(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009518
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】シート媒体検査装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/892 20060101AFI20250110BHJP
A23L 17/60 20160101ALI20250110BHJP
B65H 5/02 20060101ALI20250110BHJP
【FI】
G01N21/892 A
A23L17/60 103F
B65H5/02 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023112574
(22)【出願日】2023-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 達也
【テーマコード(参考)】
2G051
3F049
4B019
【Fターム(参考)】
2G051AA33
2G051AB02
2G051AB20
2G051BB01
2G051CA06
2G051CB01
2G051DA06
3F049AA10
3F049DA03
3F049EA21
3F049LA16
3F049LB12
4B019LE01
4B019LP03
4B019LP07
4B019LP08
4B019LP17
4B019LP19
4B019LT72
4B019LT73
4B019LT77
4B019LT80
(57)【要約】
【課題】検査対象のシート媒体へのダメージを抑制または防止しながら、シート媒体を高精度で検査できるシート媒体検査装置を提供する。
【解決手段】
シート媒体検査装置1は、搬送面29aを有する無端状の搬送ベルト29を有し、搬送ベルト29の周回移動により、搬送面29aに保持されている海苔2を搬送方向Aに搬送するベルトコンベヤ23と、搬送面29に対向して配置された第1~第3ローラ51P,51Q,51Rとを備えている。搬送面29aに保持されている海苔2が、搬送ベルト29と第1~第3ローラ51P,51Q,51Rとの間を通過する。第1~第3ローラ51P,51Q,51Rと搬送面29aとの間には、海苔2の厚みよりも大きな隙間Cが形成されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート媒体を検査するためのシート媒体検査装置であって、
搬送面を有する無端状の搬送ベルトを有し、前記搬送ベルトの周回移動により、前記搬送面に保持されているシート媒体を所定の搬送方向に搬送するベルトコンベヤと、
前記搬送面に対向して配置されたローラであって、前記搬送面に保持されている前記シート媒体が前記搬送ベルトと前記ローラとの間を通過可能なローラとを含み、
前記ローラと前記搬送面との間には、前記シート媒体の厚みよりも大きな所定の隙間が形成されている、シート媒体検査装置。
【請求項2】
前記ローラよりも大径を有し、前記ローラの一端または両端に固定されて、前記搬送面に接触する接触リングをさらに含み、
前記ローラは、前記搬送面への前記接触リングの接触によって、前記搬送ベルトの周回移動に同伴して回転する従動ローラを含む、請求項1に記載のシート媒体検査装置。
【請求項3】
前記接触リングが、ゴムを用いて形成されている、請求項2に記載のシート媒体検査装置。
【請求項4】
前記隙間が、前記シート媒体の厚みの5倍以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載のシート媒体検査装置。
【請求項5】
前記搬送面に対向して配置されたセンサユニットであって、前記搬送面に設定された照光領域に向けて光を発する発光部と、前記発光部から発せられた光であって前記搬送面に保持されている前記シート媒体で反射した光を受ける受光部とを有するセンサユニットをさらに含む、請求項1に記載のシート媒体検査装置。
【請求項6】
前記発光部および前記受光部が、前記搬送方向に関し、前記照光領域を挟んで互いに間隔を空けて配置されている、請求項5に記載のシート媒体検査装置。
【請求項7】
前記センサユニットが、前記搬送面に保持されている前記シート媒体の色調を検出する色調センサユニットをさらに含む、請求項5または6に記載のシート媒体検査装置。
【請求項8】
前記ローラが、前記搬送面において前記照光領域に対し前記搬送方向の上流側に配置された第1ローラと、前記第1ローラよりも大径を有し、前記第1ローラに対して前記搬送方向の上流側に配置された第2ローラとを含む、請求項5に記載のシート媒体検査装置。
【請求項9】
前記搬送面に対向して、前記ローラに対し前記搬送方向の上流側に配置され、前記搬送面に保持されている前記シート媒体の先端を、前記搬送面と前記ローラとの間の前記隙間に案内するガイド部材をさらに含む、請求項5に記載のシート媒体検査装置。
【請求項10】
前記搬送面に対向して、前記ローラに対し前記搬送方向の上流側に配置された気体ノズルであって、前記搬送面に保持されている前記シート媒体の先端に気体を吹き付けて、当該先端を、前記搬送面と前記ローラとの間の前記隙間に案内する気体ノズルをさらに含む、請求項5に記載のシート媒体検査装置。
【請求項11】
前記ローラが、前記搬送面において前記照光領域に対し前記搬送方向の上流側に配置された第1ローラと、前記搬送面において前記照光領域に対し前記搬送方向の下流側に配置された第3ローラとを含む、請求項5および8~10のいずれか一項に記載のシート媒体検査装置。
【請求項12】
前記シート媒体が、海苔である、請求項1~3、5、6および8~10のいずれか一項に記載のシート媒体検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シート媒体検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、シート状の海苔(乾燥海苔)を検査する海苔検査装置が知られている。下記特許文献1は、海苔の外観を検査する海苔検査装置として、外観検査装置を開示している。外観検査装置は、ベルトコンベヤと、送りローラ対と、CCDセンサと、照射部とを備えている。ベルトコンベヤは、搬送ベルトと従動ローラとを備えている。
【0003】
検査対象の海苔は、搬送ベルトと従動ローラとの間に上下に挟まれた状態、または送りローラ対によって上下に挟まれた状態で搬送される。光学検出位置を通過する海苔が、CCDセンサ(CCDラインセンサ)によって撮像される。これにより、検査対象である海苔の画像が形成され、この画像に基づいて、海苔の周縁部に欠けがあるか否かおよび海苔の内側部分に透けがあるか否かが調べられる。外観検査装置は、これら欠けおよび透けの有無および大きさ等に基づいて、検査対象の海苔が不良品であるか否かを判別する。
【0004】
特許文献1に記載の外観検査装置は、主として、出荷前の海苔を、生産者が検査するために用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明者らは、生産者から出荷された後の海苔を、シート媒体検査装置を用いて検査することを検討している。海苔は、2つに折り曲げた状態で出荷される。そのため、シート媒体検査装置(海苔検査装置)の検査対象となる海苔は、うねり(曲がり)を有していることがある。光学センサによって検出するので、うねりが大きいと良好に検知できない。少なくともセンサユニット(光学センサ)による検出位置において、海苔のうねりの低減を図る必要がある。
【0007】
特許文献1に記載の外観検査装置は、ローラを備えている。この外観検査装置のように、ローラによって海苔を押し付け接触させることにより、検出位置において海苔のうねりの低減を図ることが考えられる。しかし、ローラを海苔に押し付け接触させると、海苔が破損してしまうおそれがある。そこで、検査対象の海苔にダメージを与えることを抑制または防止しながら、高精度で海苔を検査できる海苔検査装置を提供することが求められている。
【0008】
シート媒体にダメージを与えることなく、高い精度でシート媒体を検査することは、海苔を検査する海苔検査装置に限られず、うねり(曲がり)のあるシート媒体を検査するシート媒体検査装置全般に共通する課題である。
