IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 旭化成ホームズ株式会社の特許一覧

特開2025-9281高齢者居住適合判定システム、高齢者居住適合判定方法およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009281
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】高齢者居住適合判定システム、高齢者居住適合判定方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/163 20240101AFI20250110BHJP
【FI】
G06Q50/16 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023112171
(22)【出願日】2023-07-07
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1) 開催日(公開日) 令和4年8月4日 集会名、開催場所 くらしノベーションフォーラム 第19回フォーラム 旭化成ホームズ株式会社 くらしノベーション研究所(東京都千代田区神田錦町3-22 テラススクエア 3階 TKPガーデンシティPREMIUM神保町 プレミアムボールルーム) <資 料> 第19回フォーラム案内ページ (2) 発行日 令和4年8月4日 刊行物 「賃貸併用住宅の価値 -オーナー調査から見えた新たなメリット-」 調査報告書 掲載ウェブアドレス:https://www.asahi-kasei.co.jp/j-koho/kurashi/report/K060.pdf <資 料> ウェブ掲載ページ <資 料> ウェブ掲載・調査報告書 (3) ウェブサイトの掲載日 令和4年8月4日 ウェブサイトのアドレス https://www.asahi-kasei.co.jp/j-koho/press/20220804/index/ https://www.asahi-kasei.co.jp/file.jsp?id=922357 <資 料> ウェブ掲載 ニュースレター (4) 公開日 2022年10月22日(会期:2022年10月22日~23日) 集会名 開催場所 第34回日本インテリア学会大会 日本大学工学部 主催 日本インテリア学会 Zoom配信によるオンライン開催 <資 料> 第34回日本インテリア学会大会 発表資料
(71)【出願人】
【識別番号】303046244
【氏名又は名称】旭化成ホームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100189337
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 龍
(72)【発明者】
【氏名】松本 吉彦
(72)【発明者】
【氏名】市来 麻衣子
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC29
5L050CC29
(57)【要約】
【課題】高齢者の身体能力に応じて住戸の適合性を判定することができる高齢者居住適合判定システムを提供する。
【解決手段】住戸を含む建物の建物属性情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部により取得された前記建物属性情報に基づいて、前記住戸が、洗面台と寝室とトイレとが同じ階に存在するという条件を含む所定の判定条件を満たすか否かの判定を行う判定部と、を備える高齢者居住適合判定システム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
住戸を含む建物の建物属性情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部により取得された前記建物属性情報に基づいて、前記住戸が、洗面台と寝室とトイレとが同じ階に存在するという条件を含む所定の判定条件を満たすか否かの判定を行う判定部と、
を備える高齢者居住適合判定システム。
【請求項2】
前記判定条件は、さらに、前記住戸が、浴室とキッチンとの一方または両方が前記洗面台と前記寝室と前記トイレと同じ階に存在するという条件を含む、
請求項1に記載の高齢者居住適合判定システム。
【請求項3】
前記情報取得部は、さらに、前記建物の内部における所定物間の距離に関する建物内部属性情報を取得し、
前記判定条件は、さらに、前記距離に関する条件を含み、
前記判定部は、前記情報取得部により取得された前記建物属性情報および前記建物内部属性情報に基づいて、前記住戸が、前記判定条件を満たすか否かの判定を行う、
請求項1または請求項2に記載の高齢者居住適合判定システム。
【請求項4】
前記判定条件は、さらに、前記住戸が、所定のフラットアクセス条件を含む、
請求項1または請求項2に記載の高齢者居住適合判定システム。
【請求項5】
前記情報取得部は、居住者に関する居住者属性情報を取得し、
前記判定部は、前記判定に、前記情報取得部により取得された前記居住者属性情報を使用する、
請求項1または請求項2に記載の高齢者居住適合判定システム。
【請求項6】
前記判定条件は、前記居住者に関する将来の身体能力の予測に基づく条件を含む、
請求項5に記載の高齢者居住適合判定システム。
【請求項7】
前記判定条件は、前記建物または前記住戸のリフォームの可能性に基づく条件を含む、
請求項1または請求項2に記載の高齢者居住適合判定システム。
【請求項8】
前記判定条件は、二世帯住宅に基づく条件を含む、
請求項1または請求項2に記載の高齢者居住適合判定システム。
【請求項9】
前記判定部による前記判定の結果に関する情報を提示する判定結果提示部を備える、
請求項1または請求項2に記載の高齢者居住適合判定システム。
【請求項10】
前記判定結果提示部は、前記判定部により満たされないと判定された要件に関する情報を提示する、
請求項9に記載の高齢者居住適合判定システム。
【請求項11】
情報取得部が、住戸を含む建物の建物属性情報を取得し、
判定部が、前記情報取得部により取得された前記建物属性情報に基づいて、前記住戸が、洗面台と寝室とトイレとが同じ階に存在するという条件を含む所定の判定条件を満たすか否かの判定を行う、
高齢者居住適合判定方法。
【請求項12】
コンピュータに、
住戸を含む建物の建物属性情報を取得する機能と、
取得された前記建物属性情報に基づいて、前記住戸が、洗面台と寝室とトイレとが同じ階に存在するという条件を含む所定の判定条件を満たすか否かの判定を行う機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、高齢者居住適合判定システム、高齢者居住適合判定方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
不動産物件情報を管理するシステムが知られている。
例えば、特許文献1に記載された不動産物件情報管理システムでは、不動産物件の情報を収集し購入希望者の閲覧に供することが行われている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-194222号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】秋山弘子、「長寿時代の科学と社会の構築」、科学、2010年1月、岩波書店、Vol.80、NO.1、p.59-64
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では、高齢者の居住に適合する住戸であるかどうかを判定する点で不十分な点があった。
例えば、老人ホーム等ではない普通の住宅で高齢者が安全に暮らせるかどうかを判定するシステムの開発が十分ではなかった。
具体例として、住宅性能表示の高齢者等級は、新築時に高齢者等級を満たせているかを判定する基準である。
