(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025094576
(43)【公開日】2025-06-25
(54)【発明の名称】臨界裕度推定装置と臨界裕度推定方法
(51)【国際特許分類】
G21F 9/36 20060101AFI20250618BHJP
G21F 5/06 20060101ALI20250618BHJP
【FI】
G21F9/36 511P
G21F9/36 501H
G21F5/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023210216
(22)【出願日】2023-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】507250427
【氏名又は名称】日立GEニュークリア・エナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】吉原 有里
(72)【発明者】
【氏名】名雲 靖
(72)【発明者】
【氏名】上野 克宜
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 淳司
(72)【発明者】
【氏名】小林 亮介
(57)【要約】
【課題】収納容器内の物質によらず、収納容器に収納された核燃料物質の臨界裕度を推定することができる臨界裕度推定装置を提供する。
【解決手段】本発明による臨界裕度推定装置は、収納容器101に収納された容器内物質102に関する状態を取得する容器状態取得部201と、容器内物質102に関する状態から、容器内物質102の物理的な情報を推定する物理情報推定部202と、容器内物質102の物理的な情報から収納容器101の実効増倍率を求めて、容器内物質102が臨界に達するまでの臨界裕度を推定する臨界裕度評価部203と、容器内物質102となり得る物質について、表面状態、組成、密度、及び形状を保存しているデータベース210を備える。容器内物質102に関する状態は、容器内物質102の表面状態、組成、密度、形状、及び高さを含む。容器内物質102の物理的な情報は、容器内平均高さと、ウランと水素の原子個数比である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納容器に収納された放射性廃棄物である容器内物質に関する状態を取得する容器状態取得部と、
前記容器状態取得部が取得した前記容器内物質に関する前記状態から、前記容器内物質の物理的な情報を推定する物理情報推定部と、
前記物理情報推定部が推定した前記容器内物質の前記物理的な情報から前記収納容器の実効増倍率を求めて、前記容器内物質が臨界に達するまでの余裕度である臨界裕度を前記実効増倍率から推定する臨界裕度評価部と、
前記容器内物質となり得る物質について、表面状態、組成、密度、及び形状を保存しているデータベースと、
を備え、
前記容器内物質に関する前記状態は、前記容器内物質の前記表面状態、前記組成、前記密度、前記形状、及び高さを含み、
前記容器内物質の前記物理的な情報は、前記収納容器に収容された状態における前記容器内物質の平均的な高さである容器内平均高さと、ウランと水素の原子個数比である、
ことを特徴とする臨界裕度推定装置。
【請求項2】
前記容器状態取得部は、表面測定装置を備え、
前記表面測定装置は、前記容器内物質の前記表面状態と、前記容器内物質の前記収納容器の最上部からの距離とを測定し、
前記容器状態取得部は、前記高さを前記距離から求め、
前記容器状態取得部は、前記組成と前記密度と前記形状を、前記表面測定装置を用いて取得した前記表面状態を用いて、前記データベースを参照して取得する、
請求項1に記載の臨界裕度推定装置。
【請求項3】
前記物理情報推定部は、前記容器状態取得部が取得した前記容器内物質の前記組成と前記密度と前記形状と前記高さを用いて、前記容器内平均高さと前記原子個数比を推定する、
請求項1に記載の臨界裕度推定装置。
【請求項4】
前記臨界裕度評価部は、前記物理情報推定部が推定した、前記容器内平均高さと前記原子個数比から、前記実効増倍率を求め、求めた前記実効増倍率と臨界を起こす実効増倍率の値との差分を前記臨界裕度とする、
請求項1に記載の臨界裕度推定装置。
【請求項5】
前記物理情報推定部は、前記容器状態取得部が取得した前記容器内物質の前記高さの、前記収納容器の底面に平行な面における二次元位置についての分布の平均値と標準偏差を用いて、前記容器内平均高さを推定する、
請求項3に記載の臨界裕度推定装置。
【請求項6】
前記臨界裕度評価部が求めた前記実効増倍率と前記臨界裕度を表示する臨界裕度表示部を備える、
請求項1に記載の臨界裕度推定装置。
【請求項7】
収納容器に収納された放射性廃棄物である容器内物質に関する状態を取得する容器状態取得ステップと、
前記容器状態取得ステップで取得した前記容器内物質に関する前記状態から、前記容器内物質の物理的な情報を推定する物理情報推定ステップと、
