(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009503
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】メッシュ復号装置、メッシュ符号化装置、メッシュ復号方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 19/107 20140101AFI20250110BHJP
H04N 19/54 20140101ALI20250110BHJP
H04N 19/176 20140101ALI20250110BHJP
【FI】
H04N19/107
H04N19/54
H04N19/176
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023112549
(22)【出願日】2023-07-07
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和5年度、総務省、「3次元空間データの無線伝送に向けた高能率圧縮技術の研究開発」委託事業、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ジン シュトウ
(72)【発明者】
【氏名】徐 建鋒
(72)【発明者】
【氏名】河村 圭
【テーマコード(参考)】
5C159
【Fターム(参考)】
5C159LC08
5C159LC09
5C159MA04
5C159MA05
5C159MC11
5C159NN31
5C159PP04
5C159TA18
5C159TB08
5C159TB18
5C159UA02
5C159UA05
(57)【要約】
【課題】符号化効率を向上させること。
【解決手段】本発明に係るメッシュ復号装置200の基本メッシュ復号部202のイントラ基本メッシュ復号ブロック202Aは、イントラフレームのビットストリームを追跡基本メッシュのビットストリームと非追跡基本メッシュのビットストリームとに分離する多重分離ブロック202A01と、追跡基本メッシュのビットストリーム及び追跡基本メッシュのビットストリームのそれぞれを復号し、再構築された追跡基本メッシュ及び非追跡基本メッシュを取得する静的メッシュ復号ブロック202A02と、追跡基本メッシュ及び非追跡基本メッシュを1つの基本メッシュにマージするメッシュマージブロック202A03とを備える。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッシュ復号装置であって、
基本メッシュのビットストリームの一方をイントラモードで復号し、前記基本メッシュのビットストリームの他方を部分インターモードで復号するように構成されている基本メッシュ復号部を備え、
前記基本メッシュ復号部は、
前記基本メッシュのビットストリームをイントラフレームのビットストリームと部分インターフレームのビットストリームとに分離するように構成されている多重分離ブロックと、
前記イントラフレームのビットストリームをイントラモードで復号するように構成されているイントラ基本メッシュ復号ブロックと、
前記部分インターフレームのビットストリームを部分インターモードで復号するように構成されている部分インター基本メッシュ復号ブロックと、を備え、
前記イントラ基本メッシュ復号ブロックは、
前記イントラフレームのビットストリームを追跡基本メッシュのビットストリームと非追跡基本メッシュのビットストリームとに分離するように構成されている多重分離ブロックと、
前記追跡基本メッシュのビットストリーム及び前記非追跡基本メッシュのビットストリームのそれぞれを復号し、再構築された追跡基本メッシュ及び非追跡基本メッシュを取得するように構成されている静的メッシュ復号ブロックと、
前記追跡基本メッシュ及び前記非追跡基本メッシュを1つの基本メッシュにマージするように構成されているメッシュマージブロックと、を備えることを特徴とするメッシュ復号装置。
【請求項2】
メッシュ復号装置であって、
基本メッシュのビットストリームの一方をイントラモードで復号し、前記基本メッシュのビットストリームの他方を部分インターモードで復号するように構成されている基本メッシュ復号部を備え、
前記基本メッシュ復号部は、
前記基本メッシュのビットストリームをイントラフレームのビットストリームと部分インターフレームのビットストリームとに分離するように構成されている多重分離ブロックと、
前記イントラフレームのビットストリームをイントラモードで復号するように構成されているイントラ基本メッシュ復号ブロックと、
前記部分インターフレームのビットストリームを部分インターモードで復号するように構成されている部分インター基本メッシュ復号ブロックと、を備え、
前記部分インター基本メッシュ復号ブロックは、
部分インターフレームのビットストリームを、動きビットストリームと基本メッシュビットストリームとに分離するように構成されている多重分離ブロックと、
