(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025094108
(43)【公開日】2025-06-24
(54)【発明の名称】一体型光子源及びもつれ光子の検出器
(51)【国際特許分類】
G02B 6/125 20060101AFI20250617BHJP
G02B 6/126 20060101ALI20250617BHJP
G02B 6/12 20060101ALI20250617BHJP
G02F 2/00 20060101ALI20250617BHJP
【FI】
G02B6/125 301
G02B6/126
G02B6/12 341
G02F2/00
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2025044327
(22)【出願日】2025-03-19
(62)【分割の表示】P 2020168212の分割
【原出願日】2020-10-05
(31)【優先権主張番号】62/924,058
(32)【優先日】2019-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/803,841
(32)【優先日】2020-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100138759
【弁理士】
【氏名又は名称】大房 直樹
(72)【発明者】
【氏名】チャド・ファーティグ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ウェイド・プケット
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・ティン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】もつれ光子の一体型の光子源及び検出器のためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】特定の実施形態において、システムは、単一の導波管の直交モードで伝播する2つの光子を提供するように構成された光子生成導波管を含む第1の導波管層を含む。システムはまた、光子調整導波管ネットワークを含む第2の導波管層も含み、第2の導波管層は第1の導波管層上に形成され、第2の導波管層は異なる屈折率を有する。さらに、システムは、光子を光子調整導波管ネットワーク内に結合にする、光子垂直結合導波管を含み、光子調整導波管ネットワークは、光子を同じモードで2つの異なる導波管内を伝播するように変換し、光子調整導波管ネットワークは、光子を出力として外部デバイスに提供し、光子調整導波管ネットワークは、外部デバイスから光子を受け取り、この光子を干渉計に提供する。
【選択図】
図3C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
単一の導波管の2つの直交モードで伝播する2つの光子を提供するように構成された光子生成導波管(301)と、
前記2つの光子を光子調整導波管ネットワーク内に結合する、光子垂直結合導波管(302)であって、前記光子調整導波管ネットワークが、同じモードで2つの異なる導波管内を伝播するように前記2つの光子を変換する、光子垂直結合導波管(302)と、を備え、
前記光子調整導波管ネットワークが、前記2つの光子を出力として提供し、
前記光子調整導波管ネットワークが、前記2つの光子を入力として受け取って、前記2つの光子を干渉計(215)に提供する、システム。
【請求項2】
前記光子調整導波管ネットワークが、
複数のモードスプリッタと、
モード変換器と、
複数のバンドパスフィルタと、
複数の伝送ポートであって、前記伝送ポートを通して、前記2つの光子が出力として提供され、入力として受け取られる、複数の伝送ポートと、
複数の干渉計ポートと、を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
方法であって、
光子生成導波管(301)において光子対を発生させることと、
前記光子対を光子垂直結合導波管内に結合することであって、光子偏光モードが明確に結合される、結合することと、
両方の光子が異なる導波管内を同一のモードで伝播するように、前記光子対の前記光子のうちの1つを変換することと、
前記光子を1つ以上の外部デバイスに提供することと、
前記1つ以上の外部デバイスから前記光子を受け取ることと、
受け取った前記光子に対して干渉測定を実施することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2019年10月21日に出願され、「INTEGRATED PHOTONICS SOURCE AND DETECTOR OF ENTANGLED PHOTONS」と題する、米国仮出願第62/924,058号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
同期化原子時計のネットワークは、距離を隔てて正確な時間を分配するために頻繁に使用される。例えば、全地球測位システム(GPS:Global Position System)、GLONASS、BeiDau、及びGalileoなどの全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)は、同期化原子時計を有する衛星で構成されており、国際的な時間の分配を提供する。多くの場合、衛星には、別々の衛星上の時計の同期を容易にするためのハードウェアが装備されている。小型軽量で高精度なタイミング調整が可能な同期ハードウェアにより、小型衛星の原子時計の同期が可能となる。
【発明の概要】
【0003】
