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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025093292
(43)【公開日】2025-06-23
(54)【発明の名称】プリント回路基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20250616BHJP
【FI】
H05K3/46 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024164122
(22)【出願日】2024-09-20
(31)【優先権主張番号】10-2023-0178390
(32)【優先日】2023-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】鄭 修彬
(72)【発明者】
【氏名】姜 秉國
(72)【発明者】
【氏名】梁 宇碩
(72)【発明者】
【氏名】朴 赫
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA02
5E316AA38
5E316AA43
5E316CC02
5E316CC04
5E316CC08
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC16
5E316CC18
5E316CC31
5E316CC32
5E316CC33
5E316CC34
5E316CC37
5E316CC38
5E316CC39
5E316DD02
5E316DD17
5E316DD23
5E316DD24
5E316EE33
5E316FF05
5E316FF07
5E316FF08
5E316FF09
5E316FF10
5E316FF13
5E316FF14
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG28
5E316HH40
5E316JJ12
5E316JJ26
5E316JJ28
(57)【要約】
【課題】IPDなどの電子部品を内蔵する際に発生し得るデラミネーションを改善することができるプリント回路基板を提供することである。
【解決手段】本発明は、本体、前記本体上に互いに離隔して配置された複数の金属パッド、及び前記複数の金属パッドのそれぞれの一部を覆うパッシベーション層を含む電子部品と、前記電子部品の少なくとも一部を覆う絶縁層と、を含み、前記パッシベーション層は、前記複数の金属パッドのそれぞれの他の一部を露出させる複数の第1開口、及び前記複数の金属パッドと離隔して前記パッシベーション層の少なくとも一部をそれぞれ貫通する複数の第2開口を有し、前記絶縁層は、前記複数の第1及び第2開口のそれぞれの少なくとも一部を充填する、プリント回路基板に関する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体、前記本体上に互いに離隔して配置された複数の金属パッド、及び前記複数の金属パッドのそれぞれの一部を覆うパッシベーション層を含む電子部品と、
前記電子部品の少なくとも一部を覆う絶縁層と、を含み、
前記パッシベーション層は、前記複数の金属パッドのそれぞれの他の一部を露出させる複数の第1開口、及び前記複数の金属パッドと離隔して前記パッシベーション層の少なくとも一部をそれぞれ貫通する複数の第2開口を有し、
前記絶縁層は、前記複数の第1及び第2開口のそれぞれの少なくとも一部を充填する、プリント回路基板。
【請求項2】
前記複数の第2開口はそれぞれ、前記複数の金属パッドのうち互いに隣接する2つの金属パッドの間で前記パッシベーション層の少なくとも一部を貫通する、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項3】
前記複数の第2開口はそれぞれ、前記本体の一部を露出させる、請求項2に記載のプリント回路基板。
【請求項4】
前記パッシベーション層は、前記複数の金属パッドのそれぞれの上面の一部と側面の少なくとも一部とを覆う、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項5】
前記複数の金属パッドそれぞれの、前記パッシベーション層から露出した他の一部の上面は、前記本体と接する下面よりも、表面粗さがさらに大きい、請求項4に記載のプリント回路基板。
【請求項6】
前記複数の金属パッドそれぞれの、前記パッシベーション層で覆われた上面の一部と側面の少なくとも一部は、前記本体と接する下面よりも、表面粗さがさらに大きい、請求項5に記載のプリント回路基板。
【請求項7】
前記複数の金属パッドのうち互いに隣接する2つの金属パッドのそれぞれの側面は、金属パッドのそれぞれの内側に向かってリセスされたリセス部を有する、請求項4に記載のプリント回路基板。
【請求項8】
前記複数の金属パッドのうち互いに隣接する2つの金属パッドのそれぞれの側面は、前記金属パッドのそれぞれのリセス部の間において、前記金属パッドのそれぞれの上端部の間及び前記金属パッドのそれぞれの下端部の間よりも、離隔距離がさらに大きい、請求項7に記載のプリント回路基板。
【請求項9】
前記複数の金属パッドのうち互いに隣接する2つの金属パッドのそれぞれの側面は、前記パッシベーション層に向かって突出した突出部を有する、請求項4に記載のプリント回路基板。
【請求項10】
前記複数の金属パッドのうち互いに隣接する2つの金属パッドのそれぞれの側面は、前記金属パッドのそれぞれの突出部の間において、前記金属パッドのそれぞれの上端部の間及び前記金属パッドのそれぞれの下端部の間よりも、離隔距離がさらに小さい、請求項9に記載のプリント回路基板。
【請求項11】
前記絶縁層上又は内に配置された配線層と、
前記絶縁層内に配置されたビア層と、をさらに含み、
前記ビア層は、前記複数の第1開口上において前記絶縁層の少なくとも一部をそれぞれ貫通して前記複数の金属パッドのそれぞれを前記配線層の少なくとも一部とそれぞれ連結する複数の第1接続ビアを含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項12】
前記絶縁層は、前記電子部品の少なくとも一部が配置された貫通部を有する第1絶縁層、並びに前記第1絶縁層及び前記電子部品のそれぞれの少なくとも一部を覆い、前記貫通部の少なくとも一部を充填する第2絶縁層を含み、
