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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009493
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】テープ貼付装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 35/07 20060101AFI20250110BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20250110BHJP
   C09J 7/20 20180101ALI20250110BHJP
   C09J 7/29 20180101ALI20250110BHJP
【FI】
B65H35/07 K
C09J7/38
C09J7/20
C09J7/29
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023112531
(22)【出願日】2023-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】000150774
【氏名又は名称】株式会社槌屋
(71)【出願人】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124420
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 清隆
(72)【発明者】
【氏名】西村 星彦
(72)【発明者】
【氏名】酒井 誠司
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 英樹
【テーマコード(参考)】
3F062
4J004
【Fターム(参考)】
3F062AB03
3F062BA06
3F062BA08
3F062BE01
3F062BE08
3F062BF22
4J004AB01
4J004CA01
4J004CE01
4J004DA01
4J004DB02
4J004FA04
(57)【要約】
【課題】貼付対象における粘着テープの貼付位置の精度が向上し、連続した貼付作業の効率性が向上したテープ貼付装置を提供する。
【解決手段】テープ貼付装置1は、貼付治具2と、テープ台4と、を備えている。貼付治具2は、粘着テープTをピックアップするピックアップ部12と、ガイド孔28と、を備えている。テープ台4は、粘着テープTをセットするセット部102と、ガイド孔28を案内するガイドピン108と、を備えている。貼付治具2は、テープ台4に、ガイド孔28がガイドピン108に案内された状態で接近して、セット部102にセットされた粘着テープTに対しピックアップ部12を接触させることで、ピックアップ部12において粘着テープTをピックアップする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貼付治具と、テープ台と、を備えており、
前記貼付治具は、
粘着テープをピックアップするピックアップ部と、
治具側ガイド部と、
を備えており、
前記テープ台は、
前記粘着テープをセットするセット部と、
前記治具側ガイド部を案内する台側ガイド部と、
を備えており、
前記貼付治具は、前記テープ台に、前記治具側ガイド部が前記台側ガイド部に案内された状態で接近して、前記セット部にセットされた前記粘着テープに対し前記ピックアップ部を接触させることで、前記ピックアップ部において前記粘着テープをピックアップする
ことを特徴とするテープ貼付装置。
【請求項2】
前記ピックアップ部及び前記セット部の少なくとも一方は、3次元形状を有している
ことを特徴とする請求項1に記載のテープ貼付装置。
【請求項3】
前記粘着テープは、単体では貼付時の形状を維持できない程度の柔軟性を有している
ことを特徴とする請求項1に記載のテープ貼付装置。
【請求項4】
前記粘着テープは、リング状である
ことを特徴とする請求項1に記載のテープ貼付装置。
【請求項5】
前記ピックアップ部は、ゲルを含む弱粘着体を有している
ことを特徴とする請求項1に記載のテープ貼付装置。
【請求項6】
前記ピックアップ部は、更に、ピックアップ部本体と、第1弾性体と、を有しており、
前記第1弾性体は、前記弱粘着体と前記ピックアップ部本体との間に配置されている
ことを特徴とする請求項5に記載のテープ貼付装置。
【請求項7】
前記第1弾性体における、前記ピックアップ部本体と前記弱粘着体との間での大きさは、1mm以上4mm以下である
ことを特徴とする請求項6に記載のテープ貼付装置。
【請求項8】
前記第1弾性体と前記弱粘着体との間、及び前記第1弾性体と前記ピックアップ部本体との間、の少なくとも一方に、プライマーが施されている
ことを特徴とする請求項6に記載のテープ貼付装置。
【請求項9】
前記貼付治具は、更に、ベース部と、第1位置決め部と、シャフトと、を備えており、
前記ベース部に対し、前記ピックアップ部が固定されていると共に、前記シャフトを介して前記第1位置決め部がつながっており、