【0009】
そこで、この発明の目的は、検査対象のシート媒体へのダメージを抑制または防止しながら、シート媒体を高精度で検査できるシート媒体検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の一実施形態は、シート媒体を検査するためのシート媒体検査装置であって、搬送面を有する無端状の搬送ベルトを有し、前記搬送ベルトの周回移動により、前記搬送面に保持されているシート媒体を所定の搬送方向に搬送するベルトコンベヤと、前記搬送面に対向して配置されたローラであって、前記搬送面に保持されている前記シート媒体が前記搬送ベルトと前記ローラとの間を通過可能なローラとを含む、シート媒体検査装置を提供する。そして、前記ローラと前記搬送面との間には、前記シート媒体の厚みよりも大きな所定の隙間が形成されている。
【0011】
この発明の一実施形態では、前記シート媒体検査装置が、前記ローラよりも大径を有し、前記ローラの一端または両端に固定されて、前記搬送面に接触する接触リングをさらに含む。そして、前記ローラは、前記搬送面への前記接触リングの接触によって、前記搬送ベルトの周回移動に同伴して回転する従動ローラを含む。
【0012】
この発明の一実施形態では、前記接触リングが、ゴムを用いて形成されている。
【0013】
この発明の一実施形態では、前記隙間が、前記シート媒体の厚みの5倍以下である。
【0014】
この発明の一実施形態では、前記シート媒体検査装置が、前記搬送面に対向して配置されたセンサユニットであって、前記搬送面に設定された照光領域に向けて光を発する発光部と、前記発光部から発せられた光であって前記搬送面に保持されている前記シート媒体で反射した光を受ける受光部とを有するセンサユニットとをさらに含む。
【0015】
この発明の一実施形態では、前記発光部および前記受光部が、前記搬送方向に関し、前記照光領域を挟んで互いに間隔を空けて配置されている。
【0016】
この発明の一実施形態では、前記センサユニットが、前記搬送面に保持されている前記シート媒体の色調を検出する色調センサユニットをさらに含む。
【0017】
この発明の一実施形態では、前記ローラが、前記搬送面において前記照光領域に対し前記搬送方向の上流側に配置された第1ローラと、前記第1ローラよりも大径を有し、前記第1ローラに対して前記搬送方向の上流側に配置された第2ローラとを含む。
【0018】
この発明の一実施形態では、前記シート媒体検査装置が、前記搬送面に対向して、前記ローラに対し前記搬送方向の上流側に配置され、前記搬送面に保持されている前記シート媒体の先端を、前記搬送面と前記ローラとの間の前記隙間に案内するガイド部材をさらに含む。
【0019】
この発明の一実施形態では、前記シート媒体検査装置が、前記搬送面に対向して、前記ローラに対し前記搬送方向の上流側に配置された気体ノズルであって、前記搬送面に保持されている前記シート媒体の先端に気体を吹き付けて、当該先端を、前記搬送面と前記ローラとの間の前記隙間に案内する気体ノズルをさらに含む。
【0020】
この発明の一実施形態では、前記ローラが、前記搬送面において前記照光領域に対し前記搬送方向の上流側に配置された第1ローラと、前記搬送面において前記照光領域に対し前記搬送方向の下流側に配置された第3ローラとを含む。
【0021】
この発明の一実施形態では、前記シート媒体が、海苔である。
【発明の効果】
【0022】
この発明によれば、搬送ベルトの回転により、搬送面に保持されているシート媒体が搬送方向に搬送され、搬送ベルトとローラとの間の隙間を通過する。そのため、検査対象のシート媒体にうねりがある場合であっても、搬送面に保持されているシート媒体のうねりを抑制できる。そして、この隙間は、シート媒体の厚みよりも大きい。そのため、シート媒体を押し付けることなく、シート媒体のうねりを低減できる。これにより、検査対象のシート媒体へのダメージを抑制または防止しながら、シート媒体を高精度で検査できるシート媒体検査装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】この発明の第1実施形態に係るシート媒体検査装置を含むシート媒体検査システムの模式的な正面図である。
【
図3】前記シート媒体検査装置に含まれるシート媒体検査ユニットの斜視図である。
【
図4】前記シート媒体検査ユニットの要部構成の平面図である。
【
図5】
図4の切断面線V-Vから見た概略断面図である。
【
図6】
図4の切断面線VI-VIから見た断面図である。
【
図7】
図6の一点鎖線VIIで囲まれた部分の拡大図である。
【
図8】前記シート媒体検査装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図9】海苔の色調検査における前記シート媒体検査ユニットを示す断面図であり、
図5に対応する図である。
【
図11】この発明の第2実施形態に係るシート媒体検査装置の断面図であり、
図9に対応する図である。
【
図12】この発明の第3実施形態に係るシート媒体検査装置の断面図であり、
図9に対応する図である。
【
図13】
図12に示す気体吐出ユニットを、矢視XIIIから見た図である。
【
図14】この発明の第4実施形態に係るシート媒体検査装置の断面図であり、
図9に対応する図である。
【
図15】この発明の第5実施形態に係るシート媒体検査装置の断面図であり、
図9に対応する図である。
【
図16】他の形態に係るシート媒体検査装置の断面図であり、
図9に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係るシート媒体検査装置1を含むシート媒体検査システム100の模式的な正面図である。
【0025】
図1の紙面の左右方向は、シート媒体検査装置1の左右方向Xと一致し、
図1の紙面に略直交する方向は、シート媒体検査装置1の前後方向Yと一致し、
図1の紙面の上下方向は、シート媒体検査装置1の上下方向Zと一致している。左右方向Xおよび前後方向Yは、横方向に含まれる。左右方向Xは、左側X1と右側X2とを含む。前後方向Yは、
図1の紙面の手前側に一致した前側Y1と、
図1の紙面の奥側に一致した後側Y2とを含む。上下方向Zは、上側Z1と下側Z2とを含む。
【0026】
シート媒体検査装置1は、検査対象のシート媒体の一例としての、シート状の海苔(乾燥海苔)2の色調を検出し、検出した海苔2の色調に基づいて、当該海苔2の等級を格付けする装置である。海苔2の色調とは、海苔2の色味および海苔2の明るさを含む。シート媒体検査システム100は、漁業協同組合、共同販売所等の検査機関3に配置される。検査機関3には、その近隣の海域の生産者から出荷された海苔2が集まってくる。
【0027】
生産者は、収穫(陸揚げ)した原料海苔を細かく裁断し、次いで、所定の大きさの四角形状の海苔簾の上に海苔を抄き上げる(抄き工程)。抄き上げられた海苔は、脱水された後、乾燥させられる(脱水工程、乾燥工程)。生産者は、乾燥後の海苔を海苔簾から剥がし(剥ぎ工程)、剥がした海苔2を所定枚数(たとえば10枚)ずつ重ねて半分に2つに折り曲げ(1帖)、さらにたとえば所定帖(たとえば10帖、
図1では、図示の便宜上、3帖)重ねて紙紐2Cで結束し(1束)、収容箱2Dにおいて所定束入りで出荷する。生産者から出荷された海苔2は、検査機関3に集められる。
【0028】
検査機関3では、集まった海苔2に対し、等級が格付けされる。海苔2の格付けは、当該海苔2の色調に基づいて決定される。等級の基準は、検査機関3によって異なっている。海苔2の等級は、所定数(たとえば十数つ~数十つ)に分けられている。等級付けがされた海苔2は、検査機関3が開催する入札会に出品され、商社、加工メーカ等に販売される。
【0029】
シート媒体検査システム100は、海苔2の色調を検査するシート媒体検査装置1を備えている。この実施形態では、検査機関3において、シート媒体検査システム100によって、海苔2に等級が格付けされる。海苔2に対する等級の格付けが、シート媒体検査システム100と熟練の検査員による目視との両方によって行われてもよい。
