(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025093130
(43)【公開日】2025-06-23
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
B41J 15/16 20060101AFI20250616BHJP
B65H 19/30 20060101ALI20250616BHJP
【FI】
B41J15/16
B65H19/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023208680
(22)【出願日】2023-12-11
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095452
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 博樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130535
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 明
(74)【代理人】
【識別番号】100183025
【弁理士】
【氏名又は名称】大角 孝一
(72)【発明者】
【氏名】中山 裕之
【テーマコード(参考)】
2C060
3F064
【Fターム(参考)】
2C060CA03
2C060CA13
3F064EB14
(57)【要約】
【課題】印刷装置の高さを低く抑えつつ媒体の巻き取り品質の低下を抑制する。
【解決手段】印刷部5と、巻取部6と、ステー41と、巻取部6をステー41に対して支持方向において支持するとともに延在方向に移動可能なスライダー部42と、を備え、ステー41は上面41cと支持方向の一方に向く第1面41aと支持方向の他方に向く第2面41bとを有し、スライダー部42は、第1面41aと接触する第1接触部42aと、第2面41bと接触する第2接触部42bと、上面41cと接触する第3接触部42cと、第1面41aまたは第2面41bに押し当ててスライダー部42の延在方向における移動を抑制する移動抑制部44cと、を有し、移動抑制部44cは、巻取部6の自重によるステー41に対する回転モーメントを助長する方向にステー41に対して押し当てられることでスライダー部42の延在方向における移動を抑制する構成となっている印刷装置1。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に印刷する印刷部と、
前記媒体が巻回される紙管を前記紙管の軸線方向で挟み込むように支持し、前記媒体を巻き取る巻取部と、
前記巻取部に前記紙管が支持された際の前記軸線方向と平行である延在方向に設けられるステーと、
前記巻取部を前記ステーに対して、鉛直方向及び前記延在方向と交差する支持方向において支持するとともに、前記延在方向に移動可能なスライダー部と、
を備え、
前記ステーは、鉛直上方向に向く上面と、前記支持方向のうちの一方に向く第1面と、前記支持方向のうちの前記第1面とは反対方向に向く第2面と、を有し、
前記スライダー部は、前記第1面と接触する第1接触部と、前記第2面と接触する第2接触部と、前記上面と接触する第3接触部と、前記第1面または前記第2面に押し当てて前記スライダー部の前記延在方向における移動を抑制する移動抑制部と、を有し、
前記移動抑制部は、前記巻取部の自重による前記ステーに対する回転モーメントを助長する方向に前記ステーに対して押し当てられることで前記スライダー部の前記延在方向における移動を抑制する構成となっていることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載された印刷装置において、
前記移動抑制部は、前記第1接触部及び前記第2接触部よりも鉛直下方向に位置するとともに、前記第2面に押し当てて前記スライダー部の前記延在方向における移動を抑制し、
前記巻取部は、前記ステーに対して、前記支持方向において前記第1面側に設けられ、
前記第1接触部は、前記第2接触部より鉛直下方向に位置することを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載された印刷装置において、
前記スライダー部は、前記移動抑制部を前記支持方向に移動させる操作部を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載された印刷装置において、
前記第1接触部、前記第2接触部及び前記第3接触部の少なくとも1つは、前記ステーに対して接触した状態で従動回転するローラーを有することを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
媒体に印刷する印刷部と、
前記媒体が巻回されたロール体の紙管を前記紙管の軸線方向で挟み込むように支持し、前記媒体を前記印刷部に供給する供給部と、
前記供給部に前記紙管が支持された際の前記軸線方向と平行である延在方向に設けられるステーと、
