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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025096145
(43)【公開日】2025-06-26
(54)【発明の名称】プリント回路基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20250619BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20250619BHJP
【FI】
H05K1/02 A
H05K3/46 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024173214
(22)【出願日】2024-10-02
(31)【優先権主張番号】10-2023-0181532
(32)【優先日】2023-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】尹 湘基
(72)【発明者】
【氏名】金 龍石
(72)【発明者】
【氏名】金 光洙
(72)【発明者】
【氏名】金 正訓
(72)【発明者】
【氏名】李 泰京
(72)【発明者】
【氏名】李 珍旭
【テーマコード(参考)】
5E316
5E338
【Fターム(参考)】
5E316AA02
5E316AA12
5E316AA32
5E316AA43
5E316CC04
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC16
5E316CC31
5E316CC32
5E316CC33
5E316CC34
5E316CC37
5E316CC38
5E316CC39
5E316CC54
5E316DD17
5E316DD24
5E316DD32
5E316DD33
5E316EE33
5E316FF05
5E316FF07
5E316FF08
5E316FF09
5E316FF10
5E316FF14
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG22
5E316HH40
5E338AA16
5E338AA18
5E338BB19
5E338BB63
5E338EE60
(57)【要約】
【課題】アンダーカットなどの副作用なしに必要な領域に微細回路パターンを形成することができ、絶縁層間の密着力を改善することができるプリント回路基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本開示は、第1絶縁層と、上記第1絶縁層上に配置された複数の第1金属パターンと、を含み、上記第1絶縁層は少なくとも1つのリセス部を有し、上記リセス部は、上記複数の第1金属パターン間に配置され、上記複数の第1金属パターンのそれぞれは、上記第1絶縁層上に配置された第1シード金属層、上記第1シード金属層上に配置された第2シード金属層、及び上記第2シード金属層上に配置されたパターン金属層を含む、プリント回路基板及びその製造方法に関するものである。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上に配置された複数の第1金属パターンと、を含み、
前記第1絶縁層は、少なくとも1つのリセス部を有し、
前記リセス部は、前記複数の第1金属パターンの間に配置され、
前記複数の第1金属パターンのそれぞれは、前記第1絶縁層上に配置された第1シード金属層、前記第1シード金属層上に配置された第2シード金属層、及び前記第2シード金属層上に配置されたパターン金属層を含む、プリント回路基板。
【請求項2】
前記第1シード金属層はチタン(Ti)を含み、
前記第2シード金属層は銅(Cu)を含み、
前記パターン金属層は銅(Cu)を含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項3】
前記複数の第1金属パターンは、前記第1絶縁層の上面上に配置され、
前記第1絶縁層の上面上で、
前記パターン金属層は前記第1シード金属層及び前記第2シード金属層のそれぞれよりも厚い、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項4】
前記複数の第1金属パターンが配置された領域の前記第1絶縁層の上面と、前記リセス部が配置された領域の前記第1絶縁層の上面とが、互いに段差を有する、請求項3に記載のプリント回路基板。
【請求項5】
前記リセス部が配置された領域の前記第1絶縁層の上面は、前記複数の第1金属パターンが配置された領域の前記第1絶縁層の上面よりも表面粗さがさらに大きい、請求項3に記載のプリント回路基板。
【請求項6】
前記リセス部は、前記複数の第1金属パターンの間で前記第1絶縁層の上面から厚さ方向に前記第1絶縁層の一部を貫通する、請求項3に記載のプリント回路基板。
【請求項7】
前記第1絶縁層の下側に配置された複数の第2金属パターンと、
前記複数の第1金属パターン及び第2金属パターンのそれぞれの少なくとも一部の間で前記第1絶縁層の上面及び下面間を貫通する少なくとも1つのビアホールを満たす少なくとも1つのビアパターンと、をさらに含み、
前記ビアパターンは、前記ビアホールの壁面と前記複数の第2金属パターンの少なくとも一部上に配置された前記第1シード金属層、前記第1シード金属層上に配置された前記第2シード金属層、及び前記第2シード金属層上に配置されて、前記ビアホールの少なくとも一部を満たす前記パターン金属層を含む、請求項3に記載のプリント回路基板。
【請求項8】
前記第1絶縁層の上面上に配置され、前記複数の第1金属パターンのそれぞれの少なくとも一部を覆う第2絶縁層と、
前記第2絶縁層の上面上に配置された複数の第3金属パターンと、をさらに含む、請求項3に記載のプリント回路基板。
【請求項9】
前記リセス部は、底面と壁面が互いに実質的に角を成す、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項10】
前記リセス部は、実質的に一定の深さを有する、請求項9に記載のプリント回路基板。
【請求項11】
前記複数の第1金属パターンは、L(Line)/S(Space)が5μm/5μm以下である複数の微細回路パターンを含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項12】
絶縁層上に第1シード金属層を形成する段階と、
前記第1シード金属層上に第2シード金属層を形成する段階と、
前記第2シード金属層上にパターン金属層を形成する段階と、
