(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009519
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】テーブル
(51)【国際特許分類】
A47B 3/06 20060101AFI20250110BHJP
A47B 3/12 20060101ALI20250110BHJP
【FI】
A47B3/06 D
A47B3/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023112575
(22)【出願日】2023-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】591058334
【氏名又は名称】株式会社八木研
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】八木 龍一
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053FA07
3B053FB07
3B053FB09
3B053LA00
(57)【要約】
【課題】テーブルの設置、移動および収納にかかる労力を軽減可能なテーブルの提供。
【解決手段】天板と、脚部と、天板と脚部とを着脱可能に連結する連結部とを備え、脚部は、天板と連結された状態において、直接的または間接的に天板の被支持面と密着して天板を支持する支持面を備え、連結部は、天板および脚部のいずれか一方に設けられた係合部材と、他方に設けられた被係合部材とを備え、係合部材は、被係合部材の第1の位置に対する挿脱が可能で、かつ、被係合部材に挿入された状態で、第1の位置から天板と脚部とを連結する第2の位置への相対的な移動が可能であり、連結部は、係合部材が被係合部材に挿入された状態で、係合部材が第1の位置から第2の位置へ相対移動することにより、天板の被支持面と脚部の支持面との接触圧が増加し、係合部材が第2の位置から第1の位置へ相対移動することにより、天板の被支持面と脚部の支持面との接触圧が減少するように構成されている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板と、
前記天板を支持する脚部と、
前記天板と前記脚部とを着脱可能に連結する連結部とを備え、
前記脚部は、前記天板と連結された状態において、前記天板の被支持面と直接的または間接的に密着して前記天板を支持する支持面を備え、
前記連結部は、前記天板および前記脚部のいずれか一方に設けられた係合部材と、前記天板および前記脚部の他方に設けられた被係合部材とを備え、
前記係合部材は、前記被係合部材の第1の位置に対する挿脱が可能に構成され、かつ、前記被係合部材に挿入された状態で、前記第1の位置から前記天板と前記脚部とを連結する第2の位置への相対的な移動が可能に構成され、
前記連結部は、前記係合部材が前記被係合部材に挿入された状態で、前記係合部材が前記被係合部材の前記第1の位置から前記第2の位置へ相対的に移動することにより、前記天板の前記被支持面と前記脚部の前記支持面との接触圧が増加して前記被支持面と前記支持面とが直接的または間接的に密着し、前記係合部材が前記被係合部材の前記第2の位置から前記第1の位置へ相対的に移動することにより、前記天板の前記被支持面と前記脚部の前記支持面との接触圧が減少するように構成されている、テーブル。
【請求項2】
前記係合部材は、前記天板に設けられ、
前記被係合部材は、前記脚部に設けられ、
前記天板および前記脚部のいずれか一方は、凹部を有し、
(i)前記天板が前記凹部を有する場合、
前記凹部は前記被支持面に対して凹むように構成され、かつ、前記係合部材は前記凹部内に設けられ、
前記連結部は、前記被係合部材が前記凹部内に位置した状態で、前記係合部材が前記被係合部材の前記第1の位置と前記第2の位置との間で相対的に移動するように構成され、
(ii)前記脚部が前記凹部を有する場合、
前記凹部は前記支持面に対して凹むように構成され、かつ、前記被係合部材は前記凹部内に設けられ、
前記連結部は、前記係合部材が前記凹部内に位置した状態で、前記係合部材が前記被係合部材の前記第1の位置と前記第2の位置との間で相対的に移動するように構成されている、
請求項1に記載のテーブル。
【請求項3】
前記係合部材は、前記脚部に設けられ、
前記被係合部材は、前記天板に設けられ、
前記天板および前記脚部のいずれか一方は、凹部を有し、
(i)前記天板が前記凹部を有する場合、
前記凹部は前記被支持面に対して凹むように構成され、かつ、前記被係合部材は前記凹部内に設けられ、
前記連結部は、前記係合部材が前記凹部内に位置した状態で、前記係合部材が前記被係合部材の前記第1の位置と前記第2の位置との間で相対的に移動するように構成され、
(ii)前記脚部が前記凹部を有する場合、
前記凹部は前記支持面に対して凹むように構成され、かつ、前記係合部材は前記凹部内に設けられ、
前記連結部は、前記被係合部材が前記凹部内に位置した状態で、前記係合部材が前記被係合部材の前記第1の位置と前記第2の位置との間で相対的に移動するように構成されている、
請求項1に記載のテーブル。
【請求項4】
前記テーブルは、ロック機構をさらに備え、
前記ロック機構は、前記連結部により前記天板と前記脚部とが連結された状態を保持するように構成されている、
請求項1に記載のテーブル。
【請求項5】
前記凹部は溝部であり、
前記溝部は、前記溝部の深さ方向から見て、前記被係合部材の前記第1の位置と前記第2の位置とを結ぶ方向に沿って延びており、
前記テーブルは、複数の前記連結部を備え、
前記複数の連結部は、前記天板と前記脚部とが連結された状態で、前記被係合部材の前記第1の位置と前記第2の位置とを結ぶ方向に沿って並ぶように配置されている、
請求項2または3に記載のテーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食事や会議等において用いられるテーブルには様々な大きさのものがある。テーブルの大きさは、天板の大きさに応じて異なる。天板が大きくなるにつれて、重量も大きくなりやすい。たとえば、特許文献1には、大きな天板を備えたテーブルの一例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、宴会場や会議場等においては、テーブルの設置、移動および収納が行われることが多い。天板の大きさや重量が大きい場合、テーブルの設置、移動および収納にかかる労力が増大しやすい。
【0005】
