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特開2025-9450情報処理システム、情報処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009450
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20250110BHJP
【FI】
G06T19/00 300A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023112459
(22)【出願日】2023-07-07
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2023年6月28日、2023年6月29日、2023年6月30日、展示会による公開(第3回XR総合展、東京ビッグサイト(東京都江東区有明3-11-1))
(71)【出願人】
【識別番号】514020389
【氏名又は名称】TIS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】小川 俊介
【テーマコード(参考)】
5B050
【Fターム(参考)】
5B050BA09
5B050CA08
5B050EA28
5B050FA02
(57)【要約】
【課題】仮想空間におけるユーザの没入感を向上させることが可能なシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】 第1のユーザの操作入力に関する操作情報を取得する情報取得部と、三次元の第1の仮想空間と、前記操作情報に基づいて前記第1の仮想空間を移動するアバターと、を前記第1のユーザのユーザ端末に表示させる表示処理部と、を備え、前記表示処理部は、前記アバターが移動可能な平面である移動平面を含む第1の領域と、前記第1の領域とは異なる第2の領域と、を含む前記第1の仮想空間を前記ユーザ端末に表示させ、前記第1の領域から前記第2の領域に前記アバターが移動した場合、前記移動平面に相当する前記アバターが移動可能な底面を含む、閉じられたオブジェクトに展開される全方位画像を、前記アバターの周囲に表示させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のユーザの操作入力に関する操作情報を取得する情報取得部と、
三次元の第1の仮想空間と、前記操作情報に基づいて前記第1の仮想空間を移動するアバターと、を前記第1のユーザのユーザ端末に表示させる表示処理部と、
を備え、
前記表示処理部は、
前記アバターが移動可能な平面である移動平面を含む第1の領域と、前記第1の領域とは異なる第2の領域と、を含む前記第1の仮想空間を前記ユーザ端末に表示させ、
前記第1の領域から前記第2の領域に前記アバターが移動した場合、前記移動平面に相当する前記アバターが移動可能な底面を含む、閉じられたオブジェクトに展開される全方位画像を、前記アバターの周囲に表示させる、
情報処理システム。
【請求項2】
前記表示処理部は、前記第1の領域と視覚的に区別される前記第2の領域を含む前記第1の仮想空間を前記ユーザ端末に表示させる、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記表示処理部は、前記第2の領域に平面的な形状の表示オブジェクトを表示させる、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記表示オブジェクトは、前記底面と等しい面積を有する平面的な形状である、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記表示処理部は、前記全方位画像を前記アバターの周囲に表示させている状態において、前記第2の領域に前記アバターが位置しなくなった場合、前記全方位画像を前記アバターの周囲から消去する、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記表示処理部は、前記第1の領域から前記第2の領域に前記アバターが移動した場合、前記ユーザ端末に予め記憶された前記全方位画像を、前記アバターの周囲に表示させる、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記表示処理部は、前記底面を含む閉じられた前記オブジェクトに展開される所定の場所を示す前記全方位画像を前記アバターの周囲に表示させた状態において、前記第1のユーザとは異なる第2のユーザのアバターが参加可能な、前記第1の仮想空間とは異なる、前記所定の場所を示す全方位画像が展開される第2の仮想空間に、前記第1のユーザが参加するための選択オブジェクトを表示させる、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
コンピュータが、
第1のユーザの操作入力に関する操作情報を取得することと、
三次元の第1の仮想空間と、前記操作情報に基づいて前記第1の仮想空間を移動するアバターと、を前記第1のユーザのユーザ端末に表示させることと、
前記アバターが移動可能な平面である移動平面を含む第1の領域と、前記第1の領域とは異なる第2の領域と、を含む前記第1の仮想空間を前記ユーザ端末に表示させることと、
前記第1の領域から前記第2の領域に前記アバターが移動した場合、前記移動平面に相当する前記アバターが移動可能な底面を含む、閉じられたオブジェクトに展開される全方位画像を、前記アバターの周囲に表示させることと、
を実行する情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
第1のユーザの操作入力に関する操作情報を取得することと、
三次元の第1の仮想空間と、前記操作情報に基づいて前記第1の仮想空間を移動するアバターと、を前記第1のユーザのユーザ端末に表示させることと、
前記アバターが移動可能な平面である移動平面を含む第1の領域と、前記第1の領域とは区別される第2の領域と、を含む前記第1の仮想空間を前記ユーザ端末に表示させることと、
