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  • 特開-焼成システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025093209
(43)【公開日】2025-06-23
(54)【発明の名称】焼成システム
(51)【国際特許分類】
   F27B 9/30 20060101AFI20250616BHJP
   F27B 9/38 20060101ALI20250616BHJP
   F27B 9/39 20060101ALI20250616BHJP
   F27D 3/12 20060101ALI20250616BHJP
【FI】
F27B9/30
F27B9/38
F27B9/39
F27D3/12 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023208811
(22)【出願日】2023-12-11
(71)【出願人】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】591076109
【氏名又は名称】エヌジーケイ・キルンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩田 晃和
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 弘哲
【テーマコード(参考)】
4K050
4K055
【Fターム(参考)】
4K050AA04
4K050BA05
4K050BA07
4K050CA11
4K050CC07
4K050CF02
4K050CF12
4K050CG02
4K050CG04
4K050CG29
4K050DA02
4K055AA06
4K055HA02
4K055HA12
(57)【要約】
【課題】焼成システムを設置するための設置スペースを小さくすることができる技術を開示する。
【解決手段】焼成システムは、匣鉢内の被処理物を焼成する複数の焼成炉であって、前記複数の焼成炉のそれぞれが前記匣鉢が搬入される搬入口と前記匣鉢を搬出する搬出口とを有する、前記複数の焼成炉と、前記複数の焼成炉のそれぞれにより焼成された前記被処理物を回収する回収部と、を備えている。複数の焼成炉に対して、1個の回収部が設置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
匣鉢内の被処理物を焼成する複数の焼成炉であって、前記複数の焼成炉のそれぞれが前記匣鉢が搬入される搬入口と前記匣鉢を搬出する搬出口とを有する、前記複数の焼成炉と、
前記複数の焼成炉のそれぞれにより焼成された前記被処理物を回収する回収部と、を備えている、焼成システム。
【請求項2】
前記回収部は、前記複数の焼成炉のそれぞれと離れて配置されており、
前記焼成システムは、自動移動可能であり、前記複数の焼成炉の前記搬出口のそれぞれから搬出される前記匣鉢を前記回収部に運搬する第1自動運搬装置をさらに備えている、請求項1に記載の焼成システム。
【請求項3】
前記複数の焼成炉のそれぞれと離れて配置されており、前記匣鉢に焼成前の前記被処理物を供給する供給部と、
自動移動可能であり、焼成前の前記被処理物が供給された前記匣鉢を、前記複数の焼成炉の前記搬入口のそれぞれに運搬する第2自動運搬装置と、をさらに備えている、請求項1または2に記載の焼成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、焼成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、焼成システムが開示されている。焼成システムは、焼成炉と、循環ラインと、を備えている。焼成炉は、焼成容器の被処理物を焼成するとともに、焼成容器を搬入する搬入口と、焼成容器を搬出する搬出口と、を有する。循環ラインは、焼成炉の搬出口と搬入口に接続されており、焼成炉の搬出口から搬出された焼成容器を焼成炉の搬入口に送る。また、循環ラインは、焼成容器から被処理物を取り出す回収部を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第7041300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の焼成システムでは、1個の焼成炉に対して、回収部を備える1個の循環ラインが設置されている。このため、焼成システムが複数の焼成炉を備えているとき、複数の循環ラインが必要となり、各循環ラインが回収部を備えている。この構成では、焼成システムを設置するための大きな設置スペースが必要となる。
