(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025092715
(43)【公開日】2025-06-19
(54)【発明の名称】ビールテイスト発酵アルコール飲料およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
C12C 5/02 20060101AFI20250612BHJP
C12C 12/00 20060101ALI20250612BHJP
C12C 7/047 20060101ALI20250612BHJP
C12G 3/04 20190101ALI20250612BHJP
【FI】
C12C5/02
C12C12/00
C12C7/047
C12G3/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2025061407
(22)【出願日】2025-04-02
(62)【分割の表示】P 2023108926の分割
【原出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000253503
【氏名又は名称】キリンホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003421
【氏名又は名称】弁理士法人フィールズ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土屋 友理
(72)【発明者】
【氏名】三▲吉▼ 惟道
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 真理
(72)【発明者】
【氏名】高橋 沙織
(72)【発明者】
【氏名】齊木 泰宏
(57)【要約】
【課題】プリン体濃度が低減されつつも、味の強度、味の余韻およびバランスの良好な新
規なビールテイスト発酵アルコール飲料の提供。
【解決手段】本発明によれば、プリン体濃度が3.5mg/100mL以下であるビール
テイスト発酵アルコール飲料であって、グリシン濃度が5.5mg/L以上であり、アラ
ニン濃度が4.4mg/L以上であり、かつ、グリシンおよびアラニンの合計濃度が10
mg/L以上180mg/L以下である、飲料が提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリン体濃度が3.5mg/100mL以下であるビールテイスト発酵アルコール飲料
であって、
グリシン濃度が5.5mg/L以上であり、
アラニン濃度が4.4mg/L以上であり、かつ、
グリシンおよびアラニンの合計濃度が10mg/L以上180mg/L以下である、ビ
ールテイスト発酵アルコール飲料。
【請求項2】
グリシンおよびアラニンの合計濃度が20mg/L以上130mg/L以下である、請
求項1に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。
【請求項3】
グリシンおよびアラニンの合計濃度が20mg/L以上35mg/L以下である、請求
項1または2に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。
【請求項4】
プリン体濃度が0.5mg/100mL以下である、請求項1~3のいずれか一項に記
載のビールテイスト発酵アルコール飲料。
【請求項5】
麦芽使用比率が25質量%以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載のビールテ
イスト発酵アルコール飲料。
【請求項6】
アルコール濃度が10.0v/v%以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の
ビールテイスト発酵アルコール飲料。
【請求項7】
プリン体濃度が3.5mg/100mL以下であるビールテイスト発酵アルコール飲料
の製造方法であって、製造された飲料のグリシン濃度が5.5mg/L以上であり、製造
された飲料のアラニン濃度が4.4mg/L以上であり、かつ、製造された飲料のグリシ
ンおよびアラニンの合計濃度が10mg/L以上180mg/L以下となるようにグリシ
ンおよびアラニンを含有させる工程を含む、製造方法。
【請求項8】
プリン体濃度が3.5mg/100mL以下であるビールテイスト発酵アルコール飲料
の風味改善方法であって、製造された飲料のグリシン濃度が5.5mg/L以上であり、
製造された飲料のアラニン濃度が4.4mg/L以上であり、かつ、製造された飲料のグ
リシンおよびアラニンの合計濃度が10mg/L以上180mg/L以下となるようにグ
リシンおよびアラニンを含有させる工程を含む、風味改善方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビールテイスト発酵アルコール飲料およびその製造方法に関し、より詳細に
はプリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵アルコール飲料およびその製造方法に関
する。
【背景技術】
【0002】
発酵麦芽飲料であるビール中には、プリン体化合物が4~10mg/100mL程度存
在するといわれている。プリン体化合物は、食餌として摂取された場合、尿酸に分解され
る。高尿酸血症における食餌制限では、このプリン体化合物の摂取の制限がなされる場合
