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特開2025-9578噴射スプレー缶に取り付けるボタン押し補助具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009578
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】噴射スプレー缶に取り付けるボタン押し補助具
(51)【国際特許分類】
   B05B 9/04 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
B05B9/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023117112
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】593042823
【氏名又は名称】後藤 宏志
(71)【出願人】
【識別番号】523270380
【氏名又は名称】小須田 紘一
(71)【出願人】
【識別番号】523270391
【氏名又は名称】▲崎▼山 晃輝
(71)【出願人】
【識別番号】523272351
【氏名又は名称】田村 正明
(72)【発明者】
【氏名】後藤 宏志
(72)【発明者】
【氏名】小須田 紘一
(72)【発明者】
【氏名】▲崎▼山 晃輝
(72)【発明者】
【氏名】田村 正明
【テーマコード(参考)】
4F033
【Fターム(参考)】
4F033RA02
4F033RB04
4F033RC01
4F033RC15
4F033RC24
(57)【要約】
【課題】台所に置く料理発火消火スプレーから庭の樹木消毒スプレーまで、家庭には噴射ボタンを指で押して使うスプレーが多くある。一方高齢化に伴い、神経の症状で手が震えて指がボタンから外れる、あるいは筋肉の衰えでボタンを強く押せないなどで困っている人が多い。スプレー缶に後付けするボタン押し補助具を広め、高齢者のスプレー使用を助ける。
【課題を解決する手段】スプレー缶円筒容器にトンネル形に屈曲させたアクリル板の下部を接着し、上部噴射ボタン対面位置に人差し指が入る窓を円形状に切り取り開口する。これらによりアクリル板の円形窓が噴射ボタンを押す指を円周で捉えてボタン外れを防ぎ、また円形窓の縁(ふち)がボタンを押す指の反発抗力箇所となり噴射ボタンを押す指の力を強くする。その他に、「人差し指に変え、テコ棒使い手のひらで押す」や、「蛍光色に縁どる窓で夜でもスプレーすぐ分かる」などの多項目発明で高齢者の噴射スプレー使用を助ける。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴射ボタンを指で押して使うスプレー缶に取り付けるボタン押し補助具であって、
前記スプレー缶の中腹位置を下辺とし噴射ボタン位置を上辺とする長方形のアクリル平板をスプレー缶容器の円筒に合わせてトンネル形状に曲げ加工すると共に、前記折り曲げたトンネル形アクリル板の下辺をスプレー缶の中腹から肩にかけて接着固定し、上辺の噴射ボタンの対面位置に人差し指挿入窓を円形に開口することを特長とする、ボタン指押し式噴射スプレー缶に取り付けるボタン押し補助具
【請求項2】
請求項1のボタン押し補助具において、スプレー缶の円筒に缶背丈以内のテコ棒を仮止めすると共に、テコ棒両端に滑り止めゴムを貼り付けることを特長とする、請求項1のボタン指押し式噴射スプレー缶に取り付けるボタン押し補助具
【請求項3】
請求項1と請求項2のボタン押し補助具におけるトンネル形アクリル板の人差し指挿入窓の円形開口を、円形の下半分円周に切り込みを入れるだけに留めてアクリル板に繋いで残し、これを噴射ボタン方向に向けて折り曲げ、アクリル板に開口する半円形窓の庇(ひさし)とすることを特長とする、請求項1と請求項2のボタン指押し式噴射スプレー缶に取り付けるボタン押し補助具
【請求項4】
請求項1と請求項2と請求項3のボタン押し補助具において、トンネル形アクリル板につくる人差し指装入窓の開口断面に、蛍光色を施した縁とりスポンジを取り付けることを特長とする、請求項1と請求項2と請求項3のボタン指押し式噴射スプレー缶に取り付けるボタン押し補助具
【請求項5】
請求項1と請求項2と請求項3と請求項4のボタン押し補助具において、スプレー缶に接着するトンネル形アクリル板に、スプレー缶の肩の線にそってキリ穴を開けることを特長とする、請求項1と請求項2と請求項3と請求項4のボタン指押し式噴射スプレー缶に取り付けるボタン押し補助具
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、台所に置く緊急消火スプレーや庭に置く樹木消毒スプレーやトイレ消臭スプレーなど、家庭に多く普及している噴射ボタンを指で押して使うスプレー缶に後付けするボタン押し補助具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