前記動きビットストリームを復号し、追跡基本メッシュの頂点位置を更新する動き復号ブロックと、
前記基本メッシュビットストリームを復号し、非追跡基本メッシュを生成するように構成されている静的メッシュ復号ブロックと、
前記追跡基本メッシュ及び前記非追跡基本メッシュを1つの基本メッシュにマージするように構成されているメッシュマージブロックと、を備えることを特徴とするメッシュ復号装置。
【請求項3】
メッシュ符号化装置であって、
非追跡基本メッシュ及び追跡基本メッシュの2つの基本メッシュを生成するように構成されている前処理ブロックと、
前記非追跡基本メッシュをイントラ符号化モードで符号化するように構成されているイントラ符号化ブロックと、
前記追跡基本メッシュを部分インター符号化モードで符号化するように構成されている部分インター符号化ブロックと、を備え、
前記イントラ符号化ブロックは、
前記非追跡基本メッシュ及び前記追跡基本メッシュを別々に符号化するように構成されている静的メッシュ符号化ブロックと、
再構成された前記非追跡基本メッシュ及び再構成された前記追跡基本メッシュを1つの基本メッシュにマージするように構成されているメッシュマージブロックと、
前記マージされた基本メッシュに応じて、変位量を更新するように構成されている変位量更新ブロックと、を備えることを特徴とするメッシュ符号化装置。
【請求項4】
前記前処理ブロックは、前記基本メッシュを前記非追跡基本メッシュと前記追跡基本メッシュとに分離できるメッシュ分離サブブロックを含むことを特徴とする請求項3に記載のメッシュ符号化装置。
【請求項5】
前記部分インター符号化ブロックは、
前記非追跡基本メッシュを符号化するように構成されている静的メッシュ符号化ブロックと、
前記追跡基本メッシュを符号化するように構成されている動き符号化ブロックと、
再構成された非追跡基本メッシュ及び再構成された追跡基本メッシュを1つの基本メッシュにマージするように構成されているメッシュマージブロックと、
前記マージされた基本メッシュに応じて、変位量を更新するように構成されている変位量更新ブロックと、を備えることを特徴とする請求項3に記載のメッシュ符号化装置。
【請求項6】
メッシュ復号方法であって、
基本メッシュのビットストリームの一方をイントラモードで復号し、前記基本メッシュのビットストリームの他方を部分インターモードで復号する工程を有し、
前工程において、
前記基本メッシュのビットストリームをイントラフレームのビットストリームと部分インターフレームのビットストリームとに分離する工程Aと、
前記イントラフレームのビットストリームをイントラモードで復号する工程Bと、
前記部分インターフレームのビットストリームを部分インターモードで復号する工程Cと、を有し、
前記工程Bにおいて、
前記イントラフレームのビットストリームを追跡基本メッシュのビットストリームと非追跡基本メッシュのビットストリームに分離し、
前記追跡基本メッシュのビットストリーム及び前記非追跡基本メッシュのビットストリームのそれぞれを復号し、再構築された追跡基本メッシュ及び非追跡基本メッシュを取得し、
前記追跡基本メッシュ及び前記非追跡基本メッシュを1つの基本メッシュにマージすることを特徴とするメッシュ復号方法。
【請求項7】
コンピュータを、メッシュ復号装置として機能させるプログラムであって、
前記メッシュ復号装置は、
基本メッシュのビットストリームの一方をイントラモードで復号し、前記基本メッシュのビットストリームの他方を部分インターモードで復号するように構成されている基本メッシュ復号部を備え、
前記基本メッシュ復号部は、
前記基本メッシュのビットストリームをイントラフレームのビットストリームと部分インターフレームのビットストリームとに分離するように構成されている多重分離ブロックと、
前記イントラフレームのビットストリームをイントラモードで復号するように構成されているイントラ基本メッシュ復号ブロックと、
前記部分インターフレームのビットストリームを部分インターモードで復号するように構成されている部分インター基本メッシュ復号ブロックと、を備え、
前記イントラ基本メッシュ復号ブロックは、
前記イントラフレームのビットストリームを追跡基本メッシュのビットストリームと非追跡基本メッシュのビットストリームとに分離するように構成されている多重分離ブロックと、
前記追跡基本メッシュのビットストリーム及び前記非追跡基本メッシュのビットストリームのそれぞれを復号し、再構築された追跡基本メッシュ及び非追跡基本メッシュを取得するように構成されている静的メッシュ復号ブロックと、
前記追跡基本メッシュ及び前記非追跡基本メッシュを1つの基本メッシュにマージするように構成されているメッシュマージブロックと、を備えることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メッシュ復号装置、メッシュ符号化装置、メッシュ復号方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在のビデオベースのダイナミックメッシュ符号化(V-DMC)モデルには、(1)イントラフレーム符号化モードと(2)インターフレーム符号化モードという2つの符号化モードが存在する(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
