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特開2025-9502メッシュ復号装置、メッシュ符号化装置、メッシュ復号方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009502
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】メッシュ復号装置、メッシュ符号化装置、メッシュ復号方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/107 20140101AFI20250110BHJP
   H04N 19/176 20140101ALI20250110BHJP
   H04N 19/54 20140101ALI20250110BHJP
【FI】
H04N19/107
H04N19/176
H04N19/54
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023112548
(22)【出願日】2023-07-07
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和5年度、総務省、「3次元空間データの無線伝送に向けた高能率圧縮技術の研究開発」委託事業、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ジン シュトウ
(72)【発明者】
【氏名】徐 建鋒
(72)【発明者】
【氏名】河村 圭
【テーマコード(参考)】
5C159
【Fターム(参考)】
5C159LC08
5C159LC09
5C159MA04
5C159MA05
5C159MC11
5C159NN31
5C159PP04
5C159TA18
5C159TB08
5C159TB18
5C159UA02
5C159UA05
(57)【要約】
【課題】符号化効率を向上させること。
【解決手段】本発明に係るメッシュ復号装置200の基本メッシュ復号部202は、基本メッシュのビットストリームをイントラフレームのビットストリームと部分インターフレームのビットストリームに分離する多重分離ブロックと、イントラフレームのビットストリームをイントラモードで復号するイントラ基本メッシュ復号ブロック202Aと、部分インターフレームのビットストリームを部分インターモードで復号する部分インター基本メッシュ復号ブロック103とを備える。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッシュ復号装置であって、
基本メッシュのビットストリームの一方をイントラモードで復号化し、前記基本メッシュのビットストリームの他方を部分インターモードで復号するように構成されている基本メッシュ復号部を備え、
前記基本メッシュ復号部は、
前記基本メッシュのビットストリームをイントラフレームのビットストリームと部分インターフレームのビットストリームに分離するように構成されている多重分離ブロックと、
前記イントラフレームのビットストリームをイントラモードで復号するように構成されているイントラ基本メッシュ復号ブロックと、
前記部分インターフレームのビットストリームを部分インターモードで復号するように構成されている部分インター基本メッシュ復号ブロックと、を備えることを特徴とするメッシュ復号装置。
【請求項2】
前記イントラ基本メッシュ復号ブロックは、
イントラフレームのビットストリームを、分離インデックスビットストリームと基本メッシュビットストリームとに分離するように構成されている多重分離ブロックと、
前記分離インデックスビットストリームを復号して、分離インデックスを生成するように構成されている分離インデックス復号ブロックと、
前記基本メッシュビットストリームを復号して、マージされた基本メッシュを生成するように構成されている静的メッシュ復号ブロックと、
前記マージされた基本メッシュの頂点及び面の順序変更を行い、イントラフレームの基本メッシュを出力するように構成されているメッシュ順序変更ブロックと、
前記分離インデックスを用いて、前記イントラフレームの基本メッシュを、追跡基本メッシュと非追跡基本メッシュに分離するように構成されているメッシュ分離ブロックと、を備えることを特徴とする請求項1に記載のメッシュ復号装置。
【請求項3】
前記メッシュ分離ブロックは、
前記イントラフレームの基本メッシュの頂点を、切断されたコンポーネントに分離し、前記コンポーネントのうちの前記分離インデックスに対応する数のコンポーネントを非追跡頂点に割り当て、前記コンポーネントのうちの残りのコンポーネントを追跡頂点に割り当てるように構成されている頂点分割ブロックと、
選択された頂点に従って、前記イントラフレームの基本メッシュの面を分離するように構成されている面選択ブロックと、を備えることを特徴とする請求項2に記載のメッシュ復号装置。
【請求項4】
前記部分インター基本メッシュ復号ブロックは、
部分インターフレームのビットストリームを、動きビットストリームと基本メッシュビットストリームとに分離するように構成されている多重分離ブロックと、
