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特開2025-9296インターホンシステム、制御方法および制御システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009296
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】インターホンシステム、制御方法および制御システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 9/00 20060101AFI20250110BHJP
【FI】
H04M9/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023112203
(22)【出願日】2023-07-07
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年7月26日に賃貸住宅フェア2022にて発表 令和4年12月5日にスマートハウスEXPO2022にて発表
(71)【出願人】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】森田 和幸
【テーマコード(参考)】
5K038
【Fターム(参考)】
5K038AA06
5K038CC12
5K038DD15
5K038DD22
(57)【要約】
【課題】利便性を向上させつつもセキュリティを維持することが可能なインターホンシステムを提供する。
【解決手段】インターホンシステム1は、子機10と、子機10からの呼び出しに応答するための居室親機30と、子機10と居室親機30とを通信可能に制御する制御部60と、を備えている。子機10は、呼出操作を実行するための呼出操作部111と、サービス事業者に関連付けられたサービス情報を入力するための情報入力部113と、を少なくとも表示可能な表示部11を有する。制御部60は、呼出操作部111に対する操作に基づいて子機10から居室親機30への呼出動作が開始されてから一定時間経過後に、情報入力部113に対する操作を有効とし、情報入力部113に入力されたサービス情報に基づいて所定の動作を実行するように構成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
来訪者が居住者を呼び出して通話するための子機と、前記子機からの呼び出しに居住者が応答するための居室親機と、前記子機および前記居室親機の動作を制御する制御部と、を備えたインターホンシステムであって、
前記子機は、前記居住者を呼び出すための呼出操作部と、サービス事業者に関連付けられたサービス情報を入力するための情報入力部と、を少なくとも表示可能な表示部を有し、
前記制御部は、前記呼出操作部に対する前記来訪者の操作に基づいて前記子機から前記居室親機への呼出動作が開始されてから一定時間経過後に、前記情報入力部に対する操作を有効とし、前記情報入力部に入力された前記サービス情報に基づいて所定の動作を実行するように構成されている、インターホンシステム。
【請求項2】
前記サービス情報は、配達物の識別番号を含み、
前記制御部は、前記子機及び前記居室親機を備えた集合住宅の入口に設置された扉の施錠及び解錠を制御する扉制御装置と通信可能であり、
前記所定の動作は、
前記子機から、前記識別番号を含む解錠要求を受け付けた場合に、前記識別番号の認証を実行することと、
前記認証が成功した場合に、前記扉制御装置に解錠指示を送信することと、
を含む、請求項1に記載のインターホンシステム。
【請求項3】
前記子機は、前記来訪者を撮像可能な撮像手段を有し、
前記居室親機は、前記撮像手段により撮像された映像を表示可能な第二表示部を有し、
前記制御部は、前記呼出操作部に対する操作を受け付けると前記撮像手段による撮像を開始させるように構成されている、請求項1または2に記載のインターホンシステム。
【請求項4】
前記制御部は、前記情報入力部に入力された前記サービス情報に基づいて、前記居室親機に所定の通知情報を表示させるように構成されている、請求項1または2に記載のインターホンシステム。
【請求項5】
前記制御部は、前記情報入力部に対する操作を受け付けた後は前記呼出動作を停止させるように構成されている、請求項1または2に記載のインターホンシステム。
【請求項6】
前記表示部は、サービス事業者の名称またはサービス名を選択可能なサービス選択部をさらに表示可能であり、
前記制御部は、前記サービス選択部に対する前記来訪者の操作に応じて、前記情報入力部の表示態様を変更するように構成されている、請求項1または2に記載のインターホンシステム。
【請求項7】
来訪者が居住者を呼び出して通話するための子機と、前記子機からの呼び出しに居住者が応答するための居室親機と、前記子機と前記居室親機とを通信可能に制御する制御部と、を備えたインターホンシステムにおける制御方法であって、
前記子機から前記居室親機への呼出動作を実行させるために前記子機に設けられた呼出操作部に対する操作を受け付けるステップと、
前記呼出動作が開始されてから一定時間経過後に、サービス事業者に関連付けられたサービス情報を入力するために前記子機に設けられた情報入力部に対する操作を有効とするステップと、
前記情報入力部に入力された前記サービス情報に基づいて所定の動作を実行するステップと、
を含む、制御方法。
【請求項8】
住宅の入口に設置された宅配ボックスまたはキーボックスのユーザに関連付けられた端末装置と、
前記宅配ボックスまたはキーボックスの施錠および解錠を制御するとともに前記施錠および前記解錠のための操作を受け付ける入力部を有するボックス制御装置と、
前記端末装置および前記ボックス制御装置と通信可能な制御部と、
を備えた制御システムであって、
前記入力部は、前記宅配ボックスまたはキーボックスの解錠要求を受け付ける要求受付部と、サービス事業者に関連付けられたサービス情報を入力するための情報入力部と、を有し、
前記制御部は、
前記要求受付部に対する前記解錠要求の操作に基づき、前記端末装置に通知信号を送信し、
前記通知信号を送信してから一定時間経過後に、前記情報入力部に対する操作を有効とし、
前記情報入力部に入力された前記サービス情報に基づいて認証を実行し、
