層と、
前記第2配線層と前記第1配線層とを互いに連結するか、又は前記第2配線層を互いに連結するように、前記第2絶縁層の少なくとも一部を貫通する第2ビア層と、をさらに含む、請求項4に記載のプリント回路基板。
【請求項6】
前記電子部品は金属ピラーを含み、
前記金属ピラーは前記第1絶縁層の上側に突出する、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項7】
前記金属ピラーの上面は、前記貫通ビアの前記貫通部の上面と実質的に共面をなす、請求項6に記載のプリント回路基板。
【請求項8】
前記金属ピラーは、前記電子部品の上側及び下側にそれぞれ配置される、請求項7に記載のプリント回路基板。
【請求項9】
前記貫通ビアの下面は、前記ガラス層の下面と実質的に共面をなす、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項10】
前記第1絶縁層の上面は、前記ガラス層の上面と実質的に共面をなす、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項11】
前記第1絶縁層の下面は、前記ガラス層の下面と実質的に共面をなす、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項12】
少なくとも一部が前記ガラス層の下面に配置される第1配線層をさらに含み、
前記第1配線層の少なくとも一部は前記貫通ビアと接する、請求項11に記載のプリント回路基板。
【請求項13】
ガラス層と、
前記ガラス層を貫通する貫通部、及び前記ガラス層上に突出した突出部を有する貫通ビアと、を含み、
断面上において、前記貫通部の最上側での幅は、前記突出部の最下側での幅と実質的に同じである、プリント回路基板。
【請求項14】
前記貫通部及び前記突出部は一体になっている、請求項13に記載のプリント回路基板。
【請求項15】
前記貫通部の下面は前記ガラス層の下面と実質的に共面をなし、
前記突出部の上面は前記ガラス層の上面より突出した、請求項13に記載のプリント回路基板。
【請求項16】
前記貫通ビアは、実質的に上向きのテーパ形状を有する、請求項13に記載のプリント回路基板。
【請求項17】
前記ガラス層の少なくとも一部を貫通するキャビティをさらに含み、
前記キャビティと前記貫通ビアは、実質的に同じ方向にテーパ形状を有する、請求項13に記載のプリント回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプリント回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、人工知能(Artificial Intelligence、AI)技術などの発達により、幾何級数的に増加したデータ処理のためのHBM(High Bandwidth Memory)などのメモリチップ及びCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのプロセッサチップなどを含むマルチチップパッケージが使用されている。そのため、大面積構造を有する基板に対する需要があり、平坦度及び反り(warpage)の制御に関する問題を克服するための努力が続けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明のいくつかの目的のうちの一つは、ガラス層を含むプリント回路基板を提供することである。
【0004】
本発明のいくつかの目的のうち他の一つは、反り特性が向上したプリント回路基板を提供することである。
【0005】
本発明のいくつかの目的のうち他の一つは、信頼性を向上させることができるプリント回路基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明を通じて提案するいくつかの解決手段のうちの一つは、キャビティを有するガラス層、ガラス層を貫通する貫通部、及びガラス層上に突出した突出部を有する貫通ビア、キャビティ内に配置される電子部品、キャビティの少なくとも一部を充填し、電子部品の少なくとも一部を覆う第1絶縁層を含むプリント回路基板を提供することである。
【0007】
本発明を通じて提案するいくつかの解決手段のうちの他の一つは、ガラス層、ガラス層を貫通する貫通部、及びガラス層上に突出した突出部を有する貫通ビアを含み、断面上において、貫通部の最上側での幅は突出部の最下側での幅と実質的に同じプリント回路基板を提供することである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の様々な効果のうち一つの効果として、ガラス層を含むプリント回路基板を提供することができる。
【0009】
本発明の様々な効果のうち他の一つの効果として、反り特性が向上したプリント回路基板を提供することができる。
【0010】
本発明の様々な効果のうち他の一つの効果として、信頼性を向上させることができるプリント回路基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
図2】電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
図3a】一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
図3b】一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
図4a】他の一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
図4b】他の一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
図5a】さらに他の一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
図5b】さらに他の一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
図6a】一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
図6b】一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
図6c】一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
図6d】一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
図6e】一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
図6f】一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
図6g】一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
図6h】一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
図6i】一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
図6j】一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
図6k】一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
図7a】さらに他の一例に係るプリント回路基板の製造方法の一部分を概略的に示す断面図である。
図7b】さらに他の一例に係るプリント回路基板の製造方法の一部分を概略的に示す断面図である。
図7c】さらに他の一例に係るプリント回路基板の製造方法の一部分を概略的に示す断面図である。
図7d】さらに他の一例に係るプリント回路基板の製造方法の一部分を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付の図面を参照して本発明について説明する。図面における要素の形状及びサイズなどは、より明確な説明のために誇張又は縮小することができる。
【0013】
電子機器
図1は、電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【0014】
図面を参照すると、電子機器1000はメインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040などが物理的及び/又は電気的に連結されている。これらは後述する他の電子部品とも結合して様々な信号ライン1090を形成する。