前記パターン金属層から露出する前記第2シード金属層の少なくとも一部を除去する段階と、
前記パターン金属層及び前記第2シード金属層から露出する前記第1シード金属層の少なくとも一部を除去する段階と、を含み、
前記第1シード金属層の少なくとも一部を除去する段階において、
前記絶縁層の少なくとも一部が除去されて、少なくとも1つのリセス部が形成される、プリント回路基板の製造方法。
【請求項13】
前記第1シード金属層を形成する段階において、
前記第1シード金属層はチタン(Ti)を堆積して形成し、
前記第2シード金属層を形成する段階において、
前記第2シード金属層は銅(Cu)を堆積して形成し、
前記パターン金属層を形成する段階において、
前記パターン金属層は前記第2シード金属層上に複数の開口を有するレジスト層を形成し、次にめっきにより前記複数の開口を銅(Cu)で満たし、次に前記レジスト層を除去して形成する、請求項12に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項14】
前記第2シード金属層の少なくとも一部を除去する段階において、
前記第2シード金属層の少なくとも一部をウェットエッチングで除去し、
前記第1シード金属層の少なくとも一部を除去する段階において、
前記第1シード金属層の少なくとも一部をドライエッチングで除去し、
前記ドライエッチングによって前記リセス部が形成される、請求項12に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項15】
前記第1シード金属層の少なくとも一部を除去する段階において、
前記リセス部が形成された領域の前記絶縁層の表面は、前記パターン金属層が形成された領域の前記絶縁層の表面よりも表面粗さがさらに大きくなる、請求項12に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項16】
前記第1シード金属層を形成する段階の前に、
前記絶縁層を貫通するビアホールを形成する段階と、をさらに含み、
前記第1シード金属層を形成する段階と、前記第2シード金属層を形成する段階と、前記パターン金属層を形成する段階において、
前記第1シード金属層の少なくとも一部と、前記第2シード金属層の少なくとも一部と、前記パターン金属層の少なくとも一部がそれぞれ前記ビアホール内に形成される、請求項12に記載のプリント回路基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プリント回路基板及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、半導体産業の開発方向の一つは、単一パッケージ内に複数のチップを密接に配置して駆動速度を増加させることである。これに関して、有機物を基板として製造されたパッケージの微細配線の限界を克服するために、無機物を基板として製造されたインターポーザをチップ間連結のための再配線層として利用する技術が開発されている。但し、このような無機物を基板として製造されたインターポーザの場合、インターコネクションに必要な部分以外にも他の部分も形成しなければならないため、工程が多少複雑になり、不要な面積拡大などによって費用が上昇する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示の様々な目的の一つは、アンダーカットなどの副作用なしに必要な領域に微細回路パターンを形成することができるプリント回路基板及びその製造方法を提供することである。
【0004】
本開示の様々な目的のまた一つは、絶縁層間の密着力を改善することができるプリント回路基板及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示を介して提案する様々な解決手段のうち1つは、絶縁層上に第1及び第2シード金属層を形成し、これに基づいてパターン金属層を形成し、この後、パターン間に残存する第2シード金属層は、ウェットエッチングで除去し、第1シード金属層はドライエッチングで除去して、微細回路パターンを形成することである。一方、このようなドライエッチングにより、絶縁層のパターン間の領域にリセス部が形成されることができ、リセス部の底面には、必要に応じて表面粗さが形成されることができる。
【0006】
例えば、一例によるプリント回路基板は、第1絶縁層と、上記第1絶縁層上に配置された複数の第1金属パターンと、を含み、上記第1絶縁層は少なくとも1つのリセス部を有し、上記リセス部は上記複数の第1金属パターンの間に配置され、上記複数の第1金属パターンのそれぞれは、上記第1絶縁層上に配置された第1シード金属層、上記第1シード金属層上に配置された第2シード金属層、及び上記第2シード金属層上に配置されたパターン金属層を含むものであることができる。
【0007】
例えば、一例によるプリント回路基板の製造方法は、絶縁層上に第1シード金属層を形成する段階と、上記第1シード金属層上に第2シード金属層を形成する段階と、上記第2シード金属層上にパターン金属層を形成する段階と、上記パターン金属層から露出する上記第2シード金属層の少なくとも一部を除去する段階と、上記パターン金属層及び上記第2シード金属層から露出する上記第1シード金属層の少なくとも一部を除去する段階と、を含み、上記第1シード金属層の少なくとも一部を除去する段階で、上記絶縁層の少なくとも一部が除去されて少なくとも1つのリセス部が形成されるものであることができる。
【発明の効果】
【0008】
本開示の様々な効果のうち一効果として、アンダーカットなどの副作用なしに必要な領域に微細回路パターンを形成することができるプリント回路基板及びその製造方法を提供することができる。
【0009】
本開示の様々な効果のうち他の一効果として、絶縁層間の密着力を改善することができるプリント回路基板及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
図2】電子機器の一例を概略的に示した斜視図である。
図3】プリント回路基板の一例を概略的に示した断面図である。
図4a図3のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程断面図である。
図4b図3のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程断面図である。
図4c図3のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程断面図である。
図4d図3のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程断面図である。
