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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009278
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】ゴミ捕捉部材保持具
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/264 20060101AFI20250110BHJP
【FI】
E03C1/264
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023112166
(22)【出願日】2023-07-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-18
(71)【出願人】
【識別番号】512064099
【氏名又は名称】株式会社シンカテック
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】山田 常雄
【テーマコード(参考)】
2D061
【Fターム(参考)】
2D061DA01
2D061DA02
2D061DA03
2D061DA04
2D061DE15
2D061DE19
(57)【要約】
【課題】ゴミ捕捉部材を簡便かつ確実に取り付けることができるゴミ捕捉部材保持具を提供する。
【解決手段】排水口40の周縁に載置できるフランジ部11と、フランジ部11の内側に形成され排水が流下する開口部12aを有する流下部12と、を有する保持具本体部材10を備え、流下部12を覆って排水に含まれるゴミを捕捉するゴミ捕捉部材30を、保持具本体部材10の下面側10Aの装着部13に磁力により装着するため、ゴミ捕捉部材30を介して磁力により装着部13と結合できる固定部材20を備えるゴミ捕捉部材保持具X。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水口の周縁に載置できるフランジ部と、当該フランジ部の内側に形成され排水が流下する開口部を有する流下部と、を有する保持具本体部材を備え、
前記流下部を覆って前記排水に含まれるゴミを捕捉するゴミ捕捉部材を、前記保持具本体部材の下面側の装着部に磁力により装着するため、
前記ゴミ捕捉部材を介して磁力により前記装着部と結合できる固定部材を備えるゴミ捕捉部材保持具。
【請求項2】
前記流下部が、前記フランジ部を前記排水口の周縁に載置した状態で前記開口部から垂下する筒状の管部を備えた請求項1に記載のゴミ捕捉部材保持具。
【請求項3】
前記固定部材の全体が磁石により構成してあり、前記保持具本体部材の全体が当該磁石と結合する金属で構成してある請求項1または2に記載のゴミ捕捉部材保持具。
【請求項4】
前記フランジ部の外周および前記開口部が上面視で円形に構成してある請求項1または2に記載のゴミ捕捉部材保持具。
【請求項5】
前記固定部材が環状に構成してある請求項2に記載のゴミ捕捉部材保持具。
【請求項6】
前記固定部材の外径が前記排水口の内径より小さく設定してある請求項5に記載のゴミ捕捉部材保持具。
【請求項7】
前記金属が、鉄、ニッケルおよびコバルトの少なくとも何れか1つを含み、
前記磁石が、フェライト磁石、ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石の何れかである請求項3に記載のゴミ捕捉部材保持具。
【請求項8】
前記ゴミ捕捉部材が網状体である請求項1または2に記載のゴミ捕捉部材保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水に含まれるゴミを捕捉するゴミ捕捉部材を装着するゴミ捕捉部材保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、流し台の排水口用のゴミ取りネットの3分の2程度をリング状部材の内側に配置し、ゴミ取りネットの開口側をリング状部材において折り返して3分の1程度を下方に折り曲げることによってゴミ取りネットをリング状部材に取りつけた状態で、流し台の排水口の段差部分に装着できる流し台排水リングが記載してある。当該流し台排水リングは、ステンレス鋼,銅,プラスチック,ポリプロピレン又はセラミック製であることが記載してある。
【0003】
このような構成の流し台排水リングを排水口に適用することにより、不衛生で洗う手間もかかる排水かごを取り除くことができる。