前記第1位置決め部は、前記粘着テープを付着する対象である貼付対象に係る隣接部に対応する形状を有している
ことを特徴とする請求項1に記載のテープ貼付装置。
【請求項10】
前記貼付治具は、更に、第2弾性体を有しており、
前記第2弾性体は、前記第1位置決め部と前記ベース部との間に配置されている
ことを特徴とする請求項9に記載のテープ貼付装置。
【請求項11】
前記第2弾性体は、前記シャフトに隣接するコイルスプリングである
ことを特徴とする請求項10に記載のテープ貼付装置。
【請求項12】
前記貼付治具は、更に、第2位置決め部を備えており、
前記第2位置決め部は、前記粘着テープを付着する対象である貼付対象に対して隣接する所定位置に係止可能である
ことを特徴とする請求項1に記載のテープ貼付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープを貼付するテープ貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許第3383343号公報(特許文献1)には、粘着テープ貼付治具が開示されている。
この治具は、対向壁部を有する支持部材と、支持部材の対向壁部間に架設された、弾性変形可能な貼付部材と、を備えている。そして、ユーザは、貼付部材に両面粘着テープを一時的に貼着支持させ、貼付対象としての2枚の板状部材の重なったエッジ面に両面粘着テープの粘着面を接触させ、貼付部材を弾性変形させて支持部材の対向壁部間に押し込み、両面粘着テープを板状部材のエッジ面に追従させ、治具を板状部材から離脱させ両面粘着テープを貼付部材から剥離させて、エッジ面に両面粘着テープを貼付する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3383343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の治具では、貼付部材における両面粘着テープの一時的な位置、及び治具を貼付対象へ当てる位置は、任意である。よって、上記の治具では、貼付対象における両面粘着テープの貼付位置の精度に、向上の余地がある。
又、上記の治具では、複数の複雑な形状のテープを連続して貼付することについて、何ら工夫されていない。よって、上記の治具では、連続した貼付作業の効率性に、向上の余地がある。
【0005】
本発明の主な目的の一つは、貼付対象における粘着テープの貼付位置の精度が向上したテープ貼付装置を提供することである。
又、本発明の主な目的の別の一つは、連続した貼付作業の効率性が向上したテープ貼付装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書には、テープ貼付装置が開示される。このテープ貼付装置は、貼付治具を備えていても良い。テープ貼付装置は、テープ台を備えていても良い。貼付治具は、粘着テープTをピックアップするピックアップ部を備えていても良い。貼付治具は、ガイド孔を備えていても良い。テープ台は、粘着テープをセットするセット部を備えていても良い。テープ台は、ガイド孔を案内するガイドピンを備えていても良い。貼付治具は、テープ台に、ガイド孔がガイドピンに案内された状態で接近しても良い。貼付治具は、セット部にセットされた粘着テープに対しピックアップ部を接触させることで、ピックアップ部において粘着テープTをピックアップしても良い。
【発明の効果】
【0007】
本発明の主な効果の一つは、貼付対象における粘着テープの貼付位置の精度が向上したテープ貼付装置が提供されることである。
又、本発明の主な効果の別の一つは、連続した貼付作業の効率性が向上したテープ貼付装置が提供されることである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係るテープ貼付装置の、後面、左面及び上面を示す斜視図である。
図2図1のテープ貼付装置の、前面、左面及び下面を示す斜視図である。
図3図1の貼付治具の前後方向中央の断面図である。
図4図3のA-A線断面図である。
図5図3のB-B線断面図である。
図6図6Aは、図1の貼付治具における弾性弱粘着部及びその周辺の模式的な端面図であり、図6Bは、図6Aの弾性弱粘着部の形成を説明するための模式的な分解図である。
図7図1のテープ台における台ベースの前後方向中央に係る断面図である。
図8図7のC-C線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態及びその変更例が、適宜図面に基づいて説明される。
尚、本発明は、下記の形態及び変更例に限定されない。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係るテープ貼付装置1の、後面、左面及び上面を示す斜視図である。図2は、テープ貼付装置1の、前面、左面及び下面を示す斜視図である。図3は、テープ貼付装置1の貼付治具2の断面図であって、ベース部10の前後方向中央における断面図である。図4は、図3のA-A線断面図である。図5は、図3のB-B線断面図である。
テープ貼付装置1は、貼付治具2と、テープ台4と、を有する。
