(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009279
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】鋼材立付け用治具および鋼材の打設方法
(51)【国際特許分類】
E02D 13/04 20060101AFI20250110BHJP
【FI】
E02D13/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023112167
(22)【出願日】2023-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】000179915
【氏名又は名称】ジェコス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087491
【弁理士】
【氏名又は名称】久門 享
(74)【代理人】
【識別番号】100104271
【弁理士】
【氏名又は名称】久門 保子
(72)【発明者】
【氏名】後藤 健治
(72)【発明者】
【氏名】酒▲徳▼ 直人
【テーマコード(参考)】
2D050
【Fターム(参考)】
2D050AA11
2D050EE10
(57)【要約】
【課題】バイブロハンマが備えるチャックによって鋼材の上端部を容易にチャッキングすることができて、鋼材の吊り込み作業を効率的に行うことのできる鋼材立付け用治具を提供する。
【解決手段】立設されたガイド支柱2とガイド支柱2に取り付けられ、ガイド支柱2の側部に立て付けられた鋼材イをガイド支柱2に固定する鋼材固定治具3を有する。鋼材固定治具3は、ガイド支柱2と鋼材イとが対向する側のガイド支柱2の側部に配置された内枠4と、ガイド支柱2と鋼材イとが対向する側とは反対側のガイド支柱2及び鋼材イの側部にそれぞれ配置された外枠5a及び5bと、ガイド支柱2と鋼材イが隣り合う側のガイド支柱2及び鋼材イの両側部にそれぞれ配置され、内枠4と外枠5a及び外枠5bに脱着可能に連結された複数のタイボルト6,6を有する。鋼材固定治具3はガイド支柱2に間隔をおいて複数取り付ける。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼材を立て付ける鋼材立付け用治具であって、立設されたガイド支柱と、前記ガイド支柱に取り付けられ、前記ガイド支柱の側部に立て付けられた鋼材を前記ガイド支柱に固定する鋼材固定治具を備え、前記鋼材固定治具は前記ガイド支柱と前記鋼材とが対向する側の前記ガイド支柱の側部に配置された内枠と、前記ガイド支柱と前記鋼材とが対向する側とは反対側の前記ガイド支柱および前記鋼材の側部にそれぞれ配置された前記ガイド支柱側の外枠および前記鋼材側の外枠と、前記ガイド支柱と前記鋼材が隣り合う側の前記ガイド支柱および前記鋼材の両側部にそれぞれ配置され、前記内枠および前記ガイド支柱側および前記鋼材側の外枠にそれぞれ脱着可能に連結された複数のタイボルトを備えていることを特徴とする鋼材立付け用治具。
【請求項2】
請求項1記載の鋼材立付け用治具において、前記鋼材固定治具は前記ガイド支柱の軸方向に間隔をおいて複数取り付けられていることを特徴とする鋼材立付け用治具。
【請求項3】
鋼材を立て付けるための鋼材立付け用治具であって、立設されたガイド支柱と、前記ガイド支柱に取り付けられ、前記ガイド支柱の側部に立て付けられた鋼材を前記ガイド支柱に固定する鋼材固定治具を備え、前記鋼材固定治具は前記ガイド支柱の側部に取り付けられ、前記鋼材を把持する鋼材把持治具と、前記鋼材把持治具に取り付けられ、前記鋼材把持治具と協働して前記鋼材を前記ガイド支柱に固定する鋼材固定枠を備え、前記鋼材把持治具は前記ガイド支柱に取り付けられた取付け部と、前記取付け部の両側部に形成され、前記鋼材の両側部を保持する鋼材保持アーム部とから平面視略コ字状に形成されていることを特徴とする鋼材立付け用治具。
【請求項4】
請求項3記載の鋼材立付け用治具において、前記鋼材把持アーム部は前記ガイド支柱の軸方向に間隔をおいて複数取り付けられていることを特徴とする鋼材立付け用治具。
【請求項5】
鋼材を立て付けるための鋼材立付け用治具であって、立設されたガイド支柱と、前記ガイド支柱の側部に立て付けられた長尺杭を前記ガイド支柱に固定する鋼材固定治具を備え、前記鋼材固定治具は、前記ガイド支柱と前記長尺杭がそれぞれ有する、互いに対向する双方のフランジを協働して挟持する固定治具本体と固定ボルトを備えていることを特徴とする鋼材立付け用治具。
【請求項6】