【0005】
本明細書は、焼成システムを設置するための設置スペースを小さくすることができる技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示する技術の第1の態様では、焼成システムは、匣鉢内の被処理物を焼成する複数の焼成炉であって、前記複数の焼成炉のそれぞれが前記匣鉢が搬入される搬入口と前記匣鉢を搬出する搬出口とを有する、前記複数の焼成炉と、前記複数の焼成炉のそれぞれにより焼成された前記被処理物を回収する回収部と、を備えている。
【0007】
上記の構成によれば、複数の焼成炉に対して、1個の回収部が設置されている。このため、複数の焼成炉により焼成された被処理物を回収する回収部が特定の設置スペースに集約して配置されている。これにより、複数の焼成炉のそれぞれに対して回収部が設置されるときと比較して、焼成システムを設置するための設置スペースを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例の焼成システムの概略図である。
図2】実施例の焼成炉と焼成炉近傍における焼成システムの断面図である。
【0009】
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。
【0010】
本明細書に開示する技術の第2の態様では、上記の第1の態様において、前記回収部は、前記複数の焼成炉のそれぞれと離れて配置されている。前記焼成システムは、自動移動可能であり、前記複数の焼成炉の前記搬出口のそれぞれから搬出される前記匣鉢を前記回収部に運搬する第1自動運搬装置をさらに備えている。上記の構成によれば、複数の焼成炉のそれぞれの搬出口から搬出された匣鉢を、回収部に容易に運搬することができる。
【0011】
本明細書に開示する技術の第3の態様では、上記の第1または第2の態様において、焼成システムは、前記複数の焼成炉のそれぞれと離れて配置されており、前記匣鉢に焼成前の前記被処理物を供給する供給部と、自動移動可能であり、焼成前の前記被処理物が供給された前記匣鉢を、前記複数の焼成炉の前記搬入口のそれぞれに運搬する第2自動運搬装置と、をさらに備えている。上記の構成によれば、匣鉢を供給部から複数の焼成炉のそれぞれの搬入口に容易に運搬することができる。
【0012】
(実施例)
図1に示すように、焼成システム2は、複数の焼成炉10と、搬送部12(図2参照)と、回収供給部14と、複数の出口ロボット16と、複数の第1自動運搬装置18と、複数の第2自動運搬装置20と、複数の入口ロボット22と、を備えている。
【0013】
複数の焼成炉10は、列方向D1に並んでいる。列方向D1は、焼成炉10の長手方向D2に対して直交している。図2に示すように、焼成炉10は、匣鉢4内の被処理物6を焼成する。匣鉢4は、上端が開口した箱形状を有する。被処理物6は、例えば、セラミックコンデンサの原料や、リチウムイオン電池の正極材と負極材である。
【0014】
焼成炉10は、略直方体形状の断熱構造体である。焼成炉10は、内部に内部空間26を有する。また、焼成炉10は、焼成炉10の一端に配置される搬入口28と、焼成炉10の他端に配置される搬出口30と、を有する。内部空間26は、搬入口28と搬出口30のそれぞれを介して、焼成炉10の外部と連通している。
【0015】
搬送部12は、両端が回転可能に支持される複数のローラ34を備えている。複数のローラ34は、内部空間26と焼成炉10の外部に跨って配置されている。複数の匣鉢4は、積み重ねられた状態でローラ34上に載置される。ローラ34が回転すると、複数の匣鉢4は、搬入口28から内部空間26に搬入される。次に、複数の匣鉢4は、ローラ34の回転により、内部空間26を搬入口28から搬出口30まで搬送方向D2に移動する。搬出口30まで移動した複数の匣鉢4は、ローラ34の回転により、搬出口30から焼成炉10の外部に搬出される。なお、本実施例では、搬送方向D2は、焼成炉10の長手方向D2に対応するとともに、列方向D1に対して略直交している。
【0016】
