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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009402
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】半導体装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H10D 30/60 20250101AFI20250110BHJP
   H10D 30/65 20250101ALI20250110BHJP
   H10D 62/10 20250101ALI20250110BHJP
【FI】
H01L29/78 301W
H01L29/78 301D
H01L29/06 301F
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023112391
(22)【出願日】2023-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】302062931
【氏名又は名称】ルネサスエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】後藤 洋太郎
【テーマコード(参考)】
5F140
【Fターム(参考)】
5F140AA25
5F140AA30
5F140AC21
5F140BA16
5F140BF04
5F140BF11
5F140BF18
5F140BG08
5F140BH17
5F140BH30
5F140BH47
5F140BJ08
5F140BJ27
5F140BK34
5F140CD09
(57)【要約】
【課題】LDMOSFETを含む半導体装置の性能を向上する。
【解決手段】フィールドプレート電極FPとゲート電極GEとの間に、フィールドプレート電極FPと接する絶縁膜100が形成され、ドレイン領域DRとゲート電極GEの間において、絶縁膜100の上面に窪み200を形成する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板内に形成されたソース領域と、
前記ソース領域と離れており、且つ前記半導体基板内に形成されたドレイン領域と、
前記半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、
前記ゲート電極の側面上に形成されたサイドウォールスペーサと、
前記ゲート電極の上面の一部、前記サイドウォールスペーサおよび前記半導体基板と接するように形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成されたフィールドプレート電極と、
を備え、
前記ドレイン領域と前記ゲート電極の間において、前記絶縁膜の上面に窪みが形成されており、
前記窪みには、前記フィールドプレート電極の一部が充填されている、半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記絶縁膜は、
前記半導体基板と接する第1部分と、
前記サイドウォールスペーサと接する第2部分と、
前記ゲート電極の前記上面の一部と接する第3部分と、
を有し、
前記第1部分の上面と前記第2部分の上面の接続箇所には、前記窪みが形成されている、半導体装置。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記半導体基板の上面と前記窪みとの間の第1距離は、前記ゲート絶縁膜の厚さよりも大きい、半導体装置。
【請求項4】
請求項2に記載の半導体装置において、
前記第1部分の上面には、表面粗さに対応する凹凸が形成され、
前記凹凸の最高位置と前記窪みの下端との間の第1差は、前記凹凸の前記最高位置と前記凹凸の最低位置との間の第2差よりも大きい、半導体装置。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体装置において、
前記第1差は、2nmよりも大きい、半導体装置。
【請求項6】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記ゲート電極と前記ドレイン領域との間の距離は、前記ゲート電極と前記ソース領域との間の距離よりも大きい、半導体装置。
【請求項7】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記フィールドプレート電極は、金属シリサイド膜から形成されている、半導体装置。
【請求項8】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記絶縁膜は、
前記ゲート電極の前記上面の一部、前記サイドウォールスペーサおよび前記半導体基板と接するように形成された第1絶縁膜と、
前記ゲート電極の前記上面の他部および前記第1絶縁膜と接し、且つ前記ゲート電極を覆うように形成された第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜と接するように形成された第3絶縁膜と、
を有する、半導体装置。
【請求項9】
請求項8に記載の半導体装置において、
前記第2絶縁膜の厚さ均一性は、前記第1絶縁膜および前記第3絶縁膜のそれぞれの厚さ均一性よりも高い、半導体装置。
【請求項10】
請求項8に記載の半導体装置において、
前記フィールドプレート電極は、前記ゲート電極を覆い、且つ前記ソース領域と電気的に接続されるように延在している、半導体装置。
【請求項11】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記サイドウォールスペーサの下部には、リセス部が形成されている、半導体装置。
【請求項12】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記絶縁膜と接する前記半導体基板の上面は、前記サイドウォールスペーサと接する前記半導体基板の上面よりも低い、半導体装置。
【請求項13】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記フィールドプレート電極の一部は、平面視において、前記ドレイン領域と前記サイドウォールスペーサとの間において活性領域と重なるように、前記ゲート電極のゲート幅方向に延在しており、
前記フィールドプレート電極の一部は、複数のプラグと電気的に接続されている、半導体装置。
【請求項14】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記半導体装置は、前記フィールドプレート電極と接続されるプラグを有し、
前記プラグは、前記窪みから離れて配置されている、半導体装置。
【請求項15】
(a)半導体基板上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程、
(b)前記ゲート電極の側面上にサイドウォールスペーサを形成する工程、
(c)前記ゲート電極の上面の一部、前記サイドウォールスペーサおよび前記半導体基板と接するように絶縁膜を形成する工程、
(d)前記絶縁膜上にフィールドプレート電極を形成する工程、
を備え、
前記(c)工程では、常圧CVD法またはプラズマCVD法を使用することにより前記絶縁膜を形成する、半導体装置の製造方法。
【請求項16】
請求項15に記載の半導体装置の製造方法において、