図4e図3のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程断面図である。
図4f図3のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程断面図である。
図4g図3のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程断面図である。
図4h図3のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程断面図である。
図5a】第1シード金属層のドライエッチングの過程を概略的に示した電子顕微鏡による断面イメージである。
図5b】第1シード金属層のドライエッチングの過程を概略的に示した電子顕微鏡による各断面イメージのトップビューイメージである。
図6a】第1シード金属層のドライエッチングの過程を概略的に示した電子顕微鏡による断面イメージである。
図6b】第1シード金属層のドライエッチングの過程を概略的に示した電子顕微鏡による各断面イメージのトップビューイメージである。
図7a】第1シード金属層のドライエッチングの過程を概略的に示した電子顕微鏡による断面イメージである。
図7b】第1シード金属層のドライエッチングの過程を概略的に示した電子顕微鏡による各断面イメージのトップビューイメージである。
図8a】第1シード金属層のドライエッチングの過程を概略的に示した電子顕微鏡による断面イメージである。
図8b】第1シード金属層のドライエッチングの過程を概略的に示した電子顕微鏡による各断面イメージのトップビューイメージである。
図9】第1シード金属層のドライエッチング後の配線形状と絶縁層に形成されたリセス部の形状を概略的に示した電子顕微鏡によるイメージである。
図10】プリント回路基板の他の一例を概略的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面を参照して本開示について説明する。図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0012】
電子機器
図1は、電子機器システムの例を概略的に示したブロック図である。
【0013】
図面を参照すると、電子機器1000はメインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040などが物理的及び/または電気的に連結されている。これらは後述する他の電子部品とも組み合わせて様々な信号ライン1090を形成する。
【0014】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップと、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのアプリケーションプロセッサチップと、アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップなどが含まれるが、これに限定されず、これ以外にもその他の形態のチップ関連電子部品も含まれ得る。さらに、これらのチップ関連部品1020を互いに組み合わせることもできる。チップ関連部品1020は、上述したチップまたは電子部品を含むパッケージ形態であることもできる。
【0015】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi-Fi(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これらに限定されず、これ以外にもその他の多数の無線または有線標準やプロトコルのいずれかが含まれ得る。また、ネットワーク関連部品1030がチップ関連部品1020とともに互いに組み合わされることもできる。
【0016】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(low Temperature Co-Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)filter、MLCC(Multi-Layer Ceramic Condenser)などが含まれる。但し、これらに限定されるものではなく、これ以外にもその他の様々な用途のために用いられるチップ部品の形態の受動素子などが含まれ得る。また、その他の部品1040をチップ関連部品1020及び/又はネットワーク関連部品1030と互いに組み合わせることもできる。
【0017】
電子機器1000の種類に応じて、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/又は電気的に連結されるか、または連結されない他の電子部品を含むことができる。他の電子部品の例を挙げると、カメラモジュール1050、アンテナモジュール1060、ディスプレイ1070、バッテリー1080などがある。但し、これらに限定されるものではなく、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、羅針盤、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカー、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)、CD(compact disk)、DVD(digital versatile disk)なども挙げられる。これ以外にも、電子機器1000の種類に応じて様々な用途のために用いられるその他の電子部品などが含まれることもできる。
【0018】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、個人用情報端末機(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニター(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビジョン(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などであることができる。但し、これらに限定されず、これ以外にもデータを処理する任意の他の電子機器であることもできる。
【0019】
図2は、電子機器の一例を概略的に示した斜視図である。
【0020】
