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特開2025-9363光集積デバイス、光送信装置及び光トランシーバ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009363
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】光集積デバイス、光送信装置及び光トランシーバ
(51)【国際特許分類】
G02B 6/12 20060101AFI20250110BHJP
G02F 1/035 20060101ALI20250110BHJP
G02B 6/26 20060101ALI20250110BHJP
G02B 6/126 20060101ALI20250110BHJP
G02B 6/125 20060101ALI20250110BHJP
【FI】
G02B6/12
G02F1/035
G02B6/26
G02B6/126
G02B6/125
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023112320
(22)【出願日】2023-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】309015134
【氏名又は名称】富士通オプティカルコンポーネンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 昌樹
【テーマコード(参考)】
2H137
2H147
2K102
【Fターム(参考)】
2H137AA01
2H137AA05
2H137AB01
2H137AB09
2H137BA15
2H137BA34
2H137BA52
2H137BA53
2H137BA54
2H137BC23
2H137BC43
2H137BC50
2H137CA12B
2H137CA42
2H137CA73
2H137CB07
2H137CB22
2H137CB24
2H137CC01
2H137DA39
2H137DB09
2H137EA04
2H147AB02
2H147BA05
2H147BA06
2H147BD01
2H147BD07
2H147BD10
2H147BD15
2H147BD16
2H147BG04
2H147BG11
2H147CA11
2H147CA22
2H147CA23
2H147CC12
2H147CD10
2H147EA05A
2H147EA05C
2H147EA12A
2H147EA13A
2H147EA13C
2H147EA14A
2H147EA14B
2H147FC01
2K102AA21
2K102BA03
2K102BA40
2K102BB01
2K102BC04
2K102BD02
2K102CA20
2K102DA05
2K102DB08
2K102DD05
2K102EA02
2K102EA21
2K102EB08
2K102EB10
2K102EB11
2K102EB16
2K102EB22
2K102EB29
(57)【要約】
【課題】電気光学効果を有する光導波路を備えたチップにおいて実装に要する作業負担を軽減できる光集積デバイス等を提供する。
【解決手段】光集積デバイスは、光回路を備えた第1のチップと、前記第1のチップの材料に比較して電気光学効果が大きい材料を含む光導波路を備えた第2のチップとを有する。光集積デバイスは、前記第2のチップ上に形成されたトレンチに前記第1のチップが搭載され、前記第1のチップと前記第2のチップとはバットカップリングで光結合されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光回路を備えた第1のチップと、前記第1のチップの材料に比較して電気光学効果が大きい材料を含む光導波路を備えた第2のチップとを有する光集積デバイスにおいて、
前記第2のチップ上に形成されたトレンチに前記第1のチップが搭載され、前記第1のチップと前記第2のチップとはバットカップリングで光結合されていることを特徴とする光集積デバイス。
【請求項2】
前記第2のチップは、
前記光導波路と接続する光変調器を備え、
前記光回路は、
前記光変調器からの信号光を偏波回転する偏波回転部と、
前記光変調器からの信号光と前記偏波回転部にて偏波回転後の信号光とを偏波多重する偏波多重部と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の光集積デバイス。
【請求項3】
前記第2のチップは、
第2の接合面と、
前記第2の接合面に対して斜めに配置された第2の光導波路と、を有し、
前記第1のチップは、
前記第2の接合面と当接する第1の接合面と、
前記第1の接合面に対して斜めに配置され、かつ、前記第2の光導波路と接続する第1の光導波路と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の光集積デバイス。
【請求項4】
前記第2のチップは、
薄膜LN(LiNbO3)結晶の材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の光集積デバイス。
【請求項5】
前記第2のチップ内の第2の光導波路は、
前記第1のチップと接続する第2の入力導波路と、
前記第2の入力導波路と光変調器との間を折り返して接続する折り返し導波路と、
前記光変調器と接続すると共に、前記第1のチップと接続する第2の出力導波路と、を有することを特徴とする請求項1に記載の光集積デバイス。
【請求項6】
前記第1のチップと前記第2のチップとがバットカップリングする接合面での前記第2の入力導波路と前記第2の出力導波路との間の間隔に比較して、前記折り返し導波路の直径が長くなる構造を有することを特徴とする請求項5に記載の光集積デバイス。
【請求項7】
前記第1のチップ内の第1の光導波路は、
入力側の光ファイバと前記第2の入力導波路との間を接続する第1の入力導波路と、
出力側の光ファイバと前記第2の出力導波路との間を接続する第1の出力導波路と、
を有し、
前記第1のチップと前記第2のチップとはバットカップリングする接合面での前記第2の入力導波路と前記第2の出力導波路との間の間隔が、前記入力側の光ファイバと前記出力側の光ファイバとの接合面における前記第1の入力導波路と前記第1の出力導波路との間の間隔に比較して狭い構造を有することを特徴とする請求項5に記載の光集積デバイス。
【請求項8】
前記第1のチップは、
反射ミラーを有し、
前記第2のチップは、
前記反射ミラーと接続する第3の光導波路と、
前記第3の光導波路と接続するカプラと、を有し、
前記反射ミラーは、
前記カプラからの試験光が前記第3の光導波路に入力された場合に、入力された前記試験光に対する反射光を前記カプラに対して反射することを特徴とする請求項5に記載の光集積デバイス。
【請求項9】
電気信号を用いて光を変調して送信光を送信する光変調器素子を有する光送信装置であって、
前記光変調器素子は、
光回路を備えた第1のチップと、前記第1のチップの材料に比較して電気光学効果が大きい材料を含む光導波路を備えた第2のチップとを有する光集積デバイスを内蔵し、前記第2のチップ上に形成されたトレンチに前記第1のチップが搭載され、前記第1のチップと前記第2のチップとはバットカップリングで光結合されていることを特徴とする光送信装置。
【請求項10】
送信信号を用いて光を光変調して送信光を送信する光変調器素子と、光を用いて受信光から受信信号を受信する光受信器素子と、を有する光トランシーバであって、
前記光変調器素子は、
光回路を備えた第1のチップと、前記第1のチップの材料に比較して電気光学効果が大きい材料を含む光導波路を備えた第2のチップとを有する光集積デバイスを内蔵し、前記第2のチップ上に形成されたトレンチに前記第1のチップが搭載され、前記第1のチップと前記第2のチップとはバットカップリングで光結合されていることを特徴とする光トランシーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光集積デバイス、光送信装置及び光トランシーバに関する。
【背景技術】
【0002】
図24は、光集積デバイス100の一例を示す平面模式図、
