(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009609
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】流路体
(51)【国際特許分類】
F16L 41/02 20060101AFI20250109BHJP
F25B 41/40 20210101ALI20250109BHJP
【FI】
F16L41/02
F25B41/40 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023122032
(22)【出願日】2023-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】313013357
【氏名又は名称】▲高▼田 寛
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 寛
【テーマコード(参考)】
3H019
【Fターム(参考)】
3H019BA32
3H019BD01
3H019BD03
(57)【要約】
【課題】 従来の流路体の高耐圧対応は、ロー付け面積の拡張や高強度材への置換である。前者はロー付け面積の拡張で対応し、後者は材料コスト面や加工面に課題があった。また、用途により様々な流路体が提供され、流路体の標準化の課題を解消できていなかった。ロー付け面ではシートロー材が多用され、シートロー材の特性から生産性が阻害されることになっていた。
【解決手段】 高耐圧対応では、ロー付け面積の自在な拡張と毛細管現象を最大限に活用したロー付けに最適な構造の二つの手段で対応し、標準化では、高強度の金属板製の流路板を重ね合わせた一体の流路体で多種多様な流路を形成し、流路体の標準化や設計面の制約を解消する。
【選択図】
図1,
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の金属板製の流路板を重ね合わせることで、重ね合わせた面に平行な一以上の流路及び重ね合わせた面に一以上の垂直な流路の少なくとも一方を形成し、重ね合った面にロー付けクリアランスを形成し、重ね合った端部に前記ロー付けクリアランスに通じたロー材の装着部を形成したことを特徴とする流路体。
【請求項2】
一以上の接続部及び一以上の流路穴の少なくとも一方を設けた2枚の流路板の間に、前記流路板より小さい一以上の接続部及び一以上の流路穴の少なくとも一方を設けた流路板を挟み重ね合わせて形成したことを特徴とする請求項1の流路体。
【請求項3】
一以上の接続部及び一以上の流路穴の少なくとも一方を設けた流路板に前記流路板より小さい一以上の接続部及び一以上の流路穴の少なくとも一方を設けた流路板を重ね合わせることを複数回繰り返し、前記流路板が一枚目と最終枚目となることを特徴とする請求項1の流路体。
【請求項4】
2枚の流路板それぞれに左右対称に複数の流路溝を配設し、前記2枚の流路板の流路溝側面を重ね合わせることで前記複数の流路溝が複数の流路を形することを特徴とする請求項1の流路体。
【請求項5】
流路全長または接続部を除く流路に防液部を設けたことを特徴とする請求項2から請求項4の流路体。
【請求項6】
流路体を複数重ね合わせた事を特徴とする請求項2、請求項5の流路体。
【請求項7】
流路板を銅メッキした鉄板としたことを特徴とする請求項1から請求項6の流路体。
【請求項8】
請求項2、請求項3、または請求項4の流路体の少なくともいずれか一方を連結したことを特徴とする流路体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空調機やヒートポンプ式給湯器等に使用する流路体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の環境問題等によりHFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)が地球温暖化防止の規制対象となり、冷媒を使用する流路体では、冷媒としてアンモニア、窒素、水素、プロパン等のへの移行が必至である。これらの冷媒は設計圧力が従来の冷媒より数倍高いため、耐圧強度が低い銅やアルミニュームは厚肉化に向かい、同時に耐圧強度の高いステンレス化が進んでいる。しかしながら、これらの材料は、材料価格面だけでなく省資源化でもデメリットが大きくSDGsの目標を実現することは難しい。特に流路体に使用される材料は、ロー付け接合(以下、ロー付けと称す)が容易であることから、銅、アルミニュームの高価な材料を使用する方向で、厚肉化を軽減する課題解決として、ロー付け面積を拡張して耐圧強度を上げる流路体が提供されている。
【0003】
従来、冷媒を熱源とする空調機や給湯噐等の流体回路を形成する流路体は、分流や分岐を目的とする特許文献1特開平09-159320の二分流分岐管、特許文献2特開2005-114214の分岐管、特許文献3特開2005-337434の三方分岐体、熱交換を目的とする特許文献4特開2004-044896のロールボンドの流路体、特許文献5特開平09-292194の積層型の流路体、特許文献6特開2003―172588の流路板に平行な流路と扁平な流路の2流路を形成する流路体、特許文献7特開2019―190680の2層の流路を有する流路体等の種々の流路体が提供されている。
【0004】
前述の公知の流路体の中で管材を使用するのものとして、特許文献1特開平09-159320は管材を二股分岐に成形しロー付け面積を増加し耐圧強度を上げる。
次に、特許文献2特開2005-114214は分岐管に付属部品を使用し、ロー付け面積を増加し耐圧強度を上げる。
以上に示した2体の流路体は、管材を使用することからロー付け面積の増加に限度があり、ロー付けに最適な構造ではなく、今後の高耐圧対応に万全であるとは言えない。また、多種多様な流路を形成するにも限界があることは明らかである。
次に、板材を使用する特許文献3特開2005-337434の三方分岐管は、板材を管状に成形し二流路を形成する。密接面にはカシメ部を設けて耐圧強化を図るものであるが、価格低減以外は前述の管材と大きな相違はない。
以上の説明から明らかなように、前述の公知の各流路体は、ロー付け面積を拡張するには構造上の制約があり将来の更なる高圧冷媒対応としては不十分である。
また、用途毎に流路体を提供しており標準化を図れるものではない。
【0005】
公知の板材を使用する流路体として、特許文献4特開2004-044896の流路体は、ロールボンド成形で2枚の熱良導金属板を圧着し冷媒と水の流路を一体化し、熱交換を効果的にし、重ね合わせた面に平行な流路を形成する。
流路体の高耐圧対応に対しては、特別な解決手段はない。
特許文献5特開平09-292194の積層型の流路体は、プレス加工した流路板を重ね合わせて流路板に垂直な流路と流路板に平行な流路を形成し、接合材被膜を使用しシートロー材を使用しないことで生産性を改善する。また、流路溝を利用して伝熱性を高めることが要点である。流路体の耐圧強度は、限定個所のロー付部を増加することでのみ対応し、ロー付け面積を自在に拡張できるものではない。
特許文献6特開2003―172588の流路体は複数の流路溝を形成した流路板を重ね、ロー付けや溶接で接合し、流路板に平行な複数の流路を形成し、片面に扁平管の冷媒流路の管を設けた2層構造の流路体で、高耐圧対応は扁平管でロー付け面積を広くすることで対応する。
特許文献7特開2019―190680の流路体は、流路溝を形成する2枚の金属板を重ねて連結部で接合し、流路板に平行な流路を形成したユニットを重ね、連結部の通気穴でユニット間を連通することでコンパクト化を図る。
以上に述べた4体の流路体は、流路板を重ね合わせて複数の流路を形成するが、熱交換を効果的に行うものであり、一体の流路体で多種多様な流路要求にこたえるものではなく、また標準化を図れるものでもない。
また、板材の流路板をロー付けにより流路体を形成する場合、流路板間にシートロー材や接合材を使用する。シートロー材は非常に薄く加工やセットに手間を要し、接合材についても同様に生産性を阻害するものである。すなわち、使い勝手の良い固形ロー材を使用する構造になっていないことが課題である。