一体型光子源及びもつれ光子の検出器のためのシステム及び方法が提供される。特定の実施形態では、システムは、単一の導波管の2つの直交モードで伝搬する2つの光子を提供するように構成された光子生成導波管を含む第1の導波管層を含む。このシステムはまた、光子調整ネットワークを導波管含む第2の導波管層を含み、第2の導波管層は第1の導波管層上に形成され、第2の導波管層は異なる屈折率を有する。さらに、このシステムは、2つの光子を光子調節導波管ネットワーク内に結合する、光子垂直結合導波管であって、光子調節導波管ネットワークは、同じモードで2つの異なる導波管内を伝搬するよう2つの光子を変換する、光子垂直結合導波管を含み、光子調節導波管ネットワークは、2つの光子を出力として外部デバイスへ提供し、光子調節導波管ネットワークは、外部デバイスから2つの光子を受け取って、2つの光子を干渉計に提供する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図面は一部の実施形態のみを描写し、したがって範囲を限定するものと見なされるべきではないことを理解した上で、例示的な実施形態を添付図面を使用して追加の具体性及び詳細とともに説明する。
【0005】
【
図1】本開示の一態様による、例示的な干渉計を示すブロック図である。
【0006】
【
図2】本開示の一態様による、チップスケールデバイスにおける異なる路を示す図である。
【0007】
【
図3A】本開示の一態様による、異なるモードのチップスケールデバイスを通る路を示す図である。
【
図3B】本開示の一態様による、異なるモードのチップスケールデバイスを通る路を示す図である。
【
図3C】本開示の一態様による、異なるモードのチップスケールデバイスを通る路を示す図である。
【0008】
【
図4】本開示の一態様による、チップスケールデバイスにおける様々な構成要素を示す図である。
【0009】
【
図5】本開示の一態様による、垂直カプラを示す図である。
【0010】
【
図6】本開示の一態様による、モードスプリッタを示す図である。
【0011】
【
図7】本開示の一態様による、モード変換器を示す図である。
【0012】
【
図8】本開示の一態様による、バンドパスフィルタを示す図である。
【0013】
【
図9】本開示の一態様による、チップスケールデバイスを使用して干渉測定を実施するための例示的な方法を示すフローチャート図である。
【0014】
慣例に従って、記載された様々な特徴は、正確な縮尺で描かれているのではなく、例示的な実施形態に関連する特定の特徴を強調するように描かれている。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付図面を参照し、図面には特定の例示的な実施形態を例として示す。しかしながら、他の実施形態が利用されてもよく、論理的、機械的、及び電気的な変更がなされてもよいことが理解されるべきである。
【0016】
もつれ光子の一体型光子源及び検出器のためのシステム及び方法が本明細書に提供される。特定の実施形態では、時間もつれ光子の量子干渉を使用して、光原子時計の正確かつ確実な同期のための方法を可能にするハードウェアが本明細書に記載される。例えば、周回衛星上の光原子時計は、正確かつ確実に同期されてもよい。LEO/MEO衛星の群にわたって配置され、本明細書に記載された実施形態は、微弱な信号に対する感度を向上させるためのリアルタイム計算干渉測定を含む、分散型無線又は光学開口部のコヒーレントな組み合わせに基づく信号インテリジェンスの改良されたモダリティ、及び信号のスピルオーバと時間オンターゲットとの両方を低減することによって増大されたコバート性のためのアクティブビームフォーミングレーダ/イメージングを可能にし得る。
【0017】
さらに、本明細書に記載された時計同期方式は、サイズ、重量、及び電力を低減し、高いペア生成率を実現し、かつ、もつれ光子対のために高いフラックス対バックグラウンド比を実現する、時間エネルギーもつれ2光子のために、チップスケールの超高フラックス源及び干渉計を使用してもよい。また、小型衛星プラットフォームにおける向上されたサイズ、重量、及び電力の低減と配備の改良のために、本明細書に記載されたデバイスは、チップ上に統合されてもよい。具体的には、光子源と干渉検出器の両方をチップ上に統合してもよい。
【0018】
特定の実施形態では、もつれ光子は、縮退差周波生成としても知られるポンプ光子の自発的なパラメトリック縮退下方変換によって発生し得る。通常は、上記の光子生成のための方法は、互いに直交する偏光を有するもつれ光子をもたらし得る。通常は、光空間通信は、時計同期方式内で使用するために、もつれ光子を分離して同じ偏光状態に変換するように使用される。本明細書に記載される実施形態は、もつれ光子を分離し、分離した光子を同じ偏光状態に変換するためのオンチップ誘導波フォトニックを有するチップスケールフォトニック集積回路を提供する。
【0019】
いくつかの実施形態では、チップスケールフォトニック集積回路は、時間もつれ光子を生成し、干渉してもよい。チップスケールフォトニック集積回路は、周期的に分極したカリウムチタニルホスフェート(ppKTP:periodically poled Potassium Titanyl Phosphate)導波管又はppKTPと類似の材料から作製された導波管の非線形特性を、窒
化ケイ素導波管又は窒化ケイ素と同様の材料から作製された他の導波管の低伝送損失、高閉じ込め、及びフィルタリング能力と組み合わせたハイブリッド型光導波管プラットフォーム上で光子を生成し干渉するための光学機能を実現し得る。異なる材料から作製された導波管の組み合わせを使用するチップスケールのアプローチは、ファイバ及び光空間通信に基づく以前の種類の光源の改良を可能にする。
【0020】
いくつかの実施形態では、非線形特性と低伝送損失の両方、高閉じ込め、及びフィルタリング能力を有する材料は、ニオブ酸リチウムなどの単一の材料システムに基づいて、光導波管プラットフォームにおける光子の生成及び干渉のための同様の光学機能を実装するために使用され得る。
【0021】
特定の実施形態では、もつれ光子を生成及び受け取るための光学機能は、単一の統合プラットフォーム上に実装され、光学損失の低減、モードオーバーラップの強化、光子の効率的なフィルタリング、干渉計のコントラストの向上、及び機械的堅牢性の改良をもたらす一方で、ファイバ又は自由空間ベースのシステムと比較してサイズ、重量、及び電力を低減する。さらに、本明細書に記載された実施形態は、マイクロサットなどの小型衛星プラットフォーム上での使用を可能にしながら、システムで使用される場合、より高精度の時間同期を可能にする。
