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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025096161
(43)【公開日】2025-06-26
(54)【発明の名称】積層型電子部品
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/30 20060101AFI20250619BHJP
   H01G 4/228 20060101ALI20250619BHJP
【FI】
H01G4/30 201F
H01G4/30 201G
H01G4/30 513
H01G4/30 516
H01G4/228 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024193745
(22)【出願日】2024-11-05
(31)【優先権主張番号】10-2023-0182943
(32)【優先日】2023-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、セウン ア
(72)【発明者】
【氏名】グ、ヒュン ヒー
(72)【発明者】
【氏名】リー、カンハ
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、エウン ビェオル
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ホン ジェ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ホン セオク
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AF00
5E082AB03
5E082GG01
5E082GG11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】信頼性及び曲げ強度を改善する積層型電子部品を提供する。
【解決手段】積層型電子部品100は、誘電体層111及び誘電体層と第1方向に交互に配置される内部電極121、122を含む中央部110a並びに中央部の第1方向の両面及び第3方向の両面をカバーする外縁部110bを含む本体110と、第3面又は第4面上に配置される接続部C1、C2並びに接続部から第1面及び第2面の一部に延びたバンド部B1、B2を含む外部電極131、132と、を含み、外部電極は、バンド部に配置されるガラス層131a、132a、接続部に配置されて内部電極に接触する基礎電極層131b、132b及び基礎電極層上に配置される導電性樹脂層131c、132cを含み、ガラス層の一部は、接続部に配置され、接続部に配置されたガラス層の端部13a、13bは、外縁部上に配置される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に対向する第1面及び第2面、前記第1面及び前記第2面に連結されて第2方向に対向する第3面及び第4面、並びに前記第1面~前記第4面に連結されて第3方向に対向する第5面及び第6面を含み、誘電体層及び前記誘電体層と前記第1方向に交互に配置される内部電極を含む中央部、並びに前記中央部の前記第1方向の両面及び前記第3方向の両面をカバーする外縁部を含む本体と、
前記第3面又は前記第4面上に配置される接続部、並びに前記接続部から前記第1面及び前記第2面の一部に延びたバンド部を含む外部電極とを含み、
前記外部電極は、前記バンド部に配置されるガラス層、前記接続部に配置されて前記内部電極に接触する基礎電極層、及び前記基礎電極層上に配置される導電性樹脂層を含み、
前記ガラス層の一部は、前記接続部に配置され、前記接続部に配置された前記ガラス層の端部は、前記外縁部上に配置される、積層型電子部品。
【請求項2】
前記ガラス層は、前記第1面及び前記第2面の少なくとも一部に接触する、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項3】
前記バンド部に配置された前記ガラス層の端部は、前記導電性樹脂層から露出する、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項4】
前記ガラス層は、前記第3面又は前記第4面の一部に接触し、
前記基礎電極層の一部は、前記バンド部に配置され、前記バンド部において、前記基礎電極層は、前記ガラス層と前記導電性樹脂層との間に配置される、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項5】
前記接続部において、前記ガラス層は、前記基礎電極層と前記導電性樹脂層との間に配置され、
前記基礎電極層の一部は、前記バンド部に配置され、前記バンド部において、前記基礎電極層は、前記本体と前記ガラス層との間に配置される、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項6】