【0004】
特許文献2には、排水口の蓋の中心部を丸く抜き、その下方が円錐状の筒になるように構成した部分にゴムリングを内蔵したゴミ取りネットを取り付けた浴室内排水口のカバーが記載してある。
【0005】
このような構成の浴室内排水口のカバーを排水口に適用することにより、浴室内で発生した抜け毛やゴミ類をゴムリング内蔵のゴミ取りネットに捕捉することでき、排水口の目詰まりを防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012-47013号公報
【特許文献2】特開2017-160764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の流し台排水リングは、ゴミ取りネット(ゴミ捕捉部材)をリング状部材において折り返して取り付けているため、例えばゴミ捕捉部材の折り曲げ長さの不足などの取り付け状態、排水の勢い、および集積したゴミ類の量などによっては、ゴミ捕捉部材がリング状部材に対して位置ズレし、リング状部材から脱落する虞があった。
【0008】
特許文献2に記載のカバーは、ゴミ取りネット(ゴミ捕捉部材)をゴムリングによって円錐状の筒に取り付けているが、例えば排水の勢い、および集積したゴミ類の量などによっては、ゴミ捕捉部材が円錐状に対して位置ズレし、円錐状の筒から脱落する虞があった。
【0009】
従って、本発明の目的は、ゴミ捕捉部材を簡便かつ確実に取り付けることができるゴミ捕捉部材保持具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明に係るゴミ捕捉部材保持具の第一特徴構成は、排水口の周縁に載置できるフランジ部と、当該フランジ部の内側に形成され排水が流下する開口部を有する流下部と、を有する保持具本体部材を備え、前記流下部を覆って前記排水に含まれるゴミを捕捉するゴミ捕捉部材を、前記保持具本体部材の下面側の装着部に磁力により装着するため、前記ゴミ捕捉部材を介して磁力により前記装着部と結合できる固定部材を備えた点にある。
【0011】
本構成によれば、排水に含まれるゴミを捕捉するゴミ捕捉部材を、互いに磁力で結合する装着部および固定部材によって挟持することで、保持具本体部材の下面側に磁力によって装着することができる。そのため、本発明のゴミ捕捉部材保持具では、ゴミ捕捉部材を簡便かつ確実に取り付けることができる。
【0012】
ゴミ捕捉部材を保持具本体部材から取り外す際には、互いに磁力で結合する装着部および固定部材において、固定部材を装着部から磁力に抗する程度の力で装着部から離脱させることで当該ゴミ捕捉部材を保持具本体部材から容易に取り外すことができる。このように、本構成によれば、ゴミ捕捉部材の取り外し作業(交換作業)も簡便に行うことができる。
【0013】
本発明に係るゴミ捕捉部材保持具の第二特徴構成は、前記流下部が、前記フランジ部を前記排水口の周縁に載置した状態で前記開口部から垂下する筒状の管部を備えた点にある。
【0014】
本構成によれば、ゴミ捕捉部材保持具を排水口に載置したとき、管部は排水口の内側に配設することができる。このとき、管部が排水口に嵌め込まれる態様とすることができるため、ゴミ捕捉部材保持具を確実に排水口に配設することができる。
【0015】
本発明に係るゴミ捕捉部材保持具の第三特徴構成は、前記固定部材の全体を磁石により構成し、前記保持具本体部材の全体を当該磁石と結合する金属で構成した点にある。
【0016】
本構成によれば、固定部材および保持具本体部材のそれぞれを、単一の材料で容易に製造することができる。
【0017】
本発明に係るゴミ捕捉部材保持具の第四特徴構成は、前記フランジ部の外周および前記開口部を上面視で円形に構成した点にある。
【0018】
排水口の周縁は、上面視で円形の凹部が形成してある場合があるため、フランジ部の外周が上面視で円形となるように構成すれば、フランジ部を前記凹部に嵌め込み易くなる。
【0019】
また、排水口は、通常、上面視で円形に構成してあるため、開口部の形状を排水口の形状と一致させることで、開口部と排水口とを接続し易くなる。
【0020】
本発明に係るゴミ捕捉部材保持具の第五特徴構成は、前記固定部材を環状に構成した点にある。
【0021】