前記認証が成功した場合に、前記ボックス制御装置に解錠要求信号を送信する、
ように構成されている、制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターホンシステム、制御方法および制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、荷物の受取人が配送先の住宅等に不在である場合に、指定された場所に荷物を置くことで配送を完了する、いわゆる置き配と呼ばれる配送形態が増えてきている。置き配を用いた配送サービスにおいて、集合住宅等への立ち入りを許可されている来訪者を対象に、集合住宅等の入口に設置されているオートロック扉を自動で解錠するための種々の技術が提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-14729号公報
【特許文献2】特開2020-53047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1や特許文献2に開示の技術では、居住者による操作なしに来訪者側での操作のみでオートロック扉の解錠が可能となるためセキュリティ対策の面では改善の余地がある。
【0005】
そこで、本発明は、利便性を向上させつつもセキュリティを維持することが可能なインターホンシステム、制御方法および制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のインターホンシステムは、
来訪者が居住者を呼び出して通話するための子機と、前記子機からの呼び出しに居住者が応答するための居室親機と、前記子機および前記居室親機の動作を制御する制御部と、を備えたインターホンシステムであって、
前記子機は、前記居住者を呼び出すための呼出操作部と、サービス事業者に関連付けられたサービス情報を入力するための情報入力部と、を少なくとも表示可能な表示部を有し、
前記制御部は、前記呼出操作部に対する前記来訪者の操作に基づいて前記子機から前記居室親機への呼出動作が開始されてから一定時間経過後に、前記情報入力部に対する操作を有効とし、前記情報入力部に入力された前記サービス情報に基づいて所定の動作を実行するように構成されている。
【0007】
上記構成によれば、例えば宅配業者等のサービス事業者が住宅を訪問した際に、宅配業者等は呼出操作を実行してから一定時間経過後に、サービス情報の入力を行うことで、扉の解錠や、子機または居室親機への通知の送信といった所定の動作を実行することができる。言い換えると、宅配業者等は子機から居室親機への呼出操作を実行しない限りはサービス情報を入力できない。このように、呼出操作が実行されてから解錠や通知の送信がなされるため、利便性を向上させつつもセキュリティを維持することができる。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明のインターホンシステムにおける制御方法は、
来訪者が居住者を呼び出して通話するための子機と、前記子機からの呼び出しに居住者が応答するための居室親機と、前記子機と前記居室親機とを通信可能に制御する制御部と、を備えたインターホンシステムにおける制御方法であって、
前記子機から前記居室親機への呼出動作を実行させるために前記子機に設けられた呼出操作部に対する操作を受け付けるステップと、
前記呼出動作が開始されてから一定時間経過後に、サービス事業者に関連付けられたサービス情報を入力するために前記子機に設けられた情報入力部に対する操作を有効とするステップと、
前記情報入力部に入力された前記サービス情報に基づいて所定の動作を実行するステップと、
を含む。
【0009】
上記構成によれば、呼出操作が実行された後で、例えば解錠等の所定の動作が実行されるため、利便性を向上させつつもセキュリティを維持することができる。
【0010】
また、上記目的を達成するために、本発明の制御システムは、
住宅の入口に設置された宅配ボックスまたはキーボックスのユーザに関連付けられた端末装置と、
前記宅配ボックスまたはキーボックスの施錠および解錠を制御するとともに前記施錠および前記解錠のための操作を受け付ける入力部を有するボックス制御装置と、
前記端末装置および前記ボックス制御装置と通信可能な制御部と、
を備えた制御システムであって、
前記入力部は、前記宅配ボックスまたはキーボックスの解錠要求を受け付ける要求受付部と、サービス事業者に関連付けられたサービス情報を入力するための情報入力部と、を有し、
前記制御部は、
前記要求受付部に対する前記解錠要求の操作に基づき、前記端末装置に通知信号を送信し、
前記通知信号を送信してから一定時間経過後に、前記情報入力部に対する操作を有効とし、
前記情報入力部に入力された前記サービス情報に基づいて認証を実行し、
前記認証が成功した場合に、前記ボックス制御装置に解錠要求信号を送信する、
ように構成されている。
【0011】
上記構成によれば、端末装置への通知信号の送信が実行されてから宅配ボックスまたはキーボックスの解錠が行われるため、利便性を向上させつつもセキュリティを維持することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、利便性を向上させつつもセキュリティを維持することが可能なインターホンシステム、当該インターホンシステムにおける制御方法および制御システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第一実施形態に係るインターホンシステムの構成図である。
図2図1のインターホンシステムの一部構成の機能ブロック図である。
図3】インターホンシステムが備えるサーバに記憶されているデータテーブルの一例を示す図である。
図4】第一実施形態に係るインターホンシステムの動作例を説明するためのフローチャートである。
図5】子機が有する表示部に表示される初期画面の一例を示す図である。
図6】表示部に表示されるサービス選択画面を示す図である。
図7】表示部に表示される呼出操作画面を示す図である。
図8】表示部に表示されるサービス情報入力画面を示す図である。
図9】本発明の第二実施形態に係る制御システムの機能ブロック図である。