前記絶縁膜は、
前記半導体基板と接する第1部分と、
前記サイドウォールスペーサと接する第2部分と、
前記ゲート電極の前記上面の一部と接する第3部分と、
を有し、
前記第1部分の上面と前記第2部分の上面との接続箇所には、窪みが形成されており、
前記窪みには、前記フィールドプレート電極の一部が充填されている、半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造技術に関し、例えば、横方向拡散電界効果トランジスタ(LDMOSFET(Lateral Diffused Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor))を有する半導体装置およびその製造技術に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2018-50048号公報(特許文献1)には、LDMOSFETを含む半導体装置の性能を向上させる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-50048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、CMOSFET(Complementary MOSFET)と混載可能なパワーデバイスとして、LDMOSFETが知られている。パワーデバイスは、トレードオフの関係にある耐圧の向上とオン抵抗の低減を必要とする。このことから、パワーデバイスの1つであるLDMOSFETも、耐圧の向上とオン抵抗の低減との両方を改善する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施の形態において、半導体装置は、フィールドプレート電極とゲート電極との間に、フィールドプレート電極と接する絶縁膜を有し、フィールドプレート電極とゲート電極の下端部との間の距離を小さくするために、絶縁膜は、ドレイン領域とゲート電極の間において、その上面に窪みを有する。そして、この窪みには、フィールドプレート電極の一部が充填されている。
【0006】
一実施の形態において、半導体装置の製造方法は、ゲート電極の上面の一部、サイドウォールスペーサおよび半導体基板と接するように絶縁膜を形成する工程を有し、この工程では、常圧CVD法またはプラズマCVD法を使用することにより絶縁膜を形成する。
【発明の効果】
【0007】
一実施の形態によれば、LDMOSFETを含む半導体装置の性能を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】LDMOSFETを含む半導体装置の構造を示す断面図である。
図2】フィールドプレート電極とゲート電極の下端部との間の構成を示す拡大図である。
図3】窪みと絶縁膜の表面粗さとの相違点を模式的に説明する図である。
図4】具現化態様における半導体装置の製造工程を示す図である。
図5図4に続く半導体装置の製造工程を示す図である。
図6図5に続く半導体装置の製造工程を示す図である。
図7図6に続く半導体装置の製造工程を示す図である。
図8図7に続く半導体装置の製造工程を示す図である。
図9図8に続く半導体装置の製造工程を示す図である。
図10図9に続く半導体装置の製造工程を示す図である。
図11】(a)は、窪みに存在する「傾斜領域」と窪みの「窪み量」を示す図であり、(b)は、窪み量と耐圧との関係を示すグラフである。
図12】変形例1における半導体装置の概略構成を示す平面図である。
図13図12のA-A線に沿う半導体装置の断面図である。
図14図12のB-B線に沿う半導体装置の断面図である。
図15図14の一部を示す拡大図である。
図16】変形例2において、フィールドプレート電極とゲート電極の下端部との間の構成を示す拡大図である。
図17】変形例3において、フィールドプレート電極とゲート電極の下端部との間の構成を示す拡大図である。
図18】変形例4において、フィールドプレート電極とゲート電極の下端部との間の構成を示す拡大図である。
図19】変形例5における半導体装置の概略構成を示す平面図である。
図20】(a)および(b)は、フィールドプレート電極とサイドウォールスペーサとの間の構成を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
【0010】
<フィールドプレート電極の有用性>
例えば,LDMOSFETは、半導体基板に形成されたソース領域とドレイン領域と、半導体基板上にゲート絶縁膜を介して配置されたゲート電極を有している。ここで、LDMOSFETの特徴は、ゲート電極とドレイン領域との間の距離が、ゲート電極とソース領域との間の距離よりも大きくなっていることである。
【0011】
これにより、LDMOSFETをオフした際にドレイン領域から延びる空乏層の幅を大きくすることができる。これにより、空乏層内の電界を緩和することができる。したがって、LDMOSFETの耐圧を向上できる。
【0012】
一方、LDMOSFETは、オン抵抗を低減することも必要とする。例えば、オン抵抗を低減するためには、ドリフト領域の不純物濃度を高くすることが考えられる。ところが、ドリフト領域の不純物濃度が高くなると、空乏層がドレイン領域から延びにくくなる。そして、空乏層内の等電位線の間隔が小さくなって電界が大きくなる。したがって、オン抵抗を低減するために、ドリフト領域の不純物濃度を高くすると、耐圧の低下を招く。
【0013】
そこで、オン抵抗を低減しながら、耐圧を向上させるために、LDMOSFETにフィールドプレート電極を形成することが検討されている。具体的に、フィールドプレート電極は、半導体基板の上面上にゲート電極の一部を覆うように形成され、基準電位(0V)がフィールドプレート電極に供給される。このフィールドプレート電極は、ソース領域とドレイン領域との間の電位差によって生じるドリフト領域の等電位線の間隔を広くでき、ドリフト領域での電界が緩和される。このことから、LDMOSFETにフィールドプレート電極を形成することによって、耐圧を向上できる。このように、フィールドプレート電極を有するLDMOSFETは、オン抵抗を低減しながら、耐圧を確保できる。
【0014】
<本発明者が見出した新規な知見>
オン抵抗を低減するために、ドリフト領域の不純物濃度を高くする場合、単にフィールドプレート電極を形成するだけでは、耐圧を向上させる観点から充分ではない場合がある。耐圧を向上させるための工夫を施す必要があることを本発明者は新規に見出している。
【0015】
具体的には、たとえ、フィールドプレート電極をLDMOSFETに形成したとしても、フィールドプレート電極とゲート電極の下端部との距離によっては、耐圧を確保できないおそれがある。なぜなら、不純物濃度を高くすると、等電位線の間隔が小さくなり、フィールドプレート電極とゲート電極の下端部との間に等電位線が入り込みやすくなるからである。そして、フィールドプレート電極とゲート電極の下端部との間に等電位線が入り込むことは、フィールドプレート電極とゲート電極の下端部との間で等電位線の間隔が小さくなって電界強度が大きくなることを意味する。この結果、例えば、ゲート電極の下端部に生じた電界集中が、このゲート電極の下端部において耐圧の低下を招く。このように、本発明者は、ドリフト領域の不純物濃度を高くすると、フィールドプレート電極による耐圧の向上効果(電界緩和効果)を充分に得られないおそれがあることを見出している。
【0016】