そこで、本発明はかかる問題点に鑑みて、テーブルの設置、移動および収納にかかる労力を軽減することが可能なテーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るテーブルは、天板と、前記天板を支持する脚部と、前記天板と前記脚部とを着脱可能に連結する連結部とを備え、前記脚部は、前記天板と連結された状態において、前記天板の被支持面と直接的または間接的に密着して前記天板を支持する支持面を備え、前記連結部は、前記天板および前記脚部のいずれか一方に設けられた係合部材と、前記天板および前記脚部の他方に設けられた被係合部材とを備え、前記係合部材は、前記被係合部材の第1の位置に対する挿脱が可能に構成され、かつ、前記被係合部材に挿入された状態で、前記第1の位置から前記天板と前記脚部とを連結する第2の位置への相対的な移動が可能に構成され、前記連結部は、前記係合部材が前記被係合部材に挿入された状態で、前記係合部材が前記被係合部材の前記第1の位置から前記第2の位置へ相対的に移動することにより、前記天板の前記被支持面と前記脚部の前記支持面との接触圧が増加して前記被支持面と前記支持面とが直接的または間接的に密着し、前記係合部材が前記被係合部材の前記第2の位置から前記第1の位置へ相対的に移動することにより、前記天板の前記被支持面と前記脚部の前記支持面との接触圧が減少するように構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、テーブルの設置、移動および収納にかかる労力を軽減することが可能なテーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態のテーブルの一例を示す斜視図であり、テーブルを天板側から見た図である。
【
図2】
図1に示されるテーブルを脚部側から見た斜視図である。
【
図3】
図2に示されるテーブルの天板を示す斜視図であり、天板を裏面側から見た図である。
【
図4】
図1に示されるテーブルの脚部を示す斜視図である。
【
図5】
図1に示されるテーブルにおいて、天板と脚部の連結に用いられる連結部材の一例を示す斜視図である。
【
図6】
図1に示されるテーブルにおいて、天板と脚部の連結状態の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態のテーブルを説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまで一例であり、本発明のテーブルは、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0010】
本実施形態のテーブルTは、
図1および
図2に示されるように、天板1と、天板1を支持する脚部2と、天板1と脚部2とを着脱可能に連結する連結部3(
図6参照)とを備えている。テーブルTは、連結部3を介して天板1に脚部2が取り付けられて、食事、作業、会議などを行なうための台として使用することができる。テーブルTは、たとえば、旅館など、複数のテーブルの設置、移動および収納が行われることが多い場所で好適に使用され得る。特に、旅館の宴会場(たとえば大広間)では、多数のテーブルの設置、移動および収納が行われることが多い。このため、本実施形態のテーブルTによって、設置、移動および収納にかかる労力を軽減することができれば、設置等の作業を行う者の労働効率を効果的に向上させることができる。
【0011】
本明細書および図面において、方向D1は、テーブルTの高さ方向(上下方向)表し、方向D2は、テーブルTの長手方向(天板1の長手方向)を表し、方向D3は、テーブルTの幅方向(天板1の幅方向)を表すものとする。方向D1、方向D2および方向D3は、互いに直交する。なお、方向D2における天板1の長さと、方向D3における天板1の長さとは同じであってもよい。たとえば、天板1は、正方形状や円形状であってもよい。以下では、天板1と脚部2とが連結された状態、および、天板1と脚部2の連結が解除された状態(天板1から脚部2が取り外された状態)の双方において、方向D1、方向D2および方向D3を用いて説明を行うものとする。
【0012】
天板1は、脚部2により支持され、所定の高さが付与される部材である。天板1は、その上面に載置物を載置可能であり、または、その上面で食事や作業などを行なうことが可能である。天板1は、その上面に載置物を載置可能であり、または、その上面で食事や作業が可能であれば、その形状は特に限定されない。
図1~
図3に示される例では、天板1は、略矩形板状に形成されている。天板1は、方向D1における一方側の面(下面)に、連結部3を介して脚部2が着脱可能に取り付けられる。なお、天板1は、略矩形状以外の形状であってもよく、たとえば略楕円形状、略円形状、略正方形状など、他の形状を有していてもよい。
【0013】
天板1は、脚部2における後述の支持面21(
図4参照)に支持される被支持面13(
図3参照)を備えている。天板1は、脚部2の支持面21に密着した状態で支持面21に支持される。天板1は、脚部2の支持面21に密着した状態で支持されることにより、安定した状態で支持され得る。被支持面13の位置および大きさは、脚部2の支持面21により安定した状態で支持され得るのであれば、特に限定されない。本実施形態では、被支持面13は、方向D2における天板1の両端部の各々の下面(
図3における上側の面)である。被支持面13は、方向D2における天板1の両端部の側縁(
図3に示される例では短辺)に沿って設けられている。被支持面13が、方向D2における天板1の両端部の各々の下面であることにより、天板1は、天板1の重心に対してバランスのよい位置で脚部2に支持され得る。
【0014】
天板1の構成材料は、特に限定されるものではなく、木材、合成樹脂、金属などの任意の材料を採用することができる。また、天板1の構造は、特に限定されるものではなく、ベタ芯構造、フラッシュ構造、ハニカム構造などの任意の構造を採用することができる。なお、天板1を軽量化するために、天板1は、フラッシュ構造またはハニカム構造を有していることが好ましい。本実施形態では、天板1はハニカム構造を有している。具体的には、
図3に示されるように、天板1は、天板1の周縁部を構成する枠状のフレーム部11と、フレーム部11の内側に設けられた面状部12とを備えている。フレーム部11は、天板1の骨組みを構成している。脚部2は、フレーム部11に連結されるように構成されている。脚部2がフレーム部11に連結されることにより、脚部2と天板1との連結を強固に行うことができる。本実施形態では、フレーム部11は、連結部3を構成する後述の係合部材31を取り付けることが可能に構成されている。また、フレーム部11は、係合部材31が取り付けられた状態で、係合部材31に対して後述の被係合部材32が係合され得るように構成されている。
図3に示される例では、被支持面13は、フレーム部11の下面(脚部2に対向する側の面)に設けられている。被支持面13がフレーム部11に設けられることにより、脚部2と天板1との連結を強固に行うことができる。