があるが、より高含有食物としての肉、卵、肝等の制限に加えて、ビール等の発酵麦芽飲
料についても食餌制限を受けることがある。このため、ビール等の発酵麦芽飲料について
もプリン体化合物を低減した製品が望まれる。
【0003】
これまでに、ビール等の発酵麦芽飲料においてプリン体化合物を低減化する技術として
は、ビールの麦汁にヌクレオシド・フォスフォリラーゼおよび/またはヌクレオシダーゼ
を作用させて、麦汁中のヌクレオシドを分解させ、プリン体化合物の濃度を低減させる技
術(特許文献1)が知られている。また、発酵麦芽飲料の製造工程において、プリン体化
合物を選択的に吸着する吸着剤でプリン体化合物を吸着、除去する処理を、糖化工程以降
、ホップ添加前の工程において、25℃以上、かつ糖化工程に用いる温度以下の温度範囲
で行うことにより、発酵麦芽飲料のプリン体化合物濃度を低減させる技術(特許文献2)
も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第96/25483号
【特許文献2】特開2004-290071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、プリン体濃度が低減されつつも、味の強度、味の余韻およびバランスが良好
な新規なビールテイスト発酵アルコール飲料の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、プリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵アルコール飲料において
、グリシン濃度、アラニン濃度およびそれらの合計濃度が所定値となるようにすることで
、プリン体濃度が低減されつつも、味の強度、味の余韻およびバランスが良好なものとな
ることを見出した。本発明はこの知見に基づくものである。
【0007】
本発明によれば以下の発明が提供される。
[1]プリン体濃度が3.5mg/100mL以下であるビールテイスト発酵アルコール
飲料であって、グリシン濃度が5.5mg/L以上であり、アラニン濃度が4.4mg/
L以上であり、かつ、グリシンおよびアラニンの合計濃度が10mg/L以上180mg
/L以下である、ビールテイスト発酵アルコール飲料。
[2]グリシンおよびアラニンの合計濃度が20mg/L以上130mg/L以下である
、上記[1]に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。
[3]グリシンおよびアラニンの合計濃度が20mg/L以上35mg/L以下である、
上記[1]または[2]に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。
[4]プリン体濃度が0.5mg/100mL以下である、上記[1]~[3]のいずれ
かに記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。
[5]麦芽使用比率が25質量%以上である、上記[1]~[4]のいずれかに記載のビ
ールテイスト発酵アルコール飲料。
[6]アルコール濃度が10.0v/v%以下である、上記[1]~[5]のいずれかに
記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。
[7]プリン体濃度が3.5mg/100mL以下であるビールテイスト発酵アルコール
飲料の製造方法であって、製造された飲料のグリシン濃度が5.5mg/L以上であり、
製造された飲料のアラニン濃度が4.4mg/L以上であり、かつ、製造された飲料のグ
リシンおよびアラニンの合計濃度が10mg/L以上180mg/L以下となるようにグ
リシンおよびアラニンを含有させる工程を含む、製造方法。
[8]プリン体濃度が3.5mg/100mL以下であるビールテイスト発酵アルコール
飲料の風味改善方法であって、製造された飲料のグリシン濃度が5.5mg/L以上であ
り、製造された飲料のアラニン濃度が4.4mg/L以上であり、かつ、製造された飲料
のグリシンおよびアラニンの合計濃度が10mg/L以上180mg/L以下となるよう
にグリシンおよびアラニンを含有させる工程を含む、風味改善方法。
【0008】
本発明によれば、プリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵アルコール飲料におい
て、グリシン濃度、アラニン濃度およびそれらの合計濃度が所定値となるようにすること
で、プリン体濃度を低減しつつも、味の強度、味の余韻およびバランスが良好なビールテ
イスト発酵アルコール飲料を提供することができる。このため本発明は、消費者の健康志
向等、多様なニーズに応えることができる点で有利である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明において「ビールテイスト」とは通常にビールを製造した場合、すなわち、酵母
等による発酵に基づいてビールを製造した場合に得られるビール特有の味わい、香りを意
味する。
【0010】
本発明において、「ビールテイスト発酵アルコール飲料」は、炭素源、窒素源、および
水等を原料として酵母により発酵させた飲料を意味し、ビール、発泡酒および原料として
麦芽を使用するビールや発泡酒にアルコールを添加してなる飲料(例えば、酒税法上、「
リキュール(発泡性)(2)」に分類されるリキュール系新ジャンル飲料)が挙げられる