そこで、本実施の形態では、フィールドプレート電極を有するLDMOSFETにおいて、フィールドプレート電極とゲート電極の下端部との間の距離に着目して、フィールドプレート電極を有するLDMOSFETの耐圧を向上させている。以下では、本実施の形態における技術的思想について説明する。
【0017】
<実施の形態における基本思想>
本実施の形態における基本思想は、フィールドプレート電極とゲート電極の下端部との間の距離を小さくすることである。たとえ、ドリフト領域の不純物濃度を高くすることによりドリフト領域における等電位線の間隔が小さくなっても、フィールドプレート電極とゲート電極の下端部との間に等電位線が入り込みにくくなる。等電位線が入り込みにくくなることは、フィールドプレート電極とゲート電極の下端部との間において、等電位線の間隔が小さくなることを抑制できることを意味する。この結果、基本思想によれば、フィールドプレート電極とゲート電極の下端部との間で電界強度が大きくなることを抑制できる。このことから、基本思想によれば、例えば、ゲート電極の下端部の電界集中が耐圧の低下を引き起こすことを抑制できる。したがって、基本思想によれば、LDMOSFETを含む半導体装置の性能を向上できる。
【0018】
ここで、上述した基本思想を具現化するにあたっては、LDMOSFETと混載されるCMOSFETなどの素子の特性への影響を考慮することが必要である。すなわち、LDMOSFETは、CMOSFETと混載することに適した構造を有する。そして、LDMOSFETをCMOSFETと混載する半導体装置に、CMOSFETの特性への影響をできるだけ小さくしつつ、基本思想が具現化され得る。
【0019】
例えば、製造工程を追加することによってゲート電極の側面上に形成されるサイドウォールスペーサの幅を縮小することが考えられる。これによれば、フィールドプレート電極とゲート電極の下端部との間の距離を小さくすることができる。ただし、CMOSFETもサイドウォールスペーサを有し、CMOSFETのサイドウォールスペーサの幅も縮小する。CMOSFETのサイドウォールスペーサの幅の縮小は、CMOSFETの特性変動を引き起こすおそれがある。
【0020】
そこで、本実施の形態では、基本思想を具現化するにあたって、LDMOSFETと混載されるCMOSFETの特性への影響をできるだけ低減している。以下では、CMOSFETの特性への影響をできるだけ低減することを考慮しながら、上述した基本思想を具現化した具現化態様について説明する。
【0021】
<具現化態様>
まず、具現化態様のコンセプトについて説明する。
【0022】
例えば、具現化態様のコンセプトは、フィールドプレート電極とゲート電極との間に、フィールドプレート電極と接する絶縁膜が存在する場合、ドレイン領域とゲート電極の間(フィールドプレート電極とゲート電極の間)において、絶縁膜の上面に窪みを形成するというものである。また、窪みには、フィールドプレート電極の一部が充填されている。これにより、フィールドプレート電極とゲート電極の下端部との間の距離を小さくできる。
【0023】
以下では、上述したコンセプトに基づく具現化態様の詳細について説明する。
【0024】
<<半導体装置の構造>>
図1は、LDMOSFET1を含む半導体装置の構造を示す断面図である。
【0025】
LDMOSFET1は、半導体基板SUBと、エピタキシャル層EPIと、p型ウェルPWLと、ゲート絶縁膜GOXと、ゲート電極GEと、サイドウォールスペーサSWと、ソース領域SRと、ドレイン領域DRと、オフセットドレイン領域ODRと、絶縁膜100と、フィールドプレート電極FPと、ボディコンタクト領域BCを有する。
【0026】
図1に示すように、半導体基板SUB上には、エピタキシャル層EPIが形成されている。半導体基板SUBは、例えば、砒素(As)等のn型不純物(ドナー)が導入された単結晶シリコンから構成されている。また、エピタキシャル層EPIもn型不純物が導入された単結晶シリコンから構成されている。半導体基板SUBとエピタキシャル層EPIからなる積層体を、基板1Sと呼ぶ場合がある。
【0027】
このエピタキシャル層EPIは、ドリフト領域として機能する。エピタキシャル層EPIの不純物濃度は、半導体基板SUBの不純物濃度よりも低い。
【0028】
次に、エピタキシャル層EPIの上部内には、p型半導体領域であるp型ウェルPWLが形成されている。このp型ウェルPWLは、p型ボディ領域とも呼ばれる。p型ウェルPWLは、LDMOSFET1をオフした際、「パンチスルー」を抑制するパンチスルーストッパとしての機能を有している。ドレイン領域DRからソース領域SRに空乏層が達すると、「パンチスルー」が発生する。
【0029】
続いて、基板1S上には、ゲート絶縁膜GOXを介して、ゲート電極GEが形成されている。ゲート絶縁膜GOXは、例えば、酸化シリコン膜からなる。ゲート電極GEは、例えば、ポリシリコン膜と、ポリシリコン膜の上面に形成された金属シリサイドSLから形成される。ゲート電極GEの側面上には、例えば、酸化シリコン膜からなるサイドウォールスペーサSWが形成されている。
【0030】
エピタキシャル層EPI内に、ソース領域SRとオフセットドレイン領域ODRとが形成されている。ソース領域SRとオフセットドレイン領域ODRは、p型ウェルPWLの上面に形成されるチャネル形成領域を挟んで互いに離れている。
【0031】
チャネル形成領域は、ゲート電極GEの直下の領域に対応している。このチャネル形成領域には、ゲート電極GEにしきい値電圧以上のゲート電圧を印加した場合に反転層からなるチャネルが形成される。
【0032】
ソース領域SRの上面には、金属シリサイドSLが形成されている。本明細書では、この金属シリサイドSLもソース領域SRに含まれる。オフセットドレイン領域ODRと接するように、エピタキシャル層EPI内にドレイン領域DRが形成されている。このドレイン領域DRの上面には、金属シリサイドSLが形成されている。本明細書では、この金属シリサイドSLもドレイン領域DRに含まれる。このドレイン領域DRの深さは、オフセットドレイン領域ODRの深さよりも浅い。また、ドレイン領域DRの不純物濃度は、オフセットドレイン領域ODRの不純物濃度よりも高い。
【0033】
LDMOSFET1において、ドレイン領域DRとゲート電極GEとの間には、オフセットドレイン領域ODRが形成されている。このことから、LDMOSFET1では、ゲート電極GEとドレイン領域DRとの間の距離が、ゲート電極GEとソース領域SRとの間の距離よりも大きい。すなわち、LDMOSFET1では、ソース領域SRとドレイン領域DRとがゲート電極GEに対して非対称に形成されている。
【0034】
これにより、LDMOSFET1をオフした際にドレイン領域DRからオフセットドレイン領域ODRに空乏層を充分に延ばすことができるため、ソース領域SRとドレイン領域DRとの間の耐圧を向上できる。すなわち、オフセットドレイン領域ODRは、十分な耐圧を確保するために形成されている。
【0035】
次に、図1に示すように、基板1S、サイドウォールスペーサSWおよびゲート電極GEの上面の一部と接するように絶縁膜100が形成されている。この絶縁膜100は、例えば、酸化シリコン膜から構成されている。そして、絶縁膜100上には、絶縁膜100と接するようにフィールドプレート電極FPが形成されている。すなわち、フィールドプレート電極FPは、ゲート電極GEの一部上、ゲート電極GEのドレイン領域DRに面する側面上に形成されているサイドウォールスペーサSW上、およびオフセットドレイン領域ODR上にかけて連続的に形成されている。このフィールドプレート電極FPは、例えば、金属シリサイド膜から形成されている。