前記供給部を前記ステーに対して、鉛直方向及び前記延在方向と交差する支持方向において支持するとともに、前記延在方向に移動可能なスライダー部と、
を備え、
前記ステーは、鉛直上方向に向く上面と、前記支持方向のうちの一方に向く第1面と、前記支持方向のうちの前記第1面とは反対方向に向く第2面と、を有し、
前記スライダー部は、前記第1面と接触する第1接触部と、前記第2面と接触する第2接触部と、前記上面と接触する第3接触部と、前記第1面または前記第2面に押し当てて前記スライダー部の前記延在方向における移動を抑制する移動抑制部と、を有し、
前記移動抑制部は、前記供給部の自重による前記ステーに対する回転モーメントを助長する方向に前記ステーに対して押し当てられることで前記スライダー部の前記延在方向における移動を抑制する構成となっていることを特徴とする印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、様々な印刷装置が使用されている。このうち、媒体に印刷する印刷部と、媒体が巻回される紙管を軸線方向で挟み込むように支持して媒体を巻き取る巻取部と、を備える印刷装置がある。例えば、特許文献1には、媒体に印刷するヘッドと、媒体が巻回される紙管を軸線方向で挟み込むように支持して媒体を巻き取る巻取軸を備える保持部と、を備え、保持部を角形断面のレール部に対して鉛直上方向に配置している印刷装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の印刷装置は、保持部を角形断面のレール部に対して鉛直上方向に配置しているので、保持部の鉛直方向における高さが高くなり、印刷装置が高さ方向において大きくなる傾向になっていた。そのため、例えば、保持部の巻取軸の配置を、レール部に対して鉛直上方向に配置させる構成からレール部に対して水平方向に配置させる構成などとするように、変えることが考えられる。しかしながら、巻取軸の配置をレール部に対して水平方向に配置させる構成などとすると、レール部を基準に、すなわち、レール部を回転軸として、巻取軸が回転しやすくなるが、紙管を挟み込む一方側の巻取軸と他方側の巻取軸とでは回転量が同じにならない場合がある。そのため、鉛直方向における巻取軸の位置が変化して、幅方向の両端部における媒体の搬送距離のずれや媒体の搬送方向のずれなどが生じ、媒体の巻き取り品質が低下する虞がある。このように、印刷部と巻取部とを備える従来の印刷装置においては、印刷装置の高さを低く抑えつつ媒体の巻き取り品質の低下を抑制することが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための本発明の印刷装置は、媒体に印刷する印刷部と、前記媒体が巻回される紙管を前記紙管の軸線方向で挟み込むように支持し、前記媒体を巻き取る巻取部と、前記巻取部に前記紙管が支持された際の前記軸線方向と平行である延在方向に設けられるステーと、前記巻取部を前記ステーに対して、鉛直方向及び前記延在方向と交差する支持方向において支持するとともに、前記延在方向に移動可能なスライダー部と、を備え、前記ステーは、鉛直上方向に向く上面と、前記支持方向のうちの一方に向く第1面と、前記支持方向のうちの前記第1面とは反対方向に向く第2面と、を有し、前記スライダー部は、前記第1面と接触する第1接触部と、前記第2面と接触する第2接触部と、前記上面と接触する第3接触部と、前記第1面または前記第2面に押し当てて前記スライダー部の前記延在方向における移動を抑制する移動抑制部と、を有し、前記移動抑制部は、前記巻取部の自重による前記ステーに対する回転モーメントを助長する方向に前記ステーに対して押し当てられることで前記スライダー部の前記延在方向における移動を抑制する構成となっていることを特徴とする。
【0006】
また、上記課題を解決するための別の本発明の印刷装置は、媒体に印刷する印刷部と、前記媒体が巻回されたロール体の紙管を前記紙管の軸線方向で挟み込むように支持し、前記媒体を前記印刷部に供給する供給部と、前記供給部に前記紙管が支持された際の前記軸線方向と平行である延在方向に設けられるステーと、前記供給部を前記ステーに対して、鉛直方向及び前記延在方向と交差する支持方向において支持するとともに、前記延在方向に移動可能なスライダー部と、を備え、前記ステーは、鉛直上方向に向く上面と、前記支持方向のうちの一方に向く第1面と、前記支持方向のうちの前記第1面とは反対方向に向く第2面と、を有し、前記スライダー部は、前記第1面と接触する第1接触部と、前記第2面と接触する第2接触部と、前記上面と接触する第3接触部と、前記第1面または前記第2面に押し当てて前記スライダー部の前記延在方向における移動を抑制する移動抑制部と、を有し、前記移動抑制部は、前記供給部の自重による前記ステーに対する回転モーメントを助長する方向に前記ステーに対して押し当てられることで前記スライダー部の前記延在方向における移動を抑制する構成となっていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施例に係る印刷装置の概略側面断面図。
【
図3】
図1の印刷装置の巻取機構周辺を表す側面断面図であって、ステーに対してスライダー部が幅方向Bに移動可能な移動可能状態を表す図。