前記物理情報推定ステップで推定した前記容器内物質の前記物理的な情報から前記収納容器の実効増倍率を求めて、前記容器内物質が臨界に達するまでの余裕度である臨界裕度を前記実効増倍率から推定する臨界裕度評価ステップと、
を有し、
前記容器内物質に関する前記状態は、前記容器内物質の表面状態、組成、密度、形状、及び高さを含み、
前記容器内物質の前記物理的な情報は、前記収納容器に収容された状態における前記容器内物質の平均的な高さである容器内平均高さと、ウランと水素の原子個数比であり、
前記容器状態取得ステップでは、
前記容器内物質の前記表面状態と、前記容器内物質の前記収納容器の最上部からの距離とを表面測定装置で測定し、
前記高さを前記距離から求め、
前記組成と前記密度と前記形状を、前記表面測定装置で取得した前記表面状態を用いて、前記容器内物質となり得る物質について前記表面状態、前記組成、前記密度、及び前記形状を保存しているデータベースを参照して取得し、
前記物理情報推定ステップでは、前記容器状態取得ステップで取得した前記容器内物質の前記組成と前記密度と前記形状と前記高さを用いて、前記容器内平均高さと前記原子個数比を推定する、
ことを特徴とする臨界裕度推定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納容器に収納された核燃料物質について、臨界に達するまでの余裕度である臨界裕度を推定する装置と方法に関する。
【背景技術】
【0002】
核燃料物質を含む放射性廃棄物は、収納容器に収納して、原子核分裂に関する臨界安全を確保しながら、安定に貯蔵する必要がある。核燃料物質を含む放射性廃棄物を収納した収納容器を適切に保持するための従来技術の例は、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された、核燃料物質の収納用装置は、内部に収納容器を収容可能な領域を備えて上部が開口した外容器と、収納容器内の中性子計数率を計測する中性子検出器と、中性子検出器の計測結果に基づき、収納容器内が臨界となる可能性のある核燃料物質の量を求める演算部とを備え、収納容器の周囲の環境が変化した場合でも、収納した核燃料物質の未臨界を担保できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、中性子検出器が計測した収納容器内の中性子計数率に基づいて、収納容器内が臨界となる可能性のある核燃料物質の量を求める。収納容器の内部には、燃焼度が互いに異なる複数種類の核燃料物質が存在する場合や、中性子吸収材や水分等の非核燃料物質が混入している場合がある。従来の技術では、このような場合には、収納容器内が臨界となる可能性のある核燃料物質の量を求めることが簡単ではなく、収納容器に収納された核燃料物質の臨界裕度(臨界に達するまでの余裕度)を求めることが難しい。
【0005】
本発明の目的は、収納容器内の物質によらず、収納容器に収納された核燃料物質の臨界裕度を推定することができる臨界裕度推定装置と臨界裕度推定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による臨界裕度推定装置は、収納容器に収納された放射性廃棄物である容器内物質に関する状態を取得する容器状態取得部と、前記容器状態取得部が取得した前記容器内物質に関する前記状態から、前記容器内物質の物理的な情報を推定する物理情報推定部と、前記物理情報推定部が推定した前記容器内物質の前記物理的な情報から前記収納容器の実効増倍率を求めて、前記容器内物質が臨界に達するまでの余裕度である臨界裕度を前記実効増倍率から推定する臨界裕度評価部と、前記容器内物質となり得る物質について、表面状態、組成、密度、及び形状を保存しているデータベースを備える。前記容器内物質に関する前記状態は、前記容器内物質の前記表面状態、前記組成、前記密度、前記形状、及び高さを含む。前記容器内物質の前記物理的な情報は、前記収納容器に収容された状態における前記容器内物質の平均的な高さである容器内平均高さと、ウランと水素の原子個数比である。
【0007】
本発明による臨界裕度推定方法は、収納容器に収納された放射性廃棄物である容器内物質に関する状態を取得する容器状態取得ステップと、前記容器状態取得ステップで取得した前記容器内物質に関する前記状態から、前記容器内物質の物理的な情報を推定する物理情報推定ステップと、前記物理情報推定ステップで推定した前記容器内物質の前記物理的な情報から前記収納容器の実効増倍率を求めて、前記容器内物質が臨界に達するまでの余裕度である臨界裕度を前記実効増倍率から推定する臨界裕度評価ステップを有する。前記容器内物質に関する前記状態は、前記容器内物質の表面状態、組成、密度、形状、及び高さを含む。前記容器内物質の前記物理的な情報は、前記収納容器に収容された状態における前記容器内物質の平均的な高さである容器内平均高さと、ウランと水素の原子個数比である。