図面を参照すると、電子機器は例えば、スマートフォン1100であることができる。スマートフォン1100の内部には、マザーボード1110が収容されており、このようなマザーボード1110には様々な部品1120が物理的及び/又は電気的に連結されている。さらに、カメラモジュール1130及び/又はスピーカー1140のように、マザーボード1110に物理的及び/又は電気的に連結されるか、または連結されない他の部品が内部に収容されている。部品1120の一部は、上述したチップ関連部品であることができ、例えば、部品パッケージ1121であることができるが、これに限定されるものではない。部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品を含む電子部品が表面に実装配置されたプリント回路基板の形態であることができる。または、部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品が内蔵されたプリント回路基板の形態であることもできる。一方、電子機器は必ずスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述したように他の電子機器であることもできる。
【0021】
プリント回路基板
図3は、プリント回路基板の一例を概略的に示した断面図である。
【0022】
図面を参照すると、一例によるプリント回路基板500Aは、絶縁層110と、絶縁層110の上面上に配置された複数の金属パターン120を含むことができる。絶縁層110は、少なくとも1つのリセス部Rを有することができる。リセス部Rは、複数の金属パターン120の間に配置されることができる。複数の金属パターン120のそれぞれは、絶縁層110上に配置された第1シード金属層121と第1シード金属層121上に配置された第2シード金属層122と第2シード金属層122上に配置されたパターン金属層123を含むことができる。絶縁層110の上面上において、パターン金属層123は第1シード金属層121及び第2シード金属層122のそれぞれよりも厚さが厚いことができる。
【0023】
一方、微細回路基板の製作過程中に多層の微細回路パターンを形成するための工程は、以下のような手順を有することができる。まず、シード金属層でチタン(Ti)と銅(Cu)を絶縁層上に順次堆積することができる。次に、フォトレジストを用いて銅(Cu)めっきを行うことができる。次に、フォトレジストを除去することができ、この後、順次不要な位置のシード金属層を除去することができる。このような工程を繰り返して、多層の微細回路パターンを形成することができる。この時、シード金属層のうち一つであるチタン(Ti)層をエッチングする方法でウェットエッチングを用いることができるが、ウェットエッチングの等方性特性上の縦方向へのエッチングだけでなく、アンダーカットと通称される横方向へのエッチングが同時に発生して、配線内のチタン(Ti)層の幅が狭くなることができる。設計上、配線の幅が広い場合には、このようなアンダーカットが大きく問題にならない場合があるが、微細回路パターンの場合、配線の線幅が非常に狭いため、アンダーカットが発生する場合、配線の幅の1/2以下まで狭くなる可能性があるため、チタン(Ti)層が消失するか、または非常に小さく残留することによって剥離が起こり得る。
【0024】
一方、一例に係るプリント回路基板500Aは、後述する工程のように、第2シード金属層122のウェットエッチングの後に、第1シード金属層121をドライエッチングで除去することができる。ドライエッチングの場合には、ウェットエッチングに比べて異方性特性を有することができ、したがって第1シード金属層121にアンダーカットが発生することを防止することができる。例えば、複数の金属パターン120がL(Line)/S(Space)が5μm/5μm以下、または2μm/2μm以下の複数の微細回路パターンを含む場合にも、上述した問題点が発生しないことができる。これによって、微細配線の剥離不良を未然に防止して、配線剥離によって引き起こされるショート、オープン、信号ノイズなどの品質不良を改善することができる。また、面積を最小化した微細回路基板を提供することができ、よって大面積インターポーザを代替することができる。したがって、費用削減も可能である。
【0025】
一方、このようなドライエッチングを行う場合、第1シード金属層121が除去された領域で、絶縁層110にリセス部Rが形成されることができる。例えば、リセス部Rは、複数の金属パターン120の間で絶縁層110の上面から厚さ方向に第1絶縁層110の一部を貫通することができる。したがって、複数の金属パターン120が配置された領域の絶縁層110の上面とリセス部Rが配置された領域の絶縁層110の上面が互いに段差を有することができる。必要に応じては、このようなドライエッチングによって、リセス部Rが配置された領域の絶縁層110の上面に粗さが形成されることができる。例えば、リセス部Rが配置された領域の絶縁層110の上面は、複数の金属パターン120が配置された領域の絶縁層110の上面よりも表面粗さがさらに大きいことができる。この場合、プリント回路基板500Aが多層基板に適用されて、絶縁層110上にさらに絶縁層が形成される場合において、絶縁層間の接触面積を増加させて、密着力を改善することができる。
【0026】
以下では、図面を参照して一例に係るプリント回路基板500Aの構成要素についてより詳細に説明する。
【0027】
絶縁層110は絶縁材を含むことができる。絶縁材は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、または樹脂と共に無機フィラー、有機フィラー及び/またはガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)を含む有機材料を含むことができる。例えば、絶縁材は、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、PPG(Prepreg)などの非感光性絶縁材またはPID(Photo Imagable Dielectric)などの感光性絶縁材であることができるが、これに限定されるものではない。必要に応じて、絶縁材は、SiO、Siなどを含む無機材料を含むこともできる。
【0028】
金属パターン120は、金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/またはこれらの合金などを含むことができる。金属パターン120は、設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、信号パターン、パワーパターン、グランドパターンなどを含むことができる。好ましくは、信号パターンを含むことができるが、これに限定されない。これらのパターンはそれぞれライン、プレーン、パッドなどの様々な形態を有することができる。