【0030】
シート媒体検査システム100は、シート媒体供給装置4と、シート媒体集積装置5とをさらに備えている。シート媒体供給装置4、シート媒体検査装置1およびシート媒体集積装置5は、この順で横一列に並んでいる。シート媒体供給装置4は、シート媒体検査装置1に、検査対象の海苔2を供給するための供給装置である。シート媒体供給装置4は、シート媒体検査装置1に対して右側X2から連結される。シート媒体供給装置4は、縦長ボックス状である。シート媒体供給装置4は、予めセットされている海苔2を、シート媒体検査装置1に1枚ずつ供給する。
【0031】
海苔2は、収容箱2Dに収容された状態にて、検査機関3に持ち込まれる。上述のように、この収容箱2Dには、所定束の海苔2が収容されている。作業者は、収容箱2Dから1つの収容束を取り出して紙紐2Cを外し、海苔2を1帖ずつ分かれた状態にする。そして、作業者は、1帖の海苔2から、2つ折りの状態にある海苔2を、1枚ずつ取り出す。取り出した海苔2はうねり2aを有していることが多い。この明細書において「うねり」とは、2つ折り曲げに起因する、まがりや皺のことをいう。作業者は、うねり2aを伸ばしながら、海苔2を1枚ずつ、シート媒体供給装置4にセットする。海苔2は、縦寸法約210mm 、横寸法約190mmの長方形のシート状をなしている。海苔2の厚みW
1(
図9および
図10参照)は、0.2~0.3mmである。海苔2は、縦および横がそれぞれ左右方向Xおよび前後方向Yに一致する姿勢で、シート媒体供給装置4にセットされる。なお、シート媒体供給装置4への海苔の供給は、伸ばし機(図示せず)を用いて自動的に行ってもよい。この伸ばし機は、うねり2aを伸ばしながら海苔2を1枚ずつ、シート媒体供給装置4にセットする。
【0032】
シート媒体集積装置5は、シート媒体検査装置1に対して左側X1から連結される。シート媒体集積装置5は、縦長ボックス状である。シート媒体集積装置5には、検査済みの海苔2がシート媒体検査装置1から1枚ずつ搬出される。シート媒体集積装置5は、搬出された検査済みの海苔2を、上下方向Zに集積する。
【0033】
図2は、シート媒体検査装置1の斜視図である。主として
図2を参照しながら、シート媒体検査装置1の構成について説明する。シート媒体検査装置1は、本体ボックス7と、シート媒体検査ユニット8と、表示操作部9と、表示モニタ10とを含む。
【0034】
本体ボックス7は、シート媒体検査装置1の外郭をなす。本体ボックス7は、縦長のボックス状である。本体ボックス7は、天壁11と、底壁12と、左右一対の側壁13と、前壁14と、後壁15と有している。天壁11および底壁12は、矩形の板状である。各側壁13の上下方向Zの途中部には、横長の四角形の開口16(
図2参照)が形成されている。前壁14は、上下方向Zに長い長方形の板状である。上下方向Zに長い長方形の板状である。
【0035】
本体ボックス7は、一または複数の仕切り17を備えている。仕切り17は、天壁11と同様の板状である。本実施形態では、一例として、2つの仕切り17が、本体ボックス7の内部空間18において上下方向Zに並んで配置されている。これにより、内部空間18は、上下方向Zに並ぶ3つのエリア19A,19B,19C(
図2参照)に分割されている。各エリア19A,19B,19Cの左右方向Xの幅、前後方向Yの奥行き、および上下方向Zの高さといったサイズは、同じであってもよいし、異なってもよい。以下、3つのエリア19A,19B,19Cのうち上段のエリア19A(
図2参照)を「上エリア19A」と呼び、3つのエリア19A,19B,19Cのうち中段のエリア19B(
図2参照)を「中エリア19B」と呼び、3つのエリア19A,19B,19Cのうち下段のエリア19C(
図2参照)を「下エリア19C」と呼ぶ。
【0036】
一対の側壁13、前壁14および後壁15のうち、上エリア19Aに対応する部分は、いずれも不透明板である。この不透明板は、金属板または合成樹脂板を用いて形成されていてもよい。前壁14のうち上エリア19Aに対応する部分には、表示操作部9が配置されている。表示操作部9は、液晶表示器等の表示部9aと、キー等の操作部9bとを備えている。
図2の例では、表示操作部9は、表示部9aと操作部9bとに分かれて構成されているが、表示操作部9が液晶タッチパネルによって構成されていてもよい。
【0037】
図2に示すように、前壁14のうち上エリア19Aに対応する部分の前側Y1には、表示モニタ10が配置されている。表示モニタ10は、左右一対の表示モニタ10A,表示モニタ10Bを含む。表示モニタ10A,10Bは、支持アーム20(
図2において一方のみ図示)を介して本体ボックス7に支持されている。一対の表示モニタ10A,10Bは、表示操作部9を左右方向Xに挟むように配置されている。
【0038】
表示モニタ10A,10Bは、たとえば液晶表示器である。表示モニタ10A,10Bは、たとえば、検査対象になる海苔2についての情報(産地や、汐回といわれる漁期)を表示する。表示モニタ10A,10Bがタッチパネルによって構成されていてもよい。この場合、海苔2についての上記の情報は、作業者によって手入力されてもよい。海苔2についての上記の情報は、他の入力装置を用いて入力されてもよい。この場合、バーコード読み込みを用いて入力されてもよい。
【0039】
図2に示すように、中エリア19Bの下半分は、左側X1および右側X2が、一対の側壁13によって覆われている。一対の側壁13のうち中エリア19Bに対応する部分は、透明板または半透明板であってもよい。中エリア19Bの上半分は、左右一対の開口16を介して左側X1および右側X2の両方に露出している。前壁14のうち中エリア19Bに対応する部分は、透明板または半透明板であってもよい。これら透明板または半透明板は、合成樹脂製であってもよい。後壁15のうち中エリア19Bに対応する部分は、不透明板である。この不透明板は、金属板または合成樹脂板を用いて形成されていてもよい。中エリア19Bには、シート媒体検査ユニット8が収容されている。シート媒体検査ユニット8の一部(後述するベルトコンベヤ23の両端部)が、開口16から本体ボックス7の左側X1および右側X2の外方にはみ出ている。前壁14のうち中エリア19Bに対応する部分や一対の側壁13のうち中エリア19Bに対応する部分が、透明板または半透明板であるので、これらの部分を介して、本体ボックス7の外側から、中エリア19Bを視認可能である。
【0040】
一対の側壁13、前壁14および後壁15のうち、下エリア19Cに対応する部分は、いずれも不透明板である。この不透明板は、金属板または合成樹脂板を用いて形成されていてもよい。
【0041】
本体ボックス7の底壁12は、底面側に、4つの脚部21と、4つの支持ローラ22とを備える。各脚部21は、上方に退避可能である。脚部21の退避後において、本体ボックス7は、4つの支持ローラ22によって下方から支持される。
【0042】
図3は、シート媒体検査装置1に含まれるシート媒体検査ユニット8の斜視図である。
図4は、シート媒体検査ユニット8の要部構成の平面図である。
図5は、
図4の切断面線V-Vから見た概略断面図である。
図4では、色調センサユニット24(発光ユニット24aおよび受光ユニット24b)の構成を破線で示している。
図4および
図5では、支持フレーム24cおよび有無センサ26の図示を省略している。以下、シート媒体検査ユニット8の構成について詳細に説明する。
【0043】
図3および
図4を参照して、シート媒体検査ユニット8は、ベルトコンベヤ23と、色調センサユニット(センサユニット)24と、駆動ユニット25と、有無センサ26と、ローラユニット27(
図4参照)とを備えている。
【0044】
図3を参照して、ベルトコンベヤ23は、コンベヤフレーム28と、搬送ベルト29と、プーリとを備えている。コンベヤフレーム28は、平面視で左右方向Xに長い四角形状である。コンベヤフレーム28の材質は、たとえば鋼材である。コンベヤフレーム28は、ストリンガーフレームによって構成されていてもよいし、トラスフレームによって構成されていてもよい。
【0045】
