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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025094908
(43)【公開日】2025-06-25
(54)【発明の名称】プリント回路基板
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20250618BHJP
   H01L 23/15 20060101ALI20250618BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20250618BHJP
【FI】
H01L23/12 Z
H01L23/14 C
H05K3/46 T
H05K3/46 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024205487
(22)【出願日】2024-11-26
(31)【優先権主張番号】10-2023-0180251
(32)【優先日】2023-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】趙 ▲徳▼▲ホン▼
(72)【発明者】
【氏名】朴 鍾殷
(72)【発明者】
【氏名】朴 昌華
(72)【発明者】
【氏名】鄭 相鎬
(72)【発明者】
【氏名】李 鉉秀
(72)【発明者】
【氏名】韓 相願
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA12
5E316AA32
5E316AA43
5E316CC04
5E316CC06
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC31
5E316CC32
5E316CC33
5E316CC34
5E316CC38
5E316CC39
5E316DD17
5E316DD23
5E316DD24
5E316EE01
5E316FF01
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG28
5E316HH26
5E316JJ02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高密度の微細回路を有する電子部品との連結を行うことができるプリント回路基板及び微細回路が実現された構造が最外側に突出したプリント回路基板を提供する。
【解決手段】プリント回路基板は、第1絶縁層111、一部が第1絶縁層111上に突出し、他の一部が第1絶縁層111内に埋め込まれる第1金属層120及び第1絶縁層111上に配置されるバリア層130を含み、バリア層130は無機酸化膜を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁層と、
一部が前記第1絶縁層上に突出し、他の一部が前記第1絶縁層内に埋め込まれる第1金属層と、
前記第1絶縁層上に配置されるバリア層と、を含み、
前記バリア層は無機酸化膜を含む、プリント回路基板。
【請求項2】
前記第1金属層の埋め込み部は、前記第1絶縁層の上面及び下面を貫通する、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項3】
前記第1絶縁層の下側に配置される第2絶縁層と、
前記第2絶縁層上に配置される第1配線層と、
前記第1配線層と前記第1金属層とを互いに連結するように前記第2絶縁層の少なくとも一部を貫通する第1ビア層と、をさらに含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項4】
前記第1絶縁層と前記第2絶縁層は、互いに実質的に同じ絶縁材料を含む、請求項3に記載のプリント回路基板。
【請求項5】
前記バリア層は、前記第1絶縁層の少なくとも一部上に配置されて前記第1金属層の側部と接する、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項6】
前記バリア層の厚さは、前記第1絶縁層の厚さより薄い、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項7】
前記第1金属層は、外側に配置されるシード層及び前記シード層上に配置されるめっき層を含み、
前記バリア層の厚さは、前記シード層の厚さより薄い、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項8】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上に突出した突出部、前記第1絶縁層内に埋め込まれる埋め込み部、及び外周面方向に突出した突起部を有する第1金属層と、
前記第1絶縁層上に配置されるバリア層と、を含み、
前記突出部、前記埋め込み部及び前記突起部は一体に形成される、プリント回路基板。
【請求項9】
前記突起部は、一部が前記第1絶縁層の内側に配置され、他の一部が前記第1絶縁層の外側に配置される、請求項8に記載のプリント回路基板。
【請求項10】
前記第1絶縁層の下側に配置される第2絶縁層と、
前記第2絶縁層上に配置され、第1パッド及び第1パターンを含む第1配線層と、をさらに含む、請求項8に記載のプリント回路基板。
【請求項11】
前記突起部の両端間の幅は、前記第1パッドの幅より狭い、請求項10に記載のプリント回路基板。
【請求項12】
前記第1金属層は、前記突出部、前記突起部及び前記埋め込み部の外側に沿って延びるシード層、及び前記シード層上に配置されるめっき層を含む、請求項8に記載のプリント回路基板。
【請求項13】
前記第1金属層上に配置される表面処理層をさらに含む、請求項8に記載のプリント回路基板。
【請求項14】
前記表面処理層は、前記突出部及び前記突起部の少なくとも一部をカバーする、請求項13に記載のプリント回路基板。
【請求項15】
前記埋め込み部は、上向きのテーパ形状を有する、請求項8に記載のプリント回路基板。
【請求項16】
前記バリア層は前記突起部と接する、請求項8に記載のプリント回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプリント回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、モバイル機器の軽量化、小型化の傾向に対応するために、これに実装されるプリント回路基板においても、軽薄短小化を実現する必要性がますます増加している。また、高性能のサーバ向けプリント回路基板の需要が増加するにつれて、ロジック半導体とメモリ半導体、あるいはロジック半導体とロジック半導体を連結する高密度回路の需要も急激に増加している。高密度の微細回路を有する半導体チップなど、電子部品との連結の信頼性及びメインボードとの連結の信頼性を向上させるための研究が続いている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明のいくつかの目的のうち一つは、高密度の微細回路を有する電子部品との連結を行うことができるプリント回路基板を提供することである。
【0004】
本発明のいくつかの目的のうち他の一つは、微細回路が実現された構造が最外側に突出したプリント回路基板を提供することである。
【0005】
本発明のいくつかの目的のうち他の一つは、信頼性を向上させることができるプリント回路基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明を通じて提案するいくつかの解決手段のうち一つは、第1絶縁層、一部が第1絶縁層上に突出し、他の一部が第1絶縁層内に埋め込まれる第1金属層、第1絶縁層上に配置されるバリア層を含み、バリア層は、無機酸化膜を含むプリント回路基板を提供することである。
【0007】
本発明を通じて提案するいくつかの解決手段のうち他の一つは、第1絶縁層、第1絶縁層上に突出した突出部、第1絶縁層内に埋め込まれる埋め込み部、及び外周面方向に突出した突起部を有する第1金属層を含み、突出部、埋め込み部及び突起部は一体に形成されるプリント回路基板を提供することである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の様々な効果のうち一効果として、高密度の微細回路を有する電子部品との連結を行うことができるプリント回路基板を提供することができる。
【0009】
本発明の様々な効果のうち他の一効果として、微細回路が実現された構造が最外側に突出したプリント回路基板を提供することができる。
【0010】
本発明の様々な効果のうち他の一効果として、信頼性を向上させることができるプリント回路基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