前記第1の領域から前記第2の領域に前記アバターが移動した場合、前記移動平面に相当する前記アバターが移動可能な底面を含む、閉じられたオブジェクトに展開される全方位画像を、前記アバターの周囲に表示させることと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
360度の全方位画像が展開される仮想空間内にアバターを表示させるシステムが開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-120336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のシステムは、仮想空間の内側に360度の全方位画像である背景画像を張り付けて、仮想空間にアバターを配置する。そして、当該システムは、仮想空間における背景画像の歪みを遮蔽するために、アバターが立つ土台のオブジェクトを仮想空間に配置する。これにより、全方位画像である背景画像の歪みをユーザから見えなくできるため、ユーザは仮想空間に対する没入感を喪失されない。
【0005】
しかし、アバターが配置される仮想空間は全球形状で構成されるため、アバターが土台のオブジェクトの上に配置されるものの、背景画像との関係ではアバターおよび土台が浮いているようにユーザからは見える。これにより、仮想空間に対するユーザの没入感が喪失されてしまうという問題が生じる。
【0006】
そこで、本発明は、上記の課題を解決するために、仮想空間におけるユーザの没入感を向上させることが可能なシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、第1のユーザの操作入力に関する操作情報を取得する情報取得部と、三次元の第1の仮想空間と、前記操作情報に基づいて前記第1の仮想空間を移動するアバターと、を前記第1のユーザのユーザ端末に表示させる表示処理部と、を備え、前記表示処理部は、前記アバターが移動可能な平面である移動平面を含む第1の領域と、前記第1の領域とは異なる第2の領域と、を含む前記第1の仮想空間を前記ユーザ端末に表示させ、前記第1の領域から前記第2の領域に前記アバターが移動した場合、前記移動平面に相当する前記アバターが移動可能な底面を含む、閉じられたオブジェクトに展開される全方位画像を、前記アバターの周囲に表示させる。
【0008】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが、第1のユーザの操作入力に関する操作情報を取得することと、三次元の第1の仮想空間と、前記操作情報に基づいて前記第1の仮想空間を移動するアバターと、を前記第1のユーザのユーザ端末に表示させることと、前記アバターが移動可能な平面である移動平面を含む第1の領域と、前記第1の領域とは異なる第2の領域と、を含む前記第1の仮想空間を前記ユーザ端末に表示させることと、前記第1の領域から前記第2の領域に前記アバターが移動した場合、前記移動平面に相当する前記アバターが移動可能な底面を含む、閉じられたオブジェクトに展開される全方位画像を、前記アバターの周囲に表示させることと、を実行する。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、第1のユーザの操作入力に関する操作情報を取得することと、三次元の第1の仮想空間と、前記操作情報に基づいて前記第1の仮想空間を移動するアバターと、を前記第1のユーザのユーザ端末に表示させることと、前記アバターが移動可能な平面である移動平面を含む第1の領域と、前記第1の領域とは区別される第2の領域と、を含む前記第1の仮想空間を前記ユーザ端末に表示させることと、前記第1の領域から前記第2の領域に前記アバターが移動した場合、前記移動平面に相当する前記アバターが移動可能な底面を含む、閉じられたオブジェクトに展開される全方位画像を、前記アバターの周囲に表示させることと、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、仮想空間におけるユーザの没入感を向上させることが可能なシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】表示システム10の構成の一例を示す図である。
図2】仮想空間情報の一例を示すデータベースである。
図3】表示オブジェクト情報の一例を示すデータベースである。
図4】アバター情報の一例を示すデータベースである。
図5】第1の仮想空間の一例を示す図である。
図6】第1の仮想空間の一例を示す図である。
図7】表示画像の一例を示す図である。
図8】表示画像を展開するオブジェクトの一例を示す図である。
図9】第1選択オブジェクトの一例を示す図である。
図10】第2選択オブジェクトの一例を示す図である。
図11】表示システム10の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図12】コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の一実施形態における表示システム10について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形し、または各実施例を組み合わせるなどして実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付して表している。
【0013】
===表示システム10の概要===
表示システム10は、ユーザが操作可能なアバターを仮想空間に表示させるシステムである。表示システム10は、少ない情報量によって、仮想空間におけるユーザの没入感を低下させないような表示処理を実行する。
【0014】
仮想空間は、例えば、ユーザが装着する非透過型ヘッドマウントディスプレイである端末装置に表示される画像で構成される仮想の空間である。なお、仮想空間には、所謂、複合現実(Mixed Reality)空間(現実世界の情報をデジタル空間に反映させた空間)を含む。ユーザ端末200の表示部に表示される画像は、例えば、ユーザが3次元画像として視認される画像である。以下、ユーザ端末200に表示される画像のうち、仮想空間において実際のオブジェクトのようにユーザが視認可能なオブジェクトを「アバター」という。
