(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025095912
(43)【公開日】2025-06-26
(54)【発明の名称】電子機器およびログ抽出プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 11/34 20060101AFI20250619BHJP
G06F 11/30 20060101ALI20250619BHJP
【FI】
G06F11/34 176
G06F11/30 140D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023212306
(22)【出願日】2023-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140796
【弁理士】
【氏名又は名称】原口 貴志
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 淳
【テーマコード(参考)】
5B042
【Fターム(参考)】
5B042MA08
5B042MA16
5B042MC40
(57)【要約】
【課題】 電子機器によって生成されたログデータから重要である可能性が高いログデータを抽出することができる電子機器およびログ抽出プログラムを提供する。
【解決手段】 複数のログデータを記憶可能である画像形成装置は、画像形成装置に記憶されているログデータから少なくとも一部のログデータを抽出するログ抽出部を備え、ログ抽出部は、特定のキーワードを含むログデータを含む、時間的に連続した特定の範囲の全てのログデータを抽出する(S126~S129)ことを特徴とする。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のログデータを記憶可能である電子機器であって、
前記電子機器に記憶されている前記ログデータから少なくとも一部の前記ログデータを抽出するログ抽出部を備え、
前記ログ抽出部は、特定のキーワードを含む前記ログデータを含む、時間的に連続した特定の範囲の全ての前記ログデータを抽出することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記電子機器は、複数の前記ログデータを時間順に群に分割して記憶可能であり、
前記範囲は、前記キーワードを含む前記群を含む、時間的に連続した特定の数の前記群であることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記ログ抽出部は、前記キーワードを前記電子機器の外部の記憶装置から取得することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記キーワードは、前記電子機器に発生する不具合の種類毎に分類されていて、
前記ログ抽出部は、前記種類が指定された場合に、指定された前記種類に分類されている前記キーワードを使用して前記ログデータを抽出することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記電子機器は、複数の前記ログデータを時間順に群に分割して記憶可能であり、
前記ログ抽出部は、複数の前記キーワードを使用して前記ログデータを抽出する場合に、複数の前記キーワードの全てを含む前記群において前記キーワードを含む前記ログデータを含む、時間的に連続した前記範囲の全ての前記ログデータを抽出することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
複数のログデータを記憶可能であるコンピューターに、前記コンピューターに記憶されている前記ログデータから少なくとも一部の前記ログデータを抽出するログ抽出部を実現させ、
前記ログ抽出部は、特定のキーワードを含む前記ログデータを含む、時間的に連続した特定の範囲の全ての前記ログデータを抽出することを特徴とするログ抽出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ログデータを生成する電子機器およびログ抽出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器によって生成されたログデータを電子機器の外部に記憶させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術においては、電子機器によって生成された全てのログデータを電子機器の外部に記憶させるので、電子機器の外部の記憶先の記憶容量が十分に大きい必要があるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、電子機器によって生成されたログデータから重要である可能性が高いログデータを抽出することができる電子機器およびログ抽出プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電子機器は、複数のログデータを記憶可能である電子機器であって、前記電子機器に記憶されている前記ログデータから少なくとも一部の前記ログデータを抽出するログ抽出部を備え、前記ログ抽出部は、特定のキーワードを含む前記ログデータを含む、時間的に連続した特定の範囲の全ての前記ログデータを抽出することを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明の電子機器は、特定のキーワードを含むログデータを含む、時間的に連続した特定の範囲の全てのログデータを抽出するので、電子機器によって生成されたログデータから重要である可能性が高いログデータを抽出することができる。