図2】電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
図3】一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
図4】他の一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
図5】一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
図6】一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
図7】一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
図8】一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
図9】一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
図10】一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
図11】一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
図12】一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
図13】一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
図14】一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
図15】一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付の図面を参照して本発明について説明する。図面における要素の形状及びサイズなどは、より明確な説明のために誇張又は縮小することができる。
【0013】
電子機器
図1は、電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【0014】
図面を参照すると、電子機器1000はメインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040などが物理的及び/又は電気的に連結されている。これらは後述する他の電子部品とも結合して様々な信号ライン1090を形成する。
【0015】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップ;セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのアプリケーションプロセッサチップ;アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップなどが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にもその他の異なる形態のチップ関連電子部品が含まれてもよいことは言うまでもない。また、これらのチップ関連部品1020を互いに組み合わせてもよいことは勿論である。チップ関連部品1020は、上述したチップや電子部品を含むパッケージ形態であってもよい。
【0016】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi-Fi(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の異なる多数の無線又は有線標準やプロトコルのうち任意のものが含まれてもよい。また、ネットワーク関連部品1030をチップ関連部品1020と併せて互いに組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0017】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(low Temperature Co-Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)フィルタ、MLCC(Multi-Layer Ceramic Condenser)などが含まれる。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の異なる様々な用途のために使用されるチップ部品形態の受動素子などが含まれてもよい。また、その他の部品1040をチップ関連部品1020及び/又はネットワーク関連部品1030と互いに組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0018】
電子機器1000の種類に応じて、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/又は電気的に連結されているか又はされていない他の電子部品を含むことができる。他の電子部品の例としては、カメラモジュール1050、アンテナモジュール1060、ディスプレイ1070、バッテリー1080などがある。但し、これらに限定されるものではなく、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、羅針盤、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカ、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)、CD(compact disk)、DVD(digital versatile disk)などであってもよい。これら以外にも、電子機器1000の種類に応じて様々な用途のために使用されるその他の電子部品などが含まれてもよいことは言うまでもない。
【0019】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、個人用情報端末機(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニタ(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビ(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などであってもよい。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、データを処理する任意の他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0020】
図2は、電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
【0021】
図面を参照すると、電子機器は、例えば、スマートフォン1100であってもよい。スマートフォン1100の内部には、マザーボード1110が収容されており、このようなマザーボード1110には、様々な部品1120が物理的及び/又は電気的に連結されている。また、カメラモジュール1130及び/又はスピーカ1140のようにマザーボード1110に物理的及び/又は電気的に連結されているか又はされていない他の部品が内部に収容されている。部品1120の一部は、上述したチップ関連部品であってもよく、例えば、部品パッケージ1121であってもよいが、これに限定されるものではない。部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品を含む電子部品が表面実装配置されたプリント回路基板の形態であってもよい。あるいは、部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品が内蔵されたプリント回路基板の形態であってもよい。一方、電子機器は必ずしもスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述したように他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0022】
プリント回路基板
図3は、一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
【0023】
図3を参照すると、一例に係るプリント回路基板は、第1絶縁層111、第1絶縁層111上に突出する突出部121、第1絶縁層111内に埋め込まれる埋め込み部122を含む第1金属層120、第1絶縁層111上に配置されるバリア層130を含み、バリア層130は無機酸化膜を含むことができる。また、一例に係るプリント回路基板は、第1金属層120が外周面方向に突出した突起部123を有することができる。
