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特開2025-9566案内制御装置、案内制御方法、及び案内制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009566
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】案内制御装置、案内制御方法、及び案内制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/005 20060101AFI20250110BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20250110BHJP
   G01C 21/36 20060101ALI20250110BHJP
【FI】
G08G1/005
G01C21/26 P
G01C21/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023112653
(22)【出願日】2023-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グエン カン
(72)【発明者】
【氏名】神田 祐子
(72)【発明者】
【氏名】宮井 智尋
(72)【発明者】
【氏名】中野 圭
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129BB22
2F129BB26
2F129EE09
2F129EE43
2F129EE52
2F129EE69
2F129EE78
2F129EE79
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF15
2F129FF19
2F129FF20
2F129FF60
2F129FF62
2F129FF63
2F129GG17
2F129GG18
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH20
5H181AA21
5H181AA27
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF13
5H181FF14
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
(57)【要約】
【課題】案内ロボットに案内されている人が案内ロボットから離脱した場合に、離脱したことに対応することができる案内制御装置、案内制御方法、及び案内制御プログラムを提供する。
【解決手段】案内制御装置は、人を案内する案内ロボット(20)と前記人が所持する携帯端末(50)との通信状態を取得する取得部(72)と、前記取得部によって取得された前記通信状態に基づいて、前記人が前記案内ロボットの通信範囲から離脱したか否かを判定する判定部(73)と、前記人が前記案内ロボットの通信範囲から離脱したと前記判定部によって判定された場合に、離脱データを出力する出力部(74)と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人を案内する案内ロボット(20)と前記人が所持する携帯端末(50)との通信状態を取得する取得部(72)と、
前記取得部によって取得された前記通信状態に基づいて、前記人が前記案内ロボットの通信範囲から離脱したか否かを判定する判定部(73)と、
前記人が前記案内ロボットの通信範囲から離脱したと前記判定部によって判定された場合に、離脱データを出力する出力部(74)と、
を備える案内制御装置(60)。
【請求項2】
前記判定部は、前記取得部によって取得された前記通信状態に基づいて、前記人が前記通信範囲の境界領域に存在するか否かを判定し、
前記出力部は、前記人が前記通信範囲の境界領域に存在すると前記判定部によって判定された場合に、警告データを出力する、
請求項1に記載の案内制御装置。
【請求項3】
前記案内ロボットは、複数の前記人を案内し、
前記案内制御装置は、複数の前記人の数に応じて前記通信範囲の広さを調整する調整部(71)をさらに備える、
請求項1に記載の案内制御装置。
【請求項4】
前記出力部は、前記携帯端末に対して前記離脱データを出力する、
請求項1に記載の案内制御装置。
【請求項5】
前記案内ロボットは、複数の前記人を案内し、
前記出力部は、複数の前記人のうち、前記通信範囲の内側に残存する残存者が所持する携帯端末に対して前記離脱データを出力する、
請求項1に記載の案内制御装置。
【請求項6】
前記出力部は、前記通信範囲から離脱した前記人としての離脱者を探索する探索装置(10、20B、30)に対して前記離脱データを出力する、
請求項1に記載の案内制御装置。
【請求項7】
前記探索装置は、前記通信範囲の外側に存在する別の案内ロボット(20B)を含む
請求項6に記載の案内制御装置。
【請求項8】
前記探索装置は、カメラ(30)を含む、
請求項6に記載の案内制御装置。
【請求項9】
前記探索装置は、前記通信範囲の外側に存在する別の案内ロボット、及び、カメラの少なくとも一方と通信可能に接続されたサーバ(10)を含む、
請求項6に記載の案内制御装置。
【請求項10】
前記出力部は、前記通信範囲から離脱した前記人としての離脱者が前記探索装置によって発見されていない場合に、ランドマークを表すランドマークデータを出力する、
請求項1に記載の案内制御装置。
【請求項11】
前記出力部は、前記通信範囲から離脱した前記人としての離脱者をランドマークに向かわせるメッセージデータを出力する、
請求項1に記載の案内制御装置。
【請求項12】
前記出力部は、前記通信範囲の外側に存在する別の案内ロボットをランドマークに向かわせる指示データを出力する、
請求項1に記載の案内制御装置。
【請求項13】
前記出力部は、前記通信範囲から離脱した前記人としての離脱者が探索装置によって発見された場合に、発見データを出力する、
請求項1に記載の案内制御装置。
【請求項14】
前記出力部は、前記通信範囲から離脱した前記人としての離脱者を前記通信範囲の外側に存在する別の案内ロボットによって前記通信範囲の内側に誘導し復帰させる復帰データを出力する、
請求項1に記載の案内制御装置。
【請求項15】
前記案内ロボットは、複数の前記人を案内し、
前記出力部は、複数の前記人のうち、前記通信範囲の内側に残存する残存者が所持する携帯端末に対して、前記通信範囲から離脱した前記人としての離脱者を前記通信範囲の内側に誘導し復帰させる旨を報知する報知データを出力する、
請求項1に記載の案内制御装置。
【請求項16】
前記出力部は、前記通信範囲から離脱した前記人としての離脱者を前記通信範囲の内側に誘導し復帰させるルートを表すルートデータを出力する、
請求項1に記載の案内制御装置。
【請求項17】
前記案内ロボットは、複数の前記人を案内し、
前記出力部は、複数の前記人のうち、前記通信範囲の内側に残存する残存者と、前記通信範囲から離脱した前記人としての離脱者とを合流地点で合流させる合流データを出力する、
請求項1に記載の案内制御装置。
【請求項18】
コンピュータが、
人を案内する案内ロボット(20)と前記人が所持する携帯端末(50)との通信状態を取得すること、
前記通信状態に基づいて、前記人が前記案内ロボットの通信範囲から離脱したか否かを判定すること、及び、
前記人が前記案内ロボットの通信範囲から離脱したと判定した場合に、離脱データを出力すること
を含む処理を実行する案内制御方法。
【請求項19】
コンピュータに、
人を案内する案内ロボット(20)と前記人が所持する携帯端末(50)との通信状態を取得すること、
前記通信状態に基づいて、前記人が前記案内ロボットの通信範囲から離脱したか否かを判定すること、及び、
前記人が前記案内ロボットの通信範囲から離脱したと判定した場合に、離脱データを出力すること
を含む処理を実行させるための案内制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、案内制御装置、案内制御方法、及び案内制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、人間を先導して目的地まで案内する人間型の案内ロボットが開示されている。案内ロボットは、案内タスクを設定するタスク設定手段と、タスク設定手段に設定された案内タスクが不特定多数の人間を対象とするとき、体の向きを後ろ方向に向けた状態で移動するように制御する第1移動制御手段とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-000656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、案内ロボットに案内されている人が案内ロボットから離脱することが想定されていない。
【0005】
本開示は、一例として、案内ロボットに案内されている人が案内ロボットから離脱した場合に、離脱したことに対応することができる案内制御装置、案内制御方法、及び案内制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る案内制御装置は、人を案内する案内ロボット(20)と前記人が所持する携帯端末(50)との通信状態を取得する取得部(72)と、前記取得部によって取得された前記通信状態に基づいて、前記人が前記案内ロボットの通信範囲から離脱したか否かを判定する判定部(73)と、前記人が前記案内ロボットの通信範囲から離脱したと前記判定部によって判定された場合に、離脱データを出力する出力部(74)と、を備える。