図25は、光集積デバイス100の一例を示す略断面模式図である。尚、説明の便宜上、略断面模式図は、
図24に示す光集積デバイス100の模式的な断面図である。光集積デバイス100は、光変調器チップ110と、MLA(Micro Lens Array)121と、PR(Polarization Rotator)122と、PBC(Poralization Beam Combiner)123と、光ファイバアレイ130と、を有する。光変調器チップ110は、例えば、TF-LN(Thin-Film LiNbO
3)変調器チップである。光変調器チップ110は、TF-LNの光導波路111と、TF-LNの光変調器112と、入力部113と、第1の出力部114Aと、第2の出力部114Bとを有する。光変調器チップ110のチップ端面110Aには、入力部113と、第1の出力部114Aと、第2の出力部114Bとが配置されている。
【0003】
光変調器チップ110内の光導波路111は、入力導波路111Aと、折り返し導波路111Bと、第1の出力導波路111C1と、第2の出力導波路111C2とを有する。入力導波路111Aは、光変調器チップ110の入力部113から光変調器チップ110の長手方向へ直線状に延びるTF-LNの導波路である。折り返し導波路111Bは、入力導波路111Aから折り返し、光変調器112の入力段に接続するTF-LNの導波路である。第1の出力導波路111C1は、光変調器112の出力段と光変調器チップ110の第1の出力部114Aとを接続するTF-LNの導波路である。第2の出力導波路111C2は、光変調器112の出力段と光変調器チップ110の第2の出力部114Bとを接続するTF-LNの導波路である。
【0004】
光変調器112は、光導波路と、光導波路に電気信号を印加する電極とを有し、電極から電気信号を印加することで光導波路を通過する光を光変調する。光ファイバアレイ130は、光を入力する入力側の光ファイバ131Aと、光を出力する出力側の光ファイバ131Bとを有する。
【0005】
MLA121は、TF-LNの光導波路111と光ファイバアレイ130とを光結合させる光変調器チップ110のチップ端面110Aに接続する光学部品である。MLA121は、光ファイバアレイ130内の入力側の光ファイバ131Aと接続し、入力側の光ファイバ131Aからの光を入力導波路111Aに入力する。MLA121は、光変調器112からのTE偏波の信号光をPR122及びPBC123に出力する。PR122は、MLA121を通じて、光変調器112からの信号光を90度偏波回転し、偏波回転後のTM偏波の信号光をPBC123に出力する。PBC123は、MLA121を通じて光変調器112から得たTE偏波の信号光と、偏波回転後のTM偏波の信号光とを偏波多重し、偏波多重後の信号光を光ファイバアレイ130内の出力側の光ファイバ131Bに出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-134609号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2016/0116680号明細書
【特許文献3】特開2020-021015号公報
【特許文献4】米国特許出願公開第2015/0355421号明細書
【特許文献5】特開2001-324654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
光集積デバイス100では、光変調器チップ110のチップ端面110Aにある光導波路111とMLA121との光軸を合わせて、光変調器チップ110とMLA121とを接着剤Aで固定する。そして、MLA121に対して、PR122、PBC123及び光ファイバアレイ130の光軸を合わせるアライメント作業が必要となる。
【0008】
しかしながら、光変調器チップ110内の光導波路111は、電気光学効果を有するTF-LNの光導波路であるため、光モードフィールド径が小さく、高精度のアライメント作業が求められている。従って、電気光学効果を有する光導波路を備えたチップにおいて実装に要する作業負担が大きくなる。
【0009】
一つの側面では、電気光学効果を有する光導波路を備えたチップにおいて実装に要する作業負担を軽減できる光集積デバイス等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一つの態様の光集積デバイスは、光回路を備えた第1のチップと、前記第1のチップの材料に比較して電気光学効果が大きい材料を含む光導波路を備えた第2のチップとを有する。光集積デバイスは、前記第2のチップ上に形成されたトレンチに前記第1のチップが搭載され、前記第1のチップと前記第2のチップとはバットカップリングで光結合されている。
【発明の効果】
【0011】
一つの側面によれば、電気光学効果を有する光導波路を備えたチップにおいて実装に要する作業負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施例1の光集積デバイスの一例を示す平面模式図である。
【
図2】
図2は、光集積デバイスの一例を示す略断面模式図である。
【
図3】
図3は、実施例2の光集積デバイスの一例を示す平面模式図である。
【
図4】
図4は、光集積デバイスの一例を示す略断面模式図である。
【
図5】
図5は、実施例3の光集積デバイスの一例を示す平面模式図である。
【
図6】
図6は、光集積デバイスの一例を示す略断面模式図である。
【
図7】
図7は、実施例4の光集積デバイスの一例を示す平面模式図である。
【
図8】
図8は、光集積デバイスの一例を示す略断面模式図である。
【
図9】
図9は、実施例5の光集積デバイスの一例を示す平面模式図である。
【
図10】
図10は、光集積デバイスの一例を示す略断面模式図である。
【
図11】
図11は、実施例6の光集積デバイスの一例を示す平面模式図である。
【
図12】
図12は、光集積デバイスの一例を示す略断面模式図である。
【
図13】
図13は、実施例7の光集積デバイスの一例を示す平面模式図である。
【
図14】
図14は、光集積デバイスの一例を示す略断面模式図である。
【
図15】
図15は、実施例8の光集積デバイスの一例を示す平面模式図である。
【
図16】
図16は、光集積デバイスの一例を示す略断面模式図である。
【
図17】
図17は、実施例9の光集積デバイスの一例を示す平面模式図である。
【
図18】
図18は、光集積デバイスの一例を示す略断面模式図である。
【
図19】
図19は、実施例10の光集積デバイスの一例を示す平面模式図である。
【
図20】
図20は、光集積デバイスの一例を示す略断面模式図である。
【
図21】
図21は、実施例11の光集積デバイスの一例を示す平面模式図である。
【
図22】
図22は、光集積デバイスの一例を示す略断面模式図である。
【
図23】
図23は、本実施例の光トランシーバの一例を示す説明図である。
【
図24】
図24は、光集積デバイスの一例を示す平面模式図である。
【
図25】
図25は、光集積デバイスの一例を示す略断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づいて、本願の開示する光集積デバイス等の実施例を詳細に説明する。尚、本実施例により、開示技術が限定されるものではない。また、以下に示す各実施例は、矛盾を起こさない範囲で適宜組み合わせても良い。
【実施例0014】
図1は、実施例1の光集積デバイス1の一例を示す平面模式図、
図2は、光集積デバイス1の一例を示す略断面模式図である。尚、説明の便宜上、略断面模式図は、光集積デバイス1の模式的な断面図である。光集積デバイス1は、電気光学効果を有する第2の光導波路11を備えた第2のチップ2と、光回路24及び第1の光導波路23を備えた第1のチップ3と、光ファイバアレイ4とを有する。第2のチップ2は、例えば、TF-LN(Thin-Film LiNbO
3)等の電気光学効果を有するチップである。第2のチップ2は、サブミクロン厚のLNの薄膜基板である。第1のチップ3は、例えば、シリコンフォトニクス(SiPh)のチップである。光ファイバアレイ4は、光を入力する入力側の光ファイバ4Aと、光を出力する出力側の光ファイバ4Bとを有する。
【0015】
