(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009594
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】両軸回転ヤスリ
(51)【国際特許分類】
B24D 5/00 20060101AFI20250109BHJP
B24D 5/16 20060101ALI20250109BHJP
B23C 3/12 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
B24D5/00 P
B24D5/16
B23C3/12 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023119461
(22)【出願日】2023-07-04
(71)【出願人】
【識別番号】523089391
【氏名又は名称】西本 尊行
(72)【発明者】
【氏名】北村 英二
【テーマコード(参考)】
3C022
3C063
【Fターム(参考)】
3C022DD01
3C063AA02
3C063AB03
3C063BA02
3C063BA24
3C063BB04
3C063BH05
3C063BH27
3C063EE29
(57)【要約】
【課題】 丸穴のバリ取り作業に使用する従来の回転ヤスリは、丸穴円周部との接触部が小さい為、接触が安定せず弾かれたり滑ったりした。
【解決手段】 分電盤等に開けられた丸穴7の直径よりも円錐状のヤスリ部3の最大直径が大きく丸穴7の円周部に、ヤスリ部3の円周部が均等に接触する為回転が安定し、且つヤスリ部に貫通させた駆同軸2の前と後に引き軸側2bと押し軸側2aを配した構成とした事により
図10の押しながらの外側の回転バリ取りと、
図11の鉄板6を挟み込んで内側から引き寄せながらの回転バリ取りが、軸の差し替えにより選択出来る為、バリ取り作業が弾かれたり滑ることも無く安定した。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動手段と、該駆動手段によって駆動される駆動軸に取付けられた研磨部材とからなる研磨工具であって、前記研磨部材は円錐形状とされると共にこの円錐形部分にヤスリ部が形成されており、前記研磨部材はその円錐形状の頂点部と反対側の中心部とを貫通して前記駆動軸が固定されており、この駆動軸は前記円錐形状の頂点部と前記底面から所定長さ突出しており、この突出部のいずれかが前記駆動手段に連結固定されることを特徴とする研磨工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分電盤等の箱に電線貫通用丸穴を開けた際に、穴の円周部の内、外に生じるバリを取り除くのに好適な回転ヤスリに関する。
なお回転駆動源は、電動ドライバ-等に取り付けて使用するものとする。
【背景技術】
【0002】
丸穴のバリを取り除く方法としては、半丸棒状の手動ヤスリを使用するか、
図1の如き回転ヤスリを使用する事が一般的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
半丸棒状の手動ヤスリによる丸穴のバリ取りは作業効率が悪く、仕上りも斑が出易い。
図1の如き回転ヤスリによる丸穴のバリ取りは、手動ヤスリより作業効率は良いものの回転ヤスリと丸穴円周部との接触が小さい為バリ取りが安定せず、弾かれたり滑ったりして怪我の危険性もある。
【0004】
本発明は丸穴のバリ取り作業時に回転ヤスリが弾かれたり滑ったりする事もなく、安全に早く作業できる事を目的とし、駆動軸がヤスリ部の前と後に施されている為、駆動軸の差し替えにより丸穴の内側か外側かのバリ取り作業が選択出来る回転ヤスリを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
駆動手段と、該駆動手段によって駆動される駆動軸に取付けられた研磨部材とからなる研磨工具であって、前記研磨部材は円錐形状とされると共にこの円錐形部分にヤスリ部が形成されており、前記研磨部材はその円錐形状の頂点部と反対側の中心部とを貫通して前記駆動軸が固定されており、この駆動軸は前記円錐形状の頂点部と前記底面から所定長さ突出しており、この突出部のいずれかが前記駆動手段に連結固定されることを特徴とする研磨工具。
【発明の効果】
【0006】
本発明においてヤスリ部が円錐状になっている為、分電盤等に開けられた丸穴の円周部全体に均等な力で押しつけられるからヤスリ部が弾かれたり滑ったりする事無く安定して回転しバリを取る。
【0007】
丸穴の外側のバリに対しては駆動軸2の押し軸側2aを電動ドライバ-に装着して回転させながらヤスリ部を押しつけてバリを取る。
【0008】
丸穴の内側のバリに対しては分電盤の内側から丸穴に駆動軸2の引き軸側2bを通し、鉄板を挟み込む形態で電動ドライバ-に装着し、ヤスリ部を回転させながら表側に引き寄せてバリを取る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】 本発明に係る両軸回転ヤスリの側面図である。
【
図8】 本発明の押しての使用例の部分断面図である。
【
図9】 本発明の引いての使用例の部分断面図である。
【
図10】 本発明の押しての使用例の斜視図である。
【
図11】 本発明の引いての使用例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施例について図面にもとずいて説明する。本発明の研磨工具 は電動ドライバ-などの駆動手段1と、この駆動手段1によって駆動される駆動軸2と、この駆動軸2を貫通させる貫通穴5を有する円錐状のヤスリ部3で構成される。
【0010】
図2は本発明に係る、両軸回転ヤスリの実施例を示す。
図2において駆動軸2の中央部まで軸用貫通穴を有したヤスリ部3を通し、駆動軸2とヤスリ部3の固定用の溶接4を行なう。
【0011】
上記円錐状のヤスリ部3の表面には、ヤスリ部が左右どちらに回転しても同じ効率でバリ取り研磨できるような目切りが施されている。又ヤスリ部3は炭化珪素質等の砥粒を円錐状に固めて形成加工したものでも良い。
【0012】
上記した構成によれば、鉄板6などに形成された穴7の外側角部にできるバリに対しては、駆動軸2の押し軸側2aを駆動手段1に装着して押しつけながら回転させることで、
図8の如くバリを除去することができる。
【0013】
穴7の内側角部できるバリに対しては、駆動軸2の引き軸側2bを分電盤の内側から穴7を通して鉄板6を挟み込む形態で駆動手段1に装着して、引き寄せながら回転させることで、
図11の如くバリを除去することができる。
【0014】
前記した両軸回転ヤスリは、その一方向に円錐状のヤスリ部3を形成した断面台形状としているが、軸の中央部に円錐状のヤスリ部3の底辺を背中合わせした、断面菱形状にしても良いものである。
【符号の説明】
【0015】
1 駆動手段
2 駆動軸
2a 押し軸側
2b 引き軸側
3 ヤスリ部
4 溶接部
5 貫通穴
6 鉄板
7 成形丸穴
8 バリ
9 分電盤