(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025092960
(43)【公開日】2025-06-23
(54)【発明の名称】炭化炉
(51)【国際特許分類】
C10B 49/02 20060101AFI20250616BHJP
C10B 53/02 20060101ALI20250616BHJP
【FI】
C10B49/02
C10B53/02
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023208397
(22)【出願日】2023-12-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】坂本 康一
(72)【発明者】
【氏名】下村 智彦
(72)【発明者】
【氏名】冨永 幸洋
【テーマコード(参考)】
4H012
【Fターム(参考)】
4H012JA01
(57)【要約】
【課題】大量の被炭化物を処理することが可能な炭化炉を提供する。
【解決手段】原料としての木質バイオマス等の被炭化物Wの燃焼及び炭化が行われる炉空間S0を内部に形成する容器120と、水平方向である第1方向DR1おいて容器120が第1長さとなる収縮状態と第1長さよりも長い第2長さL2となる拡大状態とを切り替える切替機構130と、を備える炭化炉100を提供するものである。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料としての被炭化物の燃焼及び炭化が行われる炉空間を内部に形成する容器と、
水平方向である第1方向において前記容器が第1長さとなる収縮状態と前記第1長さよりも長い第2長さとなる拡大状態とを切り替える切替機構と、を備える炭化炉。
【請求項2】
前記容器は、
設置面に固定される固定部と、
前記第1方向に沿って移動可能に取り付けられる移動部と、を有し、
前記固定部は、鉛直方向に延びるとともに前記第1方向に沿って配置される一対の側壁部と、前記一対の側壁部の上端に接続されるとともに前記第1方向と直交する水平方向である第2方向に沿って延びる蓋部と、前記第1方向の端部に形成される開口部と、を有し、
前記移動部は、前記開口部を閉塞して前記固定部とともに前記炉空間を形成し、
前記切替機構は、
前記設置面に固定されるとともに前記第1方向に沿って延びるように形成される支持部と、
前記移動部の下端に固定されるとともに前記支持部に前記第1方向に沿って移動可能に取り付けられる取付部と、を備える請求項1に記載の炭化炉。
【請求項3】
前記切替機構は、前記設置面に対して前記容器を前記第1方向に沿って移動させるための操作者の操作を前記移動部に伝達する伝達部と、を備える請求項2に記載の炭化炉。
【請求項4】
前記固定部の前記側壁部の前記炉空間側の内周面に沿って前記第1方向に沿って移動可能に前記移動部が配置されており、
前記側壁部の外部空間側の外周面には、第1保温材が取り付けられており、
前記移動部の前記炉空間側の内周面には、第2保温材が取り付けられている請求項2または請求項3に記載の炭化炉。
【請求項5】
前記固定部の前記側壁部の外部空間側の外周面に沿って前記第1方向に沿って移動可能に前記移動部が配置されており、
前記側壁部の前記炉空間側の内周面に第1保温材が取り付けられており、
前記移動部の前記外部空間側の外周面に第2保温材が取り付けられている請求項2または請求項3に記載の炭化炉。
【請求項6】
前記床は、水平方向に配置される第1床部と第2床部とを有し、
前記収縮状態においては前記第1床部と前記第2床部が前記第1方向に沿った所定範囲で重なった状態で配置され、前記拡大状態においては前記第1床部と前記第2床部が前記第1方向に沿った前記所定範囲よりも狭い範囲で重なるか前記第1方向に沿って重ならない状態で配置される請求項1または請求項2に記載の炭化炉。
【請求項7】
前記床は、前記第1方向に直交する第2方向に沿って延びる軸線に沿って折り畳み可能に構成された第1床部と第2床部とを有し、
前記拡大状態においては前記第1床部と前記第2床部とが水平方向に配置され、前記収縮状態においては前記第1床部と前記第2床部とが異なる平面上に配置されるように折り畳まれている請求項1に記載の炭化炉。
【請求項8】
前記容器は、外部から着火用のバーナが挿入される挿入開口を有している請求項1または請求項2に記載の炭化炉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、炭化炉に関する。
【背景技術】
【0002】
木質バイオマス等の被炭化物を原料として炭化物を得る炭化炉であって、トラックに積載可能な炭化炉が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
移動式の炭化炉においては、これを積載する車両のスペースが必然的に限られている。そのため、炭化炉のサイズには制約が課せられるので、結果として、製品としてのバイオ炭(及び/又はバイオ燃料)の生産量が制約を受けるという課題があった。