図10】第二実施形態に係る制御システムの動作例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態に係るインターホンシステムについて図面を参照して説明する。
図1は、第一実施形態に係るインターホンシステム1を示す構成図である。図1に示すようにインターホンシステム1は、集合玄関機10(子機の一例)と、サーバ20と、居室親機30と、玄関子機40と、管理室親機50と、制御機60(制御部の一例)と、を備えている。インターホンシステム1は、例えばマンション等の集合住宅に適用されるインターホンシステムである。
【0015】
集合玄関機10、サーバ20、居室親機30、管理室親機50は、汎用プロトコルに従って通信が行われるインターホン回線Lを介して制御機60に接続されている。また、玄関子機40は、インターホン回線Lを介して居室親機30に接続されている。本例のインターホン回線Lは、LAN(Local Area Network)ケーブルで構成されている。なお、インターホン回線Lは専用線で構成されるようにしてもよい。
【0016】
集合玄関機10は、集合住宅の共用スペースである集合玄関(入口)に設置されている。集合玄関機10は、表示部11と、通話部12と、カメラ13(撮像手段の一例)とを備えている。
【0017】
サーバ20は、受信したデータに基づいてデータテーブルを作成する機能を有している。例えば、サーバ20は、サービス事業者である宅配業者により設定されたサービス番号等のデータを、後述の外部サーバ70から受信して、当該サービス番号に基づいてデータテーブルを作成する。サービス番号やデータテーブルの詳細については後述する。
【0018】
居室親機30は、インターホンシステム1が設けられた集合住宅の各住戸に設置されている。居室親機30は、表示部31(第二表示部の一例)と、操作部32と、通話部33とを備えている。表示部31は、各種情報が表示可能であるとともにユーザの操作を受け付け可能であり、例えばタッチディスプレイが用いられる。表示部31には、集合玄関機10のカメラ13で撮像された来訪者の映像等が表示される。操作部32は、集合玄関機10または管理室親機50からの呼出に応答する際や、管理室親機50を呼び出す際に操作される。操作部32は、例えば表示部31であるタッチディスプレイ上に表示された操作ボタン等で構成されている。通話部33は、居住者が集合玄関機10側または管理室親機50側と通話するためのものであり、マイクとスピーカとを含む。
【0019】
玄関子機40は、各住戸の玄関に設置されている。玄関子機40は、来訪者が居住者を呼び出すための呼出ボタン41と、来訪者が居住者と通話するための通話部42と、来訪者の映像を撮像可能なカメラ43と、を備えている。カメラ43で撮像された来訪者の映像は居室親機30の表示部31に表示される。
【0020】
管理室親機50は、集合住宅の管理室に設置されている。管理室親機50は、集合玄関機10のカメラ13で撮像された映像等が表示される表示部51と、特定の居室を呼び出す際に操作される操作部52と、管理人が居住者または来訪者と通話するための通話部53と、を備えている。
【0021】
制御機60は、集合玄関機10、サーバ20、居室親機30、管理室親機50等の動作を制御する。例えば、制御機60は、集合玄関機10から居室親機30への呼出状態を制御する。制御機60は、ネットワークNを通じて、外部サーバ70と、扉制御装置80と接続されている。
【0022】
制御機60は、例えば1以上のプロセッサを含む少なくとも一つのマイクロコントローラと、トランジスタ等のアクティブ素子及びパッシブ素子を含むその他電子回路を含んでもよい。制御機60は、複数のCPUコアによって構成されてもよい。制御機60は、例えば、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)及び/又はTPU(Tensor Processing Unit)であってもよい。GPUは、複数のGPUコアによって構成されてもよい。また、制御機60は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路からなるハードウェア資源によって構成されてもよい。さらに、制御機60は、少なくとも一つのマイクロコントローラと集積回路との組み合わせによって構成されてもよい。
【0023】
外部サーバ70は、例えば、サービス事業者の事業所等に設置されたサーバである。サービス事業者としては、例えば、宅配業者が挙げられる。外部サーバ70は、サービス事業者により設定されたサービス情報を収集する機能を有している。サービス情報とは、例えば、配達物を識別するための情報である。サービス情報としては、例えば、配達物の追跡番号や管理番号、送り状(伝票)番号等が挙げられる。本例では、サービス情報は追跡番号であるとして説明する。
【0024】
宅配業者は、第三者(送り主)から居住者宛の配達物を受け取ると、追跡番号を決定する。宅配業者は、設定した追跡番号を送り主に知らせる。送り主は、送り先(荷受人)である居住者に追跡番号を知らせる。居住者は、追跡番号を、当該居住者を識別するための居住者IDとともに外部サーバ70に送信する。居住者IDと追跡番号とを受信した外部サーバ70は、これらの情報を居住者IDに対応する集合住宅のインターホンシステム1の制御機60にネットワークNを介して送信する。
【0025】
扉制御装置80は、インターホンシステム1が適用された集合住宅の入口に設置された扉90の施錠および解錠を制御するための装置である。扉制御装置80は、制御機60から送信された解錠要求信号に基づいて、扉90を解錠する。
【0026】
図2は、インターホンシステム1の集合玄関機10、サーバ20、居室親機30、および制御機60の機能ブロック図である。
図2に示すように、集合玄関機10は、表示部11、通話部12、およびカメラ13に加えて、集合玄関機CPU(Central Processing Unit)14、通信インタフェース(IF)15を備えている。
【0027】
表示部11は、呼出操作部111と、サービス選択部112と、情報入力部113とを表示可能となるように構成されている。すなわち、表示部11は、ユーザからの各種操作を受け付けるための入力部としても機能する。
【0028】