テープ貼付装置1では、ユーザが、貼付治具2において、テープ台4から3次元形状に変形した粘着テープTをピックアップして、3次元形状の貼付対象に貼付する。
テープ貼付装置1における各種の方向は、便宜のため、各図に示される通りとする。尚、テープ貼付装置1は、図示された向き以外の向きにおいても使用可能である。
【0011】
粘着テープTは、自動車におけるパンパーの凹部の周縁部を貼付対象として、当該貼付対象に対し、塗装のマスキングのために貼付される。粘着テープTは、上側から下方へ見て、リング状であり、左右に長い長円状である。
粘着テープTは、粘着性を有する粘着面TAと、粘着性を有さない反粘着面TBと、粘着面TAに重ねられる剥離紙(図示略)と、を備える。粘着テープTの上面が反粘着面TBであり、粘着テープTの下面が粘着面TA及び剥離紙である。粘着面TA、反粘着面TB、及び剥離紙は、互いに平行であり、2次元形状を呈している。又、粘着テープTは、3次元形状の物体表面に追従して3次元形状となる程度の柔軟性を備えている。尚、粘着テープTは、元々3次元形状を呈していても良い。
粘着テープTは、単体では貼付時の立体形状を維持できない程度の柔軟性を有する。
粘着テープTの外形の大きさは、左右方向で270mm(ミリメートル)程度、前後方向で50mm程度である。粘着テープTの幅の大きさは、6mm±1mm程度である。貼付対象の立体形状に追従して変形した粘着テープTにおける最上点と最下点との間の距離は、4mm程度である。
尚、粘着テープTの貼付対象は、自動車のパンパーの凹部周縁部以外であっても良い。又、粘着テープTの貼付目的は、塗装のマスキング以外であっても良い。更に、粘着面TA、反粘着面TB、及び剥離紙の少なくとも何れか2つは、互いに平行でなくても良く、互いに異なる3次元形状を呈していても良い。又更に、粘着テープTの剥離紙は、省略されても良い。更に、粘着テープTの柔軟性あるいは剛性は、単体で形状保持可能な程度とされる等、上述のもの以外であっても良い。加えて、粘着テープTにおける各種の大きさの一部又は全部は、上述のもの以外であっても良い。
【0012】
貼付治具2は、ベース部10と、複数(2つ)のブッシュ11と、ピックアップ部12と、第1ダンパー部14と、第2ダンパー部16と、第1位置決め部20と、第2位置決め部22と、取っ手24と、を有する。
【0013】
ベース部10は、プラスチック製の板である。
ベース部10の左後部及び右前部には、それぞれ、上下に延びるガイド孔28が開けられている。
尚、ベース部10の材質は、プラスチック以外であっても良い。又、ベース部10の形状は板状以外であっても良い。更に、ガイド孔28の数は、1つ、あるいは3つ以上であっても良く、ガイド孔28は、ベース部10のコーナー部以外に配置されても良い。
【0014】
各ブッシュ11は、筒状であり、対応するガイド孔28に嵌め込まれている。
各ガイド孔28及び対応するブッシュ11は、治具側ガイド部を構成する。
尚、ブッシュ11は、省略されても良い。又、各ブッシュ11のみが、治具側ガイド部と取り扱われても良い。
【0015】
ピックアップ部12は、筒状であり、ベース部10の下面から下方に突出している。ピックアップ部12は、上下に延びる複数(6本)のボルト30により、ベース部10に取り付けられている。尚、ピックアップ部12は、ボルト30以外により取り付けられても良い。又、ピックアップ部12の形状は、筒状以外であっても良い。
ピックアップ部12は、ピックアップ部本体32と、弾性弱粘着部34と、を有する。
【0016】
ピックアップ部本体32は、ベース部10に接している。
ピックアップ部本体32の下面は、貼付対象と同じ3次元形状を呈している。ピックアップ部本体32の下面の幅は、粘着テープTと同程度である。ピックアップ部本体32の下面を下側から上方へ見た場合の形状は、粘着テープTの形状と同様であり、粘着テープTの形状に適合している。
尚、ピックアップ部本体32の下面の幅は、粘着テープTの幅より大きくても良いし、小さくても良い。
【0017】
図6Aは、弾性弱粘着部34及びその周辺の模式的な端面図である。図6Bは、弾性弱粘着部34の形成を説明するための図6Aの模式的な分解図である。尚、図6A及び図6Bを除き、図面において、ピックアップ部12はピックアップ部本体32のみが示されており、弾性弱粘着部34の図示は図6A及び図6Bを除いて省略されている。
弾性弱粘着部34は、ピックアップ部本体32の下面の幅より細い幅(例えば2.5mm)を有するリング状であり、ピックアップ部弾性体あるいは第1弾性体としての弾性体40と、貼着体42と、弱粘着体44と、を有する。尚、弾性弱粘着部34の幅は、ピックアップ部本体32の下面の幅と同じであっても良いし、ピックアップ部本体32の下面の幅より大きくても良い。又、弾性体40、貼着体42、及び弱粘着体44の少なくとも何れかの幅は、他の部材の幅と異なっていても良い。
弾性弱粘着部34は、幅方向において、ピックアップ部本体32の下面の中央部に配置されている。
【0018】
弾性体40は、EPDM(エチレン・プロピレンゴム)製のスポンジであり、ピックアップ部本体32の下面に、貼着体42を介して付着されている。