前記動きビットストリームを復号して、前記追跡基本メッシュの頂点位置を更新するように構成されている動き復号ブロックと、
前記基本メッシュビットストリームを復号して、非追跡基本メッシュを生成するように構成されている静的メッシュ復号ブロックと、
前記追跡基本メッシュ及び前記非追跡基本メッシュを単一の基本メッシュにマージするように構成されているメッシュマージブロックと、
前記マージされた基本メッシュの頂点及び面の順序変更を行い、イントラフレームの基本メッシュを出力するように構成されているメッシュ順序変更ブロックと、を備えることを特徴とする請求項1に記載のメッシュ復号装置。
【請求項5】
メッシュ符号化装置であって、
非追跡基本メッシュ及び追跡基本メッシュの2つの基本メッシュを生成するように構成されている前処理ブロックと、
前記非追跡基本メッシュをイントラ符号化モードで符号化するように構成されているイントラ符号化ブロックと、
前記追跡基本メッシュを部分インター符号化モードで符号化するように構成されている部分インター符号化ブロックと、を備えることを特徴とするメッシュ符号化装置。
【請求項6】
前記前処理ブロックは、基本メッシュを前記非追跡基本メッシュと前記追跡基本メッシュとに分離できるメッシュ分離サブブロックを含むことを特徴とする請求項5に記載のメッシュ符号化装置。
【請求項7】
前記イントラ符号化ブロックは、
分離インデックスを生成するように構成されているメッシュ計数ブロックと、
非追跡メッシュ及び追跡メッシュがマージされた基本メッシュを生成するように構成されているメッシュマージブロックと、
前記マージされた基本メッシュの頂点及び面の順序変更を行うように構成されているメッシュ順序変更ブロックと、
前記順序変更された基本メッシュを用いて変位量を更新するように構成されている変位量更新ブロックと、を備える請求項5に記載のメッシュ符号化装置。
【請求項8】
前記部分インター符号化ブロックは、
前記非追跡基本メッシュを符号化するように構成されている静的メッシュ符号化ブロックと、
前記追跡基本メッシュを符号化するように構成されている動き符号化ブロックと、
再構成された前記非追跡基本メッシュ及び前記追跡基本メッシュを単一のメッシュにマージするように構成されているメッシュマージブロックと、
前記マージされた基本メッシュの頂点及び面の順序変更を行うように構成されているメッシュ順序変更ブロックと、
前記順序変更された基本メッシュを用いて変位量を更新するように構成されている変位量更新ブロックと、を備えることを特徴とする請求項5に記載のメッシュ符号化装置。
【請求項9】
メッシュ復号方法であって、
基本メッシュのビットストリームの一方をイントラモードで復号化し、前記基本メッシュのビットストリームの他方を部分インターモードで復号する工程を有し、
前工程において、
前記基本メッシュのビットストリームをイントラフレームのビットストリームと部分インターフレームのビットストリームに分離し、
前記イントラフレームのビットストリームをイントラモードで復号し、
前記部分インターフレームのビットストリームを部分インターモードで復号することを特徴とするメッシュ復号方法。
【請求項10】
コンピュータを、メッシュ復号装置として機能させるプログラムであって、
前記メッシュ復号装置は、
基本メッシュのビットストリームの一方をイントラモードで復号化し、前記基本メッシュのビットストリームの他方を部分インターモードで復号するように構成されている基本メッシュ復号部を備え、
前記基本メッシュ復号部は、
前記基本メッシュのビットストリームをイントラフレームのビットストリームと部分インターフレームのビットストリームに分離するように構成されている多重分離ブロックと、
前記イントラフレームのビットストリームをイントラモードで復号するように構成されているイントラ基本メッシュ復号ブロックと、
前記部分インターフレームのビットストリームを部分インターモードで復号するように構成されている部分インター基本メッシュ復号ブロックと、を備えることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メッシュ復号装置、メッシュ符号化装置、メッシュ復号方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在のビデオベースのダイナミックメッシュ符号化(V-DMC)モデルには、(1)イントラフレーム符号化モードと(2)インターフレーム符号化モードという2つの符号化モードが存在する(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
異なるモードの選択は、入力されるダイナミックメッシュが追跡されるか否かによって決定される。
【0004】
追跡されたメッシュ(Tracked mesh:追跡メッシュ)は、図1(a)に示すように、フレーム間で1対1の頂点(vertex)の対応関係及び1対1のエッジの対応関係の両方を持つが、追跡されていないメッシュ(Non-tracked mesh:非追跡メッシュ)は、図1(b)に示すように、それらの対応関係を持たない。
