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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009254
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   B61L 23/00 20060101AFI20250110BHJP
   B61L 25/04 20060101ALI20250110BHJP
【FI】
B61L23/00 Z
B61L25/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023112125
(22)【出願日】2023-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000155469
【氏名又は名称】株式会社野村総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】西村 和也
(72)【発明者】
【氏名】上野山 直貴
(72)【発明者】
【氏名】中野 景子
(72)【発明者】
【氏名】中西 陽平
(72)【発明者】
【氏名】松村 隆弘
【テーマコード(参考)】
5H161
【Fターム(参考)】
5H161AA01
5H161MM12
5H161NN10
5H161PP01
(57)【要約】
【課題】列車の停止要因の把握に時間がかかることを抑制できる情報処理方法を提供すること。
【解決手段】情報処理方法は、撮像部11、及び通信部を備えた車両10と、サーバ装置20と、を備えた情報処理システム1で実行される方法である。情報処理方法は、線路上を移動する列車が駅間で停止した場合、当該列車の停止位置を含む情報収集エリア内に位置する車両10に対して、周辺画像の提供をサーバ装置20が要求することと、停止位置で停止した列車、及び列車付近の線路の少なくとも一方が写っている周辺画像である停止要因画像を、情報収集エリア内に位置する車両10の通信部がサーバ装置20に送信することと、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周辺状況を撮像することで周辺画像を生成する撮像部、及び外部と通信を行う通信部を備えた車両と、前記車両の外部に設置されたサーバ装置と、を備え、前記周辺画像が前記車両の前記通信部から通信ネットワークを介して前記サーバ装置に送信されるように構成された情報処理システムで実行される情報処理方法であって、
線路上を移動する列車が駅間で停止した場合、当該列車の停止位置を含む情報収集エリア内に位置する前記車両に対して、前記周辺画像の提供を前記サーバ装置が要求することと、
前記停止位置で停止した前記列車、及び前記列車付近の前記線路の少なくとも一方が写っている前記周辺画像である停止要因画像を、前記情報収集エリア内に位置する前記車両の前記通信部が前記サーバ装置に送信することと、
を含む情報処理方法。
【請求項2】
前記サーバ装置が受信した前記停止要因画像に基づいて、前記列車が停止した停止要因を前記サーバ装置の処理回路が推定することを含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
踏切に設けられた非常停止ボタンが押下されたことにより前記列車が駅間で停止した場合、前記踏切の位置を含むように前記情報収集エリアを前記サーバ装置が設定することを含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記列車の停車位置と、前記停車位置付近の前記線路と、前記列車の進行方向に存在する駅と前記停車位置との間の前記線路とのうち、少なくともいずれか一つが写っている前記停止要因画像である第1画像と、前記第1画像以外の前記停止要因画像である第2画像とのうち、少なくとも前記第1画像を前記サーバ装置が受信できた場合、前記第1画像に基づいて、前記列車が停止した要因を前記サーバ装置の処理回路が推定することを含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記列車が停止した時刻よりも所定時間だけ前に、前記撮像部に生成された前記周辺画像である前記停止要因画像を、前記情報収集エリア内に位置する前記車両の前記通信部が前記サーバ装置に送信すること、を含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道事業では、指令所にて、管理線区における列車の運行状況を把握すると共に、線路環境を監視している。列車の運転士、又は車掌は、列車の運行に支障をきたす事象が発生した場合、列車を停止させるとともに、当該事象の詳細について指令所に伝令する。例えば、特許文献1には、列車の運行に支障をきたす事象が発生したことを、指令所の管理線区内に位置する他の列車の運転士、又は車掌に伝令することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-176612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、運転士、又は車掌は、列車が駅間で停止した場合等、列車の停止要因を把握することが求められる。