【0015】
本実施形態では、天板1は、被支持面13に対して凹むように構成された凹部14を有している。凹部14は、係合部材31を収容するための収容空間を構成する。すなわち、係合部材31は、凹部14内に設けられる。係合部材31が凹部14内に設けられることにより、脚部2が天板1から取り外されている状態において、係合部材31が天板1の被支持面13に対して突出する状態となるのを防止することができる。これにより、天板1を単独で持ち運ぶ際や収納する際などに、係合部材31が周囲の物体に干渉して、周囲の物体を傷付けるような不都合が生じるのを回避することができる。特に、係合部材31が後述の雄ねじ部材である場合には、雄ねじ部材の頭部が周囲の物体に干渉した場合には、周囲の物体を傷付ける可能性があると考えられる。しかしながら、本実施形態のように、係合部材31が凹部14内に設けられていることにより、そのような不都合が生じるのを簡単な構成で回避することができる。
【0016】
本実施形態では、凹部14は溝部である(
図3および
図6参照)。
図3および
図6に示される例では、凹部(溝部)14は、天板1に形成されている。凹部(溝部)14は、凹部14の深さ方向(
図3および
図6に示される例では方向D1)から見て、被係合部材32の第1の位置321と第2の位置322とを結ぶ方向(
図3に示される例では方向D3、
図6に示される例では方向D4)に沿って延びている。「凹部14は、凹部14の深さ方向から見て、被係合部材32の第1の位置321と第2の位置322とを結ぶ方向に沿って延びている」とは、後述のように、係合部材31が凹部14内に設けられ(
図3参照)、かつ、被係合部材32が凹部14内に位置した状態で(
図6参照)、係合部材31が被係合部材32の第1の位置321と第2の位置322との間で相対的に移動可能な構成(
図6参照)を前提とするものである。すなわち、凹部14は、凹部14内に被係合部材32が位置するときに、凹部14の深さ方向(
図6に示される例では方向D1)から見て、被係合部材32の第1の位置321と第2の位置322とを結ぶ方向(
図3に示される例では方向D3、
図6に示される例では方向D4)に沿って延びるように構成されている。これにより、凹部14内に係合部材321が設けられ、かつ、凹部14内に被係合部材32が位置している状態において、凹部14の深さ方向(
図6に示される例では方向D1)から見て、凹部14が延びている方向(
図6に示される例では方向D3)に沿って係合部材31および被係合部材32を相対的に移動させることにより、係合部材31を被係合部材32の第1の位置321と第2の位置322とを結ぶ方向(
図6に示される例では方向D4)に沿って相対的に移動させることができる。
【0017】
本実施形態では、連結部3は複数の係合部材31(
図3に示される例では、方向D2における天板1の両端部で3つずつ)を備えている。複数の係合部材31が、天板1の短手方向(方向D3)に沿って、互いに間隔をあけて設けられている。
図3に示される例では、凹部14は、複数(たとえば3つ)の係合部材31を収容可能な長さ(大きさ)を有している。凹部14の長さ(方向D3に沿った長さ)は、凹部14内に少なくとも1つの係合部材31を収容し、凹部14内で係合部材31と被係合部材32とが相対的に移動して、係合部材31と被係合部材32とが係合することが可能であれば、特に限定されない。凹部14は、複数の係合部材31に対して、係合部材31毎に設けられていてもよい。たとえば、方向D3に沿って3つの係合部材31が設けられている場合には、3つの凹部14が方向D3に沿って並ぶように設けられていてもよい。
【0018】
本実施形態では、凹部14は、天板1のフレーム部11に形成されている(
図3参照)。これにより、脚部2と天板1との連結を強固に行うことができる。具体的には、凹部14は、フレーム部11に設けられる被支持面13(
図3に示されるフレーム部11の上側の面)に対して凹むように形成されている。これにより、天板1に設けられる係合部材31が被支持面13から突出しないようにして、天板1を単独で持ち運ぶ際や収納する際などに、係合部材31が周囲の物体に干渉して、周囲の物体を傷付けるような不都合が生じるのを回避することができる。
【0019】
本実施形態では、天板1の面状部12は、フレーム部11によって包囲されるようにフレーム部11と一体的に構成されている(
図3参照)。面状部12の大きさおよび形状は、テーブルTの用途に応じた大きさおよび形状を有するのであれば特に限定されない。本実施形態では、面状部12は、略矩形状に形成されている。また、本実施形態では、天板1を軽量化するために、面状部12はハニカム構造の層(図示せず)または発泡樹脂の層(図示せず)を有している。具体的には、面状部12は、方向D1における一方側(
図1における上側)に位置する板状の表面部121と、方向D1における他方側(
図2および
図3における上側)に位置し、かつ、表面部121に対して方向D1に所定の間隔をあけて設けられた板状の裏面部122とを備えている。また、面状部12は、表面部121および裏面部122の間に設けられたハニカム構造(図示せず)とを備えている。ハニカム構造は、軽量化と強度の向上を両立させ得るように構成されている。具体的には、ハニカム構造は、内側に複数の六角柱状の空間が形成される仕切壁により構成されている。その仕切壁は、方向D1における両側(
図2および
図3における上側および下側)から表面部121および裏面部122で挟み込まれるように構成されている。なお、
図3に示される例では、表面部121および裏面部122間の破線で示される直方体状の空間内にハニカム構造が設けられる。また、面状部12が発泡樹脂の層を有する場合には、発泡樹脂の層は、表面部121および裏面部122間の破線で示される直方体状の空間内に設けられる。発泡樹脂の層は、軽量化と強度の向上を両立させ得るように構成されている。
【0020】
脚部2は、天板1を支持し、天板1に所定の高さを付与する部材である。脚部2は、連結部3を介して天板1に着脱可能に連結される。脚部2の構造は、天板1に所定の高さを付与するように天板1を支持し、かつ、天板1に対して着脱可能であれば、特に限定されない。本実施形態では、脚部2は、
図4に示されるように、台座部22と、台座部22から方向D1に沿って延びる柱部23と、柱部23に対して台座部22とは反対側に設けられる梁部24とを備えている。
図4に示される例では、台座部22は、方向D3に沿って延びる棒状または板状の部材である。柱部23は、方向D1に沿って延びる棒状の部材である。梁部24は、方向D3に沿って延びる棒状または板状の部材である。梁部24において、天板1と対向する面は、後述の支持面21である。また、支持面21には、被係合部材32が設けられている。具体的には、複数(