【0022】
図1は、ホン・ウー・マンデル(HOM:Hong-Ou-Mandel)干渉計のためのシステム100を示す図である。本明細書で使用されるように、チップスケール集積回路は、HOM干渉計内で使用されてもよい。本明細書で使用されるように、HOM干渉計は、ポンプ光子101を生成し得るデバイスである。システム100は、ポンプ光子を2つの娘光子103(本明細書では別々に光子103-A及び103-Bと称する)に分割してもよい。例えば、ポンプ光子101は、405nmの波長を有するレーザ又は他の所望の波長を有するレーザを生成するレーザ光源によって生成されてもよい。
【0023】
特定の実施形態では、ポンプ光子101は、再結合のために光学構造を通して誘導される娘光子103に分割される。例えば、ポンプ光子101は、光学構造105によって娘光子103-a及び103-bに分割される。娘光子103はそれぞれ、ポンプ光子101の波長の2倍の波長を有してもよい(すなわち、ポンプ光子101が405nmの波長を有し得る場合、娘光子103はそれぞれ810nmの波長を有し得る)。さらに、システム100は、娘光子103が組み合わされるビームスプリッタ110に娘光子103を誘導する誘導光学系107を含み得、その結果、娘光子の量子重ね合わせ103-c及び103-dが、受け取りのために検出器109に衝突する。例えば、検出器109-aは娘光子103-aを受け取って検出してもよく、検出器109-bは娘光子103-bを受け取って検出してもよく、又は、検出器109-aは、娘光子103-bを受け取って検出してもよく、検出器109-bは、娘光子103-aを受け取って検出してもよく、又は、検出器109-aは、娘光子103-aと103-bの両方を受け取って検出してもよく、又は、検出器109-bは、HOM干渉計の方法で、娘光子103-aと103-bの両方を受け取って検出してもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、検出器109が関連する娘光子103を受け取ると、検出器109は、電子相関器デバイス111に信号を提供してもよく、電子相関器デバイス111は、HOM干渉測定の性能のために、2つの検出器109の電気信号を組み合わせる。電子相関器デバイス111は、検出器109によって生成された信号の時間的相関の程度を定量的に決定する。例えば、電子相関器111は、娘光子103が時間的に実質的に完全に重なり合うとき、光検出器109によって提供される信号の一致率がゼロに向かって低下し得ることを示してもよい。この一致検出率のゼロへの低下は、トレースグラフ113に示されたHOMディップとして知られている。このディップは、2つの娘光子10
3が全ての特性において実質的に同一である場合に発生する。光子103が、ソース領域105とビームスプリッタ110との間のそれらの飛行時間が等しくなることを含めて、特に区別可能になると、HOMディップは消失する。このようにして、システム100は、ソース領域105とビームスプリッタ110との間の娘光子103の飛行時間の質が実質的に完全に等しいことに敏感である。
【0025】
図2は、チップスケールデバイス200上の異なる光路201及び203を示し、この両方が、光子を生成すること、光子を娘光子に分割すること、娘光子を出力として(例えば、自由空間又は光ファイバに)提供すること、遠隔ミラー又は光学系から反射された可能性のある娘光子を受け取ること、及びHOM干渉測定を実施するために受け取った光子を干渉計に提供することが可能である。示されるように、
図2は、ソース路201及び干渉計路203を示している。ソース路201では、入射したポンプ光子は、分離されて異なる遠隔プラットフォームに向けられ得る娘光子に分割される。干渉計路203では、遠隔プラットフォームによって反射された娘光子は、HOM干渉測定の方法で受け取られ、干渉される。
【0026】
特定の実施形態では、チップスケールデバイス200は、ポンプ光子205が、ほぼ同じ瞬間に(例えば、互いに100フェムト秒未満で)「誕生」する2つの「双子」娘光子209及び211に分割する、縮退自発的パラメトリック下方変換(dSPDC:degenerate Spontaneous Parametric Down Conversion)の非線形光学効果を利用する。この
同時性は、量子力学によって実施され、分離された原子時計を同期させるために利用され得る。分離された原子時計を同期させるために(すなわち、異なる原子時計が異なる衛星上に位置するとき)、同期は、チップスケールデバイス200から娘光子209及び211を投影すること、各衛星からの光子209及び211の一部を反射させること、及びホン・ウー・マンデル(HOM)干渉計215内で再結合するためにそれらを提供することによって達成され、一致率における純粋な量子力学的干渉「ディップ」は、路が
図1に関して上述したように実質的に完全に等しい場合にのみ観察される。各衛星からのもつれ光子のうちのいくつかの到着時刻は、古典的なチャネルと比較され得、制御器が、時計を高精度(すなわち、潜在的にフェムト秒精度で)で同期させることを可能にする。
【0027】
いくつかの実施形態では、チップスケールデバイス200は、時間もつれ光子を生成し干渉する、チップスケールフォトニック集積回路である。チップスケールデバイス200は、ppKTP導波管(又は類似の特性を有する材料から作製された他の導波管)の非線形特性と、窒化ケイ素導波管の高閉じ込め及びフィルタリング能力とを組み合わせたハイブリッド光導波管プラットフォーム上の光学機能及び構成要素を含んでもよい。この組み合わせは、双子光子209及び211の使用可能なフラックスを増加させながら、小型化、効率化、堅牢性を可能にする。
【0028】