呼出操作部111は、来訪者が居住者を呼び出しする際に操作する操作部である。呼出操作部111は、例えば、表示部11に表示されたテンキーや呼出ボタン等で構成されている。
サービス選択部112は、サービス事業者の種別を選択するための入力部である。サービス選択部112には、例えば、登録された宅配業者の一覧が表示される。来訪者が宅配業者である場合には自らがどの宅配業者に所属しているかをサービス選択部112の操作により選択することができる。
情報入力部113は、来訪者、例えば宅配業者(サービス事業者)が予め設定されたサービス情報を入力するための入力部である。
【0029】
集合玄関機CPU14は、集合玄関機10の各部を制御するための処理を行う。通信IF15は、集合玄関機CPU14とインターホン回線L間における双方向の信号伝送路を形成する。これにより、通信IF15を介して、集合玄関機CPU14と制御機60との間の信号伝送路が形成される。
【0030】
居室親機30は、表示部31、操作部32、および通話部33に加えて、親機CPU34、通信IF35、記憶部36を備えている。親機CPU34は、居室親機30の各部を制御するための処理を行う。通信IF35は、親機CPU34とインターホン回線L間における双方向の信号伝送路を形成する。これにより、親機CPU34と制御機60との間の信号伝送路が形成される。記憶部36は、居室親機30の制御情報等を記憶する。また、記憶部36は、集合玄関機10のカメラ13や玄関子機40のカメラ43で撮像されて、集合玄関機10や玄関子機40から送信された撮像データを記憶する。
【0031】
制御機60は、制御部61と、記憶部62と、を備えている。制御部61は、制御機60に接続されている集合玄関機10、サーバ20、居室親機30等の各部との相互間における信号の送信やネットワークNへの接続等を制御する。記憶部62は、通信情報や制御情報等を記憶する。本例では、記憶部62には、集合住宅における各住戸の部屋番号と各住戸の居室親機30を特定可能な居室親機IDとが対応付けて記録された呼出テーブル62aが記憶されている。
【0032】
制御部61は、集合玄関機10の呼出操作部111で入力された部屋番号の情報を含む信号を受信する。そして、制御部61は、記憶部62の呼出テーブル62aを参照して、呼出操作部111で入力された部屋番号に対応付けられている住戸の居室親機30を特定する。そして、制御部61は、特定された居室親機30に向けて呼出信号を送信する。
【0033】
また、制御部61は、外部サーバ70から、居住者IDと当該居住者IDに紐づけられたサービス情報(追跡番号)とを含む情報を受信し、この情報を記憶部62に記憶させるとともにサーバ20へ送信する。なお、制御部61は、外部サーバ70から受信した情報を記憶部62に記憶させることなく、サーバ20へ転送してもよい。
【0034】
サーバ20は、生成部21と、記憶部22とを備えている。
生成部21は、制御機60を介して、外部サーバ70から受信した居住者IDと追跡番号とを含む情報に基づいて、所定のデータテーブル22aを生成可能である。記憶部22は、生成部21により生成されたデータテーブル22aを記憶している。
【0035】
図3は、記憶部22に記憶されているデータテーブル22aの一例を示す。図3に示すように、データテーブル22aには、外部サーバ70から送信された配達物の追跡番号が、当該配達物の送り先である居住者の居住者IDおよび部屋番号と対応付けて記憶されている。例えば、居住者ID:U1および当該居住者ID:U1に対応する部屋番号:101に対して、追跡番号:101-***-***が対応付けられて記憶されている。また、居住者ID:U2および当該居住者ID:U2に対応する部屋番号:201に対して、追跡番号:151-***-***が対応付けられて記憶されている。
【0036】
(インターホンシステム1の動作)
次に、来訪者である宅配業者が、インターホンシステム1が適用された集合住宅の居住者宛の配達物を配達するために当該集合住宅を訪問した場合のインターホンシステム1の動作を図4図8を参照して説明する。図4は、インターホンシステム1の動作例を説明するためのフローチャートである。図5は、集合玄関機10の表示部11に表示される初期画面200の一例を示す図である。図6は、表示部11に表示されるサービス選択画面210の一例を示す図である。図7は、表示部11に表示される呼出操作画面220の一例を示す図である。図8は、表示部11に表示されるサービス情報入力画面230の一例を示す図である。
【0037】
図5に示すように、配達物を持った宅配業者が集合住宅の入口に来訪した際に、集合玄関機10の表示部11には初期画面200が表示されている。初期画面200には、集合住宅の各住戸を呼び出すための「部屋呼出」ボタン201、管理室を呼び出すための「管理室呼出」ボタン202、居住者向けの各種サービスを実行するための「居住者サービス」ボタン203に加えて、宅配業者等のサービス事業者向けのサービスを実行するための「配達サービス」ボタン204が表示されている。
【0038】
ここで、図4に示すように、宅配業者が、集合玄関機10の表示部11に表示された「配達サービス」ボタン204を操作したとする。「配達サービス」ボタン204の操作を受け付けると(ステップS101)、集合玄関機CPU14は、操作受付信号を制御機60に送信する(ステップS102)。操作受付信号を受信した制御機60の制御部61は、サービス選択画面210に関する表示信号を集合玄関機10に送信する(ステップS103)。
【0039】
サービス選択画面210に関する表示信号を受信した集合玄関機10の集合玄関機CPU14は、表示部11にサービス選択画面210を表示させる(ステップS104)。図6に示すように、サービス選択画面210には、例えば、サービス事業者の会社名またはサービス名の各表示欄211A~211Eと、「終了」ボタン212が表示される。サービス選択画面210に表示された会社(サービス)名の各表示欄211A~211Eがサービス選択部112として機能する。
【0040】
