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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009522
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】半導体装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H10D 30/66 20250101AFI20250110BHJP
   H10D 30/01 20250101ALI20250110BHJP
   H10D 62/10 20250101ALI20250110BHJP
【FI】
H01L29/78 652P
H01L29/78 652Q
H01L29/78 653C
H01L29/78 658F
H01L29/78 658G
H01L29/06 301V
H01L29/06 301F
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023112582
(22)【出願日】2023-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】302062931
【氏名又は名称】ルネサスエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大水 祐人
(72)【発明者】
【氏名】長浜 優
(57)【要約】
【課題】半導体装置の信頼性を向上させる。
【解決手段】トレンチTRの内部に、絶縁膜IF1を介してフィールドプレート電極FPを形成する。絶縁膜IF1の上面の位置が、フィールドプレート電極FPの上面の位置よりも低くなるように、絶縁膜IF1を後退させる。フィールドプレート電極FPおよび絶縁膜IF1を覆うように、埋込み絶縁膜EF1を形成する。埋込み絶縁膜EF1の上面の位置が、フィールドプレート電極FPの上面の位置よりも低くなるように、埋込み絶縁膜EF1を後退させる。ドライ酸化処理を行うことで、トレンチTRの内部にゲート絶縁膜GIを形成すると共に、フィールドプレート電極FPを覆うように絶縁膜IF2を形成する。絶縁膜IF2を介してフィールドプレート電極FP上に、ゲート電極を形成する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)上面および下面を有する第1導電型の半導体基板を用意する工程、
(b)前記(a)工程後、前記半導体基板の前記上面から前記半導体基板の前記下面に向かって所定の深さに達するように、前記半導体基板に、トレンチを形成する工程、
(c)前記(b)工程後、前記トレンチの内部および前記半導体基板の前記上面上に、第1絶縁膜を形成する工程、
(d)前記(c)工程後、前記トレンチの前記内部において、前記第1絶縁膜上に、フィールドプレート電極を形成する工程、
(e)前記(d)工程後、前記半導体基板の前記上面上に位置する前記第1絶縁膜を除去すると共に、断面視において前記トレンチの前記内部に位置する前記第1絶縁膜の上面の位置が前記フィールドプレート電極の上面の位置よりも低くなるように、前記トレンチの前記内部に位置する前記第1絶縁膜を前記トレンチの底部に向かって後退させる工程、
(f)前記(e)工程後、前記フィールドプレート電極および前記第1絶縁膜を覆うように、前記半導体基板の前記上面上および前記トレンチの前記内部に、埋込み絶縁膜を形成する工程、
(g)前記(f)工程後、前記半導体基板の前記上面上に位置する前記埋込み絶縁膜を除去すると共に、断面視において前記トレンチの前記内部に位置する前記埋込み絶縁膜の上面の位置が前記フィールドプレート電極の前記上面の位置よりも低くなるように、前記トレンチの前記内部に位置する前記埋込み絶縁膜を前記トレンチの前記底部に向かって後退させる工程、
(h)前記(g)工程後、ドライ酸化処理を行うことで、前記埋込み絶縁膜の前記上面上に位置する前記トレンチの前記内部にゲート絶縁膜を形成すると共に、前記(g)工程によって前記埋込み絶縁膜から露出した前記フィールドプレート電極を覆うように第2絶縁膜を形成する工程、
(i)前記(h)工程後、前記トレンチの前記内部において、前記フィールドプレート電極上に、前記第2絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程、
を備える、半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記(f)工程は、CVD法を用いた成膜処理によって行われ、
前記(g)工程は、等方性エッチング処理によって行われる、半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載の半導体装置の製造方法において、
前記埋込み絶縁膜は、酸化シリコン膜であり、
前記(g)工程の前記等方性エッチング処理は、フッ酸を含む溶液を用いて行われる、半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項2に記載の半導体装置の製造方法において、
前記(g)工程後、前記埋込み絶縁膜の前記上面は、前記半導体基板に近づくに連れて上昇し、且つ、前記フィールドプレート電極に近づくに連れて上昇するような曲面状を成している、半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記(h)工程は、
(h1)1000℃以上且つ1200℃以下の条件下で酸素ガスを用いて行われる前記ドライ酸化処理によって、前記埋込み絶縁膜の前記上面上に位置する前記トレンチの前記内部に第1酸化シリコン膜を形成すると共に、前記(g)工程によって前記埋込み絶縁膜から露出した前記フィールドプレート電極を覆うように前記第1酸化シリコン膜を形成する工程、
(h2)前記(h1)工程後、CVD法を用いた成膜処理によって、前記第1酸化シリコン膜上に、第2酸化シリコン膜を形成する工程、
を有し、
前記ゲート絶縁膜および前記第2絶縁膜は、それぞれ、前記第1酸化シリコン膜および前記第2酸化シリコン膜を含む、半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
(j)前記(d)工程と前記(e)工程との間で、前記第1絶縁膜の厚さを薄くすると共に、前記フィールドプレート電極の上部を前記第1絶縁膜から露出させる工程、
(k)前記(j)工程と前記(e)工程との間で、前記第1絶縁膜から露出している前記フィールドプレート電極の前記上部に対して、等方性エッチング処理を行う工程、
を更に備える、半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の半導体装置の製造方法において、
前記(d)工程は、
(d1)前記トレンチの前記内部を埋め込むように、前記第1絶縁膜上に、第1導電性膜を形成する工程、
(d2)前記(d1)工程後、前記トレンチの外部に形成されている前記第1導電性膜を除去する工程、
(d3)前記(d2)工程後、異方性エッチング処理によって、前記トレンチの前記内部における前記第1導電性膜の上面の位置を後退させることで、前記トレンチの前記内部に残された前記第1導電性膜を前記フィールドプレート電極として形成する工程、