鋼材を立て付けるための鋼材立付け用治具であって、自立する治具本体と、前記治具本体に取り付けられ、前記治具本体を貫通して立て付けられた鋼材を前記治具本体に固定する複数の鋼材固定治具を備え、前記治具本体は一対の主土台と、前記主土台間に配置され、前記主土台どうしを繋ぐ連結土台と、前記一対の主土台の上にそれぞれ立設された一対の支柱と、前記支柱間に前記連結土台に沿って架設された水平梁とを備え、前記鋼材固定治具は前記連結土台と前記水平梁とが対向する側の両側部にそれぞれ前記連結土台および前記水平梁の軸方向に互いに対向して取り付けられ、かつ前記鋼材固定治具の対向する側の側部に前記連結土台と前記水平梁間を貫通して立て付けられた前記鋼材の縁端部が遊嵌する遊嵌溝が設けられていることを特徴とする鋼材立付け用治具。
【請求項7】
立設されるガイド支柱と前記ガイド支柱に取り付けられ、前記ガイド支柱の側部に立て付けられた鋼材を前記ガイド支柱に固定する鋼材固定治具を備え、かつ前記鋼材固定治具は前記ガイド支柱と前記鋼材とが対向する側の、前記ガイド支柱の側部に配置される内枠と、前記ガイド支柱と前記鋼材とが対向する側とは反対側の、前記ガイド支柱の側部と前記鋼材の側部にそれぞれ配置されるガイド支柱側の外枠および鋼材側の外枠と、前記ガイド支柱と前記鋼材とが隣り合う側の前記ガイド支柱および前記鋼材の両側部にそれぞれ配置され、前記内枠および前記外枠にそれぞれ脱着可能に連結される複数のタイボルトを備えてなる鋼材立付け用治具と、バイブロハンマを用いて実施する鋼材の打設方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする鋼材の打設方法。
(1)敷地内の一地点に前記ガイド支柱を打ち込んで立て付ける工程。
(2)前記ガイド支柱の、前記ガイド支柱と前記鋼材とが対向する側の側部に前記内枠を、前記ガイド支柱の、前記ガイド支柱と前記鋼材とが対向する側とは反対側の側部に前記ガイド支柱側の外枠をそれぞれ配置する工程。
(3)前記ガイド支柱と前記鋼材とが隣り合う側の前記ガイド支柱および前記鋼材の両側部に前記タイボルトを配置し、かつ前記内枠および前記ガイド支柱側の外枠とそれぞれ連結する工程。
(4)前記ガイド支柱の側部に前記鋼材を立て付ける工程。
(5)前記鋼材の、前記ガイド支柱と前記鋼材とが対向する側とは反対側の側部に前記鋼材側の外枠を配置し、かつ前記タイボルトと連結して前記鋼材を前記ガイド支柱に固定する工程。
(6)前記バイブロハンマが備えるチャックによって前記鋼材の上端部をチャッキングする工程。
(7)前記鋼材の側部に配置した前記鋼材側の外枠を取り外して前記鋼材の固定を解放する工程。
(8)前記バイブロハンマによって前記鋼材を打設位置に吊り込み、打設する工程。
【請求項8】
立設されるガイド支柱と、前記ガイド支柱に取り付けられ、前記ガイド支柱の側部に立て付けられた鋼材を前記ガイド支柱に固定する鋼材固定治具を備え、かつ前記鋼材固定治具は前記ガイド支柱の側部に取り付けられ、前記鋼材を把持する鋼材把持治具と、前記鋼材把持治具に取り付けられ、前記鋼材把持治具と協働して前記鋼材を前記ガイド支柱に固定する鋼材固定枠を備えてなる鋼材立付け用治具と、バイブロハンマを用いて実施する鋼材の打設方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする鋼材の打設方法。
(1)敷地内の一地点に前記ガイド支柱を打ち込んで立て付ける工程。
(2)前記ガイド支柱に前記鋼材把持治具を取り付ける工程。
(3)前記ガイド支柱の側部に前記鋼材を立て付け、前記鋼材治具に把持させる工程。
(4)前記鋼材治具に前記鋼材固定枠を取り付けて、前記鋼材を前記鋼材把持具と前記固定枠によって前記ガイド支柱の側部に固定する工程。
(5)前記バイブロハンマが備えるチャックによって前記鋼材の上端部をチャッキングする工程。
(6)前記固定枠を弛めて前記鋼材の固定を解放する工程。
(7)前記バイブロハンマによって前記鋼材を打設位置に吊り込み、打設する工程。
【請求項9】
請求項7または8記載の鋼材の打設方法において、前記ガイド支柱は本設杭として打設される鋼材であることを特徴とする鋼材の打設方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼杭(主にH形鋼杭)やシートパイル等の鋼材を垂直に立て付けるための鋼材立付け用治具および鋼材の打設方法に関し、バイブロハンマによるH形鋼杭やシートパイル等の鋼材の打設時に、バイブロハンマが備えるチャックによって鋼材の上端部を容易にチャッキングすることができて、鋼材の吊り込み作業を効率的に行えるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