前記導電性樹脂層は、前記接続部において、前記基礎電極層をカバーする、請求項5に記載の積層型電子部品。
【請求項7】
前記基礎電極層は、前記接続部において、前記導電性樹脂層によりカバーされない領域を有する、請求項5に記載の積層型電子部品。
【請求項8】
前記外部電極は、前記接続部において前記基礎電極層上に配置され、前記バンド部において前記導電性樹脂層上に配置されるめっき層をさらに含む、請求項7に記載の積層型電子部品。
【請求項9】
前記外部電極は、前記第3面上に配置される第1接続部、並びに前記第1接続部から前記第1面及び前記第2面の一部に延びた第1バンド部を含む第1外部電極と、前記第4面上に配置される第2接続部、並びに前記第2接続部から前記第1面及び前記第2面の一部に延びた第2バンド部を含む第2外部電極とを含み、
前記第1外部電極は、前記第1バンド部に配置される第1ガラス層、前記第1接続部に配置される第1基礎電極層、及び前記第1基礎電極層上に配置される第1導電性樹脂層を含み、
前記第2外部電極は、前記第2バンド部に配置される第2ガラス層、前記第2接続部に配置される第2基礎電極層、及び前記第2基礎電極層上に配置される第2導電性樹脂層を含み、
前記第1ガラス層と前記第2ガラス層とは、互いに離隔して配置される、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項10】
前記外部電極は、前記第3面上に配置される第1接続部、並びに前記第1接続部から前記第1面及び前記第2面の一部に延びた第1バンド部を含む第1外部電極と、前記第4面上に配置される第2接続部、並びに前記第2接続部から前記第1面及び前記第2面の一部に延びた第2バンド部を含む第2外部電極とを含み、
前記第1外部電極は、前記第1バンド部に配置される第1ガラス層、前記第1接続部に配置される第1基礎電極層、及び前記第1基礎電極層上に配置される第1導電性樹脂層を含み、
前記第2外部電極は、前記第2バンド部に配置される第2ガラス層、前記第2接続部に配置される第2基礎電極層、及び前記第2基礎電極層上に配置される第2導電性樹脂層を含み、
前記第1ガラス層と前記第2ガラス層とは、前記第1面及び前記第2面上で互いに連結されて前記第1面及び前記第2面をカバーする、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項11】
前記ガラス層は、第1ガラスを含み、
前記基礎電極層は、金属及び第2ガラスを含み、
前記第1ガラスは、前記第2ガラスとは成分が異なる、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項12】
前記ガラス層は、Ba、Ca、Zn、Al、B、Si及びFeのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項13】
前記ガラス層は、Feを含む、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項14】
前記第1ガラスは、Feを含み、
前記第2ガラスは、Feを含まない、請求項11に記載の積層型電子部品。
【請求項15】
前記第1ガラス及び前記第2ガラスは、それぞれFeを含み、
前記第1ガラスを構成する元素の総含有量のうちのFeの含有量(at%)は、前記第2ガラスを構成する元素の総含有量のうちのFeの含有量(at%)より多い、請求項11に記載の積層型電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
積層型電子部品の1つである積層セラミックキャパシタ(MLCC:Multi-Layered Ceramic Capacitor)は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)やプラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)などの映像機器、コンピュータ、スマートフォン、携帯電話など、様々な電子製品のプリント回路基板に装着されて電気を充電又は放電する役割を果たすチップ型コンデンサである。このような積層セラミックキャパシタは、小型でありながらも、高容量が保証され、実装が容易であるという利点により、様々な電子装置の部品として用いられている。
【0003】
近年、電気自動車及び自律走行技術の発展などにより、高温、高圧及び高湿の使用環境でも安定して駆動することができる積層セラミックキャパシタに関する研究が続けられている。特に、高圧用積層セラミックキャパシタにおいては、耐電圧及び曲げ強度特性がより重要である。外部からの水分及び/又はめっき液の浸透や曲げ応力によるクラックの発生などを防止できなければ、積層セラミックキャパシタの信頼性が劣化したり、アーク(Arc)放電により積層セラミックキャパシタはもとより積層セラミックキャパシタが実装されたプリント回路基板にも損傷が及んだりする恐れがあるためである。