第2のチップ2は、TF-LN材料で形成する第2の光導波路11と、TF-LN材料で形成する光変調器12と、チップ端面2A1に形成されたトレンチ13と、入力部14と、第1の出力部15Aと、第2の出力部15Bとを有する。トレンチ13は、第2のチップ2のチップ端面2A1に形成され、第1のチップ3を実装するためのテラス構造としている。入力部14は、トレンチ13の第2の接合面13Aに配置され、第1のチップ3の第1の光導波路23からの光を入力する部位である。第2の接合面13Aは、後述する第1のチップ3の第1の接合面3Aと当接する面である。第1の出力部15A及び第2の出力部15Bは、トレンチ13の第2の接合面13Aに配置され、光変調器12からの信号光を第1のチップ3の第1の光導波路23に出力する部位である。
【0016】
第2の光導波路11は、入力導波路11Aと、折り返し導波路11Bと、第1の出力導波路11C1と、第2の出力導波路11C2とを有する。入力導波路11Aは、入力部14から第2のチップ2の長手方向に延びると共に、折り返し導波路11Bと接続する直線状のTF-LNの光導波路である。折り返し導波路11Bは、入力導波路11Aと光変調器12の入力段とを接続する折り返しのTF-LNの導波路である。第1の出力導波路11C1は、光変調器12の出力段と第1の出力部15Aとを接続するTF-LNの導波路である。第2の出力導波路11C2は、光変調器12の出力段と第2の出力部15Bとを接続するTF-LNの導波路である。
【0017】
第1のチップ3は、第1の入力部21Aと、第2の入力部21Bと、第3の入力部21Cと、第1の出力部22Aと、第2の出力部22Bと、第1の光導波路23と、光回路24とを有する。光回路24は、Si材料で形成するPR(Polarization Rotator)24Aと、Si材料で形成するPBC(Polarization Beam Combiner)24Bと、を有する。第1の入力部21Aは、光ファイバアレイ4と接続する面に配置され、光ファイバアレイ4内の入力側の光ファイバ4Aからの光を入力する部位である。第1の出力部22Aは、第2のチップ2の第2の接合面13Aと当接する第1の接合面3Aに配置され、第1の入力部21Aからの光を第2のチップ2に出力する部位である。第2の入力部21Bは、第1の接合面3Aに配置され、第2のチップ2内の光変調器12からの光をPR24Aに入力する部位である。第3の入力部21Cは、第1の接合面3Aに配置され、第2のチップ2内の光変調器12からの光をPBC24Bに入力する部位である。第2の出力部22Bは、光ファイバアレイ4と接続する面に配置され、PBC24Bからの信号光を光ファイバアレイ4内の出力側の光ファイバ4Bに出力する部位である。
【0018】
第1の光導波路23は、入力導波路23Aと、第1の入力導波路23B1と、第2の入力導波路23B2と、出力導波路23Cとを有する。入力導波路23Aは、第1の入力部21Aと第1の出力部22Aとの間を接続するSi導波路である。第1の入力導波路23B1は、第2の入力部21BとPR24Aとの間を接続するSi導波路である。第2の入力導波路23B2は、第3の入力部21CとPBC24Bとの間を接続するSi導波路である。出力導波路23Cは、第2の出力部22BとPBC24Bとの間を接続するSi導波路である。
【0019】
PR24Aは、第1の入力導波路23B1からのTE偏波の信号光を90度偏波回転してTM偏波の信号光に変換し、TM偏波の信号光をPBC24Bに出力する偏波回転部である。PBC24Bは、第2の入力導波路23B2からのTE偏波の信号光と、PR24Aからの偏波回転後のTM偏波の信号光とを偏波多重し、偏波多重後の信号光を出力導波路23Cに出力する偏波多重部である。
【0020】
第2のチップ2のチップ端面2A1付近の一部には、第1のチップ3を、例えば、フェイスダウンで実装するためのテラス構造のトレンチ13が設けられている。尚、トレンチ13は、例えば、第2のチップ2の表面をエッチングすることで形成される。トレンチ13の壁面である第2の接合面13Aには、前述した通り、第1の出力部22Aと、第1の入力部21Aと、第2の入力部21Bとが配置されている。
【0021】
第2のチップ2のトレンチ13内に第1のチップ3をフェイスダウン実装する場合、第2のチップ2の第2の光導波路11と第1のチップ3の第1の光導波路23とを接着剤Aを用いてバットカップリング(Butt Coupling)で光結合する。その結果、第2のチップ2内の入力部14と第1のチップ3内の第1の出力部22Aとが光学的に接続する。更に、第2のチップ2内の第1の出力部15Aと第1のチップ3の第2の入力部21Bとが光学的に接続、第2のチップ2内の第2の出力部15Bと第1のチップ3の第3の入力部21Cとが光学的に接続する。
【0022】
更に、第1のチップ3は、光ファイバアレイ4と接着剤Aで接続することで、第1の入力部21Aと入力側の光ファイバ4Aとが光学的に接続すると共に、第2の出力部22Bと出力側の光ファイバ4Bとが光学的に接続する。
【0023】
実施例1の光集積デバイス1では、電気光学効果を有する第2のチップ2内のトレンチ13上に、光回路24を備えた第1のチップ3を実装して第2のチップ2の第2の光導波路11と第1のチップ3の第1の光導波路23とをバットカップリングで光結合する。その結果、PR24A及びPBC24Bの部品を個別に実装する必要がなくなるため、部品点数の削減や、電気光学効果を有する第2のチップ2において実装に要する作業負担を大幅に軽減できる。
【0024】
一般的にLN変調器チップは、SiPhチップに比較してサイズが大きく、SiPhチップ上にトレンチを形成してLN変調器を搭載した場合、LN変調器のサイズに合わせてSiPhチップのサイズも大きくする必要がある。これに対して、実施例1の光集積デバイス1では、SiPhチップである第1のチップ3のサイズをLN変調器チップである第2のチップ2に合わせる必要がないので、第1のチップ3の無駄をなくすことができる。
【0025】
第2のチップ2内のトレンチ13上に第1のチップ3をフェイスダウンで実装したので、第2のチップ2上に形成するトレンチ13の深さを浅くできる。従って、トレンチ13を形成する際のエッチングに要する負担を軽減できる。
【0026】
第2のチップ2の光変調器12は、TF-LN結晶の光変調器であるので、大きい電気光学効果を得ることで変調器の駆動電圧を小さくできる。
【0027】
第1のチップ3は、SiPhチップであるので、PR24A及びPBC24Bを含む光回路24の小型化を図ることができる。
【0028】
尚、説明の便宜上、第2のチップ2のトレンチ13上に第1のチップ3をフェイスダウン実装する場合を例示したが、フェイスアップ実装でも良く、適宜変更可能である。第1のチップ3では、第1の光導波路23がチップ表面付近に形成されるため、トレンチ13の深さを深くすることで第2のチップ2のトレンチ13上に第1のチップ3をフェイスアップ実装でも可能である。
【0029】
また、電気光学効果の材料としては、TF-LNを例示したが、これに限定されるものではなく、例えば、TF-Barium Titanateでも良く、適宜変更可能である。電気光学効果の材料としては、例えば、TF-BTO(BaTiO3)、TF-PLZT(PbLaZrTiO3)、TF-PZT(PbZrTiO3)でも良い。
【0030】
尚、実施例1の光集積デバイス1では、第2のチップ2内の第2の光導波路11と第1のチップ3内の第1の光導波路23との間をバットカップリングで光結合する場合を例示した。しかしながら、第2のチップ2内の第2の光導波路11の内、入力導波路11Aと、第1の出力導波路11C1との間隔Xが広くなると、第2のチップ2に対して第1のチップ3を実装する際に第1のチップ3の配置角度がズレた場合に光軸のズレが大きくなる。その結果、第2の光導波路11と第1の光導波路23との間の結合損失が大きくなる。そこで、このような事態に対処する実施の形態につき、実施例2として以下に説明する。
【実施例0031】
図3は、実施例2の光集積デバイス1Aの一例を示す平面模式図、