【0007】
本開示に係る案内制御方法は、コンピュータが、人を案内する案内ロボット(20)と前記人が所持する携帯端末(50)との通信状態を取得すること、前記通信状態に基づいて、前記人が前記案内ロボットの通信範囲から離脱したか否かを判定すること、及び、前記人が前記案内ロボットの通信範囲から離脱したと判定した場合に、離脱データを出力することを含む処理を実行する方法である。
【0008】
本開示に係る案内制御プログラムは、コンピュータに、人を案内する案内ロボット(20)と前記人が所持する携帯端末(50)との通信状態を取得すること、前記通信状態に基づいて、前記人が前記案内ロボットの通信範囲から離脱したか否かを判定すること、及び、前記人が前記案内ロボットの通信範囲から離脱したと判定した場合に、離脱データを出力することを含む処理を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、一例として、案内ロボットに案内されている人が案内ロボットから離脱した場合に、離脱したことに対応することができる案内制御装置、案内制御方法、及び案内制御プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】案内システムの一例を示す図である。
図2】案内ロボットによって複数のメンバが案内されている様子の一例を示す図である。
図3】第1実施形態に係る案内制御装置が適用された案内システムを示す図であって、離脱メンバいない状態を示す図である。
図4】第1実施形態に係る案内制御装置が適用された案内システムを示す図であって、離脱メンバいる状態を示す図である。
図5】第1実施形態に係る案内制御処理の前半部分の流れを示すフローチャートである。
図6】第1実施形態に係る案内制御処理の後半部分の流れを示すフローチャートである。
図7】案内システムの利用を開始する場合に案内担当ロボットのタッチパネルディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
図8】案内システムの利用を開始する場合に携帯端末のタッチパネルディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
図9】通信範囲の境界領域に存在するメンバがいる場合に案内担当ロボットのタッチパネルディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
図10】離脱メンバがいると判定された場合に案内担当ロボットのタッチパネルディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
図11】離脱メンバがいると判定された場合に残存メンバの携帯端末のタッチパネルディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
図12】離脱メンバがいると判定された場合に離脱メンバの携帯端末のタッチパネルディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
図13】離脱メンバが発見された場合に残存メンバの携帯端末のタッチパネルディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
図14】離脱メンバが複数のランドマークを選択する場合に残存メンバの携帯端末のタッチパネルディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
図15】復帰担当ロボットがランドマークに向かっている場合に離脱メンバの携帯端末のタッチパネルディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
図16】離脱メンバに複数のルートから一つのルートを選択させる場合に離脱メンバの携帯端末のタッチパネルディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
図17】離脱メンバがルートを選択した場合に離脱メンバの携帯端末のタッチパネルディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
図18】離脱メンバがルートを選択した場合に残存メンバの携帯端末のタッチパネルディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
図19】第2実施形態に係る案内制御装置が適用された案内システムを示す図である。
図20】離脱メンバがメインカメラによって発見された場合に離脱メンバの携帯端末のタッチパネルディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
図21】第3実施形態に係る案内制御装置が適用された案内システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1実施形態]
はじめに、本開示の第1実施形態について説明する。
【0012】
図1には、案内システムSの一例が示されている。案内システムSは、例えば、一つのグループを形成する複数の人(以下、「メンバ」とも称する)を目的地まで案内するためのシステムである。案内システムSは、例えば、空港、ショッピングモール、店舗、ビル、又は展示場等の施設に適用される。案内システムSは、複数のメンバを目的地まで案内することが求められる施設であれば、どのような施設に適用されてもよい。
【0013】
案内システムSは、サーバ10と、複数の案内ロボット20と、複数のカメラ30とを備える。サーバ10、複数の案内ロボット20、及び複数のカメラ30は、それぞれコンピュータ40及び通信器42を備える。サーバ10と、複数のカメラ30と、複数の案内ロボット20とは、各通信器42によりネットワーク44を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク44は、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、又はWAN(Wide Area Network)等の広域通信網である。以下、一例として、ネットワーク44がインターネットである場合を説明する。
【0014】
サーバ10は、案内ロボット20及びカメラ30で得られたデータを処理したり、案内ロボット20及びカメラ30を制御したりする。案内ロボット20は、複数のメンバを案内できるロボットであれば、どのような形態のものでもよい。案内ロボット20としては、ドローン型のロボット、人型のロボット、動物型のロボット、キャラクターマスコット型のロボット、及び車両型のロボット等が挙げられる。図1に示す例では、案内ロボット20として、車両型のロボットが示されている。車両型のロボットは、例えば、メンバが所持する荷物を搬送する搬送機能等を有していてもよい。
【0015】
カメラ30は、一例として、インフラストラクチャ46に設置されている。インフラストラクチャ46は、案内システムSが適用された施設に設置されたものであれば、どのようなものでもよい。図1に示す例では、インフラストラクチャ46として、信号機が示されている。カメラ30は、施設内を撮影する。なお、案内ロボット20の数及びカメラ30の数は、いくつでもよい。
【0016】
図2には、案内ロボット20によって複数のメンバ90が案内されている様子の一例が示されている。案内ロボット20は、自律走行型のロボットであり、複数のメンバ90を目的地に案内するために指定された走行ルートを自律走行する。案内ロボット20によって案内される複数のメンバ90は、何人でもよい。
【0017】
案内ロボット20は、上述のコンピュータ40及び通信器42に加えて、センサ21と、駆動装置22と、無線通信器23と、タッチパネルディスプレイ24とを備える。通信器42、センサ21、駆動装置22、無線通信器23、及び、タッチパネルディスプレイ24は、案内ロボット20のコンピュータ40によって制御される。
【0018】
センサ21は、案内ロボット20が自律走行するために必要な情報を検出する。センサ21としては、例えば、LiDAR(Light Detection And Ranging)センサ、加速度センサ、角速度センサ、モーションセンサ、又はカメラ等が挙げられる。案内ロボット20は、複数の車輪25を有する。複数の車輪25は、操舵輪及び駆動輪を含む。駆動装置22は、駆動輪を駆動したり、操舵輪を操舵したりするためのモータアクチュエータ等を備える。
【0019】
案内ロボット20によって案内される複数のメンバ90は、携帯端末50をそれぞれ所持している。携帯端末50としては、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ノート型パーソナルコンピュータ、及びウェアラブル端末等が挙げられる。携帯端末50は、人が所持できるものであれば、どのようなものでもよい。図2に示す例では、携帯端末50として、スマートフォンが示されている。
【0020】
携帯端末50は、カメラ51及びタッチパネルディスプレイ52を有する。また、携帯端末50は、無線通信器23と同様の無線通信器23を備える。無線通信器23は、無線通信するものであれば、どのような規格のものでもよい。無線通信の規格としては、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、及びその他のメッシュ通信の規格が挙げられる。携帯端末50は、案内ロボット20との無線通信の認証が得られた場合に、各無線通信器23により案内ロボット20と通信可能に接続される。つまり、携帯端末50は、サーバ10等のセンターコンピュータを介さずに、案内ロボット20と直接的に通信可能に接続される。