具体例として、性能評価は、介護用車いすの使用を想定した基準であり、階段を使わない自立歩行の人を想定した基準ではない。
【0006】
本開示は、このような事情を考慮してなされたもので、高齢者の身体能力に応じて住戸の適合性を判定することができる高齢者居住適合判定システム、高齢者居住適合判定方法およびプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、住戸を含む建物の建物属性情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部により取得された前記建物属性情報に基づいて、前記住戸が、洗面台と寝室とトイレとが同じ階に存在するという条件を含む所定の判定条件を満たすか否かの判定を行う判定部と、を備える高齢者居住適合判定システムである。
【0008】
本開示の一態様は、情報取得部が、住戸を含む建物の建物属性情報を取得し、判定部が、前記情報取得部により取得された前記建物属性情報に基づいて、前記住戸が、洗面台と寝室とトイレとが同じ階に存在するという条件を含む所定の判定条件を満たすか否かの判定を行う、高齢者居住適合判定方法である。
【0009】
本開示の一態様は、コンピュータに、住戸を含む建物の建物属性情報を取得する機能と、取得された前記建物属性情報に基づいて、前記住戸が、洗面台と寝室とトイレとが同じ階に存在するという条件を含む所定の判定条件を満たすか否かの判定を行う機能と、を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本開示に係る高齢者居住適合判定システム、高齢者居住適合判定方法およびプログラムによれば、高齢者の身体能力に応じて住戸の適合性を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る高齢者居住適合判定システムの構成の一例を示す図である。
図2A】実施形態に係るワンフロアの建物の一例を示す図である。
図2B】実施形態に係るワンフロアの建物の一例および実施形態に係るフラットアクセスの建物の一例を示す図である。
図2C】実施形態に係るワンフロアの建物の一例を示す図である。
図2D】実施形態に係るフラットアクセスの建物の一例を示す図である。
図3A】男性について、加齢に伴う自立度の変化パタンの一例を示す図である。
図3B】女性について、加齢に伴う自立度の変化パタンの一例を示す図である。
図4】実施形態に係る高齢者居住適合判定処理の一例を模式的に示す図である。
図5A】実施形態に係る高齢者居住適合判定処理の判定結果を表す画面の一例を示す図である。
図5B】実施形態に係る高齢者居住適合判定処理の判定結果を表す画面の一例を示す図である。
図6】変形例に係る高齢者居住適合判定システムの構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照し、本開示の実施形態について説明する。
【0013】
[高齢者居住適合判定システム]
図1は、実施形態に係る高齢者居住適合判定システム1の構成の一例を示す図である。
【0014】
高齢者居住適合判定システム1は、入力部11と、出力部12と、通信部13と、記憶部14と、制御部15と、を備える。
入力部11は、操作部111を備える。
出力部12は、表示部131を備える。
制御部15は、情報取得部151と、判定部152と、判定結果提示部153と、を備える。
【0015】
入力部11は、外部から情報を入力する。
入力部11は、例えば、オペレーター(ユーザーなどと呼ばれてもよい。)により行われる操作を受け付ける操作部111により受け付けられた操作に応じた情報を入力する。
操作部111は、例えば、キーボード、マウス、あるいは、タッチパネルなど、任意の構成であってもよい。また、操作部111は、音声(例えば、オペレーターの声)により操作を受け付ける機能を有していてもよい。
また、入力部11は、外部の装置と接続されて、当該外部の装置から出力される情報を入力してもよい。当該外部の装置は、例えば、可搬型の記録媒体などであってもよい。
【0016】
出力部12は、情報を出力する。
出力部12は、例えば、表示部131の画面に情報を出力(表示出力)する。
また、出力部12は、外部の装置と接続されて、当該外部の装置に情報を出力してもよい。当該外部の装置は、例えば、可搬型の記録媒体などであってもよい。また、出力部12は、例えば、音声の出力のように、表示以外の態様で情報を出力してもよい。
【0017】
ここで、本実施形態では、入力部11と出力部12とを別の機能部として示したが、入力部11と出力部12とは共通の機能部(入出力部)として構成されてもよい。当該入出力部は、例えば、タッチパネルであってもよい。
【0018】
通信部13は、情報を通信する機能を有する。
通信部13は、例えば、外部のコンピュータまたはデータベースなどとの間で通信を行ってもよい。
なお、通信部13は、例えば、有線通信を行ってもよく、あるいは、無線通信を行ってもよい。
【0019】
ここで、本実施形態では、通信部13を入力部11および出力部12とは別の機能部として示したが、例えば、通信部13の受信機能が入力部11の機能に含まれると捉えられてもよく、また、通信部13の送信機能が出力部12の機能に含まれると捉えられてもよい。
【0020】
記憶部14は、情報を記憶する。
ここで、記憶部14は、各種の情報を記憶してもよい。
本実施形態では、記憶部14は、例えば、判定対象となる人物(本実施形態では、高齢者)に関する情報、判定対象となる建物に関する情報、判定に使用される他の情報、判定条件の情報、判定結果の情報などのうちの1以上を記憶してもよい。
【0021】
制御部15は、各種の処理および制御を行う。
本実施形態では、高齢者居住適合判定システム1は、例えば、コンピュータを用いて構成されている。
制御部15は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを備え、当該プロセッサが所定のプログラム(制御プログラム)を実行することで、各種の処理および制御を行う。
当該プログラムは、例えば、記憶部14などに記憶されていてもよい。
【0022】
情報取得部151は、本実施形態に係る判定(説明の便宜上、高齢者居住適合判定とも呼ぶ。)に使用される情報を取得する。
ここで、情報取得部151は、例えば、入力部11により入力される情報を取得してもよく、記憶部14に記憶された情報を取得してもよく、あるいは、これら両方の情報を取得してもよい。
【0023】
判定部152は、高齢者居住適合判定を行う機能を有する。
判定部152は、情報取得部151によって取得された情報に基づいて、高齢者居住適合判定を行う。
【0024】
判定結果提示部153は、判定部152による判定結果に関する情報を提示する。
本実施形態では、判定結果提示部153は、判定部152による判定結果に関する情報を表示部131の画面に表示出力することなどにより、当該情報をオペレーターに提示する。
【0025】
[高齢者居住適合判定に使用される情報の例]
高齢者居住適合判定に使用される情報の例を示す。
【0026】
<居住者属性情報>
本実施形態では、居住者に関する情報(居住者属性情報)が、高齢者居住適合判定に使用される。
本実施形態では、判定対象となる居住者は、高齢者である。
また、本実施形態では、判定対象となる居住者は、例えば、実際に居住している者ではなく、自分に適合する住戸(住居、住戸空間、住居空間などと呼ばれてもよい。)を検討している者である。なお、他の例として、判定対象となる居住者が実際に居住している者であってもよく、つまり、既に居住している住戸の適合性が判定されてもよい。
ここで、本実施形態では、説明の便宜上、これらの者を居住者と呼んで説明するが、例えば、実際に居住してなく将来的に居住する住戸を検討している者は、居住候補者などと呼ばれてもよい。
【0027】