異なるモードの選択は、入力されるダイナミックメッシュが追跡されるか否かによって決定される。
【0004】
追跡されたメッシュ(Tracked mesh:追跡メッシュ)は、
図1(a)に示すように、フレーム間で1対1の頂点(vertex)の対応関係及び1対1のエッジの対応関係の両方を持つが、追跡されていないメッシュ(Non-tracked mesh:非追跡メッシュ)は、
図1(b)に示すように、それらの対応関係を持たない。
【0005】
V-DMCは、追跡メッシュの場合、現在の基本メッシュの符号化をスキップし、現在の基本メッシュと以前の基本メッシュとの差分を符号化することで、より優れた時間予測を可能にする。
【0006】
一方、V-DMCにおいて、非追跡メッシュは、個別に符号化されるため、符号化効率が悪い。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Khaled Mammou, Jungsun Kim, Alexis M Tourapis, Dimitri Podborski, and Krasimir Kolarov, “[V-CG] Apple’s Dynamic Mesh Coding CfP Response,” April 2022, ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 7.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の従来技術では、入力されたダイナミックメッシュが追跡されているか否かに応じたイントラフレーム符号化モード及びインターフレーム符号化モードの2つの符号化モードしかない。
【0009】
しかしながら、
図2(a)に示す非追跡メッシュにおいて、
図2(b)に示すように、一部は追跡され(
図2(b)におけるTracked part)、一部は追跡されないことがある(
図2(b)におけるNon-tracked part)。
【0010】
このような場合、従来技術では、イントラフレーム符号化しか適用できず、符号化効率が低いという問題点があった。
【0011】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、符号化効率を向上させることができるメッシュ符号化装置、メッシュ復号装置、メッシュ符号化方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の特徴は、メッシュ復号装置であって、基本メッシュのビットストリームの一方をイントラモードで復号し、前記基本メッシュのビットストリームの他方を部分インターモードで復号するように構成されている基本メッシュ復号部を備え、前記基本メッシュ復号部は、前記基本メッシュのビットストリームをイントラフレームのビットストリームと部分インターフレームのビットストリームとに分離するように構成されている多重分離ブロックと、前記イントラフレームのビットストリームをイントラモードで復号するように構成されているイントラ基本メッシュ復号ブロックと、前記部分インターフレームのビットストリームを部分インターモードで復号するように構成されている部分インター基本メッシュ復号ブロックと、を備え、前記イントラ基本メッシュ復号ブロックは、前記イントラフレームのビットストリームを追跡基本メッシュのビットストリームと非追跡基本メッシュのビットストリームとに分離するように構成されている多重分離ブロックと、前記追跡基本メッシュのビットストリーム及び前記非追跡基本メッシュのビットストリームのそれぞれを復号し、再構築された追跡基本メッシュ及び非追跡基本メッシュを取得するように構成されている静的メッシュ復号ブロックと、前記追跡基本メッシュ及び前記非追跡基本メッシュを1つの基本メッシュにマージするように構成されているメッシュマージブロックと、を備えることを要旨とする。
【0013】
本発明の第2の特徴は、メッシュ復号装置であって、基本メッシュのビットストリームの一方をイントラモードで復号し、前記基本メッシュのビットストリームの他方を部分インターモードで復号するように構成されている基本メッシュ復号部を備え、前記基本メッシュ復号部は、前記基本メッシュのビットストリームをイントラフレームのビットストリームと部分インターフレームのビットストリームとに分離するように構成されている多重分離ブロックと、前記イントラフレームのビットストリームをイントラモードで復号するように構成されているイントラ基本メッシュ復号ブロックと、前記部分インターフレームのビットストリームを部分インターモードで復号するように構成されている部分インター基本メッシュ復号ブロックと、を備え、前記部分インター基本メッシュ復号ブロックは、部分インターフレームのビットストリームを、動きビットストリームと基本メッシュビットストリームとに分離するように構成されている多重分離ブロックと、前記動きビットストリームを復号し、追跡基本メッシュの頂点位置を更新する動き復号ブロックと、前記基本メッシュビットストリームを復号し、非追跡基本メッシュを生成するように構成されている静的メッシュ復号ブロックと、前記追跡基本メッシュ及び前記非追跡基本メッシュを1つの基本メッシュにマージするように構成されているメッシュマージブロックと、を備えることを要旨とする。