次に、宅配業者は、サービス選択画面210に表示された複数の表示欄211A~211Eのうち自らが所属する会社(サービス)に対応する所定の表示欄を選択した後で「終了」ボタン212を操作する。例えば、宅配業者は、各表示欄211A~211Eのうち表示欄211Aをタッチ操作にて選択するものとする。宅配業者による表示欄211A~211Eのいずれか(サービス選択部112)の操作を受け付けると(ステップS105)、集合玄関機CPU14は、選択された表示欄の情報を含む操作受付信号を制御機60に送信する(ステップS106)。操作受付信号を受信した制御部61は、呼出操作画面220に関する表示信号を集合玄関機10に送信する(ステップS107)。
【0041】
呼出操作画面220に関する表示信号を受信した集合玄関機CPU14は、表示部11に呼出操作画面220を表示させる(ステップS108)。図7に示すように、呼出操作画面220には、例えば、各住戸の部屋番号を入力するためのテンキーボタン221や「呼出」ボタン222等が表示される。呼出操作画面220に含まれるこれらのボタン221,222が呼出操作部111として機能する。
【0042】
次に、宅配業者は、呼出操作画面220に表示されたテンキーボタン221により配達物の配達先である居室の部屋番号を入力し、その後、「呼出」ボタン222を操作するものとする。テンキーボタン221による部屋番号の入力と「呼出」ボタン222の操作を受け付けると(ステップS109)、集合玄関機CPU14は、入力された部屋番号の情報を含む操作受付信号を制御機60へ送信する(ステップS110)。例えば、宅配業者が呼出操作画面220において部屋番号「101」を入力してから「呼出」ボタン222を操作した場合、集合玄関機CPU14は、部屋番号「101」に対応する情報を含む操作受付信号を制御機60へ送信する。
【0043】
次に、制御部61は、集合住宅に設置された複数の居室親機30のうち、受信した操作受付信号に含まれる部屋番号に対応付けられている居室親機30を特定して、特定された居室親機30を呼び出すための呼出信号を生成する(ステップS111)。そして、制御部61は、特定された居室親機30に向けて呼出信号を送信する(ステップS112)。例えば、制御部61は、受信した操作受付信号に含まれる部屋番号「101」の情報に基づいて、101号室の居室親機30を特定し、当該居室親機30を呼び出すための呼出信号を生成する。そして、特定された101号室の居室親機30に向けて呼出信号を送信する。
【0044】
次に、制御部61から呼出信号を受信した101号室の居室親機30は、来訪者が集合玄関から呼び出しを行っている旨を知らせる呼出音を出力する(ステップS113)。101号室の居室親機30で呼出音が出力されている状態において、101号室の居住者が居室親機30を用いて呼出に対する応答の操作を行うと、応答信号が居室親機30から制御機60に送信される。ただし、本例では、居住者が不在あるいは非応答であることにより宅配業者が扉90を解錠して置き配を行う場合を想定しているため、居住者が呼出に対して応答の操作を行った場合については説明を省略する。
【0045】
次に、制御部61は、居室親機30での呼出音の出力が開始されてから一定時間が経過したか否かを判断する(ステップS114)。この一定時間は、例えば10秒間から20秒間であり、好ましくは15秒間から17秒間である。ステップS105においてサービス選択画面210において選択された表示欄211A~211Eに応じて一定時間が変更されてもよい。例えば、複数の表示欄211A~211Eのうち表示欄211Aを選択した場合と、表示欄211Bを選択した場合とで一定時間を異ならせるようにしてもよい。制御部61は、記憶部62に、サービス事業者ごとに個別に設定された一定時間の情報を記憶させ、当該情報に基づいて、ステップS105で操作を受け付けたサービス選択部112の種別に応じて一定時間を変更することができる。なお、一定時間の経過の起算点は居室親機30での呼出音の出力の開始に限られるものではない。例えば、「呼出」ボタン222の操作を受け付けた時点、あるいは特定された居室親機30に呼出信号を送信した時点を一定時間の経過の起算点としてもよい。
【0046】
ステップS114において、居室親機30からの呼出音の出力が開始されてから一定時間が経過したと判断された場合(ステップS114のYES)、制御部61は、サービス情報入力画面230に関する表示信号を集合玄関機10に送信する(ステップS115)。
【0047】
サービス情報入力画面230に関する表示信号を受信した集合玄関機CPU14は、表示部11にサービス情報入力画面230を表示させる(ステップS116)。図8に示すように、サービス情報入力画面230には、例えば、サービス番号を入力するためのテンキーボタン231、「決定」ボタン232、「終了ボタン」233等が表示されている。サービス情報入力画面230に含まれるこれらのボタン231~233が情報入力部113として機能する。
【0048】
次に、宅配業者は、サービス情報入力画面230のテンキーボタン231を用いて配達物の追跡番号をサービス番号として入力した後で、「決定」ボタン232を操作する。サービス番号の入力と「決定」ボタン232の操作を受け付けると(ステップS117)、集合玄関機CPU14は、入力されたサービス番号の情報を含む操作受付信号を解錠要求として制御機60へ送信する(ステップS118)。例えば、ステップS117において、宅配業者が「101-***-***」という追跡番号をサービス番号として入力した場合、集合玄関機CPU14は、「101-***-***」を含む操作受付信号を制御機60へ送信する。
【0049】
次に、操作受付信号を受信した制御部61は、当該操作受付信号に含まれるサービス番号が、サーバ20の記憶部22に記憶されたデータテーブル22aに含まれるサービス番号(追跡番号)と一致するか否かを照合する(ステップS119)。例えば、サービス番号「101-***-***」を含む操作受付信号を解錠要求として受信した場合、制御部61は、サーバ20と通信し、サービス番号「101-***-***」が記憶部22に記憶されたデータテーブル22aに含まれるか否かを照合する。
【0050】