【0005】
V-DMCは、追跡メッシュの場合、現在の基本メッシュの符号化をスキップし、現在の基本メッシュと以前の基本メッシュとの差分を符号化することで、より優れた時間予測を可能にする。
【0006】
一方、V-DMCにおいて、非追跡メッシュは、個別に符号化されるため、符号化効率が悪い。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Khaled Mammou, Jungsun Kim, Alexis M Tourapis, Dimitri Podborski, and Krasimir Kolarov, “[V-CG] Apple’s Dynamic Mesh Coding CfP Response,” April 2022, ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 7.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の従来技術では、入力されたダイナミックメッシュが追跡されているか否かに応じたイントラフレーム符号化モード及びインターフレーム符号化モードの2つの符号化モードしかない。
【0009】
しかしながら、図2(a)に示す非追跡メッシュにおいて、図2(b)に示すように、一部は追跡され(図2(b)におけるTracked part)、一部は追跡されないことがある(図2(b)におけるNon-tracked part)。
【0010】
このような場合、従来技術では、イントラフレーム符号化しか適用できず、符号化効率が低いという問題点があった。
【0011】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、符号化効率を向上させることができるメッシュ符号化装置、メッシュ復号装置、メッシュ符号化方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の特徴は、メッシュ復号装置であって、基本メッシュのビットストリームの一方をイントラモードで復号化し、前記基本メッシュのビットストリームの他方を部分インターモードで復号するように構成されている基本メッシュ復号部を備え、前記基本メッシュ復号部は、前記基本メッシュのビットストリームをイントラフレームのビットストリームと部分インターフレームのビットストリームに分離するように構成されている多重分離ブロックと、前記イントラフレームのビットストリームをイントラモードで復号するように構成されているイントラ基本メッシュ復号ブロックと、前記部分インターフレームのビットストリームを部分インターモードで復号するように構成されている部分インター基本メッシュ復号ブロックと、を備えることを要旨とする。
【0013】
本発明の第2の特徴は、メッシュ符号化装置であって、非追跡基本メッシュ及び追跡基本メッシュの2つの基本メッシュを生成するように構成されている前処理ブロックと、前記非追跡基本メッシュをイントラ符号化モードで符号化するように構成されているイントラ符号化ブロックと、前記追跡基本メッシュを部分インター符号化モードで符号化するように構成されている部分インター符号化ブロックと、を備えることを要旨とする。
【0014】
本発明の第3の特徴は、メッシュ復号方法であって、基本メッシュのビットストリームの一方をイントラモードで復号化し、前記基本メッシュのビットストリームの他方を部分インターモードで復号する工程を有し、前工程において、前記基本メッシュのビットストリームをイントラフレームのビットストリームと部分インターフレームのビットストリームに分離し、前記イントラフレームのビットストリームをイントラモードで復号し、前記部分インターフレームのビットストリームを部分インターモードで復号することを要旨とする。
【0015】
本発明の第4の特徴は、コンピュータを、メッシュ復号装置として機能させるプログラムであって、基本メッシュのビットストリームの一方をイントラモードで復号化し、前記メッシュ復号装置は、前記基本メッシュのビットストリームの他方を部分インターモードで復号するように構成されている基本メッシュ復号部を備え、前記基本メッシュ復号部は、前記基本メッシュのビットストリームをイントラフレームのビットストリームと部分インターフレームのビットストリームに分離するように構成されている多重分離ブロックと、前記イントラフレームのビットストリームをイントラモードで復号するように構成されているイントラ基本メッシュ復号ブロックと、前記部分インターフレームのビットストリームを部分インターモードで復号するように構成されている部分インター基本メッシュ復号ブロックと、を備えることを要旨とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、符号化効率を向上させることができるメッシュ復号装置、メッシュ符号化装置、メッシュ復号方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、従来技術を説明するための図である。