前記容器状態取得ステップでは、前記容器内物質の前記表面状態と、前記容器内物質の前記収納容器の最上部からの距離とを表面測定装置で測定し、前記高さを前記距離から求め、前記組成と前記密度と前記形状を、前記表面測定装置で取得した前記表面状態を用いて、前記容器内物質となり得る物質について前記表面状態、前記組成、前記密度、及び前記形状を保存しているデータベースを参照して取得する。前記物理情報推定ステップでは、前記容器状態取得ステップで取得した前記容器内物質の前記組成と前記密度と前記形状と前記高さを用いて、前記容器内平均高さと前記原子個数比を推定する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、収納容器内の物質によらず、収納容器に収納された核燃料物質の臨界裕度を推定することができる臨界裕度推定装置と臨界裕度推定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】収納容器に収納された容器内物質の例を示す図であり、砂状の容器内物質を示す図である。
【
図1B】収納容器に収納された容器内物質の例を示す図であり、塊状の容器内物質を示す図である。
【
図1C】収納容器に収納された容器内物質の例を示す図であり、データベースに登録されている容器内物質を示す図である。
【
図2】本発明の実施例1による臨界裕度推定装置の構成を示す図である。
【
図3】実施例1による臨界裕度推定方法の手順を示すフローチャートである。
【
図4】容器状態取得部が、収納容器に収納される放射性廃棄物を測定することで、容器内物質に関する状態を取得する例を示す図である。
【
図5】容器状態取得部が、容器内物質を測定することで、容器内物質に関する状態を取得する例を示す図である。
【
図6】容器状態取得部が取得する、容器内物質の高さhの分布を示す図である。
【
図7】物理情報推定部が、容器内平均高さzを推定する手順を示すフローチャートである。
【
図8】容器内物質の中に存在する非核燃料物質の例を示す図である。
【
図9】物理情報推定部が、ウランと水素の原子個数比H/Uを推定する手順を示すフローチャートである。
【
図10】臨界裕度評価部が、実効増倍率を求めて臨界裕度を推定する手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において、核燃料物質の臨界に達するまでの余裕度のことを臨界裕度と呼ぶ。臨界裕度は、核燃料物質を含む放射性廃棄物を収納した収納容器の実効増倍率keffと、臨界を起こす実効増倍率の値(=1)との差分で表される。
【0011】
以下、本発明の実施例による臨界裕度推定装置と臨界裕度推定方法を、図面を参照して説明する。なお、本明細書で用いる図面において、同一の又は対応する構成要素には同一の符号を付け、これらの構成要素については繰り返しの説明を省略する場合がある。
【実施例0012】
本発明の実施例1による臨界裕度推定装置と臨界裕度推定方法を説明する。本実施例では、収納容器に収納された核燃料物質の臨界裕度を推定する装置と方法の例を説明する。核燃料物質は、収納容器に収納された放射性廃棄物に含まれているとする。
【0013】
以下の説明では、収納容器に収納されている放射性廃棄物のことを、容器内物質とも呼ぶ。容器内物質は、通常、複数種類の物質(例えば、二酸化ウランと鉄)からなる混合物である。
【0014】
図1Aから
図1Cは、収納容器101に収納された容器内物質102の例を示す図である。
【0015】
図1Aには、砂状(又は粉末状)の容器内物質102aを示している。砂状の容器内物質102aは、個々の輪郭を目視で認識できない容器内物質である。
【0016】
図1Bには、塊状の容器内物質102bを示している。塊状の容器内物質102bは、個々の輪郭を目視で認識できる容器内物質である。
【0017】
図1Cには、
図2に示すデータベース210に登録されている容器内物質102cを示している。データベース210に登録されている容器内物質102cは、例えば原子力施設内の構造物(例えば配管や柱など)からなる放射性廃棄物である。このような放射性廃棄物は、形状、大きさ、及び材料などが分かっており、データベース210に予め登録することができる。なお、データベース210に登録されている容器内物質102cは、個々の輪郭を目視で認識できる容器内物質(塊状の容器内物質)である。
【0018】
収納容器101は、任意の放射性廃棄物を収納する容器であり、例えば
図1Aから
図1Cに示す容器内物質102(102a~102c)を収納することができる。収納容器101の形状は、任意であり、例えば円筒形や角筒形である。本実施例では、主に、収納容器101が円筒形であるとして説明する。
【0019】
収納容器101には、容器内物質102として、核燃料物質を含む放射性廃棄物だけでなく、核燃料物質を含まない放射性廃棄物が収納されることがある。本実施例では、容器内物質102は、核燃料物質であるウランを含む放射性廃棄物であるとする。
【0020】
図2は、本実施例による臨界裕度推定装置の構成を示す図である。
【0021】