居住者属性情報は、例えば、居住者の性別、年齢、ADL(Activities of Daily Living)、家族構成などのうちの1以上を含んでもよく、本実施形態では、居住者の日常生活の能力を特定することが可能な情報が含まれる。
本実施形態では、居住者属性情報に基づいて、居住者の日常生活の能力判定が行われる。
本実施形態では、当該能力判定として、居住者の身体能力についての能力判定が行われ、例えば、居住者ができる事項と、居住者ができない事項と、の一方または両方の能力判定が行われる。
【0028】
一例として、このような能力判定は、判定部152により行われてもよい。この場合、居住者属性情報には、当該能力判定に使用される情報が含まれる。また、この場合、例えば、当該能力判定を行うための手法が記憶部14などに記憶されており、判定部152は当該手法により当該能力判定を行う。
【0029】
他の例として、このような能力判定は、判定部152による判定処理の前にあらかじめ行われていて、当該能力判定の結果の情報が居住者属性情報に含まれていてもよい。この場合、当該能力判定は、例えば、高齢者居住適合判定システム1の外部の装置または人間(オペレーターなど)により行われていてもよい。この場合、判定部152は、高齢者属性情報に含まれる当該能力判定の結果を用いて判定処理を行う。
【0030】
<<居住者の身体能力に関するパタンAおよびパタンB>>
居住者の身体能力に関するパタンAおよびパタンBを説明する。
なお、パタンAおよびパタンBという名称は、説明の便宜上のものであり、それぞれ、他の任意の名称で呼ばれてもおい。
【0031】
パタンAの居住者は、階段を使わない自立歩行、あるいは、杖または歩行器の歩行を行う居住者である。なお、パタンAの居住者の中には、階段を使う居住者が含まれてもよい。
パタンAの居住者は、例えば、通常の毎日の生活はできるが、電球交換などはできないかもしれない居住者である。
【0032】
パタンBの居住者は、介助用車椅子を使用する居住者である。
パタンBの居住者は、例えば、通常の毎日の生活に支障がある居住者である。
なお、他の例として、パタンBの居住者は、手の障害を持つ居住者、または、認知症である居住者などであってもよい。
【0033】
<<居住者の身体能力に関する4つの分類>>
例えば、高齢者の中にも、さらに段階がある。
本実施形態では、パタンAを3つの分類(分類1~3)に区分し、パタンBを分類4とする。
【0034】
分類1の居住者は、階段が不自由なく登れる居住者である。
本実施形態では、分類1の居住者には任意の住戸が適合すると判定する判定条件が用いられる。
なお、分類1の居住者に、他の判定条件が用いられてもよい。
【0035】
分類2の居住者は、外出時に階段の昇降は許容できるが、日常生活における階段の昇降は辛い居住者である。
分類2の居住者は、例えば、男性75歳程度、女性70歳程度が目安であるが、これに限定されない。
本実施形態では、分類2の居住者には本実施形態におけるワンフロア条件を満たす住戸が適合すると判定する判定条件が用いられる。つまり、本実施形態では、分類2の居住者は、身体能力に鑑みて、当該ワンフロア条件を満たす住戸で生活できるという評価基準を用いる。
【0036】
分類3の居住者は、段差は大丈夫であるが、外出時の階段の昇降は辛い居住者である。
分類3の居住者は、例えば、分類2よりも5年後くらいの年齢(男性80歳程度、女性75歳程度)が目安であるが、これに限定されない。
本実施形態では、分類3の居住者には本実施形態におけるワンフロア条件と本実施形態におけるフラットアクセス条件との両方を満たす住戸が適合すると判定する判定条件が用いられる。つまり、本実施形態では、分類3の居住者は、身体能力に鑑みて、当該ワンフロア条件および当該フラットアクセス条件を満たす住戸で生活できるという評価基準を用いる。
【0037】
分類4の居住者は、介助用車椅子を使用する居住者である。
本実施形態では、分類4の居住者にはバリアフリーを満たす住戸が適合すると判定する判定条件が用いられる。
【0038】
ここで、従来では、高齢者居住適合判定に関し、高齢者をパタンAとパタンBに区分することは考えられていたが、さらに4つの分類(分類1~4)に区分することは考えられていなかった。
一般に、大多数の高齢者は、分類2または分類3に該当し、これを判定するシステムの開発が重要であった。
【0039】
<建物属性情報>
本実施形態では、建物に関する情報(建物属性情報)が、高齢者居住適合判定に使用される。
建物属性情報として、様々な情報が用いられてもよく、例えば、各部の設置階、各部の位置、各部の面積、または、エレベーターなどに関する情報が用いられてもよい。
【0040】
建物属性情報としては、例えば、洗面台(洗面化粧台または洗面所などと呼ばれてもよい。)の設置階、寝室の設置階、トイレの設置階、浴室の設置階、キッチンの設置階、玄関の設置階、洗濯機排水口の設置階、物干場の設置階、トイレの建具の位置、寝室の建具の位置、収納の位置、各階の住戸の面積、各室の面積、トイレの幅または奥行、廊下の幅、エレベーターの停止階などのうちの1以上が用いられてもよい。
なお、各室としては、例えば、LDK(リビング、ダイニング、キッチン)、洗面所、寝室、トイレ、浴室、玄関などがある。
【0041】
また、エレベーターの種別としては、例えば、ホームエレベーター、または、共用エレベーターがある。
ホームエレベーターは、該当する住戸の居住者だけが使用するエレベーターである。
また、共用エレベーターは、複数の住戸の居住者により使用される(共用される)エレベーターである。
【0042】
<建物内部属性情報>
本実施形態では、建物の内部(例えば、住戸の内部)に関する情報(建物内部属性情報)が、高齢者居住適合判定に使用される。
建物内部属性情報として、様々な情報が用いられてもよく、例えば、建物の内部(例えば、住戸の内部)に存在する各部の距離などに関する情報が用いられてもよい。
建物内部属性情報としては、例えば、寝室の建具(例えば、ベッド)の位置とトイレの位置との間の距離などが用いられてもよい。
【0043】
[ワンフロア条件]
本実施形態におけるワンフロア条件について説明する。
高齢期から終末期まで住み続けられる住まいの条件としては、主要な生活空間がワンフロアにまとまっている、すなわち段差なく移動できることが重要であると考えられる。
ワンフロア条件は、例えば、住戸の構成階が1つであるという条件と、エレベーターで複数階を接続しているという条件と、主階の面積が確保されているという条件と、のうちの1以上を含む。
本実施形態では、ワンフロア条件が、洗面台と寝室とトイレとが同じ階に存在するという条件を含む場合を説明する。例えば、ワンフロア条件として、浴室とキッチンとの一方または両方と、洗面台と寝室とトイレとが同じ階に存在するという条件が用いられてもよい。
なお、ワンフロア条件として、他の条件が用いられてもよい。
【0044】
<住戸の構成階が1つであるという条件の例>
図2Aは、実施形態に係るワンフロアの建物2011の一例を示す図である。
当該条件は、例えば、1つの階にLDK、浴室、寝室などの主要な生活空間がまとまっている場合に満たされる。
当該条件では、例えば、他の階があっても所定面積A(例えば、20m)未満である場合には、ほぼ玄関、階段等のみであり寝室を含まない。このような場合には、LDKの階に寝室があると推定できる。したがって、他の階があっても所定面積A未満である場合には、住戸構成階とせずワンフロアと判定される。本実施形態では、LDKがあることをキッチン(K)のある階で判定しており、つまり、キッチン(K)のある階にLDKがあると判定する。
このように、寝室がある階は、各階の面積に基づいて判定されてもよい。
なお、図において、Kはキッチンを表しており、Bは浴室を表している。
ここで、所定面積Aの一例を20mとして図示して説明したが、所定面積Aとしては他の値が用いられてもよい。
【0045】
<エレベーターで複数階を接続しているという条件の例>
図2Bは、実施形態に係るワンフロアの建物2012の一例を示す図である。なお、図2Bはフラットアクセスの説明においても兼用する。