図2図2は、従来技術を説明するための図である。
図3図3は、一実施形態に係るメッシュ処理システム1の構成の一例を示す図である。
図4図4は、一実施形態に係るメッシュ符号化装置100の機能ブロックの一例を示す図である。
図5図5は、一実施形態に係るメッシュ符号化装置100の前処理部101の機能ブロックの一例について示す図である。
図6図6は、一実施形態に係るメッシュ符号化装置100の前処理部101の前処理サブブロック101Aの一例について説明するための図である。
図7図7は、一実施形態に係るメッシュ符号化装置100の前処理部101のメッシュ分離サブブロック101Bの動作の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、一実施形態に係るメッシュ符号化装置100のイントラ符号化ブロック102の機能ブロックの一例を示す図である。
図9図9は、一実施形態に係るメッシュ符号化装置100のイントラ符号化ブロック102のメッシュマージブロック102Cの動作の一例について説明するための図である。
図10図10は、一実施形態に係るメッシュ符号化装置100のイントラ符号化ブロック102のメッシュ計数ブロック102Aの動作の一例について説明するための図である。
図11図11は、非追跡基本メッシュp(j)及び追跡基本メッシュq(j)から、圧縮されたビットストリームb(j)が生成されるまでの大まかなイメージを示す図である。
図12図12は、一実施形態に係るメッシュ符号化装置100のイントラ符号化ブロック102のメッシュ計数ブロック102Aの動作の一例について示すフローチャートである。
図13図13は、一実施形態に係るメッシュ符号化装置100のイントラ符号化ブロック102のメッシュ順序変更ブロック102Gの機能ブロックの一例を示す図である。
図14図14は、一実施形態に係るメッシュ符号化装置100のイントラ符号化ブロック102のメッシュ順序変更ブロック102Gの面選択ブロック102G02の動作の一例について示すフローチャートである。
図15図15は、一実施形態に係るメッシュ符号化装置100の部分インター符号化ブロック103の機能ブロックの一例を示す図である。
図16図16は、本実施形態に係るメッシュ復号化装置200の機能ブロックの一例を示す図である。
図17図17は、本実施形態に係るメッシュ復号化装置200の基本メッシュ復号部202の機能ブロックの一例を示す図である。
図18図18は、本実施形態に係るメッシュ復号化装置200の基本メッシュ復号部202のイントラ基本メッシュ復号ブロック202Aの機能ブロックの一例を示す図である。
図19図19は、本実施形態に係るメッシュ復号化装置200の基本メッシュ復号部202のイントラ基本メッシュ復号ブロック202Aのメッシュ分離ブロック202A05の機能ブロックの一例を示す図である。
図20図20は、本実施形態に係るメッシュ復号化装置200の基本メッシュ復号部202のイントラ基本メッシュ復号ブロック202Aのメッシュ分離ブロック202A05の頂点分割サブブロック202A05Aの動作の一例について示すフローチャートである。
図21図21は、本実施形態に係るメッシュ復号化装置200の基本メッシュ復号部202の部分インター基本メッシュ復号ブロック202Bの機能ブロックの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態における構成要素は、適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組み合わせを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、以下の実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0019】
<第1実施形態>
以下、図3図21を参照して、本実施形態に係るメッシュ処理システム1について説明する。
【0020】
図3は、本実施形態に係るメッシュ処理システム1の構成の一例を示す図である。図3に示すように、メッシュ処理システム1は、メッシュ符号化装置100及びメッシュ復号装置200を備えている。
【0021】
以下、本実施形態において、フレームは、メッシュと同義であるものとする。
【0022】
<メッシュ符号化装置100>
図4は、本実施形態に係るメッシュ符号化装置100の機能ブロックの一例を示す図である。
【0023】
図4に示すように、メッシュ符号化装置100は、前処理ブロック101と、イントラ符号化ブロック102と、部分インター符号化ブロック103とを備える。
【0024】
前処理ブロック101は、非追跡基本メッシュ及び追跡基本メッシュの2つの基本メッシュを生成するように構成されている。
【0025】
ここで、図4に示すように、参照メッシュM(j)から生成された追跡基本メッシュq(j)は、インターフレーム符号化のために、部分インター符号化ブロック103に伝送される。
【0026】
(前処理ブロック101)
以下、図5図14を参照して、前処理ブロック101の一例について説明する。
【0027】
