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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025095488
(43)【公開日】2025-06-26
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20250619BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20250619BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20250619BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20250619BHJP
   G02F 1/133 20060101ALN20250619BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALN20250619BHJP
【FI】
G09F9/30 349C
G09F9/30 308Z
G09G3/20 680H
G09G3/20 660F
G09G3/36
G09G3/20 680D
G09G3/20 623Q
G09G3/20 660U
G02F1/1335 500
G02F1/133 535
G02F1/13357
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023211522
(22)【出願日】2023-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 宗治
【テーマコード(参考)】
2H193
2H291
2H391
5C006
5C080
5C094
【Fターム(参考)】
2H193ZA04
2H193ZG04
2H193ZG14
2H193ZG34
2H193ZQ13
2H291FA13X
2H291FA13Z
2H291FA85X
2H291FA85Z
2H291FD04
2H291GA19
2H291JA02
2H291LA21
2H391AA25
2H391AB04
2H391CB03
2H391FA02
5C006AA02
5C006AA08
5C006AA14
5C006AA16
5C006AA17
5C006AA22
5C006AB01
5C006AC24
5C006AC25
5C006AF27
5C006AF33
5C006AF38
5C006AF44
5C006AF51
5C006AF71
5C006BA16
5C006BB08
5C006BB16
5C006BB21
5C006BB29
5C006BC02
5C006BC03
5C006BC11
5C006BF15
5C006BF24
5C006EA01
5C006FA03
5C006FA16
5C006FA36
5C080AA10
5C080BB07
5C080CC03
5C080CC07
5C080DD07
5C080EE01
5C080EE23
5C080EE25
5C080EE30
5C080FF11
5C080JJ01
5C080JJ02
5C080JJ04
5C080JJ06
5C094AA01
5C094BA43
5C094CA19
5C094CA30
5C094DA08
5C094DA20
(57)【要約】
【課題】文字の判読性を高めることができる表示装置を提供する。
【解決手段】複数の画素が第1方向及び当該第1方向に交差する第2方向に並ぶ表示領域を有し、表示領域を一方向から平面視した画像の鏡像を他方向から視認可能な表示パネルPを備える。表示領域のうちの少なくとも一部の領域は、一方向から視認され、他方の面が遮光される複数の第1領域A1と、他方向から視認され、一方の面が遮光される複数の第2領域A2と、を含む。
【選択図】図7C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素が第1方向及び当該第1方向に交差する第2方向に並ぶ表示領域を有し、前記表示領域を一方向から平面視した画像の鏡像を他方向から視認可能な表示パネルを備え、
前記表示領域のうちの少なくとも一部の領域は、
一方向から視認され、他方の面が遮光される複数の第1領域と、
他方向から視認され、一方の面が遮光される複数の第2領域と、
を含む、
表示装置。
【請求項2】
前記第1領域と前記第2領域とが前記第1方向に交互に並ぶ、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1領域と前記第2領域とが前記第2方向に交互に並ぶ、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1領域と前記第2領域とが前記第1方向に交互に並び、
前記第1領域と前記第2領域とが前記第2方向に交互に並ぶ、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1領域及び前記第2領域は、それぞれ前記第1方向に1つの画素を含む、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1領域及び前記第2領域は、それぞれ前記第2方向に1つの画素を含む、
請求項3に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1領域及び前記第2領域は、それぞれ前記第1方向に1つの画素を含み、
前記第1領域及び前記第2領域は、それぞれ前記第2方向に1つの画素を含む、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項8】
平面視において、前記第1領域の他方の面の遮光部と前記第2領域の一方の面の遮光部とが前記第1領域と前記第2領域との境界線を含む所定範囲においてオーバーラップしている、
請求項5から7の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1領域及び前記第2領域は、それぞれ前記第1方向に複数の画素を含む、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1領域及び前記第2領域は、それぞれ前記第2方向に複数の画素を含む、
請求項3に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1領域及び前記第2領域は、それぞれ前記第1方向に複数の画素を含み、
前記第1領域及び前記第2領域は、それぞれ前記第2方向に複数の画素を含む、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項12】
平面視において、前記第1領域の他方の面の遮光部と前記第2領域の一方の面の遮光部とが前記第1領域と前記第2領域との境界線を含む所定範囲においてオーバーラップしている、