【0015】
表示システム10は、仮想空間を移動するアバターが所定の領域に位置した場合、アバターが地面に立っているように見せるための平面を有するオブジェクト1510に展開される全方位画像を、アバターの周囲に表示させる。
【0016】
これにより、従来のシステムでは、全球画像(全方位画像)の中心でアバターが浮いているように表示させていたところを、表示システムでは、全方位画像において地面に立っているように表示できるため、ユーザの没入感を向上させる。また、表示システム10は、他の仮想空間に移動させることなく、画像データの情報量のみにより、ユーザが必要とするデータを提供できる。
【0017】
また、表示システム10は、オブジェクト1510に展開された全方位画像(360度画像)をユーザ端末200に予め記憶させていてもよい。これにより、表示システム10は、仮想空間を移動するアバターが所定の領域に位置した場合、短い時間で全方位画像をアバターの周囲に表示することができる。
【0018】
<<構成>>
図1を参照して、表示システム10の構成の概要について説明する。図1は、表示システム10の構成の一例を示す図である。図1に示すように、表示システムは、例えば、表示装置100と、ユーザ端末200とを含む。
【0019】
表示装置100は、仮想空間やアバターをユーザ端末200の表示部に表示させる装置である。表示装置100は、ユーザによるユーザ端末200への操作入力に基づき仮想空間における各種処理を実行させる。表示装置100は、ユーザ端末200と通信可能に接続されている。
【0020】
表示装置100は、例えば、クラウドコンピュータ、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(例えば、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(例えば、PDA、電子メールクライアントなど)、あるいは他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームであってもよい。なお、表示装置100における処理の少なくとも一部は、1以上のコンピュータ(限定ではなく例として、1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティング)により実現されていてもよい。
【0021】
ユーザ端末200は、ユーザの操作入力を受け付けて仮想空間において各種処理を実行させる装置である。各種処理は、例えば、アバターの移動、コメントの記入、決済処理などを含む。
【0022】
ユーザ端末200は、例えば、スマートフォン、携帯電話(フィーチャーフォン)、パーソナルコンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(例えば、ケーブル、衛星セットトップボックス、 デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(例えば、PDA(Personal Digital Assistant)、電子メールクライアントなど)、ウェアラブル端末(メガネ型デバイス、時計型デバイスなど)、他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームであってもよい。
【0023】
<<処理>>
図1を参照して、表示システム10の処理の概要について説明する。以下、便宜上、都市を示す仮想空間を「第1の仮想空間1000」といいい、都市に存する商店を示す仮想空間を「第2の仮想空間2000」という。なお、以下において、単に「仮想空間」というときには、第1の仮想空間1000および第2の仮想空間2000を含む仮想空間をいうものとする。
【0024】
ステップS10において、表示装置100は、ユーザ端末200からユーザが第1の仮想空間1000に参加することを示す要求(以下、「参加要求」という。)を取得する。第1の仮想空間1000は、アバターが移動可能な平面(以下、「移動平面1110」という。)を含む領域(第1の領域)と、当該領域とは区別された領域(第2の領域)とを含む。
【0025】
ステップS11において、表示装置100は、例えば、参加要求に対応する第1の仮想空間1000を、ユーザ端末200の表示部に表示させるための情報(以下、「空間情報」という。)をユーザ端末200に送信する。
【0026】
空間情報は、例えば、第1の仮想空間1000の構成を示す情報、第1の仮想空間1000において所定の画像を表示させるためのオブジェクト(以下、「表示オブジェクト1200」という。)およびアバターを表示させるための情報を含む。表示オブジェクト1200が表示される領域は、例えば上述の「当該領域とは区別された領域」である。
【0027】
ステップS12において、表示装置100は、ユーザ端末200からユーザの操作入力に関する情報(以下、「操作情報」という。)を取得する。
【0028】
ステップS13において、表示装置100は、操作情報に基づき第1の仮想空間1000においてアバターを移動させる。
【0029】
ステップS14において、表示装置100は、第1の仮想空間1000における表示オブジェクト1200にアバターが接触したと判定した場合、アバターの周囲に全方位画像(以下、「表示画像1500」という。)を、ユーザ端末200の表示部に表示させる。なお、このとき、表示装置100は、例えば、表示画像1500を含む空間情報をユーザ端末200に送信する。
【0030】
表示画像1500は、例えば、都市を示す第1の仮想空間1000に配置される商店の内装を示す全方位画像である。これにより、ユーザは、例えば所定の場所に対応する第2の仮想空間2000に移行することなく、所定の場所の販売物や内部状況などを迅速に確認できるため、ユーザの没入感を向上させる。
【0031】
また、表示画像1500は、仮想カメラから見てアバターが立っているように見えるための底面と、当該底面のアバター側の方向に形成される曲面とを有する形状を呈するオブジェクト1510に展開される全方位画像である。具体的には、表示画像1500は、例えば、底面と、底面からアバターを包み込むように形成される球形状の一部とを含んだ形状を呈するオブジェクト1510に展開される。