図4に示される例では3つ)の被係合部材32が、梁部24の長手方向(方向D3)に沿って、互いに間隔をあけて設けられている。
【0021】
脚部2は、天板1と連結された状態において、天板1の被支持面13と密着して天板1を支持する支持面21(
図4参照)を備えている。すなわち、支持面21は、天板1の被支持面13に密着した状態で天板1の被支持面13を支持する。脚部2の支持面21が天板1の被支持面13に密着した状態で被支持面13を支持することにより、天板1を安定した状態で支持することができる。支持面21が天板1の被支持面13を安定して支持できるのであれば、支持面21の位置および大きさは特に限定されない。本実施形態では、支持面21は、天板1と脚部2とが連結された状態において、天板1の被支持面13に対して平行な状態で接触する面である。本実施形態では、支持面21は、天板1と脚部2とが連結された状態において、方向D1における脚部2の一方側の端部(
図4における上側の端部)に位置し、天板1の被支持面13と平行な状態で接触する面である。
【0022】
本実施形態では、テーブルTは、複数(
図1および
図2に示される例では2つ)の脚部2を備えている。複数(
図1および
図2に示される例では2つ)の脚部2は、それぞれ、方向D2における天板1の両端部を支持するように構成されている。すなわち、方向D2における天板1の両端部の被支持面13(
図3参照)のそれぞれを支持可能な位置に複数(
図1および
図2に示される例では2つ)の脚部2が設けられている。なお、脚部2の数は、2つ以上であってもよい。たとえば、脚部2の数は4つであってもよい。この場合、4つの脚部2は、それぞれ、天板1の4つのコーナー部(天板1の4つの頂点)付近の領域を支持するように構成される。
【0023】
脚部2は、
図1~
図4に示されるように、連結部3を介して、天板1の被支持面13に着脱可能に連結される。脚部2が天板1に対して着脱可能に連結されることにより、必要に応じて、天板1から脚部2と取り外すことができる。たとえば、テーブルTの運搬時や収納時に、天板1から脚部2を取り外すことができる。これにより、天板1および脚部2を別々に運搬したり収納したりすることができる。天板1および脚部2の各々は、テーブルT全体よりも軽量かつコンパクトである。したがって、天板1および脚部2を別々に運搬したり収納したりすることにより、テーブルTの移動および収納にかかる労力を軽減することができる。
【0024】
連結部3は、天板1および脚部2のいずれか一方に設けられた係合部材31と、天板1および脚部2の他方に設けられた被係合部材32とを備えている。本実施形態では、係合部材31と被係合部材32とは、互いに着脱可能に係合し得るように構成されている。係合部材31および被係合部材32のいずれか一方が天板1に設けられていればよい。本実施形態では、係合部材31は、天板1に設けられている(
図3および
図6参照)。一方、被係合部材32は、脚部2に設けられている(
図4および
図6参照)。
【0025】
被係合部材32(
図6参照)は、係合部材31と着脱可能に係合することにより、天板1と脚部2とを着脱可能に連結する部材である。本実施形態では、被係合部材32は、係合部材31の挿脱(挿入および抜き取り)が可能な第1の位置321と、係合部材31と係合することにより天板1と脚部2とを連結する第2の位置322とを備えている。また、被係合部材32は、被係合部材32に挿入された係合部材31を第1の位置321から第2の位置322へ案内する案内部324を備えている。すなわち、被係合部材32は、係合部材31の挿脱を可能にする挿脱機能と、係合部材31と係合する係合機能と、係合部材31が挿脱位置(第1の位置321)と係合位置(第2の位置322)との間で移動するように係合部材31を案内する案内機能とを有する。
【0026】
本実施形態では、被係合部材32は、板状部材により構成されている(
図6参照)。被係合部材32の材質は、係合部材1と係合して天板1と脚部2の連結を行い得る強度を有するのであれば、特に限定されない。本実施形態では、被係合部材32は、鉄またはステンレス等の金属により構成されている。本実施形態では、被係合部材32は、第1の位置321と第2の位置322とを結ぶように開口する開口部323を有している。すなわち、開口部323は、方向D3における一方の端部に第1の位置321を有し、他方の端部に第2の位置322を有する。また、開口部323は、第1の位置321と第2の位置322との間の区間に案内部324を有する。案内部324は、方向D3に沿って線状に延びている。開口部323の形状および大きさは、開口部323が上述の挿脱機能と、係合機能と、案内機能とを有するのであれば、特に限定されない。
【0027】
本明細書において、「第1の位置321」は、被係合部材32において、係合部材31が挿入される入口として機能する位置である。本実施形態では、第1の位置321には、係合部材31における後述の被挿入部311が挿入される。また、「第1の位置321」は、被係合部材32において、被係合部材32に挿入された係合部材31が抜き取られる出口として機能する位置である。本実施形態では、第1の位置321から、係合部材31における後述の被挿入部311が抜き取られる。本実施形態では、開口部323は、第1の位置321において、係合部材31における被挿入部311の挿脱が可能な形状および大きさを有する。
【0028】
本明細書において、「第2の位置322」は、被係合部材32において係合部材31が係合する位置である。本実施形態では、係合部材31が被係合部材32の第2の位置322に係合することより、天板1と脚部2とが連結される。本明細書において、「第1の位置321から第2の位置322への相対的な移動」とは、係合部材31が被係合部材32の第1の位置321から第2の位置322へ相対的に移動することを意味する。係合部材31が被係合部材32に対して相対的に移動するのであれば、実際に移動するのは係合部材31および被係合部材32のいずれか一方であってもよいし、双方であってもよい。
【0029】