図4は、光集積デバイス1Aの一例を示す略断面模式図である。尚、実施例1の光集積デバイス1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。第2のチップ2のバットカップリング点における入力導波路11A1と第1の出力導波路11C1との間隔X及び、第1のチップ3のバットカップリング点における入力導波路23Aと第1の入力導波路23B1との間隔Xを狭くした点にある。バットカップリング点とは、第2のチップ2と第1のチップ3とがバットカップリングで光結合する部位である。入力導波路11A1と第1の出力導波路11C1との間隔X及び、入力導波路23Aと第1の入力導波路23B1との間隔Xは、入力側の光ファイバ4Aと出力側の光ファイバ4Bとの間隔X1に比較して狭くした。
【0032】
第2のチップ2のトレンチ13内に第1のチップ3をフェイスダウン実装する場合、第2のチップ2の第2の光導波路11と第1のチップ3の第1の光導波路23とを接着剤Aを用いてバットカップリングで光結合する。つまり、第2のチップ2内の入力部14の入力導波路11A1と第1のチップ3内の第1の出力部22Aの入力導波路23Aとが光学的に接続する。第2のチップ2内の第1の出力部15Aの第1の出力導波路11C1と第1のチップ3の第2の入力部21Bの第1の入力導波路23B1とが光学的に接続する。更に、第2のチップ2内の第2の出力部15Bの第2の出力導波路11C2と第1のチップ3の第3の入力部21Cの第2の入力導波路23B2とが光学的に接続する。
【0033】
第2のチップ2の入力導波路11A1と第1の出力導波路11C1との間隔Xを狭くしたので、
図1に示す折り返し導波路11Bと比べると、折り返し導波路11B1の曲率半径が小さくなる。
【0034】
第1のチップ3内の入力導波路23A1と出力導波路23Cとの間隔は、光ファイバアレイ4の入力側の光ファイバ4Aと出力側の光ファイバ4Bとの間隔X1に合わせるため、第1のチップ3内の入力導波路23A1を曲線状としている。
【0035】
実施例2の光集積デバイス1Aでは、第2のチップ2のバットカップリング点における入力導波路11A1と第1の出力導波路11C1との間隔Xを、光ファイバアレイ4の入力側の光ファイバ4Aと出力側の光ファイバ4Bとの間隔X1に比較して狭くした。その結果、第1のチップ3の実装時の第1のチップ3の配置角度のずれによるトレランスを緩くし、第2の光導波路11と第1の光導波路23との間の結合損失の劣化を抑制できる。
【0036】
尚、実施例2の光集積デバイス1Aでは、第2のチップ2の入力導波路11A1と第1の出力導波路11C1との間隔Xを狭くしたので、折り返し導波路11B1の曲率半径が小さくなる。その結果、折り返し導波路11B1での放射損失が発生する虞がある。そこで、このような事態に対処する実施の形態につき、実施例3として以下に説明する。
【実施例0037】
図5は、実施例3の光集積デバイス1Bの一例を示す平面模式図、
図6は、光集積デバイス1Bの一例を示す略断面模式図である。尚、実施例2の光集積デバイス1Aと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。第2のチップ2内の折り返し導波路11B2の直径は、第2のチップ2内のバットカップリング点における入力導波路11A2と第1の出力導波路11C1との間隔に比較して広くした点にある。
【0038】
実施例3の光集積デバイス1Bでの第2のチップ2内の折り返し導波路11B2の直径X2は、第2のチップ2内のバットカップリング点における入力導波路11A2と第1の出力導波路11C1との間隔Xに比較して広くした。その結果、折り返し導波路11B2の曲率半径が大きくなるため、折り返し導波路11B2での放射損失が抑制できる。
【0039】
尚、実施例3の光集積デバイス1Bでは、光モードフィールド径の小さいTF-LNの第2の光導波路11と第1の光導波路23との光軸を合わせるアライメント作業には高い精度が求められているため、実装に要する作業負担が大きくなる。そこで、このような事態に対処すべく、その実施の形態につき、実施例4として以下に説明する。
【実施例0040】
図7は、実施例4の光集積デバイス1Cの一例を示す平面模式図、
図8は、光集積デバイス1Cの一例を示す略断面模式図である。尚、実施例3の光集積デバイス1Bと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。第2のチップ2は、試験用出力部15A1と、試験用出力部15A1と接続する試験用導波路15A2と、試験用導波路15A2と接続すると共に、試験光を出力する光ファイバ5と接続するGC(Grating Coupler)15A3とを有する。試験用出力部15A1は、トレンチ13内の第2の接合面13Aの入力部14と第2の出力部15Bとの間に配置される。試験用導波路15A2は、入力部14の入力導波路11A1と第2の出力部15Bの第2の出力導波路11C2との間に配置され、試験用出力部15A1と接続するTF-LNの導波路である。GC15A3は、試験用導波路15A2と光ファイバ5と接続するカプラである。
【0041】
第1のチップ3は、試験用入力部25A1と、試験用入力部25A1と接続する試験用導波路25A2と、試験用導波路25A2と接続するループミラー25A3とを有する。試験用入力部25A1は、第1のチップ3の第1の接合面3Aの第1の出力部22Aと第3の入力部21Cとの間に配置され、第2のチップ2の試験用出力部15A1と接続する。試験用導波路25A2は、第1の出力部22Aの入力導波路23A1と第3の入力部21Cの第2の入力導波路23B2との間に配置され、試験用入力部25A1と接続するSi導波路である。ループミラー25A3は、試験用導波路25A2と接続し、試験用導波路25A2から入力する試験光を反射するミラーである。
【0042】
第2のチップ2のトレンチ13内に第1のチップ3を実装する際に第2のチップ2内の試験用出力部15A1と第1のチップ3内の試験用入力部25A1とを接続する。GC15A3は、光ファイバ5からの試験光を第2のチップ2内の試験用導波路15A2から、試験用入力部25A1を経て第1のチップ3内の試験用導波路25A2に出力する。更に、ループミラー25A3は、試験用導波路25A2から入力する試験光を試験用導波路25A2に反射して試験用導波路15A2に出力する。そして、GC15A3は、試験用導波路15A2からの試験光の反射光を図示せぬ試験用モニタに出力する。試験用モニタは、試験光の反射光を受光する。そして、試験用モニタは、反射光のパワーに基づき、第2のチップ2の第2の光導波路11と第1のチップ3の第1の光導波路23との光軸を合わせるアライメント作業を確実に行うことができる。
【0043】
実施例4の光集積デバイス1Cでは、第2のチップ2内のGC15A3と第1のチップ3内のループミラー25A3とを試験用導波路15A2、25A2で光接続する。更に、光集積デバイス1Cでは、GC15A3から入力した試験光に対するループミラー25A3の反射光のパワーに基づき、第2のチップ2内の第2の光導波路11と第1のチップ3内の第1の光導波路23との光軸を合わせるアライメント作業を実現できる。その結果、第2の光導波路11と第1の光導波路23との間を光結合する際の作業負担を軽減できる。
【0044】
GC15A3に接続する試験用モニタは、反射光のパワーをモニタし、反射光のパワーが所定レベルの場合、第2のチップ2の第2の光導波路11と第1のチップ3内の第1の光導波路23との光軸が合っているものと判断できる。また、試験用モニタは、反射光のパワーが所定レベルに満たない場合、第2の光導波路11と第1の光導波路23との光軸が合っていないものと判断できる。
【0045】
また、GC15A3からループミラー25A3への経路は光変調器12に光を入出力する経路とは独立しているため、実装作業用に設けられたGC15A3とループミラー25A3とが使用する試験光及び反射光による変調器の性能への影響を抑制できる。
【0046】
尚、光集積デバイス1Cでは、GC15A3と光ファイバ5とがアライメント配置されていない場合、第2のチップ2内の試験用導波路15A2と第1のチップ3内の試験用導波路25A2とがアライメント配置されている否かを正確に判定できない。そこで、このような事態に対処する実施の形態につき、実施例5として以下に説明する。
【実施例0047】
図9は、実施例5の光集積デバイス1Dの一例を示す平面模式図、