更に、最大の課題である高耐圧対応では、ロー付け面積を自在に拡張するとともにロー付けに最適な構造を形成しロー付け強度を高めるものではない。従って、高耐圧対応は十分であるとは言えない。
以上の公知の流路体において、流路体の母材としては銅が主として使用されているが、銅はロー付け性や加工性に優れている反面高価であり、更に世界的な電力網の拡大やEV化等で消費が拡大し、資源争奪リスクや価格変動が懸念され、脱銅はSDGs面でも大きな課題である。
【0006】
従来技術の参考文献
特許文献1特開平09-159320
特許文献2特開2005-114214
特許文献3特開2005-337434
特許文献4特開2004-044896
特許文献5特開平09-292194
特許文献6特開2003―172588
特許文献7特開2019―190680
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上に述べた背景技術の課題解決の流路体として、3点の課題に着眼し解決する。
1.金属板をプレス加工することで生産性や加工性を上げ、一体の流路体で多種多様な流路を形成し流路体の標準化を図ること。
2.固形ロー材を使用し生産性を高めると共に、ロー付に最適な構造にすることでロー付け強度を高めること。
3.ロー付け面積を自在に拡張できる構造にし流路体の耐圧強度を高めること。
また、流路体の必要耐圧強度に見合うロー付け面積に柔軟に変動できること。
以上の課題に対し、下記の3点を具現化する。
▲1▼高強度の金属板性の流路板を重ね合わせて、プレス加工を活用し種々の流路型を取り替えられるようにすることで、複数の流路、多種多様な流路を一体のシンプルな流路体で形成する。以上により、流路体の標準化を実現する。
▲2▼流路体の端部に固形ロー材の装着部を設けてロー材の装着を容易にし、装着部と連通するロー付けクリアランスを設け、毛細管現象で溶融ロー材が流路板間に浸透しロー付け面積を拡張、ロー付け強度を高める構造にする。
▲3▼ロー材の装着部の容量を可変にし、必要耐圧強度に見合うロー材を装着することで必要ロー付け面積を形成しロー材使用量の適正化を図る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の流路体は、複数の金属板を重ね合わせ、前記重ね合わせた面に一以上の平行な流路及び前記重ね合わせた面に一以上の垂直な流路の少なくとも一方を形成し、流路増減、変流等多種多様な流路を形成する。更に、流路体端部に固形ロー材の装着部を設け、流路板に設けた凸部でロー付けクリアランスを形成し毛細管現象を活用することで、ロー付けに最善の構造でロー付け強度を高め、同時にロー付け面積を自在に拡張する流路体で従来の課題を解決する。
【0009】
すなわち、流路体は一以上の接続部を設けた金属板製の2枚の流路板1の間に、複数の流路穴を配設した前記流路板より小さい金属板製の流路板2を挟み重ね合わせることで、一体で多種多様な複数の流路と端部の全周にロー材の装着部を形成する。
各流路板の少なくとも一方の面に凸部を設け、重ね合った面に装着部と連通するロー付けクリアランスを形成する。凸部は溶融ロー材の流れを阻害するものでなければリブ等の公知のものでもよい。
装着部に取り扱いの容易な固形ロー材を装着し、装着したロー材は高温の炉内で溶融し毛細管現象により容易に流路板間の全面に浸透する。
流路板のロー付け面積は、流路体が所定の耐圧強度になるロー付け面積であれば、重ね合った流路板の全面でなくてもよい。但し、流路体の全周にわたりロー付け部を設けることで流路体の気密を確保する。
更に、前述の流路体を複数重ね合わせることや複数の流路板を重ね合わせることで、様々な流路径、偏流、縮流、流路増減等の多種多様な流路を形成する。
本発明における垂直な流路とは、完全な垂直だけでなく一定の誤差の範囲内の実質的な垂直も含むものである。また、平行な流路とは、完全な平行だけでなく一定の誤差の範囲内の実質的な平行も含むものである。
【0010】
他の流路体は、流路板に多種多様な平行な流路を形成する。
すなわち、二枚の金属板製の流路板1と流路板2にそれぞれに、流路を形成する複数の半円形の溝を左右対称に配設する。流路溝両端に接続部を形成する半円の接続溝を配設する。二枚の流路板を重ね合わせることで円形の流路と流路端に円形の接続部を形成し、流路体の流路板が重ね合った端部全周にロー材の装着部を形成する。二枚の流路板の流路側面に凸部を設け、流路板を重ね合わせた時に流路板間に装着部と連通するロー付けクリアランスを形成する。装着部に取り扱いの容易な固形ロー材を装着し、高温炉内で溶融したロー材が毛細管現象でロー付けクリアランス内に浸透し、2枚の流路板をロー付けして気密性と耐圧性の高い流路及び流路体を形成する。
ロー材は装着部にカシメし固定すればロー材の落下を防止できる。
以上から明らかなように、ロー付けに最適な構造にすることで、ロー付け部の強度とロー付け面積を自在に拡張する二つの手段で流路体の耐圧を格段に向上する。また、プレス加工により多種の流路、偏流、縮流、閉路等の多様な流路を形成し、流路板に平行な複数の多種多様な流路を形成する流路体を提供する。
【0011】
流路板は、プレス加工により容易に複数の多様な流路を形成することができる。すなわち、流路体加工金型の流路成形型を取替え自在な部分型にし、種々の流路成形型を入れ替えることで多種多様な流路や閉路や開路を自在にできる。
【0012】
流路体の金属板は、銅板、アルミニューム板、ステンレス板、鉄板等自在に選択ができるが、特に板金加工製の高い安価な鉄板に銅メッキをすることで、ロー付けが容易になる。
【発明の効果】
【0013】
流路体の耐圧面では、
流路板を重ね合わせた面に設けたロー付けクリアランスと流路体端部のロー材の装着部の構造は、溶融ロー材を流路板間全面に素早く浸透させ、ロー付け強度を高めるとともにロー付け面積を流路板間全面に確実に拡張することで耐圧強度を格段に向上する。すなわち、公知の流路体の最大の課題であるカーボンニュートラル実現の高圧冷媒の課題を完全に解消する。
流路体の標準化面では、
金属板を重ね合わせるだけのシンプルな構造で、一体の流路体で複数の多種多様な流路を提供でき、流路体の標準化や共通化を実現し、空調機や給湯機等における設計面の制約もなくし、様々な設計ニーズに最適な流路体を提供する。
生産性では、
金属板の流路板を公知のプレス工法と加工金型を着脱自在な構造で活用することで、多種多様な流路を容易に形成する。更に流路板に銅メッキを施した鉄板を使用することで、銅材同様のロー付け性と材料価格の大幅な低減となる。
本発明の流路体は、複数の金属板を重ね合わせることで、一体の流路体で複数流入部と複数流出部を形成し、前記重ね合わせた面に平行な流路及び前記重ね合わせた面に垂直な流路の少なくとも一方の流路を形成し、複数の多種多様な流路を形成することができ、流路体の標準化が格段に推進できることは明白である。
生産面においては、
流路体の標準化については、一体の流路体で複数の多種多様な流路を提供できたことで、流路体の標準化や共通化を推進できることは明らかで、空調機や給湯機等における設計面の制約をなくし、様々な設計ニーズに最適な流路体を提供する。
以上のように、本発明の流路体はSDGsの目標達成を実現する流路体である。
【0014】
前述で記載したように、流路板を資源が豊富でリサイクル容易な鉄板にすることで、市場の材料価格動向に左右されず安価になる。鉄板に銅メッキすることで作業性のよいリン銅ローによるロー付けを選択できる。銅メッキについての試験結果では.鉄板1.6mm、銅メッキ厚8μmの試験体をリン銅ロー材でロー付けし、気密試験(空気圧)3MPa、耐圧試験(水圧)15MPaで検査をした結果、流路体のロー付け部漏れ0、破壊部0の結果であった。また、ロー付けによるメッキ剥がれなしの結果でもあった。従って、今後の冷媒として使用が予測されるアンモニア、プロパン等に対応することができる。二酸化炭素の場合、耐圧試験圧力は更に超高圧であるが、板厚やロー付け面積を増加することで対応できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施例1として
図1から