図5に示すように、前処理ブロック101は、前処理サブブロック101Aと、メッシュ分離サブブロック101Bとを備える。
【0028】
前処理サブブロック101Aは、非特許文献1に開示されているものと同じであり、図5及び図6に示すように、入力されるメッシュM(i)/M(j)から基本メッシュm(i)/m(j)及び変位量d(i)/d(j)を生成するように構成されている。
【0029】
メッシュ分離サブブロック101Bは、図5に示すように、基本メッシュm(i)/m(j)を入力とし、かかる基本メッシュm(i)/m(j)を非追跡基本メッシュp(i)/p(j)及び追跡基本メッシュq(i)/q(j)の2つに分離するように構成されている。
【0030】
以下、図7を参照して、メッシュ分離サブブロック101Bの一例について説明する。
【0031】
図7に示すように、ステップS101B-1において、メッシュ分離ブロック101Bは、基本メッシュm(i)/m(j)の面が全て処理されたか否かを判定する。
【0032】
Yesであれば、メッシュ分離ブロック101Bは、本処理を終了する。Noであれば、メッシュ分離ブロック101Bは、ステップS101B-2に進む。
【0033】
ステップS101B-2において、メッシュ分離ブロック101Bは、現在の面の3つの頂点の平均の高さhを計算する。
【0034】
例えば、現在の面の3つの頂点の座標が、(x,y,z)、(x,y,z)及び(x,y,z)である場合、かかる3つの頂点の平均の高さhは、(z+z+z)/3である。
【0035】
ステップS101B-3において、メッシュ分離ブロック101Bは、上述の平均の高さhが、閾値hよりも大きいか否かについて判定する。
【0036】
Yesの場合、メッシュ分離ブロック101Bは、ステップS101B-4において、現在の面を追跡基本メッシュq(i)/q(j)に追加する。
【0037】
一方、Noの場合、メッシュ分離ブロック101Bは、ステップS101B-5において、現在の面を非追跡基本メッシュp(i)/p(j)に追加する。
【0038】
その後、メッシュ分離ブロック101Bは、ステップS101B-6において、次の面に対する処理に進む。
【0039】
(イントラ符号化ブロック102)
図8に、イントラ符号化ブロック102の機能ブロックの一例を示す。
【0040】
図8に示すように、イントラ符号化ブロック102は、メッシュ計数ブロック102Aと、分離インデックス符号化ブロック102Bと、メッシュマージブロック102Cと、量子化ブロック102Dと、静的メッシュ符号化ブロック102Eと、静的メッシュ復号ブロック102Fと、メッシュ順序変更ブロック102Gと、変位量更新ブロック102Hと、変位量符号化ブロック102Iと、テクスチャ符号化ブロック102Jと、MUX102Kとを備える。
【0041】
図9に示すように、非追跡基本メッシュp(j)及び追跡基本メッシュq(j)は、メッシュマージブロック102Cによって、マージされた基本メッシュm'(j)としてマージされる。
【0042】
マージされた基本メッシュm'(j)は、量子化ブロック102D及び静的メッシュ符号化ブロック102Eによって、圧縮された基本メッシュビットストリームに圧縮される。
【0043】
さらに、図10に示すように、メッシュ計数ブロック102Aは、入力されたメッシュにおける切断されたコンポーネントの数を計数するように構成されている。
【0044】
図10(a)の例では、メッシュ計数ブロック102Aは、入力されたメッシュにおける切断されたコンポーネント1~5の数を計数して「5」を出力する。
【0045】
一方、図10(b)の例では、メッシュ計数ブロック102Aは、入力されたメッシュにおける切断されたコンポーネント1~3の数を計数して「3」を出力する。
【0046】
本実施形態では、メッシュ計数ブロック102Aは、非追跡基本メッシュにおける切断されたコンポーネントの数を計数し、かかる計数結果を分離インデックスh(j)として分離インデックス符号化ブロック102Bに送り、分離インデックス符号化ブロック102Bは、分離インデックスh(j)を符号化して圧縮された分離インデックスビットストリームとしてMUX102Kに送信する。
【0047】
さらに、メッシュ順序変更ブロック102Gは、再構成された基本メッシュm''(j)の頂点及び面の順序を変更して再順位付け基本メッシュm'''(j)として変位量更新ブロック102Hに送信し、変位量更新ブロック102Hは、再順位付け基本メッシュm'''(j)に応じて変位量の順序を更新する。
【0048】
なお、量子化ブロック102D、静的メッシュ符号化ブロック102E、静的メッシュ復号ブロック102F、変位量更新ブロック102H、変位量符号化ブロック102I、テクスチャ符号化ブロック102J及びMUX102Kは、非特許文献1に記載されているものと同じである。
【0049】
図11に、非追跡基本メッシュp(j)及び追跡基本メッシュq(j)から、圧縮されたビットストリームb(j)が生成されるまでの大まかなイメージを示す。
【0050】
図12を参照して、メッシュ計数ブロック102Aの動作の一例について説明する。