本実施例による臨界裕度推定装置は、容器状態取得部201と、物理情報推定部202と、臨界裕度評価部203と、臨界裕度表示部204と、データベース210と、入力部211を備える。
【0022】
容器状態取得部201は、容器内物質102に関する状態を取得する。容器内物質102に関する状態とは、容器内物質102の特徴についての情報のことであり、例えば、容器内物質102の表面状態、組成c、密度ρ、形状s、高さh、体積、及び質量Mを含む。
【0023】
表面状態とは、物質の表面の形状(例えば凹凸の大きさ)や色のことである。組成cとは、混合物である容器内物質102に含まれている物質の混合割合のことであり、例えば、二酸化ウランが80%で鉄が20%と表される。形状sは、容器内物質102が砂状であるか(
図1Aの容器内物質102a)、塊状であるか(
図1Bの容器内物質102b)を示す。高さhとは、収納容器101に収容された状態における容器内物質102の高さ(収納容器101の底面から容器内物質102の上部までの距離)のことである。
【0024】
物理情報推定部202は、容器状態取得部201が取得した容器内物質102に関する状態から、容器内物質102の物理的な情報を推定する。容器内物質102の物理的な情報とは、例えば、収納容器101の実効増倍率keffを算出するために必要な値であり、容器内平均高さzとウランと水素の原子個数比H/Uである。容器内平均高さzとは、収納容器101に収容された状態における容器内物質102の平均的な高さ(収納容器101の底面からの容器内物質102の平均的な高さ)のことである。
【0025】
臨界裕度評価部203は、物理情報推定部202が推定した容器内物質102の物理的な情報から、収納容器101の実効増倍率keffを求めて臨界裕度を推定する。臨界裕度は、核燃料物質が臨界に達するまでの余裕度のことであり、本実施例では、容器内物質102が臨界に達するまでの余裕度である。
【0026】
臨界裕度表示部204は、臨界裕度評価部203が求めた実効増倍率keffと臨界裕度を表示する。臨界裕度表示部204は、さらに、物理情報推定部202が推定した容器内平均高さzとウランと水素の原子個数比H/Uと、容器状態取得部201が取得した容器内物質102の表面状態、組成c、密度ρ、形状s、高さh、体積、及び質量Mを表示する。
【0027】
データベース210は、容器状態取得部201と物理情報推定部202と臨界裕度評価部203が必要とする情報を保存する。例えば、データベース210は、収納容器101内に収納される可能性がある物質(容器内物質102となり得る物質)について、表面状態、組成c、密度ρ、及び形状s等の情報を物質情報として予め保存している。組成cは、例えば質量分析器などで分析して得ることができる。密度ρは、例えばX線源とX線検出器などで測定して得ることができる。なお、データベース210に登録されている形状sは、全て塊状であるとする。
【0028】
データベース210には、過去に収納容器101に収容された放射性廃棄物(容器内物質102)についての物質情報も保存されている。
【0029】
入力部211は、データベース210に情報を登録するための装置である。入力部211は、ユーザに操作され、例えば、容器内物質102となり得る物質についての物質情報を、予めデータベース210に登録する。
【0030】
ユーザは、入力部211を操作して、容器内物質102となり得る物質について、表面状態と、組成c、密度ρ、及び形状sとを対応させて、物質情報としてデータベース210に登録することができる。例えば、原子力施設内の構造物(例えば配管や柱など)は、表面状態、組成c、密度ρ、及び形状sが分かっているので、表面状態に、組成c、密度ρ、及び形状sを対応させて、データベース210に登録することができる。
【0031】
したがって、データベース210に登録された物質情報を用いると、物質の表面状態を特定すれば、この表面状態に対応する組成c、密度ρ、及び形状sを取得することができる。例えば、原子力施設内の構造物が容器内物質102であれば、データベース210に登録された物質情報を用いて、容器内物質102の表面状態から、容器内物質102の組成c、密度ρ、及び形状sを推定することができる。
【0032】
容器状態取得部201は、ユーザがデータベース210に登録した物質情報を、データベース210から取得することができる。例えば、容器状態取得部201は、容器内物質102に関する状態として取得した容器内物質102の表面状態が、データベース210に登録された物質情報に含まれている場合には、取得した表面状態に対応してデータベース210に登録されている組成c、密度ρ、及び形状sを、この容器内物質102の組成c、密度ρ、及び形状sとみなすことができる。
【0033】
図3は、本実施例による臨界裕度推定方法の手順を示すフローチャートである。
【0034】
ステップ301は、容器状態取得部201が、容器内物質102に関する状態を取得するステップである。
【0035】
ステップ302は、物理情報推定部202が、容器内物質102に関する状態から、容器内物質102の物理的な情報を推定するステップである。