請求項9から11の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第1領域の前記第2領域に隣接する画素の輝度は、前記第1領域の前記第2領域に隣接していない画素の輝度よりも低く、
前記第2領域の前記第1領域に隣接する画素の輝度は、前記第2領域の前記第1領域に隣接していない画素の輝度よりも低い、
請求項9から11の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第1領域の前記第2領域に隣接する画素の輝度は、前記第1領域の前記第2領域に隣接していない画素の輝度よりも低く、
前記第2領域の前記第1領域に隣接する画素の輝度は、前記第2領域の前記第1領域に隣接していない画素の輝度よりも低い、
請求項12に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、表示パネルの一方面から、他方面側の背景を視認可能に構成されている表示装置が開示されている。特許文献1の表示装置は、所謂透明ディスプレイであり、高分子分散型液晶を含む液晶層を有する表示パネル、および、表示パネルの側面に対向して配置されている光源を備えている。また、特許文献2では、表示領域の層間絶縁膜や平坦化膜が除去された自発発光型の有機EL表示装置により透明ディスプレイが構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-160254号公報
【特許文献2】特開2016-207486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
透明ディスプレイにおいて、一方面から視認した画像と他方面から視認した画像とは鏡像となる。このため、一方面から視認した画像と他方面から視認した画像との双方において、画像に含まれる文字情報の判読性を確保しようとした場合、2倍の表示面積が必要となる。あるいは、例えばフォントサイズを小さくして文字情報の表示面積を縮小した場合、文字の判読性が低下する可能性がある。
【0005】
本開示は、上記の課題に鑑みてなされたもので、文字の判読性を高めることができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る表示装置は、複数の画素が第1方向及び当該第1方向に交差する第2方向に並ぶ表示領域を有し、前記表示領域を一方向から平面視した画像の鏡像を他方向から視認可能な表示パネルを備え、前記表示領域のうちの少なくとも一部の領域は、一方向から視認され、他方の面が遮光される複数の第1領域と、他方向から視認され、一方の面が遮光される複数の第2領域と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る表示装置の概略構成を示すブロック図である。
図2図2は、表示パネルの概略断面図である。
図3図3は、表示用画像データを表示する1フレーム期間のサブフレーム期間及び発光期間を示すタイミングチャートである。
図4A図4Aは、比較例に係る表示態様の一例を示す概念図である。
図4B図4Bは、比較例に係る表示態様の一例を示す概念図である。
図5A図5Aは、実施形態に係る文字情報表示領域の一例を示す概念図である。
図5B図5Bは、実施形態に係る文字情報表示領域の一例を示す概念図である。
図6A図6Aは、実施形態に係る文字情報表示領域における表示態様の一例を示す概念図である。
図6B図6Bは、実施形態に係る文字情報表示領域における表示態様の一例を示す概念図である。
図7A図7Aは、実施形態1に係る文字情報表示領域の拡大図である。
図7B図7Bは、実施形態1に係る文字情報表示領域の拡大図である。
図7C図7Cは、図7A及び図7Bに示すA-A線に沿う矢示断面図である。
図7D図7Dは、図7A及び図7Bに示すB-B線に沿う矢示断面図である。
図8A図8Aは、実施形態1の第1変形例に係る文字情報表示領域の拡大図である。
図8B図8Bは、実施形態1の第1変形例に係る文字情報表示領域の拡大図である。
図8C図8Cは、図8A及び図8Bに示すB-B線に沿う矢示断面図である。
図9A図9Aは、実施形態1の第2変形例に係る文字情報表示領域の拡大図である。
図9B図9Bは、実施形態1の第2変形例に係る文字情報表示領域の拡大図である。
図9C図9Cは、図9A及び図9Bに示すA-A線に沿う矢示断面図である。
図10A図10Aは、実施形態2に係る文字情報表示領域の拡大図である。
図10B図10Bは、実施形態2に係る文字情報表示領域の拡大図である。
図10C図10Cは、図10A及び図10Bに示すA-A線に沿う矢示断面図である。
図10D図10Dは、図10A及び図10Bに示すB-B線に沿う矢示断面図である。
図11A図11Aは、実施形態2の第1変形例に係る文字情報表示領域の拡大図である。
図11B図11Bは、実施形態2の第1変形例に係る文字情報表示領域の拡大図である。
図11C図11Cは、図11A及び図11Bに示すB-B線に沿う矢示断面図である。
図12A図12Aは、実施形態2の第2変形例に係る文字情報表示領域の拡大図である。
図12B図12Bは、実施形態2の第2変形例に係る文字情報表示領域の拡大図である。
図12C図12Cは、図12A及び図12Bに示すA-A線に沿う矢示断面図である。
図13A図13Aは、実施形態3に係る文字情報表示領域の拡大図である。
図13B図13Bは、実施形態3に係る文字情報表示領域の拡大図である。
図13C図13Cは、図13A及び図13Bに示すA-A線に沿う矢示断面図である。
図13D図13Dは、図13A及び図13Bに示すB-B線に沿う矢示断面図である。
図14A図14Aは、実施形態3の第1変形例に係る文字情報表示領域の拡大図である。
図14B図14Bは、実施形態3の第1変形例に係る文字情報表示領域の拡大図である。
図14C図14Cは、図14A及び図14Bに示すB-B線に沿う矢示断面図である。
図15A図15Aは、実施形態3の第2変形例に係る文字情報表示領域の拡大図である。
図15B図15Bは、実施形態3の第2変形例に係る文字情報表示領域の拡大図である。
図15C図15Cは、図15A及び図15Bに示すA-A線に沿う矢示断面図である。
図16A図16Aは、実施形態4に係る文字情報表示領域の拡大図である。
図16B図16Bは、実施形態4に係る文字情報表示領域の拡大図である。
図17A図17Aは、実施形態4の第1変形例に係る文字情報表示領域の拡大図である。
図17B図17Bは、実施形態4の第1変形例に係る文字情報表示領域の拡大図である。
図18A図18Aは、実施形態4の第2変形例に係る文字情報表示領域の拡大図である。
図18B図18Bは、実施形態4の第2変形例に係る文字情報表示領域の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施形態に記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。また、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、開示の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