【0024】
第1絶縁層111は絶縁材料を含むことができる。絶縁材料としては、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又はこのような樹脂と共に、無機フィラー、有機フィラー及び/又はガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、and/or Glass Fabric)を含む材料を含むことができる。絶縁材料は、感光性材料及び/又は非感光性材料であってもよい。例えば、好ましくは、第1絶縁層111の絶縁材料は、ABF(Ajinomoto Build-up Film)の絶縁材であってもよいが、これに限定されず、PPG(Prepreg)、RCC(Resin Coated Copper)、PID(Photo Imageable Dielectric)、FR-4、BT(Bismaleimide Triazine)などを含んでもよい。しかし、これに限定されるものではなく、必要に応じて、それ以外にも剛性に優れた他の素材が用いられてもよい。
【0025】
一例に係るプリント回路基板は、いわゆるコアレス(coreless)構造を有することができ、第1絶縁層111は、一例に係るプリント回路基板の最外側に配置されることができる。より具体的に、第1絶縁層111は、プリント回路基板の最上側に配置され、第1絶縁層111に実現される第1金属層120が半導体チップなどの電子部品と連結されるためのポスト(post)としての機能を行うことができる。
【0026】
第1金属層120は金属物質を含むことができる。金属物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などを用いることができる。金属物質は好ましくは銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。第1金属層120は、電子部品及び半導体チップなどが実装されるための領域であってもよく、メインボードなどと連結されるための領域であってもよく、他のパッドと信号連結を行うために回路パターンと連結されてもよい。第1金属層120は、複数の金属ポストを含むことができ、これに限定されず、複数のパターン及び/又はパッドをさらに含むことができる。第1金属層120の金属ポスト又はパターン/パッドは、それぞれ設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、グランドパターン/パッド、パワーパターン/パッド、信号パターン/パッドなどを含むことができる。ここで、信号パターン/パッドは、グランド、パワーなどを除く各種信号、例えば、データ信号などの電気的連結のためのパターン/パッドを含むことができる。また、第1金属層120のパターン/パッドは、互いに異なるパターン/パッドと電気的に信号を送受信することもでき、他のパターン/パッドと電気的に短絡して機能を行うこともできる。
【0027】
第1金属層120において、半導体チップなど電子部品の実装のために高密度の微細ピッチが要求される場合には、第1金属層120のそれぞれの金属ポスト及び/又はパターン間の間隔を狭くすることができ、受動部品などの電子部品を実装するための場合、第1金属層120の間隔をより広くすることもでき、第1金属層120の高さをより低く形成することもできる。
【0028】
第1金属層120は、SAM(Semi Additive Process)、MSAP(Modified Semi Additive Process)、TT(Tenting)、又はサブトラクティブ(Subtractive)工法のうちいずれか一つで形成されてもよいが、これに限定されるものではない。限定されない一例として、第1金属層120は、無電解銅めっき(化学銅)を行った後に電解めっき(電気銅)を行って形成することができ、第1金属層120は金属物質を含むペースト(paste)を焼成して形成することもできるなど、第1金属層120を形成する方法はこれに限定されず、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば利用可能な構成又は方法をさらに含むことができる。限定されない一例として、第1金属層120はそれぞれシード層125及びめっき層126を含むことができる。
【0029】
シード層125は、第1金属層120の最外側に配置され、第1金属層120の上側及び側面に沿って配置されることができる。これは、仮層及び第1絶縁層111に形成された貫通孔の壁面に沿ってシード層125を形成した結果であり得る。シード層125は、めっき層126を形成するためのシードとして機能することができる。シード層125は、無電解めっきによって形成される無電解めっき層(又は化学銅)を含むことができるが、これに限定されず、無電解めっきの代わりにスパッタリングで形成されるスパッタリング層を含んでもよく、無電解めっき層とスパッタリング層の両方を含んでもよい。これに限定されず、必要に応じて、銅箔を含んでもよいなど、電解めっきのためのシードとして機能し得る金属であれば制限なく利用可能である。
【0030】
めっき層126は、シード層125上に配置され、シード層125をめっきシードにして形成することができる。めっき層126は、仮層及び第1絶縁層111に形成された貫通孔を充填するように形成されることができ、貫通孔の内壁に形成されたシード層125上に形成されるものであるため、めっき層126はシード層125上に配置されるが、プリント回路基板の内側方向又は下側方向に形成されることができる。めっき層126は、電解めっきによって形成された電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。しかし、これに限定されず、めっき層126は、金属物質を含むペースト(paste)を焼成して形成されてもよいなど、必ずしもめっきによって形成される必要はない。すなわち、めっき層126はシード層125と区別できる別途の金属層であるということを表現するためのものであり、これを形成する方法は文言自体によって必ずしも限定されず、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、利用可能な構成又は方法をさらに含むことができる。
【0031】
第1金属層120は、プリント回路基板が半導体チップなどの電子部品と連結されるか、又はメインボードなどの他の構成と連結されるための手段として機能することができる。特に、第1金属層120は、第1絶縁層111の上側に突出した突出部121を含むため、微細ピッチを有する電子部品との連結がより円滑に行われることができ、電気的連結経路の形成時、連結部材の短絡(short)による不良又は離脱による不良などを防止することができる。一例に係るプリント回路基板は、第1絶縁層111、バリア層130及び仮層を貫通して貫通孔を形成した後、貫通孔を充填するように第1金属層120を形成し、仮層を除去する方法により第1金属層120の突出部121を形成するため、第1金属層120の突出部は一定の高さを有することができる。
【0032】
一例に係るプリント回路基板は、いわゆるコアレス(coreless)基板であって、基板の最上側に配置される第1金属層120の一部が第1絶縁層111に埋め込まれていてもよい。但し、第1金属層120を形成する段階で仮層及びバリア層130が先に形成された後に第1絶縁層111が形成されるため、一例に係るプリント回路基板はコアレス基板であるにもかかわらず、第1金属層120の突出部121が第1絶縁層111よりも突出した構造を有することができる。
【0033】
第1金属層120は、第1絶縁層111の上側に突出した突出部121と共に、第1絶縁層111内に埋め込まれた埋め込み部122を含むことができる。埋め込み部122は、第1絶縁層111の上面及び下面を貫通する部分であり、第1絶縁層111内に配置される領域に相当する。埋め込み部122の側面は、第1絶縁層111によってカバーされることができる。
【0034】
一方、第1金属層120は、突出部121、埋め込み部122とともに突起部123を含むことができる。突起部123は、第1金属層120の外周面方向に突出した第1金属層120のめっきフット(foot)に相当することができる。突起部123は、第1金属層120の突出部121と埋め込み部122にわたって形成されることができる。突起部123の下側は第1絶縁層111に接することができ、突起部123の上側は第1絶縁層111によってカバーされず、第1絶縁層111によって露出することができる。突起部123の一部は第1絶縁層111内に配置されることができ、他の一部は第1絶縁層111よりも突出した構造を有することができる。