【0015】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップ;セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのアプリケーションプロセッサチップ;アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップなどが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にもその他の異なる形態のチップ関連電子部品が含まれてもよいことは言うまでもない。また、これらのチップ関連部品1020を互いに組み合わせてもよいことは勿論である。チップ関連部品1020は、上述したチップや電子部品を含むパッケージ形態であってもよい。
【0016】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi-Fi(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の異なる多数の無線又は有線標準やプロトコルのうち任意のものが含まれてもよい。また、ネットワーク関連部品1030をチップ関連部品1020と併せて互いに組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0017】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(low Temperature Co-Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)フィルタ、MLCC(Multi-Layer Ceramic Condenser)などが含まれる。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の異なる様々な用途のために使用されるチップ部品形態の受動素子などが含まれてもよい。また、その他の部品1040をチップ関連部品1020及び/又はネットワーク関連部品1030と互いに組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0018】
電子機器1000の種類に応じて、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/又は電気的に連結されているか又はされていない他の電子部品を含むことができる。他の電子部品の例としては、カメラモジュール1050、アンテナモジュール1060、ディスプレイ1070、バッテリ1080などがある。但し、これらに限定されるものではなく、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、羅針盤、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカ、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)、CD(compact disk)、DVD(digital versatile disk)などであってもよい。これら以外にも、電子機器1000の種類に応じて様々な用途のために使用されるその他の電子部品などが含まれてもよいことは言うまでもない。
【0019】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、個人用情報端末機(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニタ(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビ(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などであってもよい。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、データを処理する任意の他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0020】
図2は、電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
【0021】
図面を参照すると、電子機器は、例えば、スマートフォン1100であってもよい。スマートフォン1100の内部には、マザーボード1110が収容されており、このようなマザーボード1110には、様々な部品1120が物理的及び/又は電気的に連結されている。また、カメラモジュール1130及び/又はスピーカ1140のようにマザーボード1110に物理的及び/又は電気的に連結されているか又はされていない他の部品が内部に収容されている。部品1120の一部は、上述したチップ関連部品であってもよく、例えば、部品パッケージ1121であってもよいが、これに限定されるものではない。部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品を含む電子部品が表面実装配置されたプリント回路基板の形態であってもよい。あるいは、部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品が内蔵されたプリント回路基板の形態であってもよい。一方、電子機器は必ずしもスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述したように他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0022】
プリント回路基板
図3a及び図3bは、一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
【0023】
図3a及び図3bを参照すると、一例に係るプリント回路基板は、キャビティCAを有するガラス層110、ガラス層110を貫通する貫通ビア130、キャビティCAを充填する第1絶縁層111、及びキャビティCA内に配置される電子部品201、202を含むことができる。貫通ビア130は、ガラス層110の少なくとも一部を貫通してもよく、ガラス層110の一部に突出してもよい。すなわち、貫通ビア130は、ガラス層110を貫通する貫通部と、ガラス層110上に突出する突出部とを有することができる。貫通ビア130の貫通部及び突出部は一体になっていてもよい。
【0024】
一例に係るプリント回路基板はガラス層110を含むため、基本的に優れた平坦度を有することができ、さらに、低い熱膨張係数(CTE)などにより反り(warpage)制御に有利であり得る。特に、一例に係るプリント回路基板は、ガラス層110をコアとして有することができるため、他の絶縁層を積層する段階でも反り制御に有利であり得る。また、ガラス層110の誘電特性、例えば、Dk2.5~11の可変性質を有するガラス(Glass)の特徴によりプリント回路基板の層数を減少させることができ、デザイン自由度をより増加させることができる。
【0025】
ガラス層110は、プリント回路基板の最外側に配置されることができる。一例に係るプリント回路基板は、ガラス層110の下側に第1絶縁層111及び/又は第2絶縁層112がビルドアップされる、いわゆるコアレス(coreless)タイプの基板であってもよい。一例に係るプリント回路基板は、ガラス層110が最外側に配置されることで、コアレスタイプの基板を製造しても、反り(warpage)特性を制御する上で有利であり得る。特に、大面積のコアレスタイプ基板の場合、反りによる不良が発生する可能性が高く、微細回路を実現するか、又は多層の基板を製造する場合、若干の反りにもかかわらず、基板の不良を引き起こす可能性がある。但し、一例に係るプリント回路基板は、最外側にガラス層110を配置し、ガラス層110がプリント回路基板の上側に露出するため、反り特性を制御する上で有利となり得る。但し、これに限定されず、完成した基板上にガラス層110を保護するための他の手段をさらに含むことができるが、この場合にもガラス層110はビルドアップ層の中で最上側に配置されることができる。
【0026】
一例に係るプリント回路基板は、ガラス層110が基板の構成として含まれ、ビルドアップ層の一部を構成することができる。これは、キャビティCAを有するガラス層110が別途製造されて半田等で連結されるガラスインターポーザとは明確に異なるものであり、一例に係るプリント回路基板は、ガラス層110と第1絶縁層111が接するように位置することができ、ガラス層110上に形成された第1ビア層131が貫通ビア130と直接接することができる。その他にも、一例に係るプリント回路基板におけるガラス層110と第1絶縁層111、第1配線層121、第1ビア層131の配置関係に関する詳細については後述する。
【0027】
ガラス層110は、非結晶質固体であるガラス(glass)を含むことができる。ガラスは、例えば、純粋な二酸化ケイ素(約100%のSiO)、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス(alumino-silicate glass)などを含むことができる。但し、これに限定されるものではなく、代替的なガラス材料である、例えば、フッ素ガラス、リン酸ガラス、カルコゲンガラスなどもガラス層110の材料として使用されることができる。また、特定の物理的特性を有するガラスを形成するために、その他の添加剤をさらに含むこともできる。このような添加剤は、炭酸カルシウム(例えば、石灰)及び炭酸ナトリウム(例えば、ソーダ)だけでなく、マグネシウム、カルシウム、マンガン、アルミニウム、鉛、ホウ素、鉄、クロム、カリウム、硫黄及びアンチモンと、これらの元素、並びに他の元素の炭酸塩及び/又は酸化物を含むことができる。ガラス層110は、ガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)などを含む材料、例えば、CCL(Copper Clad Laminate)、PPG(Prepreg)などとは区別される層であり、例えば、板ガラス等と理解することができる。