【0008】
本発明の電子機器において、前記電子機器は、複数の前記ログデータを時間順に群に分割して記憶可能であり、前記範囲は、前記キーワードを含む前記群を含む、時間的に連続した特定の数の前記群であっても良い。
【0009】
この構成により、本発明の電子機器は、特定のキーワードを含む群を含む、時間的に連続した特定の数の群の全てのログデータを抽出するので、ログデータを群単位で抽出することができる。
【0010】
本発明の電子機器において、前記ログ抽出部は、前記キーワードを前記電子機器の外部の記憶装置から取得しても良い。
【0011】
この構成により、本発明の電子機器は、キーワードを電子機器の外部の記憶装置から取得するので、キーワードを電子機器の内部から取得する構成と比較して、キーワードの変更を容易化することができる。
【0012】
本発明の電子機器において、前記キーワードは、前記電子機器に発生する不具合の種類毎に分類されていて、前記ログ抽出部は、前記種類が指定された場合に、指定された前記種類に分類されている前記キーワードを使用して前記ログデータを抽出しても良い。
【0013】
この構成により、本発明の電子機器は、電子機器に発生する不具合の種類が指定された場合に、指定された種類に分類されているキーワードを使用してログデータを抽出するので、利便性を向上することができる。
【0014】
本発明の電子機器において、前記電子機器は、複数の前記ログデータを時間順に群に分割して記憶可能であり、前記ログ抽出部は、複数の前記キーワードを使用して前記ログデータを抽出する場合に、複数の前記キーワードの全てを含む前記群において前記キーワードを含む前記ログデータを含む、時間的に連続した前記範囲の全ての前記ログデータを抽出しても良い。
【0015】
この構成により、本発明の電子機器は、複数のキーワードを使用してログデータを抽出する場合に、複数のキーワードの全てを含む群においてキーワードを含むログデータを含む、時間的に連続した特定の範囲の全てのログデータを抽出するので、複数のキーワードの少なくとも1つを含む群においてキーワードを含むログデータを含む、時間的に連続した特定の範囲の全てのログデータを抽出する構成と比較して、抽出するログデータの数を低減する可能性を向上することができる。
【0016】
本発明のログ抽出プログラムは、複数のログデータを記憶可能であるコンピューターに、前記コンピューターに記憶されている前記ログデータから少なくとも一部の前記ログデータを抽出するログ抽出部を実現させ、前記ログ抽出部は、特定のキーワードを含む前記ログデータを含む、時間的に連続した特定の範囲の全ての前記ログデータを抽出することを特徴とする。
【0017】
この構成により、本発明のログ抽出プログラムを実行するコンピューターは、特定のキーワードを含むログデータを含む、時間的に連続した特定の範囲の全てのログデータを抽出するので、電子機器によって生成されたログデータから重要である可能性が高いログデータを抽出することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の電子機器およびログ抽出プログラムは、電子機器によって生成されたログデータから重要である可能性が高いログデータを抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施の形態に係るシステムの一例のブロック図である。
【
図2】
図1に示す記憶部に記憶されているログデータの一例を示す図である。
【
図3】
図1に示すキーワードデータの一例を示す図である。
【
図4】ログデータを生成する場合の
図1に示す画像形成装置の動作のフローチャートである。
【
図5】記憶部に記憶されているログデータから少なくとも一部のログデータを抽出する場合の
図1に示す画像形成装置の動作のフローチャートである。
【
図6】
図1に示すキーワードデータにおけるキーワードを生成するキーワード生成システムの一例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0021】
まず、本発明の一実施の形態に係るシステムの構成について説明する。
【0022】
図1は、本実施の形態に係るシステム10の一例のブロック図である。
【0023】