【0032】
この点、従来のシステムは、全方位画像が展開された球形状のオブジェクト内にアバターを配置するため、アバターが全方位画像内で浮いているように表示させる。これに対して、表示システム10は、底面を有するオブジェクト1510に展開される表示画像1500を表示させため、アバターが全方位画像の地面を示す部分に接して立っているように見えることから、ユーザの没入感を向上させる。なお、表示システム10で表示される表示画像1500は地面を示す部分に画像の歪みを生じる。この点、従来のシステムにおいても、全方位画像であるため画像全体的に歪みが生じる。このような全方位画像の特徴を踏まえ、表示システム10では、従来のシステムに比べて地面の部分に画像の歪みが生じるものの、従来から生じている画像の歪みよりも、地面を示す画像の部分にアバターが接して立っていることを表現することにより、没入感を向上させる。
【0033】
また、表示画像1500は、ユーザ端末200に予め記憶されている画像であってもよい。これにより、表示システム10は、アバターが表示オブジェクト1200に接触するとほぼ同時に、全方位画像を表示させることができるため、仮想空間へのユーザの没入感を向上させる。
【0034】
このように、表示システム10は、第1の仮想空間1000から第2の仮想空間2000に移行することなく、第2の仮想空間2000を示す全方位画像の地面を示す部分にアバターが立っているように表示させることにより、ユーザの没入感を喪失させず、ユーザに第2の仮想空間2000を示す全方位画像を瞬時に閲覧可能とさせる。
【0035】
ステップS15において、表示装置100は、アバターが表示オブジェクト1200の領域(第2の領域)から外れた場合、アバターの周囲に表示されていた表示画像1500を消去した空間画像を生成する。このとき、表示装置100は、表示画像1500を含まない空間情報をユーザ端末200に送信する。これにより、表示システム10は、仮想空間を移動することなく、元の仮想空間を表示させることができるため、ユーザの没入感を向上させる。
【0036】
===表示装置100===
図1に示すように、表示装置100は、記憶部110と、情報取得部120と、アバター制御部130と、アバター位置判定部140と、表示処理部150と、情報送信部160とを含む。
【0037】
記憶部110は、例えば、仮想空間情報111と、表示オブジェクト情報112と、アバター情報113とを含む。
【0038】
図2を参照して、仮想空間情報111について説明する。図2は、仮想空間情報111の一例を示すデータベースである。仮想空間情報111は、表示処理部150がユーザ端末200の表示部に仮想空間を表示させるときに参照されるデータベースである。
【0039】
図2に示すように、仮想空間情報111は、例えば、[仮想空間ID]、[空間情報]、[参加ユーザ]、[表示オブジェクト]などの項目を含む。[仮想空間ID]は、仮想空間を一意に識別可能な識別情報が格納される。[空間情報]は、表示部に仮想空間を表示させるための情報が格納される。[参加ユーザ]は、仮想空間に参加中のユーザIDが格納される。[表示オブジェクト]は、仮想空間に表示される表示オブジェクト1200を一意に識別可能な識別情報(識別IDや座標)が格納される。
【0040】
図3を参照して、表示オブジェクト情報112について説明する。図3は、表示オブジェクト情報112の一例を示すデータベースである。表示オブジェクト情報112は、表示処理部150がユーザ端末200の表示部に表示オブジェクト1200や表示画像1500を表示させるときに参照されるデータベースである。
【0041】
図3に示すように、表示オブジェクト情報112は、例えば、[表示オブジェクトID]、[表示位置]、[表示画像]、[対応空間]などの項目を含む。[表示オブジェクトID]は、表示オブジェクト1200を一意に識別可能な識別情報が格納される。[表示位置]は、表示画像1500を表示部に表示させるための座標(アバターが位置する座標)を示す情報が格納される。[表示画像]は、アバターの周囲に表示画像1500を表示させるための情報が格納される。[対応空間]は、表示オブジェクト1200に対応する仮想空間を一意に識別可能な仮想空間IDが格納される。
【0042】
図4を参照して、アバター情報113について説明する。図4は、アバター情報113の一例を示すデータベースである。アバター情報113は、表示処理部150がユーザ端末200の表示部にアバターを表示させるときに参照されるデータベースである。
【0043】
図4に示すように、アバター情報113は、例えば、[アバターID]、[ユーザID]、[位置]などの項目を含む。[アバターID]は、アバターを一意に識別可能な識別情報が格納される。[ユーザID]は、当該アバターに対応するユーザを一意に識別可能な識別情報が格納される。[位置]は、仮想空間におけるアバターの座標を示す位置情報が格納される。
【0044】
情報取得部120は、ユーザ端末200から参加要求および操作情報を取得する。
【0045】
アバター制御部130は、操作情報に基づき仮想空間においてアバター1400を移動させる。
【0046】
アバター位置判定部140は、仮想空間内で移動するアバター1400の仮想空間における位置を特定する。アバター位置判定部140は、例えば、アバター情報113を参照してアバター1400の位置を特定してもよいし、アバター制御部130において操作情報から特定され得る位置情報に基づきアバター1400の位置を特定してもよい。アバター位置判定部140は、アバター1400が仮想空間内の所定の領域に位置するか否かを判定する。具体的には、アバター位置判定部140は、例えば、表示オブジェクト情報112を参照して、特定されたアバター1400の位置が仮想空間における表示オブジェクト1200の位置と重なり合うか否かを判定する。以下、便宜上、アバター位置判定部140で判定された結果を「判定結果」という。
【0047】