次に、操作受付信号に含まれるサービス番号が、データテーブル22aに含まれるサービス番号と一致した場合(ステップS119のYES)、制御部61は、認証が成功したと判断して解錠指示信号を扉制御装置80へ送信する(ステップS120)。そして、解錠指示信号を受信した扉制御装置80は、扉90を解錠する(ステップS121)。これにより、宅配業者は、扉90から集合住宅に入って、配達作業を行うことができる。なお、サービス番号が一致した場合、制御部61は、認証成功信号を集合玄関機10に送信してもよい。このとき、認証成功信号を受信した集合玄関機10は、認証が成功した旨の通知情報として、例えば「解錠されます。」といった通知画面を表示部11に表示してもよい。
【0051】
一方で、操作受付信号に含まれるサービス番号が、データテーブル22aに含まれるサービス番号と一致しない場合(ステップS119のNO)、制御部361は、認証が失敗したと判断し、解錠指示信号を扉制御装置80へ送信せずに処理を終了する(ステップS122)。そのため、扉90は解錠されず施錠されたままとなる。なお、サービス番号が一致しない場合、制御部61は、認証失敗信号を集合玄関機10に送信してもよい。このとき、認証失敗信号を受信した集合玄関機10は、認証が失敗した旨の通知情報として、例えば「解錠されません。再度、「配達サービス」ボタンからやり直してください。」といった通知画面を表示部11に表示してもよい。
【0052】
以上説明したように、第一実施形態のインターホンシステム1によれば、制御機60の制御部61は、集合玄関機10の呼出操作部111に対する来訪者の操作に基づいて集合玄関機10から居室親機30への呼出動作が開始されてから一定時間経過後に、情報入力部113に対する操作を有効とし、情報入力部113に入力されたサービス情報に基づいて所定の動作を実行するように構成されている。上記構成によれば、宅配業者等のサービス事業者が集合住宅を訪問した際に、宅配業者等は呼出操作を実行してから一定時間経過後にサービス情報の入力を行うことで、例えば、扉90の解錠や、集合玄関機10または居室親機30への通知の送信といった所定の動作が実行される。この構成によれば、宅配業者等は集合玄関機10から居室親機30への呼出操作を実行しない限りはサービス情報を入力できない。これにより、呼出を行うことなく扉90の解錠や、集合玄関機10または居室親機30への通知の送信がなされることがないため、利便性を向上させつつもセキュリティを維持することができる。
【0053】
また、サービス情報は、配達物の追跡番号(識別番号の一例)を含み、制御部61は、扉制御装置80と通信可能である。そして、制御部61は、集合玄関機10から、追跡番号を含む解錠要求を受け付けた場合に、追跡番号の認証を実行し、認証が成功した場合に、扉制御装置80に解錠指示を送信する。この構成によれば、配達物の追跡番号の認証が成功した場合には扉90を自動で解錠させることができるため、居住者および来訪者の利便性を向上させることができる。
【0054】
なお、ステップS109において「呼出」ボタン222の操作を受け付けた場合、集合玄関機CPU14は、カメラ13による来訪者の撮像を開始し、撮像データを制御機60へ送信してもよい。この場合、制御部61は、受信した撮像データを居室親機30に送信する。これにより、居室親機30は、呼出音の出力とともにカメラ13により撮像された映像を居室親機30の表示部31(第二表示部の一例)に表示することができる。また、制御部61は受信した撮像データを居室親機30の記憶部36に記憶させ、居住者が居室親機30を操作することで事後的に撮像映像を居室親機30の表示部31に表示させるようにしてもよい。この構成によれば、サービス番号の入力がなされる前に来訪者を撮像して録画データを居室親機30側で確認することができるため、セキュリティ性をさらに向上させることができる。
【0055】
ステップS117において、制御部61は、情報入力部113に対する操作を受け付けた後は呼出動作を停止させるようにしてもよい。具体的には、情報入力部113に対する操作を受け付けると、制御部61は、居室親機30からの呼出音の出力を停止するようにしてもよい。このように、情報入力部113に対するサービス番号の入力が開始されたら、呼出動作を停止する構成とすることで、不要な呼出を長時間継続させることが防止でき、ユーザ(居住者、来訪者)への煩わしさやシステム負荷を低減させることができる。なお、ステップS116のタイミング、すなわち表示部11にサービス情報入力画面230を表示させるタイミングにて、居室親機30からの呼出音の出力を停止させる構成としてもよい。
【0056】
サービス選択画面210に表示された複数の表示欄211A~211E(サービス選択部112)のうち宅配業者が選択した表示欄に応じて、呼出操作画面220やサービス情報入力画面230の表示態様を変更させてもよい。例えば、本例では、図8に示すように、サービス選択画面210の表示欄211Aを宅配業者が選択した場合のサービス情報入力画面230として、テンキーボタン231、「決定」ボタン232、「終了」ボタン233等が表示される態様を説明したが、この例に限られるものではない。例えば、宅配業者が、表示欄211Aではなく表示欄211Bを選択した場合には、追跡番号を手入力するためのテンキーボタン231等の代わりに、宅配業者に追跡番号に関するコード(二次元コードまたは三次元コード)をカメラ13に対して提示することを要求するための画面をサービス情報入力画面230として表示してもよい。この場合、宅配業者により提示されたコード(二次元コードまたは三次元コード)をカメラ13で撮影し、撮影したコードを分析することで追跡番号を取得できる。サービス情報入力画面230の表示態様の変更は、例えば、外部サーバ70から指示信号を受信した制御機60が実行することができる。このように、制御部61は、サービス選択画面210に表示されたサービス選択部112に対する来訪者の操作に応じて、情報入力部113の表示態様を変更するように構成されている。この構成によれば、サービス事業者の種別に応じて、サービス情報の入力方法を異ならせることができるため、利便性をさらに向上できる。
【0057】
また、集合住宅の各住戸の前に宅配ボックスが設置されている場合に第一実施形態の構成を採用してもよい。この場合、制御部60は、呼出操作部111に対する来訪者の操作に基づいて集合玄関機10から居室親機30への呼出動作が開始されてから一定時間経過後に、情報入力部113に対する操作を有効とし、情報入力部113に入力されたサービス情報に基づいて、扉90の解錠を実行するとともに、各住戸前の宅配ボックスのうち情報入力部113に入力されたサービス情報に対応する宅配ボックスの解錠を実行してもよい。この構成によれば、情報入力部113へのサービス情報の入力により扉90だけでなく宅配ボックスの解錠も実行できるため利便性を向上できる。また、呼出が実行されてから宅配ボックスが解錠されるため、セキュリティも維持できる。