【0005】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、大量の被炭化物を処理することが可能な炭化炉を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示の炭化炉は、以下の手段を採用する。
本開示の一態様に係る炭化炉は、原料としての被炭化物の燃焼及び炭化が行われる炉空間を内部に形成する容器を備え、前記容器は、水平方向である第1方向に沿って拡大可能に構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、大量の被炭化物を処理することが可能な炭化炉を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の第1実施形態に係る炭化炉が積載された車両の側面図である。
【
図2】本開示の第1実施形態に係る炭化炉の側面図である。
【
図3】
図2に示す容器のA-A矢視断面図であり、容器が第1方向に沿って収縮した収縮状態を示す。
【
図4】
図2に示す容器のA-A矢視断面図であり、容器が第1方向に沿って拡大した拡大状態を示す。
【
図5】
図3に示す炭化炉を上方からみた平面図であり、容器が第1方向に沿って収縮した収縮状態を示す。
【
図6】
図4に示す炭化炉を上方からみた平面図であり、容器が第1方向に沿って拡大した拡大状態を示す。
【
図7】
図6に示す容器のB部分を第2方向に沿ってみた正面図である。
【
図9】本開示の第2実施形態に係る炭化炉の容器の断面図であり、容器が第1方向に沿って収縮した収縮状態を示す。
【
図10】本開示の第2実施形態に係る炭化炉の容器の断面図であり、容器が第1方向に沿って拡大した拡大状態を示す。
【
図11】
図9に示す炭化炉を上方からみた平面図であり、容器が第1方向に沿って収縮した収縮状態を示す。
【
図12】
図10に示す炭化炉を上方からみた平面図であり、容器が第1方向に沿って拡大した拡大状態を示す。
【
図14】本開示の第3実施形態に係る炭化炉の容器の断面図であり、容器が第1方向に沿って収縮した収縮状態を示す。
【
図15】本開示の第3実施形態に係る炭化炉の容器の断面図であり、容器が第1方向に沿って拡大した拡大状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔第1実施形態〕
以下、本開示の一実施形態に係る炭化炉について、図面を参照して説明する。
図1は、本開示の第1実施形態に係る炭化炉100が積載された車両10の側面図である。
図2は、本開示の第1実施形態に係る炭化炉100の側面図である。
図3は、
図2に示す容器120のA-A矢視断面図であり、容器120が第1方向DR1に沿って収縮した収縮状態を示す。
図4は、
図2に示す容器120のA-A矢視断面図であり、容器120が第1方向DR1に沿って拡大した拡大状態を示す。
【0010】
本開示の一実施形態に係る炭化炉100は、木質バイオマス等の被炭化物Wを原料とするバイオ炭を製造する炉やバイオ燃料を製造する炉である。
図1に示すように、炭化炉100は、トラック等の車両10に積載可能な移動式の炉である。
図1および
図2に示すように、炭化炉100は、容器120と、切替機構130と、床140と、煙突160と、を備えている。
【0011】
車両10は、容器120の後述する移動部122の荷重を支持する支持脚12を備える。支持脚は車台11に取り付けられる部材であり、実線で示す支持状態と点線で示す収納状態のいずれかの状態とすることができる。炭化炉100の操作者は、容器120が後述する拡大状態である場合に支持脚12を支持状態とし、支持脚12を介して移動部122の荷重を設置面Sに伝達する。
【0012】
容器120は、内部に炉空間S0が形成されるとともに上面が開口した直方体形状の金属製の部材である。なお、容器120の形状は、直方体形状に限定されない。容器120には、車両10との接続・固定に使用される接続部(図示せず)が設けられている。
【0013】
図2から
図4に示すように、容器120は、車両10の車台11の設置面11aに固定される固定部121と設置面11aに対して移動可能に取り付けられる一対の移動部122とを有する。
【0014】
固定部121は、蓋部121aと、底部121bと、一対の側壁部121cと、一対の開口部121dと、を有する。蓋部121aは、移動部122よりも鉛直方向VDの上方に配置されるとともに水平方向である第2方向DR2の端部において側壁部121cの上端に接続される。
【0015】
底部121bは、移動部122よりも鉛直方向VDの下方に配置されるとともに第2方向DR2の端部において側壁部121cの下端に接続される。側壁部121cは、鉛直方向VDに沿って配置されるとともに第1方向DR1に沿って配置され、上端が蓋部121aに接続されかつ下端が底部121bに接続される。固定部121において開口部121dは第1方向DR1の両端部に形成されるとともに移動部122によって閉塞される領域である。
【0016】