【0028】
ガラス層110はキャビティCAを有することができる。キャビティCAは、ガラス層110の上下面を貫通することができ、上向きのテーパ形状を有することができる。すなわち、キャビティCAは、ガラス層110の上面での幅が下面での幅より狭くなるようにテーパ形状を有することができ、これは、ガラス層110の下側から上側にキャビティCAが形成された結果であり得る。一方、必ずしもこれに限定されるものではなく、キャビティCAは、ガラス層110の下面での幅が上面での幅より狭くなるようにテーパ形状を有してもよく、ガラス層110の中心部での幅が上面及び下面での幅よりそれぞれ狭くなるように形成され、中心部での幅が最も狭くなるように形成されてもよい。これは、ガラス層110にキャビティCAを形成した後、キャリアに付着して基板を製造した結果であり得る。キャビティCA内には、第1電子部品201及び/又は第2電子部品202が実装されることができる。第1電子部品201及び第2電子部品202は、プリント回路基板の最外側に配置され、第1半導体チップ301及び/又は第2半導体チップ302のような他の電子部品と連結されることができる。このとき、第1電子部品201及び第2電子部品202はキャビティCA内に配置され、第1絶縁層111によって埋め込まれて最外側に突出することができる。
【0029】
一例に係るプリント回路基板は、ガラス層110を貫通する貫通ビア130を含むことができる。貫通ビア130はガラス層110の上下面を貫通してもよく、貫通ビア130の一部はガラス層110の上側に突出してもよい。すなわち、貫通ビア130は、ガラス層110を貫通する貫通部と、ガラス層110から突出した突出部とを有することができる。このとき、貫通部と突出部は一体に形成されてもよい。
【0030】
貫通ビア130は金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。貫通ビア130は電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。しかし、これに限定されず、貫通ビアは、貫通孔の内壁に沿って配置される無電解めっき層(又は化学銅)をさらに含むこともできる。無電解めっき層(又は化学銅)の代わりにスパッタリング層を含んでもよく、必要に応じて両方を含んでもよい。一方、これに限定されず、貫通ビア130は焼結層及び/又は焼成層を含んでもよい。好ましくは、貫通ビア130は、キャリアシードを用いて電解めっきにより形成されてもよいが、ビアホールに無電解めっき及び/又はスパッタリングを行った後に電解めっきで形成されてもよく、金属物質を含むペーストを充填した後、焼結、焼成する方法で形成されてもよい。
【0031】
貫通ビア130は、ガラス層110の上面から突出してもよく、ガラス層110の下面には突出しなくてもよい。すなわち、貫通ビア130の上面はガラス層110の上面より高く位置し、貫通ビア130の貫通部はガラス層110の上側に突出することができる。また、貫通ビア130の下面はガラス層110の下面と実質的に共面をなすことができる。したがって、一例に係るプリント回路基板は、貫通ビア130が上側にはガラス層110より突出しており、下側にはガラス層110と実質的に共面をなすことができる。
【0032】
これは、貫通ビア130を形成するための段階において、レジスト上に貫通孔が形成されたガラス層110を付着し、貫通孔に対応するレジストの一部をさらに除去した後、貫通ビアを形成してからレジストを除去した結果であり得る。したがって、レジストが形成された側では貫通ビア130が突出することができ、レジストが形成された側の反対側では貫通ビア130がガラス層110と実質的に共面をなす面を有することができる。これは、ガラス層110及び貫通ビア130の製造方法において発生し得る構造的な差であって、両側がガラス層より突出する貫通ビア構造とは異なるものであり、両側がいずれもガラス層と共面をなす貫通ビアの構造とも異なるものである。
【0033】
一例に係るプリント回路基板の貫通ビア130は、ガラス層110の上側に突出した突出部を有するため、貫通ビア130は他の電子部品と連結されることができ、特にガラス層110より突出した構造を有するため、ポストの機能を行うこともできる。すなわち、貫通ビア130の上側がガラス層110より突出しており、半導体チップなどの電子部品との結合が容易となり得る。一方、貫通ビア130の下面はガラス層110の下面と実質的に共面をなすため、第1絶縁層111及び/又は第2絶縁層112が積層されてビルドアップ層を形成する段階で屈曲又は凹凸が発生しないことができるため、ビルドアップ段階でアンジュレーション(undulation)が発生することを防止でき、平坦度を向上させることができる。
【0034】
一方、一例に係るプリント回路基板の貫通ビア130は、断面上において、貫通部の最上側での幅が突出部の最下側での幅と実質的に同じであり得る。貫通部の最上側での幅と突出部の最下側での幅は、ビアの中心軸を通るように、プリント回路基板の積層方向への切断断面を走査顕微鏡等で撮影して測定することができる。貫通部の最上側での幅と突出部の最下側での幅が実質的に同じであり得るとは、貫通部と突出部が連続的に形成されたことを意味することができる。これは、第1貫通孔が形成されたガラス層110がレジスト上に配置された後、レジストを貫通する第2貫通孔を形成し、第1貫通孔及び第2貫通孔を同時に充填するように貫通ビア130を形成した結果であり得る。このとき、レジストに第1貫通孔が形成されたガラス層110を形成した後、第1貫通孔に対応するように第2貫通孔を形成するため、第1貫通孔と第2貫通孔との境界における第1貫通孔の幅と第2貫通孔の幅は実質的に同じであることができる。したがって、貫通ビア130の突出部と貫通部との境界での幅が互いに実質的に同じであることができ、貫通部と突出部とが一体をなすことができる。これは、ガラス層110に貫通ビア130を形成する段階で、ランド部が形成されるものとは異なるものであり、一例に係るプリント回路基板の貫通ビア130はガラス層110の上面に接するように延長されなくてもよい。但し、これは、ガラス層110の上面にランド部が形成されるものとは異なることを意味し、プリント回路基板の製造段階でレジストに形成される第2貫通孔が、ガラス層110に形成された第1貫通孔より広い幅を有することで発生する製造段階での誤差等による配置は含まれなくてもよい。
【0035】
貫通ビア130の貫通部及び突出部は一体に形成されてもよい。すなわち、貫通ビア130は、ガラス層110を貫通する貫通部を形成した後、別途の工程でガラス層110上に突出する突出部を形成するものではなく、レジスト及びガラス層に形成されたそれぞれの貫通孔を同時に充填するように貫通ビア130を形成した後、レジストを除去するため、貫通ビア130の突出部及び貫通部は一体に形成されたものとなり得る。すなわち、貫通ビア130の貫通部及び突出部は、それぞれの位置がガラス層110の内側であるか外側であるかによる便宜上の区別に過ぎず、貫通部及び突出部の間には境界が見えない場合もある。
【0036】
貫通ビア130は、上向きのテーパ形状を有することができる。一方、図3a及び図3bでは、貫通ビア130が実質的に上向きのテーパ形状を有するものとして示しているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、貫通ビア130はキャビティCAと実質的に同じ形状を有することができる。ここで、実質的に同じ形状とは、プリント回路基板の研磨又は切断断面を基準に走査顕微鏡又は光学顕微鏡を介して観察したとき、ほぼテーパの方向が一致することを意味することができ、上側、中心側、下側での幅の大小関係が類似していることを意味することができる。これは、貫通ビア130を形成するためにガラス層110に貫通孔を形成する段階において、ガラス層110にキャビティCAを形成するための段階が同時に行われた結果であり得る。このとき、貫通ビア130の貫通部と突出部は同じ段階で一体に形成できるため、貫通ビア130の貫通部と突出部は実質的に一定の方向及び程度をもってテーパ形状を有することができる。これは、貫通部と突出部がガラス層の上面を基準として実質的に同じ傾斜と傾きを有するようにテーパ形状を有してもよいことを意味する。
【0037】