一方で、運転士、又は車掌は、指令所と連絡を行ったり、乗客に車内放送で案内を行ったりすることが求められるため、即座に停止要因を把握することが難しい場合がある。また、特許文献1に開示の技術では、列車の運行に支障をきたす事象が発生したことを他の列車の運転士、又は車掌に伝えることができても、列車の停止要因を把握することまではできなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための情報処理方法は、周辺状況を撮像することで周辺画像を生成する撮像部、及び外部と通信を行う通信部を備えた車両と、前記車両の外部に設置されたサーバ装置と、を備え、前記周辺画像が前記車両の前記通信部から通信ネットワークを介して前記サーバ装置に送信されるように構成された情報処理システムで実行される情報処理方法であって、線路上を移動する列車が駅間で停止した場合、当該列車の停止位置を含む情報収集エリア内に位置する前記車両に対して、前記周辺画像の提供を前記サーバ装置が要求することと、前記停止位置で停止した前記列車、及び前記列車付近の前記線路の少なくとも一方が写っている前記周辺画像である停止要因画像を、前記情報収集エリア内に位置する前記車両の前記通信部が前記サーバ装置に送信することと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
上記構成によれば、列車の停止要因の把握に時間がかかることを抑制ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、情報処理システムの説明に用いられる図である。
図2図2は、サーバ装置、制御装置、及び踏切制御装置の構成の一例を示す図である。
図3図3は、サーバ装置において実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、サーバ装置において実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、制御装置において実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、サーバ装置において実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態>
以下、情報処理方法の一実施形態を図1図6に従って説明する。
<情報処理システム1の全体構成>
図1に示すように、情報処理方法を実現する情報処理システム1は、例えば、一以上の車両10と、サーバ装置20と、一以上の踏切制御装置60とを備える。車両10は、例えば、撮像部11と、位置情報取得部12と、制御装置30とを備える。踏切制御装置60は、それぞれが異なる踏切40の近傍に設けられた踏切器具箱50内に設置されている。制御装置30と、サーバ装置20と、踏切制御装置60とは、通信ネットワーク70を介して情報の送受信可能に接続されている。通信ネットワーク70は、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、プロバイダ端末、無線通信網、無線基地局、専用回線等を含む。
【0009】
撮像部11は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。撮像部11の一例は、ドライブレコーダーを構成するデジタルカメラである。撮像部11は、車両10の周辺状況を撮像する。車両10での撮像部11の設置位置によっては、車両10の前方、後方、及び側方を撮像部11は撮像できる。撮像部11は、車両10の周辺状況を撮像することで周辺画像を生成する。車両10が踏切40や線路101の近傍を走行する場合、撮像部11が生成する周辺画像には、列車100や線路101が写っている場合がある。
【0010】
位置情報取得部12は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機である。位置情報取得部12は、GNSS衛星から受信した信号に基づいて、車両10の位置を特定し、車両10の位置を示す位置情報を取得する。
【0011】
制御装置30は、所定の時間間隔毎に位置情報をサーバ装置20に送信することで、車両10の位置をサーバ装置20が特定できるようにする。また、制御装置30は、サーバ装置20から要求があった場合、停止要因画像をサーバ装置20に送信する。停止要因画像は、周辺画像のうち、駅間で停止した列車100、及び当該列車100付近の線路101の少なくとも一方が写っている周辺画像である。換言すると、停止要因画像は、列車100の停止要因が写っている可能性が高い画像である。
【0012】
サーバ装置20は、例えば、管理線区を走行する列車100の運行管理に用いられる情報を集約する装置である。サーバ装置20は、例えば、指令所に設けられている。指令所の指令員は、サーバ装置20に集約された情報を参照し、管理線区を走行する列車100の運行管理を行う。
【0013】
踏切制御装置60は、制御対象の踏切40の制御を行う。具体的には、踏切制御装置60は、踏切40の踏切制御子によって列車100の接近が検出されたことに伴い、踏切40の警報装置を鳴動させたり、遮断桿を下ろしたり、警報灯を点滅させたりする。また、踏切制御装置60は、踏切40の踏切制御子によって列車100の通過が検出されたことに伴い、踏切40の警報装置を停止させたり、遮断桿を上げたり、警報灯を消灯させたりする。