移動部122は、固定部121の第1方向DR1の両端部に形成される開口部121dに挿入され、開口部121dを閉塞することにより固定部121とともに炉空間S0を形成する部材である。移動部122は、蓋部122aと、底部122bと、側壁部122cと、を有する。蓋部122aは、固定部121の蓋部121aよりも鉛直方向VDの下方に配置されるとともに水平方向である第1方向DR1の端部において側壁部122cの上端に接続される。
【0017】
底部122bは、固定部121の底部121bよりも鉛直方向VDの上方に配置されるとともに第1方向DR1の端部において側壁部122cの下端に接続される。側壁部122cは、鉛直方向VDに沿って配置されるとともに上端が蓋部122aに接続されかつ下端が底部122bに接続される。
【0018】
側壁部122cには、少なくとも1つの吸気開口122c1が形成されている。吸気開口122c1は、上部空間S1と容器120の外部とを連通する開口(貫通穴)であり、吸気開口122c1を介して容器120の外部から上部空間S1へ燃焼用空気(容器120の外部にある空気)を取り込むことができる。
図2の場合、吸気開口122c1は、第2方向DR2に延びた矩形状の開口とされ、第1方向DR1に向かい合った一対の側壁部122cの上部に形成されている。
【0019】
図2に示すように、側壁部122cには、少なくとも1つの挿入開口122c2が形成されている。挿入開口122c2は、下部空間S2と容器120の外部とを連通する開口(貫通穴)であり、挿入開口122c2を介して容器120の外部から上部空間S1へ着火用のバーナ200を挿入することができる。
図2の場合、挿入開口122c2は、円形状の開口とされ、第1方向DR1に向かい合った一対の側壁部122cの下部に形成されている。
【0020】
切替機構130は、水平方向である第1方向DR1において容器120が第1長さL1となる収縮状態(
図3に示す状態)と第1長さL1よりも長い第2長さL2となる拡大状態(
図4に示す状態)とを切り替える機構である。車両10により炭化炉100を運搬する際には、収縮状態とすることで炭化炉100のサイズを小さくすることができる。炭化炉100を用いて被炭化物Wの燃焼及び炭化を行う際には、拡大状態とすることで大量の被炭化物Wを処理することができる。
【0021】
図3および
図4に示すように、切替機構130は、支持部131と、取付部132と、を有する。支持部131は、設置面11aに固定されるとともに第1方向DR1に沿って延びるように形成される部材である。取付部132は、移動部122の底部122bの下端に固定されるとともに支持部131に第1方向DR1に沿って移動可能(スライド可能)に取り付けられる部材である。
【0022】
図5は、
図3に示す炭化炉100を上方からみた平面図であり、容器120が第1方向DR1に沿って収縮した収縮状態を示す。
図6は、
図4に示す炭化炉100を上方からみた平面図であり、容器120が第1方向DR1に沿って拡大した拡大状態を示す。
図5および
図6に示すように、切替機構130は、一対の移動部122のそれぞれに対して、第2方向DR2に沿って間隔を空けて複数箇所(
図5および
図6に示す例では1つの移動部122に対して6箇所)に配置されている。
【0023】
図7は、
図6に示す容器120のB部分を第2方向DR2に沿ってみた正面図である。
図7に示すように、移動部122の底部122bには、第1方向DR1に沿って延びるように形成されるラック122b1が固定されている。車台11の設置面には、操作者が移動部122を第1方向DR1に沿って移動させるための操作を伝達するためのハンドル11bが取り付けられている。
【0024】
ハンドル11bの先端には、炉空間S0に配置されるとともにラック122b1と噛み合うピニオンギア122b2が取り付けられている。操作者は、ハンドル11bを把持して回転させることによりピニオンギア122b2を回転させ、ピニオンギア122b2と係合するラック122b1が固定された移動部122を第1方向DR1に沿って移動させる。
【0025】
ハンドル11bとピニオンギア122b2とラック122b1は、設置面11aに対して容器120を第1方向DR1に沿って移動させるための操作者の操作を移動部122に伝達する伝達部として機能する。伝達部は、切替機構130の一部として構成される。尚、ここではハンドル11bの操作を操作者が人力で行なうこととしているが、ハンドル11bの操作は、これに電動モーターで駆動される操作器具を設置することによるモーター動としてもよい。
【0026】
図3に示すように、容器120の内部には、床140が取り付けられている。床140は、例えば容器120の底部122bから数十cmの高さ位置に設けられた、水平面内に拡がる略四角形状の板状部材である。床140は、炉空間S0を上下方向に仕切っている。床140で仕切られた炉空間S0のうち上方にある空間を上部空間S1、下方にある空間を下部空間S2とする。上部空間S1は、被炭化物Wを貯留するための空間である。下部空間S2は、燃焼排ガスを含む気体が流通する空間(流路)である。
【0027】