。ビールテイスト発酵アルコール飲料の好ましい態様としては、麦芽および/または未発
芽の麦類を原料の少なくとも一部とするビールテイスト発酵アルコール飲料(すなわち、
ビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料)が挙げられる。
【0011】
本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料は、麦芽および/または未発芽の麦類を原
料の少なくとも一部とするものとすることができ、好ましくは、麦由来の原料として少な
くとも麦芽(例えば、小麦麦芽、大麦麦芽)を使用するものとすることができる。本発明
のビールテイスト発酵アルコール飲料が麦芽を原料の少なくとも一部として使用する場合
、麦芽使用比率にかかわらず味の厚みを実現することができるが、その場合の麦芽使用比
率は、例えば、20%以下、20%以上、25%未満、25%以上、30%以下、30%
以上、40%以下、40%以上、50%未満、50%以上、55%以下、55%以上、6
0%以下、60%以上、65%以下、65%以上、70%以下、70%以上、75%以下
、75%以上、80%以下、80%以上、85%以下、85%以上、90%以下、90%
以上、95%以下、95%以上または100%とすることができ、これらの上限値および
下限値は任意に組み合わせることができる。本明細書において「麦芽使用比率」とは、ホ
ップおよび醸造用水を除く全原料の質量に対する麦芽質量の割合をいう。なお、本発明の
ビールテイスト発酵アルコール飲料が麦芽を原料の少なくとも一部として使用する場合、
ビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料という。また、本発明において、ビールとは、麦
芽、ホップ、水その他一定の副原料を発酵させたもの、またはこれにホップ若しくは一定
の副原料を加えて発酵させたもので、以下の2つの条件を満たすもの(アルコール分20
度未満のものに限る。)
・麦芽比率が100分の50以上であること
・使用した果実(乾燥したもの、煮詰めたもの又は濃縮した果汁を含む。)及び一定の香
味料の重量が麦芽の重量の100分の5を超えない(使用していないものを含む。)こと
を意味するものとすることができる(「所得税法等の一部を改正する等の法律」(平成2
9年法律第4号)により改正された、平成30年4月1日が施行日の酒税法(昭和28年
法律第6号)参照)。
【0012】
本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料は、アルコール濃度を任意に設定すること
ができるが、アルコール濃度の下限値(以上または上回る)は、例えば、1.0v/v%
、1.5v/v%、2.0v/v%、2.5v/v%または3.0v/v%とすることが
でき、その上限値(以下または下回る)は、例えば、11.0v/v%、10.5v/v
%、10.0v/v%、9.5v/v%、9.0v/v%、8.5v/v%、8.0v/
v%、7.5v/v%、7.0v/v%、6.5v/v%または6.0v/v%とするこ
とができる。これらの下限値および上限値はそれぞれ任意に組み合わせることができ、本
発明のビールテイスト発酵アルコール飲料のアルコール濃度は、例えば、1.0~10.
0v/v%、好ましくは3.0~6.0v/v%とすることができる。
【0013】
飲料中のアルコール濃度(エタノール濃度)は、当業者に広く知られており、例えば、
「国税庁所定分析法」に記載の方法により測定することができる。
【0014】
本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料は、プリン体濃度が低減されており、具体
的には、本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料のプリン体濃度の上限値(以下また
は下回る)は、3.5mg/100mLであり、3.4mg/100mL、3.3mg/
100mL、3.2mg/100mL、3.1mg/100mL、3.0mg/100m
L、2.9mg/100mL、2.8mg/100mL、2.7mg/100mL、2.
6mg/100mL、2.5mg/100mL、2.4mg/100mL、2.3mg/
100mL、2.2mg/100mL、2.1mg/100mL、2.0mg/100m
L、1.9mg/100mL、1.8mg/100mL、1.7mg/100mL、1.
6mg/100mL、1.5mg/100mL、1.4mg/100mL、1.3mg/
100mL、1.2mg/100mL、1.1mg/100mL、1.0mg/100m
L、0.9mg/100mL、0.8mg/100mL、0.7mg/100mL、0.
6mg/100mL、0.5mg/100mL、0.4mg/100mL、0.3mg/
100mLまたは0.2mg/100mLとすることもできる。なお、プリン体濃度が0
.5mg/100mL未満の飲料は「プリン体ゼロ飲料」に対応する。
【0015】
プリン体の測定は公知の方法によって行うことができ、例えば、過塩素酸による加水分
解後にLC-MS/MS(液体クロマトグラフィー質量分析法)を用いて検出する方法(
「酒類中のプリン体の微量分析のご案内」、一般財団法人・日本食品分析センター、URL:
http://www.jfrl.or.jp/item/nutrition/post-31.html参照)により測定することができ