【0051】
図12に示すように、ステップS102A-1において、メッシュ計数ブロック102Aは、Q及びV’を空集合とし、Countを0とする。ここで、V’は、頂点の集合であり、Countは、入力されたメッシュにおける切断されたコンポーネント数である。
【0052】
ステップS102A-2において、メッシュ計数ブロック102Aは、全ての頂点を訪れたか否かについて判定する。
【0053】
Yesの場合、メッシュ計数ブロック102Aは、本動作を終了する。一方、Noの場合、メッシュ計数ブロック102Aは、ステップS102A-3に進む。
【0054】
ステップS102A-3において、メッシュ計数ブロック102Aは、現在の頂点が既に訪問済みであるか否かについて判定する。
【0055】
Yesの場合、メッシュ計数ブロック102Aは、ステップS102A-2に戻る。一方、Noの場合、メッシュ計数ブロック102Aは、ステップS102A-4に進む。
【0056】
ステップS102A-4において、メッシュ計数ブロック102Aは、現在の頂点をQの末尾に追加する。
【0057】
ステップS102A-5において、メッシュ計数ブロック102Aは、Qが空か否かについて判定する。
【0058】
Yesの場合、メッシュ計数ブロック102Aは、ステップS102A-6に進む。一方、Noの場合、メッシュ計数ブロック102Aは、ステップS102A-7に進む。
【0059】
ステップ102A-6において、メッシュ計数ブロック102Aは、Countに1を加える。
【0060】
ステップ102A-7において、メッシュ計数ブロック102Aは、Qの最初の要素に接続されている全ての頂点を探索する。
【0061】
ステップ102A-8において、メッシュ計数ブロック102Aは、Qの最初の要素に接続されている全ての頂点を訪問しているか否かについて判定する。
【0062】
Yesの場合、メッシュ計数ブロック102Aは、ステップS102A-9に進む。一方、Noの場合、メッシュ計数ブロック102Aは、ステップS102A-10に進む。
【0063】
ステップ102A-9において、メッシュ計数ブロック102Aは、Qから最初の要素を削除してV’に追加する。
【0064】
ステップ102A-10において、メッシュ計数ブロック102Aは、現在の頂点に隣接する頂点が訪問済みであるか否かについて判定する。
【0065】
Yesの場合、メッシュ計数ブロック102Aは、ステップS102A-8に戻る。一方、Noの場合、メッシュ計数ブロック102Aは、ステップS102A-11に進む。
【0066】
ステップ102A-10において、メッシュ計数ブロック102Aは、現在の頂点に隣接する頂点をQの末尾に追加する。
【0067】
メッシュ計数ブロック102Aは、Countの値を出力する。
【0068】
分離インデックス符号化ブロック102Bは、分離インデックスh(j)を圧縮された分離インデックスビットストリームに圧縮するように構成されている。
【0069】
メッシュマージブロック102Cは、分離されたメッシュ(非追跡基本メッシュp(j)及び追跡基本メッシュq(j))を、単一のメッシュ(マージされた基本メッシュm’(j))にマージする。
【0070】
ここで、メッシュマージブロック102Cに入力されるメッシュが、{V,F}及び{V,F}であり、V及びVが頂点の集合であり、F及びFが面の集合である場合、メッシュマージブロック102Cによって生成されるマージされた基本メッシュm’(j)は、{V∪V,F∪(F+|V|)}である。ここで、|V|は、Vの全頂点数である。
【0071】
メッシュ順序変更ブロック102Gは、頂点及び面の順序を変更するように構成されている。
【0072】
図13は、メッシュ順序変更ブロック102Gの機能ブロックの一例を示す図である。
【0073】
図13に示すように、メッシュ順序変更ブロック102Gは、メッシュ計数ブロック102G01と、面選択ブロック102G02とを備える。
【0074】
ここで、メッシュ計数ブロック102G01は、出力がステップ102A-1に示すV’であることを除いて、図12に示すメッシュ計数ブロック102Aと同じ動作を行う。
【0075】
図14を参照して、面選択ブロック102G02の動作の一例について説明する。
【0076】
図14に示すように、ステップS102G02-1において、面選択ブロック102G02は、新しい面集合F’を空集合として初期化する。
【0077】
ステップS102G02-2において、面選択ブロック102G02は、全ての頂点が既に訪問済みか否かについて判定する。
【0078】
Yesの場合、面選択ブロック102G02は、本動作を終了する。一方、Noの場合、面選択ブロック102G02は、ステップS102G02-3に進む。
【0079】
ステップS102G02-3において、面選択ブロック102G02は、現在の頂点に接続している全ての面を探索する。
【0080】
ステップS102G02-4において、面選択ブロック102G02は、全ての面が既に訪問済みか否かについて判定する。
【0081】