を有する、半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の半導体装置の製造方法において、
前記フィールドプレート電極は、多結晶シリコン膜からなり、
前記(k)工程の前記等方性エッチング処理は、CFガスを用いたケミカルドライエッチング処理である、半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載の半導体装置の製造方法において、
前記ケミカルドライエッチング処理によって、前記フィールドプレート電極の前記上部の角が、面取りされるか、丸められる、半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項7に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1絶縁膜は、酸化シリコン膜からなり、
前記(j)工程および前記(e)工程は、それぞれ、フッ酸を含む溶液を用いた等方性エッチング処理によって行われる、半導体装置の製造方法。
【請求項11】
上面および下面を有する第1導電型の半導体基板と、
前記半導体基板の前記上面から前記半導体基板の前記下面に向かって所定の深さに達するように、前記半導体基板に形成されたトレンチと、
前記トレンチの内部に形成されたフィールドプレート電極と、
前記トレンチの前記内部において、前記フィールドプレート電極の上方に形成されたゲート電極と、
前記半導体基板、前記フィールドプレート電極および前記ゲート電極の各々の間に位置するように、前記トレンチの前記内部に形成された絶縁膜と、
を備え、
前記フィールドプレート電極の上部の角は、面取りされるか、丸められ、
前記ゲート電極の一部は、前記フィールドプレート電極と前記半導体基板との間にも、埋込み部として形成され、
前記埋込み部と前記フィールドプレート電極との間に形成されている前記絶縁膜の厚さは、前記埋込み部の最深部と前記フィールドプレート電極との間において最も厚い、半導体装置。
【請求項12】
請求項11に記載の半導体装置において、
前記埋込み部と前記半導体基板との間に形成されている前記絶縁膜の厚さは、前記埋込み部の前記最深部と前記半導体基板との間において最も厚い、半導体装置。
【請求項13】
請求項12に記載の半導体装置において、
前記絶縁膜は、酸化シリコン膜である、半導体装置。
【請求項14】
請求項12に記載の半導体装置において、
前記半導体基板の前記上面からの深さが、前記トレンチの深さよりも浅くなるように、前記半導体基板に形成された、前記第1導電型と反対の第2導電型のボディ領域と、
前記ボディ領域内に形成された前記第1導電型のソース領域と、
前記半導体基板の前記下面から前記半導体基板の前記上面に向かって所定の深さに達するように、前記半導体基板に形成された前記第1導電型のドレイン領域と、
を更に備え、
前記ゲート電極には、ゲート電位が供給され、
前記フィールドプレート電極、前記ボディ領域および前記ソース領域には、ソース電位が供給され、
前記半導体基板および前記ドレイン領域には、ドレイン電位が供給される、半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、特に、トレンチの内部にゲート電極およびフィールドプレート電極を備えた半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)のような半導体素子を備えた半導体装置では、トレンチの内部にゲート電極が埋め込まれたトレンチゲート構造が適用されている。トレンチゲート構造の一種として、トレンチの下部にフィールドプレート電極を形成し、トレンチの上部にゲート電極を形成したスプリットゲート構造がある。フィールドプレート電極には、ソース電極からソース電位が供給される。このフィールドプレート電極によってドリフト領域に空乏層を広げることで、ドリフト領域を高濃度化することが可能となり、ドリフト領域の低抵抗化が可能となる。
【0003】
例えば、特許文献1には、スプリットゲート構造のMOSFETが開示されている。特許文献1では、トレンチの内部および半導体基板上に多結晶シリコン膜を形成し、この多結晶シリコン膜に対して異方性エッチング処理を行うことで、トレンチの外部の多結晶シリコン膜を除去し、トレンチの内部にフィールドプレート電極を形成している。その後、熱酸化法によってフィールドプレート電極を覆う絶縁膜を形成し、この絶縁膜上にゲート電極を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-199109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フィールドプレート電極を形成した際には、フィールドプレート電極の上部の角が突起状に加工され易い。それ故、突起した箇所において電界が集中し易くなり、ゲート電極とフィールドプレート電極との間でリーク電流が発生し易くなる。また、フィールドプレート電極を覆う絶縁膜の形成時にも、フィールドプレート電極の露出状態によって、この絶縁膜の厚さが局所的に薄くなる場合がある。
【0006】
本願の主な目的は、ゲート電極とフィールドプレート電極との間において、絶縁耐圧を確保することで、半導体装置の信頼性を向上させることにある。その他の課題および新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0008】
一実施の形態に係る半導体装置の製造方法は、(a)上面および下面を有する第1導電型の半導体基板を用意する工程、(b)前記(a)工程後、前記半導体基板の前記上面から前記半導体基板の前記下面に向かって所定の深さに達するように、前記半導体基板に、トレンチを形成する工程、(c)前記(b)工程後、前記トレンチの内部および前記半導体基板の前記上面上に、第1絶縁膜を形成する工程、(d)前記(c)工程後、前記トレンチの前記内部において、前記第1絶縁膜上に、フィールドプレート電極を形成する工程、(e)前記(d)工程後、前記半導体基板の前記上面上に位置する前記第1絶縁膜を除去すると共に、断面視において前記トレンチの前記内部に位置する前記第1絶縁膜の上面の位置が前記フィールドプレート電極の上面の位置よりも低くなるように、前記トレンチの前記内部に位置する前記第1絶縁膜を前記トレンチの底部に向かって後退させる工程、(f)前記(e)工程後、前記フィールドプレート電極および前記第1絶縁膜を覆うように、前記半導体基板の前記上面上および前記トレンチの前記内部に、埋込み絶縁膜を形成する工程、(g)前記(f)工程後、前記半導体基板の前記上面上に位置する前記埋込み絶縁膜を除去すると共に、断面視において前記トレンチの前記内部に位置する前記埋込み絶縁膜の上面の位置が前記フィールドプレート電極の前記上面の位置よりも低くなるように、前記トレンチの前記内部に位置する前記埋込み絶縁膜を前記トレンチの前記底部に向かって後退させる工程、(h)前記(g)工程後、ドライ酸化処理を行うことで、前記埋込み絶縁膜の前記上面上に位置する前記トレンチの前記内部にゲート絶縁膜を形成すると共に、前記(g)工程によって前記埋込み絶縁膜から露出した前記フィールドプレート電極を覆うように第2絶縁膜を形成する工程、(i)前記(h)工程後、前記トレンチの前記内部において、前記フィールドプレート電極上に、前記第2絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程、を備える。