当該条件は、例えば、複数階にLDK、浴室、寝室などの主要な生活空間が分散していても、エレベーターが設置されていて階段を使わずに移動できる場合には満たされる。
なお、図において、EVはエレベーターを表している。
【0046】
<主階の面積が確保されているという条件の例>
図2Cは、実施形態に係るワンフロアの建物2013の一例を示す図である。
当該条件は、例えば、複数階に居室が分散していても、1つの階でLDK、浴室、寝室などの主要な生活空間を確保できる面積がある場合(当該面積以上ある場合)には満たされる。
当該面積は、例えば、単身の場合には所定面積B(例えば、40m)であり、夫婦の場合には所定面積C(例えば、55m)である。
ここで、所定面積Bの一例を40mとして図示して説明したが、所定面積Bとしては他の値が用いられてもよい。
また、所定面積Cの一例を55mとして図示して説明したが、所定面積Cとしては他の値が用いられてもよい。
【0047】
[フラットアクセス条件]
本実施形態におけるフラットアクセス条件について説明する。
日常生活が1つのフロアで可能であっても、そのフロアへのアクセスが確保できなければ、地域とつながった生活を送ることができない。例えば、賃貸併用住宅では日当たりあるいは風通しに優れた上階に自宅が設けられることが多いため、自宅住戸へのアクセスが課題となる。そこで、住戸の主要な生活空間へ階段を使わずにアクセスが可能なこと(フラットアクセス)が重要であると考えられる。
フラットアクセス条件は、例えば、主要な生活空間が1階であるという条件と、主要な生活空間にエレベーター(例えば、準備仕様を含んでもよい。)でアクセス可能であるという条件と、のうちの1以上を含む。
ここで、このエレベーターは自宅専用のホームエレベーターであり、複数の住戸が共用するエレベーターとは異なる。つまり、複数の住戸がエレベーターを共用するマンションの場合とは異なる。
また、例えば、1階から道路に至るまでの階段の段数等に関する条件(例えば、5段以下であるという条件、または、高低差が1m以下であるという条件、など)を判定条件に含んでもよい。
また、例えば、蹴上げが10cm以下で踏面が75cm以上の緩やかな階段またはスロープは階段とはみなさないという条件を判定条件に付加してもよい。
なお、フラットアクセス条件として、他の条件が用いられてもよい。
【0048】
<主要な生活空間が1階であるという条件の例>
図2Dは、実施形態に係るフラットアクセスの建物2031の一例を示す図である。
当該条件は、例えば、ワンフロア対応住戸が1階であり、玄関が1階にある場合に満たされる。
【0049】
<主要な生活空間にエレベーター(例えば、準備仕様を含んでもよい。)でアクセス可能であるという条件の例>
図2Bは、実施形態に係るフラットアクセスの建物2012の一例を示す図である。なお、図2Bは、説明の便宜上、ワンフロアの説明でも兼用している。
当該条件は、ワンフロア対応住戸にエレベーターでアクセスできる場合に満たされる。
なお、当該条件は、エレベーター準備仕様である場合にも満たされてもよい。
【0050】
[判定対象となる建物および住戸の例]
判定対象となる建物および住戸としては、それぞれ、様々なものが対象とされてもよい。
例えば、建物の階数、建物のサイズ、建物が有する住戸の数、エレベーターの有無、階段の有無、などとしては、様々なものが対象とされてもよい。
例えば、建物は、自宅用の住戸のみを有する建物であってもよく、賃貸用の住戸のみを有する建物であってもよく、または、自宅用の住戸と賃貸用の住戸との両方を有する建物(賃貸併用の建物)であってもよい
例えば、建物は、1つの階に1つの住戸しかない建物であってもよく、または、少なくとも1つの階に2つ以上の住戸を含む建物であってもよい。
【0051】
[高齢者居住適合判定手法の例]
<分類1の高齢者居住適合判定手法の例>
本実施形態では、分類1の高齢者については、判定部152は、例えば、任意の判定条件を用いて、高齢者居住適合判定を行ってもよい。
一例として、分類1の高齢者については、特に判定条件を用いずに、すべての住戸が適合するとしてもよい。
【0052】
<分類2の高齢者居住適合判定手法の例>
本実施形態では、分類2の高齢者については、判定部152は、所定のワンフロア条件を判定条件として用いて、高齢者居住適合判定を行う。
そして、判定部152は、当該判定条件(当該ワンフロア条件)が満たされた住戸については適合すると判定し、当該判定条件(当該ワンフロア条件)が満たされない住戸については適合しないと判定する。
【0053】
本実施形態では、ワンフロア条件が、洗面台と寝室とトイレとが同じ階に存在するという条件を含む場合を説明する。例えば、ワンフロア条件として、浴室とキッチンとの一方または両方と、洗面台と寝室とトイレとが同じ階に存在するという条件が用いられてもよい。
具体例として、ワンフロア条件は、洗面台と寝室とトイレと浴室とキッチンとが同じ階(同一階)に存在するという条件を含んでもよい。
また、ワンフロア条件は、洗面台と寝室とトイレとが同じ階(同一階)に存在し、浴室とキッチンにエレベーターで行けるという条件を含んでもよい。
また、ワンフロア条件は、洗面台とトイレと浴室とキッチンとが同じ階(同一階)に存在し、LDKの一部を寝室として使用できる面積があるという条件を含んでもよい。
なお、ワンフロア条件が選択的な複数の条件を含む場合、例えば、これら複数の条件のうちの少なくとも1つの条件が満たされる場合に、当該ワンフロア条件が満たされるとされてもよい。
【0054】
さらに、判定部152は、付加的な条件(高齢者適合付加条件)を判定に用いてもよい。つまり、判定部152は、分類2の高齢者について、所定のワンフロア条件と高齢者適合付加条件との両方が満たされた住戸について適合すると判定してもよい。
高齢者適合付加条件としては、例えば、扉の種類が特定の種類(例えば、引き戸)であるという条件、あるいは、洗濯機の設置階と物干場の設置階とが同一階であるという条件などのうちの1以上を含んでもよい。
また、高齢者適合付加条件として、他の条件が用いられてもよい。
【0055】
<分類3の高齢者居住適合判定手法の例>
本実施形態では、分類3の高齢者については、判定部152は、所定のワンフロア条件および所定のフラットアクセス条件を判定条件として用いて、高齢者居住適合判定を行う。
そして、判定部152は、当該判定条件(当該ワンフロア条件および当該フラットアクセス条件)が満たされた住戸については適合すると判定し、当該判定条件(当該ワンフロア条件および当該フラットアクセス条件)が満たされない住戸については適合しないと判定する。
【0056】
本実施形態では、主要な生活空間が1階であるという条件と、主要な生活空間にエレベーター(例えば、準備仕様を含んでもよい。)でアクセス可能であるという条件との少なくとも一方を満たせば、フラットアクセス条件が満たされるとする。
なお、ワンフロア条件としては、例えば、分類2の判定で使用される条件と同じ条件が用いられる。
具体例として、フラットアクセス条件は、ワンフロア条件に適合する階(ワンフロア適合階)と玄関とが1階であるという条件を含んでもよい。
また、フラットアクセス条件は、玄関が1階であり、ワンフロア条件に適合する階(ワンフロア適合階)に玄関からエレベーターで行けるという条件を含んでもよい。
なお、フラットアクセス条件が選択的な複数の条件を含む場合、例えば、これら複数の条件のうちの少なくとも1つの条件が満たされる場合に、当該フラットアクセス条件が満たされるとされてもよい。
【0057】
さらに、判定部152は、付加的な条件(高齢者適合付加条件)を判定に用いてもよい。つまり、判定部152は、分類3の高齢者について、所定のワンフロア条件および所定のフラットアクセス条件と高齢者適合付加条件とのすべてが満たされた住戸について適合すると判定してもよい。