【
図4】
図1の印刷装置の巻取機構周辺を表す側面断面図であって、ステーに対してスライダー部が幅方向Bに移動しないように移動を抑制する移動抑制状態を表す図。
【
図5】参考例の印刷装置の巻取機構周辺を表す側面断面図であって、ステーに対してスライダー部が幅方向Bに移動可能な移動可能状態を表す図。
【
図6】
図5の印刷装置の巻取機構周辺を表す側面断面図であって、ステーに対してスライダー部が幅方向Bに移動しないように移動を抑制する移動抑制状態を表す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
最初に、本発明について概略的に説明する。
上記課題を解決するための本発明の第1の態様の印刷装置は、媒体に印刷する印刷部と、前記媒体が巻回される紙管を前記紙管の軸線方向で挟み込むように支持し、前記媒体を巻き取る巻取部と、前記巻取部に前記紙管が支持された際の前記軸線方向と平行である延在方向に設けられるステーと、前記巻取部を前記ステーに対して、鉛直方向及び前記延在方向と交差する支持方向において支持するとともに、前記延在方向に移動可能なスライダー部と、を備え、前記ステーは、鉛直上方向に向く上面と、前記支持方向のうちの一方に向く第1面と、前記支持方向のうちの前記第1面とは反対方向に向く第2面と、を有し、前記スライダー部は、前記第1面と接触する第1接触部と、前記第2面と接触する第2接触部と、前記上面と接触する第3接触部と、前記第1面または前記第2面に押し当てて前記スライダー部の前記延在方向における移動を抑制する移動抑制部と、を有し、前記移動抑制部は、前記巻取部の自重による前記ステーに対する回転モーメントを助長する方向に前記ステーに対して押し当てられることで前記スライダー部の前記延在方向における移動を抑制する構成となっていることを特徴とする。
【0009】
本態様によれば、延在方向に設けられるステーと、巻取部をステーに対して、鉛直方向及び延在方向と交差する支持方向において支持するとともに、延在方向に移動可能なスライダー部と、を備える。このような構成とすることで、巻取部をステーに対して略水平方向に配置させる構成などとすることができ、印刷装置の高さを低く抑えることができる。また、ステーは、鉛直上方向に向く上面と、支持方向のうちの一方及び他方に向く第1面及び第2面と、を有し、スライダー部は、第1面と接触する第1接触部と、第2面と接触する第2接触部と、上面と接触する第3接触部と、第1面または第2面に押し当ててスライダー部の延在方向における移動を抑制する移動抑制部と、を有する。このような構成とすることで、第1面と第1接触部とを接触させ、第2面と第2接触部とを接触させ、上面と第3接触部とを接触させ、移動抑制部でステーに対してスライダー部を固定することでステーを基準に巻取部が回転することを抑制することができる。そして、移動抑制部は、第1面または第2面に押し当ててスライダー部の延在方向における移動を抑制するとともに、巻取部の自重によるステーに対する回転モーメントを助長する方向にステーに対して押し当てられることでスライダー部の延在方向における移動を抑制する構成となっている。このような構成とすることで、移動抑制部により、ステーに対するスライダー部の延在方向における移動を抑制させる際においても、ステーを基準に巻取部が回転することを効果的に抑制することができる。したがって、印刷装置の高さを低く抑えつつ媒体の巻き取り品質の低下を抑制することができる。
【0010】
本発明の第2の態様の印刷装置は、第1の態様に従属する態様であって、前記移動抑制部は、前記第1接触部及び前記第2接触部よりも鉛直下方向に位置するとともに、前記第2面に押し当てて前記スライダー部の前記延在方向における移動を抑制し、前記巻取部は、前記ステーに対して、前記支持方向において前記第1面側に設けられ、前記第1接触部は、前記第2接触部より鉛直下方向に位置することを特徴とする。
【0011】
本態様によれば、移動抑制部は第1接触部及び第2接触部よりも鉛直下方向に位置するとともに、第2面に押し当ててスライダー部の延在方向における移動を抑制し、巻取部はステーに対して支持方向において第1面側に設けられ、第1接触部は第2接触部より鉛直下方向に位置する。このような構成とすることで、特に好適に、ステーを基準に巻取部が回転することを抑制することができる。
【0012】
本発明の第3の態様の印刷装置は、前記第1または第2の態様に従属する態様であって、前記スライダー部は、前記移動抑制部を前記支持方向に移動させる操作部を備えることを特徴とする。
【0013】
本態様によれば、スライダー部は移動抑制部を支持方向に移動させる操作部を備える。このような構成とすることで、作業者は、操作部を用いて簡単に、ステーに対するスライダー部の延在方向における移動を抑制させることができる。
【0014】
本発明の第4の態様の印刷装置は、前記第1または第2の態様に従属する態様であって、前記第1接触部、前記第2接触部及び前記第3接触部の少なくとも1つは、前記ステーに対して接触した状態で従動回転するローラーを有することを特徴とする。
【0015】