前記配線層は、前記第2絶縁層の上面上に配置された第1配線層、前記第2絶縁層の下面上に配置された第2配線層、前記第1絶縁層の上面上に配置され、前記第2絶縁層に少なくとも一部が埋め込まれた第3配線層、及び前記第1絶縁層の下面上に配置され、前記第2絶縁層に少なくとも一部が埋め込まれた第4配線層を含み、
前記ビア層は、前記第2絶縁層の一部をそれぞれ貫通して前記複数の金属パッドのそれぞれを前記第1配線層の少なくとも一部とそれぞれ連結する複数の第1接続ビアと、前記第2絶縁層の他の一部をそれぞれ貫通して前記第1及び第3配線層のそれぞれの少なくとも一部をそれぞれ互いに連結する複数の第2接続ビアとを含む第1ビア層、前記第2絶縁層のさらに他の一部をそれぞれ貫通して前記第2及び第4配線層のそれぞれの少なくとも一部をそれぞれ互いに連結する複数の第3接続ビアを含む第2ビア層、並びに前記第1絶縁層をそれぞれ貫通して前記第3及び第4配線層のそれぞれの少なくとも一部をそれぞれ互いに連結する複数の貫通ビアを含む第3ビア層を含む、請求項11に記載のプリント回路基板。
【請求項13】
前記電子部品はIPD(Integrated Passive Device)を含み、
前記複数の金属パッドはそれぞれ銅(Cu)を含み、
前記パッシベーション層はポリイミド(PI)を含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項14】
本体、前記本体上に互いに離隔して配置された複数の銅パッド、及び前記本体上において前記複数の銅パッドのうち互いに隣接する2つの金属パッドの間にそれぞれ少なくとも一部が配置され、前記複数の銅パッドのそれぞれの上面の少なくとも一部と側面の少なくとも一部とを覆うポリイミド膜を含むIPD(Integrated Passive Device)と、
前記複数の銅パッドのそれぞれの上面の他の少なくとも一部と前記ポリイミド膜の少なくとも一部とを覆うABF(Ajinomoto Build-up Film)と、を含み、
前記複数の銅パッドのそれぞれの前記ABF(Ajinomoto Build-up Film)で覆われた上面の他の少なくとも一部は、前記複数の金属パッドのそれぞれの前記本体と接する下面の少なくとも一部よりも表面粗さがさらに大きい、プリント回路基板。
【請求項15】
前記複数の銅パッドのそれぞれの前記ポリイミド膜で覆われた上面の少なくとも一部と側面の少なくとも一部はそれぞれ、前記複数の金属パッドのそれぞれの前記本体と接する下面の少なくとも一部よりも表面粗さがさらに大きい、請求項14に記載のプリント回路基板。
【請求項16】
前記複数の銅パッドのそれぞれの前記ポリイミド膜で覆われた側面の少なくとも一部は、前記複数の金属パッドのそれぞれの内側に向かってリセスされたリセス部又は前記ポリイミド膜に向かって突出した突出部を有する、請求項14に記載のプリント回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプリント回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、パワーインテグリティ(Power Integrity)などの電気的特性の改善及び高集積化のために、プリント回路基板の内部に、例えばIPD(Integrated Passive Device)を内蔵することが求められている。但し、単にIPDを基板に内蔵する場合、様々なデラミネーション現象が発生する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明のいくつかの目的の一つは、IPDなどの電子部品を内蔵する際に発生し得るデラミネーションを改善することができるプリント回路基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明を通じて提案するいくつかの解決手段のうち一つは、IPDなどの電子部品を基板のABFなどの絶縁層に内蔵する前及び/又は後に、電子部品のパッシベーション層に電子部品の本体を露出させることができる開口をさらに形成することである。
【0005】
例えば、一例に係るプリント回路基板は、本体、上記本体上に互いに離隔して配置された複数の金属パッド、及び上記複数の金属パッドのそれぞれの一部を覆うパッシベーション層を含む電子部品と、上記電子部品の少なくとも一部を覆う絶縁層と、を含み、上記パッシベーション層は、上記複数の金属パッドのそれぞれの他の一部を露出させる複数の第1開口、及び上記複数の金属パッドと離隔して上記パッシベーション層の少なくとも一部をそれぞれ貫通する複数の第2開口を含み、上記絶縁層は、上記複数の第1及び第2開口のそれぞれの少なくとも一部を充填するものであってもよい。
【0006】
本発明を通じて提案するいくつかの解決手段のうち他の一つは、IPDなどの電子部品を基板のABFなどの絶縁層に内蔵する前及び/又は後に、電子部品の複数の金属パッドの表面にそれぞれ粗度を形成することである。
【0007】
例えば、一例に係るプリント回路基板は、本体、上記本体上に互いに離隔して配置された複数の銅パッド、及び上記本体上において上記複数の銅パッドのうち互いに隣接する2つの金属パッドの間にそれぞれ少なくとも一部が配置され、上記複数の銅パッドのそれぞれの上面の少なくとも一部と側面の少なくとも一部とを覆うポリイミド膜を含むIPD(Integrated Passive Device)と、上記複数の銅パッドのそれぞれの上面の他の少なくとも一部と上記ポリイミド膜の少なくとも一部とを覆うABF(Ajinomoto Build-up Film)と、を含み、上記複数の銅パッドのそれぞれの上記ABF(Ajinomoto Build-up Film)で覆われた上面の他の少なくとも一部は、上記複数の金属パッドのそれぞれの上記本体と接する下面の少なくとも一部よりも表面粗さが大きいものであってもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の様々な効果のうち一効果として、IPDなどの電子部品を内蔵する際に発生し得るデラミネーションを改善することができるプリント回路基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
図2】電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
図3】プリント回路基板の一例を概略的に示す断面図である。
図4a図3のプリント回路基板のA領域の様々な例を概略的に示す拡大断面図である。
図4b図3のプリント回路基板のA領域の様々な例を概略的に示す拡大断面図である。
図4c図3のプリント回路基板のA領域の様々な例を概略的に示す拡大断面図である。