高齢者適合付加条件としては、例えば、ベッドの位置とトイレの位置との距離が所定値(例えば、5m)以下であり、その行程における曲がり(例えば、方向転換を含んでもよい。)の回数が所定値(例えば、3回)以下であるという条件、各室の面積が所定値以上であるという条件、建具の種類が所定の種類である(例えば、引き戸である、または、開き戸である、あるいは、内開きである、または、外開きである、など)という条件、あるいは、建具の取手が所定の形状である(例えば、操作しやすい形状である)という条件、などのうちの1以上を含んでもよい。ここで、一般に、車椅子使用者または認知症者などにとっては、曲がりの数が少ない方が好ましい。
また、高齢者適合付加条件として、他の条件が用いられてもよい。
【0058】
ここで、本実施形態では、分類2の判定におけるワンフロア条件と、分類3の判定におけるワンフロア条件とで、同じ条件が用いられるが、他の例として、異なる条件が用いられてもよい。
また、分類2の判定において高齢者適合付加条件が用いられ、分類3の判定において高齢者適合付加条件が用いられる場合、これらの高齢者適合付加条件としては、例えば、同じ条件が用いられてもよく、あるいは、異なる条件が用いられてもよい。
【0059】
<分類4の高齢者居住適合判定手法の例>
本実施形態では、分類4の高齢者については、判定部152は、所定のバリアフリー条件を判定条件として用いて、高齢者居住適合判定を行う。
そして、判定部152は、当該判定条件(当該バリアフリー条件)が満たされた住戸については適合すると判定し、当該判定条件(当該バリアフリー条件)が満たされない住戸については適合しないと判定する。
当該バリアフリー条件としては、様々な条件が用いられてもよい。
【0060】
ここで、本実施形態では、分類4の判定において、建物属性情報および建物内部属性情報のうち、日常生活の能力に応じて使用しない情報が設定されていてもよい。この理由は、分類4(パタンB)の居住者では生活範囲および能力が狭くなると考えられるためである。
【0061】
また、本実施形態では、分類4の居住者については、さらに、4つのルートのチェックを行う。
本実施形態では、判定部152は、4つのルートとして、トイレルート、お出かけルート、リビングルート、外ルートのチェックを行う。
なお、それぞれのルートの名称は、説明のための一例であり、それぞれ他の任意の名称で呼ばれてもよい。
【0062】
第1ルートとして、トイレルートがある。
トイレルートのチェックでは、例えば、トイレの位置、トイレの面積、トイレのアクセス情報(例えば、横入り、または、縦入り)、建具の位置、建具の幅などのうちの1以上の情報に基づくチェック条件(判定条件)が用いられてもよい。ここで、一般に、車椅子使用者では、トイレは横入りの方が好ましい。
具体例として、トイレルートの判定では、評価基準として、寝室とトイレとが同一階であるという条件、寝室とトイレとの距離が所定値以下であるという条件、トイレのアクセス情報とトイレの面積と建具の幅と建具の位置に鑑みて車椅子を使用可能であるという条件などが用いられてもよい。
【0063】
第2ルートとして、お出かけルートがある。
お出かけルートのチェックでは、例えば、玄関の位置、窓の位置、窓台の高さ、建具の位置、建具の幅、玄関土間の広さ、玄関框の高さ、外溝の状況などのうちの1以上の情報に基づくチェック条件(判定条件)が用いられてもよい。
具体例として、お出かけルートの判定では、評価基準として、寝室から車椅子で外出できるという条件、土間の広さと框の高さに鑑みて簡易スロープの設置が可能であるという条件などが用いられてもよい。
【0064】
第3ルートとして、リビングルートがある。
リビングルートのチェックでは、例えば、室名(例えば、LDK、居間)の設置階の情報に基づくチェック条件(判定条件)が用いられてもよい。
具体例として、リビングルートの判定では、評価基準として、寝室とLDKと居間とが同一階にあるという条件などが用いられてもよい。
【0065】
第4ルートとして、外ルートがある。
外ルートのチェックでは、例えば、掃き出し窓前のウッドデッキ・テラスの情報に基づくチェック条件(判定条件)が用いられてもよい。
具体例として、外ルートの判定では、評価基準として、外部の空気に触れられるという条件などが用いられてもよい。
【0066】
[居住者の将来の予測を含む判定の例]
判定部152は、例えば、居住者の将来の予測を含む判定条件を用いてもよい。
具体例として、当該判定条件は、居住者の現在の年齢とともに、または、居住者の現在の年齢に代えて、将来の年齢を考慮した条件であってもよい。
【0067】
例えば、高齢者住居適合判定に使用される居住者の身体能力として、当該居住者の現在の年齢における身体能力の代わりに、当該居住者の将来の年齢における身体能力が用いられてもよい。
つまり、居住者が住戸に住み続けることに鑑みると、将来においても当該居住者が生活できる住戸であるか否かを判定することが望まれる場合がある。
ここで、将来としては、任意の時期であってもよく、例えば、3年後、5年後、10年後などであってもよい。
【0068】
なお、居住者の将来の身体能力は、任意の手法で特定されてもよい。
一例として、非特許文献1には、居住者の年齢および性別に応じて、所定年数後に標準的にどのような身体能力になるか(例えば、分類1~分類4のいずれになるか)を予測する処理に使用可能な情報が記載されている。
【0069】
図3Aは、男性について、加齢に伴う自立度の変化パタンの一例を示す図である。
図3Bは、女性について、加齢に伴う自立度の変化パタンの一例を示す図である。
ここで、図3Aおよび図3Bは、非特許文献1に記載されたグラフを引用したものである。
判定部152は、図3Aおよび図3Bに示される情報を用いて、居住者の将来の予測を含む判定を行ってもよい。
なお、図3Aおよび図3Bに示される情報は一例であり、居住者の将来の予測に他の情報が用いられてもよい。
【0070】
[リフォームの可能性を考慮した判定の例]
判定部152は、例えば、住戸のリフォームの可能性を考慮した判定条件を用いてもよい。
例えば、現在の住戸が所定条件を満たしていなくても、当該所定条件を満たすようにリフォームすることが可能である場合がある。このような場合に、判定部152は、リフォームを考慮すると当該住戸が当該所定条件を満たすと判定してもよい。つまり、リフォームが考慮される場合に、リフォームを考慮していない場合と比べて緩和された判定条件が用いられてもよい。
このように、判定部152は、リフォームにより改善可能な条件については、現在は満たされなくても、当該条件を満たすと判定する、構成とされてもよい。
【0071】
なお、ワンフロア条件あるいはフラットアクセス条件は、リフォームによっても実現されない状況もあるが、リフォームで実現可能な場合があれば判定条件が緩和されてもよい。
具体例として、判定部152は、トイレの側面の壁に構造体(例えば、建物の耐震性を担う鉄骨等)が存在しないという条件を、リフォーム可能な条件として使用してもよい。
また、一般に、トイレあるいは洗面所は排水管と紐付いているため、リフォームにおいて考慮される必要がある。
【0072】
[建物の階数等の種類に基づく判定の例]
本実施形態では、主に、小規模の住戸の判定に適しており、例えば、4階以下の建物の住戸の判定に適している。
この理由は、一般に、5階以上の建物では、高齢者に適合している場合が多いためである。
一例として、判定部152は、まず、建物の階数を判定し、5階以上ある建物の住戸については、他の条件の判定をせずに、適合していると判定してもよい。
なお、他の例として、判定部152は、5階以上ある建物の住戸についても、4階以下の建物の住戸と同様に、高齢者住居適合判定を行ってもよい。
【0073】
また、本実施形態では、主に、2階以上の建物の住戸の判定に適している。
この理由は、一般に、1階建ての建物では、高齢者に適合している場合が多いためである。
一例として、判定部152は、まず、建物の階数を判定し、1階建ての建物の住戸については、他の条件の判定をせずに、適合していると判定してもよい。
なお、他の例として、判定部152は、1階建ての建物の住戸についても、2階以上ある建物の住戸と同様に、高齢者住居適合判定を行ってもよい。