図1に示すように、システム10は、電子機器としての画像形成装置20と、画像形成装置20に対して着脱可能であって画像形成装置20からアクセス可能である記憶装置としての着脱式記憶装置30と、画像形成装置20からネットワークを介してアクセス可能である記憶装置としてのネットワーク接続式記憶装置40とを備えている。着脱式記憶装置30は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SDカードまたはUSB(Universal Serial Bus)メモリーによって構成されても良い。ネットワーク接続式記憶装置40は、例えば、画像形成装置20が配置されているLAN(Local Area Network)内に配置されているサーバーなどのコンピューターでも良いし、クラウドシステムなど、インターネットを介して接続されるコンピューターシステムでも良い。
【0024】
画像形成装置20は、種々の操作が入力される例えばボタンなどの操作デバイスである操作部21と、種々の情報を表示する例えばLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部22と、用紙などの記録媒体に画像を印刷する印刷デバイスであるプリンター23と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー24と、LAN、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部25と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部26と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDDなどの不揮発性の記憶装置である記憶部27と、画像形成装置20全体を制御する制御部28とを備えているコンピューターである。
【0025】
記憶部27は、ログデータを生成するためのログ生成プログラム27aを記憶可能である。ログ生成プログラム27aは、例えば、画像形成装置20の製造段階で画像形成装置20にインストールされていても良いし、USBメモリーなどの外部の記憶媒体から画像形成装置20に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上から画像形成装置20に追加でインストールされても良い。ログ生成プログラム27aは、ファームウェアの少なくとも一部であっても良い。
【0026】
記憶部27は、ログ生成プログラム27aの実行によって生成されたログデータ27bを記憶可能である。記憶部27は、ログ生成プログラム27aの実行によって生成されたログデータを、ログデータ27b以外に少なくとも1つ記憶可能でも良い。
【0027】
図2は、記憶部27に記憶されているログデータの一例を示す図である。
【0028】
図2においては、一部のログデータのみが具体的に示されている。
図2において具体的に示されているログデータは、内容の一部のみが具体的に示されている。例えば、各ログデータには、実際には日時が含まれているが、
図2においては省略して表されている。
【0029】
図2に示すように、各ログデータは、互いに異なる番号(以下「行番号」という。)が左端に付されている。行番号が小さいログデータほど、古いログデータである。
【0030】
図2において、行番号が1であるログデータに含まれる「Network Init」は、ネットワークを介した通信が開始されたことを示している。
図2において、行番号が15であるログデータに含まれる「Network End」は、ネットワークを介した通信が終了したことを示している。
図2において、行番号が101であるログデータに含まれる「Print Init」は、プリンターによる印刷が開始されたことを示している。
図2において、行番号が115であるログデータに含まれる「Print End」は、プリンターによる印刷が終了したことを示している。
【0031】
記憶部27は、複数のログデータを時間順に群(以下「ログデータ群」という。)に分割して記憶可能である。
図2に示す例では、行番号が1~30であるログデータはログデータ群51に所属しており、行番号が31~69であるログデータはログデータ群52に所属しており、行番号が70~100であるログデータはログデータ群53に所属しており、行番号が101~130であるログデータはログデータ群54に所属している。
【0032】
図1に示すように、記憶部27は、記憶部27に記憶されているログデータから少なくとも一部のログデータを抽出するためのログ抽出プログラム27cを記憶可能である。ログ抽出プログラム27cは、例えば、画像形成装置20の製造段階で画像形成装置20にインストールされていても良いし、USBメモリーなどの外部の記憶媒体から画像形成装置20に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上から画像形成装置20に追加でインストールされても良い。ログ抽出プログラム27cは、ファームウェアの少なくとも一部であっても良い。
【0033】
制御部28は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)と、制御部28のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAM(Random Access Memory)とを備えている。制御部28のCPUは、記憶部27または制御部28のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0034】