図14に基づき説明する。実施例1は流路板を積み重ねた流路体で、流路は流路板に垂直に形成するものと流路板に垂直と流路板に平行の両方を形成するものである。尚、ロー付けクリアランスは拡大図にのみ図示する。また、図中、流路の表示と接続部の表示を併記し、接続部は( )内に表示している。
(イ)
図1~
図5に示すように、
流路体1(A)は長方形に形成し、2枚の同型の金属製の流路板1a(1a)で流路板1a(1a)及び流路板1b(1b)より小さい金属製の流路板2(2)を挟み重ねて形成する。すなわち、流路板1a(1a)と流路板1b(1b)の間に流路板1a(1a)より小さい流路板2(2)を挟み重ね合わせて流路体1(A)形成する。実施例では、流入側に流路板1a(1a)、流出側に流路板1b(1b)を配設する。
流路体1(A)の形状を他の方形や円形等にする場合は、前述の流路板も同様の形状にする。
流路板2(2)を流路板1a(1a)、流路板1b(1b)より小さくし、流路板2(2)を流路板1a(1a)と流路板1b(1b)で挟み重ね合わせることで流路板2(2)の外側に空間を形成し、流路体1(A)の端部全周に装着部1(14)が形成される。
装着部1(14)は、固形のロー材(r)を装着し、後述するロー付けクリアランス(α)に通じるように設ける。
以上から明らかなように、流路板2(2)は流路板1a(1a)、流路板1b(1b)の外寸に対し、装着部1(14)の大きさだけ小さくする。
流路体1(A)の外形を問わなければ、流路板1a(1a)と流路板1b(1b)は同型でなくてもよいが、流路板2(2)を挟み重ね合わせた時に装着部1(14)を形成するような流路板2(2)としなければならない。
装着部1(14)は、3枚の流路板をロー付けするのに適合するロー材容量を収納できるように形成する。装着部1(14)の容量は、流路板2(2)の板厚を変えること、流路板1a(1a)あるいは流路板1b(1b)、流路板2(2)の寸法を変えること、ロー付けクリアランス(α)等で変化させることができる。
流路板1a(1a)に接続部1(1aa)、接続部2(1ab)、接続部3(1ac)を設ける。下部の流路板1b(1b)に接続部4(1aaa)、接続部5(1aab)、接続部6(1aba)、接続部7(1abb)、接続部8(1abc)、接続部9(1aca)、接続部10(1acb)を設ける。前述の接続部1(1aa)~接続部10(1acb)に、それぞれ接続管1(n1)~接続管10(n10)をロー付けする接続穴を設ける。接続穴は接続管外径にロー付けクリアランス(α)を加えた径にする。
(ロ)流路板2(2)に、流路板1a(1a)の接続部1(1aa)と流路板1b(1b)の接続部4(1aaa)、接続部5(1aab)に通じる流路穴1(10)を設ける。
流路板2(2)に、流路板1a(1a)の接続部2(1ab)と流路板1b(1b)の接続部6(1aba)、接続部7(1abb)、接続部8(1abc)に通じる流路穴11(11)を設ける。
流路板2(2)に、流路板1a(1a)の接続部3(1ac)と流路板1b(1b)の接続部9(1aca)、接続部10(1acb)と通じる流路穴3(12)を設ける。
以上により、流路は以下のように形成される。
流路1(3)は、流路板1a(1a)の接続部1(1aa)から流入し流路板2(2)の流路穴1(10)を経由し流路板1b(1b)の接続部4(1aaa)に流出。
流路2(4)は、流路板1a(1a)の接続部1(1aa)から流入し流路板2(2)の流路穴1(10)を経由し流路板1b(1b)の接続部5(1aab)に流出。
流路3(5)は、流路板1a(1a)の接続部2(1ab)から流入し流路板2(2)の流路穴1(11)を経由し流路板1b(1b)の接続部6(1aba)に流出。
流路4(6)は、流路板1a(1a)の接続部2(1ab)から流入し流路板2(2)の流路穴1(11)を経由し流路板1b(1b)の接続部7(1abb)に流出。
流路5(7)は、流路板1a(1a)の接続部2(1ab)から流入し流路板2(2)の流路穴1(11)を経由し流路板1b(1b)の接続部8(1abc)に流出。
流路6(8)は、流路板1a(1a)の接続部3(1ac)から流入し流路板2(2)の流路穴1(12)を経由し流路板1b(1b)の接続部9(1aca)に流出。
流路7(9)は、流路板1a(1a)の接続部3(1ac)から流入し流路板2(2)の流路穴1(12)を経由し流路板1b(1b)の接続部10(1acb)に流出。
以上により、多種多様な7種類の異なった流路を形成する。
(ハ)
図5に示すように、流路板1a(1a)と流路板2(2)と流路板1b(1b)を重ね合わせた時に、流路板1a(1a)と流路板2(2)、流路板2(2)と流路板1b(1b)の間にロー付けクリアランス(α)を形成する凸部(13)を設ける。凸部(13)は、流路板1a(1a)、流路板2(2)、流路板1b(1b)のいずれの板面に設けても良い。凸部(13)は、溶融ロー材が浸透するのを阻害しないように配設する。本実施例では、流路体1(A)の外寸を均一にするために凸部(13)の高さを均一にする。ロー付けクリアランス(α)は0.05mm~0.3mmとされる。従って、凸部(13)の高さは、前記記載の範囲内にする。以上のように、凸部(13)の高さはロー付けクリアランス(α)と同一である。
棒状ロー材使用時を例にとると、装着部1(14)の必要高さをh、ロー付けクリアランス(α)をc、棒状のロー材(r)の径をd、流路板2(2)の板厚をtとした場合、装着部1(14)の高さhは(c+t+c)、ロー材(r)については(d<=h)になるようなロー材を使用する。
流路体1(A)の1辺あたり容積は、装着部1(14)の長さをLとした場合、概略(hxLx流路板2(2)の1辺長)となる。
(ニ)
図6に示すように、
流路板2(2)の各辺端部にテーパ部(p)を設けることで、溶融ロー材の流路板間への浸透を容易にする。
すなわち、装着部1(14)に装着した固形のロー材は、高温炉内で溶融し、毛細管現象により流路板間内部に浸透し流路板をロー付けする。
均一なロー付けクリアランス(α)を形成する凸部(13)を、流路板が重ねあつた全面に設けることにより、ロー付け面積は重ね合った全域に拡張できることで流路体1(A)の耐圧強度は格段に向上する。
ロー材の浸透には加熱方法も重要な要素であるが、単に流路板と流路板を単に重ねてロー付けする場合に比して、最適なロー付けクリアランス(α)を設けたことで、ロー材(r)の浸透性が格段に優ることは明らかである。
本実施例の流路体1(A)は、耐圧強度や性能面で問題がなければ、流路板間の全面がロー付けされなくても差し支えないが、気密性においては流路体全周に未ロー付け部がないようにし、少なくともロー付け部のロー付け代は6mm以上にすることが望ましい。
ロー材(r)を棒状や板状等の固形ロー材を使用することで、シートロー材の使い勝手の悪さを解消し生産性を高める。
(ホ)
図7に示すように、
流路体2(A1)は、流路体1a(Aa)~流路体1e(Ae)の5体の流路体を積み重ねて形成することで、多種多様な流路を提供する。流路体1a(Aa)~流路体1e(Ae)を重ね合わせた面を接着剤等で接合し一体化する。熱伝導性の接着剤を使用すれば、各流路体間で熱伝導することができる。
本実施例では、流路体1a(Aa)~流路体1e(Ae)を個々に事前生産しておける利点があり、用途毎に流路体を組み合わせて使用することができる。
(ヘ)
図8に示すように、
流路体3(A2)は、流路板1m(1m)~流路板1r(1r)と流路板2f(2f)~流路板2j(2j)を交互に積み重ねることで、重ね合わせた流路板で装着部1f(14f)~装着部1j(14j)を形成する。流路板1m(1m)に接続部1b~接続部3b(図示せず)を設け、流路板1r(1r)に接続部4b~接続部10b(図示せず)を設ける。接続部に接続管1b(n1b)~接続管10b(n10b)をロー付けする。
本実施例では、すべての流路板を高温炉内でロー付けし一体化できる利点がある。
(ト)
図9に示すように、
流路体3(A2)の4面に枠板(19)を設け、密閉した筺体でロー付け部の環境影響による劣化を防止する。
(チ)
図10に示すように、