【0014】
また、踏切制御装置60には、非常停止ボタン61と、障害物検知装置62とが接続されている。非常停止ボタン61は、踏切40を通行する通行人や、踏切40を通行する車両10の運転者によって操作される。踏切制御装置60は、非常停止ボタン61が操作されると、踏切40の手前に設けられた特殊信号発光機を点灯させたり、踏切40近傍に存在する列車100に対して停止信号を送信したりする。障害物検知装置62は、踏切40内に存在する支障物を検知する。障害物検知装置62は、例えば、光センサ式、ループコイル式、三次元レーザーレーダー式等の検知方式によって障害物を検知する。踏切制御装置60は、障害物検知装置62により支障物が検知された場合、特殊信号発光機を点灯させたり、停止信号を送信したりする。踏切40に接近する列車100の運転士は、特殊信号発光機が点灯している場合や、踏切制御装置60から停止信号を受信した場合、列車100を踏切40手前で停止させる。
【0015】
<制御装置30の構成>
図2に示すように、制御装置30は、例えば、処理回路31と、通信部32と、記憶部33とを備える。処理回路31は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサで構成されている。ハードウェアプロセッサがプログラムを実行することにより、処理回路31は、各種処理を実行できる。プログラムは、予め記憶部33に記憶されていてもよい。記憶部33は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの非一過性の記憶媒体により実現される。通信部32は、例えば、通信用回路又は通信用モジュールを含み、処理回路31の制御に基づいて、サーバ装置20やその他の機器と各種データを送受信する。
【0016】
記憶部33には、例えば、学習済みモデル331が記憶されている。学習済みモデル331は、撮像部11によって生成された周辺画像が停止要因画像であるか否かを判定する機械学習を行ったものである。具体的には、学習済みモデル331は、撮像部11によって生成された周辺画像に(A1)及び(A2)の少なくとも一方が写っているか否かを判定する機械学習を行ったものである。
【0017】
(A1)駅間で停止した列車100
(A2)駅間で停止した列車100付近の線路101
学習済みモデル331の一例は、ニューラルネットワークである。周辺画像が入力変数として学習済みモデル331に入力されると、学習済みモデル331は、当該周辺画像が停止要因画像である確率を示す出力変数を出力する。例えば、学習済みモデル331は、周辺画像に列車100や線路101が写っている確率が高いほど大きい値を出力変数として出力する。
【0018】
処理回路31は、停止要因画像をサーバ装置20に提供する指示を通信部32によって受信した場合、受信した時刻において撮像部11が生成した周辺画像が停止要因画像であるか否かを判定する。また、処理回路31は、停止要因画像をサーバ装置20に提供する指示を通信部32によって受信した場合、受信した時刻より所定時間だけ前の時刻において撮像部11が生成した周辺画像が停止要因画像であるか否かを判定する。処理回路31は、例えば、ドライブレコーダーの記憶部に記憶された周辺画像のうち、所定時間だけ前の時刻において撮像部11が生成した周辺画像を読み出して、停止要因画像の判定処理に用いる。所定時間とは、例えば、数[秒]~数[分]程度の時間である。
【0019】
処理回路31は、受信した時刻において撮像部11が生成した周辺画像を学習済みモデル331に入力し、出力された出力変数が閾値以上である場合、当該周辺画像が停止要因画像であると判定する。また、処理回路31は、受信した時刻より所定の時間だけ前の時刻において撮像部11が生成した周辺画像を学習済みモデル331に入力し、出力された出力変数が閾値以上である場合、当該周辺画像が停止要因画像であると判定する。一方、処理回路31は、出力変数が閾値未満である場合、学習済みモデル331に入力した周辺画像が停止要因画像ではないと判定する。
【0020】
処理回路31は、停止要因画像であると判定された停止要因画像を、通信部32によってサーバ装置20に送信させる。
<踏切制御装置60の構成>
図2に示すように、踏切制御装置60は、例えば、処理回路64と、通信部65と、記憶部66とを備える。処理回路64は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサで構成されている。ハードウェアプロセッサがプログラムを実行することにより、処理回路64は、各種処理を実行できる。プログラムは、予め記憶部66に記憶されていてもよい。記憶部66は、例えば、HDDやフラッシュメモリなどの非一過性の記憶媒体により実現される。通信部65は、例えば、通信用回路又は通信用モジュールを含み、処理回路64の制御に基づいて、サーバ装置20やその他の機器と各種データを送受信する。
【0021】
処理回路64は、踏切制御装置60に接続されている非常停止ボタン61が押下されたか否かを判定する。処理回路64は、以下に示す2つの条件(E1)及び(E2)の少なくとも一方が成立した場合、特殊信号発光機や停止信号の送信に係る制御をしつつ、非常停止ボタン61が押下されたことを示す情報を、サーバ装置20に送信する。