る。なお、本明細書中、「プリン体濃度」とは、アデニン、キサンチン、グアニン、ヒポ
キサンチンのプリン体塩基4種の総量を指す。
【0016】
本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料は、糖質濃度が低減されていてもよく、具
体的には、本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料の糖質濃度の上限値(以下または
下回る)は、2.5g/100mL、2.4g/100mL、2.3g/100mL、2
.2g/100mL、2.1g/100mL、2.0g/100mL、1.9g/100
mL、1.8g/100mL、1.7g/100mL、1.6g/100mL、1.5g
/100mL、1.4g/100mL、1.3g/100mL、1.2g/100mL、
1.1g/100mL、1.0g/100mL、0.9g/100mL、0.8g/10
0mL、0.7g/100mL、0.6g/100mL、0.5g/100mL、0.4
g/100mL、0.3g/100mLまたは0.2g/100mLとすることができる
。なお、糖質濃度が0.5g/100mL未満の飲料は「糖質ゼロ飲料」に対応する。
【0017】
糖質濃度の測定は公知の方法によって行うことができ、測定対象の試料の質量から、水
分、タンパク質、脂質、灰分および食物繊維量を除いて算出する方法(栄養表示基準(平
成21年12月16日 消費者庁告示第9号 一部改正)参照)に従って行うことができる。
【0018】
本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料は、グリシン濃度が所定値にあることを特
徴とする。具体的には、グリシン濃度の下限値(以上または上回る)は、5.5mg/L
であり、5.6mg/L、5.7mg/L、5.8mg/L、5.9mg/L、6.0m
g/L、6.1mg/L、6.2mg/L、6.3mg/L、6.4mg/L、6.5m
g/L、6.6mg/L、6.7mg/L、6.8mg/L、6.9mg/L、7.0m
g/L、7.1mg/L、7.2mg/L、7.3mg/L、7.4mg/L、7.5m
g/L、7.6mg/L、7.7mg/L、7.8mg/L、7.9mg/L、8.0m
g/L、8.1mg/L、8.2mg/L、8.3mg/L、8.4mg/L、8.5m
g/L、8.6mg/L、8.7mg/L、8.8mg/L、8.9mg/L、9.0m
g/L、9.1mg/L、9.2mg/L、9.3mg/L、9.4mg/L、9.5m
g/L、9.6mg/L、9.7mg/L、9.8mg/L、9.9mg/L、10.0
mg/L、10.5mg/L、11.0mg/L、11.5mg/L、12.0mg/L
、12.5mg/L、13.0mg/L、13.5mg/L、14.0mg/L、14.
5mg/L、15.0mg/L、15.5mg/L、16.0mg/L、16.5mg/
L、17.0mg/L、17.5mg/L、18.0mg/L、18.5mg/L、19
.0mg/L、19.5mg/Lまたは20.0mg/Lとすることもできる。また、本
発明のビールテイスト発酵アルコール飲料において、グリシン濃度の上限値(以下または
下回る)は適宜設定することができるが、例えば、120.0mg/L、115.0mg
/L、110.0mg/L、105.0mg/L、100.0mg/L、95.0mg/
L、90.0mg/L、85.0mg/L、80.0mg/L、75.0mg/L、70
.0mg/L、65.0mg/L、60.0mg/L、55.0mg/Lまたは50.0
mg/Lとすることができる。これらの下限値および上限値はそれぞれ任意に組み合わせ
ることができる。
【0019】
本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料は、アラニン濃度が所定値にあることを特
徴とする。具体的には、アラニン濃度の下限値(以上または上回る)は、4.4mg/L
であり、4.5mg/L、4.6mg/L、4.7mg/L、4.8mg/L、4.9m
g/L、5.0mg/L、5.1mg/L、5.2mg/L、5.3mg/L、5.4m
g/L、5.5mg/L、5.6mg/L、5.7mg/L、5.8mg/L、5.9m
g/L、6.0mg/L、6.1mg/L、6.2mg/L、6.3mg/L、6.4m
g/L、6.5mg/L、6.6mg/L、6.7mg/L、6.8mg/L、6.9m
g/L、7.0mg/L、7.1mg/L、7.2mg/L、7.3mg/L、7.4m
g/L、7.5mg/L、7.6mg/L、7.7mg/L、7.8mg/L、7.9m
g/L、8.0mg/L以上、8.1mg/L以上、8.2mg/L以上、8.3mg/
L以上、8.4mg/L以上、8.5mg/L、8.6mg/L以上、8.7mg/L以
上、8.8mg/L以上、8.9mg/L以上、9.0mg/L、9.1mg/L、9.
2mg/L、9.3mg/L、9.4mg/L、9.5mg/L、9.6mg/L、9.
7mg/L、9.8mg/L、9.9mg/L、10.0mg/L、10.5mg/L、
11.0mg/L、11.5mg/L、12.0mg/L、12.5mg/L、13.0
mg/L、13.5mg/L、14.0mg/L、14.5mg/L、15.0mg/L
、15.5mg/L、16.0mg/L、16.5mg/L、17.0mg/L、17.