表示処理部150は、第1の仮想空間1000および第2の仮想空間2000を表示部に表示させる。図5および図6を参照して、第1の仮想空間1000およびアバター1400の一例について説明する。図5図6は、第1の仮想空間1000の一例を示す図である。
【0048】
第1の仮想空間1000について説明する。図5および図6に示すように、第1の仮想空間1000は、フィールド1100(第1の領域)と、表示オブジェクト1200と、オブジェクト標識1300とを含んで構成される。
【0049】
フィールド1100は、アバター1400が移動可能な移動平面1110を含んで構成される。なお、図5および図6では、フィールド1100の移動平面1110には何も表示されていないように示しているが、例えば、移動平面1110には、地図を表示してもよいし、案内標識(例えばユーザの目的地への道案内標識)を表示してもよいし、広告を表示してもよい。これにより、仮想空間の各領域を有効に活用することができる。
【0050】
表示オブジェクト1200は、移動平面1110に設けられるオブジェクトである。表示オブジェクト1200は、例えば移動平面1110の所定の領域(第2の領域)の表面に設けられる。表示オブジェクト1200は、例えば、平面的な形状であるオブジェクト(図5および図6を参照)であってもよいし、立体的な形状であるオブジェクト(例えば扉など)であってもよいし、領域を指し示すオブジェクト(例えば矢印など)であってもよい。特に、表示オブジェクト1200が平面的な形状であるオブジェクトの場合、表示画像1500を表示させるときに、表示画像1500が、アバター1400を包み込んで表示するようにユーザの目の錯覚を生じさせる。すなわち、表示装置100は、表示オブジェクト1200を平面的な形状であるオブジェクトとして構成させる場合、ユーザの仮想空間内への没入感を向上できる。
【0051】
表示オブジェクト1200の面積は、後述する表示画像1500を展開するオブジェクト1510の底面1511と同じ面積であってもよい。これにより、システムの設計が容易となり、表示画像1500が表示される範囲をユーザが適切に把握することができる。
【0052】
なお、第1の仮想空間1000は、フィールド1100と異なる領域(第2の領域)を含んでいてもよい。当該異なる領域は、フィールド1100と視覚的に区別される領域であってもよい。
【0053】
オブジェクト標識1300は、表示オブジェクト1200に対応する第2の仮想空間2000を識別可能な情報(例えばショップ名など)を表示するオブジェクトである。これにより、表示装置100は、ユーザが目的とするオブジェクトを容易に見つけることができるため、システム利用におけるユーザの煩わしさを軽減し、ユーザの仮想空間内での行動を継続させることができる。
【0054】
アバター1400について説明する。図5および図6に示すように、アバター1400は、人や動物などの動作するキャラクタを三次元表示したオブジェクトである。アバター1400は、ユーザの設定操作によって部品(例えば、髪の毛、顔など)が設定されてもよい。表示装置100は、操作情報に基づきアバター1400を第1の仮想空間1000で動作させる。図5に示すように、第1の仮想空間1000には、ユーザのアバター1400の他に、他のユーザ(第2のユーザ)を示すアバター1401が含まれていてもよい。
【0055】
表示画像1500について説明する。表示処理部150は、例えば表示オブジェクト1200にアバター1400が接触したことを示す判定結果を取得した場合、表示画像1500を表示部に表示させる。なお、表示画像1500は、上述の当該異なる領域にアバター1400が位置することを示す判定結果を取得した場合に表示部に表示されてもよい。以下、図7および図8を参照して、表示画像1500の一例について説明する。図7は、表示画像1500の一例を示す図である。図8は、表示画像1500を展開するオブジェクト1510の一例を示す図である。
【0056】
図7に示すように、表示画像1500は、アバター1400の周囲に表示される全方位画像であり、第2の仮想空間2000を示す画像である。図8を参照して表示画像1500について詳細に説明する。図8に示すように、表示装置100は、球形状のオブジェクトの一部に底面を形成するように変形したオブジェクト1510に全方位画像を展開して表示画像1500を生成する。オブジェクト1510の底面1511には全方位画像が示す実空間の地面に相当する画像が展開され、底面1511以外の部分には底面1511に展開される全方位画像が示す画像以外の実空間の画像が展開される。
【0057】
詳細には、表示装置100は、例えば、底面1511と、平面視で円形の底面の中心から垂直に延びる仮想線(不図示)に対してシンメトリックな曲面1512とで閉じられたオブジェクト1510に、全方位画像を展開して、全体のスケールを調整することにより表示画像1500を生成する。言い換えると、表示装置100は、全方位画像が示す地面にアバター1400が接して立っているように見えるための底面1511と、当該底面1511からアバター1400の側に形成される球形状の一部を構成するような曲面1512とで閉じられたオブジェクト1510(領域)に、全方位画像を展開してスケール調整しつつ表示画像1500を生成する。なお、曲面1512は、例えば、球形状の一部であってもよく、半球状の曲面であってもよいし、球形状の半分よりも下側に設けられる底面から膨れ上がるように形成される曲面であってもよい。生成された表示画像1500は記憶部110に記憶される。
【0058】
これにより、表示装置100は、アバター1400が表示オブジェクト1200に接触したときに、第1の仮想空間1000から第2の仮想空間2000へ移行することなく、第2の仮想空間2000と比較して情報量が少ない表示画像1500を短い時間でアバター1400の周囲に表示させることができる。すなわち、表示装置100は、第2の仮想空間2000に移行させることなく、第2の仮想空間2000を示す画像のみをユーザに表示させることができる。
【0059】