図5a図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図5b図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図5c図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図5d図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図5e図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図5f図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図5g図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図6】プリント回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
図7a図6のプリント回路基板のB領域の様々な例を概略的に示す拡大断面図である。
図7b図6のプリント回路基板のB領域の様々な例を概略的に示す拡大断面図である。
図7c図6のプリント回路基板のB領域の様々な例を概略的に示す拡大断面図である。
図8】プリント回路基板のさらに他の一例を概略的に示す断面図である。
図9a図8のプリント回路基板のC領域の様々な例を概略的に示す拡大断面図である。
図9b図8のプリント回路基板のC領域の様々な例を概略的に示す拡大断面図である。
図9c図8のプリント回路基板のC領域の様々な例を概略的に示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付の図面を参照して本発明について説明する。図面における要素の形状及びサイズなどは、より明確な説明のために誇張又は縮小することができる。
【0011】
電子機器
図1は、電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【0012】
図面を参照すると、電子機器1000はメインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040などが物理的及び/又は電気的に連結されている。これらは後述する他の電子部品とも結合して様々な信号ライン1090を形成する。
【0013】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップ;セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのアプリケーションプロセッサチップ;アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップなどが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にもその他の異なる形態のチップ関連電子部品が含まれてもよいことは言うまでもない。また、これらのチップ関連部品1020を互いに組み合わせてもよいことは勿論である。チップ関連部品1020は、上述したチップや電子部品を含むパッケージ形態であってもよい。
【0014】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi-Fi(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の異なる多数の無線又は有線標準やプロトコルのうち任意のものが含まれてもよい。また、ネットワーク関連部品1030をチップ関連部品1020と併せて互いに組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0015】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(low Temperature Co-Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)フィルタ、MLCC(Multi-Layer Ceramic Condenser)などが含まれる。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の異なる様々な用途のために使用されるチップ部品形態の受動素子などが含まれてもよい。また、その他の部品1040をチップ関連部品1020及び/又はネットワーク関連部品1030と互いに組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0016】
電子機器1000の種類に応じて、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/又は電気的に連結されているか又はされていない他の電子部品を含むことができる。他の電子部品の例としては、カメラ1050、アンテナ1060、ディスプレイ1070、バッテリー1080などがある。但し、これらに限定されるものではなく、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、羅針盤、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカ、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)、CD(compact disk)、DVD(digital versatile disk)などであってもよい。これら以外にも、電子機器1000の種類に応じて様々な用途のために使用されるその他の電子部品などが含まれてもよいことは言うまでもない。
【0017】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、個人用情報端末機(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニタ(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビ(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などであってもよい。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、データを処理する任意の他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0018】