本構成によれば、固定部材を環状に構成すると、流下部(管部)の外周が固定部材の内周に近接した状態で流下部を固定部材に挿通するように構成することができる。これにより、固定部材およびゴミ捕捉部材を装着部に装着したとき、流下部の全周を固定部材およびゴミ捕捉部材によって囲繞することができる。そのため、ゴミ捕捉部材によって流下部を確実に覆うことができ、これにより、ゴミ捕捉部材が排水に含まれるゴミを確実に捕捉することができる。
【0022】
本発明に係るゴミ捕捉部材保持具の第六特徴構成は、前記固定部材の外径を前記排水口の内径より小さく設定した点にある。
【0023】
本構成によれば、固定部材およびゴミ捕捉部材を装着部(保持具本体部材)に装着した状態で、固定部材およびゴミ捕捉部材を排水口の内側に収容することができる。
【0024】
本発明に係るゴミ捕捉部材保持具の第七特徴構成は、前記金属を、鉄、ニッケルおよびコバルトの少なくとも何れか1つを含み、前記磁石を、フェライト磁石、ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石の何れかとした点にある。
【0025】
本構成によれば、前記金属および磁石を、入手の容易な材料で構成することができる。
【0026】
本発明に係るゴミ捕捉部材保持具の第八特徴構成は、前記ゴミ捕捉部材を網状体とした点にある。
【0027】
本構成によれば、排水に含まれる水とゴミとを確実に分離し、当該ゴミを確実に捕捉し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】実施形態のゴミ捕捉部材保持具を示す断面図である。
図2】ゴミ捕捉部材保持具を排水口に配設したときの概略図である。
図3】実施形態のゴミ捕捉部材保持具を示す上面図である。
図4】別実施形態(別実施例1)のゴミ捕捉部材保持具を示す断面図である。
図5】別実施形態(別実施例4:管部なし)のゴミ捕捉部材保持具を示す断面図である。
図6】別実施形態(別実施例4:管部なし)のゴミ捕捉部材保持具を示す上面図である。
図7】別実施形態(別実施例4:管部あり)のゴミ捕捉部材保持具を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1~3に示したように、ゴミ捕捉部材保持具Xは、排水口40の周縁に載置できるフランジ部11と、当該フランジ部11の内側に形成され排水が流下する開口部12aを有する流下部12と、を有する保持具本体部材10を備え、流下部12を覆って排水に含まれるゴミを捕捉するゴミ捕捉部材30を、保持具本体部材10の下面側10Aの装着部13に磁力により装着するため、ゴミ捕捉部材30を介して磁力により装着部13と結合できる固定部材20を備える。
【0030】
排水口40は、例えば流し台,洗面台,浴室,洗濯機パン等に形成してあるものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。排水口40は、食品残渣や髪の毛などのゴミを含有する排水(生活排水)が流下するが、本発明のゴミ捕捉部材保持具Xは、前記排水が流下する可能性がある排水口40であれば設置することができる。
【0031】
保持具本体部材10は、ゴミ捕捉部材保持具Xを排水口40の周縁に載置できるフランジ部11を有する。当該フランジ部11は、ゴミ捕捉部材保持具Xが排水口40の下方に連設してある排水管41の内部に落下しないように、ゴミ捕捉部材保持具Xを排水口40に配設できるように構成してあればその態様は限定されるものではない。本実施形態では、フランジ部11を薄板状(平板状)で、フランジ部11の外周4が上面視で円形に構成してある場合について説明する。
【0032】
排水口40の周縁は、上面視で円形の凹部42が形成してある場合があるため、フランジ部11の外周11aが上面視で円形となるように構成すれば、フランジ部11を凹部42に嵌め込みやすくなる。
【0033】
また、保持具本体部材10は、フランジ部11の内側に形成され排水が流下する開口部12aを有する流下部12を有する。当該保持具本体部材10の態様は限定されるものではないが、本実施形態では、流下部12が、フランジ部11を排水口40の周縁に載置した状態で開口部12aから垂下する筒状の管部12bを備える場合について説明する。
【0034】
当該管部12bの態様は限定されるものではないが、当該開口部12aに挿通できるように開口部12aの形状に対応した形状とするのがよい。本実施形態における開口部12aは、上面視で円形に構成してある場合について説明するが、この場合、管部12bは、円柱状の態様とすることができる。管部12bの外径は、排水口40に挿通できるように当該排水口40の内径より小さく設定するとよい。