【0021】
無線通信の認証には、例えば、識別コードが使用される。識別コードは、例えば、QRコード(登録商標)でもよい。携帯端末50と案内ロボット20との無線通信の認証については、後に図7及び図8を用いて説明する。案内ロボット20のタッチパネルディスプレイ24は、各種サービスを利用するためのボタンを表示したり、識別コードを表示したり、目的地までの情報を表示したりする。
【0022】
ところで、案内ロボット20によって複数のメンバ90が案内されている場合に、複数のメンバ90のうちの何れかのメンバ90が、別のグループについて行ってしまったり、目的地とは別の場所に関心を持ったりして、本来のグループから離脱することが考えられる。このように何れかのメンバ90が本来のグループ(換言すれば、グループを案内している案内ロボット20)から離脱してしまうと、グループのメンバ90が揃って目的地に到着することができない虞がある。
【0023】
案内システムSは、上記課題に鑑みて構成されたものであり、案内ロボット20に案内されているメンバ90が案内ロボット20から離脱した場合に、離脱したことに対応することができるように構成されている。以下、具体的に説明する。
【0024】
図3及び図4には、第1実施形態に係る案内制御装置60が適用された案内システムSを示す。なお、以降、グループに残っているメンバ90を「残存メンバ90A」と称し、グループから離脱したメンバ90を「離脱メンバ90B」と称する。図3に示す例では、グループの全員のメンバ90が残存メンバ90Aとなっており、図4に示す例では、グループのうちの一人のメンバ90が離脱メンバ90Bとなっている。残存メンバ90Aは、本開示における「残存者」の一例であり、離脱メンバ90Bは、本開示における「離脱者」の一例である。
【0025】
また、以降、複数の案内ロボット20のうち、グループの案内を担当する案内ロボット20を「案内担当ロボット20A」と称し、グループの案内を担当しない案内ロボット20を「担当外ロボット20B」と称する。担当外ロボット20Bは、通常、案内担当ロボット20Aが行う無線通信の通信範囲の外側に位置する。ただし、担当外ロボット20Bは、状況に応じて、案内担当ロボット20Aの通信範囲の内側に位置することがあってもよい。案内システムSは、複数の担当外ロボット20Bを備えていてもよい。
【0026】
案内制御装置60は、案内システムSを制御するための装置であり、第1実施形態では、一例として、サーバ10に備えられたコンピュータ40によって構成されている。案内制御装置60は、ハードウェア構成として、CPU61と、ROM62と、RAM63と、ストレージ64とを有する。CPU61と、ROM62と、RAM63と、ストレージ64とは、バスを介して相互に通信可能に接続されている。
【0027】
CPU61は、各種のプログラムを実行する。具体的には、CPU61は、ROM62又はストレージ64に格納されている種々のプログラムを読み出し、RAM63を作業領域としてプログラムを実行する。そして、CPU61は、プログラムに従って各種の演算処理を行う。
【0028】
ROM62は、各種のプログラム及び各種のデータを格納する。RAM63は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ64は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリといった記録媒体で構成される。ストレージ64には、オペレーティングシステムを含む各種のプログラムと、演算処理のための各種のデータとが格納されている。
【0029】
ROM62には、案内制御プログラム70が記憶されている。案内制御プログラム70は、ストレージ64に記憶されていてもよい。CPU61は、案内制御プログラム70を読み出し、RAM63を作業領域として案内制御プログラム70を実行する。そして、CPU61は、案内制御プログラム70に従って、案内システムSを制御するための案内制御処理を実行する。案内制御処理は、CPU61が案内制御プログラム70に従って、調整部71、取得部72、判定部73、及び出力部74として動作することにより実行される。
【0030】
図5及び図6は、第1実施形態に係る案内制御処理の流れを示すフローチャートである。以下、図5及び図6に示されるフローチャートを参照しながら、案内制御処理の流れと併せて、案内システムSの動作及び案内制御方法を具体的に説明する。
【0031】
先ず、ステップST10において、出力部74は、案内担当ロボット20Aに対して識別コードを表示するための表示データを出力する。表示データが案内担当ロボット20Aに入力されると、案内担当ロボット20Aは、表示データに基づいて、タッチパネルディスプレイ24に識別コードを表示する。表示データは、案内担当ロボット20Aに予め登録された識別コードをタッチパネルディスプレイ24に表示させる旨の指示を表すデータでもよく、タッチパネルディスプレイ24に表示する識別コードの具体的な形状を表すデータでもよい。
【0032】
図7には、案内システムSの利用を開始する場合に案内担当ロボット20Aのタッチパネルディスプレイ24に表示される画像の一例が示されている。タッチパネルディスプレイ24には、「利用を開始する」とのメッセージが表示されたボタン80が表示される。グループのメンバ90がボタンを押すと、画像が切り替わり、タッチパネルディスプレイ24には、「お持ちのデバイスでQRを読み取ってください」とのメッセージと、案内担当ロボット20Aに登録するための識別コード81と、案内担当ロボット20Aに登録されたメンバ90の数を示すメッセージ(一例として、「0人登録済み」)と、「案内を開始する」とのメッセージが表示されたボタン82が表示される。メンバ90がボタン82を押すと、案内担当ロボット20Aがメンバ90の携帯端末50との無線通信を開始する。
【0033】
図8には、案内システムSの利用を開始する場合に携帯端末50のタッチパネルディスプレイ52に表示される画像の一例が示されている。案内システムSを利用するためのアプリケーションが携帯端末50にインストールされ、アプリケーションが起動すると、カメラ51が起動する。携帯端末50を所持するメンバ90(以下、「ユーザ」とも称する)がカメラ51を識別コード81に向けると、タッチパネルディスプレイ52に識別コード81が表示される。
【0034】
携帯端末50によって識別コードが読み込まれ、読み込まれた識別コードの情報に基づいて、携帯端末50と案内担当ロボット20Aとの無線通信の認証が得られる。案内担当ロボット20Aとの無線通信の認証が得られた携帯端末50は、案内担当ロボット20Aに登録される。案内担当ロボット20Aに登録されると、画像が切り替わり、タッチパネルディスプレイ52には、登録完了のメッセージ(一例として、「登録完了 ロボットNo.××に接続済」)が表示される。
【0035】
案内担当ロボット20Aに登録された携帯端末50は、案内担当ロボット20Aを通じてインターネットへの接続が可能になるため、ユーザに対して、携帯端末50と案内担当ロボット20Aとの接続を積極的に促すことができる。このようにして、複数のメンバ90が各自の携帯端末50について案内担当ロボット20Aとの無線通信の認証が得られると、案内担当ロボット20Aによって案内される複数のメンバ90によって一つのグループが形成される。
【0036】
なお、図7及び図8に示す例では、無線通信の認証に識別コード81が用いられているが、識別コード81以外の種類の識別コードが用いられてもよい。また、無線通信の認証に携帯端末50の識別情報(例えば、端末個体番号、メールアドレス、又は電話番号等)が用いられてもよく、携帯端末50に手入力により入力された情報が用いられてもよい。
【0037】
案内担当ロボット20Aは、案内担当ロボット20Aに登録されたメンバ90の数を示す人数データをサーバ10に対して出力する。人数データがサーバ10に入力されると、ステップST12において、調整部71は、人数データに基づいて、案内担当ロボット20Aに登録されたメンバ90の数に応じて無線通信の通信範囲の広さを調整するための調整データを案内担当ロボット20Aに対して出力する。調整データは、例えば、無線通信の通信範囲の広さを指定するデータである。
【0038】
調整データが案内担当ロボット20Aに入力されると、案内担当ロボット20Aは、調整データに基づいて、案内担当ロボット20Aに登録されたメンバ90の数に応じて無線通信の通信範囲の広さを調整する。具体的には、案内担当ロボット20Aは、メンバ90の数の増減に応じて通信範囲の広さを拡縮する。通信範囲の広さは、例えば、通信強度によって調整される。通信強度は、案内担当ロボット20Aに備えられた無線通信器23の出力によって調整される。なお、調整部71を介さずに、案内担当ロボット20Aが案内担当ロボット20Aに登録されたメンバ90の数に応じて無線通信の通信範囲の広さを調整してもよい。
【0039】
例えば、案内担当ロボット20Aと各携帯端末50とは、一定時間毎に双方向の通信を行う。ステップST14において、取得部72は、案内担当ロボット20Aと各携帯端末50との通信状態(すなわち、双方向の通信が行われているか否かと、双方向の通信が行われている場合の通信強度とを含む検出結果)を取得する。具体的には、取得部72は、案内担当ロボット20Aに備えられた無線通信器53から通信状態を取得する。このように、案内担当ロボット20Aと各携帯端末50との通信状態を取得することで、離脱メンバ90Bがいることを検知することができる。