いくつかの実施形態では、チップスケール装置200は、非線形特性及び低伝送損失の両方、高閉じ込め、及びニオブ酸リチウムなどのフィルタリング能力を有する単一の光導波管材料プラットフォーム上の光学機能及び構成要素を含んでもよい。
【0029】
特定の実施形態では、チップスケールデバイスは、ポンプ光子205を発生させ得、ソース路201内のポンプ光子205から、dSPDCによって、光子生成導波管内の娘光子206a及び206bを発生させ得る。双子光子206a及び206bのそれぞれは、横方向電気(TE:Transverse Electric)又は横方向磁気(TM:Transverse Magnetic)のいずれかの異なる導波モードを占有し得る。垂直カプラ(VC:Vertical Coupler)領域は、光子生成導波管から娘光子206a及び206bを断熱的に引き込み得、光子生成導波管の上部にパターン化された光子調整導波管内へと断熱的に引き込み得る。さらに、TM光子及びTE光子は、2つの回折導波モードスプリッタ(MS:Mode Splitter
)によって分離され得る。次に、TE光子は、バンドパスフィルタ(BPF:BandPass Filter)を通過して背景光子を拒絶し得、第2のMSを通過し、次に、放出光子211と
してチップ200を残し得る。一方、元のTM光子は、光子の伝搬方向を逆転させ得る、回折モード変換器(MC:Mode Converter)によって、TEモードに変換され得る。この(ここではTE偏光)光子は、それ自体のバンドパスフィルタを通過し、放出光子209としてチップ200を残し得る。チップ上で実施される様々な機能は、光子調整導波管(いくつかの実施形態では、窒化ケイ素又は他の同様の材料から作製される)によって実施されてもよく、導波管構造は、光子生成導波管を含む基板の上部に堆積された膜内にパターン化される。
【0030】
追加の実施形態において、干渉計路203で、双子光子209及び211は、遠隔衛星又は他の遠隔システムから反射されるか又は送り返され、再結合されて、チップスケールデバイス200上のフォトニクスコンポーネント導波管になり、HOM干渉計215を完成し得る。(いくつかの実装形態において、光子はまた、従来の波長板によってそれらの偏光が90°回され得る)。双子光子209及び211は、それらのその時回された偏光により、前に放出されたのと同じ導波管に再度入ることができるが、それらは、結合して直交導波モード(すなわち、TM)になり得る。次に、各光子は、光子209及び211を50/50導波管カプラに送る、導波管における伝播方向を逆にし得る回折モードスプリッタ(MS)に干渉し得る。干渉計の出力ポートは、光子209及び211が検出され得る、シングルフォトンアバランシェフォトディテクタ(SP-APD:Single-Photon Avalanche PhotoDetector)などの光検出器212へ向けられ得る。光子検出器212
の検出された信号出力は、信号の到達時間の一致度を判定することができる電子相関器215に向けられ、したがってHOM干渉計216を完成することができる。
【0031】
図3A~
図3Cは、光子垂直結合導波管になり、光子調整導波管ネットワークを通る、光子生成導波管によって生成された2つの光子の伝播を示す。上述のように、光子生成導波管は、1つがTMモードで伝播し、もう1つがTEモードで伝播する、直交導波モードを有する2つの光子を生成する。光子のモードに応じて、光子は、チップから外れてTEモードで伝播する2つの光子を提供し、TMモードで伝播する、チップに戻る2つの光子を受け取るような、導波管ネットワークを通る異なる路に沿って伝播する。
図3Aは、元は光子垂直結合導波管302のTEモードにおける光子の路を示す。
図3Bは、元は光子垂直結合導波管302のTMモードにおける光子の路を示す。
図3Cは、外部デバイスから受け取られる光子の光子調整導波管ネットワーク304を通る光子の路を示す。
【0032】
図3Aに示される特定の実施形態において、光子調整導波管ネットワーク304に移行する、光子垂直結合導波管302のTEモードの光子は、回折することなくモードスプリッタ303を通過する。次に、光子は、バンドパスフィルタ305を通過し、バンドパスフィルタ305では、蛍光だけではなく、光子生成導波管301から結合した迷走ポンプ光もフィルタで取り除く。次に、光子は、回折することなくモードスプリッタ307を通過し、出力ポート321を通して放出される。
【0033】
図3Bに示される特定の実施形態において、光子調整導波管ネットワーク304に移行する、光子垂直結合導波管302のTMモードの光子は、モードスプリッタ303によって回折される。光子は、モード変換器311に入ると、モードスプリッタ309によってさらに回折される。モード変換器311は、光子を再度回折するが、TMモードからTEモードに光子を変換する。この時、光子はTEモードであるので、光子は、モードスプリッタ309によって回折されない。次に、光子は、バンドパスフィルタ313を通過し、バンドパスフィルタ313では、蛍光だけではなく、光子生成導波管から結合した迷走ポンプ光もフィルタで取り除く。次に、光子は、回折することなくモード315を通過し、出力ポート319を通して放出される。
【0034】
図3Cに示される追加の実施形態において、光子調整導波管ネットワーク304から放出された2つの娘光子は、それらが導波管319及び321において再結合され、TMモードの光子調整ネットワーク304内になるような別の光デバイスから送り返され得る。TMモードの2つの受け取られた光子は、それぞれモードスプリッタ315と307とに向かって、導波管中を伝播し得る。両方のスプリッタ315及び307は、受け取った光子を回折する。次に、光子は、ポート323及び325で出力され、続いて光子検出器によって検出される前に、50/50カプラ317を介して互いに干渉し合う。上述の実施形態では、光子垂直結合導波管302からのTMモードは、光子調整導波管ネットワーク304によって、チップスケールデバイスからの伝送に向けてTEモードに変換されるが、後続の干渉検出に向けてこのデバイスに戻って受け取られる光は、TMモードである。しかしながら、別の実施形態では、光子垂直結合導波管からのTEモードは、光子調整導波管ネットワーク304によって、チップスケールデバイスからの伝送に向けてTMモードに変換されるが、後続の干渉検出に向けてこのデバイスに戻って受け取られる光は、TEモードである。