制御部28は、ログ生成プログラム27aを実行することによって、ログデータを生成するログ生成部28aを実現する。
【0035】
制御部28は、ログ抽出プログラム27cを実行することによって、記憶部27に記憶されているログデータから少なくとも一部のログデータを抽出するログ抽出部28bを実現する。
【0036】
着脱式記憶装置30は、例えば、ネットワークに関する不具合、プリンターによる印刷に関する不具合など、画像形成装置に発生する不具合の種類(以下「事象」という。)毎に少なくとも1つのキーワードを含むキーワードデータ31を記憶可能である。
【0037】
図3は、キーワードデータ31の一例を示す図である。
【0038】
図3に示すキーワードデータ31は、ネットワークに関する不具合である事象Aに対するキーワードとして「Network Init」および「Network End」を含んでおり、プリンターによる印刷に関する不具合である事象Bに対するキーワードとして「Print Init」および「Print End」を含んでいる。すなわち、キーワードは、事象毎に分類されている。
【0039】
図1に示すように、ネットワーク接続式記憶装置40は、事象毎に少なくとも1つのキーワードを含むキーワードデータ41を記憶可能である。キーワードデータ41は、キーワードデータ31と同様のデータであるので、詳細な説明を省略する。
【0040】
次に、画像形成装置20の動作について説明する。
【0041】
まず、ログデータを生成する場合の画像形成装置20の動作について説明する。
【0042】
図4は、ログデータを生成する場合の画像形成装置20の動作のフローチャートである。
【0043】
画像形成装置20の制御部28は、画像形成装置20が起動されると、
図4に示す動作を実行する。
【0044】
図4に示すように、ログ生成部28aは、ログデータの生成の条件を満たしたと判断するまで、ログデータの生成の条件を満たしたか否かを判断する(S101)。
【0045】
ログ生成部28aは、ログデータの生成の条件を満たしたとS101において判断すると、記憶部27にログデータが記憶されているか否かを判断する(S102)。
【0046】
ログ生成部28aは、記憶部27にログデータが記憶されていないとS102において判断すると、行番号として1を付してログデータを生成する(S103)。
【0047】
ログ生成部28aは、S103の処理が終了すると、S103において生成したログデータを新たなログデータ群のログデータとして記憶部27に記憶させる(S104)。
【0048】
ログ生成部28aは、記憶部27にログデータが記憶されているとS102において判断すると、記憶部27に記憶されている最新のログデータに付されている行番号より1多い行番号を付してログデータを生成する(S105)。
【0049】
ログ生成部28aは、S105の処理が終了すると、記憶部27に記憶されている最新のログデータが所属しているログデータ群のデータサイズと、S105において生成したログデータのデータサイズとの合計が特定のデータサイズ以下であるか否かを判断する(S106)。
【0050】
ログ生成部28aは、記憶部27に記憶されている最新のログデータが所属しているログデータ群のデータサイズと、S105において生成したログデータのデータサイズとの合計が特定のデータサイズ以下であるとS106において判断すると、S105において生成したログデータを、記憶部27に記憶されている最新のログデータが所属しているログデータ群のログデータとして記憶部27に記憶させる(S107)。
【0051】
ログ生成部28aは、記憶部27に記憶されている最新のログデータが所属しているログデータ群のデータサイズと、S105において生成したログデータのデータサイズとの合計が特定のデータサイズ以下ではないとS106において判断すると、S105において生成したログデータを新たなログデータ群のログデータとして記憶部27に記憶させる(S108)。
【0052】
ログ生成部28aは、S104、S107またはS108の処理が終了すると、S101の処理を実行する。
【0053】
次に、記憶部27に記憶されているログデータから少なくとも一部のログデータを抽出する場合の画像形成装置20の動作について説明する。
【0054】
図5は、記憶部27に記憶されているログデータから少なくとも一部のログデータを抽出する場合の画像形成装置20の動作のフローチャートである。
【0055】
画像形成装置20のサービスパーソンなどのユーザーは、記憶部27に記憶されているログデータから少なくとも一部のログデータを抽出する動作(以下「ログ抽出動作」という。)の実行を操作部21または通信部25を介して画像形成装置20に指示することができる。画像形成装置20の制御部28は、ログ抽出動作の実行が指示されると、
図5に示す動作を実行する。
【0056】