バイブロハンマ工法は、バイブロハンマ(振動式杭打機)によって鋼杭やシートパイル等の鋼材に強制振動を伝達することにより、杭先端の抵抗および摩擦抵抗を急速かつ一時的に低減させて打込みを行う打設工法である。
【0003】
一般に、地面に横たわる杭やシートパイルを垂直に起こし、杭の上端部をバイブロハンマが備えるチャックによってチャッキングし、そのまま吊って杭の打設位置に吊り込む。そして、バイブロハンマを作動させて打ち込みを行う。バイブロハンマは移動式クレーン等に吊って用いられる。
【0004】
ところで、地面に横たわる鋼杭やシートパイルを起こし立て付ける作業は、一般にラフタークレーンを用いて行われ、その際、鋼杭の上端部にラフタークレーンの吊りワイヤーを通す吊り孔が設けられる。
【0005】
また特に、伸縮型リーダーを用いた油圧式圧入と高周波油圧可変式バイブロを併用したバイブロ併用圧入工法(LRB機)においては、バイブロハンマが備えるチャックに取り付けられた2本のガイドチェーンが用いられ、その際、鋼杭の上端部にガイドチェーンを通す2個の吊り孔が設けられる。
【0006】
また、例えば、特許文献1には、杭材の打設精度を向上させることが可能な打設用定規および杭材の打設方法の発明が開示されている。簡単に説明すると、支持部10の複数の第1受材13間に架設されるとともに、杭材2を、この杭材2の打設方向に沿って摺動可能に挟持する一対の第1導枠20と、支持部10の複数の第2受材14間に架設されるとともに、杭材2を、この杭材2の打設方向に沿って摺動可能に挟持する一対の第2導枠30とを備えている。
【0007】
また、杭材2を鉛直方向にガイドしながら、バイブロハンマ等の振動式杭打機3によって地中に打設することにより、杭材の長さ方向に沿って2箇所で杭材を摺動可能に挟持できるので、振動式杭打機によって打設される際の杭材のブレを確実に防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009-264003号公報
【特許文献2】特開昭60-192027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、地面に横たわる鋼材を前記吊りワイヤーやガイドチェーンで吊って起す作業は、作業中、鋼材の上端部が横振れして危険を伴うだけでなく、バイブロハンマが備えるチャックによって鋼材の上端部をチャッキングするのは容易でなく、鋼材の吊り込み作業がきわめて非効率な作業であった。
【0010】
また特に、バイブロ併用圧入工法(LRB機)においては、鋼材の上端部にガイドチェーンを通す2個の孔を設ける必要があるため、断面欠損によって鋼材の強度低下が避けられないという課題があった。
【0011】
本発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、バイブロハンマによるH形鋼杭やシートパイル等の鋼材の打設時に、鋼材を垂直に固定することができて、バイブロハンマが備えるチャックによって鋼材の上端部を簡単にチャッキングすることができて、鋼材の吊り込み作業を効率的に行えるようにした鋼材立付け用治具および鋼材の打設方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、鋼材を立て付けるための鋼材立付け用治具であって、立設されたガイド支柱と、前記ガイド支柱に取り付けられ、前記ガイド支柱の側部に立て付けられた鋼材を前記ガイド支柱に固定する鋼材固定治具を備え、前記鋼材固定治具は前記ガイド支柱と前記鋼材とが対向する側の前記ガイド支柱の側部に配置された内枠と、前記ガイド支柱と前記鋼材とが対向する側とは反対側の前記ガイド支柱および前記鋼材の側部にそれぞれ配置されたガイド支柱側の外枠および鋼材側の外枠と、前記ガイド支柱と前記鋼材が隣り合う側の前記ガイド支柱および前記鋼材の両側部にそれぞれ配置され、前記内枠および前記ガイド支柱側および前記鋼材側の外枠の両端部にそれぞれ脱着可能に連結された複数のタイボルトを備えていることを特徴とするものである。
【0013】
前記鋼材固定治具は前記ガイド支柱の軸方向(上下方向)に間隔をおいて複数取り付けられていることで、長尺な鋼材もガイド支柱に沿って垂直に固定することができる。
【0014】
前記鋼材固定治具としては、前記ガイド支柱の前記鋼材と対向する側の側部に取り付けられ、前記鋼材を把持する鋼材把持治具と、前記鋼材把持治具に取り付けられ、前記鋼材把持治具と協働して前記鋼材を前記ガイド支柱に固定する鋼材固定ボルトを備え、かつ前記鋼材把持治具は前記ガイド支柱に取り付けられた取付け部と、前記取付け部の両側縁端部に形成され、前記鋼材の両側部に突出する鋼材保持アーム部とから平面視略コ字状に形成されていてもよく、特に平面視略コ字状に形成することにより鋼材をガイド支柱の側部に容易に仮固定することができる。