【0035】
図4は、チップスケールデバイス400内の様々なフォトニクスコンポーネントを示す。例えば、チップスケールデバイス400は、光子生成導波管401、光子垂直結合導波管427、及び光子調整導波管ネットワーク(
図3A~
図3Cの光子調整導波管ネットワーク304と同様)を含み、光子調整導波管ネットワークは、モードスプリッタ403、409、407、及び415、モード変換器411、バンドパスフィルタ413及び405、入力/出力導波管419、421、423、及び425、並びに50/50カプラ417を備える。垂直カプラ427、モードスプリッタ403、409、407、及び415、モード変換器411、並びにバンドパスフィルタに可能な実施形態については、以下により詳細に述べる。
【0036】
図5は、垂直カプラの動作を示す側面図である。光子生成導波管501からの光子を、光子垂直結合導波管503内に効率的に結合するために、積層導波管が形成される。さらに、光子生成導波管501の幅に対して相対的に薄い光子垂直結合導波管503は、光子生成導波管501における弱閉じ込めモードの形状において、ほとんど摂動がない。本明細書で述べられるように、光子垂直結合導波管503は、積層導波管の重なり部分全体にわたり徐々に幅が広くなっている。例えば、光子垂直結合導波管503は、約500ミクロンの距離にわたって100nmから200nmに幅を広げ得る。光子垂直結合導波管503の徐々に広くなる幅は、光子生成導波管501からの光子をはるかに厳しい閉じ込め導波モードに断熱的に引き込む。さらに、この移行により、実質的にゼロモードの交差結合で、伝播する光子の偏光モードが保たれる(すなわち、TE→TE、及びTM→TM)。
【0037】
さらなる実施形態において、光子生成導波管を生成するのに使用される材料と、光子垂直結合導波管を生成するのに使用される材料とには、それらのそれぞれの屈折率の間に大きな違いがある可能性がある。例えば、光子生成導波管のためにKTPが使用される場合、光子垂直結合導波管は、シリコン増量窒化膜を使用して作製され得る。
【0038】
図6は、チップスケールデバイス200に見られるようなモードスプリッタの特定の側面を示す図である。具体的には、
図6は、モードスプリッタの等角
図600、モードスプリッタの一部の詳細等角
図610、及びモードスプリッタ内の異なるモードの結合の周波数応答グラフ620を示す。
【0039】
特定の実施形態において、等角
図600に示されるように、モードスプリッタは、単一の入力ポート603を含み得る。入力ポートを通して、モードスプリッタは、導波管内
を異なる直交モードで伝播する2つの光子を入力601として受け取ることができる。例えば、1つの光子は、TEモードで伝播する可能性があり、別の光子は、TMモードで伝播する可能性がある。モードスプリッタは、入力ポート603で受け取った光子のうちの1つを出力光子609として出力ポート607に通すことができる。例えば、モードスプリッタは、入力ポート603で受け取ったTEモード光子を、直接的に出力ポート607に渡すことができる。さらに、モードスプリッタは、伝播する光子のうちの1つが結合され、逆指向性導波管になり、出力611として出力ポート613に通されるように、伝播する光子のうちの1つを回折することができる。例えば、TMモードは、モードスプリッタの結合部605によって回折され、出力ポート613に渡され得る。
【0040】
いくつかの実施形態において、モードスプリッタの結合部605の詳細等角
図610に示されるように、異なる路に2つの直交偏光光子を分割するために、モードスプリッタは、チャープ格子補助逆指向性モードカプラを含み得る。示されるように、
図610は、導波管構造を描写し、グラフ620は、その分光応答の計算の結果を示す。示されるように、結合部は、2つの間隔の狭い導波管621及び625から成る。導波管621は、変調側壁623でさらにパターン化され、したがって、1つの導波管から他の導波管へのTM間遷移の際に大きな重なり積分を有する導波管内回折格子を生み出すことができる。変調の効果は、導波管625内の前進方向から導波管621内の後進方向へTMモードを結合することであるが、TEモードは、前進方向でモードスプリッタを通過し、導波管625に残る。さらに、変調側壁623の周波数は、モードスプリッタに対する望ましい周波数応答を可能にするように、モードスプリッタの長さに沿って変わり得る。
【0041】
図7は、チップスケールデバイス200に見られるようなモード変換器の特定の側面を示す図である。具体的には、
図7は、モードスプリッタの等角
図700、モードスプリッタの変換部の詳細等角
図710、及びモード変換器内のモードの変換の周波数応答グラフ720を示す。
【0042】
特定の実施形態において、等角
図700に示されるように、モード変換器は、単一のポート703を含み得る。ポート703を通して、モード変換器は、導波管内を特定のモードで伝播する光子を入力701として受け取ることができる。例えば、ポート703を通して受け取られた光子は、TMモードで伝播し得る。モード変換器は、変換部705内で、1つのモードから直交モードへモードを変換し得、モード変換器は、ポート703を通して出力として出力されるように、光子を直交伝播モードへ変換する。例えば、ポート703で受け取られた光子がTMモードである場合、ポート703を通して出力された光子は、TEモードであり得る。
【0043】
いくつかの実施形態において、モード変換器の変換部705の詳細等角