【0035】
突起部123は、バリア層130の一部が除去されて発生した溝を第1金属層120が充填した結果であり得る。仮層とバリア層130及び第1絶縁層111を貫通する貫通孔を形成した後、貫通孔の内壁に露出したバリア層130の一部を除去する段階で、バリア層130の一部が除去されてバリア層130の上側に位置する仮層の一部と、バリア層130の下側に位置する第1絶縁層111の一部が除去される溝が形成された結果であることができ、第1金属層120の形成段階において溝が充填されるように第1金属層120が形成された結果であることができる。
【0036】
一例に係るプリント回路基板は、第1金属層120に突起部123が含まれることにより、第1金属層120が第1絶縁層111と接触する面積が広くなることができ、突起部123が第1絶縁層111の上面に配置されてアンカリング(anchoring)効果が発生し得るなど、第1金属層120と第1絶縁層111との間の密着力及び結合力を高めることができる。半導体チップなど電子部品と連結される第1金属層120が第1絶縁層111と安定的に結合できることによって、一例に係るプリント回路基板は連結信頼性を向上することができる。
【0037】
突起部123は、第1金属層120の形状に対応するように環形状を有してもよいが、これに必ずしも限定されるものではない。限定されない一例として、突起部123は、中心部における幅が上側及び/又は下側における幅より広くてもよい。突起部の幅は、プリント回路基板の積層方向への切断断面を走査顕微鏡等で撮影して測定することができる。突起部123は、中心部における幅が上側及び/又は下側における幅より広くてもよいとは、プリント回路基板の切断断面において中央領域が上下側よりも凸状の形状を有してもよいことを意味する。図3では、突起部123が台形のような形状を有するものとして示しているが、これに限定されるものではなく、突起部123は曲面を有してもよく、凹凸のある面を有してもよい。また、突起部123の形状は、図3に示したものに限定されず、バリア層130が形成された面を基準として上下対称をなしていない場合があり、これは、溝が形成される段階で仮層の除去度合いと第1絶縁層111の除去度合いとが異なり得るためである。
【0038】
第1金属層120のシード層125は、突起部123の外側に沿って延びることができる。すなわち、シード層125は、第1金属層120の外側に配置され、突出部121、突起部123及び埋め込み部122に沿って延びるように配置されることができる。シード層125は、貫通孔及び溝の内壁に沿って配置され、シード層125上にめっき層126が形成されるため、シード層125が第1金属層120の最外側に配置されることができる。このとき、シード層125の厚さが溝の厚さより小さいことがあるため、シード層125が溝の内部に沿うように第1絶縁層111の境界及び仮層の境界に沿ってコンフォーマル(conformal)に配置されることができる。
【0039】
一方、第1金属層120の突出部121、埋め込み部122及び突起部123は、その境界を明確に区別できるものではなく、位置及び形状によって区別するための概念であり、第1金属層120は一体に形成され、突出部121、埋め込み部122、及び突起部123の境界が不明瞭な場合がある。すなわち、突出部121の外側に配置されるシード層125は、突起部123の外側に沿って延びて埋め込み部122の外側に延び、各領域に配置されるシード層125は、一体に形成されることができる。また、突出部121に配置されるめっき層126も、突起部123及び埋め込み部122に延びて各領域に配置されるめっき層126も一体に形成されることができる。
【0040】
第1金属層120は、上向きのテーパ形状を有することができ、突出部121及び埋め込み部122のそれぞれは、上向きのテーパ形状を有することができる。第1金属層120が上向きのテーパ形状を有するとは、第1金属層120の突出部121の上面の幅が第1金属層120の埋め込み部122の下面の幅より狭くなるように、実質的にテーパ形状を有することを意味することができる。第1金属層120は、仮層と第1絶縁層111とを貫通する貫通孔を充填するように形成されるため、第1金属層120は貫通孔と同じ形状を有することができる。仮層及び第1絶縁層111を貫通して貫通孔を形成する段階は、下側から上側に行われるため、貫通孔の底面である上側の幅が、開口部である下側の幅より狭く形成されることができ、テーパ形状を有することができる。しかし、これに必ずしも限定されるものではなく、第1金属層120は、テーパのない形状を有するように下面の幅と上面の幅とが実質的に同一であってもよい。
【0041】
すなわち、第1金属層120は上向きのテーパ形状を有することができ、このとき、突出部121及び埋め込み部122は互いに実質的に同じ方向のテーパ形状を有することができる。一例に係るプリント回路基板はコアレス構造を有し、仮層と第1絶縁層111を貫通する貫通孔を充填するように第1金属層120を形成するため、第1金属層120は上向きのテーパ形状を有することができる。
【0042】
バリア層130は、第1絶縁層111の上側に配置され、製造方法において後述するように、仮層と第1絶縁層111を分離するための手段として用いられることができる。仮層を形成した後、バリア層130を形成して第1絶縁層111を形成するため、仮層と第1絶縁層111との間に離型層が形成されている形態を有することができる。バリア層130を境界として上側に配置された仮層が除去されることで、第1金属層120の突出部121が形成されることができる。このとき、仮層と第1絶縁層111とが互いに実質的に同じ絶縁材料を含んでいても、仮層と第1絶縁層111との間にバリア層130が配置されているため、仮層を除去する段階で第1絶縁層111が損傷することを防止することができる。
【0043】
バリア層130は、第1絶縁層111と実質的に異なる材料を含むことができる。バリア層130は、金属酸化物を含む薄い酸化膜であってもよい。金属酸化物としては、Al、SiO、TiO、ZnO、ZrO、HfO、Laのうち少なくとも一つの物質を含むことができるが、異種金属元素がドープされた(doped)金属酸化物を含むこともできる。金属酸化物は、好ましくはアルミナ(alumina、Al)を含むことができる。一方、バリア層130の材料は、金属酸化物に必ずしも限定されるものではなく、Pt、Ruなどの反応性の小さい金属物質を含むこともできる。
【0044】
バリア層130は、薄膜蒸着工法、例えば、ALD(Atomic Layer Deposition)、MVD(Molecular Vapor Deposition)工法などを用いて形成することができる。バリア層130が薄膜蒸着工法で形成されることで、バリア層130は、第1絶縁層111に比べて薄い酸化膜を含むことができる。限定されない一例として、バリア層130は、厚さ0.1μm未満、好ましくは厚さ0.001μm~0.05μm程度の薄型の酸化膜を含むことができる。バリア層130は、第1絶縁層111よりも薄くてもよく、シード層125よりも薄く形成されてもよい。一方、図3では、バリア層130がシード層125と同様の厚さを有するものとして示しているが、これに限定されず、シード層125がバリア層130より厚く形成されてもよい。限定されない一例として、シード層125は、厚さ1μm未満、好ましくは厚さ0.1μm~0.5μm程度のめっき層を含むことができる。
【0045】
バリア層130はの厚さは、プリント回路基板の積層方向への切断断面を走査顕微鏡等で撮影して測定することができる。例えば、バリア層130の厚さは、任意の5点で測定したバリア層130の垂直距離の平均値であることができる。このような測定方法は、シード層125の厚さ測定方法にも適用することができる。シード層125は、第1金属層120の外面に沿ってコンフォーマル(conformal)に配置されることができるため、シード層125の厚さは、シード層125の外面と内面を横切った距離であるという意味に解釈できるが、測定誤差又は製造過程における誤差を含むことができる。
【0046】
バリア層130は、薄膜蒸着工法で形成されることで、第1絶縁層111の上面に沿って配置されることができる。より具体的には、仮層上にバリア層130を形成した後に第1絶縁層111を形成するため、仮層に沿ってバリア層130が形成された後、第1絶縁層111が積層される。
【0047】
バリア層130は、第1金属層120の側部と接することができる。具体的に、バリア層130は、第1金属層120の突起部と接することができる。これは、突起部123がバリア層130及び第1絶縁層111の一部を除去した領域である溝を充填するように形成された結果であり得る。
【0048】