図1は、実施形態に係る表示装置の概略構成を示すブロック図である。本開示において、表示装置100は、同一画素から複数色の光をそれぞれ異なるタイミングで透過させるように画素を制御する所謂フィールドシーケンシャルカラー(FSC:Field Sequential Color)方式で表示出力を行う透過型の液晶表示装置である。
【0010】
図1に示すように、実施形態に係る表示装置100は、ディスプレイパネルモジュールDPMと、画像処理回路70とを備える。ディスプレイパネルモジュールDPMは、表示パネルPと、光源装置Lとを備える。
【0011】
表示パネルPは、表示領域7と、信号出力回路8と、走査回路9と、VCOM駆動回路10と、タイミングコントローラ13と、電源回路14とを備える。以下、表示領域7を一方向から平面視した表示パネルPの一面を第1面とし、当該第1面の表示画像の鏡像を視認可能な他面を第2面とする。また、表示装置100の側方と記載した場合、表示装置100を基準として第1面と第2面との対向方向に交差(例えば、直交)する方向に位置する。
【0012】
表示領域7には、複数の画素PixがX方向(第1方向)及びY方向(第2方向)にマトリクス状に並んで配置されている。Y方向(第2方向)は、X方向(第1方向)に交差する方向である。より具体的に、図1に示す例において、Y方向(第2方向)は、X方向(第1方向)に直交する方向である。
【0013】
画素Pixは、スイッチング素子1と、2つの電極とを含む。図2は、表示パネルの概略断面図である。図1及び図2では、2つの電極として、画素電極2と、共通電極6とを図示している。
【0014】
表示パネルPは、対向する2枚の基板と、当該2枚の基板の間に封入された液晶3を有する。以下、当該2枚の基板の一方を第1基板30とし、他方を第2基板20とする。本開示において、表示パネルPの第1基板30側の面を第1面7aとし、表示パネルPの第2基板20側の面を第2面7bとする。
【0015】
第1基板30は、透光性のガラス基板35と、ガラス基板35の第2基板20側に積層された画素電極2と、画素電極2を覆うように第2基板20側に積層された絶縁層55とを含む。画素電極2は、画素Pix毎に個別に設けられる。第2基板20は、透光性のガラス基板21と、ガラス基板21の第1基板30側に積層された共通電極6と、共通電極6を覆うように第1基板30側に積層された絶縁層56とを含む。共通電極6は、複数の画素Pixで共有される板状又は膜状の形状を有する。
【0016】
実施形態1の液晶3は、高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)である。言い換えると、本実施形態において、表示パネルPは、高分子分散型液晶が封入された液晶パネルである。具体的に、液晶3は、バルク51と、微粒子52とを含む。微粒子52は、バルク51内で画素電極2と共通電極6との電位差に応じて配向が変化する。画素Pix毎に画素電極2の電位が個別に制御されることで、画素Pixごとの液晶3の散乱状態が制御される。
【0017】
図2では、画素電極2と共通電極6とが液晶3を挟んで対向配置された例を示しているが、表示パネルPは、1つの基板に画素電極2と共通電極6が設けられて画素電極2と共通電極6によって発生する電界によって配向が変化し、液晶3の散乱状態が制御される構成であっても良い。
【0018】
次に、画素電極2及び共通電極6の電位を制御する仕組みについて説明する。
【0019】
スイッチング素子1は、例えば薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)等、半導体を用いたスイッチング素子である。スイッチング素子1のソース又はドレインの一方は、2つの電極の一方(画素電極2)と接続される。スイッチング素子1のソース又はドレインの他方が信号線SDL(m)(mは、1からMまでの整数、Mは、信号線の総数)と接続される。スイッチング素子1のゲートは、走査線SCL(n)(nは、1からNまでの整数、Nは、走査線の総数)と接続される。走査線SCL(n)は、走査回路9の制御下で、スイッチング素子1のソース-ドレイン間を開閉するための電位を与える。当該電位の制御は、走査回路9が行う。
【0020】
図1に示す例において、複数の信号線SDL(n)は、画素Pixの並び方向のうち一方(行方向)に沿って並ぶ。信号線SDL(m)は、画素Pixの並び方向のうち他方(列方向)に沿って延出する。信号線SDL(m)は、列方向に並ぶ複数の画素Pixのスイッチング素子1で共有される。複数の走査線SCL(n)は、列方向に沿って並ぶ。走査線SCL(n)は、行方向に沿って延出する。走査線SCL(n)は、行方向に並ぶ複数の画素Pixのスイッチング素子1で共有される。
【0021】
本開示では、走査線SCL(n)の延出方向をX方向(第1方向)とし、複数の走査線SCL(n)が並ぶ方向をY方向(第2方向)とする。
【0022】
共通電極6は、VCOM駆動回路10と接続される。VCOM駆動回路10は、共通電極6に共通電位を印加する。
【0023】
走査回路9は、X方向(第1方向)に並ぶ複数の画素Pixが接続された走査線SCL(n)に対し、順次、スイッチング素子1のオン電位(駆動電位)として機能する駆動信号を供給する。言い換えると、走査回路9は、X方向(第1方向)に並ぶ複数の画素Pixに同時に駆動信号を供給する。また、走査回路9は、Y方向(第2方向)に並ぶ複数の画素Pixに順次駆動信号を供給する。
【0024】
信号出力回路8は、Y方向(第2方向)に並ぶ複数の画素Pixが接続された信号線SDL(m)に対し、順次、各画素Pixに対応する画素のデータ(以下、「画素データ」とも称する)として機能する画素信号を供給する。言い換えると、信号出力回路8は、Y方向(第2方向)に並ぶ複数の画素Pixに順次画素データを供給する。また、信号出力回路8は、X方向(第1方向)に並ぶ複数の画素Pixに同時に画素データを供給する。
【0025】
走査回路9が走査線SCL(n)に対して駆動信号を供給し、X方向(第1方向)に並ぶ複数の画素Pixのスイッチング素子1がオン制御されているときに、信号出力回路8が信号線SDL(m)に対して画素信号を供給することで、X方向(第1方向)に並ぶ複数の画素Pixの画素電極2と共通電極6との間に形成された蓄積容量と容量性負荷である液晶3(微粒子52)とを充電する。これにより、X方向(第1方向)に並ぶ複数の画素Pixの画素電極2と共通電極6との間に、各画素Pixに対応する画素データに応じた電圧が印加される。走査回路9がY方向(第2方向)に並ぶ走査線SCL(n)に対して、順次、駆動信号を供給し、信号出力回路8が走査回路9によって駆動信号が供給されている走査線SCL(n)に接続された複数の画素Pixに対応する画素データを供給することで、1サブフレーム分の画像(1フレーム分の画像を構成する複数の単色画像)の画素データが書き込まれる。