床140には、連通部141が形成されている。連通部141は、上部空間S1と下部空間S2とを連通する部分である。連通部141としては、床140に形成された多数の穴(貫通穴)が例示される。連通部141を設ける目的は、上部空間S1に貯留された被炭化物Wや炭化物を下部空間S2に落下させることなく、燃焼排ガスを含む気体を上部空間S1から下部空間S2に導くことである。そのため、当該目的が達成できるのであれば、連通部141の具体的な形状や数は特に限定されない。
【0028】
図3および
図4に示すように、床140は、水平方向に配置される第1床部140Aと第2床部140Bとを有する。第2床部140Bは、第1方向DR1の端部が側壁部122cに固定されている。
図3に示す収縮状態においては第1床部140Aと一対の第2床部140Bが第1方向DR1に沿った所定範囲PA1で重なった状態で配置される。
【0029】
一方、拡大状態においては第1床部140Aと第2床部140Bが第1方向DR1に沿った所定範囲PA1よりも狭い範囲で重なる状態で配置される。なお、拡大状態においては、第1床部140Aと第2床部140Bが第1方向DR1に重ならないようにしてもよい。
【0030】
容器120の固定部121の一対の側壁部121cには、それぞれ煙突160が設けられている。煙突160は、容器120の側壁部121cに沿って鉛直方向VDに延在しており、例えば最上部の開口(後述する排気流路P1の出口)が蓋部121aよりも高い位置にある。なお、煙突160を設ける位置や煙突160の数は、任意に変更できる。
【0031】
煙突160の内部には、排気流路P1が形成されている。排気流路P1は、下部が炉空間S0の下部空間S2と繋がり上部が容器120の外部と繋がっている。つまり、排気流路P1は、炉空間S0の下部空間S2と容器120の外部とを連通する流路であり、上部空間S1から下部空間S2に導かれた燃焼排ガスを容器120の外部に排出するための流路でもある。
【0032】
ここで、容器120の保温構造について
図8を参照して説明する。
図8は、
図6に示す容器のC部分の断面図である。
図8に示すように、移動部122は、固定部121の側壁部121cの炉空間S0側の内周面121c1に沿って第1方向DR1に沿って移動可能に配置されている。
【0033】
図8に示すように、側壁部121cの外部空間S4側の外周面121c2には、第1保温材121eが取り付けられている。側壁部121cの炉空間S0側の内周面121c1には、第1耐火材121fが取り付けられている。
【0034】
図8に示すように、移動部122の炉空間S0側の内周面122Aには、第2保温材122A1が取り付けられている。第2保温材122A1の炉空間S0側の内周面122Bには、第2耐火材122B1が取り付けられている。
【0035】
以上で説明した本実施形態の炭化炉100は、以下の作用および効果を奏する。
本実施形態の炭化炉100によれば、例えば炭化炉100を運搬する際には、容器120を収縮状態とすることで炭化炉100のサイズを小さくすることができる。炭化炉100を用いて被炭化物Wの燃焼及び炭化を行う際には、容器120を拡大状態とすることで大量の被炭化物Wを処理することができる。
【0036】
本実施形態の炭化炉100によれば、設置面11aに固定される固定部121の第1方向DR1の端部に形成される開口部121dを移動部で閉塞することにより炉空間S0を形成し、炉空間S0で被炭化物Wの燃焼及び炭化を行うことができる。移動部122が、固定部121が設置される設置面11aに対して水平方向である第1方向DR1に沿って移動可能に取り付けられる。そのため、切替機構130によって移動部122を第1方向DR1に沿って移動させることにより、収縮状態と拡大状態とを適切に切り替えることができる。
【0037】
本実施形態の炭化炉100によれば、操作者は、伝達部を操作することにより、設置面11aに対して容器120の移動部122を第1方向DR1に沿って移動させ、収縮状態と拡大状態とを適切に切り替えることができる。
【0038】
本実施形態の炭化炉100によれば、移動部122よりも外部空間S4側に配置される側壁部121cの外部空間S4側の外周面121c2に第1保温材121eが取り付けられている。これにより、炉空間S0から側壁部121cを介して外部空間S4へ熱が放出されることを適切に抑制することができる。また、側壁部121cよりも炉空間S0側に配置される移動部122の炉空間S0側の内周面122Bに第2保温材122A1が取り付けられている。これにより、炉空間S0から移動部122を介して外部空間S4へ熱が放出されることを適切に抑制することができる。
【0039】
本実施形態の炭化炉100によれば、水平方向に配置される第1床部140Aと第2床部140Bを第1方向DR1に沿った所定範囲PA1で重なった状態で配置することで、容器120を収縮状態とする場合に床140の第1方向DR1の長さを短くすることができる。また、第1床部140Aと第2床部140Bが第1方向DR1に沿った所定範囲PA1よりも狭い範囲で重なるか第1方向DR1に沿って重ならない状態で配置することで、容器120を拡大状態とする場合に床140の第1方向DR1の長さを適切に長くすることができる。