流路体3(A2)の流路は、流路板1m(1m)に接続部1b(1ba)~接続部3b(1bc)を設け、流路板1r(1r)にも接続部4b~接続部10b(図示せず)を設ける。流路板1n(1n)~流路板1q(1q)と流路板2f(2f)~流路板2j(図示せず)に設けた種々の流路穴により流路を形成する。すなわち、接続部から流入した流体は、流路板の流路穴により流路板に並行、あるいは流路板に垂直な流路を形成し複数の流路を形成する。
(リ)
図11、
図12に示すように、
流路体5(A4)は、流路板に垂直な流路を形成する。流路板1s(1s)と流路板2k(2k)と流路板1t(1t)を重ね合わせて,装着部1d(14d)、流路板に垂直な流路1d(3d)~流路5d(7d)を形成する。流路体5(A4)は、流路体以外に流路板を放熱板とする蓄熱型の熱交換器等に活用できる。
尚、図中、接続部1d(1da)~接続部3d(1dc)、接続部4da(4daa)~接続部5ab(1dab)、接続部6db(1dba)、接続部7dc(1dca)~接続部8db(1dcb)、流路1d(3d)~流路5d(7d)、接続管1d(n1d)~8d(n8d)を示す。
(ヌ)
図13、
図14に示すように、
流路体6(A5)は、流路板1u(1u)~流路板1x(1x)と流路板21(21)~流路板2n(2n)により装着部1e(14e)~装着部1g(14g)を形成した流路体5(A4)により、多数の垂直な流路1e~流路11e(図示せず)を形成する。流路板1u(1u)に接続部1e(1ea)~接続部11e(1ek)を設け、流路板1x(1x)に接続部12ea(1eaa)、接続部13ea~22ea(図示せず)を設ける。以上により流路1e~流路11e(図示せず)の垂直な流路を形成する。
本実施例では、流入側の流路板1u(1u)の接続部1ea(1eaa)と通じた流出側の流路板1x(1x)の接続部12ea(1eaa)を貫通する接続管1e(n1e)を設ける。従って、貫通する流路板すべてに接続部が生じる。
【0016】
以下、本発明の実施例2について
図15~
図27に基づいて詳細に説明する。
実施例2は2枚の流路板を重ね合わせた流路体で、流路は流路板に平行に形成する。尚、凸部及びロー付けクリアランスは拡大図にのみ図示する。
(イ)
図15~
図21に示すように、
流路体101(B)は、金属板製の流路板101(101)と金属板製の流路板102(102)を重ね合わせることで断面が円形の流路を形成するように流路板101(101)と流路板102(102)に左右対称に流路溝を配設する。
流路板101(101)と流路板102(102)を重ね合わせ、円形の流路101(103)、流路102(104)、流路103(105)、流路104(106)、流路105(107)、流路106(108)、流路107(109)を形成する。
尚、以下の説明で流路の内寸を流路径と称して説明する。
また、流路溝、接続溝、装着溝詳細は、
図19,
図20、
図21による。
流路101(103)は、流路板101(101)に流路溝101a(103a)、流路板102(102)に流路溝101b(103b)を設ける。
流路102(104)は、流路板101(101)に流路溝102a(104a)、流路板102(102)に流路溝102b(104b)を設ける。
流路103(105)は,流路板101(101)に流路溝103a(105a)、流路板102(102)に流路溝103b(105b)を設ける。
流路104(106)は,流路板101(101)に流路溝104a(106a)、流路板102(102)に流路溝104b(106b)を設ける。
流路105(107)は,流路板101(101)に流路溝105a(107a)、流路板102(102)に流路溝105b(107b)を設ける。
流路106(108)は,流路板101(101)に流路溝106a(108a)、流路板102(102)に流路溝106b(108b)を設ける。
流路107(109)は,流路板101(101)に流路溝107a(109a)、流路板102(102)に流路溝107b(109b)を設ける。
流路ゾーン1(Z1)の流路溝は流路101(103)~流路103(105)で共通であり、流路ゾーン2(Z2)の流路溝は流路104(106)~流路107(109)で共通である。
接続溝の長さは、接続管のロー付けに必要なロー付け長さとする。
以上のように、流路板101(101)と流路板102(102)に左右対称に形成した流路溝は、流路板101(101)と流路板102(102)を重ね合わせることで一体化し円形の流路を形成する。
流路板101(101)と流路板102(102)の流路溝を左右対称に形成することは、プレス加工をする上で重要な要点である。すなわち、流路加工に必要な金型を共通化することで金型コスト、加工コストを低減し安価な流路体を簡易な構造で提供できる。
尚、流路の断面形状は流体の抵抗から円形が望ましいが、円形以外の断面形状でも差し支えない。
(ロ)流路101(103)の端部に、流入部として接続部101(1001)、流出部として接続部103(1003)、接続部104(1004)、接続部105(1005)を設ける。
流路102(104)の端部に、流入部として接続部102(1002)、流出部として接続部106(1006)、接続部107(1007)、接続部108(1008)、接続部109(1009)の流出部を設ける。各接続部は、流路板101(101)と流路板102(102)の流路端に流路板101(101)に接続溝101(1001a)~接続溝109(1009a)、前記接続溝と左右対称に流路板102(102)に接続溝101(1001b)~接続溝109(1009b)を設ける。流路板101(101)と流路板102(102)を重ね合わせることで各流路端に接続部を形成する。各接続部は、ロー付けする接続管の外径にロー付けクリアランスを考慮した内径にする。流路板101(101)と流路板102(102)に各接続部の内径の1/2の半円形の接続溝を設ける。
以上のように接続部を形成し、接続部101(1001)から接続部103(1003)、接続部104(1004)、接続部105(1005)の3流路に分流する。
接続部102(1002)から接続部106(1006)、接続部107(1007)、接続部108(1008)、接続部109(1009)の4流路に分流する。
各接続部に接続管(図示せず)をロー付けする。接続部は流入部あるいは流出部となる。接続管径が流路径より小さい場合は接続部を縮管、大きい場合は拡管する。尚、流路径と接続管外径が同程度で縮管、拡管の必要がない場合は流路径でよい。
(ハ)
図15に示すように、
流路板101(101)と流路板102(102)をプレス加工で成形する場合、流路101(103)の流入側の接続部101(1001)から分流点までのゾーン1(Z1)と流路102(104)の流入側の接続部102(1002)から分流点までのゾーン2(Z2)の金型とゾーン1(Z1)の支流部を成形する金型と、ゾーン2(Z2)の支流部を成形する金型をそれぞれ着脱自在な部分金型とすることで、他の流路成形金型と交換し多種多様な流路を形成することができる。
(ニ)
図15に示すように
流路体101(B)の流路106(108)内のya-yb間の流路内径を縮径することで流出速度を上げることができる。すなわち、流路体101(B)は自在に流路径を変化させて流速や流量を調整することで様々な設計ニーズや施工ニーズに柔軟に対応することができる。このような流路の形成は、流路部分のプレス加工金型を取り換えが自在な公知の金型構造にすることで容易に形成できる。
(ホ)接続部を除く流路板101(101)と流路板102(102)の端部を段押しし、流路板101(101)に装着溝101(114a)、流路板102(102)に装着溝102(114b)を設け、流路板101(101)と流路板102(102)重ね合わせて装着部101(114)を形成する。すなわち、接続部を除く端部全周に設ける。
装着部101(114)は、後述するロー付けクリアランス(α)に通じるように設ける。装着部101(114)は、流路板101(101)と流路板102(102)をロー付けする量の固形のロー材(r)を装着する大きさにする。ロー材(r)装着後、装着部101(114)を押圧してロー材(r)をカシメし脱落を防止してもよい。
(ヘ)
図22、
図23に詳細を示すように、