図5に示すように、ログ抽出部28bは、ログ抽出動作の設定画面(以下「ログ抽出動作設定画面」という。)を表示部22に表示する(S121)。ログ抽出動作設定画面は、キーワードの取得先(以下「キーワード取得先」という。)の指定と、事象の指定と、抽出されたログデータの記憶先(以下「抽出ログ記憶先」という。)の指定と、ログデータの抽出の実行の指示とを受け付け可能である。ログ抽出動作設定画面は、キーワード取得先として、例えば着脱式記憶装置30またはネットワーク接続式記憶装置40が指定されることが可能である。同様に、ログ抽出動作設定画面は、抽出ログ記憶先として、例えば着脱式記憶装置30またはネットワーク接続式記憶装置40が指定されることが可能である。
【0057】
ログ抽出部28bは、S121の処理が終了すると、ログ抽出動作設定画面においてログデータの抽出の実行の指示が受け付けられたと判断するまで、ログ抽出動作設定画面においてログデータの抽出の実行の指示が受け付けられたか否かを判断する(S122)。
【0058】
ログ抽出部28bは、ログ抽出動作設定画面においてログデータの抽出の実行の指示が受け付けられたとS122において判断すると、ログ抽出動作設定画面においてログデータの抽出の実行の指示が受け付けられた時点でログ抽出動作設定画面において指定されていたキーワード取得先から、ログ抽出動作設定画面においてログデータの抽出の実行の指示が受け付けられた時点でログ抽出動作設定画面において指定されていた事象のキーワードを取得する(S123)。例えば、ログ抽出動作設定画面においてログデータの抽出の実行の指示が受け付けられた時点でログ抽出動作設定画面において指定されていたキーワード取得先が着脱式記憶装置30であって、ログ抽出動作設定画面においてログデータの抽出の実行の指示が受け付けられた時点でログ抽出動作設定画面において指定されていた事象が事象Aであって、着脱式記憶装置30に記憶されているキーワードデータ31が
図3に示すものである場合、ログ抽出部28bは、キーワードとして「Network Init」および「Network End」をS123において取得する。
【0059】
キーワード取得先に記憶されているファイルの中から、キーワードを含むファイルをログ抽出部28bが特定する方法については、様々な方法が採用されることが可能である。例えば、ログ抽出部28bは、キーワード取得先に記憶されているファイルの中から、特定のファイル名のファイルを、キーワードを含むファイルとして特定しても良い。また、ログ抽出部28bは、キーワード取得先に記憶されているファイルの中から、例えば「キーワード:」などの特定の構文を含むファイルを、キーワードを含むファイルとして特定しても良い。
【0060】
ログ抽出部28bは、S123の処理が終了すると、記憶部27にログデータが記憶されているか否かを判断する(S124)。
【0061】
ログ抽出部28bは、記憶部27にログデータが記憶されているとS124において判断すると、記憶部27に記憶されている最新のログデータ群のみを対象にする(S125)。
【0062】
ログ抽出部28bは、S125の処理が終了すると、現在の対象のログデータ群に、S123において取得したキーワードの全てが含まれているか否かを判断する(S126)。
【0063】
ログ抽出部28bは、現在の対象のログデータ群に、S123において取得したキーワードの全てが含まれているとS126において判断すると、現在の対象のログデータ群より古く、現在の対象のログデータ群に時間的に最も近い例えば1個などの特定の数のログデータ群に含まれる全てのログデータと、現在の対象のログデータ群に含まれる全てのログデータと、現在の対象のログデータ群より新しく、現在の対象のログデータ群に時間的に最も近い例えば1個などの特定の数のログデータ群に含まれる全てのログデータとを、抽出ログ記憶先に記憶させる候補(以下「記憶候補」という。)として抽出する(S127)。例えば、ログ抽出部28bは、現在の対象のログデータ群より1つ古いログデータ群に含まれる全てのログデータと、現在の対象のログデータ群に含まれる全てのログデータと、現在の対象のログデータ群より1つ新しいログデータ群に含まれる全てのログデータとを、記憶候補としてS127において抽出する。なお、ログ抽出部28bは、現在の対象のログデータ群より古く、現在の対象のログデータ群に時間的に最も近い特定の数のログデータ群の少なくとも一部が存在しない場合には、存在しないログデータ群をS127において考慮しない。同様に、ログ抽出部28bは、現在の対象のログデータ群より新しく、現在の対象のログデータ群に時間的に最も近い特定の数のログデータ群の少なくとも一部が存在しない場合には、存在しないログデータ群をS127において考慮しない。
【0064】
ログ抽出部28bは、S127の処理が終了すると、S127において抽出した記憶候補のうち、今回の
図5に示す動作において既に抽出ログ記憶先に記憶させたログデータが存在するか否かを判断する(S128)。
【0065】
ログ抽出部28bは、S127において抽出した記憶候補のうち、今回の
図5に示す動作において既に抽出ログ記憶先に記憶させたログデータが存在するとS128において判断すると、S127において抽出した記憶候補から、今回の
図5に示す動作において既に抽出ログ記憶先に記憶させたログデータを削除する(S129)。