さらに言うと、第2の仮想空間2000では、球形状のオブジェクトに全球画像が表示されているため、球形状のオブジェクトの中心に配置されるアバターが地面から浮いているように表示される。すなわち、第2の仮想空間2000に移行して全方位画像を表示させることと比較して、表示画像1500を表示させることは、アバター1400が現実空間に近似する態様で表示されるため、ユーザの没入感を向上させる。
【0060】
なお、表示画像1500には、アバター1400の足元にアバター1400の影1410が表示されていてもよい。これにより、表示装置100は、アバター1400が地面に接して立っている様子をより明確に表現できるため、ユーザの没入感を向上できる。
【0061】
第1選択オブジェクト1520および第2選択オブジェクト2100について説明する。表示処理部150は、表示画像1500が表示された状態において、第2の仮想空間2000に参加するか否かを確認する第1選択オブジェクト1520を表示させてもよい。また、表示処理部150は、第2の仮想空間2000に参加した状態で、第1の仮想空間1000に戻るか否かを確認する第2選択オブジェクト2100を表示させてもよい。以下、図9および図10を参照して、第1選択オブジェクト1520および第2選択オブジェクト2100の一例について説明する。図9は、第1選択オブジェクト1520の一例を示す図である。図10は、第2選択オブジェクト2100の一例を示す図である。
【0062】
図9に示すように、第1選択オブジェクト1520は、例えば、表示画像1500の一部に重畳して表示されるオブジェクトである。第1選択オブジェクト1520は、例えば、第2の仮想空間2000に参加するための参加ボタン1521と、第1の仮想空間1000を表示させるための空間表示ボタン1522とを含む。
【0063】
参加ボタン1521に対する操作入力を受け付けた場合、表示装置100は、第2の仮想空間2000にアバター1400を参加させる。これにより、ユーザは、例えば、第2の仮想空間2000においてアバター1400を商店内で移動させることが可能となり、商店内の商品などを購入する決済処理が可能となり、第2の仮想空間2000に参加している店員を示すアバターと通信(会話)することが可能となり、第2の仮想空間2000の任意の箇所にコメントを付けることが可能となる。
【0064】
図10に示すように、第2選択オブジェクト2100は、表示部に表示される第2の仮想空間2000の一部に重畳して表示されるオブジェクトである。第2選択オブジェクト2100は、例えば第1の仮想空間1000に戻るための移行ボタン2110を含む。移行ボタン2110に対する操作入力を受け付けた場合、表示装置100は、第1の仮想空間1000にアバター1400を参加させる。
【0065】
情報送信部160は、空間情報などの各種情報をユーザ端末200に送信する。
【0066】
===ユーザ端末200===
図1に戻り、ユーザ端末200の構成について説明する。図1に示すように、ユーザ端末200は、例えば、記憶部210と、送受信部220と、表示処理部230との機能部を含む。各機能部は、例えば、プロセッサ3001がメモリ3002に格納されているプログラムを読み出して実現される機能である。
【0067】
記憶部210は、例えば、ユーザ情報211を記憶する。ユーザ情報211は、ユーザIDを主キーとして、ユーザ名、アバターIDなどが対応付けられて格納する。ユーザ名は、ユーザが自身で登録した名前であり、任意である。アバターIDは、アバターを識別可能な識別情報である。送受信部220は、表示装置100との間で各種情報を送受信する。送受信部220で取得された各種情報は、記憶部210に記憶される。表示処理部230は、表示装置100から取得する空間情報が示す仮想空間を表示部に表示させる。
【0068】
===処理手順===
図11を参照して、表示システム10の処理手順について説明する。図11は、表示システム10の処理手順の一例を示すフローチャートである。以下では、図5図10を参照しつつ、第1の仮想空間1000に参加したアバター1400が所定の商店の表示オブジェクト1200に接触した後に、第2の仮想空間2000に参加するまでの処理手順について説明する。
【0069】
ステップS100において、ユーザ端末200は、第1の仮想空間1000への参加要求を表示装置100に送信する。
【0070】
ステップS101において、表示装置100は、仮想空間情報111およびアバター情報113を参照して、図5および図6に示す第1の仮想空間1000を表示可能な空間情報をユーザ端末200に送信する。
【0071】
ステップS102において、ユーザ端末200は、第1の仮想空間1000に表示されるアバター1400を操作するための操作情報を表示装置100に送信する。
【0072】
ステップS103において、表示装置100は、操作情報に基づき、仮想空間情報111を参照して、第1の仮想空間1000におけるアバター1400の位置を特定する。表示装置100は、表示オブジェクト情報112を参照して、アバター1400の位置と、図5および図6に示す表示オブジェクト1200のうちのいずれかの表示オブジェクト1200の位置(例えば表示オブジェクト1200の底面1511の領域)とが重なり合うか否かを判定する。
【0073】
アバター1400と表示オブジェクト1200とが重なり合わないと判定された場合(ステップS103:NO)、表示装置100は、処理をステップS101から繰り返す。アバター1400と表示オブジェクト1200とが重なり合うと判定された場合(ステップS103:YES)、表示装置100は、処理をステップS104に移行する。
【0074】
ステップS104において、表示装置100は、表示オブジェクト情報112を参照して、アバター1400の周囲に表示される表示画像1500をユーザ端末200に送信する。
【0075】
ステップS105において、ユーザ端末200は、アバター1400の周囲に、表示オブジェクト1200に対応する図7に示す表示画像1500を表示させる。ユーザ端末200は、操作情報を表示装置100に送信する。
【0076】