図3を参照して、搬送ベルト29は、無端状である。搬送ベルト29は、たとえば平ベルトである。搬送ベルト29の外表面は、搬送対象(検査対象)である海苔2を保持する搬送面29aである。搬送面29aは水平である。搬送ベルト29の幅は、海苔2の横寸法(たとえば横寸法約190mm)より、少なくとも数十mm大きく設定されている。ベルトコンベヤ23の上面の略全域において、搬送ベルト29の搬送面29aが露出している。すなわち、ベルトコンベヤ23の上面は、搬送ベルト29の搬送面29aによって構成されている。
【0046】
搬送ベルト29は、食品搬送用の搬送ベルトであり、ウレタン等の合成樹脂材料、シリコン、鋼材等を用いて形成されている。搬送面29aを構成する搬送ベルト29の外表面が、シリコンコーティングされていてもよい。搬送ベルト29は、周回移動可能である。
【0047】
図3を参照して、プーリは、ヘッドプーリ30と、テールプーリ31と、駆動プーリ32とを備えている。駆動プーリ32が回転すると、搬送ベルト29がコンベヤフレーム28に対して周回移動する。搬送ベルト29の周回移動方向は、
図5における反時計回りである。すなわち、搬送ベルト29の搬送面29aにおいて、搬送ベルト29(搬送面29a)の搬送方向A(
図9等参照)は、左側X1である。
【0048】
図3の例では、ヘッドプーリ30は、駆動プーリ32を兼用している。駆動プーリ32がテールプーリ31と兼用されていてもよいし、駆動プーリ32が、ヘッドプーリ30およびテールプーリ31とは別の他のプーリによって構成されていてもよい。プーリは、テンションプーリ、ベンドプーリ、スナブプーリ等をさらに備えていてもよい。
【0049】
図3を参照して、色調センサユニット24は、搬送ベルト29の搬送面29aに保持されている海苔2の色調を検出する色調センサユニットである。色調センサユニット24は、搬送面29aに対し上側Z1に対向して配置されている。色調センサユニット24は、反射型の光学センサである。色調センサユニット24は、発光部34(
図4および
図5参照)を有する発光ユニット24aと、受光部35(
図4および
図5参照)を有する受光ユニット24bと、前後方向Yに対向する一対の支持フレーム24cとを備えている。
図3の例では、一対の支持フレーム24cは略半円の金属板である。前側Y1の支持フレーム24cによって、発光ユニット24aの前端および受光ユニット24bの前端同士が連結されている。後側Y2の支持フレーム24cによって、発光ユニット24aの後端および受光ユニット24bの後端同士が連結されている。
【0050】
図4を参照して、発光部34および受光部35は、左右方向Xに間隔を空けて配置されている。発光部34および受光部35は、前後方向Yに長い帯状である。
【0051】
ベルトコンベヤ23には、発光部34からの光が照射される照光領域36が設定されている。照光領域36は、搬送ベルト29の搬送面29aに形成される。
図4にハッチングで示すように、照光領域36は、前後方向Yに長い四角形状の領域である。照光領域36は、搬送面29aの前後方向Yの全域にわたって形成されている。照光領域36は、搬送ベルト29の周回移動に拘わらず、ベルトコンベヤ23に対し一定位置に保たれる。受光部35は、照光領域36に対し、搬送方向Aの下流側(左側X1)に間隔を空けて配置されている。発光部34は、照光領域36に対し、搬送方向Aの上流側(右側X2)に間隔を空けて配置されている。
【0052】
図5を参照して、発光部34は、前後方向Yに長い照光領域36に向けて、搬送方向Aの上流側(右側X2)から光を照射する。照光領域36で反射した光は、受光部35に入射する。搬送面29aの上方において、発光部34から照光領域36を介して受光部35に至る光路37が形成されている。光路37は、搬送方向Aに沿う断面視でV字状である。光路37は、前後方向Yに長い。光路37は、発光部34から照光領域36に至る第1光路37aと、照光領域36から受光部35に至る第2光路37bとを含む。第1光路37aは、搬送方向Aに沿う断面視で、搬送方向Aの上流側(右側X2)に向かうに従って上側Z1に向かう方向に傾斜している。第2光路37bは、搬送方向Aに沿う断面視で、搬送方向Aの上流側(右側X2)に向かうに従って下側Z2に向かう方向に傾斜している。第1光路37aおよび第2光路37bの搬送面29a(水平面)に対する傾斜角αは、20°以上80°以下である。傾斜角αは、40°以上70°以下であってもよい。傾斜角αは、第1光路37aおよび第2光路37bが、従動ローラ51(後述する第1ローラ51Pおよび第3ローラ51R)に干渉しないように設定される。
【0053】
なお、発光部34および受光部35の左右方向Xの位置を、照光領域36に対して反転させてもよい。すなわち、受光部35を、照光領域36に対し搬送方向Aの上流側(右側X2)に配置し、発光部34を、照光領域36に対し搬送方向Aの下流側(左側X1)に配置してもよい。
【0054】
図3を参照して、駆動ユニット25は、駆動モータ38(
図8参照)を含む。駆動モータ38は、電動モータである。駆動モータ38は、駆動プーリ32を回転駆動する。
【0055】
図3を参照して、有無センサ26は、反射型の光学センサである。有無センサ26は、搬送面29aにおいて色調センサユニット24に対向する領域の周囲に海苔2があるか否かを検出するためのセンサである。
図3の例では、有無センサ26は、照光領域36の略直上に配置されている。そして、有無センサ26は、搬送面29aにおける照光領域36の周囲の領域に海苔2があるか否かを調べる。この実施形態では、
図3に示すように、有無センサ26は、後側Y2の支持フレーム24cに固定されている。
【0056】
図3に一点鎖線で示すように、有無センサ26は、色調センサユニット24よりも、搬送方向Aの上流側(右側X2)に離れて配置されていてもよい。この場合、有無センサ26は、搬送面29aにおいて色調センサユニット24に搬送方向Aの上流側(右側X2)に隣接する領域に、海苔2があるか否かを検出できる。この場合にも、有無センサ26は、後側Y2の支持フレーム24cに固定される。
【0057】
図4を参照して、ローラユニット27は、第1ローラユニット43と、第2ローラユニット44と、第3ローラユニット45とを備えている。第2ローラユニット44、第1ローラユニット43および第3ローラユニット45は、搬送方向Aの下流側(左側X1)に関し、この順で並んでいる。各ローラユニット43~45は、従動ローラ(ローラ)51と、一対のベアリング52と、一対のリング部材53とを含む。この実施形態では、第1ローラユニット43のベアリング52および第3ローラユニット45のベアリング52は、共通のベアリングユニット(第2ベアリングユニット47)に設けられている。第2ローラユニット44のベアリング52は、第1ベアリングユニット46に設けられている。第1ベアリングユニット46および第2ベアリングユニット47は、コンベヤフレーム28の前後方向Y2の両端部に固定されている。
【0058】
図6は、
図4の切断面線VI-VIから見た断面図である。
図7は、
図6の一点鎖線VIIで囲まれた部分の拡大図である。以下、
図6および
図7を参照しながら、第3ローラユニット45の構成について説明する。第1ローラユニット43は、第3ローラユニット45と同等の構成である。第2ローラユニット44は、ローラ径を除き、第3ローラユニット45と同等の構成である。そのため、第2ローラユニット44および第3ローラユニット45の構成についての詳細な説明は省略する。
【0059】
図6および
図7を参照して、第3ローラユニット45は、従動ローラ(ローラ)51と、一対のベアリング52と、一対のリング部材53とを含む。
【0060】
従動ローラ51は、ローラ本体54と、両側の端部軸55とを備えている。ローラ本体54および両側の端部軸55は、鋼材料を用いて一体に形成されている。鋼材料はたとえばステンレス鋼である。
図7の例では、ローラ本体54の外周面54aには、特段の処理を施していない。外周面54aでの光反射(後述する光路37からの光の反射)を抑制または防止するために、ローラ本体54の外周面54aには、ブラスト処理が施されたり、カオチン電着塗装が施されたりしていてもよい。
【0061】
一対のベアリング52は、従動ローラ51の両側の端部軸55を、回転可能に支持している。