図10は、光集積デバイス1Dの一例を示す略断面模式図である。尚、実施例4の光集積デバイス1Cと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。第2のチップ2は、試験用出力部15A1、試験用導波路15A2及びGC15A3の他に、第1のGC16A3と、第1の試験用導波路16A2と、第1のループミラー16A1とを有する。
【0048】
GC15A3は、2芯ファイバアレイ5A内の第1の光ファイバと接続すると共に、試験用導波路15A2と接続し、第1の光ファイバからの第1の試験光を試験用導波路15A2に出力する。GC15A3は、試験用導波路15A2からの第1の試験光に対する第1の反射光を試験用モニタに出力する。試験用導波路15A2の試験用出力部15A1は、第1のチップ3の試験用入力部25A1と接続し、GC15A3からの第1の試験光を出力すると共に、試験用入力部25A1からの第1の試験光に対する第1の反射光を試験用導波路15A2に出力する。そして、GC15A3と接続する試験用モニタは、第1の反射光を受光する。
【0049】
第1のGC16A3は、2芯ファイバアレイ5A内の第2の光ファイバと接続すると共に、第1の試験用導波路16A2と接続し、第2の光ファイバからの第2の試験光を第1の試験用導波路16A2に出力する。第1のGC16A3は、第1の試験用導波路16A2からの第2の試験光に対する第2の反射光を試験用モニタに出力する。第1の試験用導波路16A2は、第1のGC16A3と第1のループミラー16A1とを接続するTF-LNの光導波路である。第1のループミラー16A1は、第1の試験用導波路16A2からの第2の試験光を入力し、第2の試験光に対する第2の反射光として第1の試験用導波路16A2に反射する。そして、第1のGC16A3と接続する試験用モニタは、第2の反射光を受光する。
【0050】
第1のGC16A3は、2芯ファイバアレイ5A内の第2の光ファイバと接続し、第2の光ファイバからの第2の試験光を第1の試験用導波路16A2に出力する。第1のループミラー16A1は、第1の試験用導波路16A2からの第2の試験光を第2の反射光として第1の試験用導波路16A2に出力する。そして、第1のGC16A3と接続する試験モニタは、第1の試験用導波路16A2からの第2の反射光を受光する。試験モニタは、第2の反射光のパワーに基づき、第2のチップ2内の第1のGC16A3と第2の光ファイバとのアライメント配置を確認する。試験モニタは、第1の反射光のパワーが所定レベル以上の場合、第2のチップ2内のGC15A3と第2の光ファイバとのアライメント配置、すなわち第2のチップ2と2芯ファイバアレイ5Aとのアライメント配置ができていると判断する。
【0051】
第2のチップ2と2芯ファイバアレイ5Aとのアライメント配置ができていると判断された後、GC15A3は、2芯ファイバアレイ5A内の第1の光ファイバからの第1の試験光を試験用導波路15A2に出力する。ループミラー25A3は、試験用導波路15A2からの第1の試験光に対する第1の反射光を試験用導波路15A2に出力する。そして、GC15A3と接続する試験モニタは、試験用導波路15A2からの第1の反射光を受光する。試験モニタは、第1の反射光のパワーに基づき、第2のチップ2内の第2の光導波路11と第1のチップ3内の第1の光導波路23とがアライメント配置されているか否かを正確に判断できる。
【0052】
尚、光集積デバイス1Dでは、第1のチップ3内に単一のループミラー25A3と接続する試験用導波路25A2と第2のチップ2内の試験用導波路15A2とを接続する場合を例示した。しかしながら、第1のチップ3内に単一のループミラー25A3に限定されるものではなく、複数のループミラーを使用しても良く、その実施の形態につき、実施例6として以下に説明する。
【実施例0053】
図11は、実施例6の光集積デバイス1Eの一例を示す平面模式図、
図12は、光集積デバイス1Eの一例を示す略断面模式図である。尚、実施例5の光集積デバイス1Dと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。光集積デバイス1Eと光集積デバイス1Dとが異なるところは、第1のチップ3内に複数個、例えば、2個のループミラーを配置した点にある。
【0054】
第2のチップ2は、光変調器12の外側に配置された第3のGC15B3と、第3の試験用導波路15B2と、第3の試験用出力部15B1と、を有する。更に、第2のチップ2は、入力導波路11A1の外側に配置された第4のGC15C3と、第4の試験用導波路15C2と、第4の試験用出力部15C1と、を有する。
【0055】
第3のGC15B3は、3芯ファイバアレイ5B内の第1の光ファイバと接続すると共に、第3の試験用導波路15B2と接続し、第1の光ファイバからの第3の試験光を第3の試験用導波路15B2に出力する。第3のGC15B3は、第3の試験用導波路15B2からの第3の試験光に対する第3の反射光を試験用モニタに出力する。第3の試験用導波路15B2の第3の試験用出力部15B1は、第1のチップ3の第3の試験用入力部25B1と接続し、第3のGC15B3からの第3の試験光を出力すると共に、第3の試験用入力部25B1からの第3の試験光に対する第3の反射光を入力する。
【0056】
第4のGC15C3は、3芯ファイバアレイ5B内の第3の光ファイバと接続すると共に、第4の試験用導波路15C2と接続し、第3の光ファイバからの第4の試験光を第4の試験用導波路15C2に出力する。第4のGC15C3は、第4の試験用導波路15C2からの第4の試験光に対する第4の反射光を試験用モニタに出力する。第4の試験用導波路15C2の第4の試験用出力部15C1は、第1のチップ3の第4の試験用入力部25C1と接続し、第4のGC15C3からの第4の試験光を出力すると共に、第4の試験用入力部25C1からの第4の試験光に対する第4の反射光を入力する。
【0057】
第1のチップ3は、第3の試験用入力部25B1と、第3の試験用導波路25B2と、第3のループミラー25B3と、を有する。第1のチップ3は、第4の試験用入力部25C1と、第4の試験用導波路25C2と、第4のループミラー25C3と、を有する。
【0058】
第3の試験用導波路25B2は、第1のチップ3の一端である第1の入力導波路23B1の外側に配置され、第3の試験用入力部25B1と第3のループミラー25B3とを接続するSi導波路である。第3のループミラー25B3は、第3の試験用導波路25B2からの第3の試験光を入力し、第3の試験光に対する第3の反射光として第3の試験用導波路25B2に反射する。
【0059】
第4の試験用導波路25C2は、第1のチップ3の他端である入力導波路23A1の外側に配置され、第4の試験用入力部25C1と第4のループミラー25C3とを接続するSi導波路である。第4のループミラー25C3は、第4の試験用導波路25C2からの第4の試験光を入力し、第4の試験光に対する第4の反射光として第4の試験用導波路25C2に反射する。
【0060】
第3のGC15B3は、3芯ファイバアレイ5B内の第1の光ファイバと接続し、第1の光ファイバからの第3の試験光を第3の試験用導波路15B2に出力する。第3のループミラー25B3は、第3の試験用導波路15B2からの第3の試験光を第3の反射光として第3の試験用導波路15B2に反射する。そして、第3のGC15B3と接続する試験モニタは、第3の試験用導波路15B2からの第3の反射光を受光する。試験モニタは、第3の反射光のパワーに基づき、第2のチップ2内の第2の光導波路11と第1のチップ3内の第1の光導波路23とのアライメント配置を確認しながら第1のチップ3の傾きを補正する。
【0061】
第4のGC15C3は、3芯ファイバアレイ5B内の第3の光ファイバと接続し、第3の光ファイバからの第4の試験光を第4の試験用導波路15C2に出力する。第4のループミラー25C3は、第4の試験用導波路15C2からの第4の試験光を第4の反射光として第4の試験用導波路15C2に反射する。そして、第4のGC15C3と接続する試験モニタは、第4の試験用導波路15C2からの第4の反射光を受光する。試験モニタは、第4の反射光のパワーに基づき、第2のチップ2内の第2の光導波路11と第1のチップ3内の第1の光導波路23とのアライメント配置を確認しながら第1のチップ3の傾きを補正する。