Yesの場合、面選択ブロック102G02は、ステップS102G02-2に戻る。一方、Noの場合、面選択ブロック102G02は、ステップS102G02-5に進む。
【0082】
ステップS102G02-4において、面選択ブロック102G02は、現在の面が既に訪問済みか否かについて判定する。
【0083】
Yesの場合、面選択ブロック102G02は、ステップS102G02-7に進み。一方、Noの場合、面選択ブロック102G02は、ステップS102G02-6に進む。
【0084】
ステップS102G02-6において、面選択ブロック102G02は、現在の面をF’に追加する。
【0085】
ステップS102G02-7において、面選択ブロック102G02は、次の面に進む。
【0086】
(部分インター符号化ブロック103)
図15は、部分インター符号化ブロック103の機能ブロックの一例を示す図である。
【0087】
図15に示すように、部分インター符号化ブロック103は、量子化ブロック103Aと、静的メッシュ符号化ブロック103Bと、動き符号化ブロック103Cと、静的メッシュ復号ブロック103Dと、メッシュマージブロック103Eと、メッシュ順序変更ブロック103Fと、変位量更新ブロック103Gと、変位量符号化ブロック103Hと、テクスチャ符号化ブロック103Iと、MUX103Jとを備える。
【0088】
動き符号化ブロック103Cは、非特許文献1に記載されているのものと同じである。また、図15におけるブロックは、基本的に、図8において同じ名称を有するブロックと同一の機能を有する。
【0089】
部分インター符号化ブロック103の特徴は、現在の非追跡基本メッシュp(i)が、静的メッシュ符号化ブロック103Bによって圧縮される一方、追跡基本q(i)が、動き符号化ブロック103Cによって用いて圧縮されることである。
【0090】
<メッシュ復号化装置200>
図16は、本実施形態に係るメッシュ復号化装置200の機能ブロックの一例を示す図である。
【0091】
図16に示すように、メッシュ復号化装置200は、多重分離部201と、基本メッシュ復号部202と、変位量復号部203と、映像復号部204と、細分割部205と、メッシュ復号部206とを備える。
【0092】
多重分離部201は、ビットストリームを基本メッシュビットストリーム、変位量ビットストリーム及びテクスチャビットストリームの3つに分離するように構成されている。
【0093】
(基本メッシュ復号部202)
図17は、基本メッシュ復号部202の機能ブロックの一例を示す図である。
【0094】
図17に示すように、基本メッシュ復号部202は、イントラ基本メッシュ復号ブロック202Aと、部分インター基本メッシュ復号ブロック202Bとを備える。
【0095】
イントラ基本メッシュ復号ブロック202Aは、イントラフレームの基本メッシュのビットストリームを復号し、再構成されたイントラフレームの基本メッシュを出力するように構成されている。
【0096】
部分インター基本メッシュ復号ブロック202Bは、現在のフレームの基本メッシュのビットストリームを復号し、再構成された現在のフレームの基本メッシュのビットストリームを出力するように構成されている。
【0097】
図18は、イントラ基本メッシュ復号ブロック202Aの機能ブロックの一例を示す図である。
【0098】
図18に示すように、イントラ基本メッシュ復号ブロック202Aは、多重分離ブロック202A01と、分離インデックス復号ブロック202A02と、静的メッシュ復号ブロック202A03と、メッシュ順序変更ブロック202A04と、メッシュ分離ブロック202A05とを備える。
【0099】
多重分離ブロック202A01は、イントラフレームのビットストリームを、分離インデックスビットストリームと基本メッシュビットストリームとの2つに分離するように構成されている。
【0100】
分離インデックス復号ブロック202A02は、分離インデックスビットストリームを復号し、分離インデックスj(j)を得るように構成されている。
【0101】
静的メッシュ復号ブロック202A03は、基本メッシュビットストリームを復号し、マージされた基本ベースメッシュm'(j)を得るように構成されている。
【0102】
メッシュ順序変更ブロック202A04は、図13に示すメッシュ順序変更ブロック102Gと同様に、マージされた基本メッシュm’(j)の頂点の順序及び面の順序を変更するように構成されている。
【0103】
図19は、メッシュ分離ブロック202A05の機能ブロックの一例を示す図である。
【0104】
図19に示すように、メッシュ分離ブロック202A05は、頂点分割サブブロック202A05Aと、面選択ブロック202A05Bとを備える。
【0105】
図20を参照して、頂点分割サブブロック202A05Aの動作の一例について説明する。
【0106】
図20に示すように、ステップS202A05-1において、頂点分割サブブロック202A05Aは、V’、V’’、Q及びCountを初期化する。ここで、V’は、初期頂点間集合で、V’’は、初期頂点内集合である。
【0107】