本態様によれば、第1接触部、第2接触部及び第3接触部の少なくとも1つは、ステーに対して接触した状態で従動回転するローラーを有する。このような構成とすることで、ステーに対してスライダー部を簡単に延在方向に移動させることができる。
【0016】
本発明の第5の態様の印刷装置は、媒体に印刷する印刷部と、前記媒体が巻回されたロール体の紙管を前記紙管の軸線方向で挟み込むように支持し、前記媒体を前記印刷部に供給する供給部と、前記供給部に前記紙管が支持された際の前記軸線方向と平行である延在方向に設けられるステーと、前記供給部を前記ステーに対して、鉛直方向及び前記延在方向と交差する支持方向において支持するとともに、前記延在方向に移動可能なスライダー部と、を備え、前記ステーは、鉛直上方向に向く上面と、前記支持方向のうちの一方に向く第1面と、前記支持方向のうちの前記第1面とは反対方向に向く第2面と、を有し、前記スライダー部は、前記第1面と接触する第1接触部と、前記第2面と接触する第2接触部と、前記上面と接触する第3接触部と、前記第1面または前記第2面に押し当てて前記スライダー部の前記延在方向における移動を抑制する移動抑制部と、を有し、前記移動抑制部は、前記供給部の自重による前記ステーに対する回転モーメントを助長する方向に前記ステーに対して押し当てられることで前記スライダー部の前記延在方向における移動を抑制する構成となっていることを特徴とする。
【0017】
本態様によれば、延在方向に設けられるステーと、供給部をステーに対して、鉛直方向及び延在方向と交差する支持方向において支持するとともに、延在方向に移動可能なスライダー部と、を備える。このような構成とすることで、供給部をステーに対して略水平方向に配置させる構成などとすることができ、印刷装置の高さを低く抑えることができる。なお、媒体を供給する際においても供給部の配置によっては媒体の巻き取り品質の低下を招くことがある。しかしながら、ステーは、鉛直上方向に向く上面と、支持方向のうちの一方及び他方に向く第1面及び第2面と、を有し、スライダー部は、第1面と接触する第1接触部と、第2面と接触する第2接触部と、上面と接触する第3接触部と、第1面または第2面に押し当ててスライダー部の延在方向における移動を抑制する移動抑制部と、を有する。このような構成とすることで、第1面と第1接触部とを接触させ、第2面と第2接触部とを接触させ、上面と第3接触部とを接触させ、移動抑制部でステーに対してスライダー部を固定することで、ステーを基準に供給部が回転することを抑制することができる。そして、移動抑制部は、第1面または第2面に押し当ててスライダー部の延在方向における移動を抑制するとともに、供給部の自重によるステーに対する回転モーメントを助長する方向にステーに対して押し当てられることでスライダー部の延在方向における移動を抑制する構成となっている。このような構成とすることで、移動抑制部により、ステーに対するスライダー部の延在方向における移動を抑制させる際においても、ステーを基準に供給部が回転することを効果的に抑制することができる。したがって、印刷装置の高さを低く抑えつつ媒体の巻き取り品質の低下を抑制することができる。
【0018】
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を具体的に説明する。最初に、
図1を参照して本発明の一実施例に係る印刷装置1の概要について説明する。なお、
図1においては、構成を分かり易くするために一部の構成部材を簡略化及び省略して表している。ここで、図中のX軸方向は水平方向であって媒体Mがロール状に巻き重ねられたロール体R1を保持する供給部2の支持部の延びる方向であり、Y軸方向は水平方向であるとともに印刷装置1の前後方向であってX軸方向と直交する方向、Z軸方向は鉛直方向である。また、以下においては、矢印の向く方向を+方向、矢印の向く方向とは反対方向を-方向とする。例えば、鉛直上方向は+Z方向、鉛直下方向は-Z方向、印刷装置1の前方は+Y方向、印刷装置1の後方は-Y方向とする。
【0019】
本実施例の印刷装置1は、本体部9を備えており、本体部9のX軸方向の両端近傍部分には、脚フレーム7が取り付けられている。また、本実施例の印刷装置1は、本体部9の後方側である-Y方向側に媒体Mがロール状に巻き重ねられたロール体R1を軸部21で保持する供給部2を備えている。供給部2の軸部21は、ロール体R1の巻き芯である紙管MPに挿入する部材であり、媒体Mが巻回されたロール体R1の紙管MPを紙管MPの軸線方向(X軸方向)で挟み込むように支持し、媒体Mを印刷部としてのヘッド5と対向する位置に供給する供給部の役割をしている。
【0020】
そして、本実施例の印刷装置1においては、媒体Mを搬送方向Aに搬送する際、X軸方向に沿う回転軸となる供給部2の軸部21を回転方向Cに回転する。なお、
図1では画像が形成される画像形成面M1が外側になるように巻かれているロール体R1を使用しているが、画像形成面M1が内側になるように巻かれているロール体R1を使用する場合は、供給部2の軸部21は回転方向Cとは逆方向に回転してロール体R1から媒体Mを送り出すことが可能である。
【0021】