5mg/L、18.0mg/L、18.5mg/L、19.0mg/L、19.5mg/
Lまたは20.0mg/Lとすることもできる。また、本発明のビールテイスト発酵アル
コール飲料において、アラニン濃度の上限値(以下または下回る)は、例えば、60.0
mg/L、55.0mg/L、50.0mg/L、45.0mg/Lまたは40.0mg
/Lとすることができる。これらの下限値および上限値はそれぞれ任意に組み合わせるこ
とができる。
【0020】
本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料は、グリシンおよびアラニンの合計濃度が
所定値にあることを特徴とする。具体的には、グリシンおよびアラニンの合計濃度の下限
値(以上または上回る)は、10mg/Lであり、11mg/L、12mg/L、13m
g/L、14mg/L、15mg/L、16mg/L、17mg/L、18mg/L、1
9mg/L、20mg/L、21mg/L、22mg/L、23mg/L、24mg/L
、25mg/L、26mg/L、27mg/L、28mg/L、29mg/Lまたは30
mg/Lとすることもできる。グリシンおよびアラニンの合計濃度の上限値(以下または
下回る)は、180mg/Lであり、175mg/L、170mg/L、165mg/L
、160mg/L、155mg/L、150mg/L、145mg/L、140mg/L
、135mg/Lまたは130mg/Lとすることもできる。これらの下限値および上限
値はそれぞれ任意に組み合わせることができ、例えば、10~180mg/L、好ましく
は20~130mg/L以下とすることができる。なお、グリシンおよびアラニンの合計
濃度は、それぞれの濃度を足し合わせて算出した濃度である。
【0021】
本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料の製造において、グリシンおよびアラニン
を添加する場合、これらは食品製造に適しているものであればよく、その形態も、水性溶
媒に容易に溶解するものであればよく、液状、粉末状、固形状またはそれらの組合せ等の
いかなる形態のものであってもよい。
【0022】
本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料において、グリシン濃度およびアラニン濃
度は、高速液体クロマトグラフィー法による測定や、陽イオン交換樹脂でアミノ酸を分離
した後、ニンヒドリン反応液を加えて135℃で反応させ、UV-VIS検出器で定量す
ることができる。例えば、後記実施例に記載される方法に従って市販のアミノ酸分析計を
用いて実施することもできる。
【0023】
本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料は、プリン体濃度が低減されているにもか
かわらず、味の強度、味の余韻およびバランスが良好であることを特徴とする。低プリン
体のビールテイスト発酵アルコール飲料(特に、低プリン体のビールおよび発泡酒)は、
低プリン体に調整する方法の特殊性等に起因して、味の強度が低く感じられることや、味
の余韻が十分でなくバランスが悪くなるという課題があった。本発明のビールテイスト発
酵アルコール飲料は、味の強度、味の余韻およびバランスが良好な状態に改善されており
、低プリン体のビールテイスト発酵アルコール飲料の上記課題を解決することができる。
ここで、「味の強度」とは、ビールらしい味の度合いを意味する。また、「味の余韻」と
は、溜飲後に持続する味の余韻の度合いを意味する。また、「バランス」とは、ビールの
自然な味を構成する各味覚要素(甘味、苦味、酸味、旨味等)が、いずれも突出すること
なく、ビールらしくまとまっている風味を意味する。
【0024】
本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料は、プリン体濃度が所定の範囲内に低減さ
れ、かつ、グリシン濃度、アラニン濃度およびそれらの合計濃度が所定値となるように含
有させる限り、その製造手順に制限はなく、例えば、下記のように製造することができる
。すなわち、麦芽、ホップ、副原料、醸造用水等の醸造原料から調製された麦汁に発酵用
ビール酵母を添加して発酵を行い、得られた発酵液を低温にて貯蔵した後、濾過工程によ
り酵母を除去することによりビールテイスト発酵アルコール飲料を製造することができる
。飲料におけるプリン体含量の低減は後記の公知の方法に従って行うことができる。この
ようにして得られたプリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵アルコール飲料に、グ
リシン濃度、アラニン濃度およびそれらの合計濃度が所定値となるようグリシンおよびア
ラニンを添加し、本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料とすることができる。ビー