【0036】
ステップ303は、臨界裕度評価部203が、容器内物質102の物理的な情報から、収納容器101の実効増倍率keffを求めて臨界裕度を推定するステップである。
【0037】
図4から
図6を参照して、容器状態取得部201を説明する。
【0038】
容器状態取得部201は、核燃料物質を含む放射性廃棄物403が収納容器101に収納される際と収納された後に、この放射性廃棄物403(すなわち、容器内物質102)を表面測定装置401で測定して、容器内物質102に関する状態を取得することができる。
【0039】
図4は、容器状態取得部201が、収納容器101に収納される放射性廃棄物403を測定することで、容器内物質102に関する状態を取得する例を示す図である。
【0040】
容器状態取得部201は、表面測定装置401を備える。表面測定装置401は、例えば、光学カメラや点群センサなどで構成することができる。表面測定装置401は、収納容器101に収納される放射性廃棄物403を撮像したり計測したりすることで、この放射性廃棄物403に関する状態、例えば表面状態と体積を測定することができる。
【0041】
放射性廃棄物403は、例えば遠隔操作マニピュレータ402で把持されて、収納容器101に収納される。なお、放射性廃棄物403は、遠隔操作マニピュレータ402以外の装置によって、例えば吸引装置で吸引されて、収納容器101に収納されてもよい。
【0042】
表面測定装置401は、遠隔操作マニピュレータ402が放射性廃棄物403を把持する位置、又は遠隔操作マニピュレータ402が放射性廃棄物403を収納容器101に収納する位置に設置されている。表面測定装置401は、放射性廃棄物403が遠隔操作マニピュレータ402によって把持されるとき又は収納容器101に収納されるときに、放射性廃棄物403の表面状態と体積を測定する。
【0043】
容器状態取得部201は、表面測定装置401が測定した放射性廃棄物403の表面状態と体積を、容器内物質102に関する状態として取得する。
【0044】
図5は、容器状態取得部201が、収納容器101に収納された放射性廃棄物403である容器内物質102を測定することで、容器内物質102に関する状態を取得する例を示す図である。
【0045】
表面測定装置401は、収納容器101の上方に設置されており、収納容器101に収納された容器内物質102の表面状態と体積を測定する。また、表面測定装置401は、容器内物質102について、収納容器101の最上部からの距離dを測定する。
【0046】
容器状態取得部201は、表面測定装置401を用いて、容器内物質102に関する状態、例えば表面状態と体積を取得することができる。さらに、容器状態取得部201は、表面測定装置401を用いて、容器内物質102の収納容器101の最上部からの距離dを取得することができる。
【0047】
また、容器状態取得部201は、収納容器101に設置された質量計504を備えることができる。質量計504は、容器内物質102の質量Mを測定する。容器状態取得部201は、質量計504を用いて、容器内物質102の質量Mを取得することができる。
【0048】
また、容器状態取得部201は、収納容器101を互いに挟んで設置されたX線源502とX線検出器503を備えることができる。X線源502とX線検出器503は、容器内物質102の密度ρを単方向又は複数方向から測定する。容器状態取得部201は、X線源502とX線検出器503を用いて、容器内物質102の密度ρの分布(密度分布)を取得することができる。
【0049】
以下の説明では、収納容器101の底面に平行な面における二次元位置を、座標(x,y)で表す。容器状態取得部201は、収納容器101の二次元位置(x,y)について、容器内物質102に関する状態の分布を求めることができる。
【0050】
図6は、容器状態取得部201が取得する、容器内物質102の高さhの分布を示す図である。
【0051】
容器内物質102の高さhの分布h(x,y)は、容器状態取得部201が取得した距離dの分布d(x,y)と、収納容器101の高さH(最上部から底面までの距離)を用いて、
h(x,y)=H-d(x,y) (1)
と表される。
【0052】
容器内物質102の高さhの分布h(x,y)が二次元位置(x,y)について一定であるとみなせる場合には、分布h(x,y)は、容器状態取得部201が取得した容器内物質102の全体積V(収納容器101に収納された全ての容器内物質102の合計の体積)と、収納容器101の内径Rを用いて、
h(x,y)=V/{π(R/2)2} (2)
と表すことができる。
【0053】
容器状態取得部201は、式(1)又は式(2)によって、容器内物質102の高さhの分布h(x,y)を取得する。
【0054】