図1に示すように、焼成炉10は、第1置換部40と、予熱部42と、焼成部44と、冷却部46と、第2置換部48と、を備えている。第1置換部40と、予熱部42と、焼成部44と、冷却部46と、第2置換部48は、搬送方向D2に順番に並んでいる。このため、搬入口28は、第1置換部40に配置されており、搬出口30は、第2置換部48に配置されている。匣鉢4は、第1置換部40と、予熱部42と、焼成部44と、冷却部46と、第2置換部48を順番に移動する。
【0017】
第1置換部40は、内部空間26の搬入口28近傍のガスを空気から雰囲気ガスに置換する。雰囲気ガスは、例えば、窒素ガスや酸素ガスである。予熱部42は、匣鉢4内の被処理物6(図2参照)を予熱する。焼成部44は、匣鉢4内の被処理物6を焼成する。焼成部44の温度は、予熱部42の温度よりも高い。冷却部46は、冷却部46の出口近傍で匣鉢4内の被処理物6を冷却する。冷却部46の出口近傍の温度は、予熱部42の温度と焼成部44の温度のそれぞれよりも低い。第2置換部48は、内部空間26の搬出口30近傍のガスを雰囲気ガスから空気に置換する。
【0018】
本実施例では、複数の焼成炉10に対して、複数の循環ラインが設置されておらず、1個の回収供給部14が設置されている。これにより、焼成システム2を設置するための設置スペースを小さくすることができる。回収供給部14は、1個の第1回収部52と、1個の第2回収部54と、1個の供給部56と、を備えている。第1回収部52と、第2回収部54と、供給部56は、搬送方向D2と反対の方向D3に順番に並んでいる。第1回収部52と第2回収部54と供給部56は、一列に並んでいる。第1回収部52と第2回収部54と供給部56は、一体となっている。即ち、本実施例では、第1回収部52と第2回収部54と供給部56は、特定の設置スペースに集約して配置されている。
【0019】
本実施例では、第1回収部52は、複数の焼成炉10から搬出された匣鉢4を処理する第1回収ステーションである。第1回収部52は、複数の焼成炉10のそれぞれと離れて配置されている。第1回収部52は、匣鉢4が搬入される搬入口52aを有する。第1回収部52は、段バラシ部60と、第1解砕部62と、反転回収部64と、冷却部66と、を備えている。
【0020】
段バラシ部60は、積み重ねられた匣鉢4を積み重ねられていない状態にばらす。第1解砕部62は、ピンを匣鉢4内の焼成後の被処理物6に刺すことにより、被処理物6を粗く砕く。反転回収部64は、砕かれた被処理物6が充填された匣鉢4を上下に反転させる。これにより、匣鉢4内の焼成後の被処理物6が回収容器に回収される。すなわち、回収容器は反転回収部64の下側に配置されており、匣鉢4が上下に反転することにより焼成後の被処理物6が回収容器内に落下して収容される。焼成後の被処理物6が回収された匣鉢4は、第2回収部54を通り、供給部56に送られる。冷却部66は、焼成後の被処理物6が回収された匣鉢4を搬送する搬送路の下側(または上側)に配置されており、回収容器に回収された被処理物6を冷却する。
【0021】
本実施例では、第2回収部54は、第1回収部52(第1回収ステーション)で回収容器に回収された被処理物6を処理する第2回収ステーションである。第2回収部54は、複数の焼成炉10のそれぞれと離れて配置されている。第2回収部54は、輸送部70と、第2解砕部72と、貯留部74と、を備えている。輸送部70と、第2解砕部72と、貯留部74は、焼成後の被処理物6が回収された匣鉢4が搬送される搬送路(即ち、反転回収部64から供給部56まで匣鉢4を搬送する搬送路)の下側(または上側)に配置されている。
【0022】
輸送部70は、被処理物6が回収された回収容器を輸送する。第2解砕部72は、ロールクラッシャを用いて、回収容器に回収された被処理物6を細かく砕く。貯留部74は、第2解砕部72で砕かれた被処理物6を貯留する。
【0023】
本実施例では、供給部56は、第1回収部52(第1回収ステーション)から搬送される匣鉢4に焼成前の被処理物6を供給する供給ステーションである。供給部56は、複数の焼成炉10のそれぞれと離れて配置されている。供給部56は、被処理物供給部78と、均し部80と、段積み部82と、を備えている。
【0024】
被処理物供給部78は、焼成後の被処理物6が回収された匣鉢4に焼成前の被処理物6を供給する。均し部80は、匣鉢4内の被処理物6の表面を均す。段積み部82は、複数の匣鉢4を上下方向に積み重ねる。複数の匣鉢4は、上下方向に積み重ねられた状態で供給部56の搬出口56aから搬出される。
【0025】