図710に示されるように、全ての導波管の路を2つの光子に対してできる限り同様にするために、チップスケールデバイスが、非対称変調の側壁709と711とで設計された単一の導波管格子構造体を使用して、TM光子の導波管内偏光をはじくことができる。例えば、側壁の変調は、変調の長さに沿った導波管の横断面が一定であるような位相を互いに異にし得る。この非対称変調は、前進方向のTMモードと後進方向のTEモードとの間の交差結合を生み出す。グラフ720に示されるように、格子の阻止域内では、モード変換のみが発生する。格子の阻止域を制御するために、変換部705の長さが、変調側壁709及び711の変調周波数とともに変わり得る。例えば、変調側壁の周波数は、モード変換器の変換部の長さに沿って下がるか又は上がり得る。
【0044】
図8は、チップスケールデバイス200に見られるようなバンドパスフィルタの特定の側面を示す図である。具体的には、
図8は、バンドパスフィルタの等角
図800、バンドパスフィルタのフィルタ処理部の詳細等角
図810、及びバンドパスフィルタによる光
子のフィルタ処理の周波数応答グラフ820を示す。
【0045】
特定の実施形態において、等角
図800に示されるように、バンドパスフィルタは、単一のポート803を含み得る。ポート803を通して、バンドパスフィルタは、導波管内を特定のモードで伝播する光子を入力801として受け取ることができる。例えば、入力ポート803を通して受け取られた光子は、TEモードで伝播し得る。バンドパスフィルタは、フィルタ処理部805で、望ましくない波長を有する光子にフィルタをかけ、フィルタがけされた光子を、出力ポート807を通して、出力809として提供することができる。
【0046】
いくつかの実施形態において、バンドパスフィルタのフィルタ処理部805の詳細等角
図810に示されるように、導波管内を伝播し得る任意の背景蛍光光子を拒絶するとともに、任意の残留ポンプ光子を拒絶するために、導波管バンドパスフィルタが実装される。示されるように、フィルタは、導波管の長さに沿う変調周期のチャープによって表す、2つの高反射率の導波管格子811及び813で作製され、言い換えれば、導波管格子の対称的な変調は、フィルタの側壁の長さに沿って長手方向にバラツキがある。通過帯域のすぐ外側の光は、回折され導波管に戻ってくるが、ポンプ波長の光は、導波管の外に完全に散乱する。いくつかの実施形態において、導波管格子811及び813の分光位置は、通過帯域のフィルタ処理部805の長さに沿って変わり得る。
【0047】
図9は、チップスケールデバイスを使用して、上記のように、相関光子対を生成し、それに干渉する方法900である。方法900は、901に進み、光子対を光子生成導波管内で発生させる。さらに、方法900は、903に進み、光子対が結合され、光子垂直結合導波管になる。さらに、方法900は、905に進み、光子が2つの異なる導波管内で同一のモードで伝播するように、光子対における光子の1つが光子調整導波管ネットワークにおいて変換される。特定の実施形態において、方法900は、907に進み、光子が1つ以上の外部デバイスに提供される。さらに、方法900は、909に進み、光子が1つ以上の外部デバイスから受け取られる。さらに、方法900は、911に進み、受け取った光子に対して、干渉測定が実施される。
例示的な実施形態
【0048】
実施例1は、システムであって、単一の導波管の2つの直交モードで伝播する2つの光子を提供するように構成された光子生成導波管と、2つの光子を光子調整導波管ネットワーク内に結合する、光子垂直結合導波管であって、光子調整導波管ネットワークが、同じモードで2つの異なる導波管内を伝播するように2つの光子を変換する、光子垂直結合導波管と、を備え、光子調整導波管ネットワークが、2つの光子を出力として提供し、光子調整導波管ネットワークが、2つの光子を入力として受け取って、その2つの光子を干渉計に提供する、システムを含む。
【0049】
実施例2は、光子垂直結合導波管が、その中の光子生成導波管によって提供された2つの光子を有する第1の導波管と、第1の導波管の第1の結合部に近接する第2の結合部を有する第2の導波管であって、第2の導波管の幅が、第1の光子と第2の光子とが第2の導波管の別々の直交モードに断熱移行するように、第2の結合部の長さに沿って変わる、第2の導波管と、を備える、実施例1に記載のシステムを含む。
【0050】
実施例3は、2つの光子が、2つの光子のそれぞれのモードに基づき、第2の結合部内の異なる場所で結合され、第2の導波管になる、実施例2に記載のシステムを含む。
【0051】
実施例4は、第2の導波管への2つの光子の断熱移行により、第1の導波管内を伝播する際、2つの光子の直交モードが保たれる、実施例2又は3に記載のシステムを含む。
【0052】
実施例5は、光子調整導波管ネットワークが、複数のモードスプリッタと、モード変換器と、複数のバンドパスフィルタと、複数の伝送ポートであって、それを通して2つの光子が出力として提供され、入力として受け取られる、複数の伝送ポートと、複数の干渉計ポートと、を備える、実施例1~4のいずれかに記載のシステムを含む。
【0053】
実施例6は、複数のモードスプリッタのうちのあるモードスプリッタが、第1のモードで伝播する第1の光子、及び第1のモードに直交している第2のモードで伝播する第2の光子を受け取るように構成されたスプリッタ入力ポートと、第1の出力ポートと、第2の出力ポートと、スプリッタ入力ポート及び第1の出力ポートに結合された第1の導波管であって、第1の光子及び第2の光子を受け取り、第1の光子を第1の出力ポートに提供する、第1の導波管と、第2の出力ポートに結合された第2の導波管であって、第1の導波管に近接する第2の導波管の壁が変調側壁を有し、第2の光子が結合され、第2の導波管になり、第2の出力ポートを通して出力される、第2の導波管と、を備える、実施例5に記載のシステムを含む。
【0054】
実施例7は、モード変換器が、第1のモードで伝播する光子を受け取るように構成されたポートと、ポートに結合された導波管であって、第1の周期的変調側壁及び第2の周期的変調側壁を有する、導波管と、を備え、第1の周期的変調側壁の変調の空間位相が、第2の周期的変調側壁の空間位相に対して歪んでおり、第1の周期的変調側壁及び第2の周期的変調側壁により、光子が、第1のモードに直交するモードにおけるポート伝播を通して出力される、実施例5又は6に記載のシステムを含む。
【0055】