【0040】
本実施形態の炭化炉100によれば、容器120が、外部から着火用のバーナ200が挿入される挿入開口122c2を有しているので、容器120に貯留された被炭化物Wに着火することができる。
【0041】
〔第2実施形態〕
次に、本開示の第2実施形態に係る炭化炉100Aについて、図面を参照して説明する。第2実施形態は、第1実施形態の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとし、以下での説明を省略する。
【0042】
第1実施形態の炭化炉100の容器120は、固定部121の内側で移動部122を移動させることにより固定部121の開口部121dを移動部122で閉塞させるものであった。それに対して、本実施形態の炭化炉100Aの容器120は、固定部121の外側で移動部122を移動させることにより固定部121の開口部121dを移動部122で閉塞させるものである。
【0043】
図9は、本開示の第2実施形態に係る炭化炉100Aの容器120の断面図であり、容器120が第1方向DR1に沿って収縮した収縮状態を示す。
図10は、本開示の第2実施形態に係る炭化炉100Aの容器120の断面図であり、容器120が第1方向DR1に沿って拡大した拡大状態を示す。
図11は、
図9に示す炭化炉100Aを上方からみた平面図であり、容器120が第1方向DR1に沿って収縮した収縮状態を示す。
図12は、
図10に示す炭化炉100Aを上方からみた平面図であり、容器120が第1方向DR1に沿って拡大した拡大状態を示す。
【0044】
図9から
図12に示すように、本実施形態の炭化炉100Aの容器120は、固定部121の外側で移動部122を移動させることにより固定部121の開口部121dを移動部122で閉塞させるものである。
【0045】
ここで、容器120の保温構造について
図13を参照して説明する。
図13は、
図12に示す容器120のD部分の断面図である。
図13に示すように、移動部122は、固定部121の側壁部121cの外部空間S4側の外周面121c2に沿って第1方向DR1に沿って移動可能に配置されている。
【0046】
図13に示すように、側壁部121cの炉空間S0側の内周面121c1には、第1保温材121eが取り付けられている。第1保温材121eの炉空間S0側の内周面121e1には、第1耐火材121fが取り付けられている。これにより、炉空間S0から側壁部121cを介して外部空間S4へ熱が放出されることを適切に抑制することができる。
【0047】
図13に示すように、移動部122の外部空間S4側の外周面122Cには、第2保温材122C1が取り付けられている。移動部122の炉空間S0側の内周面122Dには、第2耐火材122D1が取り付けられている。これにより、炉空間S0から移動部122を介して外部空間S4へ熱が放出されることを適切に抑制することができる。
【0048】
〔第3実施形態〕
次に、本開示の第3実施形態に係る炭化炉100Bについて、図面を参照して説明する。第3実施形態は、第1実施形態の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとし、以下での説明を省略する。
【0049】
第1実施形態の炭化炉100が備える床140は、水平方向に配置される第1床部140Aと第2床部140Bとを有し、第2床部140Bを移動部122とともに第1方向DR1に沿って移動させるものであった。それに対して、本実施形態の炭化炉100Bが備える床141Bは、第1方向DR1に直交する第2方向DR2に沿って延びる軸線Xに沿って折り畳み可能に構成された第1床部142Bと第2床部143Bとを有する。
【0050】
図14は、本開示の第3実施形態に係る炭化炉100Bの容器120の断面図であり、容器120が第1方向DR1に沿って収縮した収縮状態を示す。
図15は、本開示の第3実施形態に係る炭化炉100Bの容器120の断面図であり、容器120が第1方向DR1に沿って拡大した拡大状態を示す。
【0051】
図14に示すように、収縮状態においては第1床部142Bと第2床部143Bとが異なる平面上に配置されるように軸線Xを中心に折り畳まれている。一方、
図15に示すように、拡大状態においては第1床部142Bと第2床部143Bとが水平方向に配置されている。
【0052】
本実施形態の炭化炉100Bによれば、軸線Xに沿って折り畳み可能に構成された第1床部142Bと第2床部143Bとを異なる平面上に配置するように折り畳むことで、容器120を収縮状態とする場合に床141Bの第1方向DR1の長さを短くすることができる。また、第1床部142Bと第2床部143Bとを水平方向に配置することで、容器120を拡大状態とする場合に床141Bの第1方向DR1の長さを適切に長くすることができる。
【0053】
以上で説明した本実施形態に係る炭化炉は、例えば、以下のように把握される。