尚、弾性体40は、EDPM以外であっても良いし、ゴムブロック等、スポンジ以外であっても良い。
【0019】
貼着体42は、両面粘着テープである。貼着体42と弾性体40との間には、付着力を高めて弾性体40がスポンジであっても十分に付着されるようにするために、プライマーP1が施されている。
尚、プライマーP1は、省略されても良いし、弾性体40とピックアップ部本体32との間に施されても良い。又、弾性体40は、ピックアップ部本体32に対し、接着剤等により付着されても良い。
【0020】
弱粘着体44は、ゲル製のシートである。弱粘着体44の上面には、強粘着剤ADが施されている。弾性体40の下面には、強粘着剤ADの付着力を高めるために、プライマーP2が施されている。弱粘着体44は、プライマーP2を施した強粘着剤ADを介して、弾性体40の下面に付着されている。弱粘着体44は、粘着テープTの反粘着面TBに付着可能である。弱粘着体44における粘着テープTの反粘着面TBに対する付着力は、粘着テープTの貼付対象に対する付着力より小さい。
尚、プライマーP2は、省略されても良い。又、弱粘着体44は、弾性体40に対し、接着剤等により付着されても良い。
【0021】
弾性体40の上面及び下面、貼着体42、並びに弱粘着体44の上面及び下面は、貼付対象と同じ3次元形状を呈している。粘着テープTは、弱粘着体44の下面の形状に追従する。尚、ピックアップ部本体32の下面、貼着体42、弾性体40の上面及び下面、並びに弱粘着体44の上面の少なくとも何れかは、貼付対象と同じ3次元形状を呈していなくても良い。
弾性体40、貼着体42、及び弱粘着体44の、それぞれの径方向の大きさ即ち各幅は、2.5mmである。尚、当該幅の少なくとも何れかは、2.5mm以外であっても良い。
弾性体40の上下方向の厚みは、小さすぎると弾性が不足して粘着テープT貼付時の貼付対象への追従性が小さくなり、大きすぎると変形が過大となり貼付位置の精度が悪化し得ることから、好ましくは、1mm以上であり、又4mm以下である。
ピックアップ部本体32と貼着体42との付着力、貼着体42と弾性体40との付着力、弾性体40と弱粘着体44との付着力は、弱粘着体44と粘着テープTの反粘着面TBとの付着力より大きい。
【0022】
第1ダンパー部14は、第1ブラケット50と、第1ブッシュ51と、第1シャフト52と、第1コイルスプリング54と、を有する。
【0023】
第1ブラケット50は、前側から後方へ見て“S”字状の折板状であり、上板部と下板部とにそれぞれ孔を有している。第1ブラケット50は、下板部の孔を通っており上下に延びている第1ボルト56を介して、ベース部10の左部に取り付けられている。
【0024】
第1ブッシュ51は、筒状であり、ベース部10における第1ブラケット50の上板部の下方の部分に開けられた、上下に延びる孔に嵌め込まれている。
尚、第1ブッシュ51は、省略されても良い。
【0025】
第1シャフト52は、上下に延びる円柱状であり、上端部の拡径部により下方への抜け止めを施された状態で、第1ブラケット50の上板部の孔に入れられている。第1シャフト52の拡径部は、上下に延びており頭部を上側とするボルト58により形成されている。
第1シャフト52の下部は、第1ブッシュ51の径方向内側を通過している。
第1シャフト52の下端部は、ベース部10の下面であって、ピックアップ部12で囲まれる部分から、下方に突出している。
尚、第1シャフト52の拡径部は、ボルト58以外で形成されても良いし、他の部分と一体に形成されても良い。
【0026】
第1コイルスプリング54は、第1位置決め部弾性体あるいは第2弾性体としての弾性体であり、第1シャフト52の径方向外側に配置されている。
第1コイルスプリング54の上端は、第1ブラケット50の上板部の下面と接触している。
第1コイルスプリング54の下端は、第1シャフト52の下端部に形成された段部と接触している。
第1シャフト52の拡径部が第1ブラケット50の上板部に接触している場合、第1コイルスプリング54は、自然長の状態又は自然長に最も近い状態、即ち圧縮動作前状態となっている。
尚、第1ダンパー部14の弾性体は、第1コイルスプリング54以外であっても良い。
【0027】
第2ダンパー部16は、第1ダンパー部14と左右対称である。尚、第2ダンパー部16は、第1ダンパー部14と左右対称でなくても良い。
第2ダンパー部16は、第2ブラケット60と、第2ブッシュ61と、第2シャフト62と、第2コイルスプリング64と、を有する。
【0028】
第2ブラケット60は、前側から後方へ見て“Z”字状の折板状であり、上板部と下板部とにそれぞれ孔を有している。第2ブラケット60は、下板部の孔を通っており上下に延びている第2ボルト66を介して、ベース部10の右部に取り付けられている。
【0029】
第2ブッシュ61は、筒状であり、ベース部10における第2ブラケット60の上板部の下方の部分に開けられた、上下に延びる孔に嵌め込まれている。
尚、第2ブッシュ61は、省略されても良い。
【0030】
第2シャフト62は、上下に延びる円柱状であり、上端部の拡径部により下方への抜け止めを施された状態で、第2ブラケット60の上板部の孔に入れられている。第2シャフト62の拡径部は、上下に延びており頭部を上側とするボルト68により形成されている。