案内部324は、「第1の位置321から第2の位置322への相対的な移動」の経路を規定するように構成されている。すなわち、案内部324は、「第1の位置321から第2の位置322への相対的な移動」を案内するように構成されている。案内部324の構成は、係合部材31を被係合部材32の第1の位置321から第2の位置322への相対的な移動を案内することができるのであれば、特に限定されない。本実施形態では、案内部324は、方向D3に沿って延びるように設けられている。本実施形態では、案内部324は、係合部材31を被係合部材32の第2の位置322から第1の位置321へ相対的に移動させることも可能である。本実施形態では、案内部324は、被係合部材32に挿入された係合部材31を引き抜くことができないように構成されている。すなわち、案内部324は、係合部材31の案内中に係合部材31が被係合部材32から抜け出る(脱落する)のを防止する脱落防止機能を有する。案内部324が脱落防止機能を有することにより、係合部材31を第1の位置321から第2の位置322へ確実に案内することができる。案内部324の開口幅(方向D2における開口幅)は、係合部材31における後述の被挿入部311(
図6参照)の幅よりも小さく、かつ、係合部材31における後述の挿通部314(
図6参照)の幅よりも大きい。案内部324の開口幅がこのような幅を有することにより、案内部324は、係合部材31の挿通部314が挿通された状態で、挿通部314が第1の位置321と第2の位置322との間で移動するのを案内しながら、被挿入部311が案内部324を通じて被係合部材32から抜け出る(脱落する)のを防止することができる。
【0030】
本実施形態では、被係合部材32(
図5参照)は、脚部2(
図6参照)に取り付けられる一対の取付部325と、それぞれの取付部325に対して略垂直に延びる(
図5および
図6に示される例では方向D1における一方側へ延びる)一対の延設部326と、係合部材31を案内する方向(
図6に示される例では方向D4)に沿って延び、かつ、一対の延設部326同士を繋ぐ接続部327とを備えている。取付部325は、板状のフランジ部である。取付部325は、取付対象(
図6に示される例では脚部2の支持面21)に沿うように延在している。取付部325は、取付部325を取付対象(脚部2)に固定するためのねじ孔328を有する。ねじ孔328は、雄ねじ部材5(
図6参照)の脚部51を挿通可能に構成されている。雄ねじ部材5は、上述の係合部材(
図6に示される例では雄ねじ部材)31とは別の部材である。雄ねじ部材5は、周面に雄ねじが形成された脚部51と、脚部51の一端側に設けられた頭部52とを備えている。雄ねじ部材5は、係合部材31とは異なり、規定部313および挿通部314に相当する部分を備えている必要はない。延設部326は、板状に構成されている。一方の延設部326は、係合部材31の挿脱が可能な第1の位置321を有している。一方の延設部326は、第1の位置321において、係合部材31の被挿入部311(
図6参照)の挿脱が可能な形状および大きさで開口している。また、一方の延設部326は、第1の位置321において、係合部材31の挿通部314(
図6参照)の挿通が可能な形状および大きさで開口している。接続部327は板状に構成されている。接続部327は、係合部材31(
図6参照)を案内する方向(
図5および
図6に示される例では方向D4)に沿って延びる案内部324を有する。案内部324は、開口部である。案内部324は、第1の位置321および第2の位置322を結ぶように延びている。一方の延設部326に設けられた開口部(第1の位置321に設けられた開口部)と、案内部324を構成する開口部(第1の位置321および第2の位置322を結ぶ開口部)とは連通している(繋がっている)。また、接続部327の延在方向(
図5および
図6に示される例では方向D4)は、取付部325に対して傾斜している。接続部327の延在方向は、案内部324の延在方向(
図5および
図6に示される例では方向D4)と平行である。
【0031】
係合部材31(
図6参照)は、被係合部材32と着脱可能に係合することにより、天板1と脚部2とを着脱可能に連結する部材である。係合部材31は、被係合部材32の第1の位置321に対する挿脱が可能に構成されている。本明細書において、「挿脱が可能」とは、被係合部材32に対する係合部材31の挿入および抜き取りが可能であることを意味する。すなわち、係合部材31は、被係合部材32の第1の位置321に対して挿入され得る。また、被係合部材32に挿入された状態の係合部材31は、第1の位置321から抜き取られ得る。本実施形態では、係合部材31は、雄ねじ部材である。雄ねじ部材は、外周面に雄ねじが形成された脚部と、脚部の一端側に設けられた頭部とを備えている。
【0032】
本実施形態では、係合部材31(
図6参照)は、被係合部材32に挿入される被挿入部311を備えている。
図6に示される例では、被挿入部311は、上述の雄ねじ部材の頭部である。また、本実施形態では、係合部材31は、天板1に固定される固定部312を備えている。
図6に示される例では、固定部312は、上述の雄ねじ部材の脚部である。固定部312は、天板1にねじ込まれることにより、天板1に固定される。また、本実施形態では、係合部材31は、方向D1における被挿入部311の位置を規定する規定部313を備えている。
図6に示される例では、規定部313は、固定部312が天板1にねじ込まれる深さを所定の深さに制限するように構成されている。規定部313は、固定部312と被挿入部311との間に設けられている。固定部312が天板1に所定の深さまでねじ込まれると、規定部313が天板1に当接する(
図6参照)。本実施形態では、規定部313は、天板1における凹部14の底面141に当接する。規定部313は、天板1に当接することにより、固定部312が必要以上の深さまでねじ込まれるのを防止する。本実施形態では、規定部313は、固定部312の径よりも大きな径を有するフランジ部として構成されている。具体的には、規定部313は、固定部312よりも大きな径を有する円形状のフランジ部として形成されている。また、本実施形態では、係合部材31は、被係合部材32における後述の案内部324に挿通される挿通部314を備えている。
図6に示される例では、挿通部314は、規定部313と被挿入部311とを繋ぐ首部として構成されている。挿通部314は、円柱等の柱状に形成されている。挿通部314の径は、被挿入部311の径および規定部313の径よりも小さい。また、挿通部314の径は、被係合部材32の案内部324の開口幅よりも小さい。
【0033】
係合部材31は、被係合部材32に挿入された状態で、第1の位置321から天板1と脚部2とを連結する第2の位置322への相対的な移動が可能に構成されている(
図6参照)。本実施形態では、係合部材31の被挿入部311が第1の位置321から被係合部材32に挿入される。被挿入部311が被係合部材32に挿入された状態のまま、係合部材31は、第1の位置321から案内部324を経由して、第2の位置322へ移動することが可能である。係合部材31が案内部324によって第1の位置321から第2の位置322へ案内される際、挿通部314が案内部324(開口部323の壁面)に摺接可能である。したがって、係合部材31は、被係合部材32に挿入された状態で、第1の位置321から第2の位置322への相対的に移動することができる。また、本実施形態では、係合部材31が案内部324によって第2の位置322から第1の位置321へ案内され得る。係合部材31が案内部324によって第2の位置322から第1の位置321へ案内される際、挿通部314が案内部324(開口部323の壁面)に摺接可能である。したがって、係合部材31は、被係合部材32に挿入された状態で、第2の位置322から第1の位置321への相対的に移動することができる。