流路板101(101)及び流路板102(102)の少なくとも一方の流路面側に凸部(113)を設け、流路板101(101)と流路板102(102)を重ね合わせた時に、ロー付けクリアランス(α)を形成するように配設する。流路板101(101)と流路板102(102)に設ける凸部(113)はそれぞれが干渉しないように、また溶融ロー材の流れを阻害しないように配置する。凸部(113)に変えてリブ等などロー付けクリアランスを形成し溶融ロー材の浸透を阻害しなければ、公知のものでもよい。尚、凸部(113)は、ロー付けクリアランス(α)を維持することができれば、配置する位置や個数に制約はない。
ロー付けクリアランス(α)は、装着部101(114)と連通することで溶融ロー材を流路板間に導きロー付け面積を拡張する。装着部101(114)の容量を可変にできる構造により、耐圧強度に見合ったロー付け面積に適合するロー材(r)を装着することができる。すなわち、必要ロー付け面積に見合うようにロー材(r)量に変動させることができる。但し、実施例1でも説明したように、流路体101(B)のロー付け強度の低下やロー付け漏れが生じないように配慮する。
(ト)
図22に詳細を示すように、
各流路(接続部を含む)の両端部に、溶融ロー材が流路内に侵入しないように防液部(115)を設ける。流路板101(101)と流路板102(102)の流路(接続溝を含む)の流路溝または接続部を除く流路溝の両端に起立した縁(116)を左右対称に配設する。流路板101(101)と流路板102(102)を重ね合わせ、流路板101(101)と流路板102(102)のそれぞれの縁(116)は密接し、凸部(113)と同高の防液部(115)を形成する。一方の流路板に縁(116)設けて防液部(115)を形成してもよい。ロー材の流れをコントロールすることで流路内に溶融ロー材の流出防止ができれば防液部(115)を設けなくてもよい。また、溶融ロー材が流路内に侵入しないように、流路両端部を公知のカシメや圧着構造にしてもよい。
(チ)
図23に示すように
装着部101(114)は、溶融ロー材が流路板間に素早く浸透できるようにテーパ(p)を設けることで、溶融ロー材の流路体101(B)外への漏れを防止できる。尚、装着部101(114)の高さ(h)は構造上自在に変更することができることは明らかである。
(リ)
図24に示すように、
溶融ロー材の浸透を更に容易にするために、装着部101(114)からロー付けクリアランス(α)の範囲内で流路に向かって傾斜的に変化させてもよい。すなわち、図中のロー付けクリアランス始点(z)からロー付けクリアランス(α)まで減少させる。
(ヌ)
図25に示すように
接続部の両側に接続部ロー付けクリアランス(αs)を設ける。図のように、接続部104(1004)の両側に接続部ロー付けクリアランス(αs)を設けることで、装着部101(104)、接続部ロー付けクリアランス(αs)、接続部104(1004)は連通し、流路板101(101)、流路板102(102)、接続管104(n104)を一気にロー付けできる。
一般的に接続管をロー付けする場合、リングロー材を装着した接続管を使用するが、実施例では、装着部101(114)の溶融ロー材が接続部ロー付けクリアランス(αs)から接続部104(1004)へ浸透し接続管104(n104)を同時にロー付けする。従って、接続管104(n104)のリングロー材は不要となる。
以上のロー付け構造により、流路体101(B)はロー付け強度を高められ、ロー付け面積の拡張とで耐圧強度が格段に向上する。
(ル)
図26,
図27に示すように、
流路体101(B)の流路105(107)の接続部107(1007)に閉路部(118)を設けて流路105(107)を閉路する。すなわち、接続部107(1007)をプレスで扁平加工し、接続部107(1007)を閉口しロー付けすることで気密を保持する。
すなわち、流路体101(B)は設計ニーズに対応して流路の増減が容易にできる。また、流路105(107)の成形金型を取り外すことで流路105(107)そのものを成形しないこともできる。
従来、閉路する場合は、接続部に接続管をロー付けし接続管端部を扁平にし、扁平部をロー付けしていた。本実施例では流路体の流路そのものを扁平加工しロー付けすること、あるいは流路型を取り替えることで閉路が自在にできる。
尚、実施例1の場合は、接続部や流路穴の有無別の流路板を選択し交換することで閉路や流路増減ができるが、本実施例はより容易である。
以上のように、流路金型を取り換えることや追加加工で一体の流路体で流路を容易に増減することができる。また、構造上から明らかなように、流入部や流出部を流路体の全方位のいずれにも設けることができる。
【0017】
金属板を重ね合わせる流路体は、高温炉内のロー付けで一体化する。一般的に流路板間にシートロー材と呼ばれる紙状の薄いロー材を敷設しロー付けする。
この場合、シートロー材における流路等の非ロー付け部分の抜き加工やシートロー材のセット作業に手間がかかり生産性を大きく阻害する。特に多種多様な流路を形成する流路体の場合、シートロー材の成形が著しく困難であり、作業効率が悪くなることは明白である。
本発明の流路体では、流路体端部に棒状あるいは板状ロー材を装着し、種々のロー付けクリアランスで毛細管現象を最大限に活用することでロー付け面積を容易に拡張し流路体の耐圧強度を上げ、更にロー付け構造の最適化で高強度化を図り流路体の耐圧強度を格段に高めることができる。
【0018】
図28に示すように、
実施例1と実施例2の流路体を組み合わせて連結した流路体装置(C)を形成することで、全方位に多流入多流出することができ。空調機や給湯器等の施工面で有用である。また、各流路体が薄型であることから狭い施工空間でも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図8】 流路板1と流路体2を複数積み重ねた流路体の正面図
【
図20】 流路板101と流路板102の底面図(溝部の図)
【符号の説明】
【0020】
流路体1 A
流路板1a 1a 流路板1b 1b
流路板2 2
流路1~流路7 3~9
流路穴1 10 流路穴2 11 流路穴3 12
接続部1~接続部3 1aa、1ab、1ac
接続部4、接続部5 1aaa、1aab
接続部6~接続部8 1aba,1abb、1abc
接続部9、接続部10 1aca、1acb
流路1 3 流路2 4 流路3 5
接続管1~接続管10 n1~n10
凸部 13
装着部1 14
ロー付けクリアランス α ロー材 r テーパ部 p
流路体2 A1
流路体1a~流路体1e Aa~Ae
流路1a~流路7a 3a~9a
流路板1c 1c 流路板1d 1d
流路板1e 1e 流路板1f 1f
流路板1g 1g 流路板1h 1h
流路板1i 1i 流路板1j 1j
流路板1k 1k 流路板1l 1l
流路板2a~流路板2e 2a~2e
接続部1a~接続部3a 1aa~1ac
接続部4a~接続部10a 1ad~1aj
接続管1a~接続管10a n1a~n10a
装着部1a~装着部1e 14a~14e
流路体3 A2
流路1b~流路7b 3b~9b
流路板1m 1m 流路板1n 1n
流路板1o 1o 流路板1p 1p
流路板1q 1q 流路板1r 1r
流路板2f~流路板2j 2f~2j
接続部1b~接続部3b 1ba~1bc
接続部4b~接続部10b 図示せず
接続管1b~接続管10b n1b~n10b
装着部1f~装着部1j 14f~14j
流路体4 A3
流路体3 A2
枠板 19
流路体5 A4
流路板1s~流路板1t 1s~1t
流路板2k 2k
流路1d~流路5d 3d~7d
接続部1d~接続部3d 1da~1dc
接続部4da~接続部5db 1daa~1dab
接続部6db 1dba
接続部7dc~接続部8db 1daa~1dab
装着部1d 14d
接続管1d~8d n1d~n8d
流路体6 A5
流路板1u~流路板1x 1u~1x
流路板2q~流路板2s 2l~2n
流路1e~11e (図示せず)
接続部1e~接続部11e 1ea~1ek
接続部12ea 1eaa
接続部13ea~接続部22ea(図示せず)
装着部1e~装着部1g 14e~14g
流路体101 B
流路板101 101
流路板102 102
流路101~流路107 103~109