【0009】
一実施の形態に係る半導体装置は、上面および下面を有する第1導電型の半導体基板と、前記半導体基板の前記上面から前記半導体基板の前記下面に向かって所定の深さに達するように、前記半導体基板に形成されたトレンチと、前記トレンチの内部に形成されたフィールドプレート電極と、前記トレンチの前記内部において、前記フィールドプレート電極の上方に形成されたゲート電極と、前記半導体基板、前記フィールドプレート電極および前記ゲート電極の各々の間に位置するように、前記トレンチの前記内部に形成された絶縁膜と、を備える。前記フィールドプレート電極の上部の角は、面取りされるか、丸められ、前記ゲート電極の一部は、前記フィールドプレート電極と前記半導体基板との間にも、埋込み部として形成され、前記埋込み部と前記フィールドプレート電極との間に形成されている前記絶縁膜の厚さは、前記埋込み部の最深部と前記フィールドプレート電極との間において最も厚い。
【発明の効果】
【0010】
一実施の形態によれば、半導体装置の信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1における半導体装置を示す平面図である。
図2】実施の形態1における半導体装置を示す要部平面図である。
図3】実施の形態1における半導体装置を示す要部平面図である。
図4】実施の形態1における半導体装置を示す断面図である。
図5】実施の形態1における半導体装置を示す要部断面図である。
図6】実施の形態1における半導体装置を示す要部断面図である。
図7】実施の形態1における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図8図7に続く製造工程を示す断面図である。
図9図8に続く製造工程を示す断面図である。
図10図9に続く製造工程を示す断面図である。
図11図10に続く製造工程を示す断面図である。
図12図11に続く製造工程を示す断面図である。
図13図12に続く製造工程を示す断面図である。
図14図13に続く製造工程を示す断面図である。
図15図14に続く製造工程を示す断面図である。
図16図15に続く製造工程を示す断面図である。
図17図16に続く製造工程を示す断面図である。
図18図17に続く製造工程を示す断面図である。
図19図18に続く製造工程を示す断面図である。
図20図19に続く製造工程を示す断面図である。
図21図20に続く製造工程を示す断面図である。
図22図21に続く製造工程を示す断面図である。
図23図22に続く製造工程を示す断面図である。
図24】検討例1における半導体装置を示す要部断面図である。
図25】検討例1における半導体装置を示す要部断面図である。
図26】検討例2における半導体装置を示す要部断面図である。
図27】検討例3における半導体装置を示す要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0013】
また、本願において説明されるX方向、Y方向およびZ方向は、互いに交差し、互いに直交している。本願では、Z方向をある構造体の上下方向、高さ方向または厚さ方向として説明する。また、本願で用いられる「平面図」または「平面視」などの表現は、X方向およびY方向によって構成される面を「平面」とし、この「平面」をZ方向から見ることを意味する。
【0014】
(実施の形態1)
<半導体装置の構造>
以下に図1から図6を用いて、実施の形態1における半導体装置100について説明する。半導体装置100は、半導体素子としてトレンチゲート構造のMOSFETを含む。実施の形態1のMOSFETは、ゲート電極GEおよびフィールドプレート電極FPを備えたスプリットゲート構造を成している。
【0015】
本願の主な特徴は、フィールドプレート電極FPの上部の形状と、埋込み絶縁膜EF1の形状と、絶縁膜IF2の形成方法とにあるが、これらの特徴については、「半導体装置の構造」および「半導体装置の製造方法」の説明の後、図5および図6を用いて詳細に説明する。
【0016】
図1は、半導体装置100である半導体チップの平面図である。図2および図3は、図1に示される領域1Aを拡大した要部平面図である。図3は、図2の下方の構造体を示し、主に、半導体基板SUBに形成されたトレンチゲート構造を示している。また、図2に破線で示される孔CH1、CH2、CH3の位置は、図3に示される孔CH1、CH2、CH3の位置と一致している。図4は、図2および図3に示されるA-A線およびB-B線に沿った断面図である。
【0017】
図1は、主に半導体基板SUBの上方に形成される配線パターンを示している。半導体装置100は、セル領域CRと、平面視においてセル領域CRを囲む外周領域ORとを有する。セル領域CRには、複数のMOSFETのような主要な半導体素子が形成される。外周領域ORは、ゲート電極GEにゲート配線GWを接続させるため、および、ターミネーション領域として機能させるため等に用いられる。
【0018】
図1および図2に示されるように、セル領域CRの大部分は、ソース電極SEで覆われている。平面視において、ゲート配線GWは、ソース電極SEを囲んでいる。また、ここでは図示していないが、ソース電極SEおよびゲート配線GWは、ポリイミド膜のような保護膜で覆われている。上記保護膜の一部には開口部が設けられ、その開口部で露出しているソース電極SEおよびゲート配線GWが、ソースパッドSPおよびゲートパッドGPになる。ソースパッドSP上およびゲートパッドGP上に、外部接続用部材が接続されることで、半導体装置100が、他の半導体チップ、リードフレームまたは配線基板などに電気的に接続される。なお、外部接続用部材は、例えば、アルミニウム、金または銅からなるワイヤであるか、銅板からなるクリップなどである。
【0019】
図3に示されるように、セル領域CRの半導体基板SUBには、複数のトレンチTRが形成されている。複数のトレンチTRは、ストライプ状に形成され、それぞれY方向に延在し、X方向において互いに隣接している。
【0020】
図4のA-A断面にも示されるように、トレンチTRの内部において、トレンチTRの下部にはフィールドプレート電極FPが形成され、トレンチTRの上部にはゲート電極GEが形成されている。フィールドプレート電極FPおよびゲート電極GEは、トレンチTRに沿って、Y方向に延在している。
【0021】
図4のB-B断面にも示されるように、セル領域CRのフィールドプレート電極FPの一部は、引き出し部FPaを成している。引き出し部FPaを構成するフィールドプレート電極FPは、トレンチTRの内部において、トレンチTRの下部だけでなく、トレンチTRの上部にも形成されている。
【0022】
セル領域CRにおいて、引き出し部FPa上には、孔CH3が形成されている。引き出し部FPaは、孔CH3を介してソース電極SEに電気的に接続される。また、セル領域CRにおいて、後述するボディ領域PB上およびソース領域NS上には、孔CH1が形成されている。ボディ領域PBおよびソース領域NSは、孔CH1を介してソース電極SEに電気的に接続される。外周領域ORにおいて、ゲート電極GE上には、孔CH2が形成されている。ゲート電極GEは、孔CH2を介してゲート配線GWに電気的に接続される。
【0023】
以下に図4を用いて、半導体装置100の断面構造について説明する。