【0034】
連結部3は、係合部材31が被係合部材32に挿入された状態で、係合部材31が被係合部材32の第1の位置321から第2の位置322へ相対的に移動することにより、天板1の被支持面13と脚部2の支持面21との接触圧が増加して被支持面13と支持面21とが密着するように構成されている(接触圧増加機能)。また、連結部3は、係合部材31が被係合部材32に挿入された状態で、係合部材31が被係合部材32の第2の位置322から第1の位置321へ相対的に移動することにより、天板1の被支持面13と脚部2の支持面21との接触圧が減少するように構成されている(接触圧減少機能)。すなわち、連結部3は、係合部材31と被係合部材32の相対的な移動によって天板1の被支持面13と脚部2の支持面21との接触圧を増加させたり減少させたりできるように構成されている。天板1の被支持面13と脚部2の支持面21との接触圧を増加させることにより、天板1の被支持面13と脚部2の支持面21とが密着する。これにより、天板1を脚部2によって安定して支持することができる。また、天板1の被支持面13と脚部2の支持面21との接触圧を減少させることにより、被係合部材32の第1の位置321から係合部材31を容易に抜き取ることができる。したがって、係合部材31を被係合部材32に対して相対的に移動させるだけで、天板1に対する脚部2の取り付けおよび取り外し(着脱)を行うことができる。すなわち、天板1に対する脚部2の取り付け(テーブルTの組み立て)および取り外し(テーブルTの分解)を容易に行うことができる。したがって、テーブルTの設置作業を容易に行うことができ、テーブルTの設置にかかる労力を軽減することができる。また、テーブルTを移動させる場合には、天板1から脚部2を取り外すことにより、天板1および脚部2を別々に持って移動させることができる。すなわち、テーブルTを部品単位で移動させることができる。したがって、テーブルTの移動にかかる労力を軽減することができる。また、テーブルTを収納する場合には、天板1から脚部2を取り外すことにより、天板1および脚部2を別々に収納することができる。すなわち、テーブルTを部品単位で収納することができる。したがって、テーブルTを分解せずに収納する場合と比べて、テーブルTの収納に必要なスペースを小さくすることができ、テーブルTをコンパクトに収納することができる。
【0035】
本実施形態では、連結部3は、係合部材31が被係合部材32に挿入された状態で、係合部材31が被係合部材32の第1の位置321から第2の位置322へ相対的に移動することにより、脚部2の支持面21が天板1の被支持面13へ近づく方向へ相対的に移動するように構成されている。脚部2の支持面21が天板1の被支持面13へ近づく方向へ相対的に移動することにより、天板1の被支持面13と脚部2の支持面21との接触圧を増加させて被支持面13と支持面21とを密着させることができる。
【0036】
また、本実施形態では、連結部3は、係合部材31が被係合部材32に挿入された状態で、係合部材31が被係合部材32の第2の位置322から第1の位置321へ相対的に移動することにより、脚部2の支持面21が天板1の被支持面13から離間する方向へ相対的に移動するように構成されている。脚部2の支持面21が天板1の被支持面13から離間する方向へ相対的に移動することにより、天板1の被支持面13と脚部2の支持面21との接触圧を減少させることができる。
【0037】
「天板1の被支持面13と脚部2の支持面21との接触圧の増加」は、係合部材31が被係合部材32の第1の位置321に到達した時点で、被支持面13と支持面21とが密着する程度の接触圧が得られるような増加であればよい。係合部材31が被係合部材32の第1の位置321に位置している時点では、天板1の被支持面13と脚部2の支持面21とは接触していてもよいし、接触していなくてもよい。すなわち、係合部材31が被係合部材32の第1の位置321に位置している時点では、天板1の被支持面13と脚部2の支持面21との接触圧はゼロより大きい値であってもよいし、ゼロであってもよい。
【0038】
本実施形態では、上述の接触圧増加機能および接触圧減少機能を実現するために、被係合部材32における開口部323の延在方向D4(
図6参照)が、脚部2における支持面21に対して傾斜している。具体的には、第1の位置321と支持面21との距離が、第2の位置322と支持面21との距離よりも小さくなるように、開口部323における案内部324の延在方向D4が傾斜している。開口部323における案内部324の延在方向D4がこのように傾斜していることにより、被係合部材32に挿入された係合部材31と支持面21との距離は、係合部材31が第1の位置321から第2の位置322へ移動するにつれて小さくなる。したがって、天板1の被支持面13と脚部2の支持面21との距離は、係合部材31が第1の位置321から第2の位置322へ移動するにつれて小さくなる。これにより、天板1の被支持面13と脚部2の支持面21との接触圧は、係合部材31が第1の位置321から第2の位置322へ移動するにつれて大きくなる。したがって、係合部材31を被係合部材32の第1の位置321から第2の位置322へ相対的に移動させることにより、天板1の被支持面13と脚部2の支持面21とを密着させて、天板1に対して脚部2を連結することができる。
【0039】
本実施形態では、連結部3は、被係合部材32が凹部14内に位置した状態で、係合部材31が被係合部材32の第1の位置321と第2の位置322との間で相対的に移動するように構成されている。すなわち、凹部14は、脚部2が天板1に取り付けられる際に、係合部材1および被係合部材32の双方を収容するための収容空間として機能する。したがって、脚部2を天板1に取り付ける際に、凹部14内に被係合部材32を配置し、凹部14内で係合部材31を被係合部材32の第1の位置321から第2の位置322へ相対的に移動させることができる。これにより、被係合部材32が脚部2の支持面21に対して突出するように設けられている場合において(
図4および
図6参照)、天板1の被支持面13と脚部2の支持面21との接触圧を増加させて、被支持面13と支持面21とを密着させることができる。
【0040】