また、本実施例の印刷装置1は、媒体Mを支持面30で支持する媒体支持部3などからなる媒体Mの搬送経路を備えている。本実施例の印刷装置1は、媒体支持部3として、搬送方向Aにおける上流側から下流側に向かって、上流側媒体支持部3A、媒体支持部3B及び下流側媒体支持部3Cを備えている。また、印刷装置1は、該搬送経路において媒体Mを搬送方向Aに搬送するための搬送部として、駆動ローラーと従動ローラーとからなるローラー対8を備えている。ただし、搬送部の構成に特に限定はない。
【0022】
また、本実施例の印刷装置1は、媒体支持部3Bと対向可能であり、複数のノズルが設けられ該ノズルから液体であるインクを吐出して画像を形成する印刷部としてのヘッド5と、該ヘッド5を搭載して幅方向Bに往復移動可能なキャリッジ4と、を備えている。なお、本実施例の印刷装置1では、媒体支持部3B上のヘッド5と対向する位置における搬送方向Aは+Y方向であり、ヘッド5の移動方向である幅方向BはX軸方向に沿う方向であり、インクの吐出方向は-Z方向である。
【0023】
上記のような構成により、ヘッド5は、搬送方向Aと交差する方向である幅方向Bに往復移動しながら、搬送される媒体Mに不図示のノズルからインクを吐出して画像を形成することが可能である。本実施例の印刷装置1は、所定の搬送量で媒体Mを搬送方向Aに搬送させることと、媒体Mを停止した状態でヘッド5を幅方向Bに移動させながらインクを吐出させることと、を送り返すことで、媒体Mに所望の画像を形成可能である。
【0024】
また、媒体支持部3のうちの下流側媒体支持部3Cには、媒体Mの画像形成面M1とは反対側の被支持面M2を加熱するための加熱部としてヒーター20が設けられている。本実施例のヒーター20は電熱線などで構成されるが、このような構成に限定されない。また、下流側媒体支持部3Cだけでなく、上流側媒体支持部3Aや媒体支持部3Bにも媒体Mの画像形成面M1とは反対側の被支持面M2を加熱する媒体加熱部を設けていてもよい。
【0025】
また、搬送経路における下流側媒体支持部3Cと対向する部分には、気流Fを吹き付けることによりヘッド5から媒体Mの画像形成面M1に吐出されたインクを乾燥させる送風部10が設けられている。本実施例の送風部10は、気流Fを発生するファン11を備え、気体を気流Fとして媒体Mの画像形成面M1に送風することが可能な構成となっているが、このような構成に限定されない。
【0026】
また、搬送方向Aにおける下流側媒体支持部3Cの下流には、搬送方向Aに搬送される媒体Mをロール状に巻き取ってロール体R2とする巻取機構40の一部を構成する巻取部6が設けられている。なお、本実施例の印刷装置1においては、供給部2と巻取部6とは同様の構成をしており、巻取部6は軸部61を備えている。そして、軸部61は回転方向Cに回転することが可能に構成されている。供給部2から巻取部6まで搬送される媒体Mは、巻取部6などにより所定の張力が付与された状態で搬送される。巻取部6の軸部61は、ロール体R2の巻き芯である紙管MPを挿入する部材である。
図1では、巻取部6の軸部61が回転方向Cに回転することで画像形成面M1が外側になるように巻かれているが、画像形成面M1が内側になるように媒体Mを巻き取ってもよい。その場合は、巻取部6の軸部61は回転方向Cとは逆方向に回転する。
【0027】
なお、搬送方向Aにおける下流側媒体支持部3Cと巻取部6との間には、ガイドバー100が設けられている。ガイドバー100は、幅方向Bから見て円弧状の接触面101を有している。そして、ガイドバー100は、接触面101が巻取部6に巻き取られる媒体Mの被支持面M2と接触することで媒体Mの搬送を案内する。ただし、ガイドバー100の構成に特に限定は無く、さらには、ガイドバー100を備えない構成であってもよい。
【0028】
上記のように、本実施例の印刷装置1は、媒体Mに印刷するヘッド5と、媒体Mを巻き取る巻取機構40と、を備えている。以下に、本実施例の印刷装置1の要部である巻取機構40の詳細について、
図2から
図6を参照して説明する。
【0029】
本実施例の巻取機構40は、
図2で表されるように、巻取部6を2つ有している。そして、2つの巻取部6の各々に設けられた軸部61で媒体Mが巻回される紙管MPを紙管MPの軸線方向(X軸方向)で挟み込むように支持して、媒体Mを巻き取ることが可能な構成となっている。また、本実施例の巻取機構40は、
図2から
図4で表されるように、巻取部6にロール体R2の巻き芯である紙管MPが支持された際の軸線方向と平行である延在方向(X軸方向)に設けられるステー41を備えている。
【0030】
さらに、本実施例の巻取機構40は、
図3及び
図4などで表されるように、巻取部6をステー41に対して鉛直方向(Z軸方向)及び延在方向(X軸方向)と交差する支持方向(Y軸方向)に配置されるように支持し、延在方向に移動可能な、スライダー部42を備えている。本実施例の印刷装置1は、このような構成としていることで、巻取部6をステー41に対して略水平方向に配置させる構成とすることができ、印刷装置1の高さを低く抑えることができている。
【0031】
ステー41は、
図3及び