従来のコアレス基板に突出部を形成するためには、コアレス基板の最外側の埋め込みパターン上に別途の金属層をさらに形成する段階を行ったり、又は最外側に配置された絶縁層の一部を除去する段階を行っていたが、一例に係るプリント回路基板は、第1絶縁層111上にバリア層130が配置されることにより、第1金属層120の突出部121と埋め込み部122とが一体に形成されることができ、第1絶縁層111はバリア層130によって保護されることができる。
【0049】
したがって、第1実施形態に係るプリント回路基板は、微細ピッチを有する突出部の整列(alignment)問題を克服することができ、2段の金属層間の界面で発生する不良、アンダーカット(undercut)不良を最小化することができる。また、第1絶縁層111の一部が除去される段階を必要としないため、仮層を除去する段階で第1絶縁層111は保護されることができ、その結果、第1金属層120と第1絶縁層111との間にはクレビス(crevice)が発生しないなど、最外側の絶縁層と第1金属層120との突出関係で発生する不良などが生じないことができる。
【0050】
すなわち、コアレス構造を有しながら突出型構造を有するように、複数回のめっきを行う従来の方法とは異なり、1回のめっきで突出部を構成することができるために発生する構造的な特徴であり、このような構造を有することにより、突出部と埋め込み部との間に発生する整列、離脱などの問題が発生しなくなる。
【0051】
また、コアレス構造を有しながら突出型構造を有するように絶縁層の一部を除去する段階を行う従来の方法とは異なり、絶縁層に貫通孔と溝を形成した後、これらを充填するように1回のめっきで金属層を形成し、バリア層130を境界として、上側の仮層を容易に除去することができるために発生する構造的な特徴であり、このような構造を有することで、金属層と絶縁層の境界付近でクレビス(crevice)又は陥没、クラックなどの問題が発生しなくなる。
【0052】
一例に係るプリント回路基板は、第1絶縁層111の下側に配置される第2絶縁層112、第2絶縁層112上に配置される第1配線層151、第1配線層151と第1金属層120とを連結するか、又は第1配線層151を互いに連結するように第2絶縁層112の少なくとも一部を貫通する第1ビア層155をさらに含むことができる。
【0053】
第2絶縁層112は絶縁材料を含むことができる。絶縁材料としては、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又はこのような樹脂と共に、無機フィラー、有機フィラー及び/又はガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、and/or Glass Fabric)を含む材料を含むことができる。絶縁材料は、感光性材料及び/又は非感光性材料であってもよい。例えば、第2絶縁層112の絶縁材料としては、ABF(Ajinomoto Build-up Film)の絶縁材であってもよいが、これに限定されず、PPG(Prepreg)、RCC(Resin Coated Copper)、PID(Photo Imageable Dielectric)、FR-4、BT(Bismaleimide Triazine)などを含むこともできる。しかし、これに限定されるものではなく、必要に応じて、それ以外にも剛性に優れた他の素材が用いられてもよい。第2絶縁層112は、第1絶縁層111と実質的に同じ種類の絶縁材料を含むことができる。すなわち、第1絶縁層111は、第2絶縁層112のようにビルドアップ絶縁層であってもよいことを意味する。
【0054】
第1絶縁層111の厚さは、第2絶縁層112の厚さよりも薄く形成されてもよい。第1金属層120は微細な連結を行うことができなければならないため、第1金属層120は薄くて微細なパッドとポストを含むことが有利である。したがって、第1絶縁層111の上面及び下面を貫通するために、第1絶縁層111の厚さは、一般的なビルドアップ層である第2絶縁層112より薄く実現されてもよい。一方、第1絶縁層111及び第2絶縁層112の厚さ関係は、これに必ずしも限定されるものではなく、第1絶縁層111の厚さ及び第2絶縁層112の厚さは必要に応じて多様に設計することができる。絶縁層の厚さは、プリント回路基板の積層方向への切断断面を走査顕微鏡等で撮影して測定することができ、任意の5点で測定した垂直距離の平均値であることができるが、これに必ずしも限定されるものではなく、第1絶縁層111の厚さ測定方法と第2絶縁層112の厚さ測定方法とを同様にして互いに厚さを比較できればよい。
【0055】
一方、第2絶縁層112は複数の絶縁層で構成されることができ、その層数及び厚さは当該技術分野において通常の知識を有する者であれば利用可能な構成を適用することができる。
【0056】
第1配線層151は金属物質を含むことができる。金属物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などを用いることができる。金属物質は、好ましくは銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。第1配線層151は、それぞれ無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができるが、これに限定されるものではない。無電解めっき層の代わりにスパッタリング層が形成されてもよく、両方を含んでもよい。また、銅箔をさらに含むことができる。
【0057】
第1配線層151は複数のパッド/パターンを含むことができ、それぞれ設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、グランドパッド/パターン、パワーパッド/パターン、信号パッド/パターンなどを含むことができる。ここで、信号パッド/パターンは、グランド、パワーなどを除く各種信号、例えば、データ信号などの電気的連結のためのパッド/パターンを含むことができる。
【0058】
限定されない一例として、第1配線層151は、第1パッド152と第1パターン153とを含むことができる。第1パッド152は、第1ビア層155と連結される構成を意味することができ、第1パターン153は、第1パッド152の間を互いに連結する配線であり得るが、これに限定されず、様々な形状のパターンであることもできる。
【0059】
第1配線層151の第1パッド152の幅は、第1金属層120の突起部123の両端間の距離より広くてもよい。すなわち、第1金属層120の突起部123の両端間の幅は、第1配線層151の第1パッド152の幅より狭くてもよい。第1パッド152の幅及び第1金属層120の突起部123の両端間の幅は、プリント回路基板の積層方向への切断断面を走査顕微鏡等で撮影して測定することができる。第1配線層151はビルドアップ配線層としてプリント回路基板の内側に配置される構成であるのに対し、第1金属層120はプリント回路基板の最外側に配置されて半導体チップなどの電子部品と連結される構成であるため、第1金属層120は、第1配線層151よりも微細に実現されることができる。特に、第1金属層120の突起部123の両端の幅は、第1金属層120の最長幅に相当することができるため、第1金属層120の幅が第1パッド152の幅より大きい場合には、微細な構造を有する電子部品との結合において有利でないだけでなく、半田等による短絡(short)の不良が発生する可能性が高くなる。したがって、第1金属層120の突起部123の両端間の幅は、第1配線層151の第1パッド152よりも小さく形成されることが連結信頼性においてより有利であり得る。
【0060】
第1ビア層155はそれぞれマイクロビアを含むことができる。マイクロビアは、ビアホールを充填するフィルドビア(filled VIA)であってもよく、又はビアホールの壁面に沿って配置されるコンフォーマルビア(conformal VIA)であってもよい。マイクロビアはスタック型(stacked type)及び/又はスタガ型(staggered type)に配置されることができる。第1ビア層155はそれぞれ金属を含むことができ、金属としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などを含むことができ、好ましくは銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。第1ビア層155は、それぞれ無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができるが、これに限定されるものではない。無電解めっき層の代わりにスパッタリング層が形成されてもよく、両方を含んでもよい。第1ビア層155は、それぞれ当該層の設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。