ルテイスト発酵アルコール飲料へのグリシンおよびアラニンの配合は、発酵後の発酵液へ
の添加により行うことができ、このようにしてプリン体濃度が低減され、かつ、グリシン
およびアラニンが含まれるビールテイスト発酵アルコール飲料を製造することができる。
【0025】
ビールテイスト発酵アルコール飲料におけるプリン体含量の低減は公知の方法に従って
行うことができる。ビールテイスト発酵アルコール飲料においてプリン体濃度を低減させ
る方法の非制限的な例としては、発酵前液や発酵液を活性炭やゼオライト等の吸着剤と接
触させて飲料中のプリン体含量を低減させる方法(特開2003-169658号公報、
特開2004-290071号公報、特開2004-290072号公報、特開2015
-112090号公報等参照)や、プリン体の持込みが少ない麦芽以外の原料(例えば、
大豆タンパク、コーングリッツ)を用いて飲料中のプリン体含量を低減させる方法(特開
2014-117204号公報、特開2014-117205号公報等参照)が挙げられ
る。
【0026】
ビールテイスト発酵アルコール飲料における糖質の低減は公知の方法に従って行うこと
ができる。ビールテイスト発酵アルコール飲料において糖質濃度を低減させる方法の非制
限的な例としては、糖化工程中にグルコアミラーゼを添加する方法、発酵工程中にグルコ
アミラーゼを添加する方法(酵素利用技術大系 基礎・解析から改変・高度機能化・産業
利用まで(小宮山眞監修、株式会社エヌ・ティー・エス、2010年)等参照)、酵母に
資化される糖質を多く含む液糖を使用して酵母による資化性を高めることにより糖質を低
減する方法(特開2009-131202号公報参照)、糖化工程中に麦汁濾過を行う方
法(特開2012-147780号公報参照)が挙げられる。
【0027】
上記製造手順において麦汁の作製は常法に従って行うことができる。例えば、醸造原料
と醸造用水の混合物を糖化し、濾過して、麦汁を得、その麦汁にホップを添加した後、煮
沸し、煮沸した麦汁を冷却することにより麦汁を調製することができる。また、麦汁は、
糖化工程中に市販の酵素製剤を添加して作製することもできる。例えば、タンパク分解の
ためにプロテアーゼ製剤を、糖質分解のためにα-アミラーゼ製剤、グルコアミラーゼ製
剤、プルラナーゼ製剤等を、繊維素分解のためにβ-グルカナーゼ製剤、繊維素分解酵素
製剤等をそれぞれ用いることができ、あるいはこれらの混合製剤を用いることもできる。
【0028】
本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料の製造では、麦芽以外に、未発芽の麦類(
例えば、未発芽大麦(エキス化したものを含む)、未発芽小麦(エキス化したものを含む
));米、とうもろこし、こうりゃん、馬鈴薯、でんぷん、糖類(例えば、液糖)、果実
(例えば、果汁、濃縮果汁)、コリアンダーまたはその種、香辛料またはその原料(例え
ば、こしょう、シナモン、さんしょう)、ハーブ(例えば、カモミール、セージ、バジル
)、野菜(例えば、かんしょ、かぼちゃ)、そばまたはごま、含糖質物(例えば、ハチミ
ツ、黒糖)、食塩、みそ、花、茶、コーヒー、ココア(茶、コーヒーおよびココアはその
調製品を含む)、海産物(例えば、牡蠣、こんぶ、わかめ、かつお節)等の副原料;タン
パク質分解物や酵母エキス等の窒素源;香料、色素、起泡・泡持ち向上剤、水質調整剤、
発酵助成剤等のその他の添加物を醸造原料として使用することができる。本発明のビール
テイスト発酵アルコール飲料は、醸造用水以外の使用原料を少なくとも麦芽およびホップ
とすることができ、場合によっては更に糖類、米、とうもろこし、でんぷん等を使用原料
とすることができる。なお、ビールテイスト発酵アルコール飲料のうちオールモルトビー
ルは、麦芽、ホップ、水から製造できることはいうまでもない。
【0029】
本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料は、また、麦芽使用比率の調整、グリシン
および/またはアラニン含有量の多い果実等の原料を使用すること等により、グリシン濃
度、アラニン濃度およびそれらの合計濃度を調整することができる。これらの手順以外は
上記のように、飲料中のプリン体濃度を所定の範囲内に低減する方法を実施しつつ通常の
ビールテイスト発酵アルコール飲料の製造方法に従って製造することができる。
【0030】
本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料において、酢酸エチルの濃度は、例えば、
100ppm以下とすることができ、味の強度、味の余韻およびバランスをより良好なも
のとする観点から、好ましくは50ppm以下、より好ましくは40ppm以下、さらに
好ましくは30ppm以下とすることができる。また、本発明のビールテイスト発酵アル
コール飲料において、酢酸エチルの濃度は、例えば、1ppm以上、2ppm以上または