【0029】
第1シード金属層121は、絶縁層110と金属パターン120との間の密着力を高めることができる。第1シード金属層121は、チタン(Ti)を含むことができる。例えば、純チタン(pure Ti)を含むことができる。純チタン(pure Ti)は、これを含む合金や酸化物などではなく、純粋にチタン(Ti)を含むものであり得る。例えば、第1シード金属層121はスパッタなどの堆積工程で形成されることができ、したがって、その材料でチタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)などを用いることができるが、ドライエッチングを考慮したとき、チタン(Ti)が最も好ましいことができる。但し、これに限定されるものではなく、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/またはこれらの合金などを含むこともできる。
【0030】
第2シード金属層122は、電気めっき(または電解めっき)のための導電性領域を提供することができる。第2シード金属層122は、スパッタ等の堆積工程で形成されることができ、パターン金属層123との密着力、導電性、費用等を考慮するとき、銅(Cu)、例えば、純銅(pure Cu)を含むことができる。純銅(pure Cu)は、これを含む合金や酸化物などではなく、純粋に銅(Cu)を含むものであることができる。但し、これに限定されるものではなく、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/またはこれらの合金などを含むこともできる。第2シード金属層122は、第1シード金属層121よりも厚さが厚いことができる。
【0031】
パターン金属層123は、実質的に金属パターン120の機能を提供することができる。パターン金属層123は、電気めっき(電解めっき)などのめっき工程で形成されることができ、導電性、費用などを考慮するとき、銅(Cu)、例えば、純銅(pure Cu)を含むことができる。一方、純銅(pure Cu)は、これを含む合金や酸化物などではなく、純粋に銅(Cu)を含むことができる。但し、これに限定されるものではなく、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/またはこれらの合金などを含むこともできる。パターン金属層123は、第1及び第2シード金属層121、122のそれぞれよりも厚さが厚いことができる。
【0032】
リセス部Rは、底面と壁面が実質的に角を成すことができる。例えば、リセス部Rは実質的に一定の深さを有することができる。例えば、リセス部Rの底面と壁面は、表面粗さを考慮しない場合、それぞれ実質的に平坦であることができる。例えば、リセス部Rの壁面は、底面に対して略垂直または垂直に近い傾斜を有することができる。例えば、リセス部Rは、チタン(Ti)などの純金属層をドライエッチングで除去する過程で形成されることができるため、ラウンド形状などではなく略垂直形状を有することができる。したがって、より広い面積を有することができるため、上述した絶縁層間の密着力改善により効果的であることができる。リセス部Rの深さは、第1シード金属層121の厚さよりも大きいことができる。
【0033】
図4a~図4hは、図3のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程断面図である。
【0034】
図4aを参照すると、絶縁層110を用意することができる。絶縁層110は、上述したように有機材料または無機材料を含むことができる。
【0035】
図4bを参照すると、絶縁層110上に第1シード金属層121を形成することができる。第1シード金属層121は、上述したように、チタン(Ti)等を材料としてスパッタ等の堆積工程で形成することができる。
【0036】
図4cを参照すると、第1シード金属層121上に第2シード金属層122を形成することができる。第2シード金属層122は、上述したように銅(Cu)等を材料としてスパッタ等の堆積工程で形成することができる。
【0037】
図4dを参照すると、第2シード金属層122上に複数の開口hを有するレジスト層150を形成することができる。レジスト層150は、感光性絶縁材を含むことができる。複数の開口hは、フォトリソグラフィ工程で形成することができる。複数の開口hは、それぞれ第2シード金属層122の少なくとも一部を露出させることができる。
【0038】
図4eを参照すると、複数の開口hにそれぞれパターン金属層123を形成することができる。例えば、電気めっき(または電解めっき)などのめっき工程で、複数の開口hのそれぞれの少なくとも一部を銅(Cu)で満たすことができる。
【0039】
図4fを参照すると、レジスト層150を除去することができる。レジスト層150は、物理的方法または化学的方法で除去することができる。例えば、剥離液などを用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0040】
図4gを参照すると、パターン金属層123から露出する第2シード金属層122の少なくとも一部を除去することができる。例えば、露出した第2シード金属層122の少なくとも一部をウェットエッチングで除去することができる。露出した第2シード金属層122がそれぞれ除去されて、第1シード金属層121の少なくとも一部がそれぞれ第2シード金属層122及びパターン金属層123から露出することができる。
【0041】
図4hを参照すると、パターン金属層123と第2シード金属層122から露出する第1シード金属層121の少なくとも一部を除去することができる。例えば、露出した第1シード金属層121の少なくとも一部をドライエッチングで除去することができる。露出した第1シード金属層121がそれぞれ除去されて、絶縁層110の少なくとも一部がそれぞれ第1及び第2シード金属層121、122とパターン金属層123から露出することができる。一方、ドライエッチング過程で露出した絶縁層110の少なくとも一部が除去されて少なくとも1つのリセス部Rが形成されることができる。必要に応じて、リセス部Rが形成された絶縁層110の表面に粗さが形成されることができる。
【0042】
一連の過程を介して、一例に係るプリント回路基板500Aが製造されることができる。その他の説明は、上述した一例に係るプリント回路基板500Aで説明したものと実質的に同一であることができ、これに対する重複する説明は省略する。
【0043】
図5a、図6a、図7a及び図8aは、第1シード金属層のドライエッチング過程を概略的に示した電子顕微鏡による断面イメージであり、図5b、図6b、図7b及び図8bは、各断面イメージのトップビューイメージである。