本開示の第1態様に係る炭化炉(100)は、原料としての被炭化物(W)の燃焼及び炭化が行われる炉空間(S0)を内部に形成する容器(120)と、水平方向である第1方向(DR1)において前記容器が第1長さ(L1)となる収縮状態と前記第1長さよりも長い第2長さ(L2)となる拡大状態とを切り替える切替機構(130)と、を備える。
【0054】
本開示の第1態様に係る炭化炉によれば、例えば炭化炉を運搬する際には、容器を収縮状態とすることで炭化炉のサイズを小さくすることができる。炭化炉を用いて被炭化物の燃焼及び炭化を行う際には、容器を拡大状態とすることで大量の被炭化物を処理することができる。
【0055】
本開示の第2態様に係る炭化炉は、第1態様において、更に以下の構成を備える。すなわち、前記容器は、設置面(11a)に固定される固定部(121)と、前記設置面に対して水平方向である第1方向(DR1)に沿って移動可能に取り付けられる移動部(122)と、を有し、前記固定部は、鉛直方向に延びるとともに前記第1方向に沿って配置される一対の側壁部(121c)と、前記一対の側壁部の上端に接続されるとともに前記第1方向と直交する水平方向である第2方向(DR2)に沿って延びる蓋部(121a)と、前記第1方向の端部に形成された開口部(121d)と、を有し、前記移動部は、前記開口部を閉塞して前記固定部とともに前記炉空間を形成し、前記切替機構は、前記設置面に固定されるとともに前記第1方向に沿って延びるように形成される支持部(131)と、前記移動部の下端に固定されるとともに前記支持部に前記第1方向に沿って移動可能に取り付けられる取付部(132)と、を備える。
【0056】
本開示の第2態様に係る炭化炉によれば、設置面に固定される固定部の第1方向の端部に形成される開口部を移動部で閉塞することにより炉空間を形成し、炉空間で被炭化物の燃焼及び炭化を行うことができる。移動部が、固定部が設置される設置面に対して水平方向である第1方向に沿って移動可能に取り付けられる。そのため、切替機構によって移動部を第1方向に沿って移動させることにより、収縮状態と拡大状態とを適切に切り替えることができる。
【0057】
本開示の第3態様に係る炭化炉は、第2態様において、更に以下の構成を備える。すなわち、前記切替機構は、前記設置面に対して前記容器を前記第1方向に沿って移動させるための操作者の操作を前記移動部に伝達する伝達部(11b,122b1,122b2)と、を備える。
【0058】
本開示の第3態様に係る炭化炉によれば、操作者は、伝達部を操作することにより、設置面に対して容器を第1方向に沿って移動させ、収縮状態と拡大状態とを適切に切り替えることができる。
【0059】
本開示の第4態様に係る炭化炉は、第2態様または第3態様において、更に以下の構成を備える。すなわち、前記固定部の前記側壁部の前記炉空間側の内周面(121c1)に沿って前記第1方向に沿って移動可能に前記移動部が配置されており、前記側壁部の外部空間側の外周面(121c2)には、第1保温材(121e)が取り付けられており、前記移動部の前記炉空間側の内周面(122A)には、第2保温材(122A1)が取り付けられている。
【0060】
本開示の第4態様に係る炭化炉によれば、移動部よりも外部空間側に配置される側壁部の外部空間側の外周面に第1保温材が取り付けられている。これにより、炉空間から側壁部を介して外部空間へ熱が放出されることを適切に抑制することができる。また、側壁部よりも炉空間側に配置される移動部の炉空間側の内周面に第2保温材が取り付けられている。これにより、炉空間から移動部を介して外部空間へ熱が放出されることを適切に抑制することができる。
【0061】
本開示の第5態様に係る炭化炉は、第2態様または第3態様において、更に以下の構成を備える。すなわち、前記固定部の前記側壁部の外部空間側の外周面(121c2)に沿って前記第1方向に沿って移動可能に前記移動部が配置されており、前記側壁部の前記炉空間側の内周面(121c1)に第1保温材(121e)が取り付けられており、前記移動部の前記外部空間側の外周面(122C)に第2保温材(122C1)が取り付けられている。
【0062】
本開示の第5態様に係る炭化炉によれば、移動部よりも炉空間側に配置される側壁部の炉空間側の内周面に第1保温材が取り付けられている。これにより、炉空間から側壁部を介して外部空間へ熱が放出されることを適切に抑制することができる。また、側壁部よりも外部空間側に配置される移動部の外部空間側の外周面に第2保温材が取り付けられている。これにより、炉空間から移動部を介して外部空間へ熱が放出されることを適切に抑制することができる。
【0063】
本開示の第6態様に係る炭化炉は、第1態様または第2態様において、更に以下の構成を備える。すなわち、前記床(140)は、水平方向に配置される第1床部(140A)と第2床部(140B)とを有し、前記収縮状態においては前記第1床部と前記第2床部が前記第1方向に沿った所定範囲で重なった状態で配置され、前記拡大状態においては前記第1床部と前記第2床部が前記第1方向に沿った前記所定範囲よりも狭い範囲で重なるか前記第1方向に沿って重ならない状態で配置される。