実施例8は、複数のバンドパスフィルタのうちのあるバンドパスフィルタが、光子を受け取るように構成された入力ポートと、出力ポートと、入力ポート及び出力ポートに結合された第1の導波管と、を備え、第1の導波管が、第1の導波管格子として形成された第1の側壁、及び第1の側壁に対向し、第2の導波管格子として形成された第2の側壁を備え、第1の導波管格子と第2の導波管格子との対称的な変調が、第1の側壁及び第2の側壁の長さに沿って長手方向にバラツキがある、実施例5~7のいずれかに記載のシステムを含む。
【0056】
実施例9は、光子調整導波管ネットワークが、第1の導波管層にわたって形成された第2の導波管層に形成され、第1の導波管層が光子調整導波管ネットワーク用の基板として働き、第1の導波管層と第2の導波管層とは、屈折率が異なる、実施例1~8のいずれかに記載のシステムを含む。
【0057】
実施例10は、光子生成導波管において光子対を発生させることと、光子対を結合して、光子垂直結合導波管にすることであって、光子偏光モードが明確に結合される、光子垂直結合導波管にすることと、両方の光子が異なる導波管内を同一のモードで伝播するように、光子対において光子のうちの1つを変換することと、光子を1つ以上の外部デバイスに提供することと、1つ以上の外部デバイスから光子を受け取ることと、受け取った光子に対して干渉測定を実施することと、を含む、方法を含む。
【0058】
実施例11は、垂直結合導波管の幅が、光子対を垂直結合導波管の別々の直交モードに断熱移行させるように、垂直結合導波管と光子生成との結合部の長さに沿って変わる、実施例10に記載の方法を含む。
【0059】
実施例12は、光子対が、光子対における光子のそれぞれのモードに基づき、結合部の異なる場所で垂直結合導波管へ断熱移行する、実施例11に記載の方法を含む。
【0060】
実施例13は、光子のうちの1つを変換することが、光子対における第1の光子が第1の導波管を伝播し、光子対における第2の光子が第2の導波管内を伝播するように、光子対を分割することと、第2の光子の第2のモードと同じになるように、第1の光子の第1のモードを変換することと、を含む、実施例10~12のいずれかに記載の方法を含む。
【0061】
実施例14は、光子対を分割することが、入力ポートにおいて第1の光子及び第2の光子を受け取ることと、第2の光子を第2の出力ポートに結合することであって、第2の出力ポートが入力ポートに結合している、結合することと、第1の光子を第1の出力ポートに結合することであって、第1の出力ポートが結合された導波管に接続され、結合された導波管が変調側壁を有する、結合すことと、を含む、実施例13に記載の方法を含む。
【0062】
実施例15は、第1の光子の第1のモードを変換することが、あるポートにおいて第1の光子を受け取ることと、ポートに結合されたモード変換導波管を通して第1の光子を伝播させることであって、モード変換導波管が第1の周期的変調側壁及び第2の周期的変調側壁を有する、伝播させることと、を含み、第1の周期的変調側壁と第2の周期的変調側壁との変調が、モード変換導波管の横断面の幅が、光子が第1のモードに直交するモードにおけるポート伝播を通して出力されるようなモード変換導波管の長さに沿って一定であるような位相を互いに異にする、実施例13又は14に記載の方法を含む。
【0063】
実施例16は、光子を1つ以上の外部デバイスに提供することが、第1の光子を第1のバンドパスフィルタに通すことと、第2の光子を第2のバンドパスフィルタに通すことと、第1の光子及び第2の光子を関連するモードスプリッタに通すことと、第1の光子を第1の出力ポートを通して、かつ第2の光子を第2の出力ポートを通して、1つ以上の外部デバイスに伝送させることと、を含む、実施例10~15のいずれかに記載の方法を含む。
【0064】
実施例17は、1つ以上の外部デバイスから光子を受け取ることが、第1の出力ポートを通して第1の光子を、かつ第2の出力ポートを通して第2の光子を受け取ることであって、受け取った第1の光子及び受け取った第2の光子の受け取りモードが、伝送した第1の光子及び伝送した第2の光子の伝送モードに直交する、受け取ることと、受け取った第1の光子及び受け取った第2の光子をそれぞれの干渉計ポートを通して出力することと、を含む、実施例16に記載の方法を含む。
【0065】
実施例18は、光子生成導波管が第1の導波管層に形成され、光子垂直結合導波管が第2の導波管層に形成され、第1の導波管層と第2の導波管層とは、屈折率が異なる、実施例1~17のいずれかに記載の方法を含む。
【0066】
実施例19は、単一の導波管の2つの直交モードで伝播する2つの光子を提供するように構成された光子生成導波管を含む第1の導波管層と、光子調整導波管ネットワークを含む第2の導波管層であって、第1の導波管層上に形成され、第1の導管層とは異なる屈折率を有する、第2の導波管層と、2つの光子を光子調整導波管ネットワーク内に結合する、光子垂直結合導波管と、を備え、光子調整導波管ネットワークが、2つの光子を、同じモードで2つの異なる導波管内を伝播するように変換し、光子調整導波管ネットワークが2つの光子を出力として外部デバイスに提供し、光子調整導波管ネットワークが外部デバイスから2つの光子を受け取り、この2つの光子を干渉計に提供する、システムを含む。
【0067】
実施例20は、光子調整導波管ネットワークが、複数のモードスプリッタと、モード変換器と、複数のバンドパスフィルタと、複数の伝送ポートであって、この伝送ポートを
通して、2つの光子が出力として提供され、入力として受け取られる、複数の伝送ポートと、複数の干渉計ポートと、を備える、実施例19に記載のシステムを含む。
【0068】
本明細書では特定の実施形態が図示され、説明されているが、当業者には、示される特定の実施形態の代わりに、同一の目的を達成することが予測される任意の構成が用いられ得ることが理解されよう。したがって、本発明は、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ限定されることが明らかに意図されている。
【手続補正書】