【0061】
一方、第2絶縁層112の層数が多様であり得るため、第2絶縁層112上に配置される第1配線層151及び第2絶縁層112の少なくとも一部を貫通する第1ビア層155も様々な層数を有することができる。
【0062】
なお、一例に係るプリント回路基板は、第2絶縁層112の下側に配置される半田レジスト層160をさらに含むことができる。すなわち、一例に係るプリント回路基板は、最下側に半田レジスト層160をさらに含むことができる。半田レジスト層160は絶縁材料を含むことができ、液状又はフィルムタイプの半田レジストを含むことができるが、これに限定されるものではなく、他の種類の絶縁材料が使用されてもよい。半田レジスト層160は、第1配線層151の少なくとも一部を露出させる開口を有することができる。開口を介して露出した第1配線層151の一部は、その後、メインボードなどの他の構成と連結されるためのパッドとして機能することができるが、これに必ずしも限定されるものではない。
【0063】
一例に係るプリント回路基板は、第1金属層120上に配置される表面処理層140をさらに含むことができる。表面処理層140は、第1金属層120上に配置され、第1金属層120のうち第1絶縁層111から露出した領域をカバーすることができる。すなわち、表面処理層140は、第1金属層120の突出部121をカバーすることができ、突起部123の上部をカバーすることができる。
【0064】
表面処理層140は、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、金(Au)のうちいずれか一つの金属を含むことができ、これらの金属層が複数で実現されることもできる。例えば、表面処理層140は、ENEPIG(Electroless Nickel Electroless Palladium Immersion Gold)構造の少なくとも一部分であってもよく、ENIG(Electroless Nickel Immersion Gold)構造の少なくとも一部分であってもよい。表面処理層140はこれに限定されず、有機物を含むOSP(Organic Solder Passivation)構造を含むこともできる。表面処理層140は、第1金属層120と半田などの連結手段との間の密着力及び信号伝達力を向上させることができる。図3では、表面処理層140が一つの層で構成されたものを示しているが、これに限定されるものではなく、表面処理層140は上述したように複数の金属層で実現されてもよい。
【0065】
表面処理層140の厚さはバリア層130の厚さより厚くてもよい。バリア層130は上述したように、表面蒸着による酸化膜であってもよいが、表面処理層140は無電解めっきによるめっき層であり、複数の金属層を含み得るため、薄型の酸化膜を含むバリア層130よりも表面処理層140が厚い可能性がある。
【0066】
一方、一例に係るプリント回路基板は、図3に示す構成に限定されるものではなく、他の構成がさらに含まれてもよく、場合によっては省略されてもよい。すなわち、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば利用可能な構成をさらに含むことができる。
【0067】
図4は、他の一例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
【0068】
図4を参照すると、他の一例に係るプリント回路基板において、第1金属層120の突起部123は、端が丸みを帯びた形状を有することができる。これは、バリア層130と第1絶縁層111の一部を除去して溝を形成する段階でエッチング溶液がより広く浸透した結果であり得る。突起部123の端が丸みを帯びた形状を有するため、他の一例に係るプリント回路基板の第1金属層120は、第1絶縁層111と接する面積が増加することができる。
【0069】
一方、第1金属層120の形状に関する内容以外の構成のうち、他の実施形態に係るプリント回路基板と同様の構成は、他の一例に係るプリント回路基板にも適用されることができるため、これに関する重複説明は省略する。
【0070】
プリント回路基板の製造方法
図5図15は、一例に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【0071】
一例に係るプリント回路基板の製造方法は、キャリア基板C上に仮層Tを形成する段階、仮層T上にバリア層130を形成する段階、バリア層130上に第1絶縁層111を形成する段階、第1絶縁層111、バリア層130及び仮層Tを貫通する貫通孔hを形成する段階、バリア層130、第1絶縁層111及び仮層Tの一部を除去して溝gを形成する段階、貫通孔h及び溝gを充填するように第1金属層120を形成する段階、キャリア基板C及び仮層Tを除去する段階を含むことができる。
【0072】
一例に係るプリント回路基板の製造方法は、仮層T上にバリア層130を形成した後に第1絶縁層111を形成するため、仮層Tを除去する段階で第1絶縁層111の損傷が生じないことができる。特に、仮層Tと第1絶縁層111とが実質的に同じ絶縁材料を含んでいても、仮層Tを除去する段階で第1絶縁層111の損傷が生じないことができる。また、貫通孔hと溝gを形成した後に第1金属層120を形成するため、第1金属層120の突出部121、埋め込み部122及び突起部123が一体に形成されることができる。
【0073】
図5を参照すると、プリント回路基板の製造方法は、キャリア基板C上に仮層Tを形成する段階を含むことができる。また、キャリア基板C上に仮層Tを形成する段階の前に、キャリア基板C上にストッパ層Sを形成する段階をさらに含むことができる。この場合、仮層Tはストッパ層S上に配置されることができる。
【0074】
キャリア基板Cは、絶縁層及び配線層などを形成する際に、これを支持するためのものであって、絶縁材質又は金属材質で形成されることができる。図5において、キャリア基板Cは、コアC1とコアC1の両面に形成されたシードC2を含むものとして示したが、これに限定されるものではなく、単一層で構成されるキャリア基板Cであってもよく、シードC2が二重に構成されてもよい。すなわち、キャリア基板Cは一つの場合を例示したものであって、キャリア基板Cは当該技術分野において通常の知識を有する者であれば利用することができ、支持基板として用いられ、以後デタッチ(detach)又は除去することができるものであれば、本発明において特に制限なく使用可能である。
【0075】
仮層Tを形成する段階の前に、キャリア基板C上にストッパ層Sを形成する段階をさらに含むことができる。ストッパ層Sは、その後、キャリア基板Cと第1金属層120とを分離する機能を行うことができる。ストッパ層Sは金属物質を含むことができ、金属物質としては、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、スズ(Sn)、金(Au)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などを使用することができる。ストッパ層Sは、好ましくはニッケル(Ni)を含むことができるが、これに限定されるものではない。ストッパ層Sは、以後のデタッチ段階で仮層T及び第1金属層120と分離される必要があるため、ストッパ層Sは仮層Tと異なる金属材料であればよく、キャリア基板Cを除去する段階で第1金属層120とキャリア基板Cとを分離し易い物質であれば、特に制限なく使用可能である。
【0076】
仮層Tは、第1金属層120の突出部121が形成されるための一時的な構成であって、キャリア基板C上に配置されて第1金属層120を形成した後に除去される一時的な構成であってもよい。
【0077】
仮層Tは絶縁材料を含むことができる。絶縁材料としては、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又はこのような樹脂と共に、無機フィラー、有機フィラー及び/又はガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、and/or Glass Fabric)を含む材料を含むことができる。絶縁材料は、感光性材料及び/又は非感光性材料であってもよい。例えば、第2絶縁層112の絶縁材料としては、ABF(Ajinomoto Build-up Film)の絶縁材であってもよいが、これに限定されず、PPG(Prepreg)、RCC(Resin Coated Copper)、PID(Photo Imageable Dielectric)、FR-4、BT(Bismaleimide Triazine)などを含んでもよい。しかし、これに限定されるものではなく、必要に応じて、それ以外にも剛性に優れた他の素材が用いられてもよい。仮層Tは、第1絶縁層111と実質的に同じ種類の絶縁材料を含むことができる。仮層Tが第1絶縁層111と実質的に同じ種類の絶縁材料を含んでいても、以後の段階でバリア層130が形成されるため、仮層Tは第1絶縁層111と容易に分離することができ、第1絶縁層111の損傷が生じないことができる。