第2シャフト62の下部は、第2ブッシュ61の径方向内側を通過している。
第2シャフト62の下端部は、ベース部10の下面であって、ピックアップ部12で囲まれる部分から、下方に突出している。
尚、第2シャフト62の拡径部は、ボルト68以外で形成されても良いし、他の部分と一体に形成されても良い。
【0031】
第2コイルスプリング64は、弾性体であり、第2シャフト62の径方向外側に配置されている。
第2コイルスプリング64の上端は、第2ブラケット60の上板部の下面と接触している。
第2コイルスプリング64の下端は、第2シャフト62の下端部に形成された段部と接触している。
第2シャフト62の拡径部が第2ブラケット60の上板部に接触している場合、第2コイルスプリング64は、圧縮動作前状態となっている。
尚、第2ダンパー部16の弾性体は、第2コイルスプリング64以外であっても良い。又、第1ダンパー部14及び第2ダンパー部16の少なくとも一方は、省略されても良い。
【0032】
第1位置決め部20は、左右及び前後に広がる矩形板状であり、下側から上方へ見て、ピックアップ部12の径方向内方に配置されている。
第1位置決め部20は、第1シャフト52及び第2シャフト62とつながっている。より詳しくは、第1位置決め部20の左部は、上下に延びるボルト70を介して、第1シャフト52の下端部に取り付けられている。又、第1位置決め部20の右部は、上下に延びるボルト72を介して、第2シャフト62の下端部に取り付けられている。
第1位置決め部20の下左部及び下右部は、それぞれ中央部に対して下方に隆起しており、各隆起部には、上方へ窪む左右方向の溝74が、複数形成されている。かような各溝74を有する第1位置決め部20の各隆起部の形状は、貼付対象である凹部周縁部より径方向内方に位置する凹部中央部の形状に適合している。
【0033】
第1コイルスプリング54及び第2コイルスプリング64が圧縮動作前状態である場合、第1位置決め部20の各隆起部の下面であって各溝74を除いた部分は、ピックアップ部12の下面より下方に位置している。
第1位置決め部20は、貼付治具2の貼付対象に対する位置決めを行う。
貼付治具2における、第1位置決め部20、第1シャフト52及び第2シャフト62、並びに第1コイルスプリング54及び第2コイルスプリング64を除く部分は、貼付治具本体部2Bを構成する。貼付治具本体部2Bと、第1シャフト52及び第2シャフト62との間には、第1コイルスプリング54及び第2コイルスプリング64が介装されている。
【0034】
第2位置決め部22は、金属製の折板状であり、ベース部10の後上部であって左右方向の中央部に対し、複数(2本)のボルト80により取り付けられており、後方から下方へ、更に前方へ突出している。尚、第2位置決め部22の材質は、金属以外であっても良い。又、第2位置決め部22の形状は、折板状以外であっても良い。
第2位置決め部22は、第2位置決め部本体82と、複数(2つ)の長孔84と、爪部86と、を有する。
第2位置決め部本体82は、左側から右方へ見て“Γ”字状である。
各長孔84は、左右に延びており、第2位置決め部本体82の前上端部において、左右に並ぶように配置されている。各長孔84には、対応するボルト80が入っており、第2位置決め部22のベース部10に対する左右方向の位置が調整可能である。
爪部86は、第2位置決め部本体82の下端部から二股状に前方に突出している。
第2位置決め部22は、貼付対象に隣接する所定位置に対して係止することにより、貼付治具2の貼付対象に対する位置決めを行う。当該所定位置は、自動車のパンパーの凹部に隣接する溝部である。
尚、第1位置決め部20及び第2位置決め部22の少なくとも一方は、省略されても良い。又、第2位置決め部22が係止する所定位置は、バンパーの凹部に隣接する溝部以外であっても良い。
【0035】
取っ手24は、前側から後方へ見て“∩”字状であり、それぞれ上下に延びる左右のボルト90により、ベース部10の上面中央部に取り付けられている。
【0036】
図7は、テープ台4における台ベース100の前後方向中央に係る断面図である。図8は、図7のC-C線断面図である。
テープ台4は、粘着テープTの積層体をセット可能であり、貼付治具2に対して、粘着テープTの積層体から、1枚の粘着テープTを供給する。粘着テープTの積層体には、適宜1枚の粘着テープTが含まれるものとする。
テープ台4は、台ベース100と、複数(2つ)の脚部101と、セット部102と、内側隆起部104と、複数(4つ)の外側立板106と、複数(2本)のガイドピン108と、を備えている。
【0037】
台ベース100は、プラスチック製の板である。
尚、台ベース100の材質は、プラスチック以外であっても良い。又、台ベース100の形状は、板状以外であっても良い。
【0038】
各脚部101は、プラスチック製のブロックであり、台ベース100の下面の左又は右に対して、上下に延びており前後に並べられている複数(2本ずつ)のボルト110により取り付けられている。
各脚部101は、台ベース100の下面から下方に突出している。