一方、一例に係るプリント回路基板は、ガラス層110の上面の一部を除去する方法により貫通ビア130の突出部を形成するものではないため、ガラス層110の上面及び下面は実質的に同じ表面粗さを有することができる。しかし、必ずしもこれに限定されるものではなく、ガラス層110の下面は貫通ビア130の下面と実質的に共面をなすように加工されてもよいため、互いに異なる表面粗さを有することもできる。但し、この場合にも、ガラス層110の上面が加工されて表面粗さが形成されるものではない。
【0038】
ガラス層110のキャビティCA内には、第1電子部品201及び/又は第2電子部品202が実装されることができる。第1電子部品201及び第2電子部品202は、それぞれ様々な種類の電子部品であってもよく、能動部品及び/又は受動部品などであってもよい。能動部品の場合には、数百~数百万個以上の回路が一つのチップ内に集積化された様々な種類の集積回路(IC:integrated Circuit)ダイであってもよい。受動部品は、シリコンキャパシタ(Silicon Capacitor)などのMLCC(Multi-Layer Ceramic Capacitor)のようなチップ型のキャパシタであってもよく、PI(Power Inductor)のようなチップ型のインダクタなどであってもよい。但し、これに限定されるものではなく、これ以外にも他の種類の能動部品及び/又は受動部品が配置されてもよい。また、第1電子部品201及び/又は第2電子部品202は、ダイツーダイ(die to die)連結(interconnection)のためのブリッジであってもよい。ブリッジはシリコンブリッジであってもよく、シリコンウェハ上に微細回路が実現された半導体チップのような形態であってもよい。一方、これに限定されず、第1電子部品201及び/又は第2電子部品202は、有機絶縁材料を含むいわゆる有機ブリッジであってもよい。このように、第1電子部品201及び第2電子部品202に関する内容には制限がなく、プリント回路基板上に実装されるか、又はプリント回路基板内に埋め込まれるなど、プリント回路基板と連結されて機能を行うことができる部品又は素子であれば、制限なく用いることができる。第1電子部品201は、第2電子部品202がそれぞれ互いに異なる半導体チップを連結することができるか、或いは一つの半導体チップと連結されて電力又は信号を送受信することができる。
【0039】
第1電子部品201及び第2電子部品202はそれぞれ金属ピラー203を含むことができる。金属ピラー203は金属を含むことができる。金属としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0040】
金属ピラー203は、貫通ビア130と同様に、少なくとも一部がプリント回路基板から突出することができる。すなわち、金属ピラー203は、金属ピラー203を埋め込む構成である第1絶縁層111から突出して他の構成と電気的に連結されるための経路として機能することができる。すなわち、金属ピラー203は、第1絶縁層111よりも突出した構造を有することができ、金属ピラー203の上面は、第1絶縁層111の上面及びガラス層110の上面より高く位置して突出した構造を有することができる。また、金属ピラー203の上面は貫通ビア130の上面と実質的に共面をなすことができる。すなわち、貫通ビア130及び金属ピラー203は、それぞれプリント回路基板において、半導体チップと連結されるための手段として機能することができるため、貫通ビア130と金属ピラー203とが互いに同じ高さの突出面を有することが、半導体チップなどの他の構成との連結において有利であり得る。一例に係るプリント回路基板は、レジスト上にキャビティCAが形成されたガラス層が形成された後、第1電子部品201及び第2電子部品202が実装された後に貫通ビア130を形成し、キャリア基板のシードを除去する段階で貫通ビア130の一部が除去されたリセスが形成されることができ、レジストを除去する段階で貫通ビア130の上面及び金属ピラー203の上面が実質的に共面をなすことができるように、グラインディング又はポリシング過程を行った結果であり得る。これについては、プリント回路基板の製造方法においてより具体的に後述する。
【0041】
一方、図3a及び図3bでは、第1電子部品201及び第2電子部品202について、それぞれ上側には金属ピラー203を含み、下側には第1ビア層131と連結されるものとして示し、上面及び下面がいずれも活性面であると示しているが、これに限定されるものではなく、第1電子部品201及び第2電子部品202はそれぞれ上側が活性面で、下側は非活性面であってもよい。この場合には、電子部品の非活性面である下面は、第1ビア層131と連結されず、上側に位置する金属ピラー203を介して外部と連結されることができる。なお、これに限定されず、第1電子部品201及び第2電子部品202は、下面のみを活性面として有することもできる。このとき、電子部品は金属ピラー203を含まなくてもよい。この場合には、電子部品は外部と直接連結されず、プリント回路基板の他の配線を介して連結されることができる。
【0042】
第1絶縁層111はキャビティCAを充填することができ、ガラス層110の下面に延長されるように配置され、ガラス層110上に配置されることができる。すなわち、第1絶縁層111は、ガラス層110上に配置されるビルドアップ層であって、キャビティCAを充填するように形成されてキャビティCA内に配置される第1電子部品201及び第2電子部品202の少なくとも一部をカバーすることができ、ガラス層110の下面上に配置されることもできる。
【0043】
第1絶縁層111は有機絶縁物質を含むことができる。有機絶縁物質は、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又は樹脂と共に無機フィラー、有機フィラー及び/又はガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)を含む材料を含むことができる。例えば、絶縁物質はABF(Ajinomoto Build-up Film)、PPG(Prepreg)などの非感光性絶縁材であってもよいが、これに限定されるものではなく、それ以外にも他の高分子材料が用いられてもよい。また、絶縁物質は、PID(Photo Imageable Dielectric)などの感光性絶縁材であってもよい。また、絶縁物質は、BS(Bonding Sheet)などの接着シートを含んでもよい。
【0044】
第1絶縁層111の上面とガラス層110の上面は互いに実質的に共面をなすことができる。図3a及び図3bを参照すると、第1絶縁層111の上面は、ガラス層110のキャビティCAを充填する第1絶縁層111部分における上面を意味することができ、ガラス層110の上面に隣接して外部に露出する部分の第1絶縁層111の上面を意味することができる。プリント回路基板の製造方法において、キャリア基板上にレジストを形成した後、キャビティCAが形成されたガラス層110を形成し、その後、キャビティCAを充填するように第1絶縁層111を形成するため、第1絶縁層111の上面はキャビティCAによって露出したレジスト以上に形成されることができないことから、第1絶縁層111の上面はガラス層110の上面と実質的に共面をなすことができる。
【0045】
一方、一例に係るプリント回路基板は、第1絶縁層111の上面の一部を除去する方法により貫通ビア130の突出部を形成するものではないため、第1絶縁層111の上面はキャビティCAの内壁に配置された第1絶縁層111の側面又は第1絶縁層111の下面と実質的に同じ表面粗さを有することができる。しかし、必ずしもこれに限定されるものではなく、第1絶縁層111の下面は貫通ビア130の下面と実質的に共面をなすように加工されてもよいため、互いに異なる表面粗さを有することもできる。但し、この場合にも、第1絶縁層111の上面が加工されて表面粗さが形成されるものではない。
【0046】
一例に係るプリント回路基板は、第1絶縁層111上に配置される第1配線層121を含むことができ、第1絶縁層111の少なくとも一部を貫通する第1ビア層131を含むことができる。第1ビア層131は、第1配線層121と貫通ビア130とを互いに連結するための構成であることができ、第1ビア層131の少なくとも一部は貫通ビア130と接することができる。すなわち、第1ビア層131はガラス層110の下面上に配置されて貫通ビア130と互いに区別されることができ、第1ビア層131は貫通ビア130と互いに境界面を有することができる。
【0047】
第1配線層121は金属を含むことができる。金属としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。第1配線層121は、それぞれ設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、信号パターン、パワーパターン、グランドパターンなどを含むことができる。これらのパターンはそれぞれライン、プレーン、パッドなど様々な形態を有することができる。第1配線層121及び第2配線層122は、それぞれ無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。あるいは、金属箔(又は銅箔)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。あるいは、金属箔(又は銅箔)、無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。無電解めっき層(又は化学銅)の代わりにスパッタリング層を含んでもよく、必要に応じて両方を含んでもよい。