出口ロボット16は、焼成炉10の搬出口30近傍に配置されている。出口ロボット16は、焼成炉10の外部に配置されている。1個の出口ロボット16が、1個の焼成炉10に設置されている。このため、複数の出口ロボット16の個数は、複数の焼成炉10の個数と同一である。図2に示すように、出口ロボット16は、例えばアームを用いて、焼成炉10の搬出口30から搬出された匣鉢4を第1自動運搬装置18に移動させる。
【0026】
本実施例では、第1自動運搬装置18は、予め定められた経路を自動移動する無人運搬車(AGV)である。変形例では、第1自動運搬装置18は、自律移動する自動搬送ロボット(AMR)であってもよい。第1自動運搬装置18には、匣鉢4が載置可能である。複数の匣鉢4は、積み重ねられた状態で、第1自動運搬装置18に載置される。
【0027】
図1に示すように、第1自動運搬装置18は、各焼成炉10の搬出口30と第1回収部52の搬入口52aとの間の第1経路90を移動可能である。これにより、各焼成炉10の搬出口30と第1回収部52の搬入口52aを接続する循環ラインを設置する必要がない。第1自動運搬装置18は、積み重ねられた複数の匣鉢4が載置された状態で、焼成炉10の搬出口30から第1回収部52の搬入口52aまで第1経路90を移動する。これにより、匣鉢4と焼成後の被処理物6が、第1自動運搬装置18により焼成炉10の搬出口30から第1回収部52の搬入口52aまで運搬される。次に、第1自動運搬装置18上の複数の匣鉢4は、搬入口52aから第1回収部52に搬入される。匣鉢4を搬送した後の第1自動運搬装置18は、第1回収部52の搬入口52aから焼成炉10の搬出口30まで第1経路90を移動する。なお、図1では、第1経路90が破線で示されている。本実施例の焼成システム2では、複数の第1自動運搬装置18が装備され、各焼成炉10から第1回収部52に匣鉢4を搬送する。複数の焼成炉10のそれぞれで、当該焼成炉10から第1回収部52までの距離が相違するため、第1回収部52までの距離が長い焼成炉10には比較的に多くの第1自動運搬装置18が割り当てられる。複数の第1自動運搬装置18が複数の焼成炉10のどの焼成炉10に割り当てられるかどうかは、各焼成炉10の稼働状況に応じて、図示しない管理装置により決定される。
【0028】
本実施例では、第2自動運搬装置20は、予め定められた経路を自動移動する無人運搬車(AGV)である。変形例では、第2自動運搬装置20は、自律移動する自動搬送ロボット(AMR)であってもよい。図2に示すように、第2自動運搬装置20には、匣鉢4が載置可能である。複数の匣鉢4は、積み重ねられた状態で、第2自動運搬装置20に載置されている。
【0029】
図1に示すように、第2自動運搬装置20は、供給部56の搬出口56aと各焼成炉10の搬入口28との間の第2経路92を移動可能である。これにより、供給部56の搬出口56aと各焼成炉10の搬入口28を接続する循環ラインを設置する必要がない。第2自動運搬装置20には、焼成前の被処理物6が供給された複数の匣鉢4が載置される。第2自動運搬装置20は、複数の匣鉢4が載置された状態で、供給部56の搬出口56aから各焼成炉10の搬入口28まで第2経路92を移動する。これにより、匣鉢4と焼成前の被処理物6が、第2自動運搬装置20により供給部56の搬出口56aから各焼成炉10の搬入口28まで運搬される。次に、第2自動運搬装置20上の複数の匣鉢4は、入口ロボット22により、焼成炉10の搬入口28に移動する。最後、第2自動運搬装置20は、焼成炉10の搬入口28から供給部56の搬出口56aまで第2経路92を移動する。なお、図1では、第2経路92が破線で示されている。なお、第1自動運搬装置18と同様に、複数の第2自動運搬装置20が装備される。複数の第2自動運搬装置20が複数の焼成炉10のうちのどの焼成炉10に匣鉢4を搬送するかどうかは、各焼成炉10の稼働状況に応じて、図示しない管理装置により決定される。
【0030】
入口ロボット22は、焼成炉10の搬入口28近傍に配置されている。入口ロボット22は、焼成炉10の外部に配置されている。1個の入口ロボット22が、1個の焼成炉10に設置されている。このため、複数の入口ロボット22の個数は、複数の焼成炉10の個数と同一である。図2に示すように、入口ロボット22は、例えばアームを用いて、第2自動運搬装置20上の複数の匣鉢4を焼成炉10の搬入口28に移動させる。
【0031】
(効果)