【0026】
スイッチング素子1がオフとなった後、画素電極2と共通電極6との間の印加電圧が蓄積容量と容量性負荷である液晶3(微粒子52)によって保持される。液晶3(微粒子52)の散乱度合いは、画素Pixごとの画素電極2と共通電極6との間の印加電圧に応じて制御される。液晶3は、例えば、画素Pixごとの画素電極2と共通電極6との間の印加電圧が大きくなるほど散乱度合いが大きくなるような高分子分散型液晶であっても良いし、画素Pixごとの画素電極2と共通電極6との間の印加電圧が小さくなるほど散乱度合いが大きくなるような高分子分散型液晶であっても良い。
【0027】
図2に示すように、表示パネルPの側方(図1では、表示パネルPの下方)には、光源装置Lが配置されている。光源装置Lは、表示パネルPの側面に光を照射する光源11と、光源11を制御する光源駆動回路12とを備える。光源11は、第1光源11R、第2光源11G、及び第3光源11Bを含む。
【0028】
第1光源11R、第2光源11G、及び第3光源11Bは、それぞれ、光源駆動回路12の制御下で発光する。第1光源11R、第2光源11G、及び第3光源11Bは、例えば発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)のような発光素子を用いた光源であるが、これに限られるものでなく、発光タイミングを制御可能な光源であればよい。
【0029】
光源駆動回路12は、タイミングコントローラ13の制御下で第1光源11R、第2光源11G、及び第3光源11Bの発光タイミングを制御する。本開示において、第1光源11Rの発光色(第1色)は赤色(R)であり、第2光源11Gの発光色(第2色)は緑色(G)であり、第3光源11Bの発光色(第3色)は青色(B)である。
【0030】
光源11から光が照射されると、表示領域7は、Y方向の一側面側から照射される光(第1色、第2色、第3色)によって照明される。各画素Pixは、Y方向の一側面側から照射される光を透過または散乱させる。画素Pixごとの液晶3の散乱度合いは、画素Pixごとの画素信号に応じて制御された液晶3の状態による。
【0031】
タイミングコントローラ13は、信号出力回路8、走査回路9、VCOM駆動回路10、及び光源駆動回路12の動作タイミングを制御する回路である。本開示において、タイミングコントローラ13は、画像処理回路70を介して入力された信号に基づいて動作する。
【0032】
画像処理回路70は、表示用画像データに基づく信号を信号出力回路8及びタイミングコントローラ13に出力する。表示領域7に設けられた複数の画素Pixのうち、1つの画素Pixに割り当てられるRGBの階調値を示すデータを画素データとすると、表示用画像を出力するために画像処理回路70に入力される表示用画像データは、表示領域7内の各画素Pixに対する複数の画素データの集合である。なお、画像処理回路70は、表示パネルPを構成する基板の1つに設けられても良いし、表示パネルPから延出する配線等が設けられるフレキシブルプリント基板に実装されても良いし、表示パネルPの外部に設けられる構成であっても良い。
【0033】
図3は、表示用画像データを表示する1フレーム期間のサブフレーム期間及び発光期間を示すタイミングチャートである。図3では、1フレームの画像表示期間FPを20msとしている。このとき、表示装置100における画像表示フレームレートは50FPSとされる。
【0034】
FSC方式で表示出力を行う表示装置100において、表示用画像データに基づく1フレームの画像表示期間FPは、図3に示すように、第1サブフレーム期間RF、第2サブフレーム期間GF、第3サブフレーム期間BFに時分割される。第1サブフレーム期間RF、第2サブフレーム期間GF、第3サブフレーム期間BFは、それぞれ、6.67msとされる。
【0035】
第1サブフレーム期間RFの垂直走査期間GateScan(第1期間)において、表示用画像データの第1色(赤色(R))に対応する各画素Pixの出力階調値に応じた画素データの書き込みを行う。これにより、画素Pixごとの各画素データに応じた電圧が画素電極2に印加され、画素電極2の印加電圧に応じて、画素Pixごとの液晶3の散乱状態が制御される。第1サブフレーム期間RFの垂直走査期間GateScan(第1期間)は、例えば2.5msとされる。
【0036】
続く発光期間RON(第2期間)において第1光源11Rを発光させる。この発光期間RON(第2期間)において、直前の垂直走査期間GateScanに書き込まれた画素Pixごとの各画素データに応じた第1色(赤色(R))の光を散乱させて表示する。
【0037】
第2サブフレーム期間GFの垂直走査期間GateScan(第1期間)において、表示用画像データの第2色(緑色(G))に対応する各画素Pixの出力階調値に応じた画素データの書き込みを行う。これにより、画素Pixごとの各画素データに応じた電圧が画素電極2に印加され、画素電極2の印加電圧に応じて、画素Pixごとの液晶3の散乱状態が制御される。第2サブフレーム期間GFの垂直走査期間GateScan(第1期間)は、例えば2.5msとされる。
【0038】
続く発光期間GON(第2期間)において第2光源11Gを発光させる。この発光期間GON(第2期間)において、直前の垂直走査期間GateScanに書き込まれた画素Pixごとの各画素データに応じた第2色(緑色(G))の光を散乱させて表示する。
【0039】
第3サブフレーム期間BFの垂直走査期間GateScan(第1期間)において、表示用画像データの第3色(青色(B))に対応する各画素Pixの出力階調値に応じた画素データの書き込みを行う。これにより、画素Pixごとの各画素データに応じた電圧が画素電極2に印加され、画素電極2の印加電圧に応じて、画素Pixごとの液晶3の散乱状態が制御される。第3サブフレーム期間BFの垂直走査期間GateScan(第1期間)は、例えば2.5msとされる。
【0040】
続く発光期間BON(第2期間)において第3光源11Bを発光させる。この発光期間BON(第2期間)において、直前の垂直走査期間GateScanに書き込まれた画素Pixごとの各画素データに応じた第3色(青色(B))の光を散乱させて表示する。
【0041】
上述したFSC方式の表示装置100では、人間の眼における時間的な分解能の制限によって発生する残像現象により、第1色(赤色(R))、第2色(緑色(G))、第3色(青色(B))の3色が合成(混色)された画像が認識される。また、FSC方式の表示装置100では、画素Pixごとにカラーフィルタを設ける必要がないため、表示領域7における光の透過率を高くすることができる。
【0042】
図4A及び図4Bは、比較例に係る表示態様の一例を示す概念図である。
【0043】