図2は、電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
【0019】
図面を参照すると、電子機器は、例えば、スマートフォン1100であってもよい。スマートフォン1100の内部には、マザーボード1110が収容されており、このようなマザーボード1110には、様々な部品1120が物理的及び/又は電気的に連結されている。また、カメラモジュール1130及び/又はスピーカ1140のようにマザーボード1110に物理的及び/又は電気的に連結されているか又はされていない他の部品が内部に収容されている。部品1120の一部は、上述したチップ関連部品であってもよく、例えば、部品パッケージ1121であってもよいが、これに限定されるものではない。部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品を含む電子部品が表面実装配置されたプリント回路基板の形態であってもよい。あるいは、部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品が内蔵されたプリント回路基板の形態であってもよい。一方、電子機器は必ずしもスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述したように他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0020】
プリント回路基板
図3は、プリント回路基板の一例を概略的に示す断面図であり、図4a~図4cは、図3のプリント回路基板のA領域の様々な例を概略的に示す拡大断面図である。
【0021】
図面を参照すると、一例に係るプリント回路基板100Aは、絶縁層110、絶縁層110上又は内に配置された配線層120、絶縁層110内に配置されたビア層130、絶縁層110内に配置された電子部品150を含むことができる。例えば、電子部品150が内蔵された基板構造を有することができる。電子部品150は、本体151、本体151上に互いに離隔して配置された複数の金属パッド152、及び複数の金属パッド152のそれぞれの一部を覆うパッシベーション層153を含むことができる。パッシベーション層153は、複数の金属パッド152のそれぞれの一部を上記パッシベーション層153から露出させる複数の第1開口h1、及び複数の金属パッド152と離隔してパッシベーション層153の少なくとも一部をそれぞれ貫通する複数の第2開口h2を有することができる。複数の第2開口h2はそれぞれ、複数の金属パッド152のうち互いに隣接する2つの金属パッド152の間でパッシベーション層153の少なくとも一部を貫通することができる。例えば、複数の第2開口h2は、それぞれ本体151の一部がパッシベーション層153から露出するまでパッシベーション層153を貫通することができる。複数の第2開口h2は、それぞれ平面上においてトレンチ、ホールなど様々な形態を有することができる。複数の第2開口h2のうち少なくとも2つは互いに連結されてもよい。絶縁層110は、複数の第1及び第2開口h1、h2のそれぞれの少なくとも一部を充填することができる。
【0022】
一方、最近、大面積の高仕様サーバ用パッケージ基板の市場が拡大しており、これに関連し、インピーダンスの減少によるパワーインテグリティ特性が向上した差別化された高性能基板を製造するために、基板内部にIPDを埋め込むことを考えてみることができる。但し、一般にIPDの銅パッドの表面には粗度がないため、基板の製造過程において液状薬品を使用する工程を行う場合、IPD上に形成されたビアを介して液が浸透する現象が発生することがある。また、ビアボトム部にクレビス(crevice)がさらにひどく形成される可能性がある。その結果、IPDの銅パッドと基板の絶縁層との間の界面、IPDの銅パッドとそれを保護するポリイミド膜との間の界面、ポリイミドのエッジ領域の界面などで浮き上がりが発生する可能性がある。これに対し、一例に係るプリント回路基板100Aは、電子部品150の本体151上に配置されたパッシベーション層153に複数の第2開口h2を形成し、絶縁層110が複数の第2開口h2のそれぞれの少なくとも一部も充填することができる。この場合、複数の第2開口h2を充填する絶縁層110によって、複数の金属パッド152と絶縁層110との間及び/又は複数の金属パッド152とパッシベーション層153との間の密着力が改善できる。したがって、電子部品150に、例えば、複数の銅パッド及びそれを保護するポリイミド膜を含むIPDを埋め込む場合でも、上述したデラミネーションの問題などを改善することができる。これにより、一例に係るプリント回路基板100A及びそれを含む製品の信頼性を向上させることができる。
【0023】
また、パッシベーション層153は、複数の金属パッド152のそれぞれの上面の少なくとも一部と側面の少なくとも一部とを覆うことができる。例えば、図4aに例示的に示されるように、パッシベーション層153は、複数の金属パッド152のうち互いに隣接する2つの金属パッド152の間でそれぞれの金属パッド152の上面のエッジ部分と側面とを覆うことができる。このとき、必要に応じて、複数の金属パッド152の表面には粗度が形成されてもよい。例えば、図4bに例示的に示されるように、複数の金属パッド152のそれぞれのパッシベーション層153から露出した一部の上面は、複数の金属パッド152のそれぞれの本体151と接する下面よりも表面粗さが大きくてもよい。例えば、図4cに例示的に示されるように、複数の金属パッド152のそれぞれのパッシベーション層153で覆われた上面の少なくとも一部と側面の少なくとも一部もそれぞれ、複数の金属パッド152のそれぞれの本体151と接する下面よりも表面粗さが大きくてもよい。この場合、複数の金属パッド152の表面積の増加などにより、複数の金属パッド152と絶縁層110との間及び/又は複数の金属パッド152とパッシベーション層153との間の密着力がさらに改善できる。したがって、電子部品150に、例えば、複数の銅パッドとそれを保護するポリイミド膜とを含むIPDを埋め込む場合でも、上述したデラミネーションの問題などをより効果的に改善することができる。これにより、一例に係るプリント回路基板100A及びそれを含む製品の信頼性を向上させることができる。なお、表面の粗度は、電子部品150の製造時に、例えば、単品のIPD製造時に形成することができるが、これに限定されるものではなく、例えば、図4bに例示的に示す表面の粗度は、後述するように埋め込み工程の過程で形成することもできる。
【0024】