流路溝101a~107a 103a~109a
流路溝101b~107b 103b~109b
流路ゾーン1 Z1 流路ゾーン2 Z2
接続部101~接続部109 1001~1009
接続溝101~接続溝109 1001a~1009a
接続溝101~接続溝109 1001b~1009b
凸部 113
装着部1 114 装着溝101 114a 装着溝102 114b
防液部 115 縁 116
閉路部 118
接続管104(n104)
ロー付けクリアランス α ロー付けクリアランス始点 z
接続部ロー付けクリアランス αs
流路体装置 C
【手続補正書】
【提出日】2023-09-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の金属板製の流路板を重ね合わせることで、重ね合わせた面に平行な一以上の流路及び重ね合わせた面に一以上の垂直な流路の少なくとも一方を形成し、重ね合った面にロー付けクリアランスを形成し、重ね合った端部に前記ロー付けクリアランスに通じたロー材の装着部を形成したことを特徴とする流路体。
【請求項2】
一以上の接続部及び一以上の流路穴の少なくとも一方を設けた2枚の流路板の間に、前記流路板より小さい一以上の接続部及び一以上の流路穴の少なくとも一方を設けた流路板を挟み重ね合わせて形成したことを特徴とする請求項1の流路体。
【請求項3】
一以上の接続部及び一以上の流路穴の少なくとも一方を設けた流路板に前記流路板より小さい一以上の接続部及び一以上の流路穴の少なくとも一方を設けた流路板を重ね合わせることを複数回繰り返し、前記流路板が一枚目と最終枚目となることを特徴とする請求項1の流路体。
【請求項4】
2枚の流路板それぞれに左右対称に複数の流路溝を配設し、前記2枚の流路板の流路溝側面を重ね合わせることで前記複数の流路溝が複数の流路を形成することを特徴とする請求項1の流路体。
【請求項5】
流路全長または接続部を除く流路に防液部を設けたことを特徴とする請求項2から請求項4の流路体。
【請求項6】
流路体を複数重ね合わせた事を特徴とする請求項2、請求項5の流路体。
【請求項7】
流路板を銅メッキした金属板としたことを特徴とする請求項1から請求項6の流路体。
【請求項8】
請求項2、請求項3、または請求項4の流路体の少なくともいずれか一方を連結したことを特徴とする流路体装置。
【請求項9】
小さい流路板の端部にテーパ部を設けたことを特徴とする請求項2,請求項3、請求項5,請求項6、請求項7の流路体。
【請求項10】
装着部にテーパ部を設けたことを特徴とする請求項4,請求項5,請求項7の流路体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
流路体の金属板は、銅板、アルミニューム板、ステンレス板、鉄板等自在に選択ができるが、特に板金加工性の高い安価な鉄板に銅メッキをすることで、ロー付けが容易になる。従って、他の銅メッキした金属板よりコストメリットがある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
本発明の実施例1として
図1から
図14に基づき説明する。実施例1は流路板を積み重ねた流路体で、流路は流路板に垂直に形成するものと流路板に垂直と流路板に平行の両方を形成するものである。尚、ロー付けクリアランスは拡大図にのみ図示する。また、図中、流路の表示と接続部の表示を併記し、接続部は( )内に表示している。
(イ)
図1~
図5に示すように、
流路体1(A)は長方形に形成し、2枚の同型の金属製の流路板1a(1a)で流路板1a(1a)及び流路板1b(1b)より小さい金属製の流路板2(2)を挟み重ねて形成する。すなわち、流路板1a(1a)と流路板1b(1b)の間に流路板1a(1a)より小さい流路板2(2)を挟み重ね合わせて流路体1(A)形成する。実施例では、流入側に流路板1a(1a)、流出側に流路板1b(1b)を配設する。流路体1(A)の形状を他の方形や円形等にする場合は、前述の流路板も同様の形状にする。
流路板2(2)を流路板1a(1a)、流路板1b(1b)より小さくし、流路板2(2)を流路板1a(1a)と流路板1b(1b)で挟み
重ね合わせることで流路板2(2)の外側に空間を形成し、流路体1(A)の端部全周に装着部1(14)が形成される。
装着部1(14)は、固形のロー材(r)を装着し、後述するロー付けクリアランス(α)に通じるように設ける。
以上から明らかなように、流路板2(2)は流路板1a(1a)、流路板1b(1b)の外寸に対し、装着部1(14)の大きさだけ小さくする。
流路体1(A)の外形を問わなければ、流路板1a(1a)と流路板1b(1b)は同型でなくてもよいが、流路板2(2)を挟み重ね合わせた時に装着部1(14)を形成するような流路板2(2)としなければならない。
装着部1(14)は、3枚の流路板をロー付けするのに適合するロー材容量を収納できるように形成する。装着部1(14)の容量は、流路板2(2)の板厚を変えること、流路板1a(1a)あるいは流路板1b(1b)、流路板2(2)の寸法を変えること、ロー付けクリアランス(α)等で変化させることができる。
流路板1a(1a)に接続部1(1aa)、接続部2(1ab)、接続部3(1ac)を設ける。下部の流路板1b(1b)に接続部4(1aaa)、接続部5(1aab)、接続部6(1aba)、接続部7(1abb)、接続部8(1abc)、接続部9(1aca)、接続部10(1acb)を設ける。前述の接続部1(1aa)~接続部10(1acb)に、それぞれ接続管1(n1)~接続管10(n10)をロー付けする接続穴を設ける。接続穴は接続管外径にロー付けクリアランス(α)を加えた径にする。
(ロ)流路板2(2)に、流路板1a(1a)の接続部1(1aa)と流路板1b(1b)の接続部4(1aaa)、接続部5(1aab)に通じる流路穴1(10)を設ける。
流路板2(2)に、流路板1a(1a)の接続部2(1ab)と流路板1b(1b)の接続部6(1aba)、接続部7(1abb)、接続部8(1abc)に通じる流路穴11(11)を設ける。
流路板2(2)に、流路板1a(1a)の接続部3(1ac)と流路板1b(1b)の接続部9(1aca)、接続部10(1acb)と通じる流路穴3(12)を設ける。
以上により、流路は以下のように形成される。
流路1(3)は、流路板1a(1a)の接続部1(1aa)から流入し流路板2(2)の流路穴1(10)を経由し流路板1b(1b)の接続部4(1aaa)に流出。
流路2(4)は、流路板1a(1a)の接続部1(1aa)から流入し流路板2(2)の流路穴1(10)を経由し流路板1b(1b)の接続部5(1aab)に流出。
流路3(5)は、流路板1a(1a)の接続部2(1ab)から流入し流路板2(2)の流路穴1(11)を経由し流路板1b(1b)の接続部6(1aba)に流出。
流路4(6)は、流路板1a(1a)の接続部2(1ab)から流入し流路板2(2)の流路穴1(11)を経由し流路板1b(1b)の接続部7(1abb)に流出。
流路5(7)は、流路板1a(1a)の接続部2(1ab)から流入し流路板2(2)の流路穴1(11)を経由し流路板1b(1b)の接続部8(1abc)に流出。
流路6(8)は、流路板1a(1a)の接続部3(1ac)から流入し流路板2(2)の流路穴1(12)を経由し流路板1b(1b)の接続部9(1aca)に流出。
流路7(9)は、流路板1a(1a)の接続部3(1ac)から流入し流路板2(2)の流路穴1(12)を経由し流路板1b(1b)の接続部10(1acb)に流出。
以上により、多種多様な7種類の異なった流路を形成する。
(ハ)
図5に示すように、流路板1a(1a)と流路板2(2)と流路板1b(1bを重ね合わせた時に、流路板1a(1a)と流路板2(2)、流路板2(2)と流路板1b(1b)の間にロー付けクリアランス(α)を形成する凸部(13)を設ける。凸部(13)は、流路板1a(1a)、流路板2(2)、流路板1b(1b)のいずれの板面に設けても良い。凸部(13)は、溶融ロー材が浸透するのを阻害しないように配設する。本実施例では、流路体1(A)の外寸を均一にするために凸部(13)の高さを均一にする。ロー付けクリアランス(α)は0.05mm~0.3mmとされる。従って、凸部(13)の高さは、前記記載の範囲内にする。以上のように、凸部(13)の高さはロー付けクリアランス(α)と同一である。