【0036】
LDMOSFET1を覆うように層間絶縁膜ILが形成されている。層間絶縁膜ILは、例えば、酸化シリコン膜から構成されている。そして、図1に示すように、層間絶縁膜ILには、例えば、ドレイン領域DRに達するプラグPLG1と、ソース領域SRに達するプラグPLG2が形成されている。
【0037】
ここで、基板1Sには、ソース領域SRと接するようにp型半導体領域からなるボディコンタクト領域BCが形成されている。そして、プラグPLG2は、ソース領域SRだけでなく、ボディコンタクト領域BCとも電気的に接続されている。したがって、LDMOSFET1では、ソース領域SRとボディコンタクト領域BCが同電位を有する。ボディコンタクト領域BCは、p型ウェルPWLと接続されているため、p型ウェルPWLとソース領域SRとが同電位で接続されている。この結果、LDMOSFET1によれば、p型ウェルPWLとソース領域SRとの間の電位差が生じにくくなる。これにより、ソース領域SR、p型ウェル領域PWLおよび半導体基板SUB(エピタキシャル層EPI)からなる寄生npnバイポーラトランジスタがオンすることを抑制できる。すなわち、LDMOSFET1によれば、寄生バイポーラトランジスタによる「ラッチアップ」を抑制できる。
【0038】
以上のようにして、LDMOSFET1が構成されている。
【0039】
次に、フィールドプレート電極FPとゲート電極GEの下端部との間の詳細な構成について説明する。図2は、フィールドプレート電極FPとゲート電極GEの下端部との間の構成を示す拡大図である。以下では、特に、フィールドプレート電極FPの下に位置する絶縁膜100について説明する。
【0040】
図2において、絶縁膜100は、基板1Sと接する第1部分P1と、サイドウォールスペーサSWと接する第2部分P2と、ゲート電極GEの上面の一部と接する第3部分P3とを有している。また、第1部分P1の上面と第2部分P2の上面との接続箇所には、窪み200が形成されている。この窪み200には、フィールドプレート電極FPの一部が充填されている。このように構成されているLDMOSFET1では、図2に示すように、基板1Sの上面と窪み200との間の「距離B」(第1距離)は、ゲート絶縁膜GOXの「厚さA」よりも大きい。このとき、「距離B」は、基板1Sの上面に垂直な方向において、基板1Sの上面と窪み200の下端との間の最短距離である。
【0041】
ここで、絶縁膜100の上面には、表面粗さに対応した凹凸が存在する。この点に関し、絶縁膜100の第1部分P1の上面と第2部分P2の上面との接続箇所に形成されている窪み200は、上述した凹凸よりも大きく、窪み200は、上述した凹凸と区別される。
【0042】
以下では、窪み200と表面粗さに対応した凹凸との相違点について、図3を参照しながら説明する。
【0043】
図3は、窪み200と絶縁膜100の表面粗さとの相違点を示す図である。図3において、絶縁膜100の第1部分P1と第2部分P2の接続箇所に窪み200が形成されている。図3に示されるように、絶縁膜100の第1部分P1の上面に表面粗さに対応する凹凸が形成されている。凹凸の最高位置と窪み200の最低位置との間の距離「S」(第1差)は、凹凸の最高位置と凹凸の最低位置との間の差「H1」(第2差)よりも大きい。具体的に、距離「S」は、2nmよりも大きい。このように、具現化態様においては、窪み200は、表面粗さに対応した凹凸と明確に区別される。
【0044】
<<半導体装置の製造方法>>
続いて、半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0045】
まず、図4に示すように、p型ウェルPWL、オフセットドレイン領域ODRおよびドレイン領域DRを形成した基板1Sの上面上にゲート絶縁膜GOXを介してゲート電極GEを形成する。そして、ゲート電極GEの側面上にサイドウォールスペーサSWを形成する。次に、図5に示すように、基板1S(オフセットドレイン領域ODRおよびドレイン領域DR)、サイドウォールスペーサSWおよびゲート電極GEの上面を覆うように絶縁膜100を形成する。
【0046】
絶縁膜100は、例えば、常圧CVD法(Chemical Vapor Deposition)あるいはプラズマCVD法を使用することにより形成される。常圧CVD法を使用して絶縁膜100を形成する場合の成膜条件は、以下の通りである。例えば、成膜温度は380度である。また、原料ガスは、シランガス(SiH)と酸素ガス(O)である。さらに、成膜圧力は760Torr(1Torr=133.32Pa)である。
【0047】
一方、プラズマCVD法を使用して絶縁膜100を形成する場合の成膜条件は、以下の通りである。例えば、成膜温度は400度である。また、原料ガスはTEOSと酸素ガスである。さらに、成膜圧力は3Paである。
【0048】
具現化態様における絶縁膜100は、図5に示すように、基板1Sと接する第1部分P1と、サイドウォールスペーサSWと接する第2部分P2と、ゲート電極GEの上面と接する第3部分P3を含む。常圧CVD法あるいはプラズマCVD法を使用することにより、絶縁膜100の厚さ均一性が低下し、第1部分P1の上面と第2部分P2の上面の接続箇所に窪み200が形成される。すなわち、具現化態様では、意図的に窪み200が形成される。
【0049】
続いて、図6に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、絶縁膜100をパターニングする。これにより、絶縁膜100は、ゲート電極GEの上面の一部を覆い、ゲート電極GEの上面の他部を露出する。絶縁膜100のパターニングによって、絶縁膜100は、第1部分P1、第2部分P2およびゲート電極GEの上面の一部と接する第3部分P3から構成される。そして、図7に示すように、シリサイド技術を使用することにより、絶縁膜100から露出する基板1Sの上面およびゲート電極GEの上面の他部に金属シリサイドSLを形成する。
【0050】
次に、図8に示すように、例えば、スパッタリング法を使用することにより、絶縁膜100およびゲート電極GEを覆うようにタングステンシリサイド膜SFを形成する。そして、図9に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、タングステンシリサイド膜SFをパターニングして、フィールドプレート電極FPを形成する。このとき、窪み200の内部には、フィールドプレート電極FPの一部が充填される。このようにして、LDMOSFET1を形成することができる。
【0051】
その後、例えば、図10に示すように、基板1S上に形成されたLDMOSFET1を覆うように、層間絶縁膜ILを形成する。層間絶縁膜ILは、例えば、酸化シリコン膜から構成される。続いて、図示はしないが、層間絶縁膜ILを貫通するプラグおよびプラグと接続される配線を形成する。これにより、具現化態様におけるLDMOSFET1を含む半導体装置を製造できる。
【0052】
<<具現化態様における特徴>>
次に、具現化態様における特徴について説明する。
【0053】