一方、一例に係るプリント回路基板100Aは、多層回路基板の少なくとも一部として適用されることができる。例えば、多層回路基板の中心部に適用することができ、この場合、プリント回路基板100Aの一側又は両側にビルドアップ工程がさらに行われることができる。このような多層回路基板は、FCB(Flip-Chip Board)、BGA(Ball Grid Array)、インターポーザ基板、パッケージ基板などとして用いられることができる。但し、これに限定されるものではなく、それ以外にも他の様々な形態の基板に適用されてもよい。
【0025】
以下では、図面を参照して一例に係るプリント回路基板100Aの構成要素についてより詳細に説明する。
【0026】
絶縁層110は、電子部品150の少なくとも一部が配置された貫通部Hを有する第1絶縁層111、並びに第1絶縁層111及び電子部品150のそれぞれの少なくとも一部を覆い、貫通部Hの少なくとも一部を充填する第2絶縁層112を含むことができる。第1絶縁層111はコア層であってもよく、第2絶縁層112はビルドアップ層であってもよいが、これに限定されるものではない。第1及び第2絶縁層111、112は、それぞれ複数の絶縁層で構成されてもよい。貫通部Hは、第1絶縁層111の上面及び下面の間を貫通することができるが、必要に応じて、上面から第1絶縁層111の一部のみを貫通してもよい。例えば、貫通部Hは、貫通キャビティ又はブラインドキャビティであってもよい。第2絶縁層112上には、追加的にビルドアップ絶縁層がさらに配置されてもよい。第1及び第2絶縁層111、112は、無機絶縁材及び/又は有機絶縁材を含むことができる。限定されない一例として、第1及び第2絶縁層111、112はいずれも有機絶縁材を含むことができる。あるいは、第1絶縁層111は無機絶縁材料を含み、且つ第2絶縁層112は有機絶縁材を含むことができる。但し、これに限定されるものではない。有機絶縁材は、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又は樹脂と共に無機フィラー、有機フィラー及び/又はガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)を含むことができる。例えば、有機絶縁材は、CCL(Copper Clad Laminate)、PPG(Prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、PID(Photo Imageable Dielectric)などであってもよいが、これに限定されるものではない。無機絶縁材は、ガラス基板、シリコン基板及び/又はセラミック基板を含むことができる。例えば、ガラス基板はガラス(glass)を含むことができ、ガラスは、例えば、純粋な二酸化ケイ素(約100%のSiO)、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス(alumino-silicate glass)などを含むことができる。但し、これに限定されるものではなく、代替のガラス材料である、例えば、フッ素ガラス、リン酸ガラス、カルコゲンガラスなどもガラス層の材料として使用することができる。また、特定の物理的特性を有するガラスを形成するために、その他の添加剤をさらに含むこともできる。このような添加剤は、炭酸カルシウム(例えば、石灰)及び炭酸ナトリウム(例えば、ソーダ)だけでなく、マグネシウム、カルシウム、マンガン、アルミニウム、鉛、ホウ素、鉄、クロム、カリウム、硫黄及びアンチモンと、このような元素、並びに他の元素の炭酸塩及び/又は酸化物を含むことができる。一方、ガラスは、有機絶縁材に含まれるガラス繊維(glass fiber、glass cloth、glass fabric)とは区別されることができる。また、シリコン基板はシリコン(Si)を含むことができ、必要に応じて、シリコン(Si)上に形成された酸化層を含むこともできる。また、酸化層上に形成された窒化層を含んでもよい。一方、酸化層はシリコン酸化膜を含むことができ、窒化層はシリコン窒化膜を含むことができるが、これに限定されるものではない。また、セラミック基板はセラミック(ceramic)を含むことができ、セラミックは、例えば、アルミナ(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si)などを含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0027】
配線層120は、第2絶縁層112の上面上に配置された第1配線層121、第2絶縁層112の下面上に配置された第2配線層122、第1絶縁層111の上面上に配置されて第2絶縁層112に少なくとも一部が埋め込まれた第3配線層123、及び第1絶縁層111の下面上に配置されて第2絶縁層112に少なくとも一部が埋め込まれた第4配線層124を含むことができる。絶縁層110がさらにビルドアップ絶縁層を含む場合、配線層120もさらにビルドアップ配線層を含むことができる。第1~第4配線層121、122、123、124はそれぞれ金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。第1~第4配線層121、122、123、124は、それぞれ設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、信号パターン、パワーパターン、グランドパターンなどを含むことができる。これらのパターンはそれぞれライン、プレーン、パッドなど様々な形態を有することができる。第1~第4配線層121、122、123、124は、それぞれシード層とシード層上に形成されためっき層とを含むことができる。シード層は無電解めっき層(又は化学銅)及び/又はスパッタリング層であってもよく、めっき層は電解めっき層(又は電気銅)であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0028】