図4で表されるように、鉛直上方向に向く上面41cと、支持方向であるY軸方向のうちの一方に向く+Y方向側の第1面41aと、支持方向のうちの第1面41aとは反対方向に向く-Y方向側の第2面41bと、を有している。また、スライダー部42は、第1面41aと接触する第1接触部としての第1ローラー42aと、第2面41bと接触する第2接触部としての第2ローラー42bと、上面41cと接触する第3接触部としての第3ローラー42cと、を有している。さらに、第2面41bに対して-Y方向側から+Y方向側に向けて押し当ててスライダー部42の延在方向における移動を抑制する移動抑制部としてのブレーキパッド44cを有する固定機構44を有している。本実施例の巻取機構40において、第1面41aは、ステー41に対して、巻取部6が位置する側の面である。
【0032】
本実施例の印刷装置1は、このような構成としていることで、第1面41aと第1ローラー42aとを接触させ、第2面41bと第2ローラー42bとを接触させ、上面41cと第3ローラー42cとを接触させ、ブレーキパッド44cでステー41に対してスライダー部42を固定することで、ステー41を基準に巻取部6が回転することを抑制することができている。また、ブレーキパッド44cを第1面41aまたは第2面41bに対して押し当てる構成とすることで、Y軸方向に沿ってブレーキパッド44cを移動させる構成とすることが容易となる。Y軸方向に沿ってブレーキパッド44cを移動させる構成とすることで、作業者はブレーキパッド44cを移動させる作業を行うことが容易になる。
【0033】
そして、
図3及び
図4で表されるように、ブレーキパッド44cは、第2面41bに対して-Y方向側から+Y方向側に向けて押し当ててスライダー部42の延在方向における移動を抑制するとともに、第1ローラー42a及び第2ローラー42bよりも鉛直下方向に位置する構成となっている。別の表現をすると、ブレーキパッド44cは、巻取部6の自重によるステー41に対する回転モーメントを助長する方向にステー41に対して押し当てられることでスライダー部42の延在方向における移動を抑制する構成となっている。
【0034】
詳細には、
図3及び
図4で表されるように、本実施例の巻取機構40においては、第1面41aと第1ローラー42aとの接触点T1では図中の矢印方向(-Y方向)にステー41に力F1がかかり、第2面41bと第2ローラー42bとの接触点T2では図中の矢印方向(+Y方向)にステー41に力F2がかかり、上面41cと第3ローラー42cとの接触点T3では図中の矢印方向(-Z方向)にステー41に力F3がかかる。このため、ステー41にかかる巻取部6の自重による回転モーメントの方向は、ステー41を回転軸とした図中の回転方向D2となる。
【0035】
一方、ステー41に対するスライダー部42の延在方向における移動を抑制させる際におけるブレーキパッド44cからステー41にかかる力F0は、矢印方向(+Y方向)となる。接触点T1は接触点T2よりも下方であり、ブレーキパッド44cの配置(接触点T0)は接触点T1よりも下方なので、接触点T0においてブレーキパッド44cからステー41に矢印方向(+Y方向)に力F0がかかることで、接触点T1ではさらに-Y方向に力がかかり、接触点T2ではさらに+Y方向に力がかかる。すなわち、ブレーキパッド44cは、巻取部6の自重によるステー41に対する回転モーメントを助長する方向にステー41に対して押し当てられることとなる。
【0036】
なお、接触点T0から接触点T1までのZ軸方向における距離を距離L3とし、接触点T1から接触点T2までのZ軸方向における距離を距離L4とすると、接触点T1では、力F1+力F0×(1+L3/L4)の力が-Y方向にかかる。一方、接触点T2では、力F2+力F0×(L3/L4)の力が+Y方向にかかる。
【0037】
本実施例の印刷装置1は、このような構成としていることで、ブレーキパッド44cにより、ステー41に対するスライダー部42の延在方向における移動を抑制させる際においても、ステー41を基準に巻取部6が回転することを効果的に抑制することができている。これは、ステー41とスライダー部42との接触点T1、接触点T2及び接触点T3が自重で接触する位置に配置されるとともに、巻取部6の自重による回転モーメントを助長する方向にステー41とスライダー部42とを押し当ててスライダー部42の延在方向における移動を抑制する構成となっているため、ステー41とスライダー部42とが接触点T1、接触点T2及び接触点T3で接触した状態を維持してブレーキパッド44cが移動するためである。
【0038】
なお、ステー41を基準に巻取部6が回転すると、例えば、2つの巻取部6のステー41に対する回転量の違いにより、
図2で表される幅方向Bの一方側端部の搬送長さL1と、
図2で表される幅方向Bの他方側端部の搬送長さL2と、が異なることになる。一方側端部の搬送長さL1と他方側端部の搬送長さL2との差が大きくなると、媒体Mの巻きずれや搬送ずれなどを生じる虞がある。本実施例の印刷装置1は、上記のような構成としていることで、一方側端部の搬送長さL1と他方側端部の搬送長さL2との差が大きくなることを抑制することができる。したがって、本実施例の印刷装置1は、印刷装置1の高さを低く抑えつつ媒体Mの巻き取り品質の低下を抑制することができる。