【0015】
また、鋼材保持アーム部が鋼材の両側に間隔をおいて複数段に形成してあれば、長尺な鋼材も安定した状態に立て付けておくことができる。
【0016】
また、本発明の他の鋼材立付け用治具として、立設されたガイド支柱と、前記ガイド支柱の側部に立て付けられた長尺杭を前記ガイド支柱に固定する鋼材固定治具を備え、前記鋼材固定治具は前記前記ガイド支柱と前記長尺杭がそれぞれ有する、互いに対向する双方のフランジを協働して挟持する固定治具本体と固定ボルトを備えたものもある。
【0017】
前記固定治具本体としては、例えば、前記前記ガイド支柱と前記長尺杭がそれぞれ有する、互いに対向する双方のフランジの対向する側とは反対側の側部に突出する一対の挟持部を有し、平面視略U字形状に形成されたものがある。
【0018】
前記固定ボルトは、前記挟持部の一方に螺合して、前記挟持部のもう一方と協働して前記ガイド支柱と前記長尺杭が有する双方のフランジを挟持することにより前記長尺杭を前記ガイド支柱に固定することができる。
【0019】
さらに、自立する治具本体と、前記治具本体に取り付けられ、前記治具本体を貫通して立て付けられた鋼材を前記治具本体に固定する複数の鋼材固定治具を備え、前記治具本体は一対の主土台と、前記主土台間に配置され、前記主土台どうしを繋ぐ連結土台と、前記一対の主土台の上にそれぞれ立設された一対の支柱と、前記支柱間に前記連結土台に沿って架設された水平梁とを備え、前記鋼材固定治具は前記連結土台と前記水平梁とが対向する側の両側部にそれぞれ前記連結土台および前記水平梁の軸方向に互いに対向して取り付けられ、かつ前記鋼材固定治具の対向する側の側部に前記連結土台と前記水平梁間を貫通して立て付けられた前記鋼材の縁端部が遊嵌する遊嵌溝を有するものでもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、バイブロハンマによるH形鋼杭やシートパイル等の鋼材の打設時に、H形鋼杭やシートパイル等の鋼材を垂直に立てつておくことができるため、バイブロハンマが備えるチャックによって鋼材の上端部を簡単にチャッキングすることができ、鋼材の吊り込み作業をきわめて効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の鋼材仮立付け用治具の一実施形態を図示したものであり、図(a)は正面図、図(b)は
図1(a)におけるa-a線断面図である。
【
図2】図(a),(c)は、
図1に図示する鋼材立付け用治具の側面図、図(b)は
図2(a)におけるb-b線断面図である。
【
図3】図(a)-(e)は、
図1,2に図示する鋼材立付け用治具を用いて行うH形鋼杭の施工方法の手順を示す説明図である。
【
図4】本発明の鋼材立付け用治具の他の実施形態を図示したものであり、図(a)は正面図、図(b)は
図4(a)におけるc-c線断面図である。
【
図5】図(a),(b)は、
図4に図示する鋼材立付け用治具が備える鋼材保持具の変形例を図示したものであり、鋼材保持アーム部の側面図である。
【
図6】図(a)-(e)は、
図4,5に図示する鋼材立付け用治具を用いて行うH形鋼杭の施工方法の手順を示す説明図である。
【
図7】本発明の鋼材立付け用治具の他の実施形態を図示したものであり、図(a)は正面図、図(b)は
図7(a)におけるd-d線断面図である。
【
図8】本発明の鋼材立付け用治具の他の実施形態を図示したものであり、平面図である。
【
図9】
図8に図示する鋼材立付け用治具であり、図(a)は
図8におけるe-e線断面図、図(b)は
図9(a)におけるf-f線断面図である。
【
図10】本発明の鋼材立付け用治具の他の実施形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1-
図3は、本発明の一実施形態を図示したものである。図において、鋼材立付け用治具1は地面に立設されたガイド支柱2と、当該ガイド柱2に取り付けられ、ガイド支柱2の側部に立て付けられた鋼材(以下「H形鋼杭」)イをガイド支柱2に固定する複数の鋼材固定治具3を備えている。
【0023】
ガイド支柱2はH形鋼などの形鋼から形成され、地中に打ち込まれることにより鉛直に立て付けられている。また、ガイド支柱2は比較適容易に引抜き撤去できる程度の深さに打ち込まれている。また、H形鋼杭イを安定した状態で立て付けられる高さ(地上に立ち上がる部分の高さ)に打ち込まれている。さらに、ガイド支柱2として原則、現地で本設杭として打ち込まれるH形鋼杭イが用いられている。