【0044】
図面を参照すると、約50nm厚さのチタン(Ti)層のドライエッチングにおいて、エッチング後の約30秒、60秒のときまでは、例えば図5a、図5b、図6a及び図6bでは、チタン(Ti)層の下部の絶縁層がその形状を維持することができることが確認できる。一方、エッチング時間が約90秒、120秒と経過するにつれて、例えば図7a、図7b、図8a及び図8bでは、絶縁層も一部エッチングされて、段差、例えばリセス部が形成されることを確認することができる。例えば、有機物基板の絶縁層が物理的な反応用エッチングガス、例えばアルゴンガスの他にも、これに化学的な反応用エッチングガスであるフルオリン系ガス(CF、CHF、SFなど)やクロリン系ガス(Cl、BClなど)を混合した混合ガスによってエッチングされてエッチング段差が発生することがあり、これは無機物基板の絶縁層の場合も同様であることができる。例えば、特定物質を除去するエッチング工程では、エッチング液の変動によるエッチング率の変動や基板内に発生する空間散布などに対応するために、必要なエッチング時間に追加的なエッチング時間を有することができ、このとき、ドライエッチングの場合、異方性方向性によって下方向にエッチングが行われる特徴があるため、上述したリセス部、例えばリセス段差が形成されることができる。
【0045】
図9は、第1シード金属層のドライエッチング後の配線形状と絶縁層に形成されたリセス部の形状を概略的に示した電子顕微鏡によるイメージである。
【0046】
図面を参照すると、ドライエッチングによるシード金属層であるチタン(Ti)層を除去する場合、チタン(Ti)層にアンダーカットが発生しないことが分かり、また絶縁層にリセス部が形成されることが分かる。また、必要に応じて、リセス部が形成された絶縁層の表面に粗さが形成され得ることが分かる。したがって、配線の下部に十分な幅を確保することができ、それによる上述した技術的効果を有することができることも分かる。また、絶縁層間の密着力改善も可能であることが分かる。
【0047】
図10は、プリント回路基板の他の一例を概略的に示した断面図である。
【0048】
図面を参照すると、他の一例によるプリント回路基板500Bは、第1絶縁層110、第1絶縁層110の上面上に配置された複数の第1金属パターン120、第1絶縁層110の下側に配置された複数の第2金属パターン220、複数の第1及び第2金属パターン120、220のそれぞれの少なくとも一部間で第1絶縁層110の上面及び下面間を貫通する少なくとも1つのビアホールVを満たす少なくとも1つの第1ビアパターン130、第1絶縁層110の上面上に配置され、複数の第1金属パターン120のそれぞれの少なくとも一部を覆う第2絶縁層210、第2絶縁層210の上面上に配置された複数の第3金属パターン320、及び複数の第1及び第3金属パターン120、320のそれぞれの少なくとも一部間で第2絶縁層210の上面及び下面間を貫通する少なくとも1つの第2ビアパターン330を含むことができる。
【0049】
一方、複数の第1金属パターン120のそれぞれは、第1絶縁層110上に配置された第1シード金属層121と第1シード金属層121上に配置された第2シード金属層122と第2シード金属層122上に配置された第1パターン金属層123を含むことができる。第1ビアパターン130は、ビアホールVの壁面と複数の第2金属パターン220の少なくとも一部上に配置された第3シード金属層131と第3シード金属層131上に配置された第4シード金属層132と第4シード金属層132上に配置されて、ビアホールVの少なくとも一部を満たす第2パターン金属層133を含むことができる。第1及び第3シード金属層121、131は、堆積工程等で一緒に形成された同じ層であることができ、第2及び第4シード金属層122、132は、堆積工程等で一緒に形成された同じ層であることができ、第1及び第2パターン金属層123、133は、めっき工程等で一緒に形成された同じ層であることができる。例えば、同じ層は同じ金属を含むことができ、互いに境界なしに一体化することができる。
【0050】
このように、他の一例に係るプリント回路基板500Bは、多層回路基板であることができ、このとき、内層として上述した一例に係るプリント回路基板100Aの絶縁層110と複数の金属パターン120とリセス部Rを含むことができる。例えば、上述した一例に係るプリント回路基板500Aの構造は、他の一例に係るプリント回路基板500Bのような多層回路基板の内層として適用されることができる。但し、これに限定されるものではなく、多層回路基板の外層として適用されるか、または内層及び外層の全てに適用されることもできる。一方、他の一例によるプリント回路基板500Bは、より多層に形成されることができ、例えば、より多い数の絶縁層と金属パターン層とビアパターン層を含むことができる。また、上述した一例に係るプリント回路基板100Aの構造は、設計デザインに応じて内層、外層に自由に適用されることができる。また、必要に応じて、配線連結が必要な部分のみに部分的に上述した一例に係るプリント回路基板100Aの構造を導入することもできる。このような多層回路基板構造の他の一例によるプリント回路基板500Bは、FCB(Filp-Chip Board)、BGA(Ball Grid Array)、インターポーザ基板、パッケージ基板、インターコネクトブリッジ基板などとして用いられることができる。但し、これに限定されるものではなく、その他にも様々な形態の基板に適用されることができる。
【0051】
以下では、図面を参照して他の一例に係るプリント回路基板500Bの構成要素についてより詳細に説明する。
【0052】
第1及び第2絶縁層110、210はそれぞれ絶縁材を含むことができる。絶縁材は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、または樹脂と共に無機フィラー、有機フィラー及び/またはガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)を含む有機材料を含むことができる。例えば、絶縁材は、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、PPG(Prepreg)などの非感光性絶縁材またはPID(Photo Imagable Dielectric)などの感光性絶縁材であることができるが、これに限定されるものではない。必要に応じて、絶縁材は、SiO、Siなどを含む無機材料を含むこともできる。第1及び第2絶縁層110、210は、互いに同一の絶縁材を含むことができ、必要に応じて境界なしに互いに一体化することができる。但し、これに限定されるものではなく、互いに異なる絶縁材を含むことができ、互いに境界が区別されることができる。