本実施形態では、テーブルTは、複数の連結部3を備えている。複数の連結部3は、天板1と脚部2とが連結された状態で、被係合部材31の第1の位置321と第2の位置322とを結ぶ方向に沿って並ぶように配置されている。したがって、天板1の凹部14内に凹部14の延びる方向に沿って設けられた複数の係合部材31と、脚部2に設けられた複数の被係合部材32とを、それぞれ、凹部14内において凹部14が延びている方向に沿って相対的に移動させることにより、複数組の連結部3(係合部材31および被係合部材32の組)を凹部14内で係合させることができる。このように、複数組の連結部3を簡単な操作で容易に係合させることができる。したがって、天板1と脚部2との強固な連結を、容易に行うことができる。
【0041】
本実施形態では、テーブルTは、ロック機構4(
図2および
図3参照)をさらに備えている。ロック機構4は、連結部3により天板1と脚部2とが連結された状態を保持するように構成されている。したがって、ロック機構4を設けることにより、連結部3によって天板1と脚部2とが連結された状態を保持することができる。詳細には、たとえば、連結部3により天板1と脚部2とが連結されているテーブルTに対して、何等かの衝撃(たとえば、テーブルTの転倒による衝撃、天板1に対する物体の衝突による衝撃)が作用した場合には、係合部材31と被係合部材32との係合を解除しようとする外力が働く可能性がある。しかしながら、ロック機構4により天板1と脚部2とが連結された状態を保持しておくことにより、そのような外力に対してロック機構4が抵抗し、係合部材31と被係合部材32との係合がユーザの意図に反して解除されるのを防止することができる。
【0042】
ロック機構4の構成は、連結部3により天板1と脚部2とが連結された状態を保持することができるのであれば、特に限定されない。本実施形態では、ロック機構4は、閂(かんぬき)錠として構成されている。具体的には、ロック機構4は、天板1に設けられた差し込み部41と、脚部2に設けられた被差し込み部42とを備えている。差し込み部41は、被差し込み部42に近づく方向と、被差し込み部42から離間する方向とに往復運動が可能に構成されている。差し込み部1は、被差し込み部42に近づく方向に移動して被差し込み部42に差し込まれることにより、天板1に対する脚部2の動きを阻止するロック状態となるように構成されている。また、差し込み部41は、被差し込み部42から離間する方向に移動することにより、ロック状態が解除されるように構成されている。本実施形態では、差し込み部41は、棒状に構成された本体411と、本体411が往復運動できるように本体411を摺動可能に支持する支持部412とを備えている。また、本実施形態では、被差し込み部42は、差し込み部41の先端部が差し込まれる凹部を有している。被差し込み部42は、たとえば、脚部2に形成された凹部である。また、本実施形態では、ロック機構4は、ユーザが差し込み部41を操作するための把持部43を備えている。把持部43は、差し込み部41の本体411に設けられている。ユーザは、把持部3を把持しながら差し込み部41を操作して、差し込み部41の本体411を往復運動させることにより、ロック機構4によるロックおよびロック解除を行うことができる。なお、ロック機構4の構成は閂錠以外の構成であってもよい。
【0043】
なお、
図1~
図6に示される例では、係合部材31が天板1に設けられ、被係合部材32が脚部2に設けられているが、これに限定されるものではない。係合部材31は、天板1に代えて脚部2に設けられていてもよい。被係合部材32は、脚部2に代えて天板1に設けられていてもよい。また、
図1~
図6に示される例では、凹部(溝部)14は天板1に設けられているが、これに限定されるものではない。凹部14は、天板1に代えて脚部2に設けられていてもよい。
【0044】
具体的には、たとえば、係合部材31が天板1に設けられ、被係合部材32が脚部2に設けられている場合において、脚部2が、凹部(図示せず)を有していてもよい。当該凹部は、被係合部材32を収容するための収容空間を構成する。この場合、当該凹部は支持面21に対して凹むように構成され、かつ、被係合部材32は当該凹部内に設けられる。さらに、連結部3は、係合部材31が当該凹部内に位置した状態で、係合部材31が被係合部材32の第1の位置321と第2の位置322との間で相対的に移動するように構成される。この場合には、脚部2が天板1から取り外されている状態において、被係合部材32が脚部2の支持面21に対して突出する状態となるのを防止することができる。これにより、脚部2を持ち運ぶ際や収納する際などにおいて、被係合部材32が周囲の物体に干渉して、周囲の物体を傷付けるような不都合が生じるのを回避することができる。
【0045】
また、たとえば、係合部材31が脚部2に設けられ、被係合部材32が天板1に設けられている場合において、天板1が凹部14を有していてもよい。凹部14は、被係合部材32を収容するための収容空間を構成する。この場合、凹部14は被支持面13に対して凹むように構成され、かつ、被係合部材32は凹部14内に設けられる。さらに、連結部3は、係合部材31が凹部14内に位置した状態で、係合部材31が被係合部材32の第1の位置321と第2の位置322との間で相対的に移動するように構成される。この場合には、脚部2が天板1から取り外されている状態において、被係合部材32が天板1の被支持面13に対して突出する状態となるのを防止することができる。これにより、天板1を持ち運ぶ際や収納する際などにおいて、被係合部材32が周囲の物体に干渉して、周囲の物体を傷付けるような不都合が生じるのを回避することができる。
【0046】
また、たとえば、係合部材31が脚部2に設けられ、被係合部材32が天板1に設けられている場合において、脚部2が凹部(図示せず)を有していてもよい。当該凹部は、係合部材31を収容するための収容空間を構成する。この場合、当該凹部は支持面21に対して凹むように構成され、かつ、係合部材31は当該凹部内に設けられる。さらに、連結部3は、被係合部材32が当該凹部内に位置した状態で、係合部材31が被係合部材32の第1の位置321と第2の位置322との間で相対的に移動するように構成される。この場合には、脚部2が天板1から取り外されている状態において、係合部材31が脚部2の支持面21に対して突出する状態となるのを防止することができる。これにより、脚部2を持ち運ぶ際や収納する際などにおいて、係合部材31が周囲の物体に干渉して、周囲の物体を傷付けるような不都合が生じるのを回避することができる。
【0047】