【提出日】2025-04-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
縮退自発的パラメトリック下方変換を用いてポンプ光子から2つの光子を生成するように構成された光子生成導波管(301)であって、前記生成された2つの光子のうちの第1の光子は、前記生成された2つの光子のうちの第2の光子の第2偏光モードと直交する第1偏光モードを有する、光子生成導波管(301)と、
第1の光回路と、
第2の光回路と、を備え、
前記第1の光回路は、前記2つの光子を前記第2の光回路に結合するように構成され、
前記第2の光回路は、
複数のモードスプリッタと、
モード変換器と、
複数の伝送ポートと、
複数の干渉計ポートと、を備え、
前記複数のモードスプリッタにおける第1のモードスプリッタは、
前記光子生成導波管から前記第1の光子を受け取り、
前記第1の光子を前記複数のモードスプリッタにおける第3のモードスプリッタへ受け渡し、
前記光子生成導波管から前記第2の光子を受け取り、
前記第2の光子を前記複数のモードスプリッタにおける第2のモードスプリッタへ向けて反射する、ように構成され、
前記第2のモードスプリッタは、
前記第1のモードスプリッタから前記第2偏光モードにある前記第2の光子を受け取り、
前記第1のモードスプリッタから受け取られた前記第2の光子を前記モード変換器へ向けて反射し、
前記モード変換器から前記第1偏光モードにある前記第2の光子を受け取り、
前記モード変換器から受け取られた前記第2の光子を前記複数のモードスプリッタにおける第4のモードスプリッタへ受け渡す、ように構成され、
前記第3のモードスプリッタは、
前記第1のモードスプリッタから前記第1偏光モードにある前記第1の光子を受け取り、
前記第1のモードスプリッタからの前記第1の光子を前記複数の伝送ポートにおける第1の伝送ポートへ受け渡し、
前記第1の伝送ポートから前記第2偏光モードにある前記第1の光子を受け取り、
前記第1の伝送ポートから受け取られた前記第1の光子を前記複数の干渉計ポートにおける第1の干渉計ポートへ反射する、ように構成され、
前記第4のモードスプリッタは、
前記第2のモードスプリッタから前記第1偏光モードにある前記第2の光子を受け取り、
前記第2のモードスプリッタからの前記第2の光子を前記複数の伝送ポートにおける第2の伝送ポートへ受け渡し、
前記第2の伝送ポートから前記第2偏光モードにある前記第2の光子を受け取り、
前記第2の伝送ポートから受け取られた前記第2の光子を前記複数の干渉計ポートにおける第2の干渉計ポートへ反射する、ように構成され、
前記第2の光回路は、前記複数の伝送ポートを介して前記2つの光子を外部デバイスへの出力として提供するように更に構成され、
前記第2の光回路は、前記複数の伝送ポートを介して前記外部デバイスから前記2つの光子を入力として受け取って、前記受け取った2つの光子を前記複数の干渉計ポートを介して干渉計(215)に提供するように更に構成されている、システム。
【請求項2】
前記第2の光回路は、複数のバンドパスフィルタを備え、
前記第1のモードスプリッタは、前記複数のバンドパスフィルタにおける第1のバンドパスフィルタに結合され、前記第1の光子は前記第1のモードスプリッタと前記第3のモードスプリッタとの間において前記第1のバンドパスフィルタを通過し、
前記第2のモードスプリッタは、前記複数のバンドパスフィルタにおける第2のバンドパスフィルタに結合され、前記第2の光子は前記第2のモードスプリッタと前記第4のモードスプリッタとの間において前記第2のバンドパスフィルタを通過する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
方法であって、
縮退自発的パラメトリック下方変換を用いて光子生成導波管(301)においてポンプ光子から光子対を発生させることと、
前記光子対を第1の光回路に結合することであって、前記光子対のうちの第1の光子は、前記光子対のうちの第2の光子の第2偏光モードと直交する第1偏光モードを有する、結合することと、
前記第1の光回路からの前記光子対を第2の光回路に結合することと、
前記第2の光回路において前記第2の光子の偏光モードを前記第1偏光モードに変換することであって、
第1のモードスプリッタにおいて前記第2の光子を受け取ることと、
前記第1のモードスプリッタにおける前記第2の光子を第2のモードスプリッタの中へ反射することと、
前記第2のモードスプリッタにおける前記第2の光子をモード変換器の中へ反射することと、
前記モード変換器からの前記第1偏光モードにある前記第2の光子を前記第2のモードスプリッタにおいて受け取ることと、
を含む、変換することと、
前記第1偏光モードにある前記光子対を1つ以上の外部デバイスに提供することであって、
前記第1のモードスプリッタにおいて前記第1の光子を受け取ることと、
前記第1のモードスプリッタからの前記第1の光子を第3のモードスプリッタへ受け渡すことと、
前記第3のモードスプリッタからの前記第1の光子を前記1つ以上の外部デバイスに結合された第1の伝送ポートへ受け渡すことと、
前記第2のモードスプリッタからの前記第2の光子を第4のモードスプリッタへ受け渡すことと、
前記第4のモードスプリッタからの前記第2の光子を前記1つ以上の外部デバイスに結合された第2の伝送ポートへ受け渡すことと、
を含む、提供することと、
前記1つ以上の外部デバイスから前記光子対を受け取ることであって、
前記第2偏光モードにある前記第1の光子を前記第1の伝送ポートを介して前記第3のモードスプリッタにおいて受け取ることと、
前記第2偏光モードにある前記第2の光子を前記第2の伝送ポートを介して前記第4のモードスプリッタにおいて受け取ることと、
を含む、受け取ることと、
受け取った前記光子に対して干渉測定を実施することであって、
前記第3のモードスプリッタからの前記第1の光子を第1の干渉計ポートを通じて反射することと、
前記第4のモードスプリッタからの前記第2の光子を第2の干渉計ポートを通じて反射することと、
を含む、実施することと、を含む、方法。
【外国語明細書】