【0040】
なお、取得部72は、カメラ30から得られる画像に基づいて通信状態を取得してもよい。すなわち、取得部72は、画像に基づいて、案内担当ロボット20Aと各メンバ90との相対位置を特定し、相対位置に基づいて、通信状態を推定してもよい。また、取得部72は、携帯端末50から得られる位置情報に基づいて通信状態を推定してもよい。すなわち、取得部72は、位置情報に基づいて、案内担当ロボット20Aと各携帯端末50との相対位置を特定し、相対位置に基づいて、通信状態を推定してもよい。
【0041】
また、各メンバ90がGPS(Global Positioning System)ユニットを所持している場合、取得部72は、GPSユニットから得られる位置情報に基づいて通信状態を推定してもよい。すなわち、取得部72は、位置情報に基づいて、案内担当ロボット20Aと各携帯端末50との相対位置を特定し、相対位置に基づいて、通信状態を推定してもよい。また、取得部72は、カメラ30から得られる画像、携帯端末50から得られる位置情報、及びGPSユニットから得られる位置情報のうちの二つ以上の組み合わせに基づいて、通信状態を推定してもよい。
【0042】
ステップST16において、判定部73は、取得部72によって取得された通信状態に基づいて、案内担当ロボット20Aの通信範囲の境界領域に存在するメンバ90(すなわち、離脱する可能性の高いメンバ90)がいるか否かを判定する。通信範囲の境界領域は、通信範囲の外縁側の一定幅の領域に相当し、任意に設定可能である。具体的には、判定部73は、取得部72によって取得された通信状態に含まれる通信強度に基づいて、案内担当ロボット20Aと各携帯端末50との相対位置を推定し、相対位置に基づいて、通信範囲の境界領域にメンバ90が存在するか否かを判定する。
【0043】
判定部73によって通信範囲の境界領域に存在するメンバ90がいると判定された場合には、案内制御処理はステップST18に移行する。一方、判定部73によって通信範囲の境界領域に存在するメンバ90がいないと判定された場合には、案内制御処理はステップST14に移行する。
【0044】
ステップST18において、出力部74は、通信範囲の境界領域に存在するメンバ90がいること警告するための警告データを出力する。出力部74は、案内担当ロボット20Aに対して警告データを出力してもよいし、通信範囲の境界領域に存在するメンバ90の携帯端末50に対して警告データを出力してもよいし、通信範囲の境界領域よりも内側に存在するメンバ90(すなわち、離脱する可能性の低いメンバ90)の携帯端末50に対して警告データを出力してもよい。
【0045】
警告データは、予め設定された警告を発する旨の指示を表すデータでもよく、警告の具体的な内容を表すデータでもよい。警告データが案内ロボット20に入力された場合に、案内ロボット20は、警告データに基づいて、離脱の可能性を表す警告を発してもよい。同様に、警告データが携帯端末50に入力された場合に、携帯端末50は、警告データに基づいて、離脱の可能性を表す警告を発してもよい。警告は、音、音声、光、振動、又は画面表示による警告でもよい。
【0046】
このように、案内ロボット20及び複数の携帯端末50の少なくとも何れかから警告が発せられることにより、離脱する可能性の高いメンバ90に対して離脱する可能性が高いことを警告することができる。
【0047】
図9には、通信範囲の境界領域に存在するメンバ90がいる場合に案内担当ロボット20Aのタッチパネルディスプレイ24に表示される画像の一例が示されている。図9に示すように、タッチパネルディスプレイ24には、警告の具体的な内容として、「5/6人がロボットの近くにいます」のメッセージと、「〇〇さんがロボット検知エリア内から離れようとしています」のメッセージが表示されてもよい。また、タッチパネルディスプレイ24には、目的地までのルートを案内するマップが表示されてもよい。
【0048】
なお、調整部71は、離脱する可能性が高いメンバ90がいる場合に、無線通信の通信範囲の広さを拡げるように調整してもよい。これにより、離脱する可能性が高いメンバ90がグループから離脱することを抑制することができる。また、出力部74は、離脱する可能性が高いメンバ90がいない場合に、警告データの代わりに、離脱する可能性が高いメンバ90がいないことを表す正常データを案内ロボット20及び複数の携帯端末50の少なくとも何れかに対して出力してもよい。
【0049】
ステップST20において、判定部73は、取得部72によって取得された通信状態に基づいて、離脱メンバ90Bがいるか否かを判定する。具体的には、判定部73は、取得部72によって取得された通信状態に、案内担当ロボット20Aと各携帯端末50との双方向の通信が行われているとの検出結果が含まれている場合には、離脱メンバ90Bがいないと判定する。一方、判定部73は、取得部72によって取得された通信状態に、案内担当ロボット20Aといずれかの携帯端末50との双方向の通信が行われていないとの検出結果が含まれている場合には、離脱メンバ90Bがいると判定する。
【0050】
なお、判定部73は、取得部72によって取得された通信状態を一定時間監視して、離脱メンバ90Bがいるか否かを判定してもよい。すなわち、判定部73は、案内担当ロボット20Aといずれかの携帯端末50との双方向の通信が行われていないとの検出結果が得られている時間(以下、「非通信時間」と称する)を取得し、非通信時間が既定の時間を超えた場合には、離脱メンバ90Bがいると判定してもよい。
【0051】
また、調整部71は、離脱メンバ90Bがいる場合に、離脱メンバ90Bを無線通信の通信範囲に含めるために、無線通信の通信範囲の広さを拡げるように調整してもよい。これにより、一旦離脱したメンバ90が再び通信範囲の内側に復帰する可能性を高めることができる。また、調整部71は、離脱メンバ90Bがいる場合に、残存メンバ90Aの数に応じて、無線通信の通信範囲の広さを狭めるように調整してもよい。これにより、通信強度が下がることにより消費電力を抑えることができる。
【0052】
判定部73によって離脱メンバ90Bがいると判定された場合には、案内制御処理はステップST22に移行する。一方、判定部73によって離脱メンバ90Bがいないと判定された場合には、案内制御処理はステップST14に移行する。
【0053】
ステップST22において、出力部74は、離脱メンバ90Bがいる旨を表す離脱データを生成する。出力部74は、取得部72によって取得された案内担当ロボット20Aと各携帯端末50との通信状態に基づいて、離脱メンバ90Bを特定し、離脱メンバ90Bを特定する特定データを離脱データに含めてもよい。特定データは、離脱メンバ90Bが所持する携帯端末50の識別情報、離脱メンバ90Bの識別情報、及び、離脱メンバ90Bの顔認証情報の少なくとも何れかを含んでいてもよい。また、出力部74は、離脱メンバ90Bがいると判定されたときの案内ロボット20の位置(すなわち、離脱メンバ90Bの離脱が検知された位置)を表す位置データを取得し、位置データを離脱データに含めてもよい。
【0054】
ステップST24において、出力部74は、離脱メンバ90B用の離脱データとして、離脱メンバ90Bの携帯端末50に離脱した旨を報知させるための第1報知データを含む離脱データを生成する。また、出力部74は、残存メンバ90A用の離脱データとして、残存メンバ90Aの携帯端末50に離脱メンバ90Bがいる旨を報知させるための第2報知データを含む離脱データを生成する。そして、出力部74は、離脱メンバ90B用の離脱データを、離脱メンバ90Bの携帯端末50に対して出力し、残存メンバ90A用の離脱データを、残存メンバ90Aの携帯端末50に対して出力する。
【0055】
離脱メンバ90Bは、無線通信の通信範囲の外側に存在するので、離脱メンバ90B用の離脱データは、サーバ10からインターネットを介して離脱メンバ90Bの携帯端末50に入力される。一方、残存メンバ90Aは、無線通信の通信範囲の内側に残存するので、残存メンバ90A用の離脱データは、サーバ10からインターネット、案内担当ロボット20A、及び無線通信を介して残存メンバ90Aの携帯端末50に入力される。
【0056】
離脱メンバ90B用の離脱データが離脱メンバ90Bの携帯端末50に入力された場合に、携帯端末50は、離脱データに含まれる第1報知データに基づいて、離脱した旨を報知する。同様に、残存メンバ90A用の離脱データが残存メンバ90Aの携帯端末50に入力された場合に、携帯端末50は、離脱データに含まれる第2報知データに基づいて、離脱メンバ90Bがいる旨を報知する。報知は、音、音声、光、振動、又は画面表示による報知でもよい。これにより、離脱メンバ90Bに対しては、グループから離脱したことを知らせることができ、残存メンバ90Aに対しては、グループから離脱した離脱メンバ90Bがいることを知らせることができる。
【0057】
なお、離脱データに含まれる特定データに基づいて、離脱メンバ90Bを特定する情報が携帯端末50から報知されてもよい。これにより、離脱メンバ90Bを特定することができる。
【0058】
また、出力部74は、案内担当ロボット20A用の離脱データとして、案内担当ロボット20Aに離脱メンバ90Bがいる旨を報知させるための報知データを含む離脱データを生成し、生成した離脱データを案内担当ロボット20Aに対して出力してもよい。そして、案内担当ロボット20A用の離脱データが案内担当ロボット20Aに入力された場合に、案内担当ロボット20Aは、離脱データに含まれる報知データに基づいて、離脱メンバ90Bがいる旨を報知してもよい。
【0059】