【0064】
本開示の第6態様に係る炭化炉によれば、水平方向に配置される第1床部と第2床部を第1方向に沿った所定範囲で重なった状態で配置することで、容器を収縮状態とする場合に床部の第1方向の長さを短くすることができる。また、第1床部と第2床部が第1方向に沿った所定範囲よりも狭い範囲で重なるか第1方向に沿って重ならない状態で配置することで、容器を拡大状態とする場合に床部の第1方向の長さを適切に長くすることができる。
【0065】
本開示の第7態様に係る炭化炉は、第1態様において、更に以下の構成を備える。すなわち、前記床(141B)は、前記第1方向に直交する第2方向に沿って延びる軸線(X)に沿って折り畳み可能に構成された第1床部(142B)と第2床部(143B)とを有し、前記拡大状態においては前記第1床部と前記第2床部とが同一平面上に配置され、前記収縮状態においては前記第1床部と前記第2床部とが異なる平面上に配置される。
【0066】
本開示の第7態様に係る炭化炉によれば、軸線に沿って折り畳み可能に構成された第1床部と第2床物とを異なる平面上に配置するように折り畳むことで、容器を収縮状態とする場合に床の第1方向の長さを短くすることができる。また、第1床部と第2床部とを水平方向に配置することで、容器を拡大状態とする場合に床の第1方向の長さを適切に長くすることができる。
【0067】
本開示の第8態様に係る炭化炉は、第1態様または第2態様において、更に以下の構成を備える。すなわち、前記容器は、外部から着火用のバーナ(200)が挿入される挿入開口(122c2)を有している。
【0068】
本開示の第8態様に係る炭化炉によれば、容器が外部から着火用のバーナが挿入される挿入開口を有しているので、容器に貯留された被炭化物に着火することができる。
【符号の説明】
【0069】
10 車両
11 車台
11a 設置面
11b ハンドル
12 支持脚
100,100A,100B 炭化炉
120 容器
121 固定部
121a 蓋部
121b 底部
121c 側壁部
121c1 内周面
121c2 外周面
121d 開口部
121e 第1保温材
121e1 内周面
121f 第1耐火材
122 移動部
122A 内周面
122A1 第2保温材
122B 内周面
122B1 第2耐火材
122C 外周面
122C1 第2保温材
122D 内周面
122D1 第2耐火材
122a 蓋部
122b 底部
122b1 ラック
122b2 ピニオンギア
122c 側壁部
122c1 吸気開口
122c2 挿入開口
130 切替機構
131 支持部
132 取付部
140 床
140A 第1床部
140B 第2床部
141 連通部
141B 床
142B 第1床部
143B 第2床部
160 煙突
200 バーナ
DR1 第1方向
DR2 第2方向
PA1 所定範囲
S 設置面
S0 炉空間
S1 上部空間
S2 下部空間
S4 外部空間
VD 鉛直方向
W 被炭化物
X 軸線
【手続補正書】
【提出日】2024-04-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料としての被炭化物の燃焼及び炭化が行われる炉空間を内部に形成する容器と、
水平方向である第1方向において前記容器が第1長さとなる収縮状態と前記第1長さよりも長い第2長さとなる拡大状態とを切り替える切替機構と、
前記拡大状態において前記容器の底部の上方の所定位置に設けられ、前記炉空間を、前記被炭化物を貯留するための上部空間と前記上部空間の下方の下部空間とに仕切る床と、を備え、
前記床には、前記上部空間に貯留された前記被炭化物を前記下部空間に落下させることなく、燃焼排ガスを含む気体を前記上部空間から前記下部空間に導く連通部が形成されている炭化炉。
【請求項2】
前記容器は、
設置面に固定される固定部と、
前記第1方向に沿って移動可能に取り付けられる移動部と、を有し、
前記固定部は、鉛直方向に延びるとともに前記第1方向に沿って配置される一対の側壁部と、前記一対の側壁部の上端に接続されるとともに前記第1方向と直交する水平方向である第2方向に沿って延びる蓋部と、前記第1方向の端部に形成される開口部と、を有し、
前記移動部は、前記開口部を閉塞して前記固定部とともに前記炉空間を形成し、
前記切替機構は、
前記設置面に固定されるとともに前記第1方向に沿って延びるように形成される支持部と、
前記移動部の下端に固定されるとともに前記支持部に前記第1方向に沿って移動可能に取り付けられる取付部と、を備える請求項1に記載の炭化炉。
【請求項3】
前記切替機構は、前記設置面に対して前記容器を前記第1方向に沿って移動させるための操作者の操作を前記移動部に伝達する伝達部と、を備える請求項2に記載の炭化炉。
【請求項4】
前記固定部の前記側壁部の前記炉空間側の内周面に沿って前記第1方向に沿って移動可能に前記移動部が配置されており、
前記側壁部の外部空間側の外周面には、第1保温材が取り付けられており、
前記移動部の前記炉空間側の内周面には、第2保温材が取り付けられている請求項2または請求項3に記載の炭化炉。