具現化態様における第1特徴は、例えば、図2に示すように、フィールドプレート電極FPの下に位置する絶縁膜100の第1部分P1の上面と第2部分P2の上面との接続箇所に窪み200が形成されていることである。これにより、窪み200にフィールドプレート電極FPの一部が充填されるため、フィールドプレート電極FPとゲート電極GEの下端部との間の距離「L」を窪み200を有さない構成よりも小さくできる。
【0054】
このような第1特徴によれば、たとえ、ドリフト領域(基板1Sの内部)の不純物濃度を高くすることによりドリフト領域における等電位線の間隔が小さくなっても、窪み200の存在によって図2に示す距離「L」が小さくなる。そのため、フィールドプレート電極FPとゲート電極GEの下端部との間に等電位線が入り込みにくくなる。したがって、フィールドプレート電極FPとゲート電極GEの下端部との間において、等電位線の間隔が小さくなることを抑制できる。この結果、第1特徴によれば、LDMOSFET1のオン抵抗を低減するために、ドリフト領域の不純物濃度を高くしても、フィールドプレート電極FPとゲート電極GEの下端部との間で電界強度が大きくなることを抑制できる。このことから、第1特徴によれば、オン抵抗を低減しながら、ゲート電極GEの下端部での電界集中が耐圧の低下を引き起こすことを抑制できる。すなわち、第1特徴によれば、互いにトレードオフの関係にあるオン抵抗の低減と耐圧の向上との両方を改善できる。したがって、第1特徴によれば、LDMOSFET1を含む半導体装置の性能を向上できる。
【0055】
上述したように、絶縁膜100に窪み200を形成することによって、LDMOSFET1の耐圧を向上できる。この点に関し、窪み200が形成されていれば、耐圧を向上できるため、窪み200の形状は図2に示される形状に限定されない。なぜなら、窪み200を形成する技術的意義は、フィールドプレート電極FPとゲート電極GEの下端部との間の距離「L」を小さくすることだからである。すなわち、窪み200が存在することによって、距離「L」が小さくなれば、フィールドプレート電極FPとゲート電極GEの下端部との間に等電位線が入り込みにくくなる。
【0056】
一方、本発明者は、窪み200のサイズが変わると、耐圧の向上効果に一定の差異が生じることを明らかにしたので、以下では、この点について説明する。
【0057】
図11(a)および図11(b)は、耐圧に対する窪みのサイズ依存性を説明する図である。図11(a)は、窪み200に存在する「傾斜領域」と窪みの「窪み量」を示す図であり、図11(b)は、窪み量と耐圧との関係を示すグラフである。
【0058】
図11(a)に示すように、窪み200の「傾斜領域」と「窪み量」が定義される。「傾斜領域」は、基板1Sの上面に対して傾斜している第1部分P1の上面の水平方向長さに相当する。「窪み量」は、基板1Sの上面に垂直な方向において、第1部分P1の上面の最高位置と窪みの下端との間の距離に相当する。
【0059】
図11(b)において、グラフ(1)は、「傾斜領域=0.03μm」である窪み200に対応する窪み量と耐圧との関係を示す。これに対し、グラフ(2)は、「傾斜領域=0.09μm」である窪み200に対応する窪み量と耐圧との関係を示す。
【0060】
図11(b)に示すように、グラフ(1)およびグラフ(2)の両方において得られた同様の傾向について説明する。つまり、「窪み量」が大きくなると、耐圧は向上しているが(第1傾向)、「窪み量」が「0.05μm」を超えると耐圧が低下している(第2傾向)。ここで、「窪み量」が大きくなるということは、窪み200のサイズが大きくなることを意味している。このことから、第1傾向は、窪み200のサイズが大きくなるほど、距離「L」が小さくなって等電位線の入り込みが充分に抑制されることを示している。
【0061】
「窪み量」が大きくなるということは、窪み200と基板1Sの上面の間の距離、言い換えれば、窪み200直下の絶縁膜100の厚さが小さくなることを意味する。そして、「窪み量」が大きくなると、窪み200直下の絶縁膜100の厚さがゲート絶縁膜GOXの厚さよりも小さくなる。この場合、窪み200直下の絶縁膜100の厚さの小さい部分が、耐圧低下のホットスポットとしてふるまうと考えられる。すなわち、第2傾向は、窪み200のサイズが大きくなり、窪み200直下の絶縁膜100の厚さがゲート絶縁膜GOXの厚さよりも小さくなると、窪み200の直下領域が耐圧低下のホットスポットとして顕在化することを示している。
【0062】
以上のことから、窪み200を形成して耐圧を向上させるためには、窪み200直下の絶縁膜100の厚さがゲート絶縁膜GOXの厚さよりも小さくならないように、窪み200のサイズ(「窪み量」)を大きくすることが望ましい。
【0063】
続いて、具現化態様における第2特徴は、例えば、図5に示すように、常圧CVD法あるいはプラズマCVD法を使用することにより絶縁膜100を形成することである。これにより、低圧CVD法から常圧CVD法あるいはプラズマCVD法に絶縁膜100の形成方法を変更するだけで、図5に示すように、絶縁膜100の第1部分P1の上面と第2部分P2の上面との接続箇所に窪み200を形成することができる。
【0064】
常圧CVD法あるいはプラズマCVD法によって、低圧CVD法によって成膜される膜よりも低い厚さ均一性の膜が成膜される。その結果、絶縁膜100の第1部分P1の上面と第2部分P2の上面との接続箇所に図5に示すような窪み200を形成できる。
【0065】
例えば、一般的に、絶縁膜100は、高い厚さ均一性のコンフォーマルな膜であることが望ましい。このため、絶縁膜100の形成方法として低圧CVD法が使用される。
【0066】
この点に関し、本発明者は、あえて高い厚さ均一性のコンフォーマルな絶縁膜100を形成するのではなく、低い厚さ均一性の絶縁膜100を形成すれば、必然的に窪み200が形成されるという点に着目している。特に、本発明者は、常圧CVD法あるいはプラズマCVD法によって成膜される膜は、低圧CVD法によって成膜される膜よりも厚さ均一性が低いことに着目して、通常は、絶縁膜100の形成方法として使用されない常圧CVD法あるいはプラズマCVD法を積極的に使用している。
【0067】
例えば、常圧CVD法を使用する場合、絶縁膜100に窪み200を形成しやすくするためには、成膜温度(380度以上420度以下程度)を低くすることが望ましい。一方、プラズマCVD法を使用する場合、絶縁膜100に窪み200を形成しやすくするためには、(1)成膜温度を低くする(380度以上420度以下程度)、(2)圧力を上げる(3Pa以上4Pa以下程度)あるいは(3)高周波数と低周波数のバランスを変更する(高周波数:13MHz以上14MHz以下程度、低周波数:250kHz以上400kHz以下程度)ことが望ましい。
【0068】
以上のような具現化態様における第2特徴によれば、LDMOSFET1と混載されるCMOSFETなどの素子の特性への影響を低減しながら、絶縁膜100に窪み200を形成できる。なぜなら、フィールドプレート電極FPおよび下地膜である絶縁膜100は、LDMOSFET1に固有の構成要素だからである。すなわち、絶縁膜100は、CMOSFETに残存させないため、絶縁膜100の形成方法の変更は、CMOSFETの構造に影響しない。したがって、具現化態様における第2特徴は、CMOSFETの特性に影響することなく、LDMOSFET1の耐圧を向上できる。
【0069】