尚、脚部101の一部又は全部は、台ベース100と一体とされても良い。又、各脚部101は、省略されても良い。
【0039】
セット部102は、筒状であり、台ベース100の上面の周縁部に配置されていて、台ベース100の上面から上方に突出している。セット部102は、上側から下方へ見てリング状であり、左右に長い長円状である。
セット部102は、それぞれ上下に延びる複数(6本)のボルト118により、台ベース100に取り付けられている。尚、セット部102は、各ボルト118以外により取り付けられても良いし、台ベース100及び内側隆起部104の少なくとも一方と一体であっても良い。
セット部102の上面は、貼付対象と同じ3次元形状を呈している。
セット部102の上側には、粘着テープTの積層体がセットされる。実施形態のテープ貼付装置1では、最大50枚程度の粘着テープTが積層された積層体をセット可能である。尚、最大積層数は、49枚以下とされても良いし、51枚以上とされても良い。
【0040】
内側隆起部104は、プラスチック製であって、セット部102の径方向内方に配置されており、台ベース100の上面から上方へ隆起している。内側隆起部104は、左右方向の中央部において前後上下に広がるリブ120を有する筒状である。内側隆起部104の左上部及び右上部には、それぞれ左右に延びており隣接部に対して上方に突出する複数の筋122が形成されている。各筋122は、貼付治具2の第1位置決め部20において対応する位置に配置された溝74に進入可能である。各溝74の形状は、対応する筋112の形状と合っている。尚、リブ120及び各筋122の少なくとも何れかは、省略されても良い。
内側隆起部104の径方向外方の外面には、粘着テープTの積層体の内周が接触し又は隣接している。
内側隆起部104は、それぞれ上下に延びており左又は右に配置されている複数(2本)のボルト124により、台ベース100に取り付けられている。内側隆起部104と台ベース100との間であって、各ボルト124の周囲には、ワッシャ126が介装されている。介装されるワッシャ126の枚数及び厚みの少なくとも一方を調整することにより、内側隆起部104の台ベース100に対する高さが調整される。
尚、内側隆起部104は、ボルト124以外により取り付けられても良い。又、各ワッシャ126は、省略されても良い。
【0041】
各外側立板106は、台ベース100の上面から上方に突出しており上下左右に広がる板状であって、セット部102の径方向外側に配置されている。各外側立板106は、下端部に対して前後に延びるボルト130が通されることで、セット部102の下部に取り付けられている。
各外側立板106の径方向内方の内面には、粘着テープTの積層体の外周が接触し又は隣接している。
尚、外側立板106の数は、3つ以下、あるいは5つ以上であっても良く、外側立板106は、省略されても良い。各外側立板106の配置は、図示されたもの以外とされても良い。
【0042】
粘着テープTの積層体は、内側隆起部104及び各外側立板106により位置決めされる。粘着テープTの積層体は、セット部102により、貼付対象と同じ3次元形状を保持される。
粘着テープTの積層体における、粘着テープTの粘着面TA側の剥離紙と、その下側で隣接する粘着テープTの反粘着面TBとは、互いに付着していない。よって、ピックアップ部12における弱粘着体44は、粘着テープTの反粘着面TBに接触するだけで、容易に1枚の粘着テープTをピックアップすることができる。
【0043】
台ベース100上面の左後部及び右前部には、それぞれ、上下に延びるガイドピン108が設けられている。各ガイドピン108は、金属製であり、台ベース100の上面から上方に突出している。各ガイドピン108の上端は、内側隆起部104の上面より上方に位置している。各ガイドピン108の上端部は、半球状に丸められている。
各ガイドピン108は、上下に延びるボルト140により、台ベース100に取り付けられている。各ガイドピン108の下端部には、対応するボルト140の上部が入っている。
各ガイドピン108の外径は、貼付治具2のベース部10に係る対応するブッシュ11の内径と同様であり、より詳しくは、ブッシュ11の内径より僅かに小さい。
各ガイドピン108は、台側ガイド部を構成する。
尚、ガイドピン108の数は、1つ、あるいは3つ以上であっても良く、ガイドピン108は、台ベース100のコーナー部以外に配置されても良い。又、台側ガイド部を孔とすると共に治具側ガイド部をピンとする等、台側ガイド部及び治具側ガイド部は、相対的な移動を案内可能であれば、どのようなものであっても良い。
【0044】
テープ貼付装置1の動作例が、以下説明される。
【0045】
ユーザは、貼付治具2の取っ手24を握り、ベース部10におけるガイド孔28内のブッシュ11に対して、対応するテープ台4のガイドピン108を入れる。
又、ユーザは、貼付治具2を各ガイドピン108に沿ってテープ台4の台ベース100に対して近づけ、ピックアップ部12における弾性弱粘着部34の弱粘着体44を、粘着テープTの積層体における最も上の粘着テープTの反粘着面TBに付着させる。