【0024】
図4に示されるように、半導体装置100は、上面TSおよび下面BSを有するn型の半導体基板SUBを備える。半導体基板SUBは、n型のシリコンからなる。半導体基板SUBは、低濃度のn型のドリフト領域NVを有する。実施の形態1では、n型の半導体基板SUB自体が、ドリフト領域NVを構成している。なお、半導体基板SUBは、n型のシリコン基板と、上記n型のシリコン基板上に、エピタキシャル成長法によって燐(P)を導入しながら成長させたn型の半導体層との積層体であってもよい。その場合、低濃度のn型の半導体層がドリフト領域NVを構成し、高濃度のn型のシリコン基板がドレイン領域NDを構成する。
【0025】
半導体基板SUBの下面BSから半導体基板SUBの上面TSに向かって所定の深さに達するように、半導体基板SUBには、n型のドレイン領域NDが形成されている。ドレイン領域NDは、ドリフト領域NVよりも高い不純物濃度を有している。半導体基板SUBの下面BS上には、ドレイン電極DEが形成されている。ドレイン電極DEは、例えばアルミニウム膜、チタン膜、ニッケル膜、金膜若しくは銀膜のような単層の金属膜、または、これらの金属膜を適宜積層させた積層膜からなる。ドレイン領域NDおよびドレイン電極DEは、セル領域CRおよび外周領域ORに渡って形成されている。半導体基板SUB(ドレイン領域ND、ドリフト領域NV)には、ドレイン電極DEからドレイン電位が供給される。
【0026】
半導体基板SUBには、半導体基板SUBの上面TSから半導体基板SUBの下面BSに向かって所定の深さに達する複数のトレンチTRが形成されている。各トレンチTRの深さは、例えば5μm以上且つ7μm以下である。
【0027】
図4のA-A断面に示されるように、トレンチTRの内部において、トレンチTRの下部には、絶縁膜IF1および埋込み絶縁膜EF1を介してフィールドプレート電極FPが形成されている。絶縁膜IF1の上面の位置は、フィールドプレート電極FPの上面の位置よりも低くなっている。
【0028】
埋込み絶縁膜EF1は、絶縁膜IF1上のトレンチTRの内部に形成されている。ゲート絶縁膜GIは、埋込み絶縁膜EF1上のトレンチTRの内部に形成されている。埋込み絶縁膜EF1から露出しているフィールドプレート電極FPを覆うように、絶縁膜IF2が形成されている。絶縁膜IF2を介してゲート電極GEが形成されている。フィールドプレート電極FPおよびゲート電極GEは、それぞれ、例えばn型の不純物が導入された多結晶シリコン膜からなる。また、この多結晶シリコン膜の不純物濃度は、半導体基板SUB(ドリフト領域NV)の不純物濃度よりも高い。
【0029】
また、ゲート電極GEの一部は、フィールドプレート電極FPと半導体基板SUBとの間の空間であって、且つ、埋込み絶縁膜EF1、ゲート絶縁膜GIおよび絶縁膜IF2に囲まれた空間にも形成されている。後述の図6で説明するように、このようなゲート電極GEの一部を埋込み部GEaと称する。
【0030】
絶縁膜IF1および埋込み絶縁膜EF1は、半導体基板SUBとフィールドプレート電極FPとの間に形成されている。絶縁膜IF2は、ゲート電極GEとフィールドプレート電極FPとの間に形成されている。ゲート絶縁膜GIは、半導体基板SUBとゲート電極GEとの間に形成されている。これらの膜によって、半導体基板SUB、ゲート電極GEおよびフィールドプレート電極FPは、互いに電気的に絶縁されている。
【0031】
また、ゲート電極GE上には、絶縁膜IF3が形成されているが、絶縁膜IF3は、セル領域CRとは異なる領域に、抵抗素子のような他の半導体素子を形成する際に、セル領域CRを保護するための保護膜として主に使用される。従って、他の半導体素子を形成する必要が無い場合には、絶縁膜IF3は形成されていなくてもよい。
【0032】
絶縁膜IF1、埋込み絶縁膜EF1、絶縁膜IF2、絶縁膜IF3およびゲート絶縁膜GIは、例えば酸化シリコン膜からなる。絶縁膜IF1および埋込み絶縁膜EF1の各々の厚さは、絶縁膜IF2およびゲート絶縁膜GIの各々の厚さよりも厚く、例えば400nm以上且つ600nm以下である。絶縁膜IF2およびゲート絶縁膜GIの各々の厚さは、例えば50nm以上且つ70nm以下である。なお、これらの厚さは、トレンチTRの内部における厚さであり、X方向における厚さである。
【0033】
なお、図5に示されるように、ゲート絶縁膜GIおよび絶縁膜IF2は、それぞれ酸化シリコン膜OX1および酸化シリコン膜OX2を含む積層膜である。
【0034】
半導体基板SUBには、半導体基板SUBの上面TSから半導体基板SUBの下面BSに向かって所定の深さに達するp型のボディ領域PBが形成されている。半導体基板SUBの上面TSからのボディ領域PBの深さは、半導体基板SUBの上面TSからのトレンチTRよりも浅い。ボディ領域PB内には、n型のソース領域NSが形成されている。ソース領域NSは、ドリフト領域NVよりも高い不純物濃度を有している。
【0035】
半導体基板SUBの上面TS上には、トレンチTRを覆うように、層間絶縁膜ILが形成されている。層間絶縁膜ILは、例えば酸化シリコン膜からなる。層間絶縁膜ILの厚さは、例えば700nm以上且つ900nm以下である。
【0036】
層間絶縁膜ILには、層間絶縁膜ILおよびソース領域NSを貫通し、且つ、ボディ領域PBに達する孔CH1が形成されている。孔CH1の底部において、ボディ領域PBには、高濃度拡散領域PRが形成されている。高濃度拡散領域PRは、ボディ領域PBよりも高い不純物濃度を有する。高濃度拡散領域PRは、主に、プラグPGとの接触抵抗を低くするため、および、ラッチアップを防止するために設けられている。
【0037】
層間絶縁膜IL上には、ソース電極SEが形成されている。ソース電極SEは、孔CH1を介してソース領域NS、ボディ領域PBおよび高濃度拡散領域PRに電気的に接続され、これらの不純物領域にソース電位を供給する。
【0038】
図4のB-B断面に示されるように、フィールドプレート電極FPの一部は、フィールドプレート電極FPの引き出し部FPaを成している。引き出し部FPaに接している絶縁膜IF1および埋込み絶縁膜EF1の各々の上面の位置は、引き出し部FPa以外のフィールドプレート電極FPに接している絶縁膜IF1および埋込み絶縁膜EF1の各々の上面の位置よりも高くなっている。
【0039】
埋込み絶縁膜EF1から露出している引き出し部FPaを覆うように、絶縁膜IF2が形成されている。埋込み絶縁膜EF1上には、絶縁膜IF3が形成されているが、上述のように絶縁膜IF3は形成されていなくてもよい。また、引き出し部FPaに隣接する半導体基板SUBにはボディ領域PBが形成されているが、このボディ領域PB内には、ソース領域NSは、形成されていない。
【0040】
層間絶縁膜ILには、層間絶縁膜IL、絶縁膜IF3および絶縁膜IF2を貫通し、且つ、引き出し部FPaに達する孔CH3が形成されている。ソース電極SEは、孔CH3を介して引き出し部FPaに電気的に接続され、フィールドプレート電極FPにソース電位を供給する。
【0041】
ここでは図示していないが、層間絶縁膜ILには、層間絶縁膜ILおよび絶縁膜IF3を貫通し、且つ、ゲート電極GEに達する孔CH2が形成されている。ゲート配線GWは、孔CH2を介してゲート電極GEに電気的に接続され、ゲート電極GEにゲート電位を供給する。