【0014】
本発明の第3の特徴は、メッシュ符号化装置であって、非追跡基本メッシュ及び追跡基本メッシュの2つの基本メッシュを生成するように構成されている前処理ブロックと、前記非追跡基本メッシュをイントラ符号化モードで符号化するように構成されているイントラ符号化ブロックと、前記追跡基本メッシュを部分インター符号化モードで符号化するように構成されている部分インター符号化ブロックと、を備え、前記イントラ符号化ブロックは、前記非追跡基本メッシュ及び前記追跡基本メッシュを別々に符号化するように構成されている静的メッシュ符号化ブロックと、再構成された前記非追跡基本メッシュ及び再構成された前記追跡基本メッシュを1つの基本メッシュにマージするように構成されているメッシュマージブロックと、前記マージされた基本メッシュに応じて、変位量を更新するように構成されている変位量更新ブロックと、を備えることを要旨とする。
【0015】
本発明の第4の特徴は、メッシュ復号方法であって、基本メッシュのビットストリームの一方をイントラモードで復号し、前記基本メッシュのビットストリームの他方を部分インターモードで復号する工程を有し、前工程は、前記基本メッシュのビットストリームをイントラフレームのビットストリームと部分インターフレームのビットストリームとに分離する工程Aと、前記イントラフレームのビットストリームをイントラモードで復号する工程Bと、前記部分インターフレームのビットストリームを部分インターモードで復号する工程Cと、を有し、前記工程Bにおいて、前記イントラフレームのビットストリームを追跡基本メッシュのビットストリームと非追跡基本メッシュのビットストリームとに分離し、前記追跡基本メッシュのビットストリーム及び前記非追跡基本メッシュのビットストリームのそれぞれを復号し、再構築された追跡基本メッシュ及び非追跡基本メッシュを取得し、前記追跡基本メッシュ及び前記非追跡基本メッシュを1つの基本メッシュにマージすることを要旨とする。
【0016】
本発明の第5の特徴は、コンピュータを、メッシュ復号装置として機能させるプログラムであって、前記メッシュ復号装置は、基本メッシュのビットストリームの一方をイントラモードで復号し、前記基本メッシュのビットストリームの他方を部分インターモードで復号するように構成されている基本メッシュ復号部を備え、前記基本メッシュ復号部は、前記基本メッシュのビットストリームをイントラフレームのビットストリームと部分インターフレームのビットストリームとに分離するように構成されている多重分離ブロックと、前記イントラフレームのビットストリームをイントラモードで復号するように構成されているイントラ基本メッシュ復号ブロックと、前記部分インターフレームのビットストリームを部分インターモードで復号するように構成されている部分インター基本メッシュ復号ブロックと、を備え、前記イントラ基本メッシュ復号ブロックは、前記イントラフレームのビットストリームを追跡基本メッシュのビットストリームと非追跡基本メッシュのビットストリームとに分離するように構成されている多重分離ブロックと、前記追跡基本メッシュのビットストリーム及び前記非追跡基本メッシュのビットストリームのそれぞれを復号し、再構築された追跡基本メッシュ及び非追跡基本メッシュを取得するように構成されている静的メッシュ復号ブロックと、前記追跡基本メッシュ及び前記非追跡基本メッシュを1つの基本メッシュにマージするように構成されているメッシュマージブロックと、を備えることを要旨とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、符号化効率を向上させることができるメッシュ復号装置、メッシュ符号化装置、メッシュ復号方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、従来技術を説明するための図である。
【
図2】
図2は、従来技術を説明するための図である。
【
図3】
図3は、一実施形態に係るメッシュ処理システム1の構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、一実施形態に係るメッシュ符号化装置100の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、一実施形態に係るメッシュ符号化装置100の前処理部101の機能ブロックの一例について示す図である。
【
図6】