【0035】
本実施形態では、保持具本体部材10の寸法についてフランジ部11の外周11aを64mmおよび管部12bの外径を25mmとし、排水口40の内径を38mmとした場合について説明するが、これらの寸法に限定されるものではない。
【0036】
ゴミ捕捉部材保持具Xを排水口40に載置したとき、管部12bは排水口40の内側に配設することができる。このとき、管部12bが排水口40に嵌め込まれる態様とすることができるため、ゴミ捕捉部材保持具Xを確実に排水口40に配設することができる。
【0037】
保持具本体部材10は、その下面側10Aの装着部13に磁力によりゴミ捕捉部材30を装着することができる。即ち、本発明のゴミ捕捉部材保持具Xは、ゴミ捕捉部材30を介して磁力により装着部13と結合できる固定部材20を備える。
【0038】
装着部13は、固定部材20によってゴミ捕捉部材30を装着できる部位である。このように本発明のゴミ捕捉部材保持具Xは、ゴミ捕捉部材30を互いに磁力で結合する装着部13および固定部材20によって挟持することで、ゴミ捕捉部材30を装着部13(保持具本体部材10)に装着することができる。
【0039】
本発明のゴミ捕捉部材保持具Xは、装着部13および固定部材20は、互いに磁力で結合するように、少なくとも何れか一方を磁石で構成するとよい。或いは、何れか一方を磁石で構成し、他方を磁石と結合する金属で構成してもよい。
【0040】
本実施形態では、装着部13を磁石と結合する金属で構成した場合について説明する。本実施形態では、装着部13を含む保持具本体部材10の全体を磁石と結合する金属で構成する場合について説明する。これにより、保持具本体部材10を単一の材料で容易に製造することができる。
【0041】
尚、保持具本体部材10においては、装着部13のみを磁石と結合する金属で構成してもよい。この場合、保持具本体部材10とは別体の装着部13を保持具本体部材10の下面側10Aに取り付けるとよい。
【0042】
当該磁石と結合する金属は、鉄、ニッケルおよびコバルトの少なくとも何れか1つを含む金属および合金とすることができるが、これらに限定されるものではない。本実施形態では、SUS430(クロム18%を含む)とした場合について説明する。
【0043】
固定部材20は、装着部13と磁力で結合する磁石を有するように構成することができる。本実施形態では、固定部材20の全体を磁石で構成する場合について説明する。これにより、固定部材20を単一の材料で容易に製造することができる。
【0044】
尚、固定部材20においては、固定部材20における装着部13の側の少なくとも一部が磁石を有するように構成すれば、装着部13および固定部材20は互いに磁力で結合することができる、そのため、例えば固定部材20における装着部13の側の少のなくとも一部に磁石を有するように構成し、固定部材20のその他の部位は磁石以外の材料で構成してもよい。
【0045】
当該磁石は、フェライト磁石、ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石の何れかとすることができるが、これらに限定されるものではない。
【0046】
固定部材20の形状は限定されるものではないが、本実施形態では、固定部材20を環状に構成してある場合について説明する。保持具本体部材10とは別体の装着部13を備える場合は、装着部13の形状も環状に構成するとよい。
【0047】
固定部材20を環状に構成すると、管部12bの外周が固定部材20の内周に近接した状態で管部12bを固定部材20に挿通するように構成することができる。これにより、固定部材20およびゴミ捕捉部材30を装着部13に装着したとき、管部12bの全周を固定部材20およびゴミ捕捉部材30によって囲繞することができる。そのため、ゴミ捕捉部材30によって管部12b(流下部12)を確実に覆うことができ、これにより、ゴミ捕捉部材30が排水に含まれるゴミを確実に捕捉することができる。
【0048】
固定部材20の外径は、排水口40の内径より小さく設定するとよい。これにより、固定部材20およびゴミ捕捉部材30を装着部13(保持具本体部材10)に装着した状態で、固定部材20およびゴミ捕捉部材30を排水口40の内側に収容することができる。
【0049】
本実施形態では、固定部材20の寸法について、固定部材20の外径を34mm、内径を26mm、厚さを5mmとした場合について説明するが、これらの寸法に限定されるものではない。