【0042】
孔CH1、CH2、CH3の各々の内部には、プラグPGが埋め込まれている。プラグPGは、例えば、バリアメタル膜と、上記バリアメタル膜上に形成された導電性膜とからなる。上記バリアメタル膜は、チタン膜および窒化チタン膜の積層膜からなる。上記導電性膜は、例えばタングステン膜である。
【0043】
ソース電極SEおよびゲート配線GWは、例えば、バリアメタル膜と、上記バリアメタル膜上に形成された導電性膜とからなる。上記バリアメタル膜は、例えばチタンタングステン膜であり、上記導電性膜は、例えば銅またはシリコンが添加されたアルミニウム合金膜である。
【0044】
<半導体装置の製造方法>
以下に図7から図23を用いて、半導体装置100の製造方法に含まれる各製造工程について説明する。
【0045】
図7に示されるように、まず、上面TSおよび下面BSを有するn型の半導体基板SUBを用意する。上述のように、半導体基板SUBは、n型のシリコン基板と、エピタキシャル成長法によって上記シリコン基板上に形成されたn型の半導体層との積層体であってもよい。
【0046】
次に、半導体基板SUB上に、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって、例えば酸化シリコン膜を形成する。次に、フォトリソグラフィ技術および異方性エッチング処理によって、上記酸化シリコン膜をパターニングすることで、ハードマスクHMを形成する。次に、このハードマスクHMを用いた異方性エッチング処理を行うことで、半導体基板SUBの上面TSから半導体基板SUBの下面BSに向かって所定の深さに達するように、半導体基板SUBにトレンチTRを形成する。その後、例えばフッ酸を含む溶液を用いたウェットエッチング処理によって、ハードマスクHMを除去する。
【0047】
次に、図8に示されるように、トレンチTRの内部および半導体基板SUBの上面TS上に、絶縁膜IF1を形成する。絶縁膜IF1は、例えば熱酸化処理によって形成された酸化シリコン膜である。半導体基板SUBの上面TS上の絶縁膜IF1の厚さは、例えば400nm以上且つ600nm以下である。なお、絶縁膜IF1は、熱酸化処理によって形成された第1酸化シリコン膜と、上記第1酸化シリコン膜上に、CVD法を用いた成膜処理によって形成された第2酸化シリコン膜との積層膜であってもよい。
【0048】
次に、トレンチTRの内部を埋め込むように、例えばCVD法を用いた成膜処理によって、絶縁膜IF1上に導電性膜CF1を形成する。導電性膜CF1は、例えばn型の多結晶シリコン膜である。また、この多結晶シリコン膜の不純物濃度は、半導体基板SUB(ドリフト領域NV)の不純物濃度よりも高い。トレンチTRの内部に導電性膜CF1を良好に埋め込むために、導電性膜CF1の成膜を、例えば、第1多結晶シリコン膜の成膜と、第2多結晶シリコン膜の成膜とのように、複数回に分けて行ってもよい。
【0049】
次に、図9に示されるように、トレンチTRの外部に位置する導電性膜CF1を除去することで、トレンチTRの内部に残された導電性膜CF1をフィールドプレート電極FPとして形成する。
【0050】
具体的には、まず、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用いた研磨処理によって、トレンチTRの外部に形成されている導電性膜CF1を除去する。次に、例えばSFガスを用いた異方性エッチング処理を行うことで、トレンチTRの内部における導電性膜CF1の上面の位置を、トレンチTRの底部へ向かって後退させる(図9の矢印)。これにより、トレンチTRの内部に残された導電性膜CF1をフィールドプレート電極FPとして形成する。
【0051】
次に、図10に示されるように、フィールドプレート電極FPの一部が引き出し部FPaとして残されるように、フィールドプレート電極FPの他部を選択的に除去する。
【0052】
具体的には、まず、B-B断面に示されるように、引き出し部FPaになるフィールドプレート電極FPの一部を選択的に覆うレジストパターンRP1を形成する。次に、レジストパターンRP1をマスクとして、例えばSFガスを用いた異方性エッチング処理を行うことで、引き出し部FPaにならないフィールドプレート電極FPの他部を除去する。すなわち、図10のA-A断面に示されるように、引き出し部FPaにならないフィールドプレート電極FPの上面の位置を、トレンチTRの底部へ向かって選択的に後退させる(図10の矢印)。後退させなかったフィールドプレート電極FPの一部が、引き出し部FPaとなる。その後、アッシング処理を行うことで、レジストパターンRP1を除去する。
【0053】
次に、図11に示されるように、絶縁膜IF1に対して等方性エッチング処理を行うことで、絶縁膜IF1の厚さを薄くすると共に、フィールドプレート電極FPの上部を絶縁膜IF1から露出させる。この際、引き出し部FPaの上部も絶縁膜IF1から露出する。等方性エッチング処理は、例えばフッ酸を含む溶液を用いたウェットエッチング処理である。なお、フィールドプレート電極FPの上部および引き出し部FPaの上部とは、フィールドプレート電極FPの上面および引き出し部FPaの上面を含む箇所である。
【0054】
この時点では、半導体基板SUBの上面TS上およびトレンチTRの内部の絶縁膜IF1は、完全に除去されていない。また、絶縁膜IF1から露出しているフィールドプレート電極FPおよび引き出し部FPaの各々の上部の角CPは、図9および図10の異方性エッチング処理によって、突起状に加工されている。
【0055】
次に、図12に示されるように、絶縁膜IF1から露出しているフィールドプレート電極FPおよび引き出し部FPaの各々の上部に対して、等方性エッチング処理を行う。この等方性エッチング処理は、CFガスを用いたケミカルドライエッチング処理である。これにより、フィールドプレート電極FPおよび引き出し部FPaの各々の上部の角CPは、面取りされるか、丸められる。
【0056】
また、この等方性エッチング処理時には、半導体基板SUBの上面TS上およびトレンチTRの内部の薄くなった絶縁膜IF1が、エッチングストッパの機能を果たす。
【0057】
次に、図13に示されるように、絶縁膜IF1に対してフッ酸を含む溶液を用いた等方性エッチング処理を行う。これにより、半導体基板SUBの上面TS上(すなわち、トレンチTRの外部)に位置する絶縁膜IF1を除去すると共に、断面視においてトレンチTRの内部に位置する絶縁膜IF1の上面の位置が、フィールドプレート電極FPの上面の位置よりも更に低くなるように、トレンチTRの内部に位置する絶縁膜IF1をトレンチTRの底部へ向かって後退させる(図13の矢印)。
【0058】
この時点で、引き出し部FPa以外のフィールドプレート電極FPに接している絶縁膜IF1の上面の位置は、引き出し部FPaに接している絶縁膜IF1の上面の位置よりも更に低くなっている。
【0059】
次に、図14に示されるように、フィールドプレート電極FPおよび絶縁膜IF1を覆うように、例えばCVD法を用いた成膜処理によって、半導体基板SUBの上面TS上およびトレンチTRの内部に、埋込み絶縁膜EF1を形成する。埋込み絶縁膜EF1は、例えば酸化シリコン膜のような絶縁膜である。半導体基板SUBの上面TS上の埋込み絶縁膜EF1の厚さは、例えば200nm以上且つ300nm以下である。
【0060】