容器状態取得部201は、容器内物質102の組成cの分布c(x,y)と密度ρの分布ρ(x,y)と形状sの分布s(x,y)を、表面測定装置401を用いて取得した容器内物質102の表面状態を用いて、データベース210を参照して取得する。すなわち、容器状態取得部201は、収納容器101の二次元位置(x,y)ごとに、容器内物質102の表面状態に対応する組成c、密度ρ、及び形状sを、データベース210に登録された物質情報を用いて取得する。
【0055】
密度ρの分布ρ(x,y)は、X線源502とX線検出器503を用いて取得しなくても、データベース210を参照することで取得することができる。本実施例では、密度ρの分布ρ(x,y)を、データベース210を参照することで取得するものとする。
【0056】
容器状態取得部201は、表面測定装置401を用いて取得した容器内物質102の表面状態がデータベース210に登録されていない場合には、容器内物質102の密度ρの分布ρ(x,y)を、X線源502とX線検出器503を用いて取得した分布ρ(x,y)とする。又は、容器状態取得部201は、収納容器101の二次元位置(x,y)について容器内物質102の密度ρが一定であると仮定し、質量計504で測定した容器内物質102の質量Mからデータベース210に登録した容器内物質102の質量M’(すなわち、既に収納容器101に収納した放射性廃棄物の質量M’)を除いた値(M-M’)と、容器内物質102の全体積Vからデータベース210に登録した容器内物質102の体積V’を除いた値(V-V’)を用いて、式(3)によって容器内物質102の密度ρの分布ρ(x,y)を求める。
ρ(x,y)=(M-M’)/(V-V’) (3)
式(3)は、質量と体積が不明な物質の密度ρ(分布が一定の密度)を表している。
【0057】
そして、容器状態取得部201は、表面測定装置401を用いて取得した容器内物質102の表面状態がデータベース210に登録されていない場合には、容器内物質102の組成cの分布c(x,y)と形状sの分布s(x,y)を不明とする。
【0058】
図7から
図9を参照して、物理情報推定部202を説明する。
【0059】
物理情報推定部202は、容器状態取得部201が取得した容器内物質102の組成cの分布c(x,y)と、密度ρの分布ρ(x,y)と、形状sの分布s(x,y)と、高さhの分布h(x,y)から、容器内平均高さzとウランと水素の原子個数比H/Uを推定する。容器内平均高さzとウランと水素の原子個数比H/Uは、容器内物質102の物理的な情報であり、収納容器101の実効増倍率keffを算出するために必要な値である。
【0060】
図7は、物理情報推定部202が、容器内平均高さzを推定する手順を示すフローチャートである。
【0061】
ステップ701で、物理情報推定部202は、容器内平均高さzの推定を開始する。
【0062】
ステップ702で、物理情報推定部202は、組成cの分布c(x,y)を用いて、容器内物質102の中にデータベース210に登録された非核燃料物質が存在するか否かを判定する。なお、組成cが不明な物質、すなわちデータベース210に登録されていない容器内物質102は、核燃料物質とみなす(
図9のステップ902を参照)。
【0063】
ステップ703で、物理情報推定部202は、容器内物質102の中にデータベース210に登録された非核燃料物質が存在する場合には、この非核燃料物質の高さhの分布h(x,y)を、容器状態取得部201が取得した高さhの分布h(x,y)から差し引いて、容器内物質102の高さhの分布h(x,y)を求め直す。容器状態取得部201が取得した高さhには、非核燃料物質の高さhも含まれている。非核燃料物質の高さhは、実効増倍率keffを算出するのに不要であるので、容器状態取得部201が取得した高さhの分布h(x,y)から取り除く。
【0064】
ステップ704で、物理情報推定部202は、高さhの分布h(x,y)のばらつきを評価するために、分布h(x,y)の平均値zμと標準偏差zσを算出する。高さhの分布h(x,y)のばらつきは、収納容器101の実効増倍率keffを算出するときの誤差の要因となる。
【0065】
ステップ705で、物理情報推定部202は、容器内平均高さzを算出する。物理情報推定部202は、高さhの分布h(x,y)の標準偏差zσが予め任意に定めた閾値以下の場合には、分布h(x,y)の平均値zμを容器内平均高さzとする。また、物理情報推定部202は、高さhの分布h(x,y)の標準偏差zσが上記の閾値より大きい場合には、分布h(x,y)の平均値zμと標準偏差zσとの和(zμ+kzσ)を容器内平均高さzとする。但し、kは、1以上の整数(k=1,2,3,..)であり、求めた実効増倍率keffの誤差が許容範囲に収まるようにユーザが指定した値である。
【0066】
ステップ706で、物理情報推定部202は、容器内平均高さzの推定を終了する。
【0067】
図8は、容器内物質102の中に存在する非核燃料物質801の例を示す図である。
図8には、一例として、非核燃料物質801が原子力施設内の構造物(例えば配管)である例を示している。このような非核燃料物質801は、データベース210に登録されている容器内物質102である。
【0068】