【0050】
ゴミ捕捉部材30は、磁力によってフランジ部11の下面に脱着自在に取り付けることができる。ゴミ捕捉部材30は、ゴミを捕捉することができる態様であればよく、例えば網状に編まれた網状、布状又は水抜き穴を備えた袋状とすることができるが、このような態様に限定されるものではない。本実施形態では、ゴミ捕捉部材30を網状体とする場合について説明する。
【0051】
ゴミ捕捉部材30を網状体とすることで、排水に含まれる水とゴミとを確実に分離し、当該ゴミを確実に捕捉し易くすることができる。
【0052】
網状体は、例えば0.5~1.5mmの隙間を有するように網状(ネット状)に編成すればよいが、このような態様に限定されるものではない。また、網状体は袋状あるいは平面状の態様とすることができる。本実施形態では、ゴミ捕捉部材30を袋状の網状体とした場合について説明する。これにより、排水に含まれるゴミを袋状とした容量の分だけ確実に捕捉することができる。
【0053】
ゴミ捕捉部材30の材質は特に限定されるものではないが、例えばポリエステル等の樹脂、ステンレス等の金属を使用することができる。
【0054】
ゴミ捕捉部材30を袋状の網状体とした場合、固定部材20に装着する際には、ゴミ捕捉部材30の一部(3分の2程度)を環状に構成した固定部材20の内側に配置し、ゴミ捕捉部材30の開口側を固定部材20において折り返して3分の1程度を下方に折り曲げることによってゴミ捕捉部材30を固定部材20に取り付けることができる。この状態で、固定部材20をゴミ捕捉部材30を介して装着部13に磁力で結合させると、ゴミ捕捉部材30を保持具本体部材10に装着することができる。
【0055】
ゴミ捕捉部材30を装着部13および固定部材20によって挟持された状態、即ち、装着部13および固定部材20の間にゴミ捕捉部材30が介在した状態であっても、ゴミ捕捉部材30は厚みが薄い(例えば0.5~1mm程度)材料で構成してあるため、装着部13および固定部材20は、互いに磁力で結合することができる。
【0056】
本発明のゴミ捕捉部材保持具Xによれば、排水に含まれるゴミを捕捉するゴミ捕捉部材30を、互いに磁力で結合する装着部13および固定部材20によって挟持することで、保持具本体部材10の下面側10Aに磁力によって装着することができる。そのため、当該ゴミ捕捉部材保持具Xでは、ゴミ捕捉部材30を簡便かつ確実に取り付けることができる。
【0057】
ゴミ捕捉部材30を保持具本体部材10から取り外す際には、互いに磁力で結合する装着部13および固定部材20において、固定部材20を装着部13から磁力に抗する程度の力で装着部13から離脱させることで当該ゴミ捕捉部材30を保持具本体部材10から容易に取り外すことができる。このように、ゴミ捕捉部材30の取り外し作業(交換作業)も簡便に行うことができる。
【0058】
〔別実施例1〕
上述した実施形態では、保持具本体部材10において、流下部12がフランジ部11を排水口40の周縁に載置した状態で開口部12aから垂下する筒状の管部12bを備える場合について説明した。当該保持具本体部材10は、フランジ部11および開口部12aを有する流下部12を有する態様であればよいため、管部12bを備えない態様としてもよい。この場合、図4に示したように、保持具本体部材10は、薄板状(平板状)の態様とすることができる。
【0059】
〔別実施例2〕
上述した実施形態では、装着部13および固定部材20が互いに磁力で結合する態様として、装着部13を磁石と結合する金属で構成し、固定部材20を磁石で構成する場合について説明した。しかし、このような態様に限定されず、装着部13を磁石で構成し、固定部材20を磁石と結合する金属で構成してもよい。
【0060】
〔別実施例3〕
上述した実施形態では、固定部材20を環状に構成した場合について説明した。しかし、このような態様に限定されず、固定部材20を複数の円弧状の部材に分割した態様としてもよい。この場合、固定部材20の複数の円弧状の分割片は、それぞれを接触させて装着部13(保持具本体部材10)に環状となるように装着してもよし、それぞれを離間した状態で装着部13(保持具本体部材10)に環状となるように装着してもよい。
【0061】
〔別実施例4〕
上述した実施形態では、フランジ部11を薄板状(平板状)とした場合について説明した。しかし、このような態様に限定されず、図5,6に示したように、フランジ部11において、フランジ部11の内側に形成した流下部12(開口部12a)を側面視で下方に凹ませ、開口部12aに向けて排水が流下するように傾斜を設けた領域を備えた態様としてもよい。