なお、表示オブジェクト1200が第2の仮想空間2000に対応するオブジェクトである場合、表示画像1500は、例えば第2の仮想空間2000のキャプチャを示す画像である。これにより、表示装置100は、第2の仮想空間2000に移行させるか否かをユーザが判断するための表示画像1500を簡易かつ迅速にユーザに提供することができる。また、表示システム10は、アバター1400を第1の仮想空間1000の移動平面1110で移動させて、移動平面1110上に表示される平面的な表示オブジェクト1200上にアバター1400が位置したときに、全方位画像上に立っているように表示させるため、ユーザの仮想空間における没入感を向上させる。
【0077】
ステップS106において、表示装置100は、操作情報に基づき、仮想空間情報111を参照して、アバター1400の位置を特定する。そして、表示装置100は、第1の仮想空間1000において表示画像1500が展開されているオブジェクト1510の底面1511(図7および図8を参照)の範囲内にアバター1400が位置しているか否かを判定する。
【0078】
アバター1400と表示オブジェクト1200とが重なり合わないと判定された場合(ステップS106:NO)、表示装置100は、処理をステップS101から繰り返す。すなわち、この場合、表示装置100は、表示画像1500をアバター1400の周囲から消去して、第1の仮想空間1000を表示させるための空間情報をユーザ端末200に送信する。
【0079】
これにより、表示システム10は、ユーザが表示画像1500を見て興味がわかなかった場合、アバター1400を第1の仮想空間1000のフィールド1100に時間を要することなく移行させることができるため、ユーザの没入感を向上させる。これは、表示システム10において、第2の仮想空間2000に参加させることなく、表示画像1500をアバター1400の周囲に表示させるための効果である。
【0080】
アバター1400と表示オブジェクト1200とが重なり合うと判定された場合(ステップS103:YES)、表示装置100は、処理をステップS107に移行する。
【0081】
ステップS107において、表示装置100は、ユーザ端末200から第2の仮想空間2000への参加要求を取得したか否かを判定する。このとき、ユーザ端末200は、図9に示す第1選択オブジェクト1520を表示させて、第1選択オブジェクト1520の参加ボタン1521へのユーザの操作入力を受け付けた場合、参加要求を表示装置100に送信する。
【0082】
参加要求を取得していない場合(ステップS107:NO)、表示装置100は、処理をステップS106から繰り返す。参加要求を取得した場合(ステップS107:YES)、表示装置100は、処理をステップS108に移行する。
【0083】
ステップS108において、表示装置100は、仮想空間情報111およびアバター情報113を参照して、図10に示す第2の仮想空間2000を表示可能な空間情報をユーザ端末200に送信する。
【0084】
ステップS109において、ユーザ端末200は、第2の仮想空間2000に表示されるアバター1400を操作するための操作情報を表示装置100に送信する。そして、ユーザ端末200は、図10に示す第2選択オブジェクト2100を表示させて、第2選択オブジェクト2100の移行ボタン2110へのユーザの操作入力を受け付けた場合、第1の仮想空間1000に参加するための参加要求を表示装置100に送信する。
【0085】
ステップS110において、表示装置100は、ユーザ端末200から第1の仮想空間1000への参加要求を取得したか否かを判定する。
【0086】
参加要求を取得していない場合(ステップS110:NO)、表示装置100は、処理をステップS108から繰り返す。参加要求を取得した場合(ステップS110:YES)、表示装置100は、第1の仮想空間1000を表示させるための空間情報をユーザ端末200に送信する。
【0087】
ステップS111において、ユーザ端末200は、第1の仮想空間1000を表示させる。
【0088】
===ハードウェア構成===
図11を参照して、表示装置100およびユーザ端末200をコンピュータで実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。図11は、コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0089】
図11に示すように、コンピュータ3000は、プロセッサ3001と、メモリ3002と、記憶装置3003と、入力I/F部3004と、データI/F部3005と、通信I/F部3006、及び表示部3007を含む。
【0090】
プロセッサ3001は、メモリ3002に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ3000における各種の処理を制御する制御部である。
【0091】
メモリ3002は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ3002は、プロセッサ3001によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0092】
記憶装置3003は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置3003は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。
【0093】
入力I/F部3004は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部3004の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサー、ウェアラブル・デバイス等が挙げられる。入力I/F部3004は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインターフェースを介してコンピュータ3000に接続されても良い。
【0094】