ビア層130は、第2絶縁層112の一部をそれぞれ貫通して複数の金属パッド152のそれぞれを第1配線層121の少なくとも一部とそれぞれ連結する複数の第1接続ビア131aと、第2絶縁層112の他の一部をそれぞれ貫通して第1及び第3配線層121、123のそれぞれの少なくとも一部をそれぞれ連結する複数の第2接続ビア131bとを含む第1ビア層131、第2絶縁層112のさらに他の一部をそれぞれ貫通して第2及び第4配線層122、124のそれぞれの少なくとも一部をそれぞれ互いに連結する複数の第3接続ビア132aを含む第2ビア層132、及び第1絶縁層111をそれぞれ貫通して第3及び第4配線層123、124のそれぞれの少なくとも一部をそれぞれ互いに連結する複数の貫通ビア133aを含む第3ビア層133を含むことができる。絶縁層110がさらにビルドアップ絶縁層を含む場合、ビア層130もさらにビルドアップビア層を含むことができる。第1~第3ビア層131、132、133はそれぞれ金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。第1~第3ビア層131、132、133は、それぞれビアホール又は貫通孔を充填するフィルドビア(filled VIA)を含むことができるが、ビアホール又は貫通孔の壁面に沿って配置されるコンフォーマルビア(conformal VIA)を含むこともできる。第1~第3ビア層131、132、133は、設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。第1~第3ビア層131、132、133は、それぞれ無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。無電解めっき層(又は化学銅)の代わりにスパッタリング層を含んでもよく、両方を含んでもよい。複数の第1及び第2接続ビア131a、131bは、それぞれ断面上において、上端部の幅が下端部の幅よりも広いテーパ形状を有することができる。複数の第3接続ビア132aはそれぞれ、断面上において下端部の幅が上端部の幅よりも広いテーパ形状を有することができる。複数の貫通ビア133aはそれぞれ、断面上において実質的に垂直な側面を有してもよく、円柱、楕円柱、四角柱などの柱形状を有してもよいが、これに限定されるものではない。複数の貫通ビア133aの各々の内部にはプラッギング材が配置されてもよく、プラッギング材は絶縁物質又は伝導性物質を含んでもよい。
【0029】
電子部品150は、能動部品及び/又は受動部品を含むことができる。電子部品150は、チップ部品であってもよく、例えば、数百~数百万個以上の素子が一つのチップ内に集積化された集積回路(IC:Integrated Circuit)を含むことができる。例えば、電子部品150はアクティブウエハをベースとして形成されたものであってもよく、この場合、本体151をなす母材としては、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウムヒ素(GaAs)などが用いられることができる。本体151には様々な回路が形成されていてもよい。本体151上には複数の金属パッド152が形成されることができ、複数の金属パッド152はそれぞれアルミニウム(Al)、銅(Cu)などの導電性物質を含むことができる。例えば、複数の金属パッド152はそれぞれ銅パッドを含むことができる。本体151上には、複数の金属パッド152を保護するパッシベーション層153を形成することができ、パッシベーション層153は有機絶縁膜及び/又は無機絶縁膜を含むことができる。例えば、パッシベーション層153はポリイミド膜を含むことができる。パッシベーション層153は、複数の金属パッド152のそれぞれを露出させる複数の第1開口h1と、本体151をそれぞれ露出させる複数の第2開口h2とを有することができる。このような形態の電子部品150としては、好ましくはIPDをその例として挙げることができるが、これに限定されるものではない。
【0030】
図5a~図5gは、図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【0031】
図5aを参照すると、第1絶縁層111を準備することができる。第1絶縁層111はCCLであってもよいが、これに限定されるものではない。次に、第1絶縁層111に機械的ドリル、レーザドリル、化学的エッチングなどの方法で貫通孔を形成することができる。次に、第1絶縁層111にめっき工程で第3及び第4配線層123、124と第3ビア層133とを形成することができる。
【0032】
図5bを参照すると、第1絶縁層111に機械的ドリル、レーザドリル、化学的エッチングなどの方法で貫通部Hを形成することができる。次に、第1絶縁層111の下側にテープ210を貼り付けることができる。例えば、第3配線層123をテープ210に付着することができる。テープ210は、エポキシ樹脂を含む粘着剤を含むことができるが、これに限定されるものではない。次に、第1絶縁層111の貫通部Hにテープ210を用いて電子部品150、例えば、IPDをフェースダウンの形態で配置することができる。例えば、複数の金属パッド152をテープ210に付着することができる。
【0033】
図5cを参照すると、第1絶縁層111と電子部品150とを覆う第2-1絶縁層112-1を形成することができる。第2-1絶縁層112-1はABF等の絶縁材をラミネーションして形成することができる。第2-1絶縁層112-1は貫通部Hの少なくとも一部を充填することができる。第2-1絶縁層112-1はミッドキュア(mid cure)の状態であってもよい。
【0034】
図5dを参照すると、テープ210を除去することができる。テープ210は物理的な方法で除去することができる。必要に応じて、化学的方法により除去することもできる。テープ210を除去すると、電子部品150の複数の金属パッド152及びパッシベーション層153が第2-1絶縁層112-1から露出することができる。
【0035】
図5eを参照すると、露出したパッシベーション層153にレーザドリル、化学的エッチングなどの方法で複数の第2開口h2を形成することができる。必要に応じて、露出した複数の金属パッド152の表面に表面処理を通じて粗度を形成することができる。この場合、表面積の増加などにより上述したようなデラミネーションの問題を改善することができる。
【0036】
図5fを参照すると、第1絶縁層111と電子部品150を覆う第2-2絶縁層112-2を形成することができる。第2-2絶縁層112-2は、第2-1絶縁層112-1と反対方向でABF等の絶縁材をラミネーションして形成することができる。第2-2絶縁層112-2は、露出したパッシベーション層153と露出した複数の金属パッド152とを覆うことができる。例えば、第2-2絶縁層112-2は、複数の第1及び第2開口h1、h2のそれぞれの少なくとも一部を充填することができる。ラミネーション後、第2-1及び第2-2絶縁層112-1、112-2はキュア(cure)の状態であることができ、互いに一体化して境界が不明瞭になることがある。例えば、第2絶縁層112が形成されることができる。
【0037】