【0062】
実施例6の光集積デバイス1Eでは、第1のチップ3内の2個のループミラーを使用して第1のチップ3の傾きを補正しながら、第2のチップ2内の第2の光導波路11と第1のチップ3内の第1の光導波路23とのアライメント配置を実現する。その結果、光変調器12とPBC24Bとの間、光変調器12とPR24Aとの間のアライメント配置を高精度に実現できる。
【0063】
そして、試験モニタは、第3の反射光及び第4の反射光のパワーが夫々所定レベル以上の場合、第2のチップ2内の第2の光導波路11と第1のチップ3内の第1の光導波路23とがアライメント配置されているものと正確に判断できる。
【0064】
尚、説明の便宜上、第3の試験用導波路15B2及び第4の試験用導波路15C2を使用して2本の導波路の試験光を用いて第2の光導波路11と第1の光導波路23とがアライメント配置されている否かを判定する場合を例示した。しかしながら、2本の導波路、すなわち2箇所のバットカップリング点に限定されるものではなく、3本以上の導波路でも良く、配置箇所毎に試験用導波路、GC、ループミラーを配置すればよく、適宜変更可能である。
【0065】
また、第2のチップ2と第1のチップ3との間のバットカップリング点で第2のチップ2の第2の接合面13A及び第1のチップ3の第1の接合面3Aに対して光導波路が垂直になる。その結果、バットカップリング点での反射戻り光が光導波路に戻り、反射戻り光が光源からの光を不安定にすることも考えられる。そこで、このような事態に対処する実施の形態につき、実施例7として以下に説明する。
【実施例0066】
図13は、実施例7の光集積デバイス1Fの一例を示す平面模式図、
図14は、光集積デバイス1Fの一例を示す略断面模式図である。尚、実施例6の光集積デバイス1Eと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。光集積デバイス1Fと光集積デバイス1Eとが異なるところは、第2のチップ2Aと第1のチップ3Eとの間のバットカップリング点で第2のチップ2A及び第1のチップ3Eの光導波路に対してトレンチ13の第2の接合面13A1及び第1のチップ3Eの第1の接合面3E1を斜めにした点にある。
【0067】
第1のチップ3Eの平面形状は平行四辺形である。第1のチップ3Eは、第1のチップ3Eのバットカップリング点での第1の接合面3E1が第1の光導波路23に対して斜めとなる構造を有する。
【0068】
第2のチップ2Aは、トレンチ13の壁面、すなわち第2のチップ2Aのバットカップリング点での第2の接合面13A1が第2の光導波路11に対して斜めとなる構造を有する。
【0069】
第1のチップ3Eの入力導波路23Aと第2のチップ2Aの入力導波路11A1とが接続するバットカップリング点での第2の接合面13A1と第1の接合面3E1とが光導波路に対して斜めの状態で当接している。
【0070】
第1のチップ3Eの第1の入力導波路23B1と第2のチップ2Aの第1の出力導波路11C1とが接続するバットカップリング点での第2の接合面13A1と第1の接合面3E1とが光導波路に対して斜めの状態で当接している。
【0071】
第1のチップ3Eの第2の入力導波路23B2と第2のチップ2Aの第2の出力導波路11C2とが接続するバットカップリング点での第2の接合面13A1と第1の接合面3E1とが光導波路に対して斜めの状態で当接している。
【0072】
第1のチップ3Eの第3の試験用導波路25B2と第2のチップ2Aの第3の試験用導波路15B2とが接続するバットカップリング点での第2の接合面13A1と第1の接合面3E1とが光導波路に対して斜めの状態で当接している。
【0073】
第1のチップ3Eの第4の試験用導波路25C2と第2のチップ2Aの第4の試験用導波路15C2とが接続するバットカップリング点での第2の接合面13A1と第1の接合面3E1とが光導波路に対して斜めの状態で当接している。
【0074】
実施例7の光集積デバイス1Fでは、第2のチップ2Aと第1のチップ3Eとの間のバットカップリング点で第2のチップ2A及び第1のチップ3Eの光導波路に対して第2の接合面13A1及び第1の接合面3E1を斜めにする。その結果、バットカップリング点での反射戻り光を抑制できる。
【0075】
しかしながら、実施例7の光集積デバイス1Fでは、第1のチップ3Eの平面形状が平行四辺形であるため、第1のチップ3Eをシリコンウエハから切り出す際の取れ数が少なることも考えられる。そこで、このような事態に対処する実施の形態につき、実施例8として以下に説明する。
【実施例0076】
図15は、実施例8の光集積デバイス1Gの一例を示す平面模式図、
図16は、光集積デバイス1Gの一例を示す略断面模式図である。尚、実施例6の光集積デバイス1Eと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。光集積デバイス1Gと光集積デバイス1Eとが異なるところは、第2のチップ2Bと第1のチップ3Bとの間のバットカップリング点で第2のチップ2Bの第2の接合面13A及び第1のチップ3Bの第1の接合面3B1に対して導波路を斜めに配置した点にある。
【0077】
第1のチップ3Bの入力導波路23Aの第1の出力部22A付近の導波路を斜め導波路23A11にする。第2のチップ2Bの入力導波路11A1の入力部14付近の導波路を斜め導波路11A11にする。そして、斜め導波路23A11及び11A11同士をバットカップリングで光結合することで、入力導波路23Aと入力導波路11A1とを光学的に接続する。
【0078】
第1のチップ3Bの第1の入力導波路23B1の第2の入力部21B付近の導波路を斜め導波路23B11にする。第2のチップ2Bの第1の出力導波路11C1の第1の出力部15A付近の導波路を斜め導波路11C11にする。斜め導波路23B11及び11C11同士をバットカップリングで光結合することで、第1の出力導波路11C1と第1の入力導波路23B1とを光学的に接続する。
【0079】
第1のチップ3Bの第2の入力導波路23B2の第3の入力部21C付近の導波路を斜め導波路23B21にする。第2のチップ2Bの第2の出力導波路11C2の第2の出力部15B付近の導波路を斜め導波路11C21にする。斜め導波路23B21及び11C21同士をバットカップリングで光結合することで、第2の出力導波路11C2と第2の入力導波路23B2とを光学的に接続する。
【0080】
第1のチップ3Bの第3の試験用導波路25B2の第3の試験用入力部25B1付近の導波路を斜め導波路25B21にする。第2のチップ2Bの第3の試験用導波路15B2の第3の試験用出力部15B1付近の導波路を斜め導波路15B21にする。斜め導波路25B21及び15B21同士をバットカップリングで光結合することで、第3の試験用導波路15B2と第3の試験用導波路25B2とを光学的に接続する。
【0081】
第1のチップ3Bの第4の試験用導波路25C2の第4の試験用入力部25C1付近の導波路を斜め導波路25C21にする。第2のチップ2Bの第4の試験用導波路15C2の第4の試験用出力部15C1付近の導波路を斜め導波路15C21にする。斜め導波路25C21及び15C21同士をバットカップリングで光結合することで、第4の試験用導波路15C2と第4の試験用導波路25C2とを光学的に接続する。
【0082】
実施例8の光集積デバイス1Gでは、第2のチップ2Bと第1のチップ3Bとの間のバットカップリング点の斜め導波路同士をバットカップリングで光結合するため、バットカップリング点での反射戻り光を抑制できる。しかも、第1のチップ3Bの平面形状は長方形であるので、シリコンウエハから切り出す際の取れ数が実施例7の第1のチップ3Eに比較して多くできる。
【0083】
また、バットカップリング点での反射戻り光を抑制する光集積デバイス1Gは実施例8の構造に限定されるものではなく、他の実施の形態につき、実施例9として以下に説明する。
【実施例0084】
図17は、実施例9の光集積デバイス1Hの一例を示す平面模式図、