次に、図15に示されるように、埋込み絶縁膜EF1に対してフッ酸を含む溶液を用いた等方性エッチング処理を行う。これにより、半導体基板SUBの上面TS上に位置する埋込み絶縁膜EF1を除去すると共に、断面視においてトレンチTRの内部に位置する埋込み絶縁膜EF1の上面の位置が、フィールドプレート電極FPの上面の位置よりも低くなるように、トレンチTRの内部に位置する埋込み絶縁膜EF1をトレンチTRの底部へ向かって後退させる(図15の矢印)。等方性エッチング処理は、例えばフッ酸を含む溶液を用いたウェットエッチング処理である。
【0061】
ここで、等方性エッチング処理は、図14に示される起点10から進行する。この起点10は、フィールドプレート電極FPと半導体基板SUBとの間(中間付近)に位置している。詳しくは、この起点10は、半導体基板SUBのうち、図14に示されるX方向においてフィールドプレート電極FPの隣に位置する側部と、フィールドプレート電極FPとの間に位置している。そのため、等方性エッチング処理の終了時には、図15に示されるように、埋込み絶縁膜EF1の上面は、半導体基板SUBの側部に近づくに連れて上昇し、且つ、フィールドプレート電極FPに近づくに連れて上昇するような曲面状を成している。
【0062】
次に、図16に示されるように、埋込み絶縁膜EF1上に位置するトレンチTRの内部にゲート絶縁膜GIを形成すると共に、埋込み絶縁膜EF1から露出しているフィールドプレート電極FPを覆うように絶縁膜IF2を形成する。
【0063】
図5を参照して説明したように、ゲート絶縁膜GIおよび絶縁膜IF2は、それぞれ酸化シリコン膜OX1および酸化シリコン膜OX2を含む積層膜である。以下にそれらの製造工程について、詳細に説明する。
【0064】
まず、埋込み絶縁膜EF1上のトレンチTRの内部に、酸化シリコン膜OX1を形成すると共に、埋込み絶縁膜EF1から露出しているフィールドプレート電極FPを覆うように酸化シリコン膜OX1を形成する。酸化シリコン膜OX1は、熱酸化処理の一種であるドライ酸化処理によって形成される。すなわち、同じく熱酸化処理の一種であるウェット酸化処理ではない。上記ドライ酸化処理は、例えば1000℃以上且つ1200℃以下の条件下で酸素ガスを用いて行われる。また、酸化シリコン膜OX1の厚さは、例えば25nm以上且つ35nm以下である。
【0065】
次に、CVD法を用いた成膜処理によって、酸化シリコン膜OX1上に、酸化シリコン膜OX2を形成する。酸化シリコン膜OX2は、TEOS(Tetra Ethoxy Silane)膜であり、例えば25nm以上且つ35nm以下の厚さを有する。その後、酸化シリコン膜OX2の膜質を緻密化させるための熱処理を行ってもよい。そのような熱処理は、窒素ガス雰囲気中または酸素ガス雰囲気中で、例えば900℃以上且つ1000℃以下の温度で行われる。なお、酸化シリコン膜OX2は、埋込み絶縁膜EF1上にも形成される。
【0066】
また、フィールドプレート電極FPおよび半導体基板SUBに接する絶縁膜は、酸化シリコン膜OX2ではなく、酸化シリコン膜OX1であることが好ましい。ドライ酸化処理によって形成された酸化シリコン膜OX1の方が、CVD法を用いた成膜処理によって形成された酸化シリコン膜OX2よりも、ゲート絶縁膜GIと半導体基板SUBとの界面準位の改善、および、絶縁膜IF2とフィールドプレート電極FPとの界面準位の改善を図ることができる。
【0067】
次に、図17に示されるように、トレンチTRの内部を埋め込むように、例えばCVD法を用いた成膜処理によって、ゲート絶縁膜GI上、絶縁膜IF2上および埋込み絶縁膜EF1上に、導電性膜CF2を形成する。導電性膜CF2は、例えばn型の多結晶シリコン膜である。また、この多結晶シリコン膜の不純物濃度は、半導体基板SUB(ドリフト領域NV)の不純物濃度よりも高い。
【0068】
次に、図18に示されるように、導電性膜CF2に対してCMP法を用いた研磨処理を行う。これにより、導電性膜CF2の厚さが薄くなり、導電性膜CF2の上面が平坦化される。次に、導電性膜CF2に対して異方性エッチング処理を行うことで、トレンチTRの外部に位置する導電性膜CF2を除去する。これにより、フィールドプレート電極FP上においてトレンチTRの内部に残された導電性膜CF2をゲート電極GEとして形成する。
【0069】
なお、トレンチTRの外部の導電性膜CF2を完全に除去するために、異方性エッチング処理はオーバーエッチングで行われる。そのため、図18のA-A断面に示されるように、ゲート電極GEの上面の位置は、半導体基板SUBの上面TSの位置よりも低くなる。また、この異方性エッチング処理によって、引き出し部FPaに接している埋込み絶縁膜EF1上および絶縁膜IF2上に形成されていた導電性膜CF2は、除去される。
【0070】
次に、図19に示されるように、トレンチTRを覆うように、例えばCVD法を用いた成膜処理によって、ゲート絶縁膜GI上、ゲート電極GE上、絶縁膜IF2上および埋込み絶縁膜EF1上に、絶縁膜IF3を形成する。
【0071】
次に、図20に示されるように、絶縁膜IF3に対して異方性エッチング処理を行う。これにより、半導体基板SUBの上面TS上の絶縁膜IF3およびゲート絶縁膜GIは除去される。また、A-A断面に示されるように、ゲート電極GE上には、ゲート絶縁膜GIに接するように、絶縁膜IF3が残される。また、B-B断面に示されるように、絶縁膜IF2上および埋込み絶縁膜EF1上には、ゲート絶縁膜GIに接するように、絶縁膜IF3が残される。
【0072】
次に、図21に示されるように、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法によって、例えばホウ素(B)を導入することで、半導体基板SUBに、p型のボディ領域PBを選択的に形成する。ボディ領域PBは、半導体基板SUBの上面TSからの深さがトレンチTRの深さよりも浅くなるように形成される。
【0073】
次に、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法によって、例えば砒素(As)を導入することで、A-A断面に示されるように、セル領域CRのボディ領域PB内に、n型のソース領域NSを選択的に形成する。なお、B-B断面に示されるように、引き出し部FPaに隣接するボディ領域PB内には、ソース領域NSを形成しない。その後、半導体基板SUBに対して熱処理を施すことで、ソース領域NSおよびボディ領域PBに含まれる不純物を拡散させる。
【0074】
次に、図22に示されるように、トレンチTRを覆うように、例えばCVD法によって、半導体基板SUBの上面TS上に、層間絶縁膜ILを形成する。
【0075】
そして、層間絶縁膜ILに、孔CH1、CH2、CH3を形成する。具体的には、まず、層間絶縁膜IL上に、ソース領域NSが形成されている半導体基板SUBを開口するパターンを有するレジストパターンを形成する。次に、上記レジストパターンをマスクとして異方性エッチング処理を行うことで、層間絶縁膜ILおよびソース領域NSを貫通し、且つ、ボディ領域PBの内部に達する孔CH1を形成する。次に、イオン注入法によって、孔CH1の底部におけるボディ領域PBに、例えばホウ素(B)を導入することで、p型の高濃度拡散領域PRを形成する。その後、アッシング処理によって上記レジストパターンを除去する。
【0076】