【0062】
この場合、例えば、フランジ部11の外側領域である縁部11a、内側領域で開口部12a有する内側部11b、縁部11aおよび内側部11bの間の傾斜した領域である傾斜部11cを有するように構成できる。
【0063】
具体的には、側面視で、縁部11aおよび内側部11bを平行に構成し、内側部11bを下方に凹ませた態様となるように、縁部11aに対して傾斜部11cを下方に屈曲させ、かつ、内側部11bに対して傾斜部11cを上方に屈曲させるように構成するとよい。尚、傾斜部11cについて、縁部11aに対して傾斜する角度αは特に限定されるものではないが、例えば4.5~10°の角度で下方に傾斜させることができる。
【0064】
本態様では、内側部11bの下面側を装着部13とすればよい。また、縁部11aを排水口40の周縁に載置すれば、ゴミ捕捉部材保持具Xを排水口40に配設することができる。これにより、固定部材20およびゴミ捕捉部材30を装着部13(保持具本体部材10)に装着した状態で、固定部材20およびゴミ捕捉部材30を排水口40の内側に収容することができる。
【0065】
本態様では、フランジ部11において、開口部12aに向けて排水が流下するように傾斜した傾斜部11cを有するため、排水を開口部12aに導き易くなり、ゴミ捕捉部材30が排水に含まれるゴミをより確実に捕捉することができる。
【0066】
図5では、管部12bを備えない態様を示したが、図7のように管部12bを備えた態様としてもよい。
【0067】
縁部11aを排水口40の周縁に載置する際には、排水口40の周縁に形成してある上面視で円形の凹部42に縁部11aが嵌るように載置することができる(図5)。また、上記の実施形態において排水口40の周縁に当該凹部42が形成されていない場合は、図7に示したように、排水口40の周縁にフランジ部11の外側領域(縁部11a)を直接載置することができる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、排水に含まれるゴミを捕捉するゴミ捕捉部材を装着するゴミ捕捉部材保持具に利用できる。
【符号の説明】
【0069】
X ゴミ捕捉部材保持具
10 保持具本体部材
10A 下面側
11 フランジ部
12 流下部
12a 開口部
12b 管部
13 装着部
20 固定部材
30 ゴミ捕捉部材
40 排水口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-10-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水口の周縁に載置できるフランジ部と、当該フランジ部の内側に形成され排水が流下する開口部を有する流下部と、を有する保持具本体部材を備え、
前記流下部を覆って前記排水に含まれるゴミを捕捉するゴミ捕捉部材を、前記保持具本体部材の下面側の装着部に磁力により装着するため、
前記ゴミ捕捉部材を介して磁力により前記装着部と結合できる固定部材を備え
当該固定部材の少なくとも一部が磁石により構成してあり、前記固定部材が環状に構成してあり、前記固定部材の外径が前記排水口の内径より小さく設定してあるゴミ捕捉部材保持具。
【請求項2】
前記流下部が、前記フランジ部を前記排水口の周縁に載置した状態で前記開口部から垂下する筒状の管部を備えた請求項1に記載のゴミ捕捉部材保持具。
【請求項3】
前記固定部材の全体が磁石により構成してあり、前記保持具本体部材の全体が当該磁石と結合する金属で構成してある請求項1または2に記載のゴミ捕捉部材保持具。
【請求項4】
前記フランジ部の外周および前記開口部が上面視で円形に構成してある請求項1または2に記載のゴミ捕捉部材保持具。
【請求項5】
前記フランジ部が、当該フランジ部の外側領域である縁部、内側領域で前記開口部を有する内側部、前記縁部および前記内側部の間の傾斜した領域である傾斜部を有するように構成してある請求項1または2に記載のゴミ捕捉部材保持具。
【請求項6】
前記ゴミ捕捉部材の開口端部を前記排水口の内部に収容した状態で前記ゴミ捕捉部材を装着する請求項1または2に記載のゴミ捕捉部材保持具。
【請求項7】
前記金属が、鉄、ニッケルおよびコバルトの少なくとも何れか1つを含み、
前記磁石が、フェライト磁石、ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石の何れかである請求項3に記載のゴミ捕捉部材保持具。