表示パネルPは、上述したように、表示領域7を一方向から平面視した画像の鏡像を他方向から視認可能な構成としている。言い換えると、表示領域7を一方向から平面視した表示パネルPの第1面7aにおける表示画像と、表示領域7を他方向から平面視した表示パネルPの第2面7bにおける表示画像とは、互いに鏡像となる。
【0044】
図4Aでは、表示領域7を一方向から平面視した表示パネルPの第1面7aにおける表示例を示している。図4Bでは、表示領域7を他方向から平面視した表示パネルPの第2面7bにおける表示例を示している。ここでは、表示パネルPの第1面7aを一方向から平面視した際に判読可能な第1文字情報200aと、表示パネルPの第2面7bを他方向から平面視した際に判読可能な第2文字情報300bとを表示した態様を例示している。
【0045】
第1文字情報200aは、表示パネルPの第2面7bを他方向から平面視した際に、鏡像反転した第1文字情報200bとして視認される。第2文字情報300bは、表示パネルPの第2面7bを他方向から平面視した際に、鏡像反転した第2文字情報300aとして視認される。このように、比較例に示す表示態様では、一方向から表示パネルPの第1面7aを視認した場合と、他方向から表示パネルPの第2面7bを視認した場合との双方において、文字情報の判読性を確保しようとした場合、2倍の表示面積が必要となる。あるいは、例えばフォントサイズを小さくして文字情報の表示面積を縮小した場合、文字の判読性が低下する可能性がある。
【0046】
図5A及び図5Bは、実施形態に係る文字情報表示領域の一例を示す概念図である。図6A及び図6Bは、実施形態に係る文字情報表示領域における表示態様の一例を示す概念図である。
【0047】
図5Aでは、表示領域7を一方向から平面視した表示パネルPの第1面7aにおける文字情報表示領域AAaを示している。図5Bでは、表示領域7を他方向から平面視した表示パネルPの第2面7bにおける文字情報表示領域AAbを示している。
【0048】
図6Aでは、文字情報表示領域AAaにおける第1文字情報200aの表示例を示している。図5Bでは、文字情報表示領域AAbにおける第2文字情報300bの表示例を示している。
【0049】
本実施形態では、図6Aおよび図6Bに示すように、表示パネルPの第1面7aを一方向から平面視した際に判読可能な第1文字情報200aが図5Aに示す文字情報表示領域AAaに表示され、表示パネルPの第2面7bを他方向から平面視した際に判読可能な第2文字情報300bが図5Bに示す文字情報表示領域AAbに表示される。
【0050】
本実施形態において、文字情報表示領域AAaと文字情報表示領域AAbとは、表示パネルPの第1面7aと第2面7bとで表裏一体に設けられており、表示パネルPの第1面7aを一方向から平面視した際に文字情報表示領域AAaに表示される第1文字情報200aの鏡像(図4Bに示す200bに相当)は、表示パネルPの第2面7bを他方向から平面視した際には視認されない。また、表示パネルPの第2面7bを他方向から平面視した際に文字情報表示領域AAbに表示される第2文字情報300bの鏡像(図4Aに示す300aに相当)は、表示パネルPの第1面7aを一方向から平面視した際には視認されない。
【0051】
以下、上述した実施形態に係る表示態様を実現可能な構成について説明する。
【0052】
(実施形態1)
図7A及び図7Bは、実施形態1に係る文字情報表示領域の拡大図である。図7Cは、図7A及び図7Bに示すA-A線に沿う矢示断面図である。図7Dは、図7A及び図7Bに示すB-B線に沿う矢示断面図である。
【0053】
図7Aは、文字情報表示領域AAaを一方向から平面視した第1遮光パターンを示している。図7Bは、文字情報表示領域AAbを一方向から透視した第2遮光パターンを示している。
【0054】
文字情報表示領域AA(AAa,AAb)は、第2面7b側が第1遮光パターンS1により遮光されて一方向から視認される複数の第1領域A1と、第1面7a側が第2遮光パターンS2により遮光されて他方向から視認される複数の第2領域A2とを含む。
【0055】
実施形態1に係る構成において、複数の第1領域A1は、それぞれ1つの画素Pix1に対応して設けられている。また、複数の第2領域A2は、それぞれ1つの画素Pix2に対応して設けられている。
【0056】
また、実施形態1に係る構成において、第1領域A1と第2領域A2とは、X方向(第1方向)に交互に並んで設けられる。また、第1領域A1と第2領域A2とは、Y方向(第2方向)に交互に並んで設けられる。これにより、第1遮光パターンS1及び第2遮光パターンS2は、それぞれ画素単位で市松紋様状の遮光パターンとなる。
【0057】
第1遮光パターンS1は、例えば、第2基板20の表面に黒色の樹脂材料が塗布されて構成されていても良いし、第2基板20とは異なる透明基材に形成されて表示パネルPの第2基板20側の面に貼り合わされて構成されていても良い。あるいは、共通電極6に第1遮光パターンS1が設けられた態様であっても良い。
【0058】
第2遮光パターンS2は、例えば、第1基板30の表面に黒色の樹脂材料が塗布されて構成されていても良いし、第1基板30とは異なる透明基材に形成されて表示パネルPの第1基板30側の面に貼り合わされて構成されていても良い。あるいは、画素電極2に第2遮光パターンS2が設けられた態様であっても良い。
【0059】
また、第1遮光パターンS1及び第2遮光パターンS2は樹脂塗料に限定されない。第1遮光パターンS1及び第2遮光パターンS2は、例えば、遮光性の金属材料によって形成された態様であっても良い。
【0060】
上述した構成において、画像処理回路70は、表示パネルPの第1面7aを一方向から平面視した際に第1文字情報200aが視認され、表示パネルPの第2面7bを他方向から平面視した際に第2文字情報300bが視認されるように画像処理を行う。
【0061】
言い換えると、表示パネルPの第1面7aを一方向から平面視した際に文字情報表示領域AAaに表示される画像は、表示パネルPの第1面7aを一方向から平面視した際、第2文字情報300bの鏡像である第2文字情報300aに対応する画素Pix2が第1遮光パターンによってマスクされ、複数の第1領域A1に対応する画素Pix1によって形成される第1文字情報200aとして視認される。
【0062】
また、表示パネルPの第2面7bを他方向から平面視した際に文字情報表示領域AAbに表示される画像は、表示パネルPの第2面7bを他方向から平面視した際、第1文字情報200aの鏡像である第1文字情報200bに対応する画素Pix1が第2遮光パターンによってマスクされ、複数の第2領域A2に対応する画素Pix2によって形成される第2文字情報300bとして視認される。
【0063】
これにより、一方向から表示パネルPの第1面7aを視認した場合と、他方向から表示パネルPの第2面7bを視認した場合との双方において、文字情報の表示面積とフォントサイズを最適化しつつ判読性を確保することができる。また、鏡像文字が視認されないので、画像全体の視認性を高めることができる。