次に、層間絶縁膜IL上に、引き出し部FPa上およびゲート電極GE上を開口するパターンを有するレジストパターンを形成する。次に、上記レジストパターンをマスクとして異方性エッチング処理を行うことで、層間絶縁膜IL、絶縁膜IF3および絶縁膜IF2を貫通し、且つ、引き出し部FPaに達する孔CH3を形成する。ここでは図示していないが、孔CH3を形成する工程で、層間絶縁膜ILおよび絶縁膜IF3を貫通し、且つ、ゲート電極GEに達する孔CH2も形成される。その後、アッシング処理によって上記レジストパターンを除去する。
【0077】
なお、孔CH1を形成する順番と、孔CH2および孔CH3を形成する順番とは、何れが先であっても構わない。
【0078】
次に、図23に示されるように、孔CH1、CH2、CH3の各々の内部にプラグPGを形成し、層間絶縁膜IL上にソース電極SEおよびゲート配線GWを形成する。
【0079】
具体的には、まず、孔CH1、CH2、CH3の内部および層間絶縁膜IL上に、スパッタリング法またはCVD法を用いた成膜処理によって第1バリアメタル膜を形成する。上記第1バリアメタル膜は、例えば窒化チタン膜およびチタン膜の積層膜からなる。次に、上記第1バリアメタル膜上に、CVD法を用いた成膜処理によって第1導電性膜を形成する。上記第1導電性膜は、例えばタングステン膜からなる。次に、CMP法または異方性エッチング処理によって、孔CH1、CH2、CH3の外部に形成されている上記第1バリアメタル膜および上記第1導電性膜を除去する。これにより、孔CH1、CH2、CH3の内部を埋め込むように、上記第1バリアメタル膜および上記第1導電性膜からなるプラグPGが形成される。
【0080】
次に、層間絶縁膜IL上に、スパッタリング法によって、第2バリアメタル膜を形成する。上記第2バリアメタル膜は、例えばチタンタングステン膜からなる。次に、上記第2バリアメタル膜上に、スパッタリング法によって第2導電性膜を形成する。上記第2導電性膜は、例えば銅またはシリコンが添加されたアルミニウム合金膜である。次に、上記第2バリアメタル膜および上記第2導電性膜をパターニングすることで、ソース電極SEおよびゲート配線GWを形成する。
【0081】
次に、ここでは図示はしないが、ソース電極SE上およびゲート配線GW上に、例えば塗布法によって、例えばポリイミド膜からなる保護膜を形成する。上記保護膜の一部に開口部を形成することで、ソース電極SEおよびゲート配線GWのうち、ソースパッドSPおよびゲートパッドGPになる領域を露出させる。
【0082】
その後、以下の製造工程を経て、図4に示される構造体が得られる。まず、必要に応じて半導体基板SUBの下面BSを研磨する。次に、半導体基板SUBの下面BSに、イオン注入法によって、例えば砒素(As)などを導入することで、n型のドレイン領域NDを形成する。なお、半導体基板SUBがn型のシリコン基板とn型の半導体層との積層体で構成されている場合、高濃度のn型のシリコン基板がドレイン領域NDを成すので、上述のイオン注入によるドレイン領域NDの形成を省略できる。次に、半導体基板SUBの下面BS上に、スパッタリング法によって、ドレイン電極DEを形成する。
【0083】
<実施の形態1の主な特徴>
以下に図5図24図25図26および図27を用いて、本願発明者らが検討を行った検討例1、検討例2および検討例3の半導体装置と、実施の形態1の主な特徴とについて説明する。図5図24図25図26および図27は、図4のA-A断面に相当するトレンチTRの内部を拡大した要部断面図である。
【0084】
検討例1では、図24に示されるように、トレンチTRの内部に、絶縁膜IF1およびフィールドプレート電極FPを形成する。次に、図25に示されるように、1回の等方性エッチング処理によって、トレンチTRの内部の絶縁膜IF1を後退させる。ここで、等方性エッチング処理は、図24に示される起点11から進行する。次に、ドライ酸化処理を行うことで酸化シリコン膜OX1からなるゲート絶縁膜GIおよび絶縁膜IF2を形成する。
【0085】
検討例1では、実施の形態1と異なり、図12のケミカルドライエッチング処理が行われない。従って、フィールドプレート電極FPの上部の角は、突起状に加工されたままとなっている。それ故、図25に示される突起箇所20において電界が集中し易くなり、ゲート電極GEとフィールドプレート電極FPとの間で、絶縁耐性が劣化し、リーク電流が発生し易くなる。
【0086】
これに対して、実施の形態1では、図12のケミカルドライエッチング処理を適用している。そのため、図5に示されるように、フィールドプレート電極FPの上部の角が、面取りされるか、丸められる。従って、ゲート電極GEとフィールドプレート電極FPとの間で、電界の集中が発生する箇所が均一化されている。すなわち、電界の集中が緩和されているので、上記リーク電流の発生が抑制される。従って、半導体装置100の信頼性を向上させることができる。
【0087】
また、検討例1では、等方性エッチング処理は、図24に示される起点11から進行する。それ故、図25に示されるように、トレンチTRの内部に位置する絶縁膜IF1の上面のうち、フィールドプレート電極FPに接する部分の位置が、半導体基板SUBの側部に接する部分の位置よりも下方に後退している。すなわち、フィールドプレート電極FPに接する部分の位置が、トレンチTRの底部に向かって後退している。この状態でドライ酸化処理を行って絶縁膜IF2を形成すると、酸素ガスが届き難く、絶縁膜IF1の近傍の絶縁膜IF2の厚さが、局所的に薄くなり易い。従って、ゲート電極GEとフィールドプレート電極FPとの間で、絶縁耐性を確保し難くなる。図25には、そのような箇所が薄膜箇所30として示されている。
【0088】
検討例2では、薄膜箇所30の厚さを確保するために、図26に示されるように、ウェット酸化処理による酸化シリコン膜OX3を適用している。上記ウェット酸化処理は、例えば850℃以上且つ950℃以下の条件下で水蒸気を用いて行われる熱酸化処理である。
【0089】
フィールドプレート電極FPを構成する多結晶シリコン膜の不純物濃度は、半導体基板SUB(ドリフト領域NV)の不純物濃度よりも高いので、ウェット酸化処理を行った際には、増速酸化の影響で、絶縁膜IF2の厚さがゲート絶縁膜GIの厚さよりも厚く形成され易くなる。また、絶縁膜IF1の近傍でも、絶縁膜IF2の厚さを確保し易くなる。
【0090】
一方で、上記ウェット酸化処理では、フィールドプレート電極FPの酸化面のラフネスが粗くなり易い。それ故、局所的に絶縁膜IF2の厚さが薄い箇所が発生し易く、その箇所で電界の集中が発生し易くなってしまう。また、フィールドプレート電極FPの突起した箇所でも、電界の集中の緩和が図り難い。
【0091】
これに対して、ドライ酸化処理では、ウェット酸化処理と比較して、増速酸化の影響は少ないが、フィールドプレート電極FPの酸化面のラフネスが改善される。従って、ドライ酸化処理を適用しても、薄膜箇所30において絶縁耐性を確保できる手段が求められる。
【0092】
そのため、実施の形態1では、図14で埋込み絶縁膜EF1を形成し、図15で等方性エッチング処理によって埋込み絶縁膜EF1を後退させている。その結果、図5に示されるように、埋込み絶縁膜EF1の上面は、半導体基板SUBに近づくに連れて上昇し、且つ、フィールドプレート電極FPに近づくに連れて上昇するような曲面状を成している。