図6は、一実施形態に係るメッシュ符号化装置100の前処理部101の前処理サブブロック101Aの一例について説明するための図である。
【
図7】
図7は、一実施形態に係るメッシュ符号化装置100の前処理部101のメッシュ分離サブブロック101Bの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、一実施形態に係るメッシュ符号化装置100のイントラ符号化ブロック102の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、一実施形態に係るメッシュ符号化装置100のイントラ符号化ブロック102のメッシュマージブロック102Cの動作の一例について説明するための図である。
【
図10】
図10は、一実施形態に係るメッシュ符号化装置100の部分インター符号化ブロック103の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、本実施形態に係るメッシュ復号装置200の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図12】
図12は、本実施形態に係るメッシュ復号装置200の基本メッシュ復号部202の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図13】
図13は、本実施形態に係るメッシュ復号装置200の基本メッシュ復号部202のイントラ基本メッシュ復号ブロック202Aの機能ブロックの一例を示す図である。
【
図14】
図14は、本実施形態に係るメッシュ復号装置200の基本メッシュ復号部202の部分インター基本メッシュ復号ブロック202Bの機能ブロックの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態における構成要素は、適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組み合わせを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、以下の実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0020】
<第1実施形態>
以下、
図3~
図13を参照して、本実施形態に係るメッシュ処理システム1について説明する。
【0021】
図3は、本実施形態に係るメッシュ処理システム1の構成の一例を示す図である。
図3に示すように、メッシュ処理システム1は、メッシュ符号化装置100及びメッシュ復号装置200を備えている。
【0022】
以下、本実施形態において、フレームは、メッシュと同義であるものとする。
【0023】
<メッシュ符号化装置100>
図4は、本実施形態に係るメッシュ符号化装置100の機能ブロックの一例を示す図である。
【0024】
図4に示すように、メッシュ符号化装置100は、前処理ブロック101と、イントラ符号化ブロック102と、部分インター符号化ブロック103とを備える。
【0025】
前処理ブロック101は、非追跡基本メッシュ及び追跡基本メッシュの2つの基本メッシュを生成するように構成されている。
【0026】
ここで、
図4に示すように、参照メッシュM(j)から生成された追跡基本メッシュq(j)は、インターフレーム符号化のために、部分インター符号化ブロック103に伝送される。
(前処理ブロック101)
以下、
図5~
図7を参照して、前処理ブロック101の一例について説明する。
【0027】
図5に示すように、前処理ブロック101は、前処理サブブロック101Aと、メッシュ分離サブブロック101Bとを備える。
【0028】
前処理サブブロック101Aは、非特許文献1に開示されているものと同じであり、
図5及び
図6に示すように、入力されるメッシュM(i)/M(j)から基本メッシュm(i)/m(j)及び変位量d(i)/d(j)を生成するように構成されている。
【0029】
メッシュ分離サブブロック101Bは、
図5に示すように、基本メッシュm(i)/m(j)を入力とし、かかる基本メッシュm(i)/m(j)を非追跡基本メッシュp(i)/p(j)及び追跡基本メッシュq(i)/q(j)の2つに分離するように構成されている。
【0030】
以下、
図7を参照して、メッシュ分離サブブロック101Bの一例について説明する。
【0031】
図7に示すように、ステップS101B-1において、メッシュ分離ブロック101Bは、基本メッシュm(i)/m(j)の面が全て処理されたか否かを判定する。
【0032】
Yesであれば、メッシュ分離ブロック101Bは、本処理を終了する。Noであれば、メッシュ分離ブロック101Bは、ステップS101B-2に進む。
【0033】
ステップS101B-2において、メッシュ分離ブロック101Bは、現在の面の3つの頂点の平均の高さhcを計算する。
【0034】