家庭で使うスプレー缶の発射方式は二つある。一つはレバーハンドル式であって手のひら全体を使って噴射する方式である。他の一つが指押し式であって人差し指一本の力で発射する方式である。二つの方式がほぼ均等に売り場に並ぶが、格納の簡単さやコスト面などから、今はやや指押し式が主流となってきている。当発明はこの指押し式に新しい技術を加える。
【先行技術文献】
【0003】
スプレー缶の溶剤噴射に関する技術に次のような先行技術が散見されるが、当発明と同じ技術は見られない。
実全昭51-023708 指テコ式簡易エアゾル噴射装置
特開2022-044077 スプレー噴射棒
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スプレー缶には、台所火災の初期消化に備える、あるいは樹木を消毒するなどの目的に合わせた様々な溶剤が、噴出剤である液化ガス(LPG)と共に封入されている。このためスプレー缶のバルブ開け閉めはきつく、噴出させるには相当強くボタンを押す必要がある。一方高齢の方によくある症状で、「手が震えてボタン押す指がボタンから外れる」、あるいは「筋肉が衰えてボタンを押せない」人が多い。当発明はスプレー缶に後付けする補助具で高齢者のスプレー発射を助ける。
【課題を解決する手段】
【0005】
請求項1の発明では、スプレー缶円筒容器の中腹から肩付近に、トンネル形に作ったアクリル板の下部を接着し、アクリル板上部の噴射ボタン対面位置に人差し指が出入りする窓を円形に切り取り開口する。
【0006】
請求項2の発明では、請求項1のスプレー缶円筒に、缶の高さを越えないテコ棒を仮止めし、このテコ棒の両端に滑り止めゴムを装着する。
【0007】
請求項3の発明では、請求項1と請求項2のボタン押し補助具におけるトンネル形アクリル板の人差し指挿入窓の円形開口を、円形の下半分円周に切り込みを入れるだけに留めてアクリル板に繋いで残し、これを噴射ボタン方向に向けて折り曲げ、アクリル板に開口する窓の庇(ひさし)とする。
【0008】
請求項4の発明では、請求項1から3のアクリル板につくる窓の切断面に、蛍光色や極彩色の縁取りスポンジを取り付ける。
【0009】
請求項5の発明では、請求項1から4のスプレー缶のトンネル形アクリル板に、スプレー缶の肩の線に沿ってキリ穴を開ける。
【発明の効果】
【0010】
この発明は、次のような優れた効果を奏す。
(1)開口する円形窓の縁が、噴射ボタンに向けた指を支えて、指が震える人のボタン外れを防ぐ。(請求項1)
(2)指に全く力が入らない人は、人差し指に代えてスプレー缶円筒に仮止めするテコ棒を使いボタン押しができる。(請求項2)
(3)半円窓から噴射ボタン方向に曲げた庇が、ボタン押しする指の反発抗力箇所となって、ボタンを押す指の力をより強くする。(請求項3)
(4)アクリル板開口断面に取り付けた蛍光色の縁取りスポンジが、夜間もくっきり指を入れる窓の位置を示し、また軟らかいスポンジが指のすり傷を未然に防ぐ。(請求項4)
(5)指の力に全く問題ない人は、トンネル形アクリル板のスプレー缶の肩の線にそって開けたキリ穴で、不要なアクリル板上部を切り取って破棄することができる。(請求項5)
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】請求項1の実施を説明する斜視図
図2】請求項1の使用方法を説明する斜視図
図3】請求項2の実施を説明する斜視図
図4】請求項2の使用方法を説明する斜視図
図5】請求項3の実施を真正面から説明する斜視図
図6】請求項3の実施を横から説明する斜視図
図7】請求項4の実施を説明する斜視図
図8】請求項5の実施を説明する斜視図
【発明を実施するための形態】
【0012】
請求項ごとの実施形態を、図を見ながら説明する。請求項1発明の実施を図1で説明する。最初にこの発明のプラットホームを説明する。プラットホームはアクリルやポリカ―ボネット等のプラスチック類(以後、アクリルで統一)で作るが、アクリルは透明通過度がよく、使う人に人差し指7や指押しボタン3やノズル8や噴霧9が見えてよい。アクリル材から小片を切り出して当発明サイズの平板をつくる。家庭用のスプレー缶1は手に握って使うことを想定しているので、スプレー容器は直径6.5cm前後、缶の高さ20~25cm前後の円筒形につくられていることが多い。従ってこの発明のスプレー缶1の側面一部分(4分の1程度)に貼るアクリル平板の大きさは、横寸法が円筒周囲の4分の1すなわち約5cmで、高さ寸法は10cmくらいの長方形サイズがよい。
【0013】