図5gを参照すると、第2絶縁層112に機械的ドリル、レーザドリル、化学的エッチング等の方法でビアホールを加工し、めっき工程を行って、第1及び第2配線層121、122と第1及び第2ビア層131、132とを形成することができる。
【0038】
一連の過程を通じて上述した一例に係るプリント回路基板100Aを製造することができ、その他の内容は、上述した一例に係るプリント回路基板100Aで説明したものと実質的に同一であるため、重複説明は省略する。
【0039】
図6は、プリント回路基板の他の一例を概略的に示す断面図であり、図7a~図7cは、図6のプリント回路基板のB領域の様々な例を概略的に示す拡大断面図である。
【0040】
図面を参照すると、他の一例に係るプリント回路基板100Bは、上述した一例に係るプリント回路基板100Aにおいて、複数の金属パッド152のうち互いに隣接する2つの金属パッド152のそれぞれの側面がそれぞれの金属パッド152の内側に向かってリセスされたリセス部rを有することができる。例えば、複数の金属パッド152のうち、互いに隣接する2つの金属パッド152のそれぞれの側面は、2つの金属パッド152のそれぞれのリセス部rの間における離隔距離が2つの金属パッド152のそれぞれの上端部及び/又は下端部における離隔距離よりもさらに大きくてもよい。この場合、アンカー効果などによって複数の金属パッド152とパッシベーション層153との間の密着力がさらに改善できる。したがって、電子部品150に、例えば、複数の銅パッドとそれを保護するポリイミド膜とを含むIPDを埋め込む場合でも、上述したデラミネーションの問題などをより効果的に改善することができる。これにより、他の一例に係るプリント回路基板100B及びそれを含む製品の信頼性をさらに向上させることができる。一方、リセス部rは、電子部品150の製造時に、例えば、単品のIPD製造時に形成することができる。
【0041】
一方、他の一例に係るプリント回路基板100Bの場合にも、パッシベーション層153は、複数の金属パッド152のそれぞれの上面の少なくとも一部と側面の少なくとも一部とを覆うことができる。例えば、図7aに例示的に示されるように、パッシベーション層153は、複数の金属パッド152のうち互いに隣接する2つの金属パッド152の間でそれぞれの金属パッド152の上面のエッジ部分と側面とを覆うことができる。このとき、必要に応じて、複数の金属パッド152の表面には粗度が形成されてもよい。例えば、図7bに例示的に示されるように、複数の金属パッド152のそれぞれのパッシベーション層153から露出した一部の上面は、複数の金属パッド152のそれぞれの本体151と接する下面よりも表面粗さが大きくてもよい。例えば、図7cに例示的に示されるように、複数の金属パッド152のそれぞれのパッシベーション層153で覆われた上面の少なくとも一部とリセス部rを含む側面の少なくとも一部もそれぞれ、複数の金属パッド152のそれぞれの本体151と接する下面よりも表面粗さが大きくてもよい。この場合、複数の金属パッド152の表面積の増加などにより、複数の金属パッド152と絶縁層110との間及び/又は複数の金属パッド152とパッシベーション層153との間の密着力がさらに改善できる。したがって、電子部品150に、例えば、複数の銅パッドとそれを保護するポリイミド膜とを含むIPDを埋め込む場合でも、上述したデラミネーションの問題などをより効果的に改善することができる。これにより、他の一例に係るプリント回路基板100B及びそれを含む製品の信頼性をさらに向上させることができる。一方、表面の粗度は、電子部品150の製造時に、例えば、単品のIPD製造時に形成することができるが、これに限定されるものではなく、例えば、図7bに例示的に示す表面の粗度は、上述したように埋め込み工程の過程で形成することもできる。
【0042】
その他の内容は、上述した一例に係るプリント回路基板100Aで説明したものと実質的に同一であるため、重複説明は省略する。
【0043】
図8は、プリント回路基板のさらに他の一例を概略的に示す断面図であり、図9a~図9cは、図8のプリント回路基板のC領域の様々な例を概略的に示す拡大断面図である。
【0044】
図面を参照すると、さらに他の一例に係るプリント回路基板100Cは、上述した一例に係るプリント回路基板100Aにおいて、複数の金属パッド152のうち互いに隣接する2つの金属パッド152のそれぞれの側面がパッシベーション層153に向かって突出した突出部pを有することができる。例えば、複数の金属パッド152のうち互いに隣接する2つの金属パッド152のそれぞれの側面は、2つの金属パッド152のそれぞれの突出部pの間における離隔距離が2つの金属パッド152のそれぞれの上端部及び/又は下端部における離隔距離よりさらに小さくてもよい。この場合、アンカー効果などにより、複数の金属パッド152とパッシベーション層153との間の密着力がさらに改善できる。したがって、電子部品150に、例えば、複数の銅パッドとそれを保護するポリイミド膜とを含むIPDを埋め込む場合でも、上述したデラミネーションの問題などをより効果的に改善することができる。これにより、さらに他の一例に係るプリント回路基板100C及びそれを含む製品の信頼性をさらに向上させることができる。一方、突出部pは、電子部品150の製造時に、例えば、単品のIPD製造時に形成することができる。
【0045】
一方、さらに他の一例に係るプリント回路基板100Cの場合にも、パッシベーション層153は、複数の金属パッド152のそれぞれの上面の少なくとも一部と側面の少なくとも一部とを覆うことができる。例えば、図9aに例示的に示されるように、パッシベーション層153は、複数の金属パッド152のうち互いに隣接する2つの金属パッド152の間でそれぞれの金属パッド152の上面のエッジ部分と側面とを覆うことができる。このとき、必要に応じて、複数の金属パッド152の表面に粗度が形成されてもよい。例えば、図9bに例示的に示されるように、複数の金属パッド152のそれぞれのパッシベーション層153から露出した一部の上面は、複数の金属パッド152のそれぞれの本体151と接する下面よりも表面粗さが大きくてもよい。例えば、図9cに例示的に示すように、複数の金属パッド152のそれぞれのパッシベーション層153で覆われた上面の少なくとも一部と突出部pを含む側面の少なくとも一部もそれぞれ、複数の金属パッド152のそれぞれの本体151と接する下面よりも表面粗さが大きくてもよい。この場合、複数の金属パッド152の表面積の増加などにより、複数の金属パッド152と絶縁層110との間及び/又は複数の金属パッド152とパッシベーション層153との間の密着力がさらに改善できる。したがって、電子部品150に、例えば、複数の銅パッドとそれを保護するポリイミド膜とを含むIPDを埋め込む場合でも、上述したデラミネーションの問題などをより効果的に改善することができる。これにより、さらに他の一例に係るプリント回路基板100C及びそれを含む製品の信頼性をさらに向上させることができる。一方、表面の粗度は、電子部品150の製造時に、例えば、単品のIPD製造時に形成することができるが、これに限定されるものではなく、例えば、図9bに例示的に示す表面の粗度は、後述するように埋め込み工程の過程で形成することもできる。