図18は、光集積デバイス1Hの一例を示す略断面模式図である。尚、実施例6の光集積デバイス1Eと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。光集積デバイス1Hと光集積デバイス1Eとが異なるところは、第2のチップ2Aと第1のチップ3Cとの間のバットカップリング点で第2のチップ2A及び第1のチップ3Cの光導波路に対して第2のチップ2Aの第2の接合面13A1及び第1のチップ3Cの第1の接合面3C1を斜めにした点にある。
【0085】
第2のチップ2Aは、トレンチ13の第2の接合面13A1、すなわち第2のチップ2Aのバットカップリング点でのチップ端面が第2の光導波路11に対して斜めになる構造を有する。
【0086】
第1のチップ3Cの平面形状は長方形のまま、
図11に比較して、第1の光導波路23、PR24A及びPBC24Bを斜めに配置して、第1のチップ3Cのバットカップリング点での第1の接合面3C1が第1の光導波路23に対して斜めになる構成である。
【0087】
第1のチップ3Cの入力導波路23Aと第2のチップ2Aの入力導波路11A1とが接続するバットカップリング点での第2の接合面13A1と第1の接合面3C1とが導波路に対して斜めの状態で当接している。
【0088】
第1のチップ3Cの第1の入力導波路23B1と第2のチップ2Aの第1の出力導波路11C1とが接続するバットカップリング点での第2の接合面13A1と第1の接合面3C1とが導波路に対して斜めの状態で当接している。
【0089】
第1のチップ3Cの第2の入力導波路23B2と第2のチップ2Aの第2の出力導波路11C2とが接続するバットカップリング点での第2の接合面13A1と第1の接合面3C1とが導波路に対して斜めの状態で当接している。
【0090】
第1のチップ3Cの第3の試験用導波路25B2と第2のチップ2Aの第3の試験用導波路15B2とが接続するバットカップリング点での第2の接合面13A1と第1の接合面3C1とが導波路に対して斜めの状態で当接している。
【0091】
第1のチップ3Cの第4の試験用導波路25C2と第2のチップ2Aの第4の試験用導波路15C2とが接続するバットカップリング点での第2の接合面13A1と第1の接合面3C1とが導波路に対して斜めの状態で当接している。
【0092】
実施例9の光集積デバイス1Hでは、第2のチップ2Aと第1のチップ3Cとの間のバットカップリング点で第2のチップ2A及び第1のチップ3Cの導波路に対して第2の接合面13A1及び第1の接合面3C1を斜めにした状態である。その結果、バットカップリング点での反射戻り光を抑制できる。
【0093】
次に実施例9の光集積デバイス1H内の第1のチップ3Cに光ファイバアレイ4を接続する形態につき、実施例10として以下に説明する。
【実施例0094】
図19は、実施例10の光集積デバイス1Jの一例を示す平面模式図、
図20は、光集積デバイス1Jの一例を示す略断面模式図である。尚、実施例9と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図19に示す光集積デバイス1Jでは、実施例9の光集積デバイス1H内の第1のチップ3Cと光ファイバアレイ4とをアライメントに光学用の接着剤A1で接続する構成である。
【0095】
第1のチップ3Cは、第2のチップ2Aと近接する第1の接合面3C1と対向するチップ端面である第3の接合面3C2に光ファイバアレイ4の第4の接合面4Xと当接する。
【0096】
光ファイバアレイ4は、第1のチップ3Cの第3の接合面3C2と近接する第4の接合面4Xを光ファイバアレイ4の軸方向に対して斜めにすることで、光ファイバアレイ4の第4の接合面4Xに対して、入力側の光ファイバ4A1及び出力側の光ファイバ4B1を斜めに配置されることになる。
【0097】
第1のチップ3Cを第2のチップ2Aに対してアライメントして光学用の接着剤Aで固定する。第1のチップ3Cの第3の接合面3C2の入力導波路23Aと光ファイバアレイ4の入力側の光ファイバ4A1とを光学的に接続すると共に、第3の接合面3C2の出力導波路23Cと光ファイバアレイ4の出力側の光ファイバ4B1とを光学的に接続する。そして、光ファイバアレイ4の第4の接合面4Xと第1のチップ3Cの第3の接合面3C2との間を接着剤A1で接合する。光集積デバイス1Jは、光ファイバアレイ4とアライメント配置できる。
【0098】
実施例10の光集積デバイス1Jでは、第1のチップ3Cと光ファイバアレイ4とをアライメント配置する場合を例示した。しかしながら、光変調器12のドライバの位置やパッケージの形状に応じて第1のチップ3Cの任意の角度位置に光ファイバアレイ4を配置しても良く、適宜変更可能である。そこで、このような実施の形態につき、実施例11として以下に説明する。
【実施例0099】
図21は、実施例11の光集積デバイス1Kの一例を示す平面模式図、
図22は、光集積デバイス1Kの一例を示す略断面模式図である。尚、実施例9と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図21に示す光集積デバイス1Kでは、実施例9の光集積デバイス1H内の第1のチップ3Dの軸方向に対して90度の角度位置に光ファイバアレイ4を光学用の接着剤A3で接続する構成である。
【0100】
第1のチップ3Dは、第1のチップ3Dの軸方向に対して90度の角度位置、例えば、第2のチップ2Bと接合する第1の接合面3D1と直交するチップ側面を光ファイバアレイ4と接合する第5の接合面3D2とする。第1のチップ3Dは、出力導波路23C1と、入力導波路23A1とを有する。入力導波路23A1は、第5の接合面3D2から第1の接合面3D1に向けて曲がる曲げ導波路である。出力導波路23C1は、第5の接合面3D2からPBC24Bに向けて曲がる曲げ導波路である。
【0101】
光ファイバアレイ4は、第1のチップ3Dの第5の接合面3D2と接合する第4の接合面4Xを光ファイバアレイ4の軸方向に対して斜めにする。光ファイバアレイ4の第4の接合面4Xに対して、入力側の光ファイバ4A2及び出力側の光ファイバ4B2を斜めに配置されることになる。
【0102】
第1のチップ3Dを第2のチップ2Bに対してアライメントして光学用の接着剤Aで固定する。第1のチップ3Dの第5の接合面3D2の入力導波路23A1と光ファイバアレイ4の入力側の光ファイバ4A2とを光学的に接続すると共に、第5の接合面3D2の出力導波路23C1と光ファイバアレイ4の出力側の光ファイバ4B2とを光学的に接続する。光ファイバアレイ4の第4の接合面4Xと第1のチップ3Dの第5の接合面3D2との間を接着剤A3で接合する。光集積デバイス1Kは、光集積デバイス1Kの軸方向に対する90度の角度位置で光ファイバアレイ4を配置できる。
【0103】
実施例11の光集積デバイス1Kでは、光集積デバイス1Kの軸方向に対して90度の角度位置に光ファイバアレイ4を配置したので、パッケージの小型化に寄与できる。
【0104】
尚、第2の光導波路11や第1の光導波路23等の導波路は、例えば、リブ導波路、リッジ導波路、矩形導波路、ハイメサ導波路であってもよい。リブ導波路は、スラブ部分にも光が染み出すため、コアの側壁荒れの影響を受けづらく、低損失な伝搬が可能なため、好ましい。矩形導波路は、光閉じ込めが強いことから、曲げ半径Rを小さくしても損失が小さくなるので好ましい。また、導波路は、低損失の曲げ導波路を使用しても良く、適宜変更可能である。
【0105】
第1の光導波路23は、コア及びクラッドがともにSiO2のあるPLCや、InP導波路、GaAs導波路でもよい。コアがSi、下部クラッドがSiO2、上部クラッドがSiO2若しくは空気、SiN等のSi導波路でもよい。導波路がSi導波路の場合、比屈折率差が大きいことから、光の閉じ込めが強く、それによって小さい曲げ半径Rでも低損失の曲げ導波路を実現できる、すなわち、光デバイスの小型化が可能なため好ましい。
【0106】
次に本実施例の光集積デバイス1を採用した光トランシーバ50について説明する。
図23は、光集積デバイス1を採用した光トランシーバ50の一例を示す説明図である。
図23に示す光トランシーバ50は、光送受信器51と、DSP(Digital Signal Processor)52とを有する。光送受信器51は、光変調器素子54と、ドライバ回路55と、光受信器素子56と、TIA(Transimpedance Amplifier)57と、を有する。DSP52は、光送受信器51全体を制御する。DSP52は、送信信号のIQ変調処理、及び受信信号の復調処理を実行する、デジタル信号処理を実行する電気部品である。