例えば、現在の面の3つの頂点の座標が、(x1,y1,z1)、(x2,y2,z2)及び(x3,y3,z3)である場合、かかる3つの頂点の平均の高さhcは、(z1+z2+z3)/3である。
【0035】
ステップS101B-3において、メッシュ分離ブロック101Bは、上述の平均の高さhcが、閾値htよりも大きいか否かについて判定する。
【0036】
Yesの場合、メッシュ分離ブロック101Bは、ステップS101B-4において、現在の面を追跡基本メッシュq(i)/q(j)に追加する。
【0037】
一方、Noの場合、メッシュ分離ブロック101Bは、ステップS101B-5において、現在の面を非追跡基本メッシュp(i)/p(j)に追加する。
【0038】
その後、メッシュ分離ブロック101Bは、ステップS101B-6において、次の面に対する処理に進む。
【0039】
(イントラ符号化ブロック102)
図8に、イントラ符号化ブロック102の機能ブロックの一例を示す。
【0040】
図8に示すように、イントラ符号化ブロック102は、量子化ブロック102Aと、静的メッシュ符号化ブロック102Bと、静的メッシュ復号ブロック102Cと、メッシュマージブロック102D、変位量更新ブロック102Eと、変位量符号化ブロック102Fと、テクスチャ符号化ブロック102Gと、MUX102Hとを備える。
【0041】
非追跡基本メッシュp(j)は、量子化ブロック102A及び静的メッシュ符号化ブロック102Bによって、圧縮された非追跡基本メッシュビットストリームに圧縮される。
【0042】
同様に、追跡基本メッシュq(j)は、量子化ブロック102A及び静的メッシュ符号化ブロック102Bによって、圧縮された追跡基本メッシュビットストリームに圧縮される。
【0043】
次に、静的メッシュ復号部102Cは、圧縮された非追跡基本メッシュビットストリームを、再構成された非追跡基本メッシュp''(j)に再構成する。
【0044】
また、静的メッシュ復号部102Cは、圧縮された追跡基本メッシュビットストリームを、再構成された追跡基本メッシュq''(j)に再構成する。
【0045】
図9に示すように、基本メッシュマージブロック102Dは、再構成された非追跡基本メッシュp''(j)及び追跡基本メッシュq''(j)を単一の基本メッシュm'(j)にマージする。
【0046】
変位量更新ブロック102Eは、マージされた基本メッシュm'(j)に従って、変位量d(j)を更新する。
【0047】
なお、量子化ブロック102A、静的メッシュ符号化ブロック102B、静的メッシュ復号ブロック102C、変位量更新ブロック102E、変位量符号化ブロック102F、テクスチャ符号化ブロック102G及びMUX102Hは、非特許文献1に記載されているものと同じである。
【0048】
メッシュマージブロック102Dは、分離されたメッシュ(非追跡基本メッシュp(j)及び追跡基本メッシュq(j))を、単一のメッシュ(マージされた基本メッシュm’(j))にマージする。
【0049】
ここで、メッシュマージブロック102Dに入力されるメッシュが、{V1,F1}及び{V2,F2}であり、V1及びV2が頂点の集合であり、F1及びF2が面の集合である場合、メッシュマージブロック102Dによって生成されるマージされた基本メッシュm’(j)は、{V1∪V2,F1∪(F2+|V1|)}である。ここで、|V1|は、V1の全頂点数である。
【0050】
(部分インター符号化ブロック103)
図10は、部分インター符号化ブロック103の機能ブロックの一例を示す図である。
【0051】
図10に示すように、部分インター符号化ブロック103は、量子化ブロック103Aと、静的メッシュ符号化ブロック103Bと、動き符号化ブロック103Cと、静的メッシュ復号ブロック103Dと、メッシュマージブロック103Eと、変位量更新ブロック103Fと、変位量符号化ブロック103Gと、テクスチャ符号化ブロック103Hと、MUX103Iとを備える。
【0052】
動き符号化ブロック103Cは、非特許文献1に記載されているのものと同じである。また、
図10におけるブロックは、基本的に、
図8において同じ名称を有するブロックと同一の機能を有する。
【0053】
部分インター符号化ブロック103の特徴は、現在の非追跡基本メッシュp(i)が、静的メッシュ符号化ブロック103Bによって圧縮される一方、追跡基本q(i)が、動き符号化ブロック103Cによって用いて圧縮されることである。
【0054】
<メッシュ復号装置200>
図11は、本実施形態に係るメッシュ復号装置200の機能ブロックの一例を示す図である。
【0055】
図11に示すように、メッシュ復号装置200は、多重分離部201と、基本メッシュ復号部202と、変位量復号部203と、映像復号部204と、細分割部205と、メッシュ復号部206とを備える。
【0056】
多重分離部201は、ビットストリームを基本メッシュビットストリーム、変位量ビットストリーム及びテクスチャビットストリームの3つに分離するように構成されている。
【0057】
(基本メッシュ復号部202)