アクリル平板を加工する。まず円筒にぴったり接着するようにアクリル平板に熱を当ててトンネルの如く丸く曲げる。これでスプレー缶1に密着するトンネル形アクリル板5ができた。次にこのトンネル形アクリル板5に穴あけ加工をする。下準備として開口位置を墨出しする。そのためトンネル形アクリル板5をスプレー缶1にあてながら、指押しボタン3の対面位置に、人差し指7が余裕をもって出入りする円窓6を墨出しする。ここを開口して加工は終わった。
【0014】
トンネル形アクリル板5をスプレー缶1に貼り付ける。トンネル形アクリル板5のスプレー1と接する裏面には強力な工業用両面テープが貼ってあるので、テープのはく離ライナーを剥がし、トンネル形アクリル板5の下部を、スプレー缶肩2より下部分にしっかり接着する。これでスプレー缶1に後付けするボタン押し補助具が完成した。
【0015】
使用方法を図2で説明する。使い方はいたって簡単で、人差し指7を円窓6に挿入し、指先で指押しボタン3を推せばよい。円窓6の縁が人差し指7をしっかり包みこんで、人差し指7が指押しボタン3位置から外れることはない。
【0016】
請求項2の実施を図3で説明する。この発明は、指の力が足りない人に向けた発明であるが、そのため次の二つを実施する。すなわち請求項1のスプレー缶1の側面に缶の高さ以内のテコ棒11を用意し、これをスプレー缶1の円筒にテープ等で仮止めすることが一つで、二つ目はテコ棒11の両端に滑り止めゴム15を貼り付けることである。
【0017】
使用方法を図4で説明する。指の力がない人はスプレー缶1を使うときスプレー缶1に仮止めしたテコ棒11をトンネル形アクリル板5から外し、テコ棒11の一端を円窓6に差し込んで、テコ簿11の先端で指押しボタン3を捉える。次にテコ棒11のもう一方の端を手のひら16に置いて矢印17の方向に持ち上げる。これで円窓16の縁がテコの支点なり、テコ棒11の両先端がテコの力点となり、この3点によるテコ作用で指押しボタン3を強く押すことができる。このため力がかかるテコ棒11の両端は、滑らないよう滑り止めゴム15を付けているのである。
【0018】
請求項3の実施を図5図6で説明する。図5はスプレー缶1を正面から、図6はスプレー缶1を横から見た図である。請求項3は、人さし指7そのものをテコ棒11として指押しボタン3を少し強く押す発明である。そのため請求項1と請求項2でするトンネル形アクリル板の人差し指挿入窓の円形開口を、円形の下半分円周に切り込みを入れるだけに留め、よって開口する窓も半円窓13となる。こうして切り込んだ下半分アクリルはトンネル形アクリル板5に繋っており、これを噴射ボタン方向に向けて折り曲げ、トンネル形アクリル板5に開口した半円窓13の庇(ひさし)14とする。
【0019】
この発明を施したスプレー缶1を使うと、半円窓13から挿入した人さし指7の最も力の入る関節部分一帯が、半円窓13の庇14がつくる広い反発抗力箇所に当たり、ボタンを押す力をより強力にする。
【0020】
請求項4の実施を図7で説明する。この発明の実施は、トンネル形アクリル板5につくる円窓6や半円窓13のアクリル板の切断面を、ゴムではなく蛍光色縁とりスポンジ10で縁取ることにある。
【0021】
その使用は、夜間の台所火災発生などのとき大変役立つ。慌てる人に人差し指7挿入窓を浮かび上がらせ知らせ、また急いで人差し指7を出し入れしてもスポンジ効果で指にすり傷を負わせない。
【0022】
請求項5の実施を図8で説明する。請求項5は、スプレー缶メーカーに向けて提案する発明である。いままで述べてきた請求項1から4の発明は、指の状態があまり良くない人がスプレー缶1を買い求めるとき、別売りの指押し補助具も買い揃えてほしいとした発明であった。しかしこれからの高齢化社会を考えるとき、スプレー缶1は製造段階から補助具付きを製造したらどうかということをメーカーに提案する発明である。
【0023】
その目的のためトンネル形アクリル板5は、スプレー肩2の稜線にそってキリ穴12を開けている。指に問題なく補助具など不必要ない大多数の人は、キリ穴12でトンネル形アクリル板5の上部分を切りとって使ってもいい。
【産業上の利用可能性】
【0024】
生活が多様化するとスプレーは初期消火用や樹木消毒用だけでなく、スポーツ用やレジャー用や医療用や衣料用や工業用など生活全般に多用されてくる。さらに重要なことは、20年後が高齢者数ピークの3800万人となり、この発明の補助具の必要性がさらに増すことである。
【符号の説明】
【0025】
1 スプレー缶 2 スプレー缶肩
3 指押しボタン 4 スプレー缶キャップ
5 トンネル形アクリル板 6 円窓
7 人差し指 8 ノズル
9 噴霧 10 蛍光色縁とりスポンジ
11 テコ棒 12 キリ穴
13 半円窓 14 庇
15 滑り止めゴム 16 手のひら
17 手のひらを動かす方向を示す矢印
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8