【0053】
第1~第3金属パターン120、220、320はそれぞれ金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/またはこれらの合金などを含むことができる。第1~第3金属パターン120、220、320は、それぞれ設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、信号パターン、パワーパターン、グランドパターンなどを含むことができる。これらのパターンはそれぞれライン、プレーン、パッドなどの様々な形態を有することができる。第2及び第3金属パターン220、320は、それぞれSAP(Semi Additive Process)、MSAP(Modified SAP)、TT(Tenting)等を用いるめっき工程で形成されることができ、例えば無電解めっき層と電解めっき層を含むことができるが、これに限定されるものではない。必要に応じて、無電解めっき層の代わりにスパッタ層を含むこともでき、両方を全て含むこともできる。
【0054】
複数の第1金属パターン120は、複数の第2及び第3金属パターン220、230のそれぞれよりも微細回路パターンであり得る。例えば、複数の第1金属パターン120のうちラインパターンの線幅、間隔などは、複数の第2金属パターン220のうちラインパターンの線幅、間隔などよりも、そして複数の第3金属パターン230のうちラインパターンの線幅、間隔などよりもさらに小さいことができる。また、複数の第1金属パターン120のうちパッドパターンのピッチ等は、複数の第2金属パターン220のうちパッドパターンのピッチ等よりも、そして複数の第3金属パターン230のうちパッドパターンのピッチ等よりもさらに小さいことができる。例えば、複数の第1金属パターン120は、複数の第2及び第3金属パターン220、230のそれぞれよりも高密度パターンを含むことができる。
【0055】
第1及び第2ビアパターン130、330はそれぞれ金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/またはこれらの合金などを含むことができる。第1及び第2ビアパターン130、330は、それぞれビアホールを満たすフィルドビア(filled VIA)を含むことができるが、ビアホールの壁面に沿って配置されるコンフォーマルビア(conformal VIA)を含むこともできる。第1及び第2ビアパターン130、330は、それぞれ設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。第1及び第2ビアパターン130、330は、それぞれが断面上で互いに同じ方向にテーパされた形状を有することができる。例えば、各断面上において、上端部が下端部よりも幅がさらに大きいことができる。第2ビアパターン330は、SAP(Semi Additive Process)、MSAP(Modified SAP)、TT(Tenting)などを利用するめっき工程で形成されることができ、例えば、無電解めっき層と電解めっき層を含むことができるが、これに限定されず、無電解めっき層の代わりにスパッタ層を含むこともでき、両方を全て含むこともできる。
【0056】
第1及び第3シード金属層121、131は、それぞれ第1絶縁層110と第1金属パターン120との間、及び第1絶縁層110と第1ビアパターン130との間の密着力を高めることができる。第1及び第3シード金属層121、131は、互いに同じ金属、例えばチタン(Ti)を含むことができる。例えば、純チタン(pure Ti)を含むことができる。純チタン(pure Ti)は、これを含む合金や酸化物などではなく、純粋にチタン(Ti)を含むものであり得る。例えば、第1及び第3シード金属層121、131はスパッタ等の堆積工程で一緒に形成されることができ、その材料としてチタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)などを用いることができるが、ドライエッチングを考慮したとき、チタン(Ti)が最も好ましいことができる。但し、これに限定されるものではなく、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/またはこれらの合金などを含むこともできる。
【0057】
第2及び第4シード金属層122、132は、電気めっき(または電解めっき)のための導電性領域を提供することができる。第2及び第4シード金属層122、132は、スパッタ等の堆積工程で一緒に形成されることができ、互いに同じ金属、例えば第1及び第2パターン金属層123、133との密着力、導電性、費用等を考慮するとき、銅(Cu)、例えば、純銅(pure Cu)を含むことができる。純銅(pure Cu)は、これを含む合金や酸化物などではなく、純粋に銅(Cu)を含むものであることができる。但し、これに限定されるものではなく、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/またはこれらの合金などを含むこともできる。第2シード金属層122の厚さは、第1シード金属層121の厚さよりも厚いことができる。
【0058】
第1及び第2パターン金属層123、133は、実質的に第1金属パターン120及び第1ビアパターン130の機能を提供することができる。第1及び第2パターン金属層123、133は、電気めっき(電解めっき)などのめっき工程で一緒に形成されることができ、互いに同じ金属、例えば導電性、費用などを考慮するとき、銅(Cu)を含むことができ、例えば、純銅(pure Cu)を含むことができる。一方、純銅(pure Cu)は、これを含む合金や酸化物などではなく、純粋に銅(Cu)を含むことができる。但し、これに限定されるものではなく、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/またはこれらの合金などを含むこともできる。第1パターン金属層123の厚さは、第1及び第2シード金属層121、122のそれぞれの厚さよりも厚いことができる。
【0059】