【0058】
(第二実施形態)
次に、住宅の入口に宅配ボックスが設置されている場合において、配達物を持参した宅配業者が宅配ボックスを解錠する際の制御システムの構成について第二実施形態として説明する。
【0059】
図9は、第二実施形態に係る制御システム300の機能ブロック図である。図9に示すように第二実施形態に係る制御システム300は、ユーザ端末310(端末装置の一例)と、サーバ320と、制御機360と、外部サーバ370と、ボックス制御装置380とを備えている。
【0060】
ユーザ端末310は、宅配ボックス390が設置された住宅の居住者(ユーザ)に関連付けられた端末である。ユーザ端末310は、例えば、居住者が所有するスマートフォン、携帯電話、タブレット、パーソナルコンピュータ等である。ユーザ端末310は、少なくとも、端末CPU311と、表示部312とを有している。
【0061】
サーバ320は、第一実施形態のサーバ20と同様に、データテーブル322aを生成する生成部321と、生成されたデータテーブル322aを記憶する記憶部322とを備えている。
【0062】
制御機360は、制御部361と、記憶部362と、を備えている。制御部361は、制御機360に接続されているユーザ端末310、サーバ320、外部サーバ370、ボックス制御装置380との相互間における信号の送信やネットワークNへの接続等を制御する。本例では、記憶部362には、宅配ボックス390が設置された住宅の居住者のユーザ端末310に関する情報が記録された呼出テーブル362aが記憶されている。具体的には、宅配ボックス390の識別番号(ボックスID)と宅配ボックス390が設置された住宅のユーザ端末310を特定可能な端末IDとが対応付けられて、呼出テーブル362aに記録されている。
【0063】
ボックス制御装置380は、住宅の入口に設置された宅配ボックス390を制御するための装置である。ボックス制御装置380は、各種操作を受け付けるための操作部381と、操作部381の操作を受け付けて制御機360と送信するボックス制御部382と、を備えている。操作部381は、例えば、宅配ボックス390の扉に設置されている。操作部381は、要求受付部385と、情報入力部386とを有している。要求受付部385は、宅配業者等のサービス事業者または居住者が宅配ボックス390を開けようとしたときの解錠操作を受け付けるための受付部である。情報入力部386は、サービス事業者により設定されたサービス情報を入力するための入力部である。
【0064】
ボックス制御部382は、宅配ボックス390の扉の施錠および解錠を制御する。ボックス制御部382は、要求受付部385に対する操作を受け付けたことに基づいて解錠要求信号を制御機360へ送信する。また、ボックス制御部382は、情報入力部386に入力されたサービス情報を制御機360へ送信する。さらに、ボックス制御部382は、制御機360から送信された解錠指示信号に基づいて、宅配ボックス390の扉を解錠する。
【0065】
制御機360の制御部361は、ボックス制御装置380から解錠要求信号を受信すると、呼出テーブル362aを参照する。そして、制御部361は、解錠要求信号に対応付けられているユーザ端末310を特定し、特定したユーザ端末310に向けて通知信号を送信する。また、制御部361は、情報入力部386に入力されたサービス情報をボックス制御装置380から受信すると、サーバ320に記憶されたデータテーブル322aを参照する。そして、制御部361は、サービス情報の認証を実行し、その認証結果をボックス制御装置380に送信する。
【0066】
次に、第二実施形態に係る制御システム300の動作例について図10を参照して説明する。図10は、制御システム300の動作例を説明するためのフローチャートである。
本動作例では、宅配ボックス390が設置された住宅を訪問した宅配業者が、ボックス制御装置380の操作部381を操作するものとする。なお、このとき、操作部381のうち要求受付部385に対する操作は有効となっているが、情報入力部386に対する操作は無効となっている。
【0067】
まず、配達物を持参して宅配ボックス390が設置された住宅を訪問した宅配業者が、ボックス制御装置380の操作部381に設けられた要求受付部385を操作する。ボックス制御装置380のボックス制御部382は、宅配業者による要求受付部385の操作を受け付けると(ステップS301)、解錠要求信号を制御機360に送信する(ステップS302)。解錠要求信号を受信した制御機360の制御部361は、記憶部362に記憶された呼出テーブル362aを参照して宅配ボックス390が設置された住宅の居住者のユーザ端末310を特定する(ステップS303)。そして、制御部361は、ネットワークNを介して、特定されたユーザ端末310に通知信号を送信する(ステップS304)。
【0068】
次に、通知信号を受信したユーザ端末310は、当該通知信号に基づき、宅配ボックス390に対する解錠要求が実行されたことを示す解錠要求情報を表示する(ステップS305)。このとき、ユーザ端末310の表示部312には、例えば、「宅配ボックスの解錠操作を受け付けています。」といった解錠要求情報が表示される。
【0069】
次に、制御部361は、ユーザ端末310に通知信号を送信してから一定時間が経過したか否かを判断する(ステップS306)。一定時間は、例えば10秒間から20秒間であり、好ましくは15秒間から17秒間である。なお、ステップS304において、制御部361は、要求受付部385に対する操作を受け付けてから一定時間が経過したか否かを判断してもよい。
【0070】
ステップS306において、ユーザ端末310に通知信号を送信してから一定時間が経過したと判断された場合(ステップS306のYES)、制御部361は、ボックス制御装置380に一定時間が経過した旨の信号を送信する(ステップS307)。一定時間が経過した旨の信号を受信したボックス制御部382は、情報入力部386の操作を有効とする(ステップS308)。このとき、情報入力部386の操作が可能となったことを宅配業者に知らせるため、ボックス制御装置380は、例えば「追跡番号を入力してください。」といった通知情報を報知してもよい。