【0048】
第1配線層121は、SAP(Semi Additive Process)、MSAP(Modified Semi Additive Process)、TT(Tenting)、又はサブトラクティブ工法のうちいずれか一つで形成されてもよいが、これに限定されるものではなく、プリント回路基板において回路を構成できる工法であれば、制限なく利用可能である。また、第1配線層121は、用途及び設計等に応じて、互いに異なる工法で形成されてもよい。
【0049】
第1ビア層131は金属を含むことができる。金属としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。第1ビア層131は、それぞれビアホールを充填するフィルドビア(filled via)を含むことができるが、ビアホールの壁面に沿って配置されるコンフォーマルビア(conformal via)を含むこともできる。第1ビア層131は、設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。
【0050】
第1ビア層131の少なくとも一部は貫通ビア130と第1配線層121とを互いに連結することができ、第1ビア層131の一部は第1電子部品201又は第2電子部品202と第1配線層121とを互いに連結することもできる。このとき、第1電子部品201又は第2電子部品202は、上側及び下側にそれぞれ連結されることができ、上面及び下面がそれぞれ活性面であることができる。但し、必ずしもこれに限定されるものではなく、第1ビア層131は、第1電子部品201又は第2電子部品202と連結されなくてもよい。この場合、第1電子部品201又は第2電子部品202は、上側が活性面となってもよく、この場合には、第1電子部品201又は第2電子部品202が上側に半導体チップなどの素子と直接連結されてもよい。第1電子部品201又は第2電子部品202と連結される第1ビア層131及び第1配線層の一部は、貫通ビア130と連結される第1ビア層131及び第1配線層の他の一部よりも微細な構造を有することができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0051】
一方、一例に係るプリント回路基板は、第1絶縁層111上に配置される第2絶縁層112、第2絶縁層112上に配置される第2配線層122、第2配線層122と第1配線層121とを互いに連結するか、又は第2配線層122を互いに連結するように第2絶縁層112の少なくとも一部を貫通する第2ビア層132をさらに含むことができる。
【0052】
第2絶縁層112は有機絶縁物質を含むことができる。有機絶縁物質は、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又はこれらの樹脂と共に、無機フィラー、有機フィラー及び/又はガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)を含む材料を含むことができる。例えば、絶縁材は、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、PPG(Prepreg)などの非感光性絶縁材であってもよいが、これに限定されるものではなく、それ以外にも他の高分子材料が用いられてもよい。また、絶縁物質は、PID(Photo Imageable Dielectric)などの感光性絶縁材であってもよい。また、絶縁物質は、BS(Bonding Sheet)などの接着シートを含んでもよい。第2絶縁層112は、第1絶縁層111と互いに実質的に同じ絶縁物質を含むことができ、第1絶縁層111及び第2絶縁層112はそれぞれビルドアップのためのビルドアップ絶縁層として配置されることができる。但し、これに限定されるものではなく、第1絶縁層111と第2絶縁層112は互いに異なる絶縁材料を含むことができる。
【0053】
第2配線層122は金属を含むことができる。金属としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。第2配線層122は、設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、信号パターン、パワーパターン、グランドパターンなどを含むことができる。これらのパターンはそれぞれライン、プレーン、パッドなど様々な形態を有することができる。第2配線層122は、無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。あるいは、金属箔(又は銅箔)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。あるいは、金属箔(又は銅箔)、無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。無電解めっき層(又は化学銅)の代わりにスパッタリング層を含んでもよく、必要に応じて両方を含んでもよい。
【0054】
第2ビア層132は金属を含むことができる。金属としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。第2ビア層132は、ビアホールを充填するフィルドビア(filled via)を含むことができるが、ビアホールの壁面に沿って配置されるコンフォーマルビア(conformal via)を含むこともできる。第2ビア層132は、設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。第2ビア層132は、それぞれ無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。無電解めっき層(又は化学銅)の代わりにスパッタリング層を含んでもよく、必要に応じて両方を含んでもよい。
【0055】
第2配線層122及び第2ビア層132のそれぞれは、SAP(Semi Additive Process)、MSAP(Modified Semi Additive Process)、TT(Tenting)、又はサブトラクティブ工法のうちいずれか一つで形成されてもよいが、これに限定されるものではなく、プリント回路基板において回路及びビアを構成できる工法であれば、制限なく利用可能である。
【0056】
一方、一例に係るプリント回路基板は、第2絶縁層112上に半田レジスト層140をさらに含むことができる。半田レジスト層140は、プリント回路基板の最外側に配置され、外部からプリント回路基板を保護することができる。半田レジスト層140は公知の半田レジストを用いることができ、半田レジスト層140は液状又はフィルムタイプの半田レジスト(Solder Resist)を含むことができるが、これに限定されるものではなく、他の種類の絶縁材が使用されてもよく、熱硬化性樹脂と熱硬化性樹脂に分散した無機フィラーを含んでよいが、ガラス繊維は含まなくてもよい。絶縁樹脂は感光性絶縁樹脂であってもよく、フィラーは無機フィラー及び/又は有機フィラーであってもよいが、これに限定されるものではなく、必要に応じて、それ以外に他の高分子材料が用いられてもよい。半田レジスト層140は開口を有することができ、開口を介して第2配線層122の少なくとも一部が露出することができる。開口を介して露出した第2配線層122は、半導体チップなどの素子と連結されることができ、マザーボード、メインボード又は他のプリント回路基板とも連結されることができる。開口を介して露出する配線層はパッドとして機能し、パッド上には、必要に応じて表面処理層がさらに形成されてもよい。
【0057】
一例に係るプリント回路基板は、第2絶縁層112及び第2配線層122がそれぞれ4つの層で構成されるものとして示したが、第2絶縁層112及び第2配線層122の層数は様々であり得る。
【0058】
図3bを参照すると、貫通ビア130は、第1半導体チップ301及び第2半導体チップ302と連結部材400を介して連結されることができ、第1半導体チップ301及び第2半導体チップ302は、貫通ビア130の貫通部及び金属ピラー203と直接連結されることができる。このとき、第1半導体チップ301は、一部が貫通ビア130と連結されてもよく、他の一部は金属ピラー203を介して第1電子部品201と連結されてもよい。また、第2半導体チップ302は、一部が貫通ビア130と連結されてもよく、他の一部は金属ピラー203を介して第1電子部品201と連結されてもよく、また他の一部は、金属ピラー203を介して第2電子部品202と連結されてもよい。すなわち、第1半導体チップ301と第2半導体チップ302とは、第1電子部品201を介して互いに電気的に連結されることができ、このとき、第1電子部品201は、第1半導体チップ301と第2半導体チップ302を相互連結するブリッジとして機能することができ、第2電子部品202は、第2半導体チップ302と連結されて第2半導体チップ302に電力を供給する機能として利用されることができる。