さらに、具現化態様では、CMOSFETの特性に影響しないように、フィールドプレート電極FPの構成材料が選択されている。例えば、フィールドプレート電極FPの構成材料として、窒化チタン(TiN)が採用されることがある。この窒化チタンは、洗浄処理である「APM処理/SPM処理」で溶融するため、フィールドプレート電極FPの形成不良が発生する場合がある。したがって、フィールドプレート電極FPを窒化チタンから構成すると、フィールドプレート電極FPに達するコンタクトホールの形成工程で使用される洗浄処理の洗浄条件を変更する必要がある。この点に関し、フィールドプレート電極FPに達するコンタクトホールだけでなく、CMOSFET(ソース領域、ドレイン領域およびゲート電極)に達するコンタクトホールも形成される。このため、洗浄条件の変更は、CMOSFETに達するコンタクトホールの洗浄処理の洗浄条件も変更されることを意味する。したがって、コンタクトホールの洗浄処理の洗浄条件の変更は、CMOSFETの特性に影響するおそれがある。すなわち、フィールドプレート電極FPを窒化チタンから構成すると、コンタクトホールの洗浄処理の洗浄条件の変更が、CMOSFETの特性に影響する可能性がある。
【0070】
そこで、具現化態様では、フィールドプレート電極FPを金属シリサイド(例えば、タングステンシリサイド)から構成している。なぜなら、金属シリサイドは、「APM処理/SPM処理」で溶融しないため、洗浄条件を変更する必要がないからである。
【0071】
また、CMOSFETの特性への影響を抑制する観点から、フィールドプレート電極FPをポリシリコン膜から構成しなくてもよい。なぜなら、ポリシリコン膜の成膜温度は、金属シリサイドの形成温度よりも高く、熱によるCMOSFETの特性変動が生じる懸念があるからである。
【0072】
以上のことから、具現化態様では、フィールドプレート電極FPを窒化チタン膜やポリシリコン膜ではなく、金属シリサイド膜から構成することにより、LDMOSFET1と混載されるCMOSFETの特性に悪影響を与えることなく、フィールドプレート電極FPを実現できる。
【0073】
<変形例1>
次に、本変形例1における半導体装置について説明する。
【0074】
<<半導体装置の構造>>
図12は、本変形例1における半導体装置の概略構成を示す平面図である。
【0075】
図12において、複数のプラグPLG1(図12では、8つのプラグPLG1)がY方向に離れて並ぶように配置されている。また、複数のプラグPLG1(図12では、2つのプラグPLG1)がX方向に離れて配置されている。すなわち、図12では、Y方向に並んで配置されている8つのプラグPLG1からなる「プラグ列」がX方向に2列に並んで配置されている。このように配置されている2列の「プラグ列」の間には、Y方向に並んで配置されている8つのプラグPLG2からなる「プラグ列」が配置されている。ここで、プラグPLG1は、ドレイン領域と電気的に接続されている。一方、プラグPLG2は、ソース領域と電気的に接続されている。
【0076】
続いて、図12に示すように、左側の「プラグ列」と中央の「プラグ列」の間、および、中央の「プラグ列」と右側の「プラグ列」の間には、それぞれゲート電極GEがY方向に延在している。ゲート電極GEのY方向の幅がゲート幅である。一方、ゲート電極GEのX方向の幅がゲート長である。そして、平面視においてゲート電極GEと部分的に重なるフィールドプレート電極FPが、Y方向に延在している。すなわち、図12に示すように、本変形例1におけるフィールドプレート電極FPは、左延在部と右延在部とを有し、左延在部は、左側のゲート電極GEと部分的に重なりながらY方向に延在し、右延在部は、右側のゲート電極GEと部分的に重なりながらY方向に延在している。そして、左延在部と右延在部とはX方向に延在する複数の接続部で互いに接続されている。このように、本変形例1におけるフィールドプレート電極FPは、左延在部、右延在部および複数の接続部から構成されている。なお、図12において、ゲート電極GEがフィールドプレート電極FPと重なっているところは点線で示されている。
【0077】
次に、図13は、図12のA-A線に沿う半導体装置の断面図である。
【0078】
図13において、LDMOSFET1Aは、ゲート電極GEの上面の一部、サイドウォールスペーサSWおよび基板1Sと接するように形成された絶縁膜100を有する。
【0079】
図13に示すように、この絶縁膜100は、絶縁膜10と、絶縁膜20と、絶縁膜30から構成されている。絶縁膜10は、ゲート電極GEの上面の一部、サイドウォールスペーサSWおよび基板1Sと接するように形成されている。絶縁膜20は、ゲート電極GEの上面の他部(残部)および絶縁膜10と接し、かつ、ゲート電極GEを覆うように形成されている。絶縁膜30は、絶縁膜20と接し、かつ、ゲート電極GEを覆うように形成されている。そして、本変形例1におけるフィールドプレート電極FPは、絶縁膜30と接するように形成されている。
【0080】
絶縁膜10は、例えば、酸化シリコン膜から形成されている。絶縁膜20は、例えば、窒化シリコン膜から形成されている。また、絶縁膜30は、例えば、酸化シリコン膜から形成されている。絶縁膜20の厚さ均一性は、絶縁膜10および絶縁膜30のそれぞれの厚さ均一性よりも高い。
【0081】
続いて、図14は、図12のB-B線に沿う半導体装置の断面図である。
【0082】
図14において、フィールドプレート電極FPは、絶縁膜30と接している。さらに、フィールドプレート電極FPは、ゲート電極GEを覆い、かつ、プラグPLG2と電気的に接続されるように延在している。ここで、図13に示すプラグPLG2は、ソース領域SRと電気的に接続されている。また、図14に示すプラグPLG2は、フィールドプレート電極FPと電気的に接続されている。そして、図示はされていないが、図13に示すプラグPLG2と図14に示すプラグPLG2は、例えば、層間絶縁膜IL上に形成された配線で電気的に接続されている。すなわち、フィールドプレート電極FPとソース領域SRには、同じ電位が印加される。
【0083】
次に、図15は、図14の一部を示す拡大図である。
【0084】
図15に示す領域RAにおいて、絶縁膜100には、窪み200が形成されている。詳細には、絶縁膜100を構成する絶縁膜10、絶縁膜20および絶縁膜30のそれぞれに窪み200が形成されている。このようにして、本変形例1における半導体装置に含まれるLDMOSFET1Aが構成されている。
【0085】
<<変形例1における特徴>>
本変形例1における特徴は、例えば、図15に示すように、フィールドプレート電極FPの下に位置する絶縁膜100の領域RAに窪み200が形成されていることである。詳細には、領域RAにおいて、絶縁膜10、絶縁膜20および絶縁膜30のそれぞれに窪み200が形成されている。これにより、絶縁膜30に形成されている窪み200にフィールドプレート電極FPの一部が充填されるため、フィールドプレート電極FPとゲート電極GEの下端部との間の距離を窪み200がない構成よりも小さくできる。
【0086】
この結果、本変形例1における特徴によれば、オン抵抗を低減しながら、ゲート電極GEの下端部での電界集中が耐圧の低下を引き起こすことを抑制できる。したがって、本変形例1によれば、LDMOSFET1Aを含む半導体装置の性能を向上できる。
【0087】
以下では、本変形例1の利点について説明する。
【0088】
本変形例1では、例えば、図13および図14に示すように、絶縁膜100が絶縁膜10、絶縁膜20および絶縁膜30から構成されており、絶縁膜20および絶縁膜30のそれぞれが、ゲート電極GEを覆うように形成されている。