【0074】
以上のように、本実施形態では、主に、2階以上4階以下の建物の住戸の判定に適しているが、それ以外の建物の住戸の判定に適用されてもよい。
【0075】
また、一般に、一戸建ての建物についても、高齢者に適合している場合が多い。
一例として、判定部152は、まず、建物が一戸建てであるか否かを判定し、一戸建てである建物の住戸については、他の条件の判定をせずに、適合していると判定してもよい。
なお、他の例として、判定部152は、一戸建てである建物の住戸についても、高齢者住居適合判定を行ってもよい。
【0076】
[二世帯住宅などを考慮した判定の例]
判定部152は、例えば、二世帯住宅を考慮した判定条件を用いてもよい。
本例では、説明の便宜上、二世帯のそれぞれの居住者を親と子と呼んで説明する。近年では、二世帯の親も子も高齢者である場合も多い。なお、親と子とで、高齢者の分類(分類1~分類4)は異なっていてもよく、同じであってもよい。
【0077】
二世帯住宅を考慮した判定条件として、例えば、同一の建物に、親の分類に適合する住戸と、子の分類に適合する別の住戸と、の両方が存在するという条件が用いられてもよい。この場合、同一の建物に、親と子が別々の住戸に住むことが可能である。
【0078】
さらに、二世帯住宅を考慮した判定条件として、例えば、親の分類に適合する住戸と子の分類に適合する別の住戸との関係の条件として、これらの住戸が同じ階(同一階)に存在するという条件、これらの住戸が隣り合っているという条件、これらの住戸が共用部でつながっているという条件、または、これらの住戸の間の距離が所定値以下であるという条件などが用いられてもよい。この場合、例えば、親の住戸と子の住戸とで比較的行き来し易くなり、このような関係を希望する親子が存在し得る。
逆に、当該関係の条件として、これらの住戸が異なる階に存在するという条件、これらの住戸が隣り合っていないという条件、これらの住戸が共用部でつながっていないという条件、または、これらの住戸の間の距離が所定値以上であるという条件などが用いられてもよい。この場合、例えば、親の住戸と子の住戸とで比較的行き来しづらくなり、このような関係を希望する親子が存在し得る。
【0079】
なお、二世帯住宅を考慮した判定条件と同様な条件を三世帯の条件へ展開することで、三世帯住宅を考慮した判定条件が用いられてもよい。三世帯のそれぞれの居住者は、例えば、親、子、孫となる。
具体例として、三世帯住宅を考慮した判定条件として、例えば、親の分類に適合する住戸と、子の分類に適合する別の住戸と、孫の分類に適合するさらに別の住戸について、上記した二世帯のときの条件と同様な条件を使用する構成が用いられてもよい。
【0080】
[判定結果の絞り込み判定の例]
判定部152は、高齢者居住適合判定の判定結果において、同一の居住者に対して2以上の住戸が適合するという結果が得られた場合に、例えば、さらに、これら2以上の住戸の中で絞り込み判定を行ってもよい。
同様に、判定部152は、高齢者居住適合判定の判定結果において、二世帯住宅を希望する居住者(親、子)、または、三世帯住宅を希望する居住者(親、子、孫)に対して2以上の住戸群(複数の住戸の組み合わせ)が適合するという結果が得られた場合に、例えば、さらに、これら2以上の住戸群の中で絞り込み判定を行ってもよい。
【0081】
ここで、絞り込み判定の手法としては、任意の手法が用いられてもよく、例えば、既に得られた判定結果で適合している複数の住戸(または、複数の住戸群)を候補として、これら複数の候補の中から最も良好な候補を選択する手法、または、これら複数の候補の中から最も良好な方から所定数(例えば、3個など)の候補を選択する手法、あるいは、これら複数の候補を良好な順にランキングする手法などが用いられてもよい。
【0082】
このような候補が良好であるか否かを判定(絞り込み判定)する手法としては、任意の手法が用いられてもよく、例えば、面積が広い方が良好であると判定する手法、グレードが高い方が良好であると判定する手法、地上階に近い方(または、上層階に近い方)が良好であると判定する手法、自宅用と賃貸用とで自宅用(または、賃貸用)の方が良好であると判定する手法、などが用いられてもよい。
【0083】
なお、絞り込み判定は、2段階以上で行われてもよい。
また、本例では、高齢者居住適合判定の判定結果が得られた後に絞り込み判定が行われる場合を示したが、他の例として、高齢者居住適合判定における判定条件の中に絞り込み判定の判定条件が含められてもよく、つまり、高齢者居住適合判定に絞り込み判定が一体化されていてもよい。
【0084】
[高齢者居住適合判定処理]
図4は、実施形態に係る高齢者居住適合判定処理の一例を模式的に示す図である。
高齢者居住適合判定システム1によって行われる図4に示されるステップS1~ステップS5の処理を説明する。
【0085】
(ステップS1)
情報取得部151は、高齢者居住適合判定の対象となる者(居住者)について、居住者属性情報を取得する。本実施形態では、当該居住者は、高齢者であることを想定している。
ここで、判定対象となる居住者は、例えば、一人の者であってもよく、あるいは、二人以上の者についてまとめて判定が行われる場合があってもよい。
【0086】
(ステップS2)
情報取得部151は、高齢者居住適合判定の対象となる建物について、建物属性情報を取得する。
ここで、判定対象となる建物は、例えば、1つの建物であってもよく、あるいは、2つ以上の建物についてまとめて判定が行われる場合があってもよい。
なお、同様に、1つの建物について、判定対象とする住戸は、例えば、1つの住戸であってもよく、あるいは、2つ以上の住戸についてまとめて判定が行われる場合があってもよい。
【0087】
(ステップS3)
情報取得部151は、高齢者居住適合判定の対象となる建物の内部について、建物内部属性情報を取得する。
【0088】
(ステップS4)
判定部152は、情報取得部151によって取得された情報に基づいて、高齢者居住適合判定を行う。
ここで、例えば、高齢者居住適合判定に使用される1個以上の判定条件があらかじめ記憶部14などに記憶されていて、判定部152が判定に使用する判定条件を読みだして判定に使用してもよい。なお、判定部152は、1個の判定条件を判定に使用してもよく、あるいは、2個以上の判定条件を組み合わせて判定に使用してもよい。
【0089】
(ステップS5)
判定結果提示部153は、判定部152によって得られた判定結果の情報を画面表示などにより提示する。
なお、判定結果提示部153は、判定結果に関する任意の情報を任意の形態で提示してもよい。
【0090】
ここで、図4の例では、判定部152による判定に、居住者属性情報と建物属性情報と建物内部属性情報のすべてが使用される場合を示したが、例えば、これらのうちの一部の情報が使用されなくてもよく、この場合、当該一部の情報は情報取得部151により取得されなくてもよい。
【0091】
一例として、高齢者居住適合判定システム1の外部の装置またはオペレーターなどによって判定対象となる居住者の分類が行われるような場合に、当該分類を特定する情報(指示の情報でもよい。)が高齢者居住適合判定システム1に入力されてもよい。この場合、当該分類を特定する情報は、例えば、居住者属性情報の一例であるとみなされてもよく、あるいは、居住者属性情報とは別の情報として扱われてもよい。当該分類を特定する情報が居住者属性情報とは別の情報として扱われる場合には、居住者属性情報は情報取得部151により取得されなくてもよい。
他の例として、判定部152による判定に使用される判定条件において建物内部属性情報が使用されない場合には、建物内部属性情報は情報取得部151により取得されなくてもよい。
【0092】
[判定結果の提示の例]
図5Aは、実施形態に係る高齢者居住適合判定処理の判定結果を表す画面311の一例を示す図である。
画面311には、所定の住戸(住戸○○)が所定の居住者(居住者XX)に適合するという判定結果が得られたことを示す情報(本例では、文字情報)が表示されている。