【0066】
ログ抽出部28bは、S127において抽出した記憶候補のうち、今回の
図5に示す動作において既に抽出ログ記憶先に記憶させたログデータが存在しないとS128において判断するか、S129の処理が終了すると、ログ抽出動作設定画面においてログデータの抽出の実行の指示が受け付けられた時点でログ抽出動作設定画面において指定されていた抽出ログ記憶先に現在の記憶候補を記憶させる(S130)。
【0067】
ログ抽出部28bは、現在の対象のログデータ群に、S123において取得したキーワードの少なくとも1つが含まれていないとS126において判断するか、S130の処理が終了すると、現在の対象のログデータ群より古いログデータ群が記憶部27に記憶されているか否かを判断する(S131)。
【0068】
ログ抽出部28bは、現在の対象のログデータ群より古いログデータ群が記憶部27に記憶されているとS131において判断すると、現在の対象のログデータ群より1つ古いログデータ群のみを新たな対象にして(S132)、S126の処理を実行する。
【0069】
ログ抽出部28bは、記憶部27にログデータが記憶されていないとS124において判断するか、現在の対象のログデータ群より古いログデータ群が記憶部27に記憶されていないとS131において判断すると、
図5に示す動作を終了する。
【0070】
次に、
図1に示すキーワードデータ31、41におけるキーワードの生成方法について説明する。
【0071】
まず、キーワードデータ31、41におけるキーワードを生成するキーワード生成システムの構成について説明する。
【0072】
図6は、キーワード生成システム60の一例のブロック図である。
【0073】
図6に示すキーワード生成システム60は、種々の操作が入力される例えばキーボード、マウスなどの操作デバイスである操作部61と、種々の情報を表示する例えばLCDなどの表示デバイスである表示部62と、LAN、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部63と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDDなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部64と、キーワード生成システム60全体を制御する制御部65とを備えている。キーワード生成システム60は、例えばPC(Personal Computer)によって構成されていても良い。
【0074】
記憶部64は、過去に発生した不具合を解析して得られた、不具合の原因の分析と、不具合の解決手段との情報(以下「過去不具合クレーム情報」という。)が入力された場合に事象毎に少なくとも1つのキーワードを出力する機械学習モデル64aを記憶可能である。
【0075】
制御部65は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、制御部65のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAMとを備えている。制御部65のCPUは、記憶部64または制御部65のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0076】
次に、キーワード生成システム60の動作について説明する。
【0077】
キーワード生成システム60のユーザーが、特定の過去不具合クレーム情報によるキーワードの出力を操作部61または通信部63を介してキーワード生成システム60に指示すると、キーワード生成システム60の制御部65は、ユーザーによって指定された過去不具合クレーム情報を入力として機械学習モデル64aによって事象毎に少なくとも1つのキーワードを自動で生成する。
【0078】
以上においては、機械学習モデルによってキーワードを自動で生成する方法について説明している。しかしながら、例えば過去不具合クレーム情報を入力として特定のルールに従って事象毎に少なくとも1つのキーワードを自動で生成する方法など、機械学習モデル以外の方法によってキーワードを自動で生成しても良い。
【0079】
以上においては、キーワードを自動で生成する方法について説明している。しかしながら、キーワードは、例えば過去不具合クレーム情報に基づいて人間が生成しても良い。
【0080】
以上に説明したように、画像形成装置20は、特定のキーワードを含むログデータを含む、時間的に連続した特定の範囲の全てのログデータを抽出する(S126~S129)ので、画像形成装置20によって生成されたログデータから重要である可能性が高いログデータを抽出することができる。
【0081】
画像形成装置20は、画像形成装置20によって生成されたログデータから重要である可能性が高いログデータを抽出することができるので、抽出ログ記憶先としての着脱式記憶装置30またはネットワーク接続式記憶装置40に記憶される全てのログデータの全体のデータサイズを低減させることができる。したがって、画像形成装置20は、抽出ログ記憶先における空き容量が無くなって、ログデータを抽出ログ記憶先に記憶させることができなくなる可能性を低減することができる。