【0089】
これにより、本変形例1によれば、絶縁膜30上に配置されるフィールドプレート電極FPとゲート電極GEとの間のショート不良を抑制できる。特に、本変形例1によれば、ゲート電極GEが絶縁膜20および絶縁膜30で覆われているため、フィールドプレート電極FPを形成する際のパターニングにおいて、「パターニングずれ」が発生したとしても、フィールドプレート電極FPとゲート電極GEとの間のショート不良を抑制できる。したがって、本変形例1によれば、LDMOSFET1Aを含む半導体装置の信頼性を向上できる。
【0090】
さらに、本変形例1においては、ゲート電極GEが絶縁膜20および絶縁膜30で覆われている。このため、本変形例1によれば、ショート不良の懸念なく、ゲート電極GEの上方にフィールドプレート電極FPの一部を配置できる。このことから、本変形例1によれば、フィールドプレート電極FPのレイアウト自由度を向上できる。
【0091】
例えば、図14に示すように、ゲート電極GEを覆うように、フィールドプレート電極FPを配置することができる。この場合、フィールドプレート電極FPには、ソース領域SRと同電位の「0V」が印加される。したがって、ゲート電極GEを覆うフィールドプレート電極FPは、ゲート電極GEとドレイン領域DRとの間のシールドとして機能する。このことから、本変形例1によれば、フィールドプレート電極FPがシールドとして機能する結果、LDMOSFET1Aにおける「ゲート-ドレイン間容量」を低減できる。すなわち、本変形例1によれば、LDMOSFET1Aに存在する寄生容量を低減でき、LDMOSFET1Aを含む半導体装置の性能を向上できる。
【0092】
さらに、本変形例1において、LDMOSFET1Aと混載されるCMOSFETの特性に影響しにくい構成について説明する。
【0093】
例えば、図15に示すように、絶縁膜100は、絶縁膜10、絶縁膜20および絶縁膜30から構成されている。ここで、本変形例1では、図15に示す領域RAにおいて、絶縁膜100に窪み200が形成されている。この場合、窪み200を形成する観点からは、絶縁膜10、絶縁膜20および絶縁膜30のそれぞれは、領域RAにおいて窪み200が形成されやすい成膜方法を使用して形成することが考えられる。例えば、低圧CVD法ではなく常圧CVD法やプラズマCVD法を使用して、それぞれ低い厚さ均一性の絶縁膜10、絶縁膜20および絶縁膜30を形成することが考えられる。
【0094】
例えば、絶縁膜20は、窒化シリコン膜から形成される。この絶縁膜20は、LDMOSFET1Aにストレス(歪み)を与えて、チャネルにおけるキャリアの移動度を向上させる、いわゆる「歪シリコン技術」のストレッサとして機能する。そして、ストレッサは、均一にストレスを加えることができることが望ましいため、高い厚さ均一性の膜であることが望ましい。この点に関し、常圧CVD法あるいはプラズマCVD法によって、低圧CVD法によって成膜される膜よりも低い厚さ均一性の膜が成膜される。
【0095】
したがって、ストレッサとして機能する絶縁膜20は、常圧CVD法やプラズマCVD法ではなく、低圧CVD法を使用して形成することが望ましい。すなわち、本変形例1において、窪み200を形成しながら、かつ、ストレッサとしての機能を確保する観点から、絶縁膜10および絶縁膜30は、常圧CVD法やプラズマCVD法を使用して形成する一方、絶縁膜20は、低圧CVD法を使用して形成することが望ましい。
【0096】
この点に関し、上述した技術は、LDMOSFET1Aと混載されるCMOSFETの特性に影響しにくい。すなわち、絶縁膜20は、LDMOSFET1Aだけでなく、CMOSFETにおいても「歪シリコン技術」のストレッサとして機能するように形成される。絶縁膜20の厚さ均一性が低いと、絶縁膜20がCMOSFETにおいても良好なストレッサとして充分に機能しないおそれがある。このことから、窪み200を形成するために、常圧CVD法やプラズマCVD法を使用して低い厚さ均一性の絶縁膜20を形成すると、チャネルにおけるキャリアの移動度等のCMOSFETの特性に悪影響を及ぼすおそれがある。これに対し、上述した技術によれば、絶縁膜20は、低圧CVD法を使用して形成される。このことから、本変形例1によれば、絶縁膜20の厚さ均一性を向上できる。これにより、LDMOSFET1Aと混載されるCMOSFETの特性に影響しにくくしながら、LDMOSFET1Aの絶縁膜100に窪み200を形成できる。したがって、本変形例1によれば、LDMOSFET1Aと混載されるCMOSFETの特性に悪影響を及ぼすことなく、LDMOSFET1Aの性能を向上できる。
【0097】
<変形例2>
続いて、本変形例2におけるLDMOSFET1Bについて説明する。
【0098】
図16は、LDMOSFET1Bにおいて、フィールドプレート電極FPとゲート電極GEの下端部との間の構成を示す拡大図である。図16において、本変形例2の特徴は、サイドウォールスペーサSWの下部にリセス部RCが形成されることである。
【0099】
これにより、本変形例2によれば、図16に示す「距離L」を小さくすることができる。すなわち、本変形例2によれば、サイドウォールスペーサSWの下部にリセス部RCを形成することによって、フィールドプレート電極FPとゲート電極GEの下端部との間の距離をリセス部RCがない構成よりも小さくすることができる。
【0100】
この結果、本変形例2によれば、基板1Sの不純物濃度を高くしても、フィールドプレート電極FPとゲート電極GEの下端部との間に等電位線が入り込みにくくなる。このため、本変形例2におけるLDMOSFET1Bによれば、オン抵抗を低減しながら、ゲート電極GEの下端部での電界集中が引き起こす耐圧の低下を抑制できる。したがって、本変形例2によれば、LDMOSFET1Bを含む半導体装置の性能を向上できる。
【0101】
例えば、リセス部RCは、サイドウォールスペーサSWを形成する異方性エッチングに加えて、等方性エッチングをサイドウォールスペーサSWに施すことにより形成できる。
【0102】
本変形例2では、サイドウォールスペーサSWにリセス部RCを形成している。このことから、高い厚さ均一性のコンフォーマルな絶縁膜100を形成しても、リセス部RCの存在によって、フィールドプレート電極FPとゲート電極GEの下端部との間の「距離L」を小さくできる。つまり、本変形例2では、絶縁膜100の成膜方法として、高い厚さ均一性の膜を形成できる低圧CVD法を使用できる。
【0103】
ただし、サイドウォールスペーサSWにリセス部RCを形成するだけでなく、絶縁膜100にも窪みを形成してもよい。この場合、リセス部RCと窪みによって、「距離L」をさらに小さくできる。すなわち、本変形例2においても、絶縁膜100の成膜方法として、低圧CVD法ではなく常圧CVD法やプラズマCVD法を使用することにより、絶縁膜100に窪みを形成してもよい。
【0104】
<変形例3>
次に、本変形例3におけるLDMOSFET1Cについて説明する。
【0105】
図17は、LDMOSFET1Cにおいて、フィールドプレート電極FPとゲート電極GEの下端部との間の構成を示す拡大図である。図17において、本変形例3の特徴は、基板1Sの上面にリセス部RC2が形成されることである。
【0106】
これにより、絶縁膜100と接する基板1Sの上面は、サイドウォールスペーサSWと接する基板1Sの上面よりも低くなる。この結果、本変形例3によれば、図17に示す「距離L」を小さくできる。すなわち、本変形例3によれば、基板1Sの上面にリセス部RC2を形成することによって、「距離L」をリセス部RC2がない構成よりも小さくできる。