【0024】
鋼材固定治具3は、ガイド支柱2に当該ガイド支柱2の軸方向(上下方向)に間隔をおいて複数取り付けられ、特にH形鋼杭イを安定した状態で立て付けられる間隔で複数取り付けられている。
【0025】
また、鋼材固定治具3は、内枠4とガイド支柱側および鋼材側の外枠5a,5bと複数のタイボルト6,6、さらに複数の端部締付けナット7a,7bおよび中間部締付けナット8,8を備えている。
【0026】
内枠4はガイド支柱2とH形鋼杭イとが対向する側の、ガイド支柱2の側部にガイド支柱2およびH形鋼杭イの軸直角方向に水平に配置されている。
【0027】
外枠5a,5bはガイド支柱2とH形鋼杭イとが対向する側の側部とは反対側の、ガイド支柱2とH形鋼杭イの側部にそれぞれ内枠4と平行に配置されている。なお、内枠4および外枠5a,5bは帯鋼の他、アングル材や溝形鋼などの形鋼から形成されている。
【0028】
タイボルト6,6は、ガイド支柱2とH形鋼杭イとが隣り合う側の両側部に、ガイド支柱2およびH形鋼杭イの軸直角方向に平行に配置されている。また、タイボルト6,6は内枠4および外枠5a,5bの両端部に形成された貫通孔4a,4aおよび貫通孔5c,5cをそれぞれ連続して貫通している。
【0029】
そして、タイボルト6,6のガイド支柱2側の端部に端部締付けナット7aが締め付けられ、かつタイボルト6,6の中間部に中間部締付けナット8,8がそれぞれ締め付けられることにより、各段の鋼材固定治具3,3はガイド支柱2の周囲を強く拘束することにより固定されている。
【0030】
また、タイボルト6,6のH形鋼杭イ側の端部に、端部締付けナット7bが締め付けられることにより、ガイド支柱2の側部に立て付けられたH形鋼杭イは、内枠4およびH形鋼杭イ側の外枠5bと両側のタイボルト6,6によって周囲が拘束されることによりガイド支柱2の側部に固定されている。
【0031】
なお、内枠4およびH形鋼杭イ側の外枠5bと両側のタイボルト6,6によってH形鋼杭イを強く拘束しなくても、H形鋼杭イをガイド支柱2の側部に垂直に立て付けることは可能であるが、端部締付けナット7,7を強く締め付けてH形鋼杭イをガイド支柱2に強く固定することにより、H形鋼杭イを鉛直に立て付けてふらつきを防止することができるため、バイブロハンマ9が備えるチャック9aによってH形鋼杭イの上端部を確実かつ簡単にチャッキングすることができる。
【0032】
また、タイボルト6,6のH形鋼杭イ側の端部に外枠5b,5bを先付けして、各段の当該外枠5bと内枠4と両側のタイボルト6,6とからH形鋼杭イを立て込めるような矩形状の枠を形成し、当該枠内にH形鋼杭イを上から立て込み、その後、H形鋼杭イ側の端部締付けナット7b,7bを強く締め付けてもよい。
【0033】
ガイド支柱2の側部に立て付けられたH形鋼杭イは、バイブロハンマ9が備えるチャック9aによって上端部をチャッキングして鉛直に押え、H形鋼杭イ側の端部締付けナット7b,7bを弛めて固定を解放した後、ガイド支柱2の側部から吊って搬出することができる。
【0034】
なお、内枠4と外枠5aおよび5bの端部に貫通孔4aと5cに代えて、凹部4bと凹部5dをそれぞれ形成することにより、内枠4および外枠5a,5bの装着と取り外しをきわめて簡単に行うことができる(
図2(c)参照)。
【0035】
このような構成において、次に鋼材立付け用治具1を用い、バイブロハンマ9によってH形鋼杭イを打設する方法について説明する(
図3(a)-(e)参照)。
【0036】
(1)最初に、H形鋼杭イが打設される敷地内の一地点にガイド支柱2を打ち込んで立て付け(
図3(a))、当該ガイド支柱2に鋼材固定治具3を取り付ける(
図3(b))。
この場合、最初に打設される本設用のH形鋼杭イを途中深さまで打設してガイド支柱2とし、また、本設杭として打設されるH形鋼杭イの長さに応じて適切な高さに打設する。さらに、鋼材固定治具3はH形鋼杭イをガイド支柱2に確実に固定できるように適切な間隔で複数取り付ける。
【0037】
(2)次に、ガイド支柱2の側部に内枠4とガイド支柱2側の外枠5aおよびタイボルト6,6をそれぞれ取り付ける。
内枠4と外枠5aはガイド支柱2の軸直角方向に平行に配置し、タイボルト6,6はガイド支柱2の軸直角方向に平行に配置すると共に、内枠4および外枠5aの貫通孔4aと貫通孔5cに貫通させる。そして、各タイボルト6,6のガイド支柱2側の端部と中間部に端部締付けナット7aと中間部締付けナット8をそれぞれ締め付ける。
【0038】
(3)次に、ラフタークレーン等の重機を用いて地面に横たわるH形鋼杭イを起こし、吊ってガイド支柱2の側部に垂直に立て付ける(