【0004】
積層セラミックキャパシタの曲げ強度を改善するための一例として、外部電極に導電性樹脂層を適用するか、バンド部の長さを長くする方策が考えられる。ただし、バンド部の長さが長くなるほどアーク放電に脆弱になり、導電性樹脂層は本体との接着力が弱く、高温及び高圧環境で導電性樹脂層内の樹脂が焼けてしまうという問題が生じ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の様々な目的の1つは、積層型電子部品の信頼性を改善することである。
【0006】
本発明の様々な目的の1つは、積層型電子部品の曲げ強度を改善することである。
【0007】
ただし、本発明の目的は、上述の内容に限定されるものではなく、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解できる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態は、第1方向に対向する第1面及び第2面、前記第1面及び前記第2面に連結されて第2方向に対向する第3面及び第4面、並びに前記第1面~前記第4面に連結されて第3方向に対向する第5面及び第6面を含み、誘電体層及び前記誘電体層と前記第1方向に交互に配置される内部電極を含む中央部、並びに前記中央部の前記第1方向の両面及び前記第3方向の両面をカバーする外縁部を含む本体と、前記第3面又は前記第4面上に配置される接続部、並びに前記接続部から前記第1面及び前記第2面の一部に延びたバンド部を含む外部電極とを含み、前記外部電極は、前記バンド部に配置されるガラス層、前記接続部に配置されて前記内部電極に接触する基礎電極層、及び前記基礎電極層上に配置される導電性樹脂層を含み、前記ガラス層の一部は、前記接続部に配置され、前記接続部に配置された前記ガラス層の端部は、前記外縁部上に配置される、積層型電子部品を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の様々な効果の1つとして、積層型電子部品の信頼性を改善することができる。
【0010】
本発明の様々な効果の1つとして、積層型電子部品の曲げ強度を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態による積層型電子部品を概略的に示す斜視図である。
図2図1のI-I'切断面を概略的に示す断面図である。
図3図1のII-II'切断面を概略的に示す断面図である。
図4図2のIII-III'切断面を概略的に示す断面図である。
図5図1の第3面上から見た積層型電子部品の側面図である。
図6】本発明の他の一実施形態による積層型電子部品を概略的に示す断面図であって、図2に対応する図である。
図7】本発明の他の一実施形態による積層型電子部品を概略的に示す断面図であって、図2に対応する図である。
図8】本発明の他の一実施形態による積層型電子部品を概略的に示す断面図であって、図2に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、具体的な実施形態及び添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は、様々な異なる形態に変形することができ、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。よって、図面における要素の形状や大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがあり、図面において同一の符号で示されている要素は同一の要素である。
【0013】
なお、図面において、本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、図面に示されている各構成の大きさ及び厚さは説明の便宜のために任意に示しているため、本発明は、必ずしも図示のものに限定されるものではない。また、同一の思想の範囲内の同一の機能を有する構成要素については同一の参照符号を用いて説明する。さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0014】
図面において、第1方向は厚さ(T)方向、第2方向は長さ(L)方向、第3方向は幅(W)方向と定義することができる。
【0015】
積層型電子部品
図1は、本発明の一実施形態による積層型電子部品を概略的に示す斜視図であり、図2は、図1のI-I'切断面を概略的に示す断面図であり、図3は、図1のII-II'切断面を概略的に示す断面図であり、図4は、図2のIII-III'切断面を概略的に示す断面図であり、図5は、図1の第3面上から見た積層型電子部品の側面図である。
【0016】