【0059】
第1半導体チップ301及び第2半導体チップ302はそれぞれ、数百~数百万個以上の素子が一つのチップ内に集積化された集積回路(IC:integrated Circuit)ダイ(Die)を含むことができる。このとき、集積回路は、例えば、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、アプリケーションプロセッサ(例えば、AP)、アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップであってもよいが、これに限定されるものではなく、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリ、HBM(High Bandwidth Memory)などのメモリチップ、又はPMIC(Power Management IC)などであってもよいことは勿論である。例えば、第1半導体チップ301はGPUなどのロジックチップを含むことができ、第2半導体チップ302はHBMなどのメモリチップを含むことができる。あるいは、第1半導体チップ301及び第2半導体チップ302は、ダイスプリットによって分割されて互いに異なるコアを有する分割されたロジックチップであってもよい。
【0060】
第1半導体チップ301及び第2半導体チップ302は、それぞれアクティブウエハに基づいて形成されたものであってもよく、この場合、それぞれの本体をなす母材としては、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウムヒ素(GaAs)などが使用されてもよい。本体には様々な回路が形成されていてもよい。それぞれの本体には接続パッドを形成することができ、接続パッドはアルミニウム(Al)、銅(Cu)などの導電性物質を含むことができる。第1半導体チップ301及び第2半導体チップ302は、ベアダイ(bare die)であってもよく、この場合、接続パッド上には金属バンプが配置されてもよい。あるいは、第1半導体チップ301及び第2半導体チップ302は、パッケージ化されたダイ(packaged die)であってもよく、この場合、接続パッド上にさらに再配線層が形成され、再配線層上に金属バンプが配置されることができる。
【0061】
第1半導体チップ301及び第2半導体チップ302は、連結部材400を介して貫通ビア130及び/又は金属ピラー203と連結されることができる。連結部材400は、低融点金属、例えば、錫(Sn)-アルミニウム(Al)-銅(Cu)などの半田などで形成されてもよいが、これに限定されるものではない。連結部材400は、多重層又は単一層で形成されてもよい。多重層で形成される場合には半導体チップ上に形成された銅ピラー(pillar)及び半田を含むことができ、単一層で形成される場合には錫-銀半田や銅を含むことができるが、これに限定されるものではない。これ以外にも、半導体チップ又は電子部品などがプリント回路基板に実装され、電気的に連結されるように媒介の役割を果たすことができる手段であれば、制限なく用いることができる。図3bでは、2つの半導体チップが実装されたものとして表現したが、これに限定されるものではなく、より多くの半導体チップが実装されてもよく、より多くの半導体チップが第1電子部品201によってダイツーダイ連結されてもよい。
【0062】
一方、一例に係るプリント回路基板は、図3a及び図3bに示す構成に限定されるものではなく、それ以外にも、プリント回路基板の一般的な構成をさらに含むことができる。すなわち、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば利用できる構成をさらに含むことができる。例えば、最上側に配置されたガラス層を保護するための手段をさらに含んでもよく、又は貫通ビア130の突出部及び金属ピラー203の突出部における表面処理により半導体チップとの結合力を向上させるなどの構成がさらに追加されてもよい。
【0063】
図4a及び図4bは、他の一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
【0064】
図4a及び図4bを参照すると、他の一例に係るプリント回路基板の第1電子部品201及び/又は第2電子部品202がそれぞれ上側及び下側に金属ピラー203を含むことができる。すなわち、他の一例に係るプリント回路基板の第1電子部品201及び/又は第2電子部品202は、両面が活性面となり、第1電子部品201及び/又は第2電子部品202の下側に配置された金属ピラー203は、第1ビア層131を介して第1配線層121と連結されることができる。このとき、第1電子部品201及び/又は第2電子部品202をキャビティCAに実装し、第1絶縁層111に埋め込んだ後、第1ビア層131及び第1配線層121を形成することで第1配線層121と連結するため、第1電子部品201及び/又は第2電子部品202の下側に配置された金属ピラー203は、第1ビア層131と接するように配置されることができ、金属ピラー203と第1ビア層131が直接連結されることができる。
【0065】
一方、図4a及び図4bの他の一例に係るプリント回路基板において、第1電子部品201及び第2電子部品202に関する内容以外の説明については、一例に係るプリント回路基板の説明と同様に適用することができるため、重複説明は省略する。
【0066】
図5a及び図5bは、さらに他の一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
【0067】
図5a及び図5bを参照すると、さらに他の一例に係るプリント回路基板は、第1ビア層131が省略され、貫通ビア130及び金属ピラー203が第1配線層121と直接連結されることができる。すなわち、貫通ビア130及び金属ピラー203が第1配線層121と接するように配置されることができる。
【0068】
これは、第1電子部品201及び第2電子部品202をキャビティCA内に実装して第1絶縁層111に埋め込んだ後、第1絶縁層111及びガラス層110を平坦化した結果であり得る。ガラス層110上に配置される第1絶縁層111の一部を除去することにより、第1絶縁層111を平坦化する場合、貫通ビア130及び金属ピラー203上に直接第1配線層121が形成されることができる。すなわち、第1絶縁層111は、キャビティCAの内部を充填するように形成されるが、ガラス層110の下面上には延長されなくてもよく、第1絶縁層111の下面がガラス層110の下面と実質的に共面をなしてもよい。さらに他の一例に係るプリント回路基板は、第1配線層が省略されることで、プリント回路基板の全厚さが低減され、より薄いプリント回路基板を実現することができる。このとき、プリント回路基板はガラス層110を含むため、第1絶縁層111を平坦化する段階でガラス層110により平坦度が確保され、加工安定性を有することができる。
【0069】
一方、図5a及び図5bの他の一例に係るプリント回路基板において、第1絶縁層111、第1配線層121に関する内容以外の説明については、一例に係るプリント回路基板及び他の一例に係るプリント回路基板の説明と同様に適用することができるため、重複説明は省略する。
【0070】
プリント回路基板の製造方法
図6a~図6kは、一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【0071】
図6aを参照すると、プリント回路基板の製造方法は、ガラス層110に第1貫通孔h1及びキャビティCAを形成する段階を含むことができる。
【0072】
第1貫通孔h1は、以後、貫通ビア130の貫通部が形成される位置であり、キャビティは、第1電子部品201及び第2電子部品202が実装される領域であることができる。このとき、図6aでは、第1貫通孔h1及びキャビティCAが上向きのテーパ形状を有するように示し、第1貫通孔h1及びキャビティCAが下側から上側に形成されたものとして表現したが、これに限定されず、下向きのテーパ形状を有してもよく、又は両側において中心部方向にテーパ形状を有してもよいことは、上述した通りである。第1貫通孔h1及びキャビティCAを形成する方法は、ガラス層110を加工して第1貫通孔h1及びキャビティCAを形成する方法であれば、制限なく利用することができ、例えば、TGV(Through Glass Via)を形成するための加工方法であれば、制限なく用いることができる。
【0073】
図6bを参照すると、プリント回路基板の製造方法は、キャリア基板C上にレジストPRを形成した後、ガラス層110を結合する段階を含むことができる。
【0074】