リセス部Rは、底面と壁面が実質的に角を成すことができる。例えば、リセス部Rは実質的に一定の深さを有することができる。例えば、リセス部Rの底面と壁面は、表面粗さを考慮しない場合、それぞれ実質的に平坦であることができる。例えば、リセス部Rの壁面は、底面に対して略垂直または垂直に近い傾斜を有することができる。例えば、リセス部Rは、チタン(Ti)などの純金属層をドライエッチングで除去する過程で形成されることができるため、ラウンド形状などではなく略垂直な形状を有することができ、したがってより広い面積を有することができるため、第1及び第2絶縁層110、210間の密着力改善に効果的であることができる。リセス部Rの深さは、第1シード金属層121の厚さよりも大きいことができる。
【0060】
ビアホールVは、第1シード金属層121を形成する前に、第1絶縁層110に先に形成されることができる。例えば、第1絶縁層110の材料に応じて、機械的ドリル、レーザ加工、化学的エッチングなどの様々な方法でビアホールVを形成することができる。ビアホールVは、第1絶縁層110を貫通するように形成することができる。ビアホールVを形成した後に、第1シード金属層121を形成するとき、ビアホールV内に第3シード金属層131が形成されることができる。また、第2シード金属層122を形成するとき、ビアホールV内に第4シード金属層132が形成されることができる。また、第1パターン金属層123を形成するとき、ビアホールV内に第2パターン金属層133が形成されることができる。
【0061】
その他の説明は、上述した一例に係るプリント回路基板500A及び一例に係るプリント回路基板500Aの製造一例で説明したものと実質的に同じであることができるため、これに対する重複する説明は省略する。
【0062】
本開示において、覆うという表現は、全体的に覆う場合だけでなく、少なくとも一部を覆う場合を含むことができ、また直接覆う場合だけでなく間接的に覆う場合も含むことができる。また、満たすという表現は、完全に満たす場合だけでなく、少なくとも一部を満たす場合を含むことができ、また、大略的に満たす場合を含むことができる。例えば、一部空隙やボイドなどが存在する場合を含むことができる。また、囲むという表現は、完全に囲む場合だけでなく、一部を囲む場合と大略的に囲む場合を含むことができる。さらに、隣接するという表現は、実質的に同じ層に隣接して配置される場合を意味するものとして、互いに当接する場合に限定されるものでない。また、露出させることは、完全に露出させる場合だけでなく、一部を露出させる場合を含むことができ、露出は、該当構成を埋め込むことから露出することを意味することができる。
【0063】
本開示において、実質的には製造工程上で発生する工程誤差や位置偏差、測定時の誤差などを含んで判断することができる。例えば、実質的に共面であるということは、完全に同一平面に存在する場合だけでなく、大略的に同一平面に存在する場合も含むことができる。
【0064】
本開示において、断面上の意味は、対象物を垂直に切断したときの断面形状、または対象物を垂直に切断したときの断面形状、または対象物をサイドビューで見たときの断面形状を意味することができる。また、平面上の意味は、対象物を水平に切断したときの平面形状、または対象物をトップビューまたはボトムビューで見たときの平面形状であることを意味することができる。
【0065】
本開示において、下側、下部、下面などは、便宜上図面の断面を基準に下方方向を意味するものとして用い、上側、上部、上面などはその逆方向を意味するものとして用いた。但し、これは説明の便宜上の方向を定義したものであって、特許請求の範囲の権利範囲がこのような方向に対する記載によって特に限定されるものではないことはもちろんであり、上/下の概念はいつでも変わることができる。
【0066】
本開示において、連結されるという意味は、直接連結された場合だけでなく、接着剤層などを介して間接的に連結された場合を含む概念である。また、電気的に連結されるという意味は、物理的に連結された場合と、連結されていない場合を全て含む概念である。さらに、第1、第2などの表現は、ある構成要素と他の構成要素を区分するために用いられるものであって、当該構成要素の順序及び/又は重要度などを限定しない。場合によっては、権利範囲から逸脱することなく、第1構成要素は第2構成要素と命名されることもでき、同様に第2構成要素は第1構成要素と命名されることもできる。
【0067】
本開示において、厚さ、幅、長さ、深さ、線幅、間隔、ピッチなどは、それぞれプリント回路基板を研磨または切断した断面を基準に走査顕微鏡や光学顕微鏡などで測定することができる。切断断面は、垂直断面または水平断面であることができ、必要な切断断面に基づいてそれぞれ数値を測定することができる。例えば、ビアの上端部及び/または下端部の幅は、ビアの中心軸を切断した断面上で測定することができる。この時、数値が一定でない場合には、任意の5地点で測定した値の平均値として数値を決定することができる。一方、最小数値は、該当層や該当領域などで最も小さい値に測定される数値で決定することができる。
【0068】
本開示で用いられた一例という表現は、互いに同一の実施形態を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかしながら、上記提示された一例は、他の一例の特徴と組み合わせて実現されることを排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が他の一例で説明されていなくても、他の一例でその事項と反対または矛盾する説明がない限り、他の一例に関連した説明であると理解することができる。
【0069】
本開示で用いられた用語は、単に一例を説明するために用いられたものであり、本開示を限定する意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なるものを意味しない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0070】
1000 電子機器
1010 メインボード
1020 チップ関連部品
1030 ネットワーク関連部品
1040 その他の部品
1050 カメラ
1060 アンテナ
1070 ディスプレイ
1080 バッテリー
1090 信号ライン
1100 スマートフォン
1110 マザーボード
1120 部品
1121 部品パッケージ
1130 カメラモジュール
1140 スピーカー
500A、500B プリント回路基板
110、210 絶縁層
120、220、320 金属パターン
130、330 ビアパターン
121、122、131、132 シード金属層
123、133 パターン金属層
150 レジスト層
R リセス部
V ビアホール
h 開口
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図4f
図4g
図4h
図5a
図5b
図6a
図6b
図7a
図7b
図8a
図8b
図9
図10