【0093】
図5Bは、実施形態に係る高齢者居住適合判定処理の判定結果を表す画面312の一例を示す図である。
画面312には、所定の住戸(住戸○○)が所定の居住者(居住者XX)に適合しないという判定結果が得られたことを示す情報(本例では、文字情報)が表示されている。
また、画面312には、適合していない要件(要件AAA、要件BBB)を示す情報が表示されている。
ここで、当該要件は、例えば、高齢者居住適合判定に使用された判定条件の一部または全部である。
なお、ここでいう要件は、例えば、条件などと呼ばれてもよい。
【0094】
以上のように、本実施形態に係る高齢者居住適合判定システム1では、高齢者の身体能力に応じて住戸の適合性を判定することができ、例えば、高齢期の居住者が快適に住むことができる住戸の提供等を支援することができる。
例えば、本実施形態に係る高齢者居住適合判定システム1では、主に、2~4階建てで複数の住戸を含む建物について、それぞれの身体能力を有する高齢者に向いている住戸であるか否かを判定することができる。
【0095】
[適用対象の例]
本実施形態に係る高齢者居住適合判定システム1は、様々な場面に適用されてもよい。
例えば、本実施形態に係る高齢者居住適合判定システム1は、複数の住戸の中から居住者に適合する住戸を判定(選択)するシステムとして用いられてもよく、あるいは、1つの住戸が居住者に適合するか否かを判定するシステムとして用いられてもよい。このような1つの住戸としては、例えば、複数の住戸を有する建物に含まれる1つの住戸であってもよく、あるいは、一戸建てのように1つの住戸のみを有する建物の住戸であってもよい。
【0096】
例えば、本実施形態に係る高齢者居住適合判定システム1は、既に存在する建物の住戸について判定を行う場合に適用されてもよく、あるいは、これから建設される設計中の建物の住戸について判定を行う場合に適用されてもよい。
具体例として、本実施形態に係る高齢者居住適合判定システム1は、これから建設される新しい建物または住戸の設計段階で、設計中のCADデータなどに基づいて、高齢者居住適合判定を行う場合に適用されてもよい。この場合、例えば、このような設計を行う者がオペレーターとなってもよい。また、この場合、本実施形態に係る高齢者居住適合判定システム1では、判定結果提示部153は、判定部152による判定結果に関する情報を当該CADデータなど(設計段階のデータ)に書き込むことで提示する機能を有していてもよい。このように、本実施形態に係る高齢者居住適合判定システム1は、建物または住戸の設計支援を行うことも可能である。
【0097】
例えば、本実施形態に係る高齢者居住適合判定システム1は、複数の居住者と複数の住戸との間で総当たり(または、総当たりのうちの一部の組み合わせ)で高齢者居住適合判定を行い、その判定結果に基づいて、それぞれの居住者と、当該居住者に適合する住戸とをマッチングするシステムとして用いられてもよい。
【0098】
[変形例に係る高齢者居住適合判定システム]
図6は、変形例に係る高齢者居住適合判定システム501の構成の一例を示す図である。
高齢者居住適合判定システム501は、高齢者居住適合判定装置511と、端末装置512と、ネットワーク513と、を備える。
ここで、ネットワーク513は、例えば、インターネットなどの公衆網であってもよく、あるいは、専用網であってもよい。また、ネットワーク513は、例えば、有線のネットワークであってもよく、あるいは、無線のネットワークであってもよい。
なお、例えば、ネットワーク513は、高齢者居住適合判定システム501の外部の機能部であると捉えられてもよい。
【0099】
高齢者居住適合判定装置511は、入力部611と、出力部612と、通信部613と、記憶部614と、制御部615と、を備える。制御部615は、情報取得部651と、判定部652と、判定結果提示部653と、を備える。
端末装置512は、操作部711と、表示部712と、を備える。
【0100】
ここで、高齢者居住適合判定装置511は、例えば、コンピュータを用いて構成されている。
また、端末装置512は、例えば、コンピュータを用いて構成されている。
一例として、高齢者居住適合判定装置511がサーバー装置であって、端末装置512がクライアント装置であってもよい。
【0101】
本実施形態では、例えば、オペレーター(ユーザーなどと呼ばれてもよい。)が端末装置512を操作して、端末装置512により高齢者居住適合判定装置511にアクセスすることで、高齢者居住適合判定装置511により高齢者居住適合判定を行わせて、その判定結果に関する情報の提供を受けることができる。
【0102】
端末装置512では、オペレーターが操作部711を操作することで、各種の情報(指示の情報を含む。)を端末装置512からネットワーク513を介して高齢者居住適合判定装置511に送信することができる。
高齢者居住適合判定装置511では、例えば、図1に示される高齢者居住適合判定システム1と概略的に同様な判定機能を有しており、端末装置512から受信した情報(指示の情報を含む。)に基づいて高齢者居住適合判定を行い、その判定結果に関する情報をネットワーク513を介して端末装置512に送信する。
端末装置512では、高齢者居住適合判定装置511から受信した情報を表示部712の画面に表示することなどにより、当該情報をオペレーターなどに提示することができる。
【0103】
ここで、高齢者居住適合判定装置511における各機能部は、概略的に、図1に示される同一の名称の機能部と同様な機能を有している。
図6の例では、高齢者居住適合判定装置511において、情報取得部651は、端末装置512から送信されてくる情報を取得する機能も有しており、また、判定結果提示部653は、判定結果に関する情報を端末装置512に送信する機能も有している。
【0104】
以上のように、変形例に係る高齢者居住適合判定システム501では、高齢者の身体能力に応じて住戸の適合性を判定することができ、例えば、高齢期の居住者が快適に住むことができる住戸の提供等を支援することができる。
【0105】
[以上の実施形態について]
なお、任意の装置における任意の構成部の機能を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、オペレーティングシステム(OS:Operating System)あるいは周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD(Compact Disc)-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。記録媒体は、例えば、非一時的記録媒体であってもよい。
【0106】
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイルであってもよい。差分ファイルは、差分プログラムと呼ばれてもよい。
【0107】
また、任意の装置における任意の構成部の機能は、プロセッサにより実現されてもよい。例えば、本実施形態における各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサと、プログラム等の情報を記憶するコンピュータ読み取り可能な記録媒体により実現されてもよい。ここで、プロセッサは、例えば、各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよく、あるいは、各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサはハードウェアを含み、当該ハードウェアは、デジタル信号を処理する回路およびアナログ信号を処理する回路のうちの少なくとも一方を含んでもよい。例えば、プロセッサは、回路基板に実装された1または複数の回路装置、あるいは、1または複数の回路素子のうちの一方または両方を用いて、構成されてもよい。回路装置としてはIC(Integrated Circuit)などが用いられてもよく、回路素子としては抵抗あるいはキャパシターなどが用いられてもよい。