【0093】
従って、仮に、埋込み絶縁膜EF1の近傍において、ドライ酸化処理によって形成された酸化シリコン膜OX1の厚さが薄かったとしても、埋込み絶縁膜EF1によって、厚さを補填できる。従って、薄膜箇所30において絶縁耐性を確保でき、半導体装置100の信頼性を向上させることができる。
【0094】
また、埋込み絶縁膜EF1があることで、ドライ酸化処理時に、フィールドプレート電極FPの露出面積が減っているので、所定の厚さの酸化シリコン膜OX1の形成時間を短縮できるという効果もある。そのため、製造工程の短時間化を行える。
【0095】
また、実施の形態1では、ゲート絶縁膜GIおよび絶縁膜IF2に、酸化シリコン膜OX1および酸化シリコン膜OX2の積層膜を適用しているが、酸化シリコン膜OX2は、主に、ゲート絶縁膜GIおよび絶縁膜IF2の厚さを調整するために設けられている。CVD法を用いた成膜処理によって形成された酸化シリコン膜OX2は、ウェット酸化処理によって形成された酸化シリコン膜よりも、均一な厚さに形成され易い。そのため、局所的に厚さが薄い箇所が発生し難く、電界の集中の発生を抑制し易い。
【0096】
なお、酸化シリコン膜OX2が均一な厚さに形成され易いので、仮に図25の検討例1で、酸化シリコン膜OX1上に酸化シリコン膜OX2を形成したとしても、薄膜箇所30が局所的に薄い箇所であることには変わりはない。従って、実施の形態1のような埋込み絶縁膜EF1による厚さの補填が必要になる。
【0097】
また、酸化シリコン膜OX1上に、CVD法を用いた成膜処理によって積層される酸化シリコン膜の層数は、酸化シリコン膜OX2の1層に限られず、複数層であってもよい。
【0098】
ところで、埋込み絶縁膜EF1の形成は、フィールドプレート電極FPにケミカルドライエッチング処理が施された後であることが好ましい。例えば、図27の検討例3に示されるように、フィールドプレート電極FPの上部の角が突起状に加工された状態では、アスペクト比が高くなっている。それ故、CVD法による成膜処理によって埋込み絶縁膜EF1を形成した際に、埋込み絶縁膜EF1に空隙40が発生する虞がある。
【0099】
このような空隙40が存在すると、図15の等方性エッチング処理によって埋込み絶縁膜EF1を後退させる際に、空隙40内にエッチング液が浸透する虞がある。そうすると、空隙40内で埋込み絶縁膜EF1のエッチングが早まり、埋込み絶縁膜EF1の厚さが極端に薄くなる可能性があり、埋込み絶縁膜EF1がほぼ全て除去される可能性もある。何れにせよ、所望の形状の埋込み絶縁膜EF1を形成できない可能性が高くなる。
【0100】
実施の形態1のように、フィールドプレート電極FPの上部の角CPが、面取りされるか、丸められていれば、アスペクト比が低減されるので、埋込み絶縁膜EF1の埋込み性が改善され、空隙40の発生を抑制できる。
【0101】
図6は、実施の形態1の半導体装置100が、図25の薄膜箇所30のような箇所を有さず、絶縁耐性が向上していることを示す要部断面図である。図6では、絶縁膜IF1、絶縁膜IF2、ゲート絶縁膜GIおよび埋込み絶縁膜EF1の境界を図示していない。これらの絶縁膜が、例えば酸化シリコン膜のような同系統の膜である場合、トレンチTRの内部において、これらの絶縁膜は、一体化された1つの統合絶縁膜IFであると見做せる。
【0102】
すなわち、半導体基板SUB、フィールドプレート電極FPおよびゲート電極GEの各々の間に位置するように、トレンチTRの内部には、統合絶縁膜IFが形成されている。統合絶縁膜IFによって、半導体基板SUB、フィールドプレート電極FPおよびゲート電極GEは、互いに電気的に絶縁されている。
【0103】
なお、ゲート電極GEの一部は、フィールドプレート電極FPと半導体基板SUBとの間にも、埋込み部GEaとして形成されている。
【0104】
上述のように、実施の形態1の主な特徴の1つとして、埋込み絶縁膜EF1の上面は、曲面状を成し、フィールドプレート電極FPに近づくに連れて上昇している。そのため、埋込み絶縁膜EF1の近傍で、絶縁膜IF2の厚さが薄かったとしても、埋込み絶縁膜EF1によって、厚さを補填できる。
【0105】
言い換えれば、図6に示されるように、埋込み部GEaとフィールドプレート電極FPとの間に形成されている統合絶縁膜IFの厚さT1は、埋込み部GEaの最深部とフィールドプレート電極FPとの間において最も厚くなっている。例えば、フィールドプレート電極FPの最上部と埋込み部GEaの最深部との中間付近の深さにおける統合絶縁膜IFの厚さT2は、厚さT1よりも薄い。
【0106】
また、埋込み絶縁膜EF1の上面は、半導体基板SUBの側部に近づくに連れて上昇している。埋込み部GEaと半導体基板SUBの側部との間に形成されている統合絶縁膜IFの厚さT3は、埋込み部GEaの最深部と半導体基板SUBとの間において最も厚くなっている。例えば、フィールドプレート電極FPの最上部と埋込み部GEaの最深部との中間付近の深さにおける統合絶縁膜IFの厚さT4は、厚さT3よりも薄い。
【0107】
このように統合絶縁膜IFが形成されているので、半導体基板SUBとゲート電極GEとの間の絶縁耐性だけでなく、フィールドプレート電極FPとゲート電極GEとの間の絶縁耐性も確保できる。
【0108】
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0109】
例えば、上記実施の形態1では、図9に示されるようにフィールドプレート電極FPを形成した後、図13に示されるように絶縁膜IF1に対して等方性エッチング処理を行う前に、図12に示されるように絶縁膜IF1から露出しているフィールドプレート電極FPおよび引き出し部FPaの各々の上部に対して等方性エッチング処理を行うことについて説明した。しかし、この図12に示されるフィールドプレート電極FPおよび引き出し部FPaの各々の上部に対して行う等方性エッチング処理は、省略してもよい。しかしながら、上述した空隙40の発生をより確実に抑制する上では、上記実施の形態1のように、フィールドプレート電極FPを形成した後、且つ、絶縁膜IF1に対して等方性エッチング処理を行う前に、フィールドプレート電極FPおよび引き出し部FPaの各々の上部に対して等方性エッチング処理を行うことが好ましい。
【符号の説明】
【0110】
100 半導体装置
10、11 等方性エッチング処理の起点
20 突起箇所
30 薄膜箇所
40 空隙
1A 領域
BS 半導体基板の下面
CF1、CF2 導電性膜
CH1、CH2、CH3 孔
CP フィールドプレート電極の角
CR セル領域
DE ドレイン電極
EF1 埋込み絶縁膜
FP フィールドプレート電極
FPa 引き出し部
GE ゲート電極
GEa 埋込み部
GI ゲート絶縁膜
GP ゲートパッド
GW ゲート配線
HM ハードマスク
IF 統合絶縁膜
IF1、IF2、IF3 絶縁膜
IL 層間絶縁膜
ND ドレイン領域
NS ソース領域
NV ドリフト領域
OR 外周領域
OX1、OX2、OX3 酸化シリコン膜
PB ボディ領域
PG プラグ
PR 高濃度拡散領域
RP1 レジストパターン
SP ソースパッド
SUB 半導体基板
SE ソース電極
TR トレンチ
TS 半導体基板の上面
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