【0062】
図6および
図7を参照して、各端部軸55の外周には、リング部材53が外嵌固定されている。各リング部材53は、従動ローラ51のローラ本体54と、対応するベアリング52とによって、前後方向Yに関し挟むように配置されている。
図7を参照して、リング部材53は、従動ローラ51の端部軸55に外嵌固定された円筒部材57と、円筒部材57に外嵌固定された接触リング58とを備えている。接触リング58および円筒部材57は、従動ローラ51の両端に配置されている。円筒部材57は、鋼材料を用いて形成されている。鋼材料はたとえばステンレス鋼である。円筒部材57の外径は、接触リング58の内径と同じである。円筒部材57の端部軸55への固定は、たとえばねじ(図示せず)の締結により達成されている。
【0063】
図7を参照して、接触リング58は、円筒状である。接触リング58は、平滑な円筒面からなる外周面58aを有している。接触リング58の外径D
2は、ベアリング52において支持されている従動ローラ51の端部軸55の軸中心と、搬送ベルト29の搬送面29aとの距離L
1の2倍の大きさと同じである。接触リング58は、搬送ベルト29の搬送面29aに接触する。搬送ベルト29の搬送面29aにおいて接触リング58が接触する領域は、搬送ベルト29の搬送面29aにおける前後方向Yの周縁部であり、搬送面29aにおいて海苔2が保持される前後方向Yの中央部ではない。そのため、接触リング58が、搬送面29aに保持されている海苔2に接触することはない。
【0064】
図7を参照して、従動ローラ51の外周面54aと搬送面29aとの間には隙間Cが形成されている。接触リング58の外径D
2は、従動ローラ51のローラ本体54の外径D
1よりも大きい(D
2>D
1)。隙間Cの大きさは、外径D
2から外径D
1を減じた大きさの半分である。隙間Cは、海苔2の厚みW
1(たとえば約0.2mm)より大きい。隙間Cの大きさは、海苔2の厚みW
1の2倍以上10倍以下であることが好ましい。隙間Cの大きさは、海苔2の厚みW
1の2倍以上5倍以下であることが特に好ましい。
【0065】
図7を参照して、従動ローラ51の両端部に固定された接触リング58が搬送面29aに接触し、搬送ベルト29の周回移動に同伴して従動ローラ51が回転する。従動ローラ51が搬送ベルト29の回転に同伴して回転するので、ローラ(従動ローラ51)を回転させるための駆動部材(電動部品)を別途設ける必要がない。これにより、電動モータ等の電動部品の点数を削減できる。
【0066】
図7を参照して、接触リング58は、ゴム製である。ゴムは、具体的には、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ニトリルゴム等の食品用ゴムであってもよい。搬送ベルト29の搬送面29aに保持されている海苔2には異物(たとえば、貝や砂)が混じっていることも考えられる。仮に接触リング58の外周面58aが、従動ローラ51の外周面54aと同様に鋼製であるとすると、混入した異物が、接触リング58の外周面58aと搬送ベルト29の搬送面29aとの間に挟まれた場合に、搬送ベルト29に負荷が加わるおそれがあり、ひいては駆動モータ38(
図8参照)に負荷が加わるおそれがある。この実施形態では、接触リング58の外周面58aがゴムで形成されているので、接触リング58の外周面58aと搬送ベルト29の搬送面29aとによって異物が挟まれた場合であっても、接触リング58の外周面58aが変形して異物を吸収する。そのため、搬送ベルト29に加わる負荷を低減できる。これにより、駆動モータ38に加わる負荷を低減できる。
【0067】
また、接触リング58の外周面58aがゴムで形成されているので、接触リング58の外周面58aと搬送ベルト29の搬送面29aとの接触面積を大きく確保できる。外周面58aと搬送面29aとの摩擦接触力を用いて従動ローラ51が回転するので、外周面58aと搬送面29aとの接触面積を大きく確保することにより、従動ローラ51を良好に従動回転させることができる。
【0068】
図5を参照して、第1ローラユニット43の従動ローラ51、第2ローラユニット44の従動ローラ51および第3ローラユニット45の従動ローラ51を、それぞれ第1ローラ(案内手段)51P、第2ローラ51Qおよび第3ローラ51Rとする。第1ローラ51P、第2ローラ51Qおよび第3ローラ51Rは、互いに平行に前後方向Yに沿って延びる。第1ローラ51Pの半径R
Pおよび第3ローラ51Rの半径R
Rは互いに等しい(R
P=R
R)。第2ローラ51Qの半径R
Qは、半径R
Pおよび半径R
Rよりも大きい(R
Q>R
P、R
Q>R
R)。半径R
Pおよび半径R
Rの一例は8mmである。第1ローラ51Pおよび第3ローラ51Rは、比較的小径にされている。半径R
Qの一例は15mmである。
【0069】
図5を参照して、第1ローラ51Pおよび第3ローラ51Rの中心距離L
2は、第1ローラ51Pの直径の2倍以上4倍以内であってもよい。中心距離L
2は、第1ローラ51Pの直径の2倍以上3倍以内であることが好ましい。このように、第1ローラ51Pおよび第3ローラ51Rの中心距離L
2は、比較的短くされている。そして、第1ローラ51Pおよび第3ローラ51Rの配置位置は、水平面に対して傾斜している第1光路37aおよび第2光路37bに干渉しないように定められている。
【0070】
図5を参照して、第1ローラ51Pの外周面54aと搬送面29aとの間の隙間Cを隙間C
Pとする。第2ローラ51Qの外周面54aと搬送面29aとの間の隙間Cを隙間C
Qとする。第3ローラ51Rの外周面54aと搬送面29aとの間の隙間Cを隙間C
Rとする。この実施形態では、隙間C
P、隙間C
Qおよび隙間C
Rの大きさは同じである。隙間C
P、隙間C
Qおよび隙間C
Rのうち少なくとも一つを他と異ならせてもよい。
【0071】
この実施形態では、第2ローラ51Qの半径R
Qに隙間C
Qの大きさを加えた寸法(R
Q+C
Q)が、海苔2における搬送面29aからの最大高さ部分の高さW
2(
図9参照)よりも大きくなるように設定されている(R
Q+C
Q>W
2)。
【0072】
搬送ベルト29の周回移動に伴って、第1ローラ51P、第2ローラ51Qおよび第3ローラ51Rは、いずれも従動回転する。ベルトコンベヤ23の上面における第1ローラ51P、第2ローラ51Qおよび第3ローラ51Rの回転方向は、搬送方向Aに一致する。そのため、第1ローラ51P、第2ローラ51Qおよび第3ローラ51Rの外周面54aに当たった海苔2は、搬送方向Aへと促される。第1ローラ51P、第2ローラ51Qおよび第3ローラ51Rが搬送方向Aに回転するので、海苔2をより一層良好に搬送できる。
【0073】
図3を参照して、シート媒体検査ユニット8は、搬送ベルト29の周回速度を検出するための周回速度検出ユニット40を備えている。具体的には、周回速度検出ユニット40は、搬送ベルト29の周回に従動回転する回転体と、この回転体の回転角を検出するエンコーダ40aとを備えている。この回転体は、各ローラ51P,51Q,51Rと平行に延び、搬送ベルト29の搬送面29a(下面)に対向配置される検出軸体を含む。検出軸体には、従動リング(図示せず)が外嵌固定されている。この従動リングの外周面が、搬送ベルト29の搬送面29a(下面)に接触する。この従動リングが搬送面29aに接触することにより、搬送ベルト29の周回に同伴して検出軸体が回転する。このとき、エンコーダ40aが検出した回転角に戻づいて、周回速度検出ユニット40は、搬送ベルト29の周回速度を検出する。
【0074】
図8は、シート媒体検査装置1の電気的構成を示すブロック図である。シート媒体検査装置1は、制御部61を含む。制御部61は、CPU、ROM、RAM、タイマ等を含むマイクロコンピュータによって構成されている。
【0075】