棒状ロー材使用時を例にとると、装着部1(14)の必要高さをh、ロー付けクリアランス(α)をc、棒状のロー材(r)の径をd、流路板2(2)の板厚をtとした場合、装着部1(14)の高さhは(c+t+c)、ロー材(r)については(d<=h)になるようなロー材を使用する。
流路体1(A)の1辺あたり容積は、装着部1(14)の長さをLとした場合、概略(hxLx流路板2(2)の1辺長)となる。
(ニ)
図6に示すように、
流路板2(2)の各辺端部にテーパ部(p)を設けることで、溶融ロー材の流路板間への浸透を容易にする。
すなわち、装着部1(14)に装着した固形のロー材は、高温炉内で溶融し、毛細管現象により流路板間内部に浸透し流路板をロー付けする。
均一なロー付けクリアランス(α)を形成する凸部(13)を、流路板が重ねあつた全面に設けることにより、ロー付け面積は重ね合った全域に拡張できることで流路体1(A)の耐圧強度は格段に向上する。
ロー材の浸透には加熱方法も重要な要素であるが、単に流路板と流路板を単に重ねてロー付けする場合に比して、最適なロー付けクリアランス(α)を設けたことで、ロー材(r)の浸透性が格段に優ることは明らかである。
本実施例の流路体1(A)は、耐圧強度や性能面で問題がなければ、流路板間の全面がロー付けされなくても差し支えないが、気密性においては流路体全周に未ロー付け部がないようにし、少なくともロー付け部のロー付け代は6mm以上にすることが望ましい。
ロー材(r)を棒状や板状等の固形ロー材を使用することで、シートロー材の使い勝手の悪さを解消し生産性を高める。
(ホ)
図7に示すように、
流路体2(A1)は、流路体1a(Aa)~流路体1e(Ae)の5体の流路体を積み重ねて形成することで、多種多様な流路を提供する。流路体1a(Aa)~流路体1e(Ae)を重ね合わせた面を接着剤等で接合し一体化する。熱伝導性の接着剤を使用すれば、各流路体間で熱伝導することができる。
本実施例では、流路体1a(Aa)~流路体1e(Ae)を個々に事前生産しておける利点があり、用途毎に流路体を組み合わせて使用することができる。
(ヘ)
図8に示すように、
流路体3(A2)は、流路板1m(1m)~流路板1r(1r)と流路板2f(2f)~流路板2j(2j)を交互に積み重ねることで、重ね合わせた流路板で装着部1f(14f)~装着部1j(14j)を形成する。流路板1m(1m)に接続部1b~接続部3b(図示せず)を設け、流路板1r(1r)に接続部4b~接続部10b(図示せず)を設ける。接続部に接続管1b(n1b)~接続管10b(n10b)をロー付けする。
本実施例では、すべての流路板を高温炉内でロー付けし一体化できる利点がある。
(ト)
図9に示すように、
流路体3(A2)の4面に枠板(19)を設け、密閉した筺体でロー付け部の環境影響による劣化を防止する。
(チ)
図10に示すように、
流路体3(A2)の流路は、流路板1m(1m)に接続部1b(1ba)~接続部3b(1bc)を設け、流路板1r(1r)にも接続部4b~接続部10b(図示せず)を設ける。流路板1n(1n)~流路板1q(1q)と流路板2f(2f)~流路板2j(図示せず)に設けた種々の流路穴により流路を形成する。すなわち、接続部から流入した流体は、流路板の流路穴により流路板に並行、あるいは流路板に垂直な流路を形成し複数の流路を形成する。
(リ)
図11、
図12に示すように、
流路体5(A4)は、流路板に垂直な流路を形成する。流路板1s(1s)と流路板2k(2k)と流路板1t(1t)を重ね合わせて,装着部1d(14d)、流路板に垂直な流路1d(3d)~流路5d(7d)を形成する。流路体5(A4)は、流路体以外に流路板を放熱板とする蓄熱型の熱交換器等に活用できる。尚、図中、接続部1d(1da)~接続部3d(1dc)、接続部4da(4daa)~接続部5ab(1dab)、接続部6db(1dba)、接続部7dc(1dca)~接続部8db(1dcb)、流路1d(3d)~流路5d(7d)、接続管1d(n1d)~8d(n8d)を示す。
(ヌ)
図13、
図14に示すように、
流路体6(A5)は、流路板1u(1u)~流路板1x(1x)と流路板2l(2l)~流路板2n(2n)により装着部1e(14e)~装着部1g(14g)を形成した流路体5(A4)により、多数の垂直な流路1e~流路11e(図示せず)を形成する。流路板1u(1u)に接続部1e(1ea)~接続部11e(1ek)を設け、流路板1x(1x)に接続部12ea(1eaa)、接続部13ea~22ea(図示せず)を設ける。以上により流路1e~流路11e(図示せず)の垂直な流路を形成する。
本実施例では、流入側の流路板1u(1u)の接続部1ea(1eaa)と通じた流出側の流路板1x(1x)の接続部12ea(1eaa)を貫通する接続管1e(n1e)を設ける。従って、貫通する流路板すべてに接続部が生じる。
以上の説明から明らかであるが、前述の流路体の流路板は熱伝導板としても機能する。従って、低温流体の流路と高温流体の流路を配設し、高温流体から低温流体へ熱移動するヒートポンプ式給湯器等の熱交換器として有用である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
以下、本発明の実施例2について
図15~
図27に基づいて詳細に説明する。
実施例2は2枚の流路板を重ね合わせた流路体で、流路は流路板に平行に形成する。尚、凸部及びロー付けクリアランスは拡大図にのみ図示する。
(イ)
図15~
図21に示すように、
流路体101(B)は、金属板製の流路板101(101)と金属板製の流路板102(102)を重ね合わせることで断面が円形の流路を形成するように流路板101(101)と流路板102(102)に左右対称に流路溝を配設する。
流路板101(101)と流路板102(102)を重ね合わせ、円形の流路101(103)、流路102(104)、流路103(105)、流路104(106)、流路105(107)、流路106(108)、流路107(109)を形成する。
尚、以下の説明で流路の内寸を流路径と称して説明する。
また、流路溝、接続溝、装着溝詳細は、
図19,
図20、
図21による。
流路101(103)は、流路板101(101)に流路溝101a(103a)、流路板102(102)に流路溝101b(103b)を設ける。
流路102(104)は、流路板101(101)に流路溝102a(104a)、流路板102(102)に流路溝102b(104b)を設ける。
流路103(105)は,流路板101(101)に流路溝103a(105a)、流路板102(102)に流路溝103b(105b)を設ける。
流路104(106)は,流路板101(101)に流路溝104a(106a)、流路板102(102)に流路溝104b(106b)を設ける。
流路105(107)は,流路板101(101)に流路溝105a(107a)、流路板102(102)に流路溝105b(107b)を設ける。
流路106(108)は,流路板101(101)に流路溝106a(108a)、流路板102(102)に流路溝106b(108b)を設ける。
流路107(109)は,流路板101(101)に流路溝107a(109a)、流路板102(102)に流路溝107b(109b)を設ける。
流路ゾーン1(Z1)の流路溝は流路101(103)~流路103(105)で共通であり、流路ゾーン2(Z2)の流路溝は流路104(106)~流路107(109)で共通である。
接続溝の長さは、接続管のロー付けに必要なロー付け長さとする。
以上のように、流路板101(101)と流路板102(102)に左右対称に形成した流路溝は、流路板101(101)と流路板102(102)を重ね合わせることで一体化し円形の流路を形成する。
流路板101(101)と流路板102(102)の流路溝を左右対称に形成することは、プレス加工をする上で重要な要点である。すなわち、流路加工に必要な金型を共通化することで金型コスト、加工コストを低減し安価な流路体を簡易な構造で提供できる。