図3(c))。そして、H形鋼杭イの側部にH形鋼杭イ側の外枠5bを沿い付け、かつタイボルト6,6のH形鋼杭イ側の端部に端部締付けナット7b,7bを強く締め付けることによりH形鋼杭イをガイド支柱2の側部に固定する(
図3(d))。これにより、H形鋼杭イはガイド支柱2に強固に固定することができ、特に上端部のふら付きを防止することができる。
【0039】
(4)次に、H形鋼杭イの真上にバイブロハンマ9を移動し、バイブロハンマ9が備えるチャック9aによってH形鋼杭イの上端部をチャッキングして押える。そして、H形鋼杭イ側の端部締付けナット7b,7bを弛めて固定を解放した後、H形鋼杭イをガイド支柱2の側部から吊って搬出し、打設位置に吊り込む。そして、バイブロハンマ9を作動させて地中に打ち込む。
【0040】
なお、バイブロハンマ9によるH形鋼杭イの打設作業と並行して、次に打設されるH形鋼杭イをガイド支柱2の側部に立て付け、鋼材立付け治具3によってガイド支柱2の側部に固定しておくことにより、バイブロハンマ9の待機時間を無くして複数のH形鋼杭イをきわめて効率的に順に打設することができる。
【0041】
また、H形鋼杭イの打設作業が進んでH形鋼杭イを打設する地点がガイド支柱2の設置地点から遠くなったら、ガイド支柱2をH形鋼杭イの打設地点の近くに移設し、鋼材固定治具3を改めて取り付ける。この場合、鋼材固定治具3を直近のH形鋼杭イに付け替えることにより、重機によるH形鋼杭イの移送距離が近くなってH形鋼杭イの打設作業をきわめて効率的に行うことができる。
【0042】
(5)こうして、予定された全てのH形鋼杭イの打設が完了したら、ガイド支柱2から鋼材固定治具3(内枠4、外枠5a,5bおよびタイボルト6,6)を取り外した後、当該ガイド支柱2を本設杭として最後まで打設して杭打ち作業を完了する。
【0043】
なお、図示する実施形態は、鋼材としてH形鋼杭を打設する例に説明しているが、シートパイルを立て付けるのにも利用することができ、またシートパイルの断面形状も特に限定されない。
【0044】
図4-
図6は、本発明の他の実施形態を図示したものである。図において、鋼材立付け用治具1は、地面に立設されたガイド支柱2とガイド柱2に取り付けられ、ガイド支柱2の側部に立て付けられたH形鋼杭イをガイド支柱2に固定する鋼材固定治具10を備えている。
【0045】
ガイド支柱2には
図1-3の実施形態で説明したガイド支柱が用いられている。また、原則、現地で本設杭として打設されるH形鋼杭イがガイド支柱2として用いられている。
【0046】
鋼材固定治具10は、ガイド支柱2のH形鋼杭イ側の側部に取り付けられ、ガイド支柱2の側部に立て付けられたH形鋼杭イを保持する鋼材保持具11と、当該鋼材保持具11に取り付けられ、鋼材保持具11と協働してH形鋼杭イをガイド支柱2の側部に垂直固定する鋼材固定ボルト12および鋼材固定ナット13,13を備えている。
【0047】
鋼材保持具11は、ガイド支柱2に溶接または取付けボルトによって取り付けられた取付け部11aと、当該取付け部11aの左右両縁端部に形成され、H形鋼杭イの両側部に当該H形鋼杭イの軸直角方向に水平に突設された一対の鋼材保持アーム部11b,11bとから平面視略コ字状に形成されている。
【0048】
一対の鋼材保持アーム部11b,11bは、ガイド支柱2の軸方向(上下方向)に間隔をおいて形成され、特にH形鋼杭イを安定した状態で固定できるように複数対、適切な間隔に形成されている。
【0049】
鋼材保持ボルト12は、各段の左右鋼材保持アーム部11b,11bの先端部間に水平に架け渡され、かつ両端部が鋼材保持アーム部11b,11bの先端部に形成された貫通孔11c,11cをそれぞれ貫通している。また、各段の鋼材保持ボルト12の両端部に鋼材保持ナット13,13がそれぞれ締め付けられている。そして、両端の鋼材保持ナット13,13を強く締め付けることにより、ガイド支柱2の側部に立て付けられたH形鋼杭イは、各段の鋼材保持具11と鋼材保持ボルト12および保持ナット13によって周囲を拘束されることによりガイド支柱2の側部に垂直に固定されている。
【0050】
この場合、鋼材保持アーム部11b,11bが上下方向に適切な間隔で形成してあれば、鋼材保持具11と鋼材保持ボルト12および保持ナット13によって強く拘束しなくてもH形鋼杭イを垂直に立て付けることができるが、鋼材保持ナット13,13を強く締め付けてH形鋼杭イを拘束して強く固定することにより、H形鋼杭イを垂直に立て付けて特に上端部のふらつきを防止することができ、またこれによりバブロハンマ9が備えるチャック9aによってH形鋼杭イの上端部を確実に掴むことができる。
【0051】