【0078】
一方、これに限定されず、仮層Tは絶縁材料を含まずに金属物質を含むこともできる。この場合、仮層Tは第1金属層120の金属物質とは異なる物質を含み、仮層Tの除去段階で第1金属層120は反応しない可能性がある。
【0079】
図6を参照すると、プリント回路基板の製造方法は、仮層T上にバリア層130を形成する段階を含むことができる。
【0080】
バリア層130は、薄膜蒸着工法、例えば、ALD(Atomic Layer Deposition)、MVD(Molecular Vapor Deposition)工法などを用いて形成することができる。バリア層130が薄膜蒸着工法で形成されることで、バリア層130は、仮層T及び第1絶縁層111に比べて薄い酸化膜を含むことができる。バリア層130を形成する方法は蒸着工法で行うことができるため、バリア層130は仮層Tの下面に沿って薄く形成されることができる。
【0081】
バリア層130は仮層T及び第1絶縁層111と異なる材料を含むため、第1金属層120を形成する段階の後、仮層Tを除去する段階で第1絶縁層111を保護しながら仮層Tをより円滑に除去することができる。
【0082】
図7を参照すると、プリント回路基板の製造方法は、バリア層130上に第1絶縁層111を形成する段階を含むことができる。
【0083】
第1絶縁層111に関する説明は、プリント回路基板で上述した通りであり、第1絶縁層111を形成する方法は、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば利用可能な絶縁層を形成する公知の方法であれば制限なく利用できる。
【0084】
図8を参照すると、プリント回路基板の製造方法は、第1絶縁層111、バリア層130、及び仮層Tを貫通する貫通孔hを形成する段階を含むことができる。貫通孔hを形成する方法は、第1絶縁層111、仮層Tを貫通するように加工する方法であれば制限なく利用できる。限定されない一例として、レーザドリリング、機械的ドリリングなどで行われることができるが、これに限定されるものではなく、絶縁層を貫通できる方法であれば制限なく利用できる。一方、レーザドリリングで行う場合には、COレーザ又はYAGレーザを用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0085】
このとき、貫通孔hは1回の加工で形成できるが、これに限定されるものではなく、第1絶縁層111を貫通した後、バリア層の一部を除去した後、仮層Tを貫通する方法により貫通孔hを形成することもできる。貫通孔hは、仮層T、バリア層130及び第1絶縁層111を貫通するため、貫通孔hを介してストッパ層Sが露出することができる。貫通孔hは、図8を基準として下側から上側に加工することができるため、貫通孔hは上向きのテーパ形状を有することができる。一方、貫通孔hのテーパ度合いは、加工方法及び条件によって決定することができる。
【0086】
図9を参照すると、プリント回路基板の製造方法は、溝gを形成する段階を含むことができる。溝を形成する段階は、貫通孔hによって露出したバリア層130の一部を除去し、バリア層130に隣接する第1絶縁層111の一部及び仮層Tの一部を除去する段階で行われることができる。
【0087】
溝gは、第1金属層120の突起部123が形成されるための領域であってもよい。貫通孔hを基準として水平方向又は貫通孔hの外周面方向にバリア層130、第1絶縁層111及び仮層Tの一部が除去されることができる。溝gを形成する方法は、絶縁材料の一部を除去できる方法であれば制限なく活用することができる。限定されない一例として、溝を加工する段階は、バリア層130の一部を除去する段階と、デスミア(desemear)を行う段階とを含むことができる。バリア層130の一部を除去する段階はエッチング(etching)により行われることができ、デスミアは貫通孔hを形成する段階で発生した残渣を除去する方法であって、湿式デスミア(wet desemear)で行うことができる。バリア層130の一部を除去する段階の後、第1絶縁層111と仮層Tの一部を除去する段階において湿式工程を行うことができるため、バリア層130の一部が除去された領域に溶液が集中することができ、これにより、溝gを形成されることができる。溝gが形成されることで、第1金属層120が第1絶縁層111と接する面積が広くなり、第1金属層120の密着力を向上することができる。また、バリア層130の一部が除去されたため、仮層Tとバリア層130との間の密着力は、溝gが形成される前よりも減少する可能性があるため、以後の段階においてバリア層130と仮層Tの分離がより容易となり、第1金属層120の突出部121の形成が容易となり得る。
【0088】
図10では、プリント回路基板の垂直切断断面図において溝gの形状が三角形又は台形であることを示しているが、これに限定されるものではなく、溶液が浸透する程度に応じて溝gの形状は多様であり得る。例えば、曲面を有してもよく、溝gの上側及び下側が非対称的な構造を有してもよいことは言うまでもない。
【0089】
図10を参照すると、プリント回路基板の製造方法は、第1金属層120を形成する段階を含むことができる。第1金属層120を形成する段階は、貫通孔h及び溝gに沿ってシード層125を形成する段階を含むことができる。
【0090】
シード層125は、貫通孔h、溝gの内部に形成され、第1絶縁層111の下面に沿って配置されることができる。すなわち、シード層125は、貫通孔h及び溝gに沿ってコンフォーマル(conformal)に形成されてもよい。シード層125は第1金属層120の最外側を構成することができ、シード層125を形成する段階は無電解めっきで行われてもよいが、これに限定されず、スパッタリングで行われてもよい。一方、シード層125を形成する段階はこれに限定されず、電解めっきのためのシード層125を形成する方法であれば制限なく利用できる。
【0091】
図11を参照すると、プリント回路基板の製造方法は、第1金属層120を形成する段階を含むことができる。第1金属層120を形成する段階は、シード層125上にめっき層126を形成する段階を含むことができる。
【0092】
めっき層126は、シード層125上に配置され、シード層125をめっきシードとして形成することができる。めっき層126は、貫通孔h及び溝gを充填するように形成されることができ、第1絶縁層111の下側にも形成されることができる。めっき層126の形成は電解めっきで行うことができ、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば利用可能なめっき層126の形成方法であれば、特に制限なく利用できる。
【0093】
図12を参照すると、プリント回路基板の製造方法は、第1金属層120を形成する段階を含むことができる。第1金属層120を形成する段階は、シード層125及びめっき層126の一部を除去して第1金属層120を完成する段階を含むことができる。
【0094】
シード層125は、めっき層126のためのめっき引込み線として機能するため、第1絶縁層111の下面の全体にわたって形成され、めっき層126はシード層125上に配置され、第1貫通孔h1及び第2貫通孔h2の両方を充填し、第1絶縁層111の下側にも形成されることができる。したがって、シード層125及びめっき層126は互いに電気的に連結されて各々の機能を行うことができない可能性がある。よって、シード層125及びめっき層126の一部を除去することで、それぞれの第1金属層120が互いに独立した機能を行うようにすることができる。このとき、第1金属層120の一部を除去する段階はエッチングで行われることができるが、これに限定されるものではない。
【0095】
一方、図10図12を参照すると、無電解めっきでシード層125を形成した後、電解めっきでめっき層126を形成して第1金属層120が形成されることが示されているが、必ずしもこれに限定されるのではなく、第1金属層120を形成する方法はこれに限定されず、貫通孔h及び溝gを充填するように第1金属層120が形成できればよく、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば利用可能な金属層の形成方法であれば、特に制限なく利用できる。
【0096】