キャリア基板Cは、絶縁層及び配線層などを形成する際に、これを支持するためのものであって、絶縁材質又は金属材質で形成されることができる。図6bにおいて、キャリア基板Cは、絶縁材C0と絶縁材C0の下側に配置されたシードC1を含むものとして示したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、絶縁材C0の上下側にそれぞれシードC1が含まれてもよい。すなわち、キャリア基板Cは一つの場合を例示したものであり、キャリア基板Cは当該技術分野において通常の知識を有する者であれば利用することができ、支持基板として使用され、後ほどデタッチ(detach)又は除去できるものであれば、本発明において特に制限なく使用可能である。
【0075】
レジストPRは、公知のドライフィルムを用いることができ、感光性絶縁材料を含んで、以後の段階で露光及び現像過程を経て一部が除去された第2貫通孔を形成できる材料であれば、制限なく用いることができる。レジストPRは、ポジ型(positive type)の感光性絶縁材料を含むことが好ましい。ポジ型(positive type)の感光性絶縁材料を含む場合には、露光された部分の光重合体ポリマー結合が切れる可能性があり、以後の現像工程で光重合体ポリマー結合が切れた部分が除去されるため、第1貫通孔h1が形成された領域に対応する領域への第2貫通孔h2の形成においてより好適であり得る。レジストPRは、ラミネーティング(laminating)によってキャリア基板Cの下面に形成することができ、レジストPRが硬化する前にガラス層110を付着して結合することができるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、レジストPRとガラス層110との間に接着手段をさらに含んでガラス層110とレジストPRとが結合することもできる。
【0076】
図6cを参照すると、プリント回路基板の製造方法は、キャビティCA内に第1電子部品201及び第2電子部品202を配置する段階を含むことができる。キャビティCA内に位置するレジストPR上に第1電子部品201及び第2電子部品202を実装することができ、このとき、レジストPRは硬化する前であり得るため、第1電子部品201及び第2電子部品202を実装すると、実装面であるキャビティCAの上面よりも金属ピラー203が突出することができる。すなわち、レジストPRの少なくとも一部を貫通するかのように、レジストPRの少なくとも一部が凹むように配置されることができる。その後、レジストPRを硬化する段階を行うことができ、電子部品及びガラス層110がレジストPR上に配置されて固定されることができる。
【0077】
図6dを参照すると、プリント回路基板の製造方法は、レジストPRを露光する段階を含むことができる。
【0078】
このとき、レジストPRを選択的に露光するためにマスクMを用いることができ、レジストPRがポジ型(positive type)の感光性絶縁材料を含むため、第2貫通孔h2を加工する領域を開放して当該領域を露光することができる。すなわち、第1電子部品201及び第2電子部品202が配置された領域は、マスクMによって光が遮断されることができ、第1貫通孔h1領域に対応するように第2貫通孔h2が形成できるよう露光することができる。一方、図6dでは、キャビティCA領域にのみマスクMが配置されたものとして示したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、ガラス層110の透明度を考慮して、第1貫通孔h1が形成された領域のみが開放され、残りのガラス層110の領域はすべてマスクMにより遮断されることもできる。
【0079】
図6eを参照すると、プリント回路基板の製造方法は、レジストPRを現像する段階を含むことができる。
【0080】
このとき、露光された領域のレジストPRが除去されて第2貫通孔h2が形成されることができる。第2貫通孔h2は、第1貫通孔h1に対応するように形成されてもよく、レジストPRの上下を貫通するように形成されてもよい。第2貫通孔h2がレジストPRの上下を貫通することで、第1貫通孔h1及び第2貫通孔h2によってシードC1が露出することができる。
【0081】
図6fを参照すると、プリント回路基板の製造方法は貫通ビア130を形成する段階を含むことができる。
【0082】
貫通ビア130は、キャリア基板CのシードC1をめっきシードとして電解めっきを行うことで形成することができる。レジストPRがめっきレジストとして機能することができるため、電解めっきは第2貫通孔h2でのみ行われることができ、第2貫通孔h2及び第1貫通孔h1を充填するように貫通ビア130が形成されることができる。一方、第1電子部品201及び第2電子部品202の金属ピラー203はレジストPRを完全に貫通しないため、金属ピラー203はシードC1と接しないことができ、シードC1を用いて貫通ビア130を形成する段階においても、金属ピラー203はレジストPRによって電気的に連結されていない状態を維持することができる。一方、貫通ビア130を形成する方法はこれに限定されず、第1貫通孔h1及び第2貫通孔h2の内壁に別途のシードを無電解めっき又はスパッタリングにより形成した後、電解めっきを行ってもよく、金属物質を含むペースト(paste)を充填した後、焼成して形成してもよいなど、貫通ビアを形成する方法であれば、制限なく用いることができる。
【0083】
図6gを参照すると、プリント回路基板の製造方法は、第1絶縁層111を形成する段階、第1配線層121及び第1ビア層131を形成する段階を含むことができる。
【0084】
第1絶縁層111は、第1電子部品201及び第2電子部品202をカバーしてキャビティCAを充填することができる。このとき、第1絶縁層111は、ガラス層110の下面の少なくとも一部を共にカバーするようにガラス層110上にも配置されることができる。第1絶縁層111を形成する方法としては、絶縁層を積層する公知の方法を用いることができる。
【0085】
第1絶縁層111を形成した後、第1配線層121及び第1ビア層131を形成することができる。第1ビア層131の一部は貫通ビア130と接することができ、第1ビア層131の他の一部は第1電子部品201及び第2電子部品202と接することができる。第1配線層121及び第1ビア層131を形成する方法としては、層間連結及び配線パターンを形成する公知の方法を用いることができる。
【0086】
図6hを参照すると、プリント回路基板の製造方法は、第2絶縁層112、第2配線層122、及び第2ビア層132を形成する段階を含むことができ、第2絶縁層112の下側に半田レジスト層140を形成する段階を含むことができる。
【0087】
第2絶縁層112、第2配線層122、及び第2ビア層132は、プリント回路基板の公知のビルドアップ層積層方法を用いることができ、半田レジスト層140を形成する方法も公知の方法を用いることができる。
【0088】
図6i及び図6jを参照すると、プリント回路基板の製造方法は、キャリア基板Cを除去する段階を含むことができる。キャリア基板Cを除去する段階は、絶縁材C0を除去する段階及びシードC1を除去する段階が段階的にそれぞれ行われてもよく、同時に行われてもよい。
【0089】
図6iを参照すると、キャリア基板Cの絶縁材C0が除去されることができる。キャリア基板Cの絶縁材C0を除去する方法としては、公知の絶縁層除去方法を用いることができ、公知のキャリア基板Cのデタッチ(detach)方法を用いることができる。
【0090】
図6jを参照すると、キャリア基板CのシードC1が除去されることができる。シードC1を除去する方法としては、公知の金属層又は金属箔を除去する方法を用いることができる。このとき、シードC1を除去する段階において、エッチング溶液等によって貫通ビア130の一部が共に除去されることができる。しかし、レジストPRはシードC1を除去する段階では反応しない可能性があるため、貫通ビア130の一部が除去された領域にリセスRが形成され得る。このとき、リセスRの深さは、金属ピラー203とレジストPRの上面との間の距離と実質的に同じであってもよく、貫通ビア130の上面が金属ピラー203の上面と実質的に共面をなしてもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0091】
図6kを参照すると、プリント回路基板の製造方法は、レジストPRを除去する段階を含むことができる。
【0092】
レジストPRを除去する段階は、レジストPRの全面を露光及び現像して行うことができるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、公知のレジスト除去方法であれば、制限なく用いることができる。
【0093】
レジストPRを除去した後、貫通ビア130及び金属ピラー203の突出部を平坦化する段階をさらに含むことができ、これにより、貫通ビア130及び金属ピラー203が実質的に共面をなすことができる。
【0094】
一方、図6a~図6kでは、キャリア基板Cを基準として下側にのみプリント回路基板を製造する段階を示したが、キャリア基板Cの絶縁材C0の上側にもシードC1が配置され、プリント回路基板がキャリア基板Cの両面に形成されることもできる。この場合には、プリント回路基板の製造方法は、キャリア基板Cを基準に対称な基板をさらに製造することができる。