上記の実施例では、複数の焼成炉10に対して、1個の第1回収部52が設置されている。このため、複数の焼成炉10により焼成された被処理物6を回収する第1回収部52が特定の設置スペースに集約して配置されている。これにより、複数の焼成炉10のそれぞれに対して循環ラインが設置され、各循環ラインが第1回収部52を備えるときと比較して、焼成システム2を設置するための設置スペースを小さくすることができる。
【0032】
(対応関係)
第1回収部52は、「回収部」の一例である。
【0033】
(変形例)
一実施形態では、第1回収部52と第2回収部54が離れて配置されており、かつ、第2回収部54と供給部56が離れて配置されていてもよい。第1回収部52と第2回収部54が離れて配置されており、または、第2回収部54と供給部56が離れて配置されていてもよい。
【0034】
一実施形態では、回収供給部14は、第2回収部54を備えていなくてもよい。この構成では、第1回収部52と供給部56は、一体となっていてもよく、互いに離れて配置されていてもよい。
【0035】
一実施形態では、回収供給部14が延びる方向は、搬送方向D2に限られず、例えば、列方向D1であってもよく、列方向D1と搬送方向D2のそれぞれに対して傾斜する方向であってもよい。
【0036】
上記の実施例では、回収供給部14は、複数の焼成炉10のそれぞれから列方向D1に離れて配置されている。一実施形態では、回収供給部14は、複数の焼成炉10のそれぞれから列方向D1と反対の方向に離れて配置されていてもよい。また、回収供給部14は、複数の焼成炉10のそれぞれの搬出口30に対向しており、各搬出口30から搬送方向D2に離れて配置されていてもよい。さらに、回収供給部14は、複数の焼成炉10のそれぞれの搬入口28に対向しており、各搬入口28から方向D3に離れて配置されていてもよい。
【0037】
一実施形態では、搬送部12は、ローラ搬送方式に限られず、例えば、プッシャ搬送方式であってもよい。
【0038】
一実施形態では、第1自動運搬装置18上の複数の匣鉢4は、ロボットを用いて搬入口52aから第1回収部52に搬入されてもよい。また、供給部56の搬出口56aから搬出される複数の匣鉢4は、ロボットを用いて第2自動運搬装置20に載置されてもよい。
【0039】
一実施形態では、第1回収部52は、搬入口52aから第1回収部52に搬入される匣鉢4を冷却する冷却部をさらに備えていてもよい。これにより、匣鉢4と焼成後の被処理物6が同時に冷却される。
【0040】
一実施形態では、匣鉢4が焼成炉10の搬出口30から搬出された後に上下反転されることにより、匣鉢4内の被処理物6が回収容器に回収されてもよい。回収容器は、自動運搬装置により第1回収部52の搬入口52aまで運搬されてもよい。また、被処理物6が回収された匣鉢4は、第1自動運搬装置18により供給部56まで運搬されてもよい。
【0041】
一実施形態では、回収供給部14は、匣鉢4が通過する複数のラインを備えていてもよい。複数のラインの個数は、複数の焼成炉10の個数よりも少なくてもよく、複数の焼成炉10の個数と同一であってもよい。この構成では、第1回収部52は、段バラシ部60と、第1解砕部62と、反転回収部64と、冷却部66に替えて、匣鉢4を上昇させる第1リフタ部と、匣鉢4を上下反転させることにより匣鉢4内の被処理物6を回収する反転回収部と、匣鉢4を下降させる第2リフタ部と、を備えていてもよい。また、第1回収部52は、搬入口52aから第1回収部52に搬入される匣鉢4を冷却する冷却部をさらに備えていてもよい。これにより、匣鉢4と焼成後の被処理物6が同時に冷却される。この構成では、匣鉢4が載置された第1自動運搬装置18が冷却部内を移動してもよく、匣鉢4は、第1自動運搬装置18とは別の搬送装置により冷却部内を移動してもよい。さらに、第1自動運搬装置18上の複数の匣鉢4は、ロボットにより搬入口52aから第1回収部52に搬入されてもよい。また、供給部56の搬出口56aから搬出される複数の匣鉢4は、ロボットにより第2自動運搬装置20に載置されてもよい。
【0042】
以上、本明細書に開示の技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0043】
2 :焼成システム
4 :匣鉢
6 :被処理物
10 :焼成炉
14 :回収供給部
18 :第1自動運搬装置
20 :第2自動運搬装置
28 :搬入口
30 :搬出口
52 :第1回収部
54 :第2回収部
56 :供給部
90 :第1経路
92 :第2経路
D1 :列方向
D2 :長手方向、搬送方向
D3 :方向
図1
図2