【0082】
画像形成装置20は、画像形成装置20によって生成されたログデータから一部のログデータを、画像形成装置20の近傍に訪問したサービスパーソンによる指示に応じて抽出した場合に、画像形成装置20の近傍からサービスパーソンが帰った後で、画像形成装置20によって生成されたログデータから重要である可能性が高いログデータを抽出することができていないことが判明したとき、ログデータの再抽出のためにサービスパーソンが画像形成装置20の近傍に再訪問する必要がある。しかしながら、画像形成装置20は、画像形成装置20によって生成されたログデータから重要である可能性が高いログデータを抽出することができるので、ログデータの再抽出のためにサービスパーソンが画像形成装置20の近傍に再訪問する手間を低減させることができる。
【0083】
画像形成装置20は、抽出ログ記憶先にログデータが記憶されれば、抽出ログ記憶先に記憶されたログデータの少なくとも一部にキーワードが含まれることを意味しているので、画像形成装置20によって生成されたログデータから重要である可能性が高いログデータを抽出することができたことを画像形成装置20の近傍でサービスパーソンに確認させることができる。したがって、画像形成装置20は、ログデータの再抽出のためにサービスパーソンが画像形成装置20の近傍に再訪問する手間を低減させることができる。
【0084】
画像形成装置20は、特定のキーワードを含むログデータ群を含む、時間的に連続した特定の数のログデータ群の全てのログデータを抽出する(S126~S129)ので、ログデータをログデータ群単位で抽出することができる。
【0085】
なお、画像形成装置20は、ログデータをログデータ群単位ではなくログデータ単位で抽出しても良い。例えば、画像形成装置20は、現在の対象のログデータ群のうち、S123において取得したキーワードを含むログデータ(以下「キーワード含ログデータ」という。)と、キーワード含ログデータより古く、キーワード含ログデータに時間的に最も近い例えば50個などの特定の数のログデータと、キーワード含ログデータより新しく、キーワード含ログデータに時間的に最も近い例えば50個などの特定の数のログデータとを、記憶候補として抽出する処理に、S127の処理を代えても良い。
【0086】
画像形成装置20は、キーワードを画像形成装置20の外部の記憶装置である、着脱式記憶装置30またはネットワーク接続式記憶装置40から取得するので、キーワードを画像形成装置20の内部から取得する構成と比較して、キーワードの変更を容易化することができる。画像形成装置20は、キーワードを画像形成装置20の外部の記憶装置から取得するので、ログ抽出プログラム27cが変更されなくても、キーワードを変更することができる。画像形成装置20は、ログ抽出プログラム27cが変更される必要がない場合、ログ抽出プログラム27cの変更のための時間を低減させることができる。
【0087】
画像形成装置20は、事象が指定された場合に、指定された事象に分類されているキーワードを使用してログデータを抽出するので、利便性を向上することができる。
【0088】
しかしながら、キーワード取得先におけるキーワードは、事象毎に分類されていなくても良い。キーワード取得先におけるキーワードが事象毎に分類されていない場合、ログ抽出動作設定画面において、事象が指定される必要はない。
【0089】
画像形成装置20は、複数のキーワードを使用してログデータを抽出する場合に、複数のキーワードの全てを含むログデータ群においてキーワードを含むログデータを含む、時間的に連続した特定の範囲の全てのログデータを抽出するので、複数のキーワードの少なくとも1つを含むログデータ群においてキーワードを含むログデータを含む、時間的に連続した特定の範囲の全てのログデータを抽出する構成と比較して、抽出するログデータの数を低減する可能性を向上することができる。
【0090】
しかしながら、画像形成装置20は、複数のキーワードを使用してログデータを抽出する場合に、複数のキーワードの少なくとも1つを含むログデータ群においてキーワードを含むログデータを含む、時間的に連続した特定の範囲の全てのログデータを抽出しても良い。
【0091】
画像形成装置20は、
図5に示す動作において、キーワードを含むログデータ群の検索を最新のログデータ群から最古のログデータ群に向かって実行している。しかしながら、画像形成装置20は、キーワードを含むログデータ群の検索を複数のログデータ群に対していずれの順番で実行しても良い。例えば、画像形成装置20は、キーワードを含むログデータ群の検索を最古のログデータ群から最新のログデータ群に向かって実行しても良い。
【0092】
本発明の電子機器は、本実施の形態において画像形成装置である。しかしながら、本発明の電子機器は、画像形成装置以外の電子機器でも良い。
【符号の説明】
【0093】
20 画像形成装置(電子機器、コンピューター)
27b ログデータ
27c ログ抽出プログラム
28b ログ抽出部
30 着脱式記憶装置(記憶装置)
31 キーワードデータ
40 ネットワーク接続式記憶装置(記憶装置)
41 キーワードデータ
51~54 ログデータ群(群)