このとき、貼付治具2の第1位置決め部20がテープ台4の内側隆起部104に接触し、溝74が対応する筋122に入る。又、ユーザによる取っ手24の更なる下方への移動により、第1位置決め部20並びに第1シャフト52及び第2シャフト62が、貼付治具本体部2Bに対して相対的に上昇し、貼付治具本体部2Bが第1コイルスプリング54の圧縮及び第2コイルスプリング64の圧縮による上方への付勢力を受ける。当該付勢力により、ピックアップ部12を含む貼付治具本体部2Bには緩衝作用が働く。又、ピックアップ部12における弾性弱粘着部34の弾性体40は、その弾性により、粘着テープTの弱粘着体44への付着時に緩衝作用を及ぼす。
【0046】
そして、ユーザが貼付治具2を上方へ戻すと、ピックアップ部12の粘着テープTに対する付着力が粘着テープTの積層体における剥離紙と反粘着面TBとの間の力より大きいため、最も上の粘着テープTが、積層体から離脱し、ピックアップ部12にピックアップされる。粘着テープTは、粘着面TA及び剥離紙を下側として、ピックアップ部12の下側に配置される。
ユーザは、貼付治具2をそのまま上昇させ、テープ台4から外す。
【0047】
次いで、ユーザは、粘着テープTの剥離紙を剥がして粘着面TAを露出させ、粘着テープTの粘着面TAを貼付対象であるバンパーの凹部の周縁部へ向けた状態で、貼付治具2における第2位置決め部22の爪部86を、貼付対象に隣接する所定位置であるバンパーの突起部に引っ掛ける。
これにより、貼付治具2は、貼付治具2から貼付対象への方向で見て粘着テープTがバンパーの凹部の周縁部と重なる位置であって、粘着テープTがバンパーの凹部の周縁部と所定の距離を置いた位置に位置決めされる。又、貼付治具2の第1位置決め部20は、バンパーの凹部の中央部に接触する。
尚、このとき、第1位置決め部20は、バンパーの凹部の中央部に隣接するようにして、バンパーの凹部の中央部に接触しなくても良い。又、粘着テープTの剥離紙は、第2位置決め部22あるいは第1位置決め部20による位置決め後に剥がされても良い。
【0048】
そして、ユーザは、取っ手24をバンパーの凹部に向けて押して行く。このとき、剥離後の粘着テープTを付着した貼付治具本体部2Bが、バンパーの凹部の周縁部に近づいていき、やがて粘着テープTの粘着面TAが、バンパーの凹部の周縁部に付着する。ユーザは、取っ手24を更に押し込んで、粘着テープTをバンパーの凹部の周縁部にしっかりと押さえ付ける。
このとき、貼付治具本体部2Bは、第1コイルスプリング54及び第2コイルスプリング64による緩衝作用を受ける。又、粘着テープTは、弾性弱粘着部34の弾性体40による緩衝作用を受ける。
かような押さえ付けにより、粘着テープTは、バンパーの凹部の周縁部に付着される。
【0049】
その後、ユーザは、第2位置決め部22を外した状態で、貼付治具2を粘着テープTから剥がす。粘着テープTの当該周縁部に対する付着力は、弱粘着体44の粘着テープTに対する付着力より大きいため、粘着テープTは当該周縁部に残存し、貼付治具2は粘着テープTから離れる。
ユーザは、取っ手24を握って貼付治具2を外しても良いし、ベース部10を掴んで貼付治具2を外しても良いし、これらを組み合わせることで貼付治具2を外しても良いし、他の部分により貼付治具2を外しても良い。
【0050】
ユーザは、適宜、以上の粘着テープTのピックアップ、及び貼付対象への付着を繰り返す。ユーザは、粘着テープTの積層体がなくなった場合、新たな粘着テープTの積層体をテープ台4にセットする。
ユーザは、ブッシュ11と3次元形状のピックアップ部12とを有する貼付治具2を、ガイドピン108を有するテープ台4に適用するだけで、1枚の粘着テープTを、貼付治具2の適切な位置に、3次元形状に追従させた状態でピックアップできる。よって、テープ貼付装置1による粘着テープTの付着が、十分に効率良く行え、当該付着の繰り返しが、十分に効率良く行える。
又、ユーザは、第1位置決め部20及び第2位置決め部22により、付着の習熟度にかかわらず、粘着テープTを、貼付対象からのずれが抑制された状態で、貼付対象に付着することができる。更に、ユーザは、貼付治具2において粘着テープTが3次元形状を保持していることにより、付着の習熟度にかかわらず、粘着テープTを、ねじれの発生及びしわの発生が抑制された状態で、貼付対象に付着することができる。
【0051】
以上のテープ貼付装置1は、貼付治具2と、テープ台4と、を備えている。貼付治具2は、粘着テープTをピックアップするピックアップ部12と、ガイド孔28及びブッシュ11と、を備えている。テープ台4は、粘着テープTをセットするセット部102と、ガイド孔28及びブッシュ11を案内するガイドピン108と、を備えている。貼付治具2は、テープ台4に、ガイド孔28及びブッシュ11がガイドピン108に案内された状態で接近して、セット部102にセットされた粘着テープTに対しピックアップ部12を接触させることで、ピックアップ部12において粘着テープTをピックアップする。
よって、ユーザは、貼付治具2の適切な位置に粘着テープTをピックアップでき、貼付治具2により、粘着テープTを、貼付対象に対し、ずれ、ねじれ及びしわを抑制した状態で付着させることができる。
又、ユーザは、粘着テープTのピックアップと貼付とを素早く繰り返すことができ、熟練度にかかわらず貼付の質を十分に保ちながら、貼付の効率をより良くすることができる。