尚、流路の断面形状は流体の抵抗から円形が望ましいが、円形以外の断面形状でも差し支えない。
(ロ)流路101(103)の端部に、流入部として接続部101(1001)、流出部として接続部103(1003)、接続部104(1004)、接続部105(1005)を設ける。
流路102(104)の端部に、流入部として接続部102(1002)、流出部として接続部106(1006)、接続部107(1007)、接続部108(1008)、接続部109(1009)の流出部を設ける。各接続部は、流路板101(101)と流路板102(102)の流路端に流路板101(101)に接続溝101(1001a)~接続溝109(1009a)、前記接続溝と左右対称に流路板102(102)に接続溝101(1001b)~接続溝109(1009b)を設ける。流路板101(101)と流路板102(102)を重ね合わせることで各流路端に接続部を形成する。各接続部は、ロー付けする接続管の外径にロー付けクリアランスを考慮した内径にする。流路板101(101)と流路板102(102)に各接続部の内径の1/2の半円形の接続溝を設ける。
以上のように接続部を形成し、接続部101(1001)から接続部103(1003)、接続部104(1004)、接続部105(1005)の3流路に分流する。
接続部102(1002)から接続部106(1006)、接続部107(1007)、接続部108(1008)、接続部109(1009)の4流路に分流する。
各接続部に接続管(図示せず)をロー付けする。接続部は流入部あるいは流出部となる。接続管径が流路径より小さい場合は接続部を縮管、大きい場合は拡管する。尚、流路径と接続管外径が同程度で縮管、拡管の必要がない場合は流路径でよい。
(ハ)
図15に示すように、
流路板101(101)と流路板102(102)をプレス加工で成形する場合、流路101(103)の流入側の接続部101(1001)から分流点までのゾーン1(Z1)と流路102(104)の流入側の接続部102(1002)から分流点までのゾーン2(Z2)の金型とゾーン1(Z1)の支流部を成形する金型と、ゾーン2(Z2)の支流部を成形する金型をそれぞれ着脱自在な部分金型とすることで、他の流路成形金型と交換し多種多様な流路を形成することができる。
(ニ)
図15に示すように
流路体101(B)の流路106(108)内のya-yb間の流路内径を縮径することで流出速度を上げることができる。すなわち、流路体101(B)は自在に流路径を変化させて流速や流量を調整することで様々な設計ニーズや施工ニーズに柔軟に対応することができる。このような流路の形成は、流路部分のプレス加工金型を取り換えが自在な公知の金型構造にすることで容易に形成できる。
(ホ)接続部を除く流路板101(101)と流路板102(102)の端部を段押しし、流路板101(101)に装着溝101(114a)、流路板102(102)に装着溝102(114b)を設け、流路板101(101)と流路板102(102)重ね合わせて装着部101(114)を形成する。
すなわち、接続部を除く端部全周に設ける。
装着部101(114)は、後述するロー付けクリアランス(α)に通じるように設ける。装着部101(114)は、流路板101(101)と流路板102(102)をロー付けする量の固形のロー材(r)を装着する大きさにする。ロー材(r)装着後、装着部101(114)を押圧してロー材(r)をカシメし脱落を防止してもよい。
(ヘ)
図22、
図23に詳細を示すように、
流路板101(101)及び流路板102(102)の少なくとも一方の流路面側に凸部(113)を設け、流路板101(101)と流路板102(102)を重ね合わせた時に、ロー付けクリアランス(α)を形成するように配設する。流路板101(101)と流路板102(102)に設ける凸部(113)はそれぞれが干渉しないように、また溶融ロー材の流れを阻害しないように配置する。凸部(113)に変えてリブ等などロー付けクリアランスを形成し溶融ロー材の浸透を阻害しなければ、公知のものでもよい。尚、凸部(113)は、ロー付けクリアランス(α)を維持することができれば、配置する位置や個数に制約はない。
ロー付けクリアランス(α)は、装着部101(114)と連通することで溶融ロー材を流路板間に導きロー付け面積を拡張する。装着部101(114)の容量を可変にできる構造により、耐圧強度に見合ったロー付け面積に適合するロー材(r)を装着することができる。すなわち、必要ロー付け面積に見合うようにロー材(r)量に変動させることができる。但し、実施例1でも説明したように、流路体101(B)のロー付け強度の低下やロー付け漏れが生じないように配慮する。
(ト)
図22に詳細を示すように、
各流路(接続部を含む)の両端部に、溶融ロー材が流路内に侵入しないように防液部(115)を設ける。流路板101(101)と流路板102(102)の流路(接続溝を含む)の流路溝または接続部を除く流路溝の両端に起立した縁(116)を左右対称に配設する。流路板101(101)と流路板102(102)を重ね合わせ、流路板101(101)と流路板102(102)のそれぞれの縁(116)は密接し、凸部(113)と同高の防液部(115)を形成する。一方の流路板に縁(116)設けて防液部(115)を形成してもよい。ロー材の流れをコントロールすることで流路内に溶融ロー材の流出防止ができれば防液部(115)を設けなくてもよい。また、溶融ロー材が流路内に侵入しないように、流路両端部を公知のカシメや圧着構造にしてもよい。
(チ)
図23に示すように
装着部101(114)は、溶融ロー材が流路板間に素早く浸透できるように
テーパ部(p)を設けることで、溶融ロー材の
流路体101(B)内への浸透を容易にするとともに流路体101(B)外への漏れを防止できる。尚、装着部101(114)の高さ(h)は構造上自在に変更することができることは明らかである。
(リ)
図24に示すように、
溶融ロー材の浸透を更に容易にするために、装着部101(114)からロー付けクリアランス(α)の範囲内で流路に向かって傾斜的に変化させてもよい。すなわち、図中のロー付けクリアランス始点(z)からロー付けクリアランス(α)まで減少させる。
(ヌ)
図25に示すように
接続部の両側に接続部ロー付けクリアランス(αs)を設ける。図のように、接続部104(1004)の両側に接続部ロー付けクリアランス(αs)を設けることで、装着部101(104)、接続部ロー付けクリアランス(αs)、接続部104(1004)は連通し、流路板101(101)、流路板102(102)、接続管104(n104)を一気にロー付けできる。
一般的に接続管をロー付けする場合、リングロー材を装着した接続管を使用するが、実施例では、装着部101(114)の溶融ロー材が接続部ロー付けクリアランス(αs)から接続部104(1004)へ浸透し接続管104(n104)を同時にロー付けする。従って、接続管104(n104)のリングロー材は不要となる。
以上のロー付け構造により、流路体101(B)はロー付け強度を高められ、ロー付け面積の拡張とで耐圧強度が格段に向上する。
(ル)
図26,
図27に示すように、
流路体101(B)の流路105(107)の接続部107(1007)に閉路部(118)を設けて流路105(107)を閉路する。すなわち、接続部107(1007)をプレスで扁平加工し、接続部107(1007)を閉口しロー付けすることで気密を保持する。
すなわち、流路体101(B)は設計ニーズに対応して流路の増減が容易にできる。また、流路105(107)の成形金型を取り外すことで流路105(107)そのものを成形しないこともできる。
従来、閉路する場合は、接続部に接続管をロー付けし接続管端部を扁平にし、扁平部をロー付けしていた。本実施例では流路体の流路そのものを扁平加工しロー付けすること、あるいは流路型を取り替えることで閉路が自在にできる。
尚、実施例1の場合は、接続部や流路穴の有無別の流路板を選択し交換することで閉路や流路増減ができるが、本実施例はより容易である。
以上のように、流路金型を取り換えることや追加加工で一体の流路体で流路を容易に増減することができる。また、構造上から明らかなように、流入部や流出部を流路体の全方位のいずれにも設けることができる。