【0022】
(E1)非常停止ボタン61が押下された場合。
(E2)障害物検知装置62により踏切40内に支障物が検知されたと判定した場合。
<サーバ装置20の構成>
図2に示すように、サーバ装置20は、例えば、処理回路21と、通信部22と、記憶部23とを備える。処理回路21は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサで構成されている。ハードウェアプロセッサがプログラムを実行することにより、処理回路21は、各種処理を実行できる。プログラムは、予め記憶部23に記憶されていてもよい。記憶部23は、例えば、HDDやフラッシュメモリなどの非一過性の記憶媒体により実現される。通信部22は、例えば、通信用回路又は通信用モジュールを含み、処理回路21の制御に基づいて、制御装置30、及び踏切制御装置60やその他の機器と各種データを送受信する。
【0023】
記憶部23には、例えば、学習済みモデル231が記憶されている。学習済みモデル231は、通信部22によって制御装置30から受信した停止要因画像に基づいて、列車100の停止要因を推定する機械学習を行ったものである。学習済みモデル231の一例は、ニューラルネットワークである。停止要因画像が入力変数として学習済みモデル231に入力されると、学習済みモデル231は、予め定められた各停止要因の確率を示す複数の出力変数を出力する。この場合、サーバ装置20の処理回路21は、出力変数が最も高い停止要因を、列車100の停止要因として推定する。
【0024】
ここで、非常停止ボタン61が押下されることや、列車100が踏切40手前、又は踏切40内で停止する際の停止要因は、ある程度確定している。具体的には、列車100の停止要因としては、以下の6つの事象(B1)~(B6)が一例として挙げられる。なお、6つの事象(B1)~(B6)は一例であって、これに限られない。
【0025】
(B1)列車100の進行方向に置き石等の物体があること。
(B2)列車100の進行方向に車両10が存在すること。
(B3)列車100の進行方向に通行人が存在すること。
【0026】
(B4)列車100が線路101から脱線したこと。
(B5)列車100が車両10と触車したこと。
(B6)列車100が通行人と触車したこと。
【0027】
学習済みモデル231は、以下の6つの事象(B1)~(B6)が生じた際の停止要因画像によって学習されることにより、停止要因画像に写っている列車100の停止要因が事象(B1)~(B6)のうち、いずれであるかを推定できるように機械学習を行ったものである。
【0028】
処理回路21は、サーバ装置20の運行管理機能によって特定される列車100の在線検知結果に基づいて、列車100が駅間で停止しているか否かを判定する。処理回路21は、列車100が駅間で停止していると判定した場合、当該列車100の停止位置含む情報収集エリアを設定する。この場合、情報収集エリアは、列車100の停止位置から所定距離まで離れた位置までのエリアである。上述したように、処理回路21は、制御装置30から所定の時間間隔毎に車両10の位置を示す位置情報を通信部22によって受信する。処理回路21は、受信した位置情報に基づいて、設定した情報収集エリア内に位置する車両10を特定する。処理回路21は特定した車両10に対して、停止要因画像をサーバ装置20に提供する指示を、通信部22によって送信する。上述したように、制御装置30は、停止要因画像をサーバ装置20に提供する指示を受信した場合、サーバ装置20に対して停止要因画像を送信する。
【0029】
また、処理回路21は、以下、二つの条件(C1)、又は(C2)を満たすか否かを判定する。
(C1)非常停止ボタン61が押下されたことを示す情報を踏切制御装置60から受信したこと。
【0030】
(C2)障害物検知装置62によって支障物が検知されたことを示す情報を踏切制御装置60から受信したこと。
処理回路21は、条件(C1)及び(C2)の少なくとも一方を満たすと判定した場合、当該情報を送信した踏切制御装置60に対応する踏切40の位置を含む情報収集エリアを設定する。この場合、情報収集エリアは、踏切40の位置から所定距離まで離れた位置までのエリアである。処理回路21は、車両10から受信した位置情報に基づいて、設定した情報収集エリア内に位置する車両10を特定する。処理回路21は、特定した車両10に対して、停止要因画像をサーバ装置20に提供する指示を、通信部22によって送信する。
【0031】
処理回路21は、上述した処理の結果として制御装置30から受信した停止要因画像について、第1画像が含まれるか否かを判定する。第1画像は、以下の三つの条件(D1)~(D3)のうち、少なくともいずれか一つを満たす停止要因画像である。
【0032】
(D1)列車100の停車位置が写っていること。
(D2)列車100の停止位置付近の線路101が写っていること。
(D3)列車100の進行方向に存在する駅と、停止位置との間の線路101が写っていること。
【0033】
停止位置付近とは、例えば、列車100の停車位置から数十[cm]~数[m]までの範囲である。したがって、条件(D2)を満たす停止要因画像とは、例えば、列車100と線路101との両方が写っているものであって、かつ停止要因画像に示される列車100の大きさが所定の大きさ以上の画像である。
