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  • 特開-六角形パネル展開アレーアンテナ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009464
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】六角形パネル展開アレーアンテナ
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/08 20060101AFI20250110BHJP
   H01Q 21/06 20060101ALI20250110BHJP
【FI】
H01Q1/08
H01Q21/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023112487
(22)【出願日】2023-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】591048140
【氏名又は名称】高野 忠
(72)【発明者】
【氏名】高野 忠
【テーマコード(参考)】
5J021
5J046
【Fターム(参考)】
5J021AA05
5J021AA09
5J021AA11
5J021HA07
5J021JA07
5J046AA12
5J046AB03
5J046DA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】収納時の断面形状を六角形にして、パネルを六角形パネル収納時と展開時の投影面積比を大きくできる六角形パネル展開アレーアンテナを提供する。
【解決手段】放射素子を六角形の仮想境界で包み、その1辺と素子の距離を三角配列の素子間距離3の半分に取り、セル5と成し、セル5の集合により六角形パネル4を構成する。また中央パネルにおいて尖点に放射素子を追加し、相対する周辺パネルにおいて追加素子相当部分を削り、さらに必要なら隣接する周辺パネルにおいて接合する尖点7に放射素子を追加する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射素子を六角形の仮想境界で包んで、その1辺と素子の距離を三角配列の素子間距離の半分に取ってセルと成し、そのセルを六角形に並べてパネルとすることを特徴とする六角形パネル展開アレーアンテナ
【請求項2】
請求項2の装置の中央パネルにおいて尖点に放射素子を追加し、相対する周辺パネルにおいて追加素子相当部分を削り、さらに必要なら隣接する周辺パネルにおいて接合する尖点に放射素子を追加することを特徴とする六角形パネル展開アレーアンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明のアレイアンテナは、複数の六角形パネルによる構成において、素子配列を三角形にして、ビーム形状を円形と成せる展開型アレイアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1で述べられているように、放射素子を四角配列にする場合放射ビームは四角形に、また三角配列では円形ビームになる。それらの形状は、前者では図1に示すように四角形に、後者では図2に示すように六角形になる。
【0003】
アレイアンテナを高い投影面積比で展開できる例としては、特許文献1にある多重折り畳みアレーアンテナが有効である。しかし特許文献1に開示のものは、収納状態の上面形状すなわちパネル形状は四角であるので、ロケットのように断面形状が円形あるいはそれに近い場合、収納効率が悪くなる。
【0004】
また複数の放射素子を四角形に配列するので放射ビームは四角になり、そのアンテナを通信やレーダに用いる場合、不都合である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5672606号 展開型フェーズドアレイアンテナ
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】保坂 大貴、 高野 忠、 三枝 健二、“正方形および六角形アレーアンテナの放射特性に関する比較検討”、電子情報通信学会・アンテナ伝搬研究会、AP2022-173, 12月、2022.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非特許文献1で述べられているように、放射素子を三角配列にすれば、放射ビームは円形になる。ただこのアンテナを、複数の六角形パネルで構成し、展開可能にする技術は未だ無い。
【0008】
形状が円形に近い六角形パネル(図3の4)を複数用いて、より大きいアンテナ面を構成する。その際、六角形パネルの内部および隣接するパネル間で、各放射素子の間隔を所定値にする必要があるが、パネル形状をできるだけ同一にして、設計を容易にする必要がある。
【0009】
また六角形パネルを組み合わせた時、パネル尖点に素子を配置できない事態が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上述べた先行技術の問題点を除くため、本発明では六角形パネルをなるべく同じ形にして、単にパネルを並べて接続すれば、放射素子間隔が所定の値になるようにする。
【0011】
その実現法の一例が、図4に示すものである。放射素子を内包する六角形セル5を想定し、素子からセルの各辺までの距離6を、所定の素子間隔3の半分とする。
【0012】
セルを並べて敷き詰めると図5に示すように、所定の素子間隔3である三角配列を有する基本的な六角形パネルを形成できる。この場合、中心に1素子、3つの辺に沿って各々2素子である。
【0013】
またこの六角形パネル4を二つ、辺8通しを突き合わせると、相対する素子1間の距離は所定の値となる。
【0014】
この基本的六角形パネルを敷き詰めて、周辺素子が5素子の大型三角配列を作ろうとする。すると図7に示すように、中央パネル9の尖点に対応して素子の欠落部11と、周辺パネル10(6枚ある)の境界上に素子欠落部12が、各々6か所できてしまう。
【0015】
この欠落により放射特性が劣化して不都合な場合、図8に示すように基本的六角形パネルの6尖点に放射素子を追加しておく。またそれに相対する周辺パネルでは、追加放射素子に対応して図9に示すようにパネル外枠を削っておく。
【0016】
周辺パネル10の境界上に素子欠落部12を補うためには、図10示すように素子14を追加する。
【発明の効果】
【0017】
本発明のアレーアンテナによれば、収納時の断面形状を六角形にして、パネルを六角形パネル収納時と展開時の投影面積比を大きくできる。
【0018】
パネル上の素子配列を三角配列にできるので、放射ビームを円形にすることができる。
【発明を実施するための形態】
【実施例0019】
放射素子を追加あるいは外形を修正した各パネル(図8,9、10)を用いれば、図11に示すように素子配列の欠落は無くなる。そうすれば、欠落による放射特性の劣化が問題になる場合でも、劣化を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】放射素子が四角に配列され、外形が四角形のアレーアンテナを示す。
図2】放射素子が三角に配列され、外形が六角形のアレーアンテナを示す。
図3】六角形パネルの形状を示す。
図4】六角形パネルの構成要素となるセルの構造を示している。
図5】セルを並べることにより、放射素子を三角配列した六角形パネルを示す。
図6】六角形パネル2枚を接合した図である。パネル通しでも、素子間隔が所定値になる。
図7】中央パネルの周りに6パネルを、配置したアンテナの展開図を示す。中央パネルの尖点6か所と、周辺パネルの接合点6か所が抜けている
図8】中央パネルの尖点における素子の抜けを補うため、修正した中央パネルを示す。中央パネルの6尖点に素子を追加してある。
図9】中央パネルの尖点に素子を追加したことに対応して、修正した周辺パネルの一つを示す。六角形の外枠が一部無く、図9の中央パネルに右から嵌めこまれる。
図10】周辺パネルの接合点における素子の抜けを補うため、修正した周辺パネルの一つを示す。素子が一つ追加されている。
図11】本発明の実施例を示す。基本六角形パネルを突き合わせた時生じた素子抜けが、埋められている。この場合、周辺素子は5素子である。
【符号の説明】
【0021】
1 放射素子
2 四角配列の素子間距離
3.三角配列の素子間距離
4 六角形パネル
5 セル
6 放射素子とセル辺との距離
7 六角形パネルの尖点(6か所ある)
8 六角形パネルの辺に接するセルの辺(6か所ある)
9 中央パネル
10 周辺パネル(6枚ある)
11 中央パネルの尖点にできるセル相当の空間(6点ある)
12 隣接する周辺パネルの重複する外尖点にできるセル相当の空間(6点ある)
13 中央パネルの尖点に付加するセル
14 隣接する周辺パネルの重複する外尖点に付加するセル
15 中央パネルの尖点に付加されたセル
16 隣接する周辺パネルの重複する外尖点に付加されたセル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11