図12は、基本メッシュ復号部202の機能ブロックの一例を示す図である。
【0058】
図12に示すように、基本メッシュ復号部202は、イントラ基本メッシュ復号ブロック202Aと、部分インター基本メッシュ復号ブロック202Bとを備える。
【0059】
イントラ基本メッシュ復号ブロック202Aは、イントラフレームイントラフレームの基本メッシュのビットストリームを復号し、再構成されたイントラフレームの基本メッシュを出力するように構成されている。
【0060】
部分インター基本メッシュ復号ブロック202Bは、現在のフレームの基本メッシュのビットストリームを復号し、再構成された現在のフレームの基本メッシュのビットストリームを出力するように構成されている。
【0061】
図13は、イントラ基本メッシュ復号ブロック202Aの機能ブロックの一例を示す図である。
【0062】
図13に示すように、イントラ基本メッシュ復号ブロック202Aは、多重分離ブロック202A01と、静的メッシュ復号ブロック202A02と、メッシュマージブロック202A03とを備える。
【0063】
多重分離ブロック202A01は、イントラフレームのビットストリームを、追跡基本メッシュビットストリームと非追跡基本メッシュビットストリームとの2つに分離するように構成されている。
【0064】
静的メッシュ復号ブロック202A02は、追跡基本メッシュビットストリームと非追跡基本メッシュビットストリームとを別々に復号し、再構成された追跡基本メッシュ及び再構成された非追跡基本メッシュを得る。
【0065】
メッシュマージブロック202A03は、再構成された追跡基本メッシュと非追跡基本メッシュとマージして、マージされた基本メッシュm'(j)として出力する。
【0066】
ここで、イントラ基本メッシュ復号ブロック202Aの出力は、再構成された追跡基本メッシュq''(j)及びマージされた基本メッシュm'(j)である。
【0067】
図14は、部分インター基本メッシュ復号ブロック202Bの機能ブロックの一例を示す図である。
【0068】
図14に示すように、部分インター基本メッシュ復号ブロック202Bは、多重分離ブロック202B01と、動き復号ブロック202B02と、静的メッシュ復号ブロック202B03と、メッシュマージブロック202B04とを備える。
【0069】
多重分離ブロック202B01は、部分インターフレームのビットストリームを、動きビットストリームと基本メッシュビットストリームとの2つに分離するように構成されている。
【0070】
動き復号ブロック202B02は、動きビットストリームを動きベクトルとして復号し、動きベクトルをイントラフレームの追跡基本メッシュq''(j)に加算して、現在のフレームの追跡基本メッシュq''(i)を得るように構成されている。
【0071】
動き復号ブロック202B02は、非特許文献1に記載されているものと同じである。
【0072】
静的メッシュ復号ブロック202B03は、基本メッシュビットストリームを復号し、現在のフレームの非追跡基本メッシュp''(i)を得る。
【0073】
メッシュマージブロック202B04は、現在のフレームの追跡基本メッシュq''(i)(再構成された追跡基本メッシュ)及び現在のフレームの非追跡基本メッシュp''(i)(再構成された非追跡基本メッシュ)を単一のメッシュm'(i)としてマージする。
【0074】
上述のメッシュ符号化装置100及びメッシュ復号装置200は、コンピュータに各機能(各工程)を実行させるプログラムであって実現されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
なお、本実施形態によれば、例えば、動画像通信において総合的なサービス品質の向上を実現できることから、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る」に貢献することが可能となる。
【符号の説明】
【0076】
1…メッシュ処理システム
100…メッシュ符号化装置
101…前処理ブロック
101A…前処理サブブロック
101B…メッシュ分離サブブロック
102…イントラ符号化ブロック
102A、103A…量子化ブロック
102B、103B…静的メッシュ符号化ブロック
102C、103D…静的メッシュ復号ブロック
102D、103E、202B04…メッシュマージブロック
102E、103F…変位量更新ブロック
102F、103G…変位量符号化ブロック
102G、103H…テクスチャ符号化ブロック
102H、103I…MUX
103…部分インター符号化ブロック
103C…動き符号化ブロック
200…メッシュ復号装置
201…多重分離部
202…基本メッシュ復号部
202A…イントラ基本メッシュ復号ブロック
202A01、202B01…多重分離ブロック
202A02、202B03…静的メッシュ復号ブロック
202B…部分インター基本メッシュ復号ブロック
202B02…動き復号ブロック
203…変位量復号部
204…映像復号部
205…細分割部
206…メッシュ復号部