【0034】
処理回路21は、一般的な画像解析により、停止要因画像に写される被写体を特定することによって、制御装置30から受信した停止要因画像が、第1画像であるか、第1画像以外の停止要因画像である第2画像であるかをそれぞれ判定する。処理回路21は、制御装置30から少なくとも第1画像を受信できた場合、受信した停止要因画像のうち、第2画像を除いた第1画像のみに基づいて、列車100の停止要因を推定する。なお、第2画像については後述する。
【0035】
次に、処理回路21は、第1画像について、列車100の停止要因をより見やすく写しているものには高い優先度を付加する。以下、処理回路21は、第1画像がハイアングルの画像であるほど、高い優先度を付加するものとする。処理回路21は、例えば、一般的な画像解析により、第1画像が、ハイアングルの画像であるか、水平の画像であるか、又はローアングルの画像であるかを特定しつつ、優先度を付加する。処理回路21は、特定した第1画像のうち、所定の閾値未満の優先度の第1画像を除外しつつ、所定の閾値以上の優先度の第1画像に基づいて、列車100の停止要因を推定する。
【0036】
処理回路21は、所定の閾値以上の優先度が付加された第1画像を学習済みモデル231に入力した際の、学習済みモデル231の出力変数に基づいて、列車100の停止要因を推定する。上述したように、処理回路21は、出力変数が最も高い停止要因を、列車100の停止要因として推定する。
【0037】
<サーバ装置20において実行される一連の処理:停止要因画像の提供を要求>
図3~4を参照し、サーバ装置20において実行される停止要因画像の要求に係る処理を説明する。なお、図3~4に示す処理とは別途、処理回路21は、制御装置30から所定の時間間隔毎に車両10の位置を示す位置情報を、通信部22によって受信する処理を実行している。
【0038】
図3に示すように、まず、処理回路21は、サーバ装置20の運行管理機能によって特定される列車100の在線検知結果に基づいて、列車100が駅間で停止しているか否かを判定する(ステップS100)。処理回路21は、列車100が駅間で停止していないと判定した場合(ステップS100;NO)、制御装置30に対して停止要因画像を要求する必要がないため、一連の処理を終了する。処理回路21は、列車100が駅間で停止していると判定した場合(ステップS100;YES)、列車100の在線検知結果に基づいて、列車100の停止位置を特定する(ステップS102)。次に、処理回路21は、ステップS102において特定した列車100の停止位置に基づいて、情報収集エリアを設定する(ステップS104)。この情報収集エリアは、列車100の停止位置から所定距離まで離れた位置までのエリアである。次に、処理回路21は、制御装置30から受信した位置情報に基づいて、情報収集エリア内に位置する車両10に対して停止要因画像の提供を要求する(ステップS106)。その後、処理回路21は、一連の処理を終了する。
【0039】
図4に示すように、まず、処理回路21は、二つの条件(C1)及び(C2)の少なくとも一方を満たすか否かを判定する(ステップS200)。処理回路21は、条件(C1)及び(C2)を何れも満たさないと判定した場合(ステップS200;NO)、制御装置30に対して停止要因画像を要求する必要がないため、一連の処理を終了する。処理回路21は、条件(C1)及び(C2)の少なくとも一方を満たすと判定した場合(ステップS200;YES)、ステップS200に係る情報を送信した踏切制御装置60に対応する踏切40の位置を特定する(ステップS202)。次に、処理回路21は、ステップS202において特定した踏切40の位置に基づいて、情報収集エリアを設定する(ステップS204)。この情報収集エリアは、対応する踏切40から所定距離まで離れた位置までのエリアである。次に、処理回路21は、制御装置30から受信した位置情報に基づいて、情報収集エリア内に位置する車両10に対して停止要因画像の提供を要求する(ステップS206)。その後、処理回路21は、一連の処理を終了する。
【0040】
<制御装置30において実行される一連の処理:停止要因画像の提供>
図5を参照し、制御装置30において実行される停止要因画像の提供に係る処理を説明する。なお、図5に示す処理とは別途、処理回路31は、所定の時間間隔毎に位置情報取得部12によって取得された車両10の位置を示す位置情報を、通信部32によって送信する処理を実行している。
【0041】
図5に示すように、処理回路31は、停止要因画像をサーバ装置20に提供する指示をサーバ装置20から受信したか否かを判定する(ステップS300)。処理回路31は、指示を受信するまでの間(ステップS300;NO)、ステップS300の判定処理を繰り返し、待機する。処理回路31は、停止要因画像をサーバ装置20に提供する指示を受信したと判定した場合(ステップS300;YES)、撮像部11が生成した周辺画像を取得する(ステップS302)。ステップS302で取得される周辺画像は、処理回路31がステップS300において指示を受信した時刻において、撮像部11が撮像、及び生成した周辺画像である。また、ステップS302で取得される周辺画像は、処理回路31がステップS300において指示を受信した時刻よりも所定時間だけ前に撮像部11が撮像、及び生成した周辺画像であって、ドライブレコーダーに記憶されていた周辺画像である。