こうしてガイド支柱2の側部に固定されたH形鋼杭イは、上端部をバイブロハンマ9が備えるチャック9aによって掴んで押え、鋼材保持ナット13,13を弛めて拘束を解放することにより、ガイド支柱2の側部から吊って搬出することができる。
【0052】
なお、左右鋼材保持アーム部11b,11bが取付け部11aの側部に起倒可能(鉛直方向に回転可能)に取り付けてあれば、鋼材立付け用治具1を保管または運搬等する際に、左右鋼材保持アーム部11b,11bをガイド支柱2に沿わせて収納しておくことにより鋼材立付け用治具1の取扱いが容易になる(
図5(a)参照)。
【0053】
また、鋼材保持アーム部11b,11bの先端部に貫通孔11c,11cに代えて凹部11d,11dを形成することにより、鋼材保持ボルト12の装着と取り外しをきわめて簡単に行うことができる(
図5(b)参照)。
【0054】
このような構成において、次に、鋼材立付け用治具1を用い、バイブロハンマ9によってH形鋼杭イを地中に打設する方法について説明する(
図6(a)-(e))。
【0055】
(1)最初に、複数のH形鋼杭イが打設される敷地内の一地点にガイド支柱2を自立する程度に軽く打設して立て付け(
図6(a))、当該ガイド支柱2に鋼材保持具11を取り付ける(
図6(b))。そして、ガイド支柱2を所定深さまで打ち込む(
図6(c))。
この場合、最初に打設される本設用のH形鋼杭イを途中深さまで打設してガイド支柱2とし、また当該ガイド支柱2はH形鋼杭イの長さに応じて適切な高さに打設する。
【0056】
(2)次に、ラフタークレーン等の重機を用いて地面に横たわるH形鋼杭イを起こし、鋼材保持具11の左右鋼材保持アーム部11b,11b内に垂直に立て付ける(
図6(d))。そして、左右鋼材保持アーム部11b,11bの先端部間に鋼材保持ボルト12を架け渡し、各鋼材保持ポルト12の両端部をアーム部先端の貫通孔11c,11cに貫通させる。そして、各鋼材保持ポルト12の両端部に鋼材保持ナット13,13をそれぞれ締め付けることによりってH形鋼杭イをガイド支柱2の側部に固定する。
【0057】
(3)次に、バイブロハンマ9が備えるチャック9aによってH形鋼杭イの上端部を掴んで押え、鋼材保持ボルト12の両端部に締付けられた鋼材保持ナット13,13を弛めて固定を解放した後、H形鋼杭イをガイド支柱2の側部から吊って搬出し、打設位置に吊り込む。そして、バイブロハンマ9を作動させて打設する。
【0058】
なお、バイブロハンマ9によるH形鋼杭イの打設と並行して、次に打設されるH形鋼杭イをガイド支柱2の側部に立て付け、ガイド支柱2に固定しておくことにより、複数のH形鋼杭イを連続して効率的に打設することができる。
【0059】
また、打設作業が進んでH形鋼杭イの打設地点がガイド支柱2の設置地点から遠くなったら、ガイド支柱2をH形鋼杭イの打設地点の近くに移設するか、或いは、直近のH形鋼杭イに鋼材保持具11を付け替える。こうすることによりH形鋼杭イの移送距離が近くなってH形鋼杭イの打設作業をきわめて効率的に行うことができて好ましい。
【0060】
(4)こうして、予定された全てのH形鋼杭イの打設が完了したら、ガイド支柱2として利用したH形鋼杭イから鋼材保持具11を取り外し、ガイド支柱2として利用したH形鋼杭イを最後まで打設して杭打ち作業を完了する。
【0061】
なお、実施形態は、鋼材としてH形鋼杭を例に説明しているが、シートパイルを立て付けるのにも利用することができ、またシートパイルの断面形状は特に限定されない。
【0062】
図7(a),(b)は、本発明の他の実施形態を図示したものであり、ガイド支柱の側部に立て付けられたH形鋼杭をガイド支柱に簡単な鋼材固定治具を用いて固定および固定を解除できるようにしたものである。
【0063】
特に鋼材固定治具17は、ガイド支柱2とH形鋼杭イがそれぞれ有する、互いに対向する双方のフランジ2aとハの、互いに対向する側の側部とは反対側の側部に対称に突出する一対の挟持部18a,18aを備えた固定治具本体18と、前記挟持部18aの一方に螺合され、前記挟持部18aのもう一方と協働して双方のフランジ2aとハを挟持する固定ボルト19を備えている。
【0064】
固定治具本体18は平面視略U字形状に形成され、固定ボルト19はフランジ2aおよびハの幅方向および/または上下方向に1または複数取り付けられている。
【0065】
また、鋼材固定治具17は、ガイド支柱2とH形鋼杭イ双方のフランジ2aおよびハの両側部にガイド支柱2およびH形鋼杭イの軸方向(上下方向)に間隔をおいて複数取り付けられている。
【0066】
図8と
図9は、同じく本発明の他の実施形態を図示したものであり、特にH形鋼杭イを立て付けるのに用いられ、また、設置が容易で、かつ敷地内を自由に移動することができる。