図10には、離脱メンバ90Bがいると判定された場合に案内担当ロボット20Aのタッチパネルディスプレイ24に表示される画像の一例が示されている。図10に示すように、タッチパネルディスプレイ24には、離脱した旨の具体的な内容として、「〇〇さんがエリア内から離れました!」のメッセージが表示されてもよい。
【0060】
図11には、離脱メンバ90Bがいると判定された場合に残存メンバ90Aの携帯端末50のタッチパネルディスプレイ52に表示される画像の一例が示されている。図11に示すように、残存メンバ90Aの携帯端末50のタッチパネルディスプレイ52にも、離脱した旨の具体的な内容として、「〇〇さんがエリア内から離れました!」のメッセージが表示されてもよい。
【0061】
図12には、離脱メンバ90Bがいると判定された場合に離脱メンバ90Bの携帯端末50のタッチパネルディスプレイ52に表示される画像の一例が示されている。図12に示すように、離脱メンバ90Bの携帯端末50のタッチパネルディスプレイ52には、離脱した旨の具体的な内容として、「案内ロボット20から離れているようです」のメッセージが表示されてもよい。
【0062】
また、残存メンバ90A及び離脱メンバ90Bの携帯端末50は、離脱データに含まれる位置データに基づいて、離脱メンバ90Bの離脱が検知された位置を地図上に示す離脱位置情報を生成し、離脱位置情報をタッチパネルディスプレイ52に表示してもよい。これにより、離脱メンバ90Bが離脱した位置を残存メンバ90A及び離脱メンバ90Bに知らせることができる。
【0063】
また、出力部74は、案内システムSが適用された施設の設備(例えば、スピーカ又はディスプレイ等)に対して離脱データを出力してもよい。そして、施設の設備は、離脱データに基づいて、離脱メンバ90Bがいる旨を施設内に報知してもよい。これにより、携帯端末50を確認しなくても、グループに対して離脱メンバ90Bがいることを知らせることができる。
【0064】
ステップST26において、出力部74は、離脱データを担当外ロボット20Bに対して出力する。離脱データの出力先である担当外ロボット20Bの台数は、1台でもよく、複数台でもよい。また、出力部74は、担当外ロボット20Bに対して出力する離脱データに離脱メンバ90Bを探索する旨を表す探索データを含める。
【0065】
担当外ロボット20Bに離脱データが入力されると、担当外ロボット20Bは、離脱データに含まれる探索データに従って、離脱メンバ90Bの探索を実行する。離脱メンバ90Bの探索は、担当外ロボット20Bによって実行されるので、案内担当ロボット20Aのタスクが中断されることを回避することができる。担当外ロボット20Bは、本開示における「探索装置」及び「別の案内ロボット20」の一例である。
【0066】
なお、担当外ロボット20Bは、案内担当ロボット20Aの位置を特定し、案内担当ロボット20Aの通信範囲の外側で探索を実行してもよい。これにより、案内担当ロボット20Aの通信範囲と担当外ロボット20Bの探索範囲が重複することを回避することができる。
【0067】
また、担当外ロボット20Bの探索範囲及び探索ルートの少なくとも一方は、予め定められていてもよい。
【0068】
また、担当外ロボット20Bは、離脱メンバ90Bの携帯端末50が担当外ロボット20Bと無線通信により通信可能になったことを検知した場合に、離脱メンバ90Bを発見したと判定してもよい。この場合に、離脱メンバ90Bの携帯端末50と案内担当ロボット20Aとの間の無線通信の認証情報は、担当外ロボット20Bにも共有され、担当外ロボット20Bは、認証情報に基づいて、発見した人物を離脱メンバ90Bと特定してもよい。
【0069】
また、担当外ロボット20Bは、探索を実行する場合に、離脱データに含まれる特定データに基づいて探索を実行してもよい。そして、担当外ロボット20Bは、特定データに含まれる情報(例えば、離脱メンバ90Bが所持する携帯端末50の識別情報、離脱メンバ90Bの識別情報、及び、離脱メンバ90Bの顔認証情報の少なくとも何れか)が、発見した人物から得られた場合に、発見した人物を離脱メンバ90Bと特定してもよい。
【0070】
また、出力部74は、離脱データをカメラ30に対して出力してもよい。離脱データの出力先である担当外ロボット20Bの台数は、1台でもよく、複数台でもよい。カメラ30は、離脱データに含まれる探索データに従って、離脱メンバ90Bの探索を実行してもよい。カメラ30は、本開示における「探索装置」の一例である。
【0071】
また、カメラ30は、探索を実行する場合に、離脱データに含まれる特定データに基づいて探索を実行してもよい。例えば、カメラ30は、特定データに含まれる情報(例えば、離脱メンバ90Bの画像)と、撮影した画像とに基づいて、画像処理を行い、特定データに含まれる情報と発見した人物から得られた情報とが一致する場合に、発見した人物を離脱メンバ90Bと特定してもよい。
【0072】
また、サーバ10は、離脱メンバ90Bがいると判定した場合に、案内担当ロボット20A、担当外ロボット20B、カメラ30、残存メンバ90Aの携帯端末50、及び離脱メンバ90Bの携帯端末50の全てで離脱データが共有されるようにしてもよい。これにより、離脱メンバ90Bの探索を効率的に行うことができる。
【0073】
担当外ロボット20B及びカメラ30は、離脱メンバ90Bを探索した結果、離脱メンバ90Bを発見した場合には、離脱メンバ90B発見した旨を表す発見データを生成し、生成した発見データをサーバ10に対して出力する。
【0074】
ステップST28において、判定部73は、離脱メンバ90Bを発見したか否かを判定する。この場合に、判定部73は、担当外ロボット20B及びカメラ30の何れかによって出力された発見データがサーバ10に入力された場合、発見データに基づいて、離脱メンバ90Bが発見されたと判定する。一方、判定部73は、発見データがサーバ10に入力されていない場合、離脱メンバ90Bが発見されていないと判定する。
【0075】
発見データがサーバ10に入力された場合に、出力部74は、残存メンバ90Aの携帯端末50に発見データを出力してもよい。また、発見データが残存メンバ90Aの携帯端末50に入力された場合に、携帯端末50は、発見データに基づいて、離脱メンバ90Bが発見された旨を報知してもよい。
【0076】
図13には、離脱メンバ90Bが発見された場合に残存メンバ90Aの携帯端末50のタッチパネルディスプレイ52に表示される画像の一例が示されている。図13に示すように、タッチパネルディスプレイ52には、離脱メンバ90Bが発見された旨の具体的な内容として、「〇〇さんが見つかりました」のメッセージが表示されてもよい。
【0077】
判定部73によって離脱メンバ90Bが発見されたと判定された場合には、案内制御処理はステップST38に移行する。一方、判定部73によって離脱メンバ90Bが発見されていないと判定された場合には、案内制御処理はステップST30に移行する。
【0078】
ステップST30において、判定部73は、ステップST20において離脱メンバ90Bがいると判定してから予め定められた規定時間(例えば、n分)が経過したか否かを判定する。規定時間は任意の時間に定められる。判定部73によって規定時間が経過したと判定された場合には、案内制御処理はステップST32に移行する。一方、判定部73によって規定時間が経過していないと判定された場合には、案内制御処理はステップST28に移行する。
【0079】
ステップST32において、出力部74は、ストレージ64に記憶されている地図データから複数のランドマークを抽出し、複数のランドマークを表すランドマークデータを生成する。ランドマークは、例えば、インフォメーションセンタ、受付、ロビー、店舗、時計台、ディスプレイ、エレベータ、エスカレータなど目印になる施設又は設備であれば、どのようなものでもよい。そして、出力部74は、生成したランドマークデータを離脱メンバ90Bの携帯端末50に対して出力する。ランドマークデータは、サーバ10からインターネットを介して離脱メンバ90Bの携帯端末50に入力される。
【0080】
ランドマークデータが離脱メンバ90Bの携帯端末50に入力されると、離脱メンバ90Bの携帯端末50は、ランドマークデータに基づいて、複数のランドマークをタッチパネルディスプレイ52に表示する。これにより、離脱メンバ90Bが複数のランドマークから最も近い又は最も行きやすいランドマークを選択することができる。離脱メンバ90Bは、複数のランドマークのうち何れかのランドマークに出発する前に行先のランドマークを選択してもよいし、複数のランドマークのうち何れかのランドマークに到達した後に到達したランドマークを選択してもよい。
【0081】
離脱メンバ90Bがランドマークを選択すると、離脱メンバ90Bの携帯端末50は、選択されたランドマークを表す選択データをサーバ10に対して出力する。選択データは、離脱メンバ90Bの携帯端末50からインターネットを介してサーバ10に入力される。
【0082】
選択データがサーバ10に入力されると、出力部74は、ステップST34において、選択データに基づいて、離脱メンバ90Bによって選択されたランドマークを特定し、特定したランドマークに離脱メンバ90Bを向かわせる旨のメッセージを表すメッセージデータを生成する。そして、出力部74は、生成したメッセージデータを離脱メンバ90Bの携帯端末50に対して出力する。
【0083】
メッセージデータが離脱メンバ90Bの携帯端末50に入力されると、離脱メンバ90Bの携帯端末50は、メッセージデータに基づいて、メッセージをタッチパネルディスプレイ52に表示する。メッセージは、携帯端末50のスピーカから音声によって出力されてもよい。これにより、離脱メンバ90Bをランドマークに向かわせることができる。