【0042】
処理回路31は、ステップS302において取得した周辺画像が停止要因画像であるか否かを判定する(ステップS304)。処理回路31は、ステップS302において取得した周辺画像が停止要因画像ではないと判定した場合、サーバ装置20に提供できる停止要因画像はないものとして、一連の処理を終了する。処理回路31は、ステップS302において取得した周辺画像が停止要因画像であると判定した場合、停止要因画像を通信部32によってサーバ装置20に送信させる(ステップS306)。その後、処理回路31は、一連の処理を終了する。
【0043】
<サーバ装置20において実行される一連の処理:停止要因の推定>
図6を参照し、サーバ装置20において実行される停止要因の推定に係る処理を説明する。図6に示すように、処理回路21は、制御装置30から停止要因画像を通信部22によって受信する(ステップS400)。処理回路21は、制御装置30から受信した停止要因画像に第1画像が含まれるか否かを判定する(ステップS402)。処理回路21は、制御装置30から受信した停止要因画像に第1画像が含まれない場合、列車100の停止要因を推定することが困難であるため、一連の処理を終了する。
【0044】
処理回路21は、停止要因画像に第1画像が含まれると判定した場合(ステップS402;YES)、ステップS402において第1画像であると判定された画像について、ハイアングルの画像であるほど、高い優先度を付加する(ステップS404)。次に、処理回路21は、ステップS402において優先度が付加された第1画像のうち、所定の閾値未満の優先度である低優先度の第1画像を除外する(ステップS406)。次に、処理回路21は、ステップS406において除外されていない第1画像に基づいて、列車100の停止要因を推定する(ステップS408)。その後、処理回路21は、一連の処理を終了する。
【0045】
<実施形態の作用及び効果>
上記実施形態によれば、以下のような作用及び効果を得ることができる。
(1)撮像部11は、車両10の周辺を撮像することによって周辺画像を生成する。また、位置情報取得部12は、車両10の位置情報を取得しつつ、取得した位置情報をサーバ装置20に送信する。
【0046】
サーバ装置20は、線路101上を走行する列車100が駅間で停車した場合、列車100の停止位置を含む情報収集エリア内に位置する車両10に対して、周辺画像の提供を要求する。
【0047】
周辺画像の提供を要求された車両10では、処理回路31は、撮像部11が生成した周辺画像から、停止要因画像を特定する。処理回路31は、特定した停止要因画像をサーバ装置20に送信することによって、周辺画像をサーバ装置20に提供する。
【0048】
列車100の運転士、又は車掌は、列車100が駅間で停止した場合、列車100を降車して列車100の周辺を確認したりすることによって、停止要因を把握することが求められる。また、指令所の指令員が列車100の停止要因を把握、又は推定するには、列車100の運転士、又は車掌との通話だけではなく、列車100や列車100の周囲を撮像した周辺画像があることが好ましい。つまり、列車100の停止要因を把握できるまでに時間がかかるおそれがある。
【0049】
かかる構成によれば、サーバ装置20は、列車100の停止位置を含む情報収集エリア内に位置する車両10の撮像部11が撮像した周辺画像としての停止要因画像を収集する。これにより、情報処理方法は、指令所の指令員がサーバ装置20に収集された停止要因画像を参照することで、列車100の停止要因の把握に時間がかかることを抑制できるようにすることができる。
【0050】
(2)処理回路21は、停止要因画像に基づいて、列車100が停止した停止要因を推定する。具体的には、処理回路21は、停止要因画像を学習済みモデル231に入力した際の、学習済みモデル231の出力変数に基づいて、列車100の停止要因を推定する。すなわち、情報処理方法では、列車100の運転士、又は車掌との通話に比して、客観的な情報が多く含まれる停止要因画像に基づいて、列車100の停止要因を推定できる。また、情報処理方法では、学習済みモデル231を用いることによって、簡便に列車100の停止要因を推定できる。
【0051】
(3)処理回路21は、踏切40に設けられた非常停止ボタン61が押下された場合、踏切40の位置を含むように情報収集エリアを設定する。また、処理回路21は、踏切40に設けられた障害物検知装置62によって踏切40内に支障物が検知された場合、踏切40の位置を含むように情報収集エリアを設定する。したがって、情報処理方法では、非常停止ボタン61が押下されたことや、障害物検知装置62により支障物が検知されたことをトリガーに停止要因画像をサーバ装置20に収集することができる。
【0052】
(4)処理回路21は、制御装置30から受信した停止要因画像について、第1画像が含まれるか否かを判定する処理回路21は、停止要因画像に第1画像が含まれると判定した場合、少なくとも第1画像を受信できたものとみなし、第1画像に基づいて、列車100の停止要因を推定する。
【0053】