データI/F部3005は、コンピュータ3000の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部3005の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F部3005は、コンピュータ3000の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部3005は、例えばUSB等のインターフェースを介してコンピュータ3000へと接続される。
【0095】
通信I/F部3006は、コンピュータ3000の外部の装置と有線又は無線により、インターネットNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部3006は、コンピュータ3000の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部3006は、例えばUSB等のインターフェースを介してコンピュータ3000に接続される。
【0096】
表示部3007は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示部3007の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示部3007は、コンピュータ3000の外部に設けられても良い。その場合、表示部3007は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ3000に接続される。また、入力I/F部3004としてタッチパネルが採用される場合には、表示部3007は、入力I/F部3004と一体化して構成することが可能である。
【0097】
===まとめ===
<1>本実施形態における表示システム10は、ユーザ(第1のユーザ)の操作入力に関する操作情報を取得する情報取得部120と、三次元の第1の仮想空間1000と、操作情報に基づいて第1の仮想空間1000を移動するアバター1400と、をユーザ(第1のユーザ)のユーザ端末200に表示させる表示処理部150と、を備え、表示処理部150は、アバター1400が移動可能な平面である移動平面1110を含むフィールド1100(第1の領域)と、フィールド1100(第1の領域)とは区別される所定の領域(第2の領域)と、を含む第1の仮想空間1000をユーザ端末200に表示させ、フィールド1100(第1の領域)から所定の領域(第2の領域)にアバター1400が移動した場合、移動平面1110に相当する、アバター1400が移動可能な底面1511と、底面1511のアバター1400側の方向に形成される曲面1512と、で閉じられたオブジェクト1510に展開される全方位画像を、アバター1400の周囲に表示させる。これにより、表示システム10は、アバター1400を第1の仮想空間1000の移動平面1110で移動させて、移動平面1110上に表示される例えば表示オブジェクト1200上にアバター1400が位置したときに、全方位画像上に立っているように表示させるため、ユーザの仮想空間における没入感を向上させる。
【0098】
<2>また、本実施形態における表示システム10の表示処理部150は、フィールド1100(第1の領域)と視覚的に区別される所定の領域(第2の領域)を含む第1の仮想空間1000をユーザ端末200に表示させる。これにより、表示システム10は、表示画像1500が表示される範囲をユーザが適切に把握することができる。
【0099】
<3>また、本実施形態における表示システム10の表示処理部150は、所定の領域(第2の領域)に平面的な形状の表示オブジェクト1200を表示させる。これにより、表示システム10は、表示オブジェクト1200を平面的な形状であるオブジェクトとして構成させる場合、ユーザの仮想空間内への没入感を向上できる。
【0100】
<4>また、本実施形態における表示システム10が表示する表示オブジェクト1200は、底面1511と等しい面積を有する平面的な形状である。これにより、システムの設計が容易となり、表示画像1500が表示される範囲をユーザが適切に把握することができる。。
【0101】
<5>また、本実施形態における表示システム10の表示処理部150は、全方位画像をアバター1400の周囲に表示させている状態において、所定の領域(第2の領域)にアバター1400が位置しなくなった場合、全方位画像をアバター1400の周囲から消去する。これにより、表示システム10は、仮想空間を移動することなく、元の仮想空間を表示させることができるため、ユーザの没入感を向上させる。
【0102】
<6>また、本実施形態における表示システム10の表示処理部150は、フィールド1100(第1の領域)から所定の領域(第2の領域)にアバター1400が移動した場合、ユーザ端末200に予め記憶された全方位画像を、アバター1400の周囲に表示させる。これにより、表示システム10は、アバター1400が表示オブジェクト1200に接触するとほぼ同時に、全方位画像を表示させることができるため、仮想空間へのユーザの没入感を向上させる。
【0103】
<7>また、本実施形態における表示システム10の表示処理部150は、底面1511を含む閉じられたオブジェクト1510に展開される第2の仮想空間2000(所定の場所)を示す全方位画像をアバター1400の周囲に表示させた状態において、第1のユーザとは異なる第2のユーザのアバター1401が参加可能な、第1の仮想空間1000とは異なる、所定の場所を示す全方位画像が展開される第2の仮想空間2000に、ユーザ(第1のユーザ)が参加するための第1選択オブジェクト1520(選択オブジェクト)を表示させる。これにより、表示システム10は、例えば、第2の仮想空間2000のキャプチャ画像を見たユーザが第2の仮想空間2000に入ることを望んだ場合に、第2の仮想空間2000においてアバター1400を商店内で移動させることが可能となる。
【符号の説明】
【0104】
10…表示システム、100…表示装置、110…記憶部、120…情報取得部、130…アバター制御部、140…アバター位置判定部、150…表示処理部、160…情報送信部、200…ユーザ端末。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12