容器状態取得部201が取得した高さhは、非核燃料物質の高さh1を含めた高さhである。非核燃料物質の高さh1は、実効増倍率keffを算出するのに不要である。このため、物理情報推定部202は、
図7に示したフローチャートのステップ703で、容器内物質102の中にデータベース210に登録された非核燃料物質801が存在する場合(すなわち、容器内物質102がデータベース210に登録された非核燃料物質801を含む場合)に、この非核燃料物質の高さh1の分布h1(x,y)を、容器状態取得部201が取得した高さhの分布h(x,y)から差し引いて、容器内物質102の高さhの分布h(x,y)を求め直す。
【0069】
本実施例では、非核燃料物質801が配管であり、非核燃料物質801が容器内物質102の上に載っているとする。配管である非核燃料物質801は、直径rが既知であり、表面状態とともに直径rがデータベース210に登録されているとする。本実施例では、非核燃料物質の高さh1の分布h1(x,y)を、収納容器101の二次元位置(x,y)について一定であると仮定し、配管である非核燃料物質801の直径rに等しい(h1(x,y)=r)と近似して扱う。
【0070】
物理情報推定部202は、容器内物質102の中にデータベース210に登録された非核燃料物質801が存在する場合で、非核燃料物質801が容器内物質102の上に載っている場合には、式(4)によって容器内物質102の高さhの分布h(x,y)を求め直す。
h(x,y)=H-d(x,y)-r (4)
式(4)において、前述したように、Hは、収納容器101の高さ(最上部から底面までの距離)であり、d(x,y)は、容器状態取得部201が取得した距離dの分布d(x,y)である。
【0071】
式(4)で得られる分布h(x,y)は、式(1)を参照すると、非核燃料物質の高さh1の分布h1(x,y)(=r)を、容器状態取得部201が取得した高さhの分布h(x,y)から差し引いたものである。
【0072】
図9は、物理情報推定部202が、ウランと水素の原子個数比H/Uを推定する手順を示すフローチャートである。
【0073】
ステップ901で、物理情報推定部202は、ウランと水素の原子個数比H/Uの推定を開始する。
【0074】
ステップ902で、物理情報推定部202は、組成cの分布c(x,y)が不明な物質を核燃料物質と仮定する。
【0075】
ステップ902で、物理情報推定部202は、形状sの分布s(x,y)を参照し、容器内物質102において水と水以外の物質が識別できるか否かを判断する。物理情報推定部202は、形状sの分布s(x,y)が不明である場合と砂状である場合(
図1A)には、容器内物質102において水と水以外の物質が識別できないと判断する。
【0076】
ステップ904で、物理情報推定部202は、容器内物質102において水と水以外の物質が識別できる場合には、組成cの分布c(x,y)を用いて、水と核燃料物質のおおまかな体積比を算出する。
【0077】
物理情報推定部202は、組成cの分布c(x,y)により、容器内物質102に含まれている物質(核燃料物質を含む)の、収納容器101の二次元位置(x,y)における分布を求めることができる。物理情報推定部202は、組成cの分布c(x,y)と、表面測定装置401(例えば、光学カメラ)が撮像した容器内物質102の画像から、収納容器101の水面の位置と核燃料物質の大きさを求める。次に、物理情報推定部202は、求めたこれらのデータと収納容器101の形状や大きさを用いて、水と核燃料物質のおおまかな体積比を算出する。
【0078】
そして、物理情報推定部202は、アボガドロ定数を用いて、算出した水と核燃料物質の体積比からウランと水素の原子個数比H/Uを算出する。ウランと水素の原子個数比H/Uは、収納容器101の全体における原子個数比である。
【0079】
ステップ905で、物理情報推定部202は、ウランと水素の原子個数比H/Uの推定を終了する。ステップ903で水と水以外の物質が識別できない場合には、物理情報推定部202は、そのままウランと水素の原子個数比H/Uの推定を終了する。
【0080】
図10を参照して、臨界裕度評価部203を説明する。
【0081】
臨界裕度評価部203は、物理情報推定部202が推定した、容器内平均高さzとウランと水素の原子個数比H/Uから、収納容器101の実効増倍率keffを求める。そして、臨界裕度評価部203は、実効増倍率keffから臨界裕度を推定する。
【0082】
図10は、臨界裕度評価部203が、実効増倍率keffを求めて臨界裕度を推定する手順を示すフローチャートである。
【0083】
ステップ1001で、臨界裕度評価部203は、臨界裕度の推定を開始する。
【0084】
ステップ1002で、臨界裕度評価部203は、収納容器101の実効増倍率keffを求める。臨界裕度評価部203は、公知の方法に従って、実効増倍率keffを求める。すなわち、臨界裕度評価部203は、物理情報推定部202が推定した容器内平均高さzとウランと水素の原子個数比H/Uと、以下に示す公知の式(5)又は式(6)を用いて、実効増倍率keffを求める。