【0039】
また、本実施例においては、ブレーキパッド44cは、第1ローラー42a及び第2ローラー42bよりも鉛直下方向に位置し、巻取部6は、ステー41に対して、支持方向(Y軸方向)において第1面41a側(+Y方向側)に設けられ、第1ローラー42aは、第2ローラー42bより鉛直下方向に位置している。このような構成とすることで、特に好適に、ステー41を基準に巻取部6が回転することを抑制することができる。
【0040】
ただし、本発明はこのような構成に限定されない。接触点T1及び接触点T2がZ軸方向において同じ位置にあってもよいし、接触点T1よりも接触点T2が下方にあってもよい。これらのような場合、ブレーキパッド44cは、巻取部6の自重によるステー41に対する回転モーメントを助長する方向にステー41に対して押し当てられることでスライダー部42の延在方向における移動を抑制する構成となっていればよい。例えば、接触点T1よりも接触点T2が下方にあり、さらにその下方に接触点T0がある構成の場合は、ブレーキパッド44cを押し付ける方向は本実施例と逆方向、すなわち、第1面41aに対して押し付ける方向になる。
【0041】
ここで、固定機構44の詳細な構成について説明する。
図3及び
図4で表されるように、固定機構44は、ブレーキパッド44cに加え、作業者が把持して操作をするための操作部44aを備えている。さらに、ブレーキパッド44cと操作部44aとに接続され、操作部44aを回転させることでブレーキパッド44cの支持方向(Y軸方向)の位置を変えることが可能な回転軸44bを備えている。本実施例においては、作業者が+Y方向側から-Y方向側に見て、操作部44aを時計回りに回転させることで
図3の状態から
図4の状態、すなわち、ブレーキパッド44cを第2面41bに対して接近させる方向に移動することができ、操作部44aを反時計回りに回転させることで
図4の状態から
図3の状態、すなわち、ブレーキパッド44cを第2面41bに対して離間させる方向に移動することができる。
【0042】
別の表現をすると、本実施例の印刷装置1のスライダー部42は、ブレーキパッド44cを支持方向に移動させる操作部44aを備えている。このような構成とすることで、作業者は、操作部44aを用いて簡単に、ステー41に対するスライダー部42の延在方向における移動を抑制させることができる。ただし、固定機構44の構成に特に限定は無い。
【0043】
上記のように、本実施例の巻取機構40は、ステー41に対するスライダー部42の延在方向における移動を抑制させる際、すなわち、操作部44aを回転させてブレーキパッド44cを第2面41bに対して当接させる際、ステー41を基準に巻取部6が回転することを効果的に抑制することができる構成となっている。これは、本実施例の巻取機構40が、ステー41とスライダー部42との接触点T1、接触点T2及び接触点T3が自重で接触する位置に配置されるとともに、ブレーキパッド44cが第2面41bに当接する構成となっていることで、自重による回転モーメントを助長する方向にステー41とスライダー部42とを押し当ててスライダー部42の延在方向における移動を抑制する構成となっているためである。以下に、この構成について
図3及び
図4を参照するとともに、参考例の印刷装置の巻取機構40を表す
図5及び
図6を参照して、両者を比較しつつ説明する。
【0044】
図3で表されるように、本実施例の巻取機構40は、ステー41とスライダー部42との接触点T1、接触点T2及び接触点T3がスライダー部42などの自重で接触する位置に配置される。そして、
図3と
図4とを比較すると明らかなように、操作部44aを回転させてブレーキパッド44cをステー41に対して当接させる方向は、第2面41bに向かう方向、すなわち、+Y方向である。
図3で表される状態の際、接触点T1ではステー41はスライダー部42に対して-Y方向側に当接されているので、ブレーキパッド44cを第2面41bに向かう方向に当接させてもステー41はスライダー部42に対して移動しない。
【0045】
このため、
図3で表される状態から
図4で表される状態に変位させても、本実施例の巻取機構40は、ステー41とスライダー部42との位置関係、すなわち、ステー41に対する回転方向における巻取部6の位置は変化しない。別の表現をすると、
図3で表される状態及び
図4で表される状態のいずれにおいても、ステー41とスライダー部42とが、接触点T1、接触点T2及び接触点T3において接触している。
【0046】
次に、参考例の印刷装置の巻取機構40について説明する。
図5で表されるように、参考例の印刷装置の巻取機構40も、本実施例の巻取機構40と同様、ステー41とスライダー部42との接触点T1、接触点T2及び接触点T3がスライダー部42などの自重で接触する位置に配置される。しかしながら、参考例の印刷装置の巻取機構40においては、
図5と