【0064】
(第1変形例)
図8A及び図8Bは、実施形態1の第1変形例に係る文字情報表示領域の拡大図である。図8Cは、図8A及び図8Bに示すB-B線に沿う矢示断面図である。なお、実施形態1と同様の説明については省略する場合がある。
【0065】
実施形態1の第1変形例に係る構成において、複数の第1領域A1は、それぞれY方向(第2方向)に画素Pix1が並ぶ1つの画素列に対応して設けられている。また、複数の第2領域A2は、それぞれY方向(第2方向)に画素Pix2が並ぶ1つの画素列に対応して設けられている。
【0066】
また、実施形態1の第1変形例に係る構成において、第1領域A1と第2領域A2とは、X方向(第1方向)に交互に並んで設けられる。これにより、第1遮光パターンS1及び第2遮光パターンS2は、それぞれ画素列単位で縦ストライプ状の遮光パターンとなる。
【0067】
これにより、実施形態1と同様に、一方向から表示パネルPの第1面7aを視認した場合と、他方向から表示パネルPの第2面7bを視認した場合との双方において、文字情報の表示面積とフォントサイズを最適化しつつ判読性を確保することができる。また、鏡像文字が視認されないので、画像全体の視認性を高めることができる。
【0068】
(第2変形例)
図9A及び図9Bは、実施形態1の第2変形例に係る文字情報表示領域の拡大図である。図9Cは、図9A及び図9Bに示すA-A線に沿う矢示断面図である。なお、実施形態1と同様の説明については省略する場合がある。
【0069】
実施形態1の第2変形例に係る構成において、複数の第1領域A1は、それぞれX方向(第1方向)に画素Pix1が並ぶ1つの画素行に対応して設けられている。また、複数の第2領域A2は、それぞれX方向(第1方向)に画素Pix2が並ぶ1つの画素行に対応して設けられている。
【0070】
また、実施形態1の第2変形例に係る構成において、第1領域A1と第2領域A2とは、Y方向(第2方向)に交互に並んで設けられる。これにより、第1遮光パターンS1及び第2遮光パターンS2は、それぞれ画素行単位で横ストライプ状の遮光パターンとなる。
【0071】
これにより、実施形態1と同様に、一方向から表示パネルPの第1面7aを視認した場合と、他方向から表示パネルPの第2面7bを視認した場合との双方において、文字情報の表示面積とフォントサイズを最適化しつつ判読性を確保することができる。また、鏡像文字が視認されないので、画像全体の視認性を高めることができる。
【0072】
(実施形態2)
図10A及び図10Bは、実施形態2に係る文字情報表示領域の拡大図である。図10Cは、図10A及び図10Bに示すA-A線に沿う矢示断面図である。図10Dは、図10A及び図10Bに示すB-B線に沿う矢示断面図である。なお、実施形態1と同様の説明については省略する場合がある。
【0073】
実施形態2に係る構成において、複数の第1領域A1は、それぞれ複数の画素Pix1に対応して設けられている。また、複数の第2領域A2は、それぞれ複数の画素Pix2に対応して設けられている。
【0074】
言い換えると、複数の第1領域A1は、それぞれX方向(第1方向)に複数の画素Pix1を含む。また、複数の第2領域A2は、それぞれX方向(第1方向)に複数の画素Pix2を含む。ここでは、複数の第1領域A1は、それぞれX方向(第1方向)に2つの画素Pix1を含み、複数の第2領域A2は、それぞれX方向(第1方向)に2つの画素Pix2を含む態様を例示している。
【0075】
また、複数の第1領域A1は、それぞれY方向(第2方向)に複数の画素Pix1を含む。また、複数の第2領域A2は、それぞれY方向(第2方向)に複数の画素Pix2を含む。ここでは、複数の第1領域A1は、それぞれY方向(第2方向)に2つの画素Pix1を含み、複数の第2領域A2は、それぞれY方向(第2方向)に2つの画素Pix2を含む態様を例示している。
【0076】
また、実施形態2に係る構成において、第1領域A1と第2領域A2とは、X方向(第1方向)に交互に並んで設けられる。また、第1領域A1と第2領域A2とは、Y方向(第2方向)に交互に並んで設けられる。これにより、第1遮光パターンS1及び第2遮光パターンS2は、それぞれ複数(ここでは、2×2=4)の画素単位で市松紋様状の遮光パターンとなる。
【0077】
これにより、実施形態1と同様に、一方向から表示パネルPの第1面7aを視認した場合と、他方向から表示パネルPの第2面7bを視認した場合との双方において、文字情報の表示面積とフォントサイズを最適化しつつ判読性を確保することができる。また、鏡像文字が視認されないので、画像全体の視認性を高めることができる。
【0078】
(第1変形例)
図11A及び図11Bは、実施形態2の第1変形例に係る文字情報表示領域の拡大図である。図11Cは、図11A及び図11Bに示すB-B線に沿う矢示断面図である。なお、実施形態1と同様の説明については省略する場合がある。
【0079】
実施形態2の第1変形例に係る構成において、複数の第1領域A1は、それぞれY方向(第2方向)に画素Pix1が並ぶ複数の画素列に対応して設けられている。また、複数の第2領域A2は、それぞれY方向(第2方向)に画素Pix2が並ぶ複数の画素列に対応して設けられている。言い換えると、複数の第1領域A1及び複数の第2領域A2は、それぞれX方向(第1方向)に複数の画素列を含む。ここでは、複数の第1領域A1及び複数の第2領域A2は、それぞれX方向(第1方向)に2つの画素列を含む態様を例示している。
【0080】
また、実施形態2の第1変形例に係る構成において、第1領域A1と第2領域A2とは、X方向(第1方向)に交互に並んで設けられる。これにより、第1遮光パターンS1及び第2遮光パターンS2は、それぞれ複数(ここでは、2)の画素列単位で縦ストライプ状の遮光パターンとなる。
【0081】
これにより、実施形態1と同様に、一方向から表示パネルPの第1面7aを視認した場合と、他方向から表示パネルPの第2面7bを視認した場合との双方において、文字情報の表示面積とフォントサイズを最適化しつつ判読性を確保することができる。また、鏡像文字が視認されないので、画像全体の視認性を高めることができる。
【0082】
(第2変形例)
図12A及び図12Bは、実施形態2の第2変形例に係る文字情報表示領域の拡大図である。図12Cは、図12A及び図12Bに示すA-A線に沿う矢示断面図である。なお、実施形態1と同様の説明については省略する場合がある。
【0083】
実施形態2の第2変形例に係る構成において、複数の第1領域A1は、それぞれX方向(第1方向)に画素Pix1が並ぶ複数の画素行に対応して設けられている。また、複数の第2領域A2は、それぞれX方向(第1方向)に画素Pix2が並ぶ複数の画素行に対応して設けられている。言い換えると、複数の第1領域A1及び複数の第2領域A2は、それぞれY方向(第2方向)に複数の画素行を含む。ここでは、複数の第1領域A1及び複数の第2領域A2は、それぞれY方向(第2方向)に2つの画素行を含む態様を例示している。