停止要因画像が条件(D1)を満たす第1画像である場合、第1画像を参照することで列車100の停止位置の状況や、列車100の状態を確認することができる。停止要因画像が条件(D2)を満たす第1画像である場合、第1画像を参照することで列車100の停止位置付近の線路101に存在する支障物の有無、列車100に触車した物体の有無、線路101の傷の有無等、列車100、及び線路101の状態を確認することができる。停止要因画像が条件(D3)を満たす第1画像である場合、第1画像を参照することで列車100が進行方向に存在する駅まで移動する際に、列車100の運行に支障がないかを確認することができる。したがって、列車100の停止要因を推定するには、条件(D1)~(D3)の少なくともいずれか一つを満たす停止要因画像である第1画像を用いることが好ましい。
【0054】
一方で、停止要因画像には、(A1)及び(A2)の少なくとも一方が写っているものの、条件(D1)~(D3)を満たさない第2画像が含まれる。つまり、第2画像は、駅間で停車した列車100や列車100付近の線路101が写っているものの、画角や列車100までの距離の関係で、十分な情報を得られるほどには列車100や線路101が写っていない画像である。このような第2画像を用いて列車100の停止要因を推定すると、推定精度が低下する場合がある。情報処理方法では、収集した停止要因画像のうち、第2画像を除いた第1画像にのみを参照して列車100の停止要因を推定する。したがって、情報処理方法では、列車100の停止要因を高精度で推定できる。
【0055】
(5)処理回路31は、周辺画像の提供の要求があった場合、列車100が停止した時刻よりも所定時間だけ前に撮像部11に生成された停止要因画像を、サーバ装置20に送信する。例えば、車両10が踏切40や線路101の近傍に停車している場合など、撮像部11が、列車100が駅間で停車するよりも以前から、列車100の停止位置付近の踏切40や線路101を撮像し、周辺画像を生成している場合がある。この場合、周辺画像には、列車100の停止要因となり得るものが写っている場合がある。したがって、処理回路31は、指示を受信した時刻より所定時間だけ前の時刻において撮像部11が生成した周辺画像である停止要因画像を列車100の停止要因の推定に用いることが好ましい。したがって、情報処理方法では、より高精度で列車100の停止要因を推定できる。
【0056】
(6)処理回路21は、第1画像について、列車100の停止要因をより見やすく写しているものには高い優先度を付加する。具体的には、処理回路21は、第1画像がハイアングルの画像であるほど、高い優先度を付加する。ここで、停止要因画像は、トラックやバス等の車高の高い車両10が備える撮像部11が生成した周辺画像の方が、スポーツカー等の車高の低い車両10が備える撮像部11が生成した周辺画像に比して、車両10の周辺に関する情報量が多い場合がある。情報処理方法では、より情報量の多い停止要因画像を用いて、列車100の停止要因を推定することができる。
【0057】
<変形例>
上記実施形態は以下のように変更してもよい。なお、上記実施形態および以下の各別例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせてもよい。
【0058】
・処理回路21は、図3に示す処理と、図4に示す処理とのうち、図4に示す処理を実行しなくてもよい。また、処理回路21は、図3に示す処理と、図4に示す処理とのうち、図3に示す処理を実行しなくてもよい。
【0059】
・処理回路31は、ステップS302の処理において、処理回路31がステップS300において指示を受信した時刻において、撮像部11が撮像、及び生成した周辺画像のみを取得するものであってもよい。
【0060】
・処理回路31は、ステップS302において、指示を受信した時刻を含む所定期間において、撮像部11が撮像、及び生成した周辺画像を取得するものであってもよい。また、処理回路31は、ステップS302において、指示を受信した時刻よりも所定時間だけ前の時刻を含む所定期間において、撮像部11が撮像、及び生成した周辺画像を取得するものであってもよい。
【0061】
・処理回路31は、指示を受信した時刻から所定時間だけ前の時刻までの間、車両10が移動していた場合には、指示を受信した時刻よりも所定時間だけ前の周辺画像を取得しなくてもよい。処理回路31は、車両10の速度検出部の検出結果、イグニッションスッチのOFF状態、ギヤセレクタがパーキングレンジに入っていたこと等に基づいて、車両10が移動していたか否かを判定する。ここで、車両10が移動していた場合、車両10は、指示を受信した時刻から所定時間だけ前の時刻には、情報収集エリア内に位置していない場合がある。したがって、車両10が移動していた場合、車両10は、指示を受信した時刻から所定時間だけ前の時刻に撮像部11が撮像、及び生成した周辺画像は、停止要因画像ではない可能性が高い。かかる構成によれば、処理回路31は、車両10が移動していた際には、指示を受信した時刻から所定時間だけ前の時刻に撮像部11が撮像、及び生成した周辺画像が停止要因画像であるかを判定する処理を省略することができる。
【0062】