3ppm以上とすることができる。ビールテイスト発酵アルコール飲料の酢酸エチル濃度
は、公知の方法(例えば、酢酸エチルの産生能が低い酵母を用いる、発酵温度等の醸造条
件を調製する等)により調整することができる。
【0031】
本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料中の酢酸エチルの濃度は、BCOJビール
分析法(2013年増補改訂)「8.22」に記載のFID付ヘッドスペースガスクロマ
トグラフにより測定することができる。例えば、酢酸エチルの濃度は、バイアル内で加温
したビールサンプルの気相部をFID検出器付きガスクロマトグラフへ導入し、ガスクロ
マトグラムより酢酸エチルの面積を読み取り、内部標準物質(n-ブタノール)の面積に
対する比から各成分量を算出することにより行うことができる。その際に、より正確な濃
度測定のためには、既知の濃度を有する幾つかの対照サンプルの測定値に基づいて作成し
た検量線を用いることが望ましい。
【0032】
本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料において、リンゴ酸の濃度は、例えば、2
0~120ppm、好ましくは30~100ppmとすることができる。ビールテイスト
発酵アルコール飲料中のリンゴ酸濃度は、例えば、BCOJビール分析法(2013年増
補改訂)「8.24.2」に記載のキャピラリー電気泳動法により測定することができる
。
【0033】
本発明において、「苦味価(BU)」とは、BCOJビール分析法(2013年増補改
訂)「8.15」に記載の苦味価の方法にしたがって測定される値のことをいう。具体的
には、サンプル飲料に酸を加えたのち、イソオクタンで抽出し、イソオクタン層の吸光度
(275nm)を測定し、かかる測定値に50を乗じて求めることができる。
【0034】
本発明の飲料の苦味価(BU)としては、例えば2~60が挙げられ、香味がより好適
なビールテイスト発酵アルコール飲料を得る観点から、例えば3~30、好ましくは4~
25、より好ましくは5~22、さらにより好ましくは5.5~20とすることができる
。
【0035】
本発明において、苦味価(BU)の調整方法としては特に制限されないが、ビールテイ
スト発酵アルコール飲料の製造に用いるホップおよび/またはホップ加工品の使用量およ
び/または煮沸時間を調整する方法が好適に挙げられる。一般に、ホップおよび/または
ホップ加工品の使用量および/または煮沸時間を増加すると、製造されるビールテイスト
発酵アルコール飲料中のイソα酸等の濃度が高くなる結果、ビールテイスト発酵アルコー
ル飲料のBUを高くすることができ、ホップおよび/またはホップ加工品の使用量および
/または煮沸時間を減少させると、製造されるビールテイスト発酵アルコール飲料中のイ
ソα酸等の濃度が低くなる結果、ビールテイスト発酵アルコール飲料のBUを低くするこ
とができる。上記のホップとしては、例えば、生ホップ、予め粉砕してペレット状に加工
したホップペレット、当該加工に際して予めルプリン粒をふるいわけ、ルプリンを多く含
んだホップペレット、また、ルプリンの苦味質、精油等を抽出したホップエキス等を用い
ることができる。また、ホップ加工品としては、例えば、ローホップ、ヘキサホップ、テ
トラホップ、異性化ホップエキス(イソ化ホップエキス)等を用いることができる。
【0036】
本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料は、pHを2.0以上7.0以下とするこ
とができ、好ましくは2.3以上5.0以下、より好ましくは3.0以上4.7以下、最
も好ましくは3.5以上4.5以下とすることができる。本発明のビールテイスト発酵ア
ルコール飲料のpHは、pH調整剤を用いて調整することができる。ビールテイスト発酵
アルコール飲料のpHは、市販のpHメーター(例えば、HORIBA Scienti
fic 卓上pH計、堀場アドバンスドテクノ社)を用いて測定することができる。
【0037】
本発明により提供される飲料は、場合によっては炭酸ガスを添加する工程に付し、さら
に、充填工程、殺菌工程等の工程を経て容器詰め飲料として提供することができる。殺菌
は容器への充填前であっても充填後であってもよい。また、飲料のpHが4未満に調整さ
れている場合には殺菌工程を経ずにそのまま充填工程を行って容器詰め飲料とすることも
できる。
【0038】
本発明による飲料に使用される容器は、飲料の充填に通常使用される容器であればよく
、例えば、金属缶、樽容器、プラスチック製ボトル(例えば、PETボトル、カップ)、
紙容器、瓶、パウチ容器等が挙げられるが、好ましくは、金属缶・樽容器、プラスチック
製ボトル(例えば、PETボトル)、瓶である。
【0039】
本発明の別の面によれば、プリン体濃度が3.5mg/100mL以下であるビールテ
イスト発酵アルコール飲料の製造方法であって、製造された飲料のグリシン濃度が5.5