制御部61には、コンピュータ62が電気的に接続されている。コンピュータ62は、色調検査、画像保存、スコアリング等のための制御およびデータ記憶を行う。コンピュータ62は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスを備えていてもよい。この記憶デバイスは、様々な情報を記憶していてもよい。コンピュータ62には、色調センサユニット24、有無センサ26、エンコーダ40aおよび表示モニタ10A,10Bが電気的に接続されている。コンピュータ62は、これらの電気部品の動作を制御することによって、色調検査を実行する。また、コンピュータ62は、色調センサユニット24により撮像した画像保存を保存する。さらに、コンピュータ62は、色調センサユニット24によりされた海苔2の色調(色味および明るさを含む)に基づいて表示モニタ10A,10Bに表示したり、この海苔2の等級を決定したりする(スコアリング)。
【0076】
制御部61には、表示操作部9、駆動モータ38およびI/F部63が電気的に接続されている。制御部61は、I/F部63を介して、シート媒体供給装置4およびシート媒体集積装置5と外部通信できる。制御部61は、作業者による表示操作部9の操作に応じた指示を受け付ける。制御部61には、表示操作部9が、制御部61に電気的に接続されている。制御部61は、表示操作部9からの指示信号や、シート媒体供給装置4からの信号に基づいて、駆動モータ38の駆動を開始したり、停止したりする。
【0077】
海苔2の検査時には、制御部61は、シート媒体供給装置4から海苔2の供給を行う旨の信号を受信する。このとき、制御部61は、駆動モータ38の回転駆動を開始する。これにより、駆動プーリ32が駆動開始し、搬送ベルト29が周回移動を開始する。その結果、ベルトコンベヤ23の上面に露出する搬送ベルト29の搬送面29aが、搬送方向Aに移動する。また、コンピュータ62は、エンコーダ40aを含む周回速度検出ユニット40(
図3参照)の検出出力に基づいて、搬送ベルト29の周回移動速度を演算により求める。
【0078】
そして、シート媒体供給装置4からシート媒体検査ユニット8に、複数枚の海苔2が1枚ずつ送られてくる。シート媒体検査ユニット8(シート媒体検査装置1)に送られてきた複数前の海苔2は、
図3に一点鎖線で示すように、海苔2の縦が左右方向Xに沿いかつ海苔2の横が前後方向Yに沿う状態で、左右方向Xに一定間隔を空けてベルトコンベヤ23上を流れる。海苔2の搬送速度は、搬送ベルト29の周回移動の速度に一致する。そして、コンピュータ62は、シート媒体供給装置4からシート媒体検査ユニット8への各海苔2の供給開始タイミング、および周回速度検出ユニット40が検出した搬送ベルト29の周回移動の速度に基づいて、各海苔2の撮像開始タイミングを決定する。この実施形態で採用されているエンコーダ40aの分解能は、たとえば2000P/rpmである。エンコーダ40aは、色調センサユニット24の解像度に応じたパルス信号を送出する。そして、各海苔2の撮像開始タイミングになると、ベルトコンベヤ23上を流れる各海苔2の色調が、色調センサユニット24によって検出される。
【0079】
図9および
図10は、海苔2の色調検査におけるシート媒体検査ユニット8を示す断面図であり、
図5に対応する図である。
【0080】
ベルトコンベヤ23によって搬送されてくる海苔2、すなわち搬送面29aに保持されている海苔2が、うねり2aを有していることがある。うねり2aが海苔2の下側Z2に凸に形成されている場合には、
図9に示すように、海苔2の搬送方向Aの先端部が、搬送面29aから上側Z1に離れる。このとき、先端2bが、海苔2における搬送面29aからの最大高さ部分に該当する。
【0081】
上述のように、第1ローラ51Pよりも大径の第2ローラ51Q(RQ>RP)が、第1ローラ51Pに対し搬送方向Aの上流側に配置されている。加えて、上述のように、第2ローラ51Qの半径RQに隙間CQの大きさを加えた寸法(RQ+CQ)が、海苔2における搬送面29aからの最大高さ部分の高さW2よりも大きい(RQ+CQ>W2)。そのため、海苔2の先端2bが、海苔2における搬送面29aから上側Z1に離れている場合であっても、海苔2の先端2bが、第2ローラ51Qの上に乗り上げることがない。海苔2の先端2bは、第2ローラ51Qの外周面54aと搬送面29aとの間の隙間CQに案内される。
【0082】
そして、隙間CQよりも搬送方向Aの下流側(左側X1)に搬送された海苔2の先端2bは、第2ローラ51Qによって、搬送面29aからの高さが低く抑えられる。そのため、この海苔2の先端2bは、次いで、第1ローラ51Pの外周面54aと搬送面29aとの間の隙間CPに案内される。
【0083】
そして、隙間C
Pよりも搬送方向Aの下流側(左側X1)に搬送された海苔2の先端2bは、第1ローラ51Pによって、搬送面29aからの高さが低く抑えられる。そのため、この海苔2の先端2bは、次いで、第3ローラ51Rの外周面54aと搬送面29aとの間の隙間C
Rに案内される。これにより、
図10に示す状態になる。
【0084】
海苔2の先端2bが隙間C
Rよりも搬送方向Aの下流側(左側X1)に配置された状態(
図10に示す状態)では、海苔2が、隙間C
P、隙間C
Qおよび隙間C
Rのいずれも通過している。すなわち、隙間C
P、隙間C
Qおよび隙間C
Rにおいて、海苔2が、従動ローラ51(第1ローラ51P、第2ローラ51Qおよび第3ローラ51R)と搬送面29aとによって挟まれる。この実施形態では、隙間C
Pおよび隙間C
Rが照光領域36を搬送方向Aに挟むように形成されている。加えて、隙間C
Pおよび隙間C
Rの距離(中心距離L
2(
図5参照))は短い。そのため、海苔2のうち照光領域36が形成される部分のうねり2aを伸ばすことができる。すなわち、うねり2aが伸びている状態の海苔2に、照光領域36を形成できる。
【0085】
色調センサユニット24によって、海苔2の色調が調べられる。ベルトコンベヤ23を海苔2が搬送されることにより、照光領域36が海苔2の上面の全域を走査する。これにより、海苔2の上面の全域の色調が、色調センサユニット24によって検出される。検出された海苔2の色調は、コンピュータ62(
図8参照)に与えられる。
【0086】
コンピュータ62は、検出された海苔2の色調(色味および明るさを含む)を、表示モニタ10A,10Bの少なくとも一方に表示する。また、コンピュータ62は、検出された海苔2の色調に基づいて、この海苔2の等級を決定する(スコアリング)。そして、制御部61は、決定した海苔2の等級を、表示モニタ10Bの少なくとも一方に表示する。検出された海苔2の色調および決定された海苔2の等級は、個々の海苔2の品番に紐付けてコンピュータ62に記憶される。
【0087】
色調検査が終了した海苔2は、ベルトコンベヤ23の搬送方向Aの下流端から1枚ずつ排出され、シート媒体集積装置5に受け渡される。そして、シート媒体集積装置5において、検査済みの海苔2が上下方向Zに集積される。そして、停止タイミングになると、表示操作部9からの指示信号や、シート媒体供給装置4からの信号に基づいて、制御部61は、駆動モータ38の駆動を停止する。
【0088】
以上のようにこの実施形態によれば、搬送ベルト29の周回移動により、搬送面29aに保持されている海苔2が搬送方向Aに搬送され、搬送ベルト29と複数の従動ローラ51(第1ローラ51P、第2ローラ51Qおよび第3ローラ51R)との間の隙間C(隙間CP、隙間CQおよび隙間CR)を通過する。そのため、ベルトコンベヤ23を搬送される海苔2にうねり2aがある場合であっても、照光領域36において海苔2のうねり2aを低減できる。すなわち、海苔2のうち照光領域36が形成される部分のうねり2aを伸ばすことで、うねり2aの影響を回避しながら、色調検査を行うことができる。
【0089】
そして、隙間Cが海苔2の厚みW1よりも大きい。そのため、海苔2を押し付けることなく、照光領域36において海苔2のうねり2aを低減できる。これにより、検査対象の海苔2へのダメージを抑制または防止しながら、高精度で海苔2を検査できる。
【0090】
また、第1ローラ51Pが、搬送面29aにおいて照光領域36に対し搬送方向Aの上流側(右側X2)に配置されている。第3ローラ51Rが、搬送面29aにおいて照光領域36に対し搬送方向Aの下流側(左側X1)に配置されている。すなわち、照光領域36に対し搬送方向Aの上流側と下流側の両方にそれぞれ第1ローラ51Pおよび第3ローラ51Rが配置される。海苔2のうねり2aを低減するための隙間CPおよび隙間CRを照光領域36に対し搬送方向Aの上流側と下流側の両方に配置するので、照光領域36における海苔2のうねり2aを効果的に低減できる。