・処理回路21は、図6に示す処理のうち、ステップS400のみを実行するものであってもよい。この場合、情報処理方法は、サーバ装置20によって車両10から収集された停止要因画像を参照することで、指令所の指令員に列車100の停止要因を把握させることができる。
【0063】
・処理回路21は、図6に示す処理のうち、ステップS402の処理を実行しなくてもよい。この場合、処理回路21は、ステップS400を実行した後、ステップS404に処理を進める。ここで、情報収集エリア内に位置する車両10の数が少ない場合など、サーバ装置20は、停止要因画像として、第2画像を受信できても、第1画像を受信できない場合がある。一方で、第1画像が受信できない場合には、第2画像を用いて列車100の停止要因を推定することが好ましい。かかる構成によれば、情報処理方法は、サーバ装置20によって車両10から収集された停止要因画像に基づいて、列車100の停止要因を推定することができる。また、処理回路21は、第2画像を用いて停止要因を推定する場合、第2画像についても優先度を付加してもよい。
【0064】
・処理回路21は、図6に示す処理のうち、ステップS404と、ステップS406の処理を実行しなくてもよい。この場合、処理回路21は、停止要因画像に第1画像が含まれると判定した場合(ステップS402;YES)、ステップS408に処理を進める。ここで、情報収集エリア内に位置する車両10の数が少ない場合など、サーバ装置20は、十分に第1画像を受信できない場合がある。一方で、十分に第1画像が受信できない場合には、優先度が低い第1画像を用いて列車100の停止要因画像を推定することが好ましい。かかる構成によれば、情報処理方法は、サーバ装置20によって車両10から収集された第1画像をいずれも用いて、列車100の停止要因を推定することができる。
【0065】
・処理回路21は、第1画像がハイアングルの画像であるほど、高い優先度を付加する構成に代えて、或いは、加えて、第1画像が適切な条件の画像であるほど、高い優先度を付加してもよい。適切な条件の画像とは、例えば、適切な露出によって撮像されて白飛びや黒つぶれしていないこと、適切なピントによって撮像されてピンボケしていないこと、適切なホワイトバランスによって撮像されて実物と合致する色温度が適用されていること等である。また、処理回路21は、優先度を付加するに際して、ハイアングルや適切な条件の画像であるかを判定する際に、一般的な画像解析に代えて、これらを判定可能な学習済みモデルを用いてもよい。
【0066】
・処理回路21は、列車100の停止要因を見やすく写している第1画像について、高い優先度を付加する処理に代えて、列車100の停止要因を見やすく写していない第1画像について、低い優先度を付加する処理を行ってもよい。
【0067】
・処理回路31は、踏切40や線路101において停止要因が生じていることを検出した場合には、サーバ装置20に対して停止要因画像を送信してもよい。この場合、処理回路31は、一般的な画像解析により、停止要因画像に移される被写体を特定する。処理回路31は、特定結果に基づいて、支障物が線路101上に存在すると判定した場合、サーバ装置20に対して停止要因画像を送信する。かかる構成によれば、情報処理方法は、列車100が停止したり、非常停止ボタン61が押下されたり、障害物検知装置62によって支障物が検知されたりする事象が発生するよりも前に、停止要因画像をサーバ装置20に収集することができる。したがって、情報処理方法は、これらの事象が発生するよりも前に、指令所の指令員に列車100の停止要因となり得る事象を把握させることができる。
【0068】
・処理回路31は、停止要因画像が第1画像である場合にのみ、サーバ装置20に当該第1画像を送信するものであってもよい。この場合、処理回路31は、一般的な画像解析により、停止要因画像に写される被写体を特定することによって、停止要因画像が第1画像であるか、第2画像であるかをそれぞれ判定する処理を行う。
【0069】
・処理回路21は、停止要因画像が第1画像であるかを判定する機械学習を行った学習済みモデルを用いてもよい。学習済みモデルは、例えば、停止要因画像が入力されると、第1画像である確率を示す出力変数を出力する。処理回路31は、停止要因画像を学習済みモデルに入力し、出力された出力変数が閾値以上である場合、当該停止要因画像が第1画像であると判定する。一方、処理回路31は、出力変数が閾値未満である場合、学習済みモデルに入力した停止要因画像が第2画像であると判定する。
【0070】
・位置情報取得部12が取得する位置情報は、車両10が備える各種センサの出力を利用したINS(Inertial Navigation System)によって特定または補完されてもよい。
・処理回路21、及び処理回路31は、構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1…情報処理システム、10…車両、11…撮像部、12…位置情報取得部、20…サーバ装置、21,31,64…処理回路、22,32,65…通信部、23,33,66…記憶部、30…制御装置、40…踏切、50…踏切器具箱、60…踏切制御装置、61…非常停止ボタン、62…障害物検知装置、70…通信ネットワーク、100…列車、101…線路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6