【0107】
DSP52は、例えば、送信データの符号化等の処理を実行し、送信データを含む電気信号を生成し、生成した電気信号をドライバ回路55に出力する。ドライバ回路55は、DSP52からの電気信号に応じて光変調器素子54を駆動する。光変調器素子54は、信号光を光変調する光変調器を含む光集積デバイス1を内蔵している。
【0108】
光受信器素子56は、信号光を電気変換する。TIA57は、電気変換後の電気信号を増幅し、増幅後の電気信号をDSP52に出力する。DSP52は、TIA57から取得した電気信号の復号等の処理を実行して受信データを得る。
【0109】
尚、説明の便宜上、光トランシーバ50は、光変調器素子54及び光受信器素子56を内蔵する場合を例示したが、光トランシーバ50は、光変調器素子54のみを内蔵した光送信装置でも良く、適宜変更可能である。
【0110】
また、図示した各部の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0111】
更に、各装置で行われる各種処理機能は、CPU(Central Processing Unit)(又はMPU(Micro Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)等のマイクロ・コンピュータ)上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良い。また、各種処理機能は、CPU(又はMPU、MCU等のマイクロ・コンピュータ)で解析実行するプログラム上、又はワイヤードロジックによるハードウェア上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良いことは言うまでもない。
【0112】
以上、本実施例を含む実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0113】
(付記1)光回路を備えた第1のチップと、前記第1のチップの材料に比較して電気光学効果が大きい材料を含む光導波路を備えた第2のチップとを有する光集積デバイスにおいて、
前記第2のチップ上に形成されたトレンチに前記第1のチップが搭載され、前記第1のチップと前記第2のチップとはバットカップリングで光結合されていることを特徴とする光集積デバイス。
【0114】
(付記2)前記第2のチップは、
前記光導波路と接続する光変調器を備え、
前記光回路は、
前記光変調器からの信号光を偏波回転する偏波回転部と、
前記光変調器からの信号光と前記偏波回転部にて偏波回転後の信号光とを偏波多重する偏波多重部と、
を有することを特徴とする付記1に記載の光集積デバイス。
【0115】
(付記3)前記第2のチップは、
第2の接合面と、
前記第2の接合面に対して斜めに配置された第2の光導波路と、を有し、
前記第1のチップは、
前記第2の接合面と当接する第1の接合面と、
前記第1の接合面に対して斜めに配置され、かつ、前記第2の光導波路と接続する第1の光導波路と、
を有することを特徴とする付記1に記載の光集積デバイス。
【0116】
(付記4)前記第2のチップは、
第2の光導波路と、
前記第2の光導波路に対して斜めになる、前記トレンチの第2の接合面と、を有し、
前記第1のチップは、
前記第2の光導波路と接続する第1の光導波路と、
前記第1の光導波路に対して斜めになり、かつ、前記第2の接合面と当接する第1の接合面と、
を有することを特徴とする付記1に記載の光集積デバイス。
【0117】
(付記5)前記第2のチップは、
第2の光導波路と、
前記第2の光導波路に対して斜めになり、かつ、前記第2の光導波路と接続する第2の斜め導波路と、を有し、
前記第1のチップは、
前記第1の光導波路と、
前記第1の光導波路に対して斜めになり、かつ、前記第2の斜め導波路と接続する第1の斜め導波路と、
を有することを特徴とする付記1に記載の光集積デバイス。
【0118】
(付記6)前記第1のチップは、
前記第2のチップ上に形成された前記トレンチ上にフェイスダウンで実装されることを特徴とする付記1に記載の光集積デバイス。
【0119】
(付記7)前記第2のチップは、
薄膜LN(LiNbO3)結晶の材料を含むことを特徴とする付記1に記載の光集積デバイス。
【0120】
(付記8)前記第2のチップ内の第2の光導波路は、
前記第1のチップと接続する第2の入力導波路と、
前記第2の入力導波路と光変調器との間を折り返して接続する折り返し導波路と、
前記光変調器と接続すると共に、前記第1のチップと接続する第2の出力導波路と、を有することを特徴とする付記1に記載の光集積デバイス。
【0121】
(付記9)前記第1のチップと前記第2のチップとがバットカップリングする接合部位での前記第2の入力導波路と前記第2の出力導波路との間の間隔に比較して、前記折り返し導波路の直径が長くなる構造を有することを特徴とする付記8に記載の光集積デバイス。
【0122】
(付記10)前記第1のチップ内の第1の光導波路は、
入力側の光ファイバと前記第2の入力導波路との間を接続する第1の入力導波路と、
出力側の光ファイバと前記第2の出力導波路との間を接続する第1の出力導波路とを有し、
前記第1のチップと前記第2のチップとがバットカップリングする接合部位での前記第2の入力導波路と前記第2の出力導波路との間の間隔が、前記入力側の光ファイバと前記出力側の光ファイバとの接合面における前記第1の入力導波路と前記第1の出力導波路との間の間隔に比較して狭い構造を有することを特徴とする付記8に記載の光集積デバイス。
【0123】
(付記11)前記第1のチップは、
反射ミラーを有し、
前記第2のチップは、
前記反射ミラーと接続する第3の光導波路と、
前記第3の光導波路と接続するカプラと、を有し、
前記反射ミラーは、
前記カプラからの試験光が前記第3の光導波路に入力された場合に、入力された前記試験光に対する反射光を前記カプラに対して反射することを特徴とする付記8に記載の光集積デバイス。
【0124】
(付記12)前記第2のチップは、
第4の光導波路と、
前記第4の光導波路と接続する第1のカプラと、
前記第4の光導波路と接続する第1の反射ミラーと、を有し、
前記第1の反射ミラーは、
前記第1のカプラからの試験光が前記第4の光導波路に入力された場合に、入力された前記試験光に対する反射光を前記第1のカプラに対して反射することを特徴とする付記11に記載の光集積デバイス。
【0125】
(付記13)電気信号を用いて光を変調して送信光を送信する光変調器素子を有する光送信装置であって、
前記光変調器素子は、
光回路を備えた第1のチップと、前記第1のチップの材料に比較して電気光学効果が大きい材料を含む光導波路を備えた第2のチップとを有する光集積デバイスを内蔵し、前記第2のチップ上に形成されたトレンチに前記第1のチップが搭載され、前記第1のチップと前記第2のチップとはバットカップリングで光結合されていることを特徴とする光送信装置。
【0126】
(付記14)送信信号を用いて光を光変調して送信光を送信する光変調器素子と、光を用いて受信光から受信信号を受信する光受信器素子と、を有する光トランシーバであって、
前記光変調器素子は、
光回路を備えた第1のチップと、前記第1のチップの材料に比較して電気光学効果が大きい材料を含む光導波路を備えた第2のチップとを有する光集積デバイスを内蔵し、前記第2のチップ上に形成されたトレンチに前記第1のチップが搭載され、前記第1のチップと前記第2のチップとはバットカップリングで光結合されていることを特徴とする光トランシーバ。
【符号の説明】
【0127】
1 光集積デバイス
2 第2のチップ
3 第1のチップ
11 第2の光導波路
11A1 入力導波路
11B 折り返し導波路
11C1 第1の出力導波路
11C2 第2の出力導波路
12 光変調器
13 トレンチ
15A2 試験用導波路
15A3 GC
23 第1の光導波路
23A 入力導波路
23C 出力導波路
24 光回路
24A PR
24B PBC
25A3 ループミラー
50 光トランシーバ
54 光変調器素子
56 光受信器素子
25