【0095】
なお、一例に係るプリント回路基板の製造方法は、図6a~6kに示す内容に限定されず、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、利用可能な構成を形成する方法をさらに含んでもよい。
【0096】
一方、他の一例に係るプリント回路基板の製造方法は、第1電子部品201及び第2電子部品202が上下側に金属ピラー203を有するか否かによる差に該当するため、他の一例に係るプリント回路基板の製造方法は、一例に係るプリント回路基板と同様に行うことができ、これに関する詳細な説明は省略する。
【0097】
図7a~図7dは、さらに他の一例に係るプリント回路基板の製造方法の一部分を概略的に示す断面図である。図7a~図7dは、一例に係るプリント回路基板の製造方法のうち、図6e~図6hにそれぞれ対応することができる。第1電子部品201及び第2電子部品202において、金属ピラー203の包含の有無は異なることがあり、第1絶縁層111の配置が異なり、第1ビア層131が省略され、第1配線層121の配置が一例に係るプリント回路基板とは異なる場合がある。
【0098】
図7aを参照すると、さらに他の一例に係るプリント回路基板は、第1電子部品201及び第2電子部品202が上側及び下側に金属ピラー203を含むことができる。第1電子部品201及び第2電子部品202をキャビティCAに配置し、第2貫通孔h2を形成する方法については、一例に係るプリント回路基板の製造方法と同様の説明を適用することができる。
【0099】
図7bを参照すると、貫通ビア130を形成することができ、これについては、一例に係るプリント回路基板の製造方法と同様の説明を適用することができる。
【0100】
図7cを参照すると、さらに他の一例に係るプリント回路基板は、第1絶縁層111を形成する段階、ガラス層110の下面及び第1絶縁層111の下面に第1配線層121を形成する段階を含むことができる。
【0101】
第1絶縁層111を形成する段階は、第1絶縁層111を積層する段階の後、ガラス層110の下側に配置される第1絶縁層111の一部を除去する段階で行われることができる。すなわち、第1絶縁層111を積層した後、ガラス層110の下面に突出する部分を除去する方法で行われることができる。したがって、第1絶縁層111はキャビティCAを充填するように配置され、第1絶縁層111の下面はガラス層110の下面と実質的に共面をなすように形成されることができる。このとき、第1絶縁層111の一部を除去する方法は、グラインディング(grinding)又はプラズマエッチング(plasma etching)などのエッチング(etching)により行われることができるが、これに限定されるものではなく、研磨などの他の公知の方法を利用することもできる。
【0102】
第1配線層121を形成する段階は、ガラス層110の下面及び第1絶縁層111の下面上にそれぞれ配線層を形成する段階で行われることができる。第1絶縁層111の下面が平坦な面を有し、ガラス層110の下面も第1絶縁層111の下面と実質的に共面をなし、平坦な面を有することができるため、第1配線層121を形成することができる。このとき、ガラス層110の下面に形成される第1配線層121の一部は貫通ビア130と接するように形成されてもよく、第1絶縁層111の下面に形成される第1配線層121の一部は金属ピラー203と接するように形成されてもよい。すなわち、さらに他の一例に係るプリント回路基板の製造方法は、第1ビア層131を形成する段階を省略することができるため、第1絶縁層111にビアホールを形成する段階を省略して工程を簡素化することができ、第1絶縁層111がガラス層110の下面に延長されないため、プリント回路基板がより薄くなり得る。
【0103】
図7dを参照すると、ガラス層110の下面上及び第1絶縁層111の下面上に第2絶縁層112、第2配線層122及び第2ビア層132を形成する段階と、半田レジスト層140を形成する段階とを含むことができる。第1絶縁層111がガラス層110の下面に延長されないため、第2絶縁層112の一部はガラス層110の下面と接し、他の一部は第1絶縁層111と接することができる。第2絶縁層112、第2配線層122、及び第2ビア層132を形成する段階については、一例に係るプリント回路基板の製造方法と同様の説明を適用することができるため省略する。
【0104】
なお、さらに他の一例に係るプリント回路基板の製造方法のうち、上述した段階以外に、一例に係るプリント回路基板の製造方法と同様の段階は、さらに他の一例に係るプリント回路基板にも適用することができるため、これに関する重複説明は省略する。
【0105】
本発明において、「覆う」という表現及び「カバーする」という表現は、全体的に覆う場合だけでなく、少なくとも一部を覆う場合を含むことができ、また、直接覆う場合だけでなく、間接的に覆う場合も含むことができる。また、「充填する」という表現は、完全に充填する場合だけでなく、概ね充填する場合を含むことができ、例えば、一部の空隙やボイドなどが存在する場合を含むことができる。
【0106】
本発明において、実質的には製造工程上で発生する工程誤差や位置偏差、測定時の誤差などを含めて判断することができる。例えば、「実質的に垂直である」とは、完全に垂直な場合だけでなく、ほぼ垂直な場合も含むことができる。また、実質的に「共面をなす」とは、完全に同一平面上に存在する場合だけでなく、ほぼ同一平面上に存在する場合も含むことができる。
【0107】
本発明において、「同じ絶縁材料」とは、完全に同一の絶縁材料である場合だけでなく、同じタイプの絶縁材料を含むことを意味することができる。したがって、絶縁材料の組成は実質的に同一であるものの、それらの具体的な組成比は少しずつ異なる場合がある。
【0108】
本発明において、断面上における意味は、対象物を垂直に切断したときの断面形状、又は対象物をサイドビューで見たときの断面形状を意味することができる。また、平面上における意味は、対象物を水平に切断したときの平面形状、あるいは対象物をトップビュー又はボトムビューで見たときの平面形状を意味することができる。
【0109】
本発明において、「下側、下部、下面」などは、便宜上、図面の断面を基準として下方向を意味するものとして使用し、「上側、上部、上面」などは、その反対方向を意味するものとして使用している。但し、これは、説明の便宜上、方向を定義したものであり、特許請求の範囲の権利範囲はこのような方向に対する記載によって特に限定されるものではないことは勿論であり、上/下の概念はいつでも変更することができる。
【0110】
本発明において、「連結される」とは、直接連結されることだけでなく、接着剤層などを介して間接的に連結されることを含む概念である。また、「電気的に連結される」とは、物理的に連結された場合及び連結されていない場合の両方を含む概念である。さらに、「第1、第2」などの表現は、ある構成要素と他の構成要素とを区分するために使用されるものであって、当該構成要素の順序及び/又は重要度などを限定しない。場合によっては、権利範囲を逸脱しない範囲内で、第1構成要素は第2構成要素と命名されてもよく、同様に、第2構成要素は第1構成要素と命名されてもよい。
【0111】
本発明で使用された「一例」という表現は、互いに同じ実施形態を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかし、上記提示された一例は、他の一例の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が、他の一例に説明されていなくても、他の一例において、その事項と反対又は矛盾する説明がない限り、他の一例に関連する説明と理解することができる。
【0112】
本発明で使用された用語は、単に一例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0113】
110:ガラス層
CA:キャビティ
111:第1絶縁層
112:第2絶縁層
121:第1配線層
122:第2配線層
130:貫通ビア
131:第1ビア層
132:第2ビア層
140:半田レジスト層
201、202:第1、第2電子部品
203:金属ピラー
301、302:第1、第2半導体チップ
400:連結部材
C:キャリア基板
C0:絶縁材
C1:シード
PR:レジスト
M:マスク
R:リセス
h1:第1貫通孔
h2:第2貫通孔
1000:電子機器
1010:メインボード
1020:チップ関連部品
1030:ネットワーク関連部品
1040:その他の部品
1050:カメラ
1060:アンテナ
1070:ディスプレイ
1080:バッテリ
1090:信号ライン
1100:スマートフォン
1110:マザーボード
1120:部品
1121:部品パッケージ
1130:カメラモジュール
1140:スピーカ
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b
図6c
図6d
図6e
図6f
図6g
図6h
図6i
図6j
図6k
図7a
図7b
図7c
図7d