【0107】
この結果、本変形例3によれば、基板1Sの不純物濃度を高くしても、フィールドプレート電極FPとゲート電極GEの下端部との間に等電位線が入り込みにくくなる。このため、本変形例3におけるLDMOSFET1Cによれば、オン抵抗を低減しながら、ゲート電極GEの下端部での電界集中が引き起こす耐圧の低下を抑制できる。したがって、本変形例3によれば、LDMOSFET1Cを含む半導体装置の性能を向上できる。
【0108】
例えば、リセス部RC2は、サイドウォールスペーサSWをマスクにして基板1Sをエッチングすることによって形成できる。
【0109】
本変形例3では、基板1Sにリセス部RC2を形成している。このことから、高い厚さ均一性のコンフォーマルな絶縁膜100を形成しても、リセス部RC2の存在によって、フィールドプレート電極FPとゲート電極GEの下端部との間の「距離L」を小さくできる。つまり、本変形例3では、絶縁膜100の成膜方法として、高い厚さ均一性の膜を形成できる低圧CVD法を使用できる。
【0110】
基板1Sにリセス部RC2を形成するだけでなく、絶縁膜100にも窪みを形成してもよい。この場合、リセス部RC2と窪みによって、「距離L」をさらに小さくできる。すなわち、本変形例3においても、絶縁膜100の成膜方法として、低圧CVD法ではなく常圧CVD法やプラズマCVD法を使用することにより、絶縁膜100に窪みを形成してもよい。
【0111】
<変形例4>
続いて、本変形例4におけるLDMOSFET1Dについて説明する。
【0112】
図18は、LDMOSFET1Dにおいて、フィールドプレート電極FPとゲート電極GEの下端部との間の構成を示す拡大図である。図18において、本変形例4では、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用したパターニングによって、絶縁膜100に窪み200を形成している。このように、窪み300は、パターニングによって形成してもよい。この場合も、絶縁膜100に窪み200を形成することにより、フィールドプレート電極FPとゲート電極GEの下端部との間の「距離L」を小さくできる。
【0113】
<変形例5>
図19は、本変形例5におけるLDMOSFET1Eを含む半導体装置の概略構成を示す平面図である。図19に示すように、LDMOSFET1Eのゲート電極GEは、平面視において、活性領域ACT上をY方向に延在している。
【0114】
そして、フィールドプレート電極FPは、平面視において、ゲート電極GEと部分的に重なりながら、Y方向に延在している。すなわち、図19では示されていないが、フィールドプレート電極FPの一部は、平面視において、ドレイン領域DRとサイドウォールスペーサSWとの間において活性領域ACTと重なるように、Y方向に延在している。
【0115】
ここで、本変形例5の特徴は、例えば、図19に示すように、フィールドプレート電極FPの一部が複数のプラグPLG3と電気的に接続されていることである。すなわち、フィールドプレート電極FPと平面的に重なるように配線(図示せず)を形成し、フィールドプレート電極FPと上述した配線を図19に示す複数のプラグPLG3を介して接続する。
【0116】
これにより、本変形例5によれば、フィールドプレート電極FPとプラグPLG3との間の電気的な接続を強化できる。特に、フィールドプレート電極FPの下に位置する絶縁膜に窪みが形成されている場合、フィールドプレート電極FPの厚さ均一性が低くなることが考えられる。この場合、フィールドプレート電極FPに小さい厚さを有する部分が形成される結果、この小さい厚さを有する部分によってフィールドプレート電極FPの抵抗値が大きくなるおそれがある。そこで、本変形例5では、フィールドプレート電極FPに複数のプラグPLG3を接続している。これにより、フィールドプレート電極FPの抵抗値を低減することができる。つまり、本変形例5によれば、フィールドプレート電極FPの厚さ均一性が低くなることに起因する抵抗成分の増大が、フィールドプレート電極FPと複数のプラグPLG3とを接続することによって低減される。これにより、本変形例5によれば、LDMOSFET1Eを含む半導体装置の性能を向上できる。
【0117】
<変形例6>
次に、本変形例6におけるLDMOSFET1Fについて説明する。
【0118】
図20(a)および図20(b)は、フィールドプレート電極FPとサイドウォールスペーサSWとの間の構成を示す拡大図である。図20(a)においては、フィールドプレート電極FPと接続されるプラグPLG3を窪み200に近接して配置する例が示されている。つまり、プラグPLG3が窪み200と重なるように配置されている。
【0119】
図20(a)に示すように、プラグPLG3を窪み200に近接して配置すると、窪み200の形状に起因して、フィールドプレート電極FPとプラグPLG3との接続不良が発生するおそれがある。
【0120】
これに対し、図20(b)には、本変形例6におけるLDMOSFET1Fが示されている。具体的に、図20(b)では、フィールドプレート電極FPと接続されるプラグPLG3が窪み200から離れて配置されている。つまり、プラグPLG3が窪み200と重ならないように配置されている。
【0121】
図20(b)に示すように、プラグPLG3を窪み200から離して配置することにより、窪み200の形状の影響を受けずに、フィールドプレート電極FPとプラグPLG3とを接続することができる。この結果、本変形例6によれば、LDMOSFET1Fを含む半導体装置の信頼性を向上できる。
【0122】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0123】
本明細書では、n型不純物が導入されたエピタキシャル層EPIが説明されているが、p型不純物が導入されたエピタキシャル層EPIを適用してもよい。p型不純物が導入されたエピタキシャル層EPIを適用する場合、エピタキシャル層EPIは、例えば埋込半導体層と、ドリフト層とを有してもよい。埋込半導体層は、LDMOSFETを半導体基板から電気的に分離するために形成される。ドリフト層はドレイン領域DRよりも低い不純物濃度を有し、オフセットドレイン領域ODRのようにドレイン領域DRからゲート電極GEに向かって形成される。
【符号の説明】
【0124】
1 LDMOSFET
1A LDMOSFET
1B LDMOSFET
1C LDMOSFET
1D LDMOSFET
1E LDMOSFET
1F LDMOSFET
1S 基板
10 絶縁膜
20 絶縁膜
30 絶縁膜
100 絶縁膜
200 窪み
ACT 活性領域
BC ボディコンタクト領域
DR ドレイン領域
EPI エピタキシャル層
FP フィールドプレート電極
GE ゲート電極
GOX ゲート絶縁膜
IL 層間絶縁膜
ODR オフセットドレイン領域
PLG1 プラグ
PLG2 プラグ
PLG3 プラグ
PWL p型ウェル
P1 第1部分
P2 第2部分
P3 第3部分
RA 領域
RC リセス部
RC2 リセス部
SF タングステンシリサイド膜
SL 金属シリサイド
SR ソース領域
SUB 半導体基板
SW サイドウォールスペーサ
図1
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