mg/L以上であり、製造された飲料のアラニン濃度が4.4mg/L以上であり、かつ
、製造された飲料のグリシンおよびアラニンの合計濃度が10mg/L以上180mg/
L以下となるようにグリシンおよびアラニンを含有させる工程を含む、製造方法が提供さ
れる。本発明の製造方法によれば、製造されるビールテイスト発酵アルコール飲料の風味
が改善される。ここで、ビールテイスト発酵アルコール飲料の「風味が改善された」ある
いは「風味改善」とは、ビールテイスト発酵アルコール飲料において、プリン体濃度が低
減されているにもかかわらず、味の強度、味の余韻およびバランスにおいて良好なものが
実現されることを意味する。本発明の製造方法は、上記に加えて本発明のビールテイスト
発酵アルコール飲料についての記載に従って実施することができる。
【0040】
本発明の別の面によれば、プリン体濃度が3.5mg/100mL以下であるビールテ
イスト発酵アルコール飲料の風味改善方法であって、製造された飲料のグリシン濃度が5
.5mg/L以上であり、製造された飲料のアラニン濃度が4.4mg/L以上であり、
かつ、製造された飲料のグリシンおよびアラニンの合計濃度が10mg/L以上180m
g/L以下となるようにグリシンおよびアラニンを含有させる工程を含む、風味改善方法
が提供される。風味改善方法によれば、プリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵ア
ルコール飲料の風味を改善することができる。本発明の風味改善方法は、上記に加えて本
発明のビールテイスト発酵アルコール飲料およびその製造方法についての記載に従って実
施することができる。
【実施例0041】
以下の例に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定される
ものではない。
【0042】
アルコール濃度の測定
アルコール濃度(エタノール濃度)は、「国税庁所定分析法」に記載の方法により測定
した。
【0043】
プリン体濃度の測定
プリン体濃度は以下のようにして測定した。すなわち、過塩素酸による加水分解後にL
C-MS/MS(液体クロマトグラフィー質量分析法)を用いて検出する方法(「酒類中
のプリン体の微量分析のご案内」、一般財団法人・日本食品分析センター、URL:http://w
ww.jfrl.or.jp/item/nutrition/post-31.html参照)により測定した。
【0044】
糖質濃度の分析
栄養表示基準に基づく糖質濃度の測定は、公知の五訂日本食品標準成分表分析マニュア
ルに記載の方法に従って行った。すなわち、サンプル飲料の質量から、水分、タンパク質
、脂質、灰分および食物繊維量を除いて算出する方法により測定した。
【0045】
アミノ酸濃度の測定
アミノ酸濃度は以下のようにして測定した。すなわち、各種試料を0.45μmフィル
ター濾過することで得たろ液をアミノ酸分析用サンプル液とした。該サンプルについて、
高速アミノ酸分析計LA8080(日立ハイテクサイエンス社)を用いてアミノ酸分析を
行った。グリシン濃度およびアラニン濃度は、スタンダードにて検量線を作成したものか
ら濃度を算出した。グリシンおよびアラニンの合計濃度は、それぞれの濃度を足し合わせ
て算出した。
【0046】
例1:ビールテイスト飲料の調製とその評価
例1では、ビールテイスト飲料の試飲サンプルを調製し、各サンプルの評価試験を実施
した。
【0047】
(1)方法
ア 試験サンプルの調製
酵素を用いて麦芽を糖化し、濾過することにより麦汁を得た。得られた麦汁にホップと
資化性糖を主体として含む液糖とを添加し、100℃で煮沸した。次いで、麦汁を静置し
て凝固したタンパク質(トリューブ)を分離した後、冷却して発酵前液を得た。得られた
発酵前液に下面発酵酵母を添加し、主発酵および後発酵を行い、発酵液を得た。得られた
発酵液を低温で貯蔵して発酵を停止させ、濾過することにより、ビールテイスト発酵アル
コール飲料(麦芽使用比率53%)を得た。そして、このビールテイスト発酵アルコール
飲料を希釈するとともに、醸造用エタノール(95%)、グリシンおよびアラニンを添加
することによりベース飲料(表1に示す試験区1)を調製した。このベース飲料に醸造用
エタノール(95%)、グリシンおよびアラニンを添加することにより表1に示す試験区
2~18の各試験サンプルを調製した。
【0048】
イ 評価試験
試験は訓練されたパネラー4名で実施した。味の強度、味の余韻およびバランスの評価
基準を表1に示す。なお、試験区1の各評価項目の評点を1.50と設定し、試験区1の
官能評価を基準にして試験区2~18を評価した。
【0049】
【0050】
(2)結果
結果は、表2に示す通りであった。グリシンおよびアラニンのそれぞれの濃度および両
者の合計濃度が所定値にある場合に、味、味の余韻およびバランスのいずれも評点が3.
0以上の良好な結果が得られた。
【0051】