【0084】
図14には、離脱メンバ90Bが複数のランドマークを選択する場合に残存メンバ90Aの携帯端末50のタッチパネルディスプレイ52に表示される画像の一例が示されている。図14に示すように、タッチパネルディスプレイ52には、離脱メンバ90Bをランドマークに向かわせるメッセージとして、「下記のいずれかのランドマークへ向かってください。到着したらどこについたか教えてください」のメッセージが表示されてもよい。また、複数のランドマークを選択するボタン83A、83B、83Cが表示されてもよい。
【0085】
なお、出力部74は、案内担当ロボット20Aから離脱メンバ90Bが離脱したときの案内ロボット20の位置を表す位置データと、地図データとに基づいて、案内担当ロボット20Aから離脱メンバ90Bが離脱したときの案内ロボット20の位置から最も近いランドマークを一つ抽出してもよい。そして、出力部74は、最も近いランドマークを表すランドマークデータと共に、ランドマークに離脱メンバ90Bを向かわせるメッセージを表すメッセージデータを離脱メンバ90Bの携帯端末50に対して出力してもよい。
【0086】
また、出力部74は、ランドマークデータ及びメッセージデータを案内システムSが適用された施設の設備(例えば、スピーカ又はディスプレイ等)に対して出力してもよい。そして、施設の設備は、ランドマークデータ及びメッセージデータに基づいて、離脱メンバ90Bに対してランドマークに向かう旨を施設内に報知してもよい。これにより、離脱メンバ90Bが携帯端末50を確認しなくても、離脱メンバ90Bをランドマークに向かわせることができる。
【0087】
ステップST36において、出力部74は、離脱メンバ90Bを誘導し復帰させるタスクを実行する担当外ロボット20B(以下、「復帰担当ロボットと称する」)をランドマークに向かわせる指示を表す指示データを生成し、生成した指示データを復帰担当ロボットに対して出力する。復帰担当ロボットは、ステップST26において離脱メンバ90Bを探索していた担当外ロボット20Bでもよく、離脱メンバ90Bを探索していた担当外ロボット20Bとは別の担当外ロボット20Bでもよい。また、復帰担当ロボットは、複数の担当外ロボット20Bのうちランドマークに最も近い位置にいる担当外ロボット20Bでもよい。
【0088】
また、担当外ロボット20Bは、タスク中であるか否を示すタスクデータをサーバ10に対して出力してもよい。そして、出力部74は、タスクデータに基づいて、タスク中ではない担当外ロボット20Bを特定し、特定した担当外ロボット20Bを復帰担当ロボットに選定してもよい。指示データが復帰担当ロボットに入力されると、復帰担当ロボットは、ランドマークに向けて移動する。
【0089】
なお、出力部74は、復帰担当ロボットがランドマークに向かっている旨のメッセージを表すメッセージデータを生成し、生成したメッセージデータを離脱メンバ90Bの携帯端末50に対して出力してもよい。そして、メッセージデータが離脱メンバ90Bの携帯端末50に入力された場合に、離脱メンバ90Bの携帯端末50は、復帰担当ロボットがランドマークに向かっている旨のメッセージをタッチパネルディスプレイ52に表示してもよい。
【0090】
図15には、復帰担当ロボットがランドマークに向かっている場合に離脱メンバ90Bの携帯端末50のタッチパネルディスプレイ52に表示される画像の一例が示されている。図15に示すように、タッチパネルディスプレイ52には、復帰担当ロボットがランドマークに向かっている旨のメッセージとして、「ロボットが向かっていますお待ちください」のメッセージが表示されてもよい。
【0091】
復帰担当ロボットは、ランドマークに向かった結果、離脱メンバ90Bを発見した場合には、離脱メンバ90B発見した旨を表す発見データを生成し、生成した発見データをサーバ10に対して出力する。案内制御処理は、ステップST36の後、ステップST28に移行する。
【0092】
ステップST38において、出力部74は、ステップST28において判定部73によって離脱メンバ90Bが発見されたと判定された場合には、離脱メンバ90Bを本来の案内担当ロボット20Aの通信範囲の内側に誘導し復帰させる旨を表す復帰データを、離脱メンバ90Bを発見した復帰担当ロボットに対して出力する。これにより、復帰担当ロボットのモードを、離脱メンバ90Bを本来の案内担当ロボット20Aの通信範囲の内側に誘導し復帰させる復帰モードに設定することができる。復帰モードは、新たなタスクを受け付けないモードでもよい。
【0093】
ステップST40において、出力部74は、離脱メンバ90Bを案内担当ロボット20Aの通信範囲の内側に誘導し復帰させる旨を報知する報知データを、残存メンバ90Aの携帯端末50に対して出力する。報知データが残存メンバ90Aの携帯端末50に入力されると、携帯端末50は、報知データに基づいて、離脱メンバ90Bが復帰する旨を報知する。これにより、残存メンバ90Aに対して離脱メンバ90Bが復帰する予定であることを知らせることができる。
【0094】
ステップST42において、出力部74は、離脱メンバ90Bを案内担当ロボット20Aの通信範囲の内側に誘導し復帰させる複数のルートを選定し、選定した複数のルートを表すルートデータを生成する。複数のルートは、例えば、案内担当ロボット20Aの現在のへ向かうルート、案内担当ロボット20Aと復帰担当ロボットとの中間地点へ向かうルート、及び目的地へ向かうルートでもよい。出力部74は、案内担当ロボット20Aの位置データと、復帰担当ロボットの位置データと、ストレージ64に記憶されている地図データとに基づいて、復帰担当ロボットから案内担当ロボット20Aまでのルートを決定してもよい。そして、出力部74は、生成したルートデータを離脱メンバ90Bの携帯端末50に対して出力する。
【0095】
ルートデータが離脱メンバ90Bの携帯端末50に入力されると、離脱メンバ90Bの携帯端末50は、ルートデータに基づいて、タッチパネルディスプレイ24、52に複数のルートを表示する。これにより、離脱メンバ90Bは、複数のルートから一つのルートを選択することができる。
【0096】
図16には、離脱メンバ90Bに複数のルートから一つのルートを選択させる場合に離脱メンバ90Bの携帯端末50のタッチパネルディスプレイ52に表示される画像の一例が示されている。図16に示すように、タッチパネルディスプレイ52には、案内担当ロボット20Aの現在の位置へ向かうルートを示すボタンとして、「みんなのところへ行く」のメッセージが示されたボタン84Aが表示され、案内担当ロボット20Aと復帰担当ロボットとの中間地点へ向かうルートを示すボタンとして、「中間地点で合流する」のメッセージが示されたボタン84Bが表示され、目的地へ向かうルートを示すボタンとして、「目的地へ向かう」のメッセージが示されたボタン84Cが表示されてもよい。
【0097】
離脱メンバ90Bによってルートが選択されると、離脱メンバ90Bの携帯端末50は、選択されたルートを表す選択データをサーバ10に対して出力する。
【0098】
選択データがサーバ10に入力されると、出力部74は、ステップST44において、選択データに基づいて、選択されたルートを特定し、特定したルートを表すルートデータを生成する。そして、出力部74は、生成したルートデータを離脱メンバ90Bの携帯端末50に対して出力する。
【0099】
ルートデータが離脱メンバ90Bの携帯端末50に入力されると、離脱メンバ90Bの携帯端末50は、ルートデータに基づいて、タッチパネルディスプレイ52に選択されたルートを表示する。これにより、離脱メンバ90Bは、案内担当ロボット20Aの通信範囲の内側に復帰するためのルートを確認することができる。
【0100】
また、ルートデータが離脱メンバ90Bの携帯端末50に入力された場合に、離脱メンバ90Bの携帯端末50は、離脱メンバ90Bに対して復帰を促すメッセージを表示してもよい。
【0101】
図17には、離脱メンバ90Bがルートを選択した場合に離脱メンバ90Bの携帯端末50のタッチパネルディスプレイ52に表示される画像の一例が示されている。図17に示すように、タッチパネルディスプレイ52には、復帰を促すメッセージとして、「案内を行います。ロボットを探してください」のメッセージが表示されてもよい。
【0102】
また、出力部74は、離脱メンバ90Bがルートを選択した場合に、ルートデータを残存メンバ90Aの携帯端末50に対して出力してもよい。そして、残存メンバ90Aの携帯端末50は、ルートデータに基づいて、タッチパネルディスプレイ52にルートを表示してもよい。これにより、離脱メンバ90Bが復帰するルートを離脱メンバ90Bが確認することができる。
【0103】
また、ルートデータが残存メンバ90Aの携帯端末50に入力された場合に、残存メンバ90Aの携帯端末50は、離脱メンバ90Bが復帰する旨のメッセージを表示してもよい。離脱メンバ90Bが復帰する旨には、離脱メンバ90Bと合流する合流地点が含まれてもよい。合流地点は、選択されたルートの最終地点に対応しており、案内担当ロボット20Aの現在の位置、案内担当ロボット20Aと復帰担当ロボットとの中間地点、及び目的地のいずれかである。
【0104】
図18には、離脱メンバ90Bがルートを選択した場合に残存メンバ90Aの携帯端末50のタッチパネルディスプレイ52に表示される画像の一例が示されている。図18に示すように、タッチパネルディスプレイ52には、離脱メンバ90Bが復帰する旨のメッセージとして、「〇〇さんが××で合流する予定です」のメッセージが表示されてもよい。