【0084】
また、実施形態2の第2変形例に係る構成において、第1領域A1と第2領域A2とは、Y方向(第2方向)に交互に並んで設けられる。これにより、第1遮光パターンS1及び第2遮光パターンS2は、それぞれ複数(ここでは、2)の画素行単位で横ストライプ状の遮光パターンとなる。
【0085】
これにより、実施形態1と同様に、一方向から表示パネルPの第1面7aを視認した場合と、他方向から表示パネルPの第2面7bを視認した場合との双方において、文字情報の表示面積とフォントサイズを最適化しつつ判読性を確保することができる。また、鏡像文字が視認されないので、画像全体の視認性を高めることができる。
【0086】
(実施形態3)
図13A及び図13Bは、実施形態3に係る文字情報表示領域の拡大図である。図13Cは、図13A及び図13Bに示すA-A線に沿う矢示断面図である。図13Dは、図13A及び図13Bに示すB-B線に沿う矢示断面図である。なお、実施形態1と同様の説明については省略する場合がある。
【0087】
実施形態3に係る構成において、複数の第1領域A1は、それぞれ1つ又は複数の画素に対応して設けられている。また、複数の第2領域A2は、それぞれ1つ又は複数の画素に対応して設けられている。言い換えると、複数の第1領域A1及び複数の第2領域A2は、それぞれX方向(第1方向)に1つ又は複数の画素を含む。また、複数の第1領域A1及び複数の第2領域A2は、それぞれY方向(第2方向)に1つ又は複数の画素を含む。
【0088】
また、実施形態3に係る構成において、第1領域A1と第2領域A2とは、X方向(第1方向)に交互に並んで設けられる。また、第1領域A1と第2領域A2とは、Y方向(第2方向)に交互に並んで設けられる。これにより、第1遮光パターンS1及び第2遮光パターンS2は、それぞれ1つ又は複数の画素単位で市松紋様状の遮光パターンとなる。
【0089】
図13A図13B図13C図13Dに示すように、実施形態3に係る構成において、第1遮光パターンS1と第2遮光パターンS2とは、平面視において、破線で示す第1領域A1と第2領域A2との境界線を含む所定範囲においてオーバーラップしている。これにより、一方向から表示パネルPの第1面7aを視認した際の第2領域A2の光漏れを抑制することができる。また、他方向から表示パネルPの第2面7bを視認した際の第1領域A1の光漏れを抑制することができる。
【0090】
(第1変形例)
図14A及び図14Bは、実施形態3の第1変形例に係る文字情報表示領域の拡大図である。図14Cは、図14A及び図14Bに示すB-B線に沿う矢示断面図である。なお、実施形態1と同様の説明については省略する場合がある。
【0091】
実施形態3の第1変形例に係る構成において、複数の第1領域A1は、それぞれY方向(第2方向)に画素Pix1が並ぶ1つ又は複数の画素列に対応して設けられている。また、複数の第2領域A2は、それぞれY方向(第2方向)に画素Pix2が並ぶ1つ又は複数の画素列に対応して設けられている。言い換えると、複数の第1領域A1及び複数の第2領域A2は、それぞれX方向(第1方向)に1つ又は複数の画素列を含む。
【0092】
また、実施形態3の第1変形例に係る構成において、第1領域A1と第2領域A2とは、X方向(第1方向)に交互に並んで設けられる。これにより、第1遮光パターンS1及び第2遮光パターンS2は、それぞれ1つ又は複数の画素列単位で縦ストライプ状の遮光パターンとなる。
【0093】
図14A図14B図14Cに示すように、実施形態3の第1変形例に係る構成において、第1遮光パターンS1と第2遮光パターンS2とは、平面視において、破線で示す第1領域A1と第2領域A2との境界線を含む所定範囲においてオーバーラップしている。これにより、実施形態3と同様に、一方向から表示パネルPの第1面7aを視認した際の第2領域A2の光漏れを抑制することができる。また、他方向から表示パネルPの第2面7bを視認した際の第1領域A1の光漏れを抑制することができる。
【0094】
(第2変形例)
図15A及び図15Bは、実施形態3の第2変形例に係る文字情報表示領域の拡大図である。図15Cは、図15A及び図15Bに示すA-A線に沿う矢示断面図である。なお、実施形態1と同様の説明については省略する場合がある。
【0095】
実施形態3の第2変形例に係る構成において、複数の第1領域A1は、それぞれX方向(第1方向)に画素Pix1が並ぶ1つ又は複数の画素行に対応して設けられている。また、複数の第2領域A2は、それぞれX方向(第1方向)に画素Pix2が並ぶ1つ又は複数の画素行に対応して設けられている。言い換えると、複数の第1領域A1及び複数の第2領域A2は、それぞれY方向(第2方向)に1つ又は複数の画素行を含む。
【0096】
また、実施形態3の第2変形例に係る構成において、第1領域A1と第2領域A2とは、Y方向(第2方向)に交互に並んで設けられる。これにより、第1遮光パターンS1及び第2遮光パターンS2は、それぞれ1つ又は複数の画素行単位で横ストライプ状の遮光パターンとなる。
【0097】
図15A図15B図15Cに示すように、実施形態3の第2変形例に係る構成において、第1遮光パターンS1と第2遮光パターンS2とは、平面視において、破線で示す第1領域A1と第2領域A2との境界線を含む所定範囲においてオーバーラップしている。これにより、実施形態3と同様に、一方向から表示パネルPの第1面7aを視認した際の第2領域A2の光漏れを抑制することができる。また、他方向から表示パネルPの第2面7bを視認した際の第1領域A1の光漏れを抑制することができる。
【0098】
(実施形態4)
図16A及び図16Bは、実施形態4に係る文字情報表示領域の拡大図である。なお、実施形態1と同様の説明については省略する場合がある。
【0099】
実施形態4に係る構成において、複数の第1領域A1は、それぞれ複数の画素Pix1に対応して設けられている。また、複数の第2領域A2は、それぞれ複数の画素Pix2に対応して設けられている。
【0100】
言い換えると、複数の第1領域A1は、それぞれX方向(第1方向)に複数の画素Pix1を含む。また、複数の第2領域A2は、それぞれX方向(第1方向)に複数の画素Pix2を含む。ここでは、複数の第1領域A1は、それぞれX方向(第1方向)に4つの画素Pix1を含み、複数の第2領域A2は、それぞれX方向(第1方向)に4つの画素Pix2を含む態様を例示している。
【0101】
また、複数の第1領域A1は、それぞれY方向(第2方向)に複数の画素Pix1を含む。また、複数の第2領域A2は、それぞれY方向(第2方向)に複数の画素Pix2を含む。ここでは、複数の第1領域A1は、それぞれY方向(第2方向)に4つの画素Pix1を含み、複数の第2領域A2は、それぞれY方向(第2方向)に4つの画素Pix2を含む態様を例示している。
【0102】