図13を参照すると、プリント回路基板の製造方法は、第1絶縁層111の下面上に第2絶縁層112を形成する段階、第2絶縁層112上に第1配線層151を形成する段階、及び第1金属層120と第1配線層151とを互いに連結するか、又は第1配線層151を互いに連結するように第2絶縁層112の少なくとも一部を貫通する第1ビア層155を形成する段階を含むことができる。また、第2絶縁層112上に半田レジスト層160を形成する段階をさらに含むことができる。
【0097】
第2絶縁層112を形成する方法、第1配線層151、及び第1ビア層155を形成する方法、半田レジスト層160を形成する方法は、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば利用可能な絶縁層及び配線層のビルドアップ方法であれば、制限なく利用できる。
【0098】
図14を参照すると、プリント回路基板の製造方法は、キャリア基板Cを除去する段階、ストッパ層Sを除去する段階、及び仮層Tを除去する段階を含むことができる。
【0099】
キャリア基板Cを除去する段階は、キャリア基板Cの形態に応じて様々な方法を適用することができる。例えば、キャリア基板Cを除去する段階は、キャリア基板に含まれたコアを除去した後、順次に銅箔を除去してもよく、キャリア基板を一体に、すなわち、コアと銅箔とを同時に除去してもよい。キャリア基板Cを除去する段階は、公知のキャリアデタッチ(detach)に用いられる工程を制限なく利用して行うことができる。
【0100】
ストッパ層Sを除去する段階はエッチング(etching)で行うことができるが、これに限定されるものではなく、ストッパ層Sを除去する段階は、ストッパ層Sの構成材料に応じて異なる工程で行うことができ、ストッパ層Sの構成材料を除去できる工程であれば、制限なく利用できる。すなわち、ストッパ層Sの材料に応じて異なる条件を実現することができる。ストッパ層Sは第1金属層120と異なる金属を含むため、ストッパ層Sを除去する段階では第1金属層120が除去されない可能性がある。
【0101】
仮層Tを除去する段階は、剥離(delamination)で行うことができるが、これに限定されるものではなく、エッチング(etching)で行うこともできるなど、仮層Tの構成材料に応じて異なる工程で行うことができ、仮層Tの構成材料を除去できる工程であれば制限なく利用できる。すなわち、仮層Tの材料に応じて異なる条件を実現することができる。仮層Tと第1絶縁層111との間にはバリア層130が形成されているため、仮層Tを除去する段階で第1絶縁層111の損傷が生じないことができる。また、溝gを形成する段階で仮層Tの一部とバリア層130の一部が除去されるため、仮層Tとバリア層130との間を容易に分離することができる。
【0102】
仮層Tが除去される段階を通じて、第1金属層120の突出部121は第1絶縁層111よりも突出することができる。すなわち、第1金属層120の突出部121は金属ポストとして機能することができる。
【0103】
図15を参照すると、プリント回路基板の製造方法は、第1金属層120上に表面処理層140を形成する段階をさらに含むことができる。表面処理層140は、第1金属層120のうち外部に露出した領域に形成されることができ、第1金属層120の突出部121及び溝gの一部上に形成されることができる。表面処理層140は、無電解めっき及び置換めっきによって形成されることができるが、これに必ずしも限定されるものではなく、表面処理層140の構造に応じて異なる製造方法を適用することができる。また、表面処理層が有機物を含む有機膜構造である場合には、有機膜コーティングによって形成することもできる。このように表面処理層140を形成する方法は、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば利用可能な表面処理層140の形成方法であれば、特に制限なく利用できる。
【0104】
図5図15は、各図を基準に、キャリア基板Cの下側にのみ構成が形成されるものとして示したが、キャリア基板Cの上面にも同様の工程を行って対称な構造を有するプリント回路基板を製造することができる。この場合、一つのキャリア基板Cを介して同じ構造を有する2つのプリント回路基板を製造することができる。また、これに限定されず、一つのキャリア基板Cにストリップ基板の形態で複数の基板が実現された後、それぞれのプリント回路基板を切断して複数のプリント回路基板を製造することもできる。
【0105】
その他にも、プリント回路基板の一般的な構成をさらに含んでもよいことは、プリント回路基板の説明で上述した通りであり、本発明の技術的意義を変更しない場合であれば、自由に追加又は省略することができる。
【0106】
本発明において、断面上における意味は、対象物を垂直に切断したときの断面形状、又は対象物をサイドビューで見たときの断面形状を意味することができる。また、平面上における意味は、対象物を水平に切断したときの形状、又は対象物をトップビュー又はボトムビューで見たときの平面形状を意味することができる。
【0107】
本発明において、「上側、上部、上面」などは、便宜上、図面の断面を基準として電子部品が実装可能な面に向かう方向を意味するものとして使用し、「下側、下部、下面」などは、その反対方向を意味するものとして使用している。但し、これは説明の便宜上、方向を定義したものであり、特許請求の範囲の権利範囲がこのような方向に対する記載によって特に限定されるものではないことは勿論である。
【0108】
本発明において、「連結される」とは、直接連結されることだけでなく、接着剤層などを介して間接的に連結されることを含む概念である。また、「電気的に連結される」とは、物理的に連結される場合及び連結されていない場合の両方を含む概念である。さらに、「第1、第2」などの表現は、ある構成要素と他の構成要素とを区分するために使用されるものであって、当該構成要素の順序及び/又は重要度などを限定しない。場合によっては、権利範囲を逸脱しない範囲内で、第1構成要素は第2構成要素と命名されてもよく、同様に、第2構成要素は第1構成要素と命名されてもよい。
【0109】
本発明において、実質的には製造工程上で発生する工程誤差や位置偏差、測定時の誤差などを含めて判断することができる。例えば、「実質的に垂直である」とは、完全に垂直な場合だけでなく、ほぼ垂直な場合も含むことができる。また、「実質的に共面をなす」とは、完全に同一平面上に存在する場合だけでなく、ほぼ同一平面上に存在する場合も含むことができる。また、「実質的にテーパした」とは、完全に一定の傾きをもって変化する幅が変わる場合だけでなく、一側と反対側の幅が異なるように概ね変わる場合も含むことができる。
【0110】
本発明において、「同じ材料」とは、完全に同一の材料である場合だけでなく、同じタイプの材料を含むことを意味することができる。したがって、材料の組成は実質的に同一であるものの、それらの具体的な組成比は少しずつ異なる場合がある。
【0111】
本発明で使用される「一例」という表現は、互いに同じ実施形態を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかし、上記提示された一例は、他の一例の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が、他の一例に説明されていなくても、他の一例において、その事項と反対又は矛盾する説明がない限り、他の一例に関連する説明として理解することができる。
【0112】
本発明で使用される用語は、単に一例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味を示さない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0113】
111:第1絶縁層
112:第2絶縁層
120:第1金属層
121:突出部
122:埋め込み部
123:突起部
125:シード層
126:めっき層
130:バリア層
140:表面処理層
151:第1配線層
155:第1ビア層
152:第1パッド
153:第1パターン
160:半田レジスト層
C:キャリア基板
C1:コア
C2:シード
S:ストッパ層
T:仮層
h:貫通孔
g:溝
1000:電子機器
1010:メインボード
1020:チップ関連部品
1030:ネットワーク関連部品
1040:その他の部品
1050:カメラモジュール
1060:アンテナモジュール
1070:ディスプレイ
1080:バッテリー
1090:信号ライン
1100:スマートフォン
1110:スマートフォン内部のメインボード
1120:スマートフォン内部の電子部品
1121:スマートフォン内部のアンテナモジュール
1130:スマートフォン内部のカメラモジュール
1140:スマートフォン内部のスピーカ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15