【0071】
次に、宅配業者は、情報入力部386を用いて配達物の追跡番号をサービス番号として入力する。ボックス制御部382は、情報入力部386へのサービス番号の入力を受け付けると(ステップS309)、入力されたサービス番号を制御機360へ送信する(ステップS310)。
【0072】
次に、制御機360の制御部361は、ボックス制御装置380から受信したサービス番号が、サーバ320に記憶されたデータテーブル322aに含まれるサービス番号と一致するか否かを照合する(ステップS311)。ボックス制御装置380から受信したサービス番号が、データテーブル322aに含まれるサービス番号と一致した場合(ステップS311のYES)、制御部361は、認証が成功したと判断して解錠指示信号をボックス制御装置380へ送信する(ステップS312)。
【0073】
解錠指示信号を受信したボックス制御装置380は、宅配ボックス390の扉を解錠して処理を終了する(ステップS313)。なお、認証が成功したと判断された場合、制御部361は、認証成功信号をユーザ端末310に送信し、認証成功信号を受信したユーザ端末310は宅配ボックス390が解錠された旨の通知情報を表示部312に表示してもよい。
【0074】
一方で、ボックス制御装置380から受信したサービス番号が、データテーブル322aに含まれるサービス番号と一致しない場合(ステップS311のNO)、制御部361は、認証が失敗したと判断して認証失敗信号をボックス制御装置380へ送信する(ステップS314)。認証失敗信号を受信したボックス制御装置380は、宅配ボックス390の扉を解錠せず、サービス番号の認証が失敗した旨の認証失敗通知を報知して処理を終了する(ステップS315)。例えば、ボックス制御装置380から「追跡番号の認証ができません。」といった通知や「追跡番号の認証ができません。正しい追跡番号を再入力してください。」といった通知が報知されてもよい。
なお、認証が失敗したと判断された場合、制御部361は、認証失敗信号をユーザ端末310に送信し、認証失敗信号を受信したユーザ端末310は宅配ボックス390の解錠要求があったものの認証が成功せずに宅配ボックス390が解錠されなかった旨の通知情報を表示部312に表示してもよい。
【0075】
以上説明したように、制御システム300は、ユーザ端末310(端末装置の一例)と、宅配ボックス390の施錠および解錠を制御するとともに施錠および解錠のための操作を受け付ける操作部381(入力部の一例)を有するボックス制御装置380と、ユーザ端末310およびボックス制御装置380と通信可能な制御機360(制御部361)と、を備えている。操作部381は、宅配ボックス390の解錠要求を受け付ける要求受付部385と、サービス事業者に関連付けられたサービス情報を入力するための情報入力部386と、を有している。制御部361は、要求受付部385に対する解錠要求の操作に基づき、ユーザ端末310に通知信号を送信し、通知信号を送信してから一定時間経過後に、情報入力部386に対する操作を有効とする。そして、制御部361は、情報入力部386に入力されたサービス情報に基づいて認証を実行し、認証が成功した場合に、ボックス制御装置380に解錠要求信号を送信するように構成されている。この構成によれば、ユーザ端末310への通知を行うことなく宅配ボックス390の解錠が行われることがないため、利便性を向上させつつもセキュリティを維持することができる。
【0076】
第二実施形態においては宅配ボックス390を解錠する場合の例について説明したがこれに限られない。住宅の玄関扉を開けるための鍵が収容されたキーボックスを解錠するために第二実施形態の構成を用いてもよい。キーボックスには開閉可能な蓋が備わっており、平常時には、玄関扉の鍵がキーボックスの中に格納されて、蓋が閉状態となっている。
例えば、居住者が設定したサービス情報を受信したサービス事業者(例えば、点検業者や工事業者など)が、キーボックスに搭載されたボックス制御装置の入力部に当該サービス情報を入力することで認証が実行され、認証が成功した場合にはキーボックスが解錠される。このとき、入力部は、宅配ボックス390に搭載された操作部381と同様に、解錠要求を受け付ける要求受付部と、サービス情報を入力するための情報入力部と、を有している。そして、要求受付部に対する解錠要求の操作に基づいて居住者の所有する所定の端末へ通知信号が送信されてから一定時間経過後に、情報入力部に対する操作が有効となるよう制御されている。この構成によれば、居住者の端末への通知を行うことなくキーボックスの解錠が行われることがないため、利便性を向上させつつもセキュリティを維持することができる。
【0077】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0078】
1 インターホンシステム
10 集合玄関機
11,31,51 表示部
12,33,42,53 通話部
13,30,43 カメラ
14 集合玄関機CPU
15,35 通信インタフェース(IF)
20,320 サーバ
21,321 生成部
22,62,322,362 記憶部
22a,322a データテーブル
30,40,340 居室親機
32,52 操作部
34 親機CPU
40 玄関子機
41 呼出ボタン
50 管理室親機
60,360 制御機
61,361 制御部
62a,362a 呼出テーブル
70,370 外部サーバ
80 扉制御装置
90 扉
111 呼出操作部
112 サービス選択部
113,386 情報入力部
200 初期画面
210 サービス選択画面
201,202,203,204,221,222,232 ボタン
220 呼出操作画面
221,231 テンキーボタン
230 サービス情報入力画面
300 制御システム
310 ユーザ端末
380 ボックス制御装置
381 操作部
382 ボックス制御部
385 要求受付部
390 宅配ボックス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10