なお、テーブルTは、天板1の被支持面13と脚部2の支持面21とが、直接的に密着するように構成されていてもよいし、間接的に密着するように構成されていてもよい。本明細書において、「直接的に密着する」とは、天板1の被支持面13と脚部2の支持面21との間に部材が介在せずに、天板1の被支持面13と脚部2の支持面21とが密着することを意味する。「間接的に密着する」とは、天板1の被支持面13と脚部2の支持面21との間に部材(図示せず)が介在した状態で、天板1の被支持面13と脚部2の支持面21とが密着することを意味する。すなわち、「間接的に密着する」とは、天板1の被支持面13と脚部2の支持面21との間に、部材を介して天板1の被支持面13と脚部2の支持面21とが密着することを意味する。
【0048】
天板1の被支持面13と脚部2の支持面21との間に介在する部材は、天板1の被支持面13と脚部2の支持面21とが押し合う圧力(以下、押圧力とも称する)を高める部材である。天板1の被支持面13と脚部2の支持面21との間に介在する部材は、押圧力を高めることができれば、特に限定されない。当該部材(以下、押圧促進部材とも称する)は、たとえば、押圧力を高めることが可能な厚みを有するシート状部材である。また、押圧促進部材は、好ましくは、帯状(テープ状)の部材である。押圧促進部材は、たとえば、天板1の被支持面13と脚部2の支持面21の少なくともいずれか一方の面に設ける(たとえば、粘着剤により貼着する、または接着剤により接着する)ことができる。押圧促進部材は、たとえば、天板1の被支持面13と脚部2の支持面21の一方に設けられる。また、押圧促進部材は、係合部材31と被係合部材32とを相対的に移動させる方向に沿って設けられる。具体的には、帯状の押圧促進部材が、係合部材31と被係合部材32とを相対的に移動させる方向に沿って設けられる。
【0049】
押圧促進部材は、低摩擦性(摩擦係数が低い)を有する部材であることが好ましい。そのような低摩擦性を有する材料は、特に限定されないが、たとえば、PTFE(ポリエチレンテレフタレート)、PE(ポリエチレン)、または、POM(ポリアセタール)とすることができる。押圧促進部材が低摩擦性を有する部材であることにより、係合部材31と被係合部材32とを相対的に移動させて互いを係合させる際に、押圧促進部材に対して相対的に摺動する面(たとえば、天板1の被支持面13または脚部2の支持面21)と、押圧促進部材との間の摺動抵抗が小さくなる。したがって、係合部材31と被係合部材32とを容易に係合させることができるとともに、天板1の被支持面13と脚部2の支持面21との押圧力を高めて、互いの密着性を高めることができる。これにより、天板1と脚部2とをより強固に連結することができる。したがって、天板1と脚部2との間でぐらつきが生じるのをより確実に防止することができる。
【0050】
次に、本実施形態に係るテーブルTの使用方法の一例について、図面を参照しつつ説明する。以下では、天板1に対して脚部2が取り外された状態からテーブルTを組み立てる方法と、組み立てられた状態のテーブルTを分解する(天板1から脚部2を取り外す)方法について説明する。
【0051】
天板1に対して脚部2が取り外された状態からテーブルTを組み立てる場合には、まず、天板1を裏返しの状態にして(
図3参照)、床面上に配置する。次に、天板1の被支持面13上に脚部2を上下逆さまにした状態で配置する。このように配置する際、天板1の被支持面13上に脚部2の支持面21が乗るように脚部2を配置する。また、被係合部材32が天板1の凹部14内に位置するように、脚部2を配置する。また、凹部14内で、係合部材31が被係合部材32の第1の位置321に位置するように、脚部2を配置する。このように脚部2を配置することにより、係合部材31の被挿入部311が第1の位置321において被係合部材32内に挿入される。次に、係合部材31が第1の位置321から第2の位置322へ移動するように、被係合部材32を係合部材31に対して相対的に移動させる。この移動は、たとえば、脚部2を把持しながら脚部2を凹部14の延在方向(
図6に示される方向D3)に沿って押すことにより行うことができる。この移動により、係合部材1と被係合部材2とが係合され(
図6参照)、天板1に脚部2が連結される(
図1および
図2参照)。次に、ロック機構4の把持部43を把持しながら、差し込み部41の本体411を被差し込み部42に向かって移動させ、差し込み部41の本体411を被差し込み部42に差し込む。これにより、天板1に脚部2が連結された状態がロックされる。一方、組み立てられた状態のテーブルTを分解する場合には、テーブルTを組み立てる手順とは逆の手順を行えばよい。
【0052】
以上説明したように、本実施形態に係るテーブルTは、係合部材31が被係合部材32に挿入された状態で、係合部材31を被係合部材32の第1の位置321から第2の位置322へ相対的に移動させることにより、天板1の被支持面13と脚部2の支持面21との接触圧を増加させて被支持面13と支持面21とを密着させることができる。また、本実施形態に係るテーブルTは、係合部材31が被係合部材32に挿入された状態で、係合部材31を被係合部材32の第2の位置322から第1の位置321へ相対的に移動させることにより、天板1の被支持面13と脚部2の支持面21との接触圧を減少させることができる。したがって、ユーザが簡単な連結動作をするだけで、天板1の被支持面13と脚部2の支持面21とを密着させて、天板1と脚部2を容易に連結することができる。また、ユーザが簡単な取り外し動作をするだけで、天板1の被支持面13と脚部2の支持面21とを密着状態を解除して、天板1から脚部2を容易に取り外すことができる。したがって、テーブルTの運搬時や収納時に、天板1から脚部2を容易に取り外すことができる。これにより、天板1および脚部2を別々に運搬したり収納したりすることができる。天板1および脚部2の各々は、テーブルT全体よりも軽量かつコンパクトである。したがって、天板1および脚部2を別々に運搬したり収納したりすることにより、テーブルTの移動および収納にかかる労力を軽減することができる。また、テーブルTは簡単な連結動作で容易に組み立てることができるため、設置にかかる労力を軽減することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 天板
11 フレーム部
12 面状部
121 表面部
122 裏面部
13 被支持面
14 凹部
2 脚部
21 支持面
22 台座部
23 柱部
24 梁部
3 連結部
31 係合部材
311 被挿入部(頭部)
312 固定部(脚部)
313 規定部(フランジ部)
314 挿通部(首部)
32 被係合部材
321 第1の位置
322 第2の位置
323 開口部
324 案内部
325 取付部
326 延設部
327 接続部
328 ねじ孔
4 ロック機構
41 差し込み部
411 本体
412 支持部
42 被差し込み部
43 把持部
5 雄ねじ部材
51 脚部
T テーブル