【0085】
ステップ1003で、臨界裕度評価部203は、臨界裕度を推定する。臨界裕度評価部203は、求めた実効増倍率keffと、臨界を起こす実効増倍率の値(=1)との差分を求め、この差分を臨界裕度と推定する。
【0086】
ステップ1004で、臨界裕度評価部203は、臨界裕度の推定を終了する。
【0087】
ステップ1002で、臨界裕度評価部203は、収納容器101の形状が円筒形の場合には式(5)を用いて、収納容器101の形状が角筒形の場合には式(6)を用いて、それぞれ実効増倍率keffを求める。
keff=νΣf/{Σa+D(2.405/R)2+(π/z)2} (5)
keff=νΣf/[Σa+D{(π/x)2+(π/y)2+(π/z)2}] (6)
式(5)、(6)において、νは1回の核分裂で放出される平均中性子数、Σfは核分裂断面積、Σaは全吸収断面積、Dは拡散係数、Rは収納容器101の内径、zは容器内平均高さである。式(6)において、x、y、zは、収納容器101の内側における、互いに直交する3辺の長さ(幅、奥行き、高さ)である。
【0088】
1回の核分裂で放出される平均中性子数νと、核分裂断面積Σfと、全吸収断面積Σaと、拡散係数Dは、ウランと水素の原子個数比H/Uに依存する値である。臨界裕度評価部203は、これらの値を、物理情報推定部202が算出した比H/Uを用いて粒子輸送シミュレーションにより算出する。物理情報推定部202が比H/Uを算出できなかった場合(物理情報推定部202が
図9のステップ904を実行しなかった場合)には、臨界裕度評価部203は、比H/Uに最も保守的な値(すなわち、ウランの核分裂が最も起こりやすい値)を設定し、この比H/Uを用いて粒子輸送シミュレーションを行う。
【0089】
ステップ1002で、臨界裕度評価部203は、容器内物質102の組成cが全て核燃料物質(ウラン)であると仮定して、実効増倍率keffを求める。
【0090】
また、臨界裕度評価部203は、ステップ1002で、式(5)又は式(6)を用いずに、粒子輸送シミュレーションを実行して実効増倍率keffを求めてもよい。臨界裕度評価部203は、粒子輸送シミュレーションを行うことにより、物理情報推定部202が比H/Uを推定できない場合にも、実効増倍率keffを求めて臨界裕度を評価することができる。
【0091】
本実施例による臨界裕度推定装置と臨界裕度推定方法では、容器状態取得部201は、容器内物質102(放射性廃棄物)の表面状態を取得し、データベース210を参照してこの表面状態を用いて容器内物質102の組成cと密度ρと形状sについての情報を取得する。これにより、容器内物質102の組成cが不明であっても、元素分析などの破壊分析を実施せずに容器内物質102についての情報を取得することができ、容器内物質102の臨界裕度を推定することができる。
【0092】
本実施例による臨界裕度推定装置と臨界裕度推定方法によると、収納容器101に収納された核燃料物質の燃焼度が異なる場合や、中性子吸収材や水分等の非核燃料物質が収納容器101に混入している場合でも、臨界裕度を推定することができる。本実施例では、臨界裕度を推定することで、収納容器101に収納された核燃料物質の臨界を適切に管理することができるため、以下の効果も得られる。1つ目の効果は、収納容器101に核燃料物質をできるだけ多く収納することができるので、必要な収納容器101の数を削減できて、収納容器101を保管するコストを削減できることである。2つ目の効果は、収納容器101の内部を乾燥させる等の実効増倍率keffを低下させる前処理を行う場合には、収納容器101の実効増倍率keffを適正に評価することで前処理に要求される条件を緩和でき、前処理に要する時間を事前の想定より短縮できることである。3つの目の効果は、収納容器101同士の距離を事前の想定より小さくして収納容器101を保管することができるため、収納容器101を保管するスペースを節約できることである。
【0093】
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、上記の実施例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、本発明は、必ずしも説明した全ての構成を備える態様に限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、削除したり、他の構成を追加・置換したりすることが可能である。
101…収納容器、102…容器内物質、102a…砂状の容器内物質、102b…塊状の容器内物質、102c…データベースに登録されている容器内物質、201…容器状態取得部、202…物理情報推定部、203…臨界裕度評価部、204…臨界裕度表示部、210…データベース、211…入力部、401…表面測定装置、402…遠隔操作マニピュレータ、403…放射性廃棄物、502…X線源、503…X線検出器、504…質量計、801…非核燃料物質。