【0105】
ステップST46において、出力部74は、離脱メンバ90Bによって選択されたルートを表すルートデータを案内担当ロボット20A及び復帰担当ロボットに対して出力する。復帰データ及びルートデータが復帰担当ロボットに入力されると、復帰担当ロボットは、復帰データ及びルートデータに従って、案内担当ロボット20Aに向けて移動する。これにより、離脱メンバ90Bを案内担当ロボット20Aの通信範囲の内側に誘導し復帰させることができる。
【0106】
なお、復帰担当ロボットが離脱メンバ90Bを誘導している場合に、出力部74は、離脱メンバ90Bを誘導している復帰担当ロボットの位置データを一定間隔毎に取得し、取得した位置データを残存メンバ90Aの携帯端末50に対して出力してもよい。そして、残存メンバ90Aの携帯端末50は、位置データに基づいて、復帰担当ロボットの位置をリアルタイムでタッチパネルディスプレイ52に表示してもよい。
【0107】
また、残存メンバ90Aの携帯端末50は、復帰担当ロボットの位置を、案内担当ロボット20Aの通信範囲の内側に復帰するためのルートに重畳した態様でタッチパネルディスプレイ52に表示してもよい。これにより、復帰中の離脱メンバ90Bの位置を残存メンバ90Aが確認することができる。
【0108】
ステップST48において、出力部74は、ステップST44において生成されたルートデータに基づいて、残存メンバ90Aと離脱メンバ90Bとを合流させる合流地点を表す合流データを生成し、生成した合流データを案内担当ロボット20A及び復帰担当ロボットに対して出力する。合流地点は、選択されたルートの最終地点に対応しており、案内担当ロボット20Aの現在の位置、案内担当ロボット20Aと復帰担当ロボットとの中間地点、及び目的地のいずれかである。出力部74は、案内担当ロボット20Aの位置データと、復帰担当ロボットの位置データと、ストレージ64に記憶されている地図データと、ルートデータとに基づいて、合流地点を決定してもよい。
【0109】
合流データが案内担当ロボット20Aに入力されると、案内担当ロボット20Aは、合流地点に向けて移動する。これにより、残存メンバ90Aを合流地点に誘導することができる。
【0110】
また、合流データが復帰担当ロボットに入力されると、復帰担当ロボットは、残存メンバ90Aが合流地点に向けて移動する旨を報知する。これにより、離脱メンバ90Bに対して残存メンバ90Aが合流地点に向かっていることを知らせることができる。
【0111】
案内担当ロボット20Aは、合流地点において、離脱メンバ90Bの携帯端末50が案内担当ロボット20Aと無線通信により通信可能になったことを検知した場合に、離脱メンバ90Bと合流したと判定する。そして、案内担当ロボット20Aは、離脱メンバ90Bと合流したと判定した場合に、合流が完了したことを表す完了データを生成し、生成した完了データをサーバ10に対して出力する。
【0112】
ステップST50において、判定部73は、離脱メンバ90Bの合流が完了したか否かを判定する。判定部73は、完了データがサーバ10に入力された場合には、合流が完了したと判定し、完了データがサーバ10に入力されていない場合には、合流が完了していないと判定する。判定部73によって合流が完了したと判定された場合には、案内制御処理はステップST52に移行する。一方、判定部73によって合流が完了していないと判定された場合には、案内制御処理はステップST50の処理を再度実行する。
【0113】
ステップST52において、判定部73は、案内担当ロボット20Aの位置データに基づいて、案内担当ロボット20Aが目的地に到着したか否かを判定する。案内担当ロボット20Aが目的地に到着していないと判定部73によって判定された場合には、案内制御処理はステップST12へ移行する。一方、案内担当ロボット20Aが目的地に到着したと判定部73によって判定された場合には、案内制御処理は終了する。
【0114】
以上詳述した通り、第1実施形態に係る案内制御装置60によれば、案内担当ロボット20Aに案内されているメンバ90が案内担当ロボット20Aから離脱した場合に、離脱に対する各種の対応を取ることができる。これにより、グループの全員のメンバ90が目的地に到達することができる。
【0115】
[第2実施形態]
次に、本開示の第2実施形態について説明する。
【0116】
図19には、第2実施形態に係る案内制御装置60が適用された案内システムSを示す。第2実施形態では、案内制御装置60がカメラ30のコンピュータ40によって構成されている点で、案内制御装置60がサーバ10のコンピュータ40によって構成されている第1実施形態と異なる。案内制御装置60が備えられるカメラ30は、複数のカメラ30のうちの何れでもよい。以下、案内制御装置60を備えるカメラ30と案内制御装置60を備えないカメラ30とを区別するために、案内制御装置60を備えるカメラ30を「メインカメラ30A」と称し、案内制御装置60を備えないカメラ30を「サブカメラ30B」と称する。
【0117】
メインカメラ30Aは、後述するように、離脱メンバ90Bを探索する機能を有するため、案内担当ロボット20Aが移動するルートから外れた位置に設置されたカメラ30によって実現されてもよい。また、案内制御装置60は、特定のカメラ30に備えられたコンピュータ40に限らず、複数のカメラ30にそれぞれ備えられた複数のコンピュータ40によって実現されてもよい。また、例えば、案内担当ロボット20Aが移動するルートに応じて、メインカメラ30Aとして機能するカメラ30が切り替えられてもよい。
【0118】
第2実施形態において、案内制御装置60のハードウェア構成及び機能的な構成は、第1実施形態と同様である。また、第2実施形態において、案内制御処理の流れも、第1実施形態と同様である。
【0119】
ただし、第2実施形態では、メインカメラ30Aの案内制御装置60が、センターコンピュータとして機能するため、案内ロボット20から出力されたデータは、サーバ10以外にメインカメラ30Aにも入力される。そして、メインカメラ30Aでは、第1実施形態と同様に案内制御処理が実行される。また、案内制御装置60で生成されたデータは、メインカメラ30Aから案内ロボット20及びサーバ10に対して適宜出力される。サーバ10は、案内ロボット20及びメインカメラ30Aから出力されたデータを管理する管理コンピュータとして機能する。サーバ10は、離脱データに基づいて探索装置として機能してもよい。
【0120】
なお、第2実施形態において、ステップST26では、メインカメラ30Aが、離脱データに含まれる探索データに従って、離脱メンバ90Bの探索を実行してもよい。また、メインカメラ30Aは、離脱メンバ90Bを発見した場合に、発見データをサーバ10に対して出力してもよい。
【0121】
また、ステップST28では、メインカメラ30Aが、離脱メンバ90Bを探索した結果、離脱メンバ90Bを発見した場合には、判定部73が、離脱メンバ90Bが発見されたと判定してもよい。
【0122】
また、ステップST32では、出力部74が、ストレージ64に記憶されている地図データからメインカメラ30Aが設置されているランドマークを抽出し、抽出したランドマークを表すランドマークデータを生成してもよい。そして、出力部74は、生成したランドマークデータを離脱メンバ90Bの携帯端末50に対して出力してもよい。
【0123】
また、離脱メンバ90Bの携帯端末50が、ランドマークデータに基づいて、メインカメラ30Aが設置されたランドマークをタッチパネルディスプレイ52に表示してもよい。そして、ステップST34では、出力部74は、メインカメラ30Aが設置されたランドマークに離脱メンバ90Bを向かわせる旨のメッセージを表すメッセージデータを生成し、生成したメッセージデータを離脱メンバ90Bの携帯端末50に対して出力してもよい。これにより、離脱メンバ90Bをメインカメラ30Aが設置されたランドマークに向かわせることができるので、メインカメラ30Aが設置されたランドマークに離脱メンバ90Bが到着した場合には、メインカメラ30Aで離脱メンバ90Bを発見することができる。
【0124】
また、ステップST36では、出力部74が、復帰担当ロボットをメインカメラ30Aが設置されたランドマークに向かわせる指示を表す指示データを生成し、生成した指示データを復帰担当ロボットに対して出力してもよい。これにより、メインカメラ30Aが設置されたランドマークに到着する離脱メンバ90Bまで復帰担当ロボットを迎えに行かせることができる。
【0125】
図20には、離脱メンバ90Bがメインカメラ30Aによって発見された場合に離脱メンバ90Bの携帯端末50のタッチパネルディスプレイ52に表示される画像の一例が示されている。図20に示すように、タッチパネルディスプレイ52には、離脱メンバ90Bがメインカメラ30Aによって発見された場合のメッセージとして、「インフラカメラがあなたを発見しました。ロボットが向かっています。その場でお待ちください」のメッセージが表示されてもよい。
【0126】
以上詳述した第2実施形態に係る案内制御装置60によっても、第1実施形態と同様に、案内担当ロボット20Aに案内されているメンバ90が案内担当ロボット20Aから離脱した場合には、離脱に対する各種の対応を取ることができる。これにより、グループの全員のメンバ90が目的地に到達することができる。
【0127】
[第3実施形態]
次に、本開示の第3実施形態について説明する。
【0128】