【請求項5】
前記固定部の前記側壁部の外部空間側の外周面に沿って前記第1方向に沿って移動可能に前記移動部が配置されており、
前記側壁部の前記炉空間側の内周面に第1保温材が取り付けられており、
前記移動部の前記外部空間側の外周面に第2保温材が取り付けられている請求項2または請求項3に記載の炭化炉。
【請求項6】
前記床は、水平方向に配置される第1床部と第2床部とを有し、
前記収縮状態においては前記第1床部と前記第2床部が前記第1方向に沿った所定範囲で重なった状態で配置され、前記拡大状態においては前記第1床部と前記第2床部が前記第1方向に沿った前記所定範囲よりも狭い範囲で重なるか前記第1方向に沿って重ならない状態で配置される請求項1または請求項2に記載の炭化炉。
【請求項7】
前記床は、前記第1方向に直交する第2方向に沿って延びる軸線に沿って折り畳み可能に構成された第1床部と第2床部とを有し、
前記拡大状態においては前記第1床部と前記第2床部とが水平方向に配置され、前記収縮状態においては前記第1床部と前記第2床部とが異なる平面上に配置されるように折り畳まれている請求項1に記載の炭化炉。
【請求項8】
前記容器は、外部から着火用のバーナが挿入される挿入開口を有している請求項1または請求項2に記載の炭化炉。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示の炭化炉は、以下の手段を採用する。
本開示の一態様に係る炭化炉は、原料としての被炭化物の燃焼及び炭化が行われる炉空間を内部に形成する容器と、水平方向である第1方向において前記容器が第1長さとなる収縮状態と前記第1長さよりも長い第2長さとなる拡大状態とを切り替える切替機構と、前記拡大状態において前記容器の底部の上方の所定位置に設けられ、前記炉空間を、前記被炭化物を貯留するための上部空間と前記上部空間の下方の下部空間とに仕切る床と、を備え、前記床には、前記上部空間に貯留された前記被炭化物を前記下部空間に落下させることなく、燃焼排ガスを含む気体を前記上部空間から前記下部空間に導く連通部が形成されている。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料としての被炭化物の燃焼及び炭化が行われる炉空間を内部に形成する容器と、
水平方向である第1方向において前記容器が第1長さとなる収縮状態と前記第1長さよりも長い第2長さとなる拡大状態とを切り替える切替機構と、
前記拡大状態において前記容器の底部の上方の所定位置に設けられ、前記炉空間を、前記被炭化物を貯留するための上部空間と前記上部空間の下方の下部空間とに仕切る床と、を備え、
前記床には、前記上部空間に貯留された前記被炭化物を前記下部空間に落下させることなく、燃焼排ガスを含む気体を前記上部空間から前記下部空間に導く連通部が形成されており、
前記床は、前記第1方向に直交する水平方向である第2方向に沿って延びる軸線に沿って折り畳み可能に構成された第1床部と第2床部とを有し、
前記切替機構は、前記容器を前記第1長さとする前記収縮状態においては前記第1床部と前記第2床部とが異なる平面上に配置されるように折り畳まれた状態とし、前記容器を前記第2長さとする前記拡大状態においては前記第1床部と前記第2床部とが水平方向に配置された状態とする炭化炉。
【請求項2】
前記容器は、
設置面に固定される固定部と、
前記第1方向に沿って移動可能に取り付けられる移動部と、を有し、
前記固定部は、鉛直方向に延びるとともに前記第1方向に沿って配置される一対の側壁部と、前記一対の側壁部の上端に接続されるとともに前記第2方向に沿って延びる蓋部と、前記第1方向の端部に形成される開口部と、を有し、
前記移動部は、前記開口部を閉塞して前記固定部とともに前記炉空間を形成し、
前記切替機構は、
前記設置面に固定されるとともに前記第1方向に沿って延びるように形成される支持部と、
前記移動部の下端に固定されるとともに前記支持部に前記第1方向に沿って移動可能に取り付けられる取付部と、を備える請求項1に記載の炭化炉。
【請求項3】
前記切替機構は、前記設置面に対して前記容器を前記第1方向に沿って移動させるための操作者の操作を前記移動部に伝達する伝達部と、を備える請求項2に記載の炭化炉。
【請求項4】
前記固定部の前記側壁部の前記炉空間側の内周面に沿って前記第1方向に沿って移動可能に前記移動部が配置されており、
前記側壁部の外部空間側の外周面には、第1保温材が取り付けられており、
前記移動部の前記炉空間側の内周面には、第2保温材が取り付けられている請求項2または請求項3に記載の炭化炉。
【請求項5】
前記固定部の前記側壁部の外部空間側の外周面に沿って前記第1方向に沿って移動可能に前記移動部が配置されており、
前記側壁部の前記炉空間側の内周面に第1保温材が取り付けられており、
前記移動部の前記外部空間側の外周面に第2保温材が取り付けられている請求項2または請求項3に記載の炭化炉。
【請求項6】
前記容器は、外部から着火用のバーナが挿入される挿入開口を有している請求項1または請求項2に記載の炭化炉。