【0046】
その他の内容は、上述した一例に係るプリント回路基板100Aで説明したものと実質的に同一であるため、重複説明は省略する。
【0047】
本発明において、「覆う」という表現は、全体的に覆う場合だけでなく、少なくとも一部を覆う場合を含むことができ、また直接覆う場合だけでなく間接的に覆う場合も含むことができる。また、「充填する」という表現は、完全に充填する場合だけでなく、少なくとも一部を充填する場合を含むことができ、また概ね充填する場合を含むことができる。例えば、一部の空隙やボイドなどが存在する場合を含むことができる。また、「囲む」という表現は、完全に囲む場合だけでなく、一部を囲む場合及び概ね囲む場合を含むことができる。なお、「隣接する」という表現は、実質的に同じ層に隣り合って配置される場合を意味するものであって、互いに当接している場合に限定されるものではない。また、「露出させる」とは、完全に露出させる場合だけでなく、一部を露出させる場合を含むことができ、「露出」は、当該構成を埋め込む他の構成から露出することを意味することができる。例えば、露出した構成上には、他の構成のほかに、さらに別の構成が追加で配置されることができ、この場合にも「露出」の意味は同一であり得る。
【0048】
本発明において、実質的には製造工程上で発生する工程誤差や位置偏差、測定時の誤差などを含めて判断することができる。例えば、「実質的に共面をなす」とは、完全に同一平面上に存在する場合だけでなく、ほぼ同一平面上に存在する場合も含むことができる。
【0049】
本発明において、断面上における意味は、対象物を垂直に切断したときの断面形状、又は対象物をサイドビューで見たときの断面形状を意味することができる。また、平面上における意味は、対象物を水平に切断したときの平面形状、又は対象物をトップビュー又はボトムビューで見たときの平面形状を意味することができる。
【0050】
本発明において、「下側、下部、下面」などは、便宜上、図面の断面を基準として下方向を意味するものとして使用し、「上側、上部、上面」などは、その反対方向を意味するものとして使用している。但し、これは説明の便宜上、方向を定義したものであり、特許請求の範囲の権利範囲がこのような方向に対する記載によって特に限定されるものではないことは勿論であり、上/下の概念はいつでも変更することができる。
【0051】
本発明において、「連結される」とは、直接連結されることだけでなく、接着剤層などを介して間接的に連結されることを含む概念である。また、「電気的に連結される」とは、物理的に連結される場合及び連結されていない場合の両方を含む概念である。さらに、「第1、第2」などの表現は、ある構成要素と他の構成要素とを区分するために使用されるものであって、当該構成要素の順序及び/又は重要度などを限定しない。場合によっては、権利範囲を逸脱しない範囲内で、第1構成要素は第2構成要素と命名されてもよく、同様に、第2構成要素は第1構成要素と命名されてもよい。
【0052】
本発明において「貫通する」とは、厚さ方向又は積層方向を基準として、対象の上面及び下面の間を完全に貫通する場合だけでなく、上面から一部又は下面から一部をリセス又はブラインドの形態で貫通する場合を含むことができる。
【0053】
本発明において、「厚さ、幅、長さ、深さ、線幅、間隔、ピッチ、離隔距離、表面粗さ」などは、それぞれプリント回路基板を研磨又は切断した断面を基準として、走査顕微鏡や光学顕微鏡等で測定することができる。切断断面は垂直断面又は水平断面であることができ、必要な切断断面を基準として各数値を測定することができる。例えば、ビアの上端部及び/又は下端部の幅は、ビアの中心軸を切った断面上で測定することができる。このとき、数値が一定でない場合には、任意の5点で測定した値の平均値で数値を決定することができる。
【0054】
本発明において使用される「一例」という表現は、互いに同じ実施形態を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかし、上記提示された一例は、他の一例の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が、他の一例に説明されていなくても、他の一例において、その事項と反対又は矛盾する説明がない限り、他の一例に関連する説明として理解することができる。
【0055】
本発明において使用される用語は、単に一例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定することを意図していない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味を示さない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0056】
1000:電子機器
1010:メインボード
1020:チップ関連部品
1030:ネットワーク関連部品
1040:その他の部品
1050:カメラ
1060:アンテナ
1070:ディスプレイ
1080:バッテリー
1090:信号ライン
1100:スマートフォン
1110:マザーボード
1120:部品
1121:部品パッケージ
1130:カメラモジュール
1140:スピーカ
100A、100B、100C:プリント回路基板
110:絶縁層
111、112、112-1、112-2:絶縁層
120:配線層
121、122、123、124:配線層
130:ビア層
131、132、133:ビア層
131a、131b、132a:接続ビア
133a:貫通ビア
150:電子部品
151:本体
152:金属パッド
153:パッシベーション層
H:貫通部
h1、h2:開口
r:リセス部
p:突出部
210:テープ
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図5a
図5b
図5c
図5d
図5e
図5f
図5g
図6
図7a
図7b
図7c
図8
図9a
図9b
図9c