これらの効果は、粘着テープTが3次元形状に追従せず2次元形状のままである場合にも発揮されるし、粘着テープTがリング状でない場合にも発揮される。
【0052】
又、テープ貼付装置1において、ピックアップ部12及びセット部102は、3次元形状を有している。よって、ユーザは、2次元形状の粘着テープTを2次元形状の貼付対象に貼付する場合に比べて貼付の質を保つことがより難しい、3次元形状に追従する粘着テープTを3次元形状の貼付対象に貼付する場合においても、粘着テープTを、ずれ、ねじれ及びしわを抑制した状態で、綺麗に効率良く付着させることができる。
更に、粘着テープTは、単体では貼付時の形状を維持できない程度の柔軟性を有している。よって、ユーザは、貼付の質を保つことが難しい単体では形状を維持できない粘着テープTを、貼付対象に対し、ずれ、ねじれ及びしわを抑制した状態で、綺麗に効率良く付着させることができる。
又更に、粘着テープTは、リング状である。よって、貼付の質を保つことが難しいリング状の粘着テープTを、貼付対象に対し、ずれ、ねじれ及びしわを抑制した状態で、綺麗に効率良く付着させることができる。
【0053】
加えて、ピックアップ部12は、ゲルを含む弱粘着体44を有している。よって、粘着テープTをピックアップし、粘着テープTの貼付対象への付着後には粘着テープTから離れ得るための要素が、弱粘着体44によって一層簡単に構成される。
又、ピックアップ部12は、更に、ピックアップ部本体32と、弾性体40と、を有している。弾性体40は、弱粘着体44とピックアップ部本体32との間に配置されている。よって、ユーザは、弾性体40による粘着テープTに係る緩衝作用を働かせることができ、粘着テープTのより良好な追従性による貼付の作業性の向上、及び圧接による十分な付着力の取得を図ることができる。
又更に、弾性体40における、上下方向の厚み、即ちピックアップ部本体32と弱粘着体44との間での大きさは、1mm以上4mm以下であれば、ピックアップ部12において、より適切な粘着テープTへの作用が得られる。
又、弾性体40と弱粘着体44との間、及び弾性体40とピックアップ部本体32との間、の少なくとも一方に、プライマーP1,P2が施されていれば、弾性を発揮する構造のために一般に他の部材を付着させ難いスポンジに代表される弾性体40に、弱粘着体44、ピックアップ部本体32が、十分な強度で付着する。
【0054】
加えて、貼付治具2は、更に、ベース部10と、第1位置決め部20と、第1シャフト52及び第2シャフト62と、を備えている。ベース部10に対し、ピックアップ部12が固定されていると共に、第1シャフト52及び第2シャフト62を介して第1位置決め部20がつながっている。第1位置決め部20は、粘着テープTを付着する対象である貼付対象に係る隣接部に対応する形状を有している。よって、ユーザは、粘着テープTを、貼付対象に対し、ずれ、ねじれ及びしわをより抑制した状態で、綺麗に効率良く付着させることができる。
又、貼付治具2は、更に、第1コイルスプリング54及び第2コイルスプリング64を有している。第1コイルスプリング54及び第2コイルスプリング64は、第1位置決め部20とベース部10との間に配置されている。よって、ユーザは、粘着テープTをピックアップするピックアップ部12を含む貼付治具本体部2Bに対する、第1コイルスプリング54及び第2コイルスプリング64の作用を利用することができる。
更に、第1コイルスプリング54,第2コイルスプリング64は、第1シャフト52,第2シャフト62に隣接するコイルスプリングであるから、貼付治具本体部2Bへの緩衝作用のための構造が、より簡単に構成される。又、テープ貼付装置1では、第1シャフト52,第2シャフト62が第1コイルスプリング54,第2コイルスプリング64の径方向内側に配置されているため、貼付治具本体部2Bへの緩衝作用のための構造が、よりコンパクトに構成される。
【0055】
加えて、貼付治具2は、更に、第2位置決め部22を備えている。第2位置決め部22は、粘着テープTを付着する対象である貼付対象に対して隣接する所定位置に係止可能である。よって、ユーザは、粘着テープTを、貼付対象に対し、ずれ、ねじれ及びしわをより抑制した状態で、綺麗に効率良く付着させることができる。
【符号の説明】
【0056】
1・・テープ貼付装置、2・・貼付治具、2B・・貼付治具本体、4・・テープ台、10・・ベース部、11・・ブッシュ(治具側ガイド部)、12・・ピックアップ部、20・・第1位置決め部、22・・第2位置決め部、28・・ガイド孔(治具側ガイド部)、32・・ピックアップ部本体、40・・(第1)弾性体、44・・弱粘着体、52・・第1シャフト(シャフト)、54・・第1コイルスプリング(第2弾性体,コイルスプリング)、62・・第2シャフト(シャフト)、64・・第2コイルスプリング(第2弾性体,コイルスプリング)、102・・セット部、108・・ガイドピン(台側ガイド部)、P1,P2・・プライマー、T・・粘着テープ。
図1
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図7
図8