【請求項8】
前記ゴミ捕捉部材が網状体である請求項1または2に記載のゴミ捕捉部材保持具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
上記目的を達成するための本発明に係るゴミ捕捉部材保持具の第一特徴構成は、排水口の周縁に載置できるフランジ部と、当該フランジ部の内側に形成され排水が流下する開口部を有する流下部と、を有する保持具本体部材を備え、前記流下部を覆って前記排水に含まれるゴミを捕捉するゴミ捕捉部材を、前記保持具本体部材の下面側の装着部に磁力により装着するため、前記ゴミ捕捉部材を介して磁力により前記装着部と結合できる固定部材を備え、当該固定部材の少なくとも一部が磁石により構成してあり、前記固定部材が環状に構成してあり、前記固定部材の外径を前記排水口の内径より小さく設定した点にある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本構成によれば、排水に含まれるゴミを捕捉するゴミ捕捉部材を、互いに磁力で結合する装着部および少なくとも一部が磁石により構成してある固定部材によって挟持することで、保持具本体部材の下面側に磁力によって装着することができる。そのため、本発明のゴミ捕捉部材保持具では、ゴミ捕捉部材を簡便かつ確実に取り付けることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
ゴミ捕捉部材を保持具本体部材から取り外す際には、互いに磁力で結合する装着部および固定部材において、固定部材を装着部から磁力に抗する程度の力で装着部から離脱させることで当該ゴミ捕捉部材を保持具本体部材から容易に取り外すことができる。このように、本構成によれば、ゴミ捕捉部材の取り外し作業(交換作業)も簡便に行うことができる。
本構成のように固定部材を環状に構成すると、流下部の外周が固定部材の内周に近接した状態で流下部を固定部材に挿通するように構成することができる。これにより、固定部材およびゴミ捕捉部材を装着部に装着したとき、流下部の全周を固定部材およびゴミ捕捉部材によって囲繞することができる。そのため、ゴミ捕捉部材によって流下部を確実に覆うことができ、これにより、ゴミ捕捉部材が排水に含まれるゴミを確実に捕捉することができる。
また、本構成のように固定部材の外径を排水口の内径より小さく設定すれば、固定部材およびゴミ捕捉部材を装着部(保持具本体部材)に装着した状態で、固定部材およびゴミ捕捉部材を排水口の内側に収容することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
本発明に係るゴミ捕捉部材保持具の第五特徴構成は、前記フランジ部を、当該フランジ部の外側領域である縁部、内側領域で前記開口部を有する内側部、前記縁部および前記内側部の間の傾斜した領域である傾斜部を有するように構成した点にある。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
本構成によれば、フランジ部において、開口部に向けて排水が流下するように傾斜した傾斜部を有するため、排水を開口部に導き易くなり、ゴミ捕捉部材が排水に含まれるゴミをより確実に捕捉することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
本発明に係るゴミ捕捉部材保持具の第六特徴構成は、前記ゴミ捕捉部材の開口端部を前記排水口の内部に収容した状態で前記ゴミ捕捉部材を装着する点にある。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
本構成によれば、ゴミ捕捉部材の開口端部の側から排水に含まれるゴミがフランジ部と固定部材との隙間に侵入するのを防止することができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
ゴミ捕捉部材30を保持具本体部材10から取り外す際には、互いに磁力で結合する装着部13および固定部材20において、固定部材20を装着部13から磁力に抗する程度の力で装着部13から離脱させることで当該ゴミ捕捉部材30を保持具本体部材10から容易に取り外すことができる。このように、ゴミ捕捉部材30の取り外し作業(交換作業)も簡便に行うことができる。
本発明のゴミ捕捉部材保持具Xでは、ゴミ捕捉部材30の開口端部を排水口40の内部に収容した状態でゴミ捕捉部材30を装着するとよい(図2)。