【0108】
ここで、プロセッサは、例えば、CPUであってもよい。ただし、プロセッサは、CPUに限定されるものではなく、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)等のような、各種のプロセッサが用いられてもよい。また、プロセッサは、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)によるハードウェア回路であってもよい。また、プロセッサは、例えば、複数のCPUにより構成されていてもよく、あるいは、複数のASICによるハードウェア回路により構成されていてもよい。また、プロセッサは、例えば、複数のCPUと、複数のASICによるハードウェア回路と、の組み合わせにより構成されていてもよい。また、プロセッサは、例えば、アナログ信号を処理するアンプ回路あるいはフィルタ回路等のうちの1以上を含んでもよい。
【0109】
なお、本開示を実施の形態を用いて説明したが、本開示の技術的範囲は上記実施の形態には限定されない。本開示の精神及び範囲から逸脱することなく様々に変更したり代替態様を採用したりすることが可能なことは、当業者に明らかである。
【0110】
[付記]
(構成例1)~(構成例12)を示す。
【0111】
(構成例1)
住戸を含む建物の建物属性情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部により取得された前記建物属性情報に基づいて、前記住戸が、洗面台と寝室とトイレとが同じ階に存在するという条件を含む所定の判定条件を満たすか否かの判定を行う判定部と、
を備える高齢者居住適合判定システム。
【0112】
このような構成により、高齢者居住適合判定システムでは、高齢者の身体能力に応じて住戸の適合性を判定することができ、例えば、高齢者の分類2に該当する居住者にとって住み易い住戸の提供等を支援することができる。
【0113】
(構成例2)
前記判定条件は、さらに、前記住戸が、浴室とキッチンとの一方または両方が前記洗面台と前記寝室と前記トイレと同じ階に存在するという条件を含む、
(構成例1)に記載の高齢者居住適合判定システム。
【0114】
このような構成により、高齢者居住適合判定システムでは、例えば、高齢者の分類2に該当する居住者にとって、さらに住み易い住戸の提供等を支援することができる。
【0115】
(構成例3)
前記情報取得部は、さらに、前記建物の内部における所定物間の距離に関する建物内部属性情報を取得し、
前記判定条件は、さらに、前記距離に関する条件を含み、
前記判定部は、前記情報取得部により取得された前記建物属性情報および前記建物内部属性情報に基づいて、前記住戸が、前記判定条件を満たすか否かの判定を行う、
(構成例1)または(構成例2)に記載の高齢者居住適合判定システム。
【0116】
このような構成により、高齢者居住適合判定システムでは、例えば、ベッドとトイレとの距離などの情報を使用することで、さらに住み易い住戸の提供等を支援することができる。
【0117】
(構成例4)
前記判定条件は、さらに、前記住戸が、所定のフラットアクセス条件を含む、
(構成例1)から(構成例3)のいずれか1項に記載の高齢者居住適合判定システム。
【0118】
このような構成により、高齢者居住適合判定システムでは、高齢者の身体能力に応じて住戸の適合性を判定することができ、例えば、高齢者の分類3に該当する居住者にとって住み易い住戸の提供等を支援することができる。
【0119】
(構成例5)
前記情報取得部は、居住者に関する居住者属性情報を取得し、
前記判定部は、前記判定に、前記情報取得部により取得された前記居住者属性情報を使用する、
(構成例1)から(構成例4)のいずれか1項に記載の高齢者居住適合判定システム。
【0120】
このような構成により、高齢者居住適合判定システムでは、居住者に関する情報を考慮して、高齢者の身体能力に応じて住戸の適合性を判定することができる。
【0121】
(構成例6)
前記判定条件は、前記居住者に関する将来の身体能力の予測に基づく条件を含む、
(構成例5)に記載の高齢者居住適合判定システム。
【0122】
このような構成により、高齢者居住適合判定システムでは、居住者の身体能力が将来に低下していくことを予測して、住戸の適合性を判定することができる。
【0123】
(構成例7)
前記判定条件は、前記建物または前記住戸のリフォームの可能性に基づく条件を含む、
(構成例1)から(構成例6)のいずれか1項に記載の高齢者居住適合判定システム。
【0124】
このような構成により、高齢者居住適合判定システムでは、リフォームの可能性を含めて、住戸の適合性を判定することができる。
【0125】
(構成例8)
前記判定条件は、二世帯住宅に基づく条件を含む、
(構成例1)から(構成例7)のいずれか1項に記載の高齢者居住適合判定システム。
【0126】
このような構成により、高齢者居住適合判定システムでは、二世帯住宅に特有な条件(例えば、親と子に関する条件)を含めて、住戸の適合性を判定することができる。
【0127】
(構成例9)
前記判定部による前記判定の結果に関する情報を提示する判定結果提示部を備える、
(構成例1)から(構成例8)のいずれか1項に記載の高齢者居住適合判定システム。
【0128】
このような構成により、高齢者居住適合判定システムでは、住戸の適合性の判定結果をオペレーターまたは居住者などに提示することができ、例えば、オペレーターまたは居住者などによる住戸選択の判断を支援することができる。
【0129】
(構成例10)
前記判定結果提示部は、前記判定部により満たされないと判定された要件に関する情報を提示する、
(構成例9)に記載の高齢者居住適合判定システム。
【0130】
このような構成により、高齢者居住適合判定システムでは、判定条件のうちで満たされない要件をオペレーターまたは居住者などに提示することができ、例えば、オペレーターまたは居住者などによる住戸選択の判断を支援することができる。
【0131】
(構成例11)
情報取得部が、住戸を含む建物の建物属性情報を取得し、
判定部が、前記情報取得部により取得された前記建物属性情報に基づいて、前記住戸が、洗面台と寝室とトイレとが同じ階に存在するという条件を含む所定の判定条件を満たすか否かの判定を行う、
高齢者居住適合判定方法。
【0132】
このような構成により、高齢者居住適合判定方法では、高齢者の身体能力に応じて住戸の適合性を判定することができ、例えば、高齢者の分類2に該当する居住者にとって住み易い住戸の提供等を支援することができる。
【0133】
(構成例12)
コンピュータに、
住戸を含む建物の建物属性情報を取得する機能と、
取得された前記建物属性情報に基づいて、前記住戸が、洗面台と寝室とトイレとが同じ階に存在するという条件を含む所定の判定条件を満たすか否かの判定を行う機能と、
を実現させるためのプログラム。
【0134】
このような構成により、当該プログラムでは、高齢者の身体能力に応じて住戸の適合性を判定することができ、例えば、高齢者の分類2に該当する居住者にとって住み易い住戸の提供等を支援することができる。
【符号の説明】
【0135】
1、501…高齢者居住適合判定システム、11、611…入力部、12、612…出力部、13、613…通信部、14、614…記憶部、15、615…制御部、111、711…操作部、131、712…表示部、151、651…情報取得部、152、652…判定部、153、653…判定結果提示部、311、312…画面、511…高齢者居住適合判定装置、512…端末装置、513…ネットワーク、2011~2013、2031~2031…建物、S1…居住者属性情報、S2…建物属性情報、S3…建物内部属性情報、S4…判定条件、S5…判定結果情報
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6