【0067】
図において、鋼材立付け用治具1は、自立可能に組み立てられた鋼材立付け用治具本体(以下「治具本体」)14と、当該治具本体14に取り付けられ、治具本体14内を鉛直に貫通して立て付けられたH形鋼杭イを治具本体14に固定する複数の鋼材固定治具(以下「固定治具」)15,15を備え、敷き鉄板16の上に設置されている。
【0068】
治具本体14は、杭打機ロと対向する位置に杭打機ロ方向に平行に配置された一対の主土台14a,14aと、主土台14a,14a間に配置され、主土台14a,14a同士を連結する連結土台14bと、主土台14a,14aの上にそれぞれ、やや杭打機ロ側寄りに位置して立設された支柱14c,14cと、その反対側の主土台14a,14aの端部間に敷設された敷桁14dを備えている。
【0069】
また、支柱14c,14c間の、杭打機ロ側の側部に支柱14c,14cの軸方向(上下方向)に間隔をおいて架設された上下水平梁14e,14eと、支柱14c,14cと敷桁14d間にそれぞれ架設された斜材14f,14fを備え、特に連結土台14bと上下水平梁14e,14e間に、H形鋼杭イを立て込むための開口部Aが鉛直方向に開放して設けられている。
【0070】
なお、治具本体14を構成する主土台14a等の各部材はH形鋼等の形鋼または角形鋼管から形成され、また、溶接または複数の接合ボルトによって組み立てられ、特に接合ボルトによって組み立てられた各部材は解体可能に接合されている。
【0071】
固定治具15は平面視略コ字状に形成され、また、二個を一対とし、開口部A内における連結土台14bと上下水平梁14e,14eの側部に、それぞれ連結土台14bおよび上下水平梁14e,14eの軸方向に互いに対向して取り付けられている。
【0072】
このような構成において、H形鋼杭イは、左右フランジの縁端部が対向する固定治具15,15にそれぞれ係合して開口部A内に立て込まれることにより、治具本体14に仮固定されている。
【0073】
なお、固定治具15,15が、連結土台14bおよび上下水平梁14e,14eの軸方向に位置変更できるように取り付けられ、かつ連結土台14bおよび/または支柱14c,14cが主土台14a,14aの軸方向に位置変更できるように取り付けてあれば、H形鋼杭イの断面寸法が大小異なるものであっても自由に調整することができる。
【0074】
図10は、
図8と
図9に図示する鋼材立付け用治具を簡単な構造にしたもので、H形鋼杭イを上下水平梁14eの側部に立て付け、簡単に固定できるようにしたものである。
【0075】
符号15,15は、上下水平梁14e,14eの側部に立て付けられたH形鋼杭イを治具本体14に固定する固定治具である。
【0076】
固定治具15,15は、平面視略コ字状に形成され、また、二個を一対とし、上下水平梁14e,14eの側部に互いに対向して取り付けられている。
【0077】
そして、上下水平梁14e,14eの側部に立て付けられたH形鋼杭イは、上下水平梁14e,14eの側部に当接するフランジの両縁端部が固定治具15,15に係合することにより、治具本体4の側部仮固定されている。
【0078】
なお、固定治具15,15は、上下水平梁14e,14eの軸方向に位置変更できるように取り付けてあれば、H形鋼杭イの断面寸法が大小異なるものであっても自由に調整することができる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、バイブロハンマによるH形鋼杭やシートパイル等の鋼材の打設時に、バイブロハンマが備えるチャックによって鋼材の上端部を簡単にチャッキングすることができて、鋼材の吊り込み作業をきわめて効率的に行うことができる。
【符号の説明】
【0080】
1 鋼材立付け用治具、2 ガイド支柱、2a フランジ、
3 鋼材固定治具、4 内枠、4a 貫通孔、
5a ガイド支柱側の外枠、5b 鋼材側の外枠、
5c 貫通孔、5d 凹部、6 タイボルト、
7a,7b 端部締付けナット、8 中間部締付けナット、
9 バイブロハンマ、9a チャック、10 鋼材固定治具、
11 鋼材保持具、11a 固定部、
11b 鋼材保持アーム部、11c貫通孔、11d凹部、
12 鋼材固定ボルト(鋼材固定枠)、13 鋼材保持ナット、
14 立付け用治具本体、14a 主土台、14b 連結土台、14c 支柱、14d 敷桁、14e 水平梁、14f 斜材、
15 鋼材固定治具、16 ベースプレート、
17 鋼材固定治具、18 固定治具本体、18a 挟持部、
19 固定ボルト、イ H形鋼杭(鋼材)、ロ 杭打機、
ハ H形鋼杭のフランジ。