【0091】
また、第1ローラ51Pおよび第3ローラ51Rの中心距離L2が、比較的短くされている。すなわち、隙間CPおよび隙間CRの搬送方向Aの距離が近い。照光領域36における海苔2のうねり2aをより一層効果的に低減できる。
【0092】
加えて、第1ローラ51Pおよび第3ローラ51Rが、比較的小径にされている。これにより、水平面に対して傾斜している第1光路37aおよび第2光路37bに従動ローラ51が干渉することを防止しながら、照光領域36における海苔2のうねり2aを低減できる。
【0093】
仮に、第2ローラ51Q(第2ローラユニット44)を廃止し、かつ第1ローラ51Pを第2ローラ51Qと同程度に大径化することを考える。この場合、第1ローラ51Pが大径であるため、うねり2aを有する海苔2が第1ローラ51Pを乗り上げることを抑制できる。しかし、大径の第1ローラ51Pが光路37に干渉するおそれがある。この場合、色調センサユニット24によって海苔2の色調を良好に検出できないおそれがある。
【0094】
これに対し、この実施形態では、第1ローラ51Pではなく第2ローラ51Qを大径化している。これにより、色調センサユニット24による海苔2の色調検出を阻害することなく、うねり2aを有する海苔2が第2ローラ51Qに乗り上げることを防止できる。
【0095】
図11は、この発明の第2実施形態に係るシート媒体検査装置201の断面図である。
図11は、
図9に対応する図である。第2実施形態において、第1実施形態に示された各部に対応する部分には、
図1~
図10の場合と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。シート媒体検査装置201が、シート媒体検査装置1と相違する点は、第2ローラ51Q(第2ローラユニット44)を廃止し、第2ローラ51Qに代わる案内手段として、ガイド部材202を設けた点にある。
【0096】
ガイド部材202は、ガイド板であり、左右方向Xに一定幅を有し、前後方向Yに長く延びている。ガイド部材202は、第1ローラ51Pに対し搬送方向Aの上流側(右側X2)において、搬送面29aに対向して配置されている。ガイド部材202は、搬送方向Aの下流側(左側X1)に向かうに従って低くなる傾斜状である。ガイド部材202は、鋼等の金属材料を用いて形成されている。ガイド部材202の下流端縁203は、前後方向Yの全域にわたって延びている。ガイド部材202の下流端縁203の高さW3は、第1ローラ51Pの半径RPに隙間CPの大きさを加えた寸法(RP+CP)よりも小さい(W3<RP+CP)。
【0097】
ガイド部材202は、搬送面29aに保持されている海苔2の先端2bを、搬送面29aと第1ローラ51Pとの間の隙間CPに案内する。ガイド部材202の下流端縁203の高さW3が、第1ローラ51Pの半径RPに隙間CPの大きさを加えた寸法(RP+CP)よりも小さいので(W3<RP+CP)、海苔2の先端2bは、隙間CPにスムーズに案内される。
【0098】
第2実施形態によれば、第1実施形態で説明した作用効果と同等の作用効果を奏する。
【0099】
図12は、この発明の第3実施形態に係るシート媒体検査装置301の断面図である。
図12は、
図9に対応する図である。
図13は、
図12に示す気体吐出ユニット302を、矢視XIIIから見た図である。第3実施形態において、第1実施形態に示された各部に対応する部分には、
図1~
図10の場合と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。シート媒体検査装置301が、シート媒体検査装置1と相違する点は、第2ローラ51Q(第2ローラユニット44)を廃止し、第2ローラ51Qに代わる案内手段として、気体吐出ユニット302を設けた点にある。
【0100】
気体吐出ユニット302は、搬送面29aに保持されている海苔2の上面に向けて気体を吹き付ける気体ノズル303と、気体供給源からの気体を気体ノズル303に導く気体配管304と、気体配管304を開閉する気体バルブ305とを含む。気体は、たとえば、エア等の不活性ガスである。
【0101】
気体ノズル303は、色調センサユニット24に対し、搬送方向Aの上流側(右側X2)に配置されている。
図13に示すように、気体ノズル303は、前後方向Yに間隔を空けて配置された複数の気体ノズル303を含む。各気体ノズル303の下端には、搬送面29aに上方から対向し、搬送面29aに向けて気体を吐出する気体吐出口303aが形成する。気体吐出口303aの吐出方向は、下側Z2に向かうに従って搬送方向Aの下流側(左側X1)に向かうように鉛直方向(上下方向Z)に対して傾斜している。
【0102】
図12を参照して、気体ノズル303は、搬送面29aに保持されている海苔2の先端2bに気体を吹き付ける。これにより、海苔2の先端2bが、搬送面29aと第1ローラ51Pとの間の隙間C
Pに案内される。気体ノズル303の吐出流量を調整することにより、海苔2の先端2bを、隙間C
Pにスムーズに案内できる。
【0103】
第3実施形態によれば、第1実施形態で説明した作用効果と同等の作用効果を奏する。
【0104】
図14は、この発明の第4実施形態に係るシート媒体検査装置401の断面図である。
図14は、
図9に対応する図である。第4実施形態において、第1実施形態に示された各部に対応する部分には、
図1~
図10の場合と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。シート媒体検査装置401が、シート媒体検査装置1と相違する点は、案内手段として、気体吐出ユニット402をさらに設けた点にある。
【0105】
気体吐出ユニット402は、搬送面29aに保持されている海苔2の上面に向けて気体を吹き付ける気体ノズル403と、気体供給源からの気体を気体ノズル403に導く気体配管404と、気体配管404を開閉する気体バルブ405とを含む。気体は、たとえば、エア等の不活性ガスである。
【0106】
気体ノズル403は、搬送方向Aに関し、第1ローラ51Pと、第3ローラ51Rとの間に配置されている。気体ノズル403は、前後方向Yに間隔を空けて配置された複数の気体ノズル403を含む。各気体ノズル403の下端には、搬送面29aに上方から対向し、搬送面29aに向けて気体を吐出する気体吐出口403aが形成する。気体吐出口403aの吐出方向は、下側Z2である。気体吐出口403aから吐出された気体は、海苔2に形成される照光領域36に向けて上側Z1から吹き付けられる。
【0107】
第4実施形態によれば、第1実施形態で説明した作用効果と同等の作用効果を奏する。
【0108】
加えて、第4実施形態によれば、気体ノズル403からの気体が照光領域36において海苔2に上側Z1から吹き付けられるので、照光領域36における海苔2のうねり2aをより効果的に低減できる。
【0109】
図15は、この発明の第5実施形態に係るシート媒体検査装置501の断面図である。
図15は、
図9に対応する図である。第5実施形態において、第1実施形態に示された各部に対応する部分には、
図1~
図10の場合と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。シート媒体検査装置501が、シート媒体検査装置1と相違する点は、第4ローラ(第2ローラ)51Sをさらに設けた点にある。
【0110】
第4ローラ51Sは、第4ローラユニット502に含まれた従動ローラ51である。第4ローラユニット502は、第2ローラユニット44に対し、搬送方向Aの上流側(右側X2)に配置されている。第4ローラユニット502は、ローラ径を除き、第2ローラユニット44と同等の構成である。そのため、第4ローラユニット502の構成についての詳細な説明は省略する。
【0111】
第4ローラ51Sの半径RSは、第2ローラ51Qの半径RQよりも大きい(RS>RQ)。半径RSの一例は30mmである。第4ローラ51Sの外周面54aと搬送面29aとの間の隙間Cを隙間CSとする。隙間CSの大きさは、隙間CRと同じである。