図6とを比較すると明らかなように、操作部44aを回転させてブレーキパッド44cをステー41に対して当接させる方向は、第1面41aに向かう方向、すなわち、-Y方向である。別の表現をすると、接触点T1と接触点T2との間の位置でブレーキパッド44cが第1面41aに当接する構成となっていることで、自重による回転モーメントを助長する方向とは反対方向にステー41とスライダー部42とを押し当ててスライダー部42の延在方向における移動を抑制する構成となっている。
【0047】
このため、
図5で表される状態から
図6で表される状態に変位させると、参考例の印刷装置の巻取機構40は、ステー41を回転軸としてスライダー部42が回転方向D1に変化する。具体的には、
図5で表される状態では、ステー41とスライダー部42とが、接触点T1、接触点T2及び接触点T3で接触している。一方、
図6で表される状態では、ステー41とスライダー部42とが、接触点T1では接触しておらず、接触点T2及び接触点T3、さらに、接触点T4で接触している。このように、参考例の印刷装置においては、固定機構44の操作部44aの回転程度に応じて、ステー41に対する回転方向D1及び回転方向D2における巻取部6の位置が変位する。
【0048】
なお、本実施例の印刷装置1においては、ステー41に対して接触するスライダー部42の第1接触部、第2接触部及び第3接触部は、第1ローラー42a、第2ローラー42b及び第3ローラー42cであり、ステー41に対して接触した状態で従動回転するローラーである。このように、第1接触部、第2接触部及び第3接触部の少なくとも1つを、ステー41に対して接触した状態で従動回転するローラーとすることが好ましい。このような構成とすることで、ステー41に対してスライダー部42を簡単に延在方向に移動させることができるためである。しかしながら、このような構成に限定されず、第1接触部、第2接触部及び第3接触部の少なくとも1つを、ローラーの代わりにステー41に対して摺動しやすい凸部などとしてもよい。
【0049】
また、上記のように、本実施例の印刷装置1においては、供給部2と巻取部6とは同様の構成をしている。供給部2は、媒体Mが巻回されたロール体R1の紙管MPを紙管MPの軸線方向で挟み込むように支持し、媒体Mをヘッド5と対向する位置に供給する。また、本実施例の印刷装置1は、ステー41に対する供給部2のY軸方向における位置がステー41に対する巻取部6のY軸方向における位置とは反対方向になるものの、供給部2側においても巻取部6側と同様の構成のステー41とスライダー部42とを備えている。すなわち、本実施例の印刷装置1は、供給部2に紙管MPが支持された際の軸線方向と平行である延在方向に設けられるステー41と、供給部2をステー41に対して支持方向において支持するとともに延在方向に移動可能なスライダー部42と、を備えている。ここで、供給部2側のステー41及びスライダー部42と、巻取部6側のステー41及びスライダー部42と、は同様の構成をしているので、供給部2側のスライダー部42のブレーキパッド44cも、供給部2の自重によるステー41に対する回転モーメントを助長する方向にステー41に対して押し当てられることでスライダー部42の延在方向における移動を抑制する構成となっている。また、供給部2側のステー41において供給部2が位置する側の面である第1面41aは、ステー41の-Y方向側の面であり、巻取部6側のステー41について説明した面の構成とは、Y軸方向の向きが反対となる。
【0050】
なお、媒体Mを供給する際においても供給部である供給部2の配置によっては媒体Mの巻き取り品質の低下を招くことがある。しかしながら、供給部2と巻取部6とが同様の構成をしているとともに、供給部2側のステー41及びスライダー部42と、巻取部6側のステー41及びスライダー部42と、が同様の構成をしていることで、本実施例の印刷装置1は、このような観点からも、印刷装置1の高さを低く抑えつつ媒体Mの巻き取り品質の低下を抑制することができている。
【0051】
本発明は、上述の実施例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。また、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0052】
1…印刷装置、2…供給部、3…媒体支持部、3A…上流側媒体支持部、3B…媒体支持部、3C…下流側媒体支持部、4…キャリッジ、5…ヘッド(印刷部)、6…巻取部、7…脚フレーム、8…ローラー対、9…本体部、10…送風部、11…ファン、20…ヒーター、21…軸部、30…支持面、40…巻取機構、41…ステー、41a…第1面、41b…第2面、41c…上面、42…スライダー部、42a…第1ローラー(第1接触部)、42b…第2ローラー(第2接触部)、42c…第3ローラー(第3接触部)、44…固定機構、44a…操作部、44b…な回転軸、44c…ブレーキパッド(移動抑制部)、61…軸部、100…ガイドバー、101…接触面、F…気流、F0…力、F1…力、F2…力、F3…力、L1…一方側端部の搬送長さ、L2…他方側端部の搬送長さ、L3…距離、L4…距離、M…媒体、M1…画像形成面、M2…被支持面、MP…紙管、R1…ロール体、R2…ロール体、T0…接触点、T1…接触点、T2…接触点、T3…接触点、T4…接触点