なお、ステップS202A05-2~ステップS202A05-8、ステップS202A05-9~ステップS202A05-10の動作は、それぞれ図12に示すステップS102A05-2~ステップS102A05-8、ステップS102A05-10~ステップS102A05-11の動作と同じである。
【0108】
ステップS202A05-11において、頂点分割サブブロック202A05Aは、Countが分離インデックスh(j)より大きいか否かについて判定する。
【0109】
Yesの場合、頂点分割サブブロック202A05Aは、ステップS202A05-13に進む。一方、Noの場合、頂点分割サブブロック202A05Aは、ステップS202A05-12に進む。
【0110】
ステップS202A05-12において、頂点分割サブブロック202A05Aは、Qから最初の要素を削除してV’に追加する。
【0111】
ステップS202A05-13において、頂点分割サブブロック202A05Aは、Qから最初の要素を削除してV’’に追加する。
【0112】
面選択ブロック202A05Bの動作は、図14に示す面選択ブロック102G02の動作と同一である。面選択ブロック202A05Bは、再構成された基本メッシュから、入力された頂点に接続されている全ての面を選択する。
【0113】
図21は、部分インター基本メッシュ復号ブロック202Bの機能ブロックの一例を示す図である。
【0114】
図21に示すように、部分インター基本メッシュ復号ブロック202Bは、多重分離ブロック202B01と、動き復号ブロック202B02と、静的メッシュ復号ブロック202B03と、メッシュマージブロック202B04と、メッシュ順序変更ブロック202B05とを備える。
【0115】
多重分離ブロック202B01は、部分インターフレームのビットストリームを、動きビットストリームと基本メッシュビットストリームとの2つに分離するように構成されている。
【0116】
動き復号ブロック202B02は、動きビットストリームを動きベクトルとして復号し、動きベクトルをイントラフレームの追跡基本メッシュq''(j)に加算して、現在のフレームの追跡基本メッシュq''(i)を得るように構成されている。
【0117】
動き復号ブロック202B02は、非特許文献1に記載されているものと同じである。
【0118】
静的メッシュ復号ブロック202B03は、基本メッシュビットストリームを復号し、現在のフレームの非追跡基本メッシュp''(i)を得る。
【0119】
メッシュマージブロック202B04は、現在のフレームの追跡基本メッシュq''(i)(再構成された追跡基本メッシュ)及び現在のフレームの非追跡基本メッシュp''(i)(再構成された非追跡基本メッシュ)を単一のメッシュm'(i)としてマージする。
【0120】
メッシュ順序変更ブロック202B05は、頂点及び面の順序を変更し、現在のフレームの再構成された基本メッシュm''(i)を得る。
【0121】
上述のメッシュ符号化装置100及びメッシュ復号装置200は、コンピュータに各機能(各工程)を実行させるプログラムであって実現されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0122】
なお、本実施形態によれば、例えば、動画像通信において総合的なサービス品質の向上を実現できることから、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る」に貢献することが可能となる。
【符号の説明】
【0123】
1…メッシュ処理システム
100…メッシュ符号化装置
101…前処理ブロック
101A…前処理サブブロック
101B…メッシュ分離サブブロック
102…イントラ符号化ブロック
102A…メッシュ計数ブロック
102B…分離インデックス符号化ブロック
102C、103E、202B04…メッシュマージブロック
102D、103A…量子化ブロック
102E、103B…静的メッシュ符号化ブロック
102F、103D…静的メッシュ復号ブロック
102G、103F、202B05…メッシュ順序変更ブロック
102G01…メッシュ計数ブロック
102G02…面選択ブロック
102H、103G…変位量更新ブロック
102I、103H…変位量符号化ブロック
102J、103I…テクスチャ符号化ブロック
102K、103J…MUX
103…部分インター符号化ブロック
103C…動き符号化ブロック
200…メッシュ復号装置
201…多重分離部
202…基本メッシュ復号部
202A…イントラ基本メッシュ復号ブロック
202A01、202B01…多重分離ブロック
202A02…分離インデックス復号ブロック
202A03、202B03…静的メッシュ復号ブロック
202A04…メッシュ順序変更ブロック
202A05…メッシュ分離ブロック
202A05A…頂点分割サブブロック
202A05B…面選択ブロック
202B…部分インター基本メッシュ復号ブロック
202B02…動き復号ブロック
203…変位量復号部
204…映像復号部
205…細分割部
206…メッシュ復号部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21