【0112】
ベルトコンベヤ23の上面を搬送される海苔2の先端2bは、隙間CSに案内される。隙間CSよりも搬送方向Aの下流側(左側X1)に搬送された海苔2の先端2bは、第4ローラ51Sによって、搬送面29aからの高さが低く抑えられる。そのため、この海苔2の先端2bは、次いで、第2ローラ51Qと搬送面29aとの間の隙間CQに案内される。
【0113】
隙間CQよりも搬送方向Aの下流側(左側X1)に搬送された海苔2の先端2bは、第2ローラ51Qによって、搬送面29aからの高さが低く抑えられる。そのため、この海苔2の先端2bは、次いで、第1ローラ51Pの外周面54aと搬送面29aとの間の隙間CPに案内される。
【0114】
第5実施形態によれば、第1実施形態で説明した作用効果と同等の作用効果を奏する。
【0115】
加えて、第5実施形態によれば、第4ローラ51S(第4ローラユニット502)を設けるので、搬送面29aに保持されている海苔2が、極めて大きなうねり2aを有している場合であっても、第4ローラ51Sへの海苔2の乗り上げを防止して、海苔2を照光領域36へと良好に案内できる。
【0116】
第5実施形態において、従動ローラ51の個数(ローラユニットの個数)をさらに増やし、5個以上としてもよい。
【0117】
図16は、他の形態に係るシート媒体検査装置601の断面図である。
図15は、
図9に対応する図である。当該他の形態において、第4実施形態に示された各部に対応する部分には、
図1~
図10の場合と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。シート媒体検査装置601が、第4実施形態に係るシート媒体検査装置401と相違する点は、第1ローラ51P(第1ローラユニット43)、第2ローラ51Q(第2ローラユニット44)および第3ローラ51R(第3ローラユニット45)を廃止した点にある。
【0118】
以上、この発明の複数の実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。
【0119】
たとえば、上述の各実施形態では、従動ローラ51の両端部に接触リング58を形成するとしたが、接触リング58は従動ローラ51の一方側の端部のみに形成されていてもよい。
【0120】
また、上述の各実施形態では、第1ローラ51P、第2ローラ51Qおよび第3ローラ51Rが、搬送ベルト29の周回移動に伴って従動回転するとしたが、第1ローラ51P、第2ローラ51Qおよび第3ローラ51Rの少なくとも一つが、搬送ベルト29の周回移動に伴って回転せずに、回転自在な状態(空転状態)とされていてもよい。この場合、空転状態にあるローラを含むローラユニット(第1ローラユニット43、第2ローラユニット44および第3ローラユニット45の少なくとも一つ)は、接触リング58を備えていなくてもよい。
【0121】
また、シート媒体検査装置1,201,301,401,501,601が、検査対象の海苔2の色調を検出するものの、検査対象の海苔2の等級の決定は行わないものであってもよい。この場合、検査対象の海苔2の等級は、検査された海苔2の色調に基づいて、作業員が決定したり他の装置を用いて決定したりする。
【0122】
また、シート媒体検査装置1,201,301,401,501,601が、検査対象の海苔2の色調を検出だけでなく、検査対象の海苔2の欠けや穴をさらに検出するものであってもよい。
【0123】
また、シート媒体検査装置1,201,301,401,501,601の検査対象が海苔2である場合を例に挙げて説明したが、海苔2以外のシート媒体を検査対象とするものであってもよい。
【0124】
また、以上に説明した様々な特徴は、適宜組み合わせることができる。
【0125】
この明細書および図面の記載から以下に付記する特徴が抽出され得る。
【0126】
[付記1]
シート媒体を検査するためのシート媒体検査装置であって、
搬送面を有する無端状の搬送ベルトを有し、前記搬送ベルトの周回移動により、前記搬送面に保持されているシート媒体を所定の搬送方向に搬送するベルトコンベヤと、
前記搬送面に対向して配置されたセンサユニットであって、前記搬送面に設定された照光領域に向けて光を発する発光部と、前記発光部から発せられた光であって前記搬送面に保持されている前記シート媒体で反射した光を受ける受光部とを有するセンサユニットと、
前記搬送面に対向して配置されたローラであって、前記照光領域よりも上流側において、前記搬送面に保持されている前記シート媒体が前記搬送ベルトと前記ローラとの隙間を通過可能なローラと、
前記ローラに対し前記搬送方向の上流側に配置され、前記搬送面に保持されている前記シート媒体の先端を、前記搬送面と前記ローラとの間の前記隙間に案内する案内手段とを含む、シート媒体検査装置。
【0127】
付記1の発明の解決課題は、検査対象のシート媒体のローラへの乗り上げを抑制または防止することにより、良好な検査を実現することである。
【0128】
付記1の構成によれば、搬送面に保持されているシート媒体の先端が、案内部材によって、搬送面とローラとの間の隙間に案内される。これにより、検査対象のシート媒体がローラに乗り上げることを抑制または防止できる。ゆえに、良好な検査を実現できる。
【0129】
[付記2]
前記案内手段が、前記搬送面に対向して、前記ローラよりも大径を有し、前記ローラに対して前記搬送方向の上流側に配置された第2ローラを含む、付記1に記載のシート媒体検査装置。
【0130】
[付記3]
前記案内手段が、前記搬送面に対向して、前記ローラに対し前記搬送方向の上流側に配置され、前記搬送面に保持されている前記シート媒体の先端を、前記搬送面と前記ローラとの間の前記隙間に案内するガイド部材を含む、付記1または2に記載のシート媒体検査装置。
【0131】
[付記4]
前記案内手段が、前記搬送面に対向して、前記ローラに対し前記搬送方向の上流側に配置された気体ノズルであって、前記搬送面に保持されている前記シート媒体の先端に気体を吹き付けて、当該先端を、前記搬送面と前記ローラとの間の前記隙間に案内する気体ノズルをさらに含む、付記1~3のいずれか一項に記載のシート媒体検査装置。
【0132】
[付記5]
前記ローラが、前記搬送面において前記照光領域に対し前記搬送方向の上流側に配置された第1ローラと、前記搬送面において前記照光領域に対し前記搬送方向の下流側に配置された第3ローラとを含む、付記1~4のいずれか一項に記載のシート媒体検査装置。
【0133】
[付記6]
前記案内手段が、前記搬送面に対向して、前記第2ローラよりも大径を有し、前記第2ローラに対して前記搬送方向の上流側に配置された第4ローラを含む、付記2に記載のシート媒体検査装置。
【0134】
[付記7]
前記発光部および前記受光部が、前記搬送方向に関し、前記照光領域を挟んで互いに間隔を空けて配置されている、付記1~6のいずれか一項に記載のシート媒体検査装置。
【0135】
[付記8]
前記センサユニットが、前記搬送面に保持されている前記シート媒体の色調を検出する色調センサユニットをさらに含む、付記1~7のいずれか一項に記載のシート媒体検査装置。
【0136】
[付記9]
前記シート媒体が、海苔である、付記1~8のいずれか一項に記載のシート媒体検査装置。
【符号の説明】
【0137】
1 :シート媒体検査装置
2 :海苔(シート媒体)
2b :先端
23 :ベルトコンベヤ
24 :色調センサユニット(センサユニット)
29 :搬送ベルト
29a :搬送面
34 :発光部
35 :受光部
36 :照光領域
51 :従動ローラ(ローラ)
51P :第1ローラ(ローラ)
51Q :第2ローラ(ローラ)
51R :第3ローラ(ローラ)
51S :第4ローラ(ローラ、第2ローラ)
58 :接触リング
201 :シート媒体検査装置
202 :ガイド部材
301 :シート媒体検査装置
303 :気体ノズル
401 :シート媒体検査装置
403 :気体ノズル
501 :シート媒体検査装置
A :搬送方向
C :隙間
CP :隙間
CQ :隙間
CR :隙間
CS :隙間
W1 :厚み
X1 :左側(搬送方向Aの下流側)
X2 :右側(搬送方向Aの上流側)