図21には、第3実施形態に係る案内制御装置60が適用された案内システムSを示す。第3実施形態では、案内制御装置60が案内ロボット20のコンピュータ40によって構成されている点で、案内制御装置60がサーバ10のコンピュータ40によって構成されている第1実施形態と異なる。案内制御装置60が備えられる案内ロボット20は、複数の案内ロボット20のうちの何れでもよい。以下、案内制御装置60を備える案内ロボット20と案内制御装置60を備えない案内ロボット20とを区別するために、案内制御装置60を備える案内ロボット20を「メインロボット20C」と称し、案内制御装置60を備えない案内ロボット20を「サブロボット20D」と称する。
【0129】
メインロボット20Cは、案内担当ロボット20Aでもよく、担当外ロボット20Bでもよい。図21に示す例では、メインロボット20Cが、案内担当ロボット20Aによって実現されている。なお、案内制御装置60は、特定の案内ロボット20に備えられたコンピュータ40に限らず、複数の案内ロボット20にそれぞれ備えられた複数のコンピュータ40によって実現されてもよい。また、案内担当ロボット20Aが移動するルートに応じて、メインロボット20Cとして機能する案内ロボット20が切り替えられてもよい。
【0130】
第3実施形態において、案内制御装置60のハードウェア構成及び機能的な構成は、第1実施形態と同様である。また、第3実施形態において、案内制御処理の流れも、第1実施形態と同様である。
【0131】
ただし、第3実施形態では、メインロボット20Cの案内制御装置60が、センターコンピュータとして機能するため、サブロボット20D及びカメラ30から出力されたデータは、サーバ10以外にメインロボット20Cにも入力される。そして、メインロボット20Cでは、第1実施形態と同様に案内制御処理が実行される。また、案内制御装置60で生成されたデータは、メインロボット20Cからサブロボット20D、カメラ30、及びサーバ10に対して適宜出力される。また、離脱メンバ90Bが発見された場合に、メインロボット20Cは、発見データをサーバ10に対して出力してもよい。サーバ10は、メインロボット20C、サブロボット20D、及びカメラ30から出力されたデータを管理する管理コンピュータとして機能する。サーバ10は、離脱データに基づいて探索装置として機能してもよい。
【0132】
以上詳述した第3実施形態に係る案内制御装置60によっても、第1実施形態と同様に、案内担当ロボット20Aに案内されているメンバ90が案内担当ロボット20Aから離脱した場合には、離脱に対する各種の対応を取ることができる。これにより、グループの全員のメンバ90が目的地に到達することができる。
【0133】
次に、上記各実施形態に共通の変形例について説明する。
【0134】
上記各実施形態において、案内システムSは、複数のメンバによって形成される一つのグループを目的地まで案内するためのシステムであるが、一人の人を目的地まで案内するシステムでもよい。
【0135】
上記各実施形態において、案内システムSは、複数台の案内ロボット20を備えるが、案内ロボット20は、1台でもよい。
【0136】
上記各実施形態において、案内制御装置60は、サーバ10、カメラ30、及び案内ロボット20の何れかに備えられたコンピュータ40によって構成されるが、サーバ10、カメラ30、及び案内ロボット20にそれぞれ備えられた複数のコンピュータ40によって構成されてもよい。また、サーバ10、カメラ30、及び案内ロボット20にそれぞれ備えられた複数のコンピュータ40によって案内制御装置60が構成される場合に、案内制御装置60を構成する複数のコンピュータ40の組み合わせは、どのような組み合わせでもよい。
【0137】
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【0138】
また、上記各実施形態で説明した案内制御装置の構成は一例であり、本開示の主旨を逸脱しない範囲内において不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したりしてもよいことは言うまでもない。
【0139】
また、上記各実施形態で説明した案内制御処理の流れも一例であり、本開示の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【0140】
本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0141】
本開示の特徴を以下の通り示す。
(付記1)
人を案内する案内ロボット(20)と前記人が所持する携帯端末(50)との通信状態を取得する取得部(72)と、
前記取得部によって取得された前記通信状態に基づいて、前記人が前記案内ロボットの通信範囲から離脱したか否かを判定する判定部(73)と、
前記人が前記案内ロボットの通信範囲から離脱したと前記判定部によって判定された場合に、離脱データを出力する出力部(74)と、
を備える案内制御装置(60)。
(付記2)
前記判定部は、前記取得部によって取得された前記通信状態に基づいて、前記人が前記通信範囲の境界領域に存在するか否かを判定し、
前記出力部は、前記人が前記通信範囲の境界領域に存在すると前記判定部によって判定された場合に、警告データを出力する、
付記1に記載の案内制御装置。
(付記3)
前記案内ロボットは、複数の前記人を案内し、
前記案内制御装置は、複数の前記人の数に応じて前記通信範囲の広さを調整する調整部(71)をさらに備える、
付記1又は付記2に記載の案内制御装置。
(付記4)
前記出力部は、前記携帯端末に対して前記離脱データを出力する、
付記1から付記3の何れか一つに記載の案内制御装置。
(付記5)
前記案内ロボットは、複数の前記人を案内し、
前記出力部は、複数の前記人のうち、前記通信範囲の内側に残存する残存者が所持する携帯端末に対して前記離脱データを出力する、
付記1から付記4の何れか一つに記載の案内制御装置。
(付記6)
前記出力部は、前記通信範囲から離脱した前記人としての離脱者を探索する探索装置(10、20B、30)に対して前記離脱データを出力する、
付記1から付記5の何れか一つに記載の案内制御装置。
(付記7)
前記探索装置は、前記通信範囲の外側に存在する別の案内ロボット(20B)を含む
付記6に記載の案内制御装置。
(付記8)
前記探索装置は、カメラ(30)を含む、
付記6又は付記7に記載の案内制御装置。
(付記9)
前記探索装置は、前記通信範囲の外側に存在する別の案内ロボット、及び、カメラの少なくとも一方と通信可能に接続されたサーバ(10)を含む、
付記6から付記8の何れか一つに記載の案内制御装置。
(付記10)
前記出力部は、前記通信範囲から離脱した前記人としての離脱者が前記探索装置によって発見されていない場合に、ランドマークを表すランドマークデータを出力する、
付記1から付記9の何れか一つに記載の案内制御装置。
(付記11)
前記出力部は、前記通信範囲から離脱した前記人としての離脱者をランドマークに向かわせるメッセージデータを出力する、
付記1から付記10の何れか一つに記載の案内制御装置。
(付記12)
前記出力部は、前記通信範囲の外側に存在する別の案内ロボットをランドマークに向かわせる指示データを出力する、
付記1から付記11の何れか一つに記載の案内制御装置。
(付記13)
前記出力部は、前記通信範囲から離脱した前記人としての離脱者が探索装置によって発見された場合に、発見データを出力する、
付記1から付記12の何れか一つに記載の案内制御装置。
(付記14)
前記出力部は、前記通信範囲から離脱した前記人としての離脱者を前記通信範囲の外側に存在する別の案内ロボットによって前記通信範囲の内側に誘導し復帰させる復帰データを出力する、
付記1から付記13の何れか一つに記載の案内制御装置。
(付記15)
前記案内ロボットは、複数の前記人を案内し、
前記出力部は、複数の前記人のうち、前記通信範囲の内側に残存する残存者が所持する携帯端末に対して、前記通信範囲から離脱した前記人としての離脱者を前記通信範囲の内側に誘導し復帰させる旨を報知する報知データを出力する、
付記1から付記14の何れか一つに記載の案内制御装置。
(付記16)
前記出力部は、前記通信範囲から離脱した前記人としての離脱者を前記通信範囲の内側に誘導し復帰させるルートを表すルートデータを出力する、
付記1から付記15の何れか一つに記載の案内制御装置。
(付記17)
前記案内ロボットは、複数の前記人を案内し、
前記出力部は、複数の前記人のうち、前記通信範囲の内側に残存する残存者と、前記通信範囲から離脱した前記人としての離脱者とを合流地点で合流させる合流データを出力する、
付記1から付記16の何れか一つに記載の案内制御装置。
【符号の説明】
【0142】
S 案内システム
10 サーバ
20 案内ロボット
20A 案内担当ロボット
20B 担当外ロボット
20C メインロボット
20D サブロボット
21 センサ
22 駆動装置
23 無線通信器
24 タッチパネルディスプレイ
25 車輪
30 カメラ
30A メインカメラ
30B サブカメラ
40 コンピュータ
42 通信器
44 ネットワーク
46 インフラストラクチャ
50 携帯端末
51 カメラ
52 タッチパネルディスプレイ
53 無線通信器
60 案内制御装置
61 CPU
62 ROM
63 RAM
64 ストレージ
70 案内制御プログラム
71 調整部
72 取得部
73 判定部
74 出力部
80 ボタン
81 識別コード
82 ボタン
83A、83B、83C ボタン
84A、84B、84C ボタン
90 メンバ
90A 残存メンバ
90B 離脱メンバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21