また、実施形態4に係る構成において、第1領域A1と第2領域A2とは、X方向(第1方向)に交互に並んで設けられる。また、第1領域A1と第2領域A2とは、Y方向(第2方向)に交互に並んで設けられる。これにより、第1遮光パターンS1及び第2遮光パターンS2は、それぞれ複数(ここでは、4×4=16)の画素単位で市松紋様状の遮光パターンとなる。
【0103】
図16A及び図16Bに示すように、実施形態4に係る構成において、画像処理回路70は、第1領域A1の第2領域A2に隣接する画素Pix1の輝度が、第1領域A1の第2領域A2に隣接していない画素Pix1’の輝度よりも低くなるように画像処理する。また、画像処理回路70は、第2領域A2の第1領域A1に隣接する画素Pix2の輝度が、第2領域A2の第1領域A1に隣接していない画素Pix2’の輝度よりも低くなるように画像処理する。これにより、一方向から表示パネルPの第1面7aを視認した際の第2領域A2の光漏れを抑制することができる。また、他方向から表示パネルPの第2面7bを視認した際の第1領域A1の光漏れを抑制することができる。
【0104】
(第1変形例)
図17A及び図17Bは、実施形態4の第1変形例に係る文字情報表示領域の拡大図である。なお、実施形態1と同様の説明については省略する場合がある。
【0105】
実施形態4の第1変形例に係る構成において、複数の第1領域A1は、それぞれY方向(第2方向)に画素Pix1が並ぶ複数の画素列に対応して設けられている。また、複数の第2領域A2は、それぞれY方向(第2方向)に画素Pix2が並ぶ複数の画素列に対応して設けられている。言い換えると、複数の第1領域A1及び複数の第2領域A2は、それぞれX方向(第1方向)に複数の画素列を含む。ここでは、複数の第1領域A1及び複数の第2領域A2は、それぞれX方向(第1方向)に4つの画素列を含む態様を例示している。
【0106】
また、実施形態4の第1変形例に係る構成において、第1領域A1と第2領域A2とは、X方向(第1方向)に交互に並んで設けられる。これにより、第1遮光パターンS1及び第2遮光パターンS2は、それぞれ複数(ここでは、4)の画素列単位で縦ストライプ状の遮光パターンとなる。
【0107】
図17A及び図17Bに示すように、実施形態4の第1変形例に係る構成において、画像処理回路70は、実施形態4と同様に、第1領域A1の第2領域A2に隣接する画素Pix1の輝度が、第1領域A1の第2領域A2に隣接していない画素Pix1’の輝度よりも低くなるように画像処理する。また、画像処理回路70は、実施形態4と同様に、第2領域A2の第1領域A1に隣接する画素Pix2の輝度が、第2領域A2の第1領域A1に隣接していない画素Pix2’の輝度よりも低くなるように画像処理する。これにより、実施形態4と同様に、一方向から表示パネルPの第1面7aを視認した際の第2領域A2の光漏れを抑制することができる。また、他方向から表示パネルPの第2面7bを視認した際の第1領域A1の光漏れを抑制することができる。
【0108】
(第2変形例)
図18A及び図18Bは、実施形態4の第2変形例に係る文字情報表示領域の拡大図である。なお、実施形態1と同様の説明については省略する場合がある。
【0109】
実施形態4の第2変形例に係る構成において、複数の第1領域A1は、それぞれX方向(第1方向)に画素Pix1が並ぶ複数の画素行に対応して設けられている。また、複数の第2領域A2は、それぞれX方向(第1方向)に画素Pix2が並ぶ複数の画素行に対応して設けられている。言い換えると、複数の第1領域A1及び複数の第2領域A2は、それぞれY方向(第2方向)に複数の画素行を含む。ここでは、複数の第1領域A1及び複数の第2領域A2は、それぞれY方向(第2方向)に4つの画素行を含む態様を例示している。
【0110】
また、実施形態4の第2変形例に係る構成において、第1領域A1と第2領域A2とは、Y方向(第2方向)に交互に並んで設けられる。これにより、第1遮光パターンS1及び第2遮光パターンS2は、それぞれ複数(ここでは、4)の画素行単位で横ストライプ状の遮光パターンとなる。
【0111】
図18A及び図18Bに示すように、実施形態4の第2変形例に係る構成において、画像処理回路70は、実施形態4と同様に、第1領域A1の第2領域A2に隣接する画素Pix1の輝度が、第1領域A1の第2領域A2に隣接していない画素Pix1’の輝度よりも低くなるように画像処理する。また、画像処理回路70は、実施形態4と同様に、第2領域A2の第1領域A1に隣接する画素Pix2の輝度が、第2領域A2の第1領域A1に隣接していない画素Pix2’の輝度よりも低くなるように画像処理する。これにより、実施形態4と同様に、一方向から表示パネルPの第1面7aを視認した際の第2領域A2の光漏れを抑制することができる。また、他方向から表示パネルPの第2面7bを視認した際の第1領域A1の光漏れを抑制することができる。
【0112】
なお、上述した各実施形態及び変形例では、FSC方式で表示出力を行う透過型の液晶表示装置を例示して説明したが、表示パネルPの態様はFSC方式の液晶表示装置に限定されない。表示パネルPは、例えば、第1色(例えば、赤色(R))を通過させる第1カラーフィルタが重ねて配置された第1副画素、第2色(例えば、緑色(G))を通過させる第2カラーフィルタが重ねて配置された第2副画素、及び第3色(例えば、青色(B))を通過させる第3カラーフィルタが重ねて配置された第3副画素で1つの画素を構成する透過式のカラー液晶表示パネルであっても良い。この場合、第1領域A1及び第2領域A2は、第1副画素、第2副画素、及び第3副画素を1単位として構成すれば良い。あるいは、例えば、自発発光型の有機EL表示装置により表示パネルPが構成された態様であっても良い。
【0113】
以上、本開示の好適な実施の形態を説明したが、本開示はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本発明の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0114】
3 液晶
7 表示領域
7a 第1面
7b 第2面
11 光源
11R 第1光源
11G 第2光源
11B 第3光源
70 画像処理回路
100 表示装置
200a 第1文字情報
200b 第1文字情報(鏡像反転)
300a 第2文字情報(鏡像反転)
300b 第2文字情報
A1 第1領域
A2 第2領域
AA 文字情報表示領域
AAa 文字情報表示領域(第1面)
AAb 文字情報表示領域(第2面)
DPM ディスプレイパネルモジュール
L 光源装置
P 表示パネル
Pix,Pix1,Pix1’,Pix2,Pix2’ 画素
S1 第1遮光パターン
S2 第2遮光パターン
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図13C
図13D
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図17A
図17B
図18A
図18B