以下、図1図5を参照して、本発明の一実施形態による積層型電子部品100について詳細に説明する。なお、積層型電子部品の一例として積層セラミックキャパシタについて説明するが、本発明は、それに限定されるものではなく、様々な積層型電子部品、例えば、インダクタ、圧電体素子、バリスタ、サーミスタなどにも適用することができる。
【0017】
本発明の一実施形態による積層型電子部品100のサイズは特に限定されない。積層型電子部品100の第1方向の寸法は、例えば0.25mm~4.0mmであってもよく、積層型電子部品100の第2方向の寸法は、例えば0.5mm~5.5mmであってもよく、積層型電子部品100の第3方向の寸法は、例えば0.25mm~4.0mmであってもよい。
【0018】
積層型電子部品100は、誘電体層111及び内部電極121、122を含む本体110と、外部電極131、132とを含むことができる。本体110の具体的な形状は特に限定されないが、図示のように、本体110は、六面体形状又はそれに類似した形状からなることができる。焼成過程で本体110に含まれるセラミック粉末の収縮やコーナー部の研磨により、本体110は、完全な直線を有する六面体形状ではないが、実質的に六面体形状を有することができる。
【0019】
本体110は、第1方向に対向する第1面1及び第2面2と、第1面1及び第2面2に連結されて第2方向に対向する第3面3及び第4面4と、第1面1、第2面2、第3面3及び第4面4に連結されて第3方向に対向する第5面5及び第6面6とを有することができる。
【0020】
本体110は、誘電体層111及び誘電体層111と第1方向に交互に配置される内部電極121、122を含む中央部110aと、中央部110aの第1方向の両面及び第3方向の両面をカバーする外縁部110bとを含むことができる。中央部110aを形成する複数の誘電体層111は、焼成された状態であり、隣接する誘電体層111間の境界は走査電子顕微鏡(SEM)を用いないと確認しにくい程度に一体化されることができる。
【0021】
誘電体層111は、例えば、ABOで表されるペロブスカイト型化合物を主成分として含むことができる。ABOで表されるペロブスカイト型化合物は、例えば、BaTiO、BaTiOにCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)などが一部固溶された(Ba1-xCa)TiO(0<x<1)、Ba(Ti1-yCa)O(0<y<1)、(Ba1-xCa)(Ti1-yZr)O(0<x<1、0<y<1)又はBa(Ti1-yZr)O(0<y<1)などが挙げられる。
【0022】
誘電体層111の平均厚さtdは特に限定されない。誘電体層111の平均厚さtdは、例えば、0.1μm~55μm、0.1μm~20μm、0.1μm~10μm、0.1μm~5μm、0.1μm~2μm、又は0.1μm~0.4μmであってもよい。
【0023】
内部電極121、122は、例えば、誘電体層111を挟んで第1方向に交互に配置される第1内部電極121及び第2内部電極122を含むことができる。すなわち、異なる極性を有する一対の電極である第1内部電極121と第2内部電極122とが誘電体層111を挟んで互いに対向するように配置されることができる。第1内部電極121と第2内部電極122とは、その間に配置された誘電体層111により互いに電気的に分離されることができる。
【0024】
第1内部電極121は、第4面4から離隔し、第3面3側で第1外部電極131に接続されることができる。第2内部電極122は、第3面3から離隔し、第4面4側で第2外部電極132に接続されることができる。
【0025】
内部電極121、122に含まれる導電性金属は、Ni、Cu、Pd、Ag、Au、Pt、Sn、W、Ti及びそれらの合金のうちの1つ以上であってもよく、Niを含むことがより好ましいが、本発明はそれに限定されるものではない。
【0026】
内部電極121、122の平均厚さteは特に限定されない。内部電極121、122の平均厚さteは、例えば、0.1μm~4.0μm、0.1μm~3.0μm、0.1μm~1.0μm、又は0.1μm~0.4μmであってもよい。
【0027】
誘電体層111の平均厚さtd及び内部電極121、122の平均厚さteとは、それぞれ誘電体層111及び内部電極121、122の第1方向の寸法を意味する。誘電体層111の平均厚さtd及び内部電極121、122の平均厚さteは、本体110の第1方向及び第2方向の断面を1万倍率の走査電子顕微鏡(SEM)でスキャンして測定することができる。より具体的には、1つの誘電体層111の複数の地点、例えば第2方向に等間隔である30個の地点でその厚さを測定してから平均値をとることにより、誘電体層111の平均厚さtdを測定することができる。また、1つの内部電極121、122の複数の地点、例えば第2方向に等間隔である30個の地点でその厚さを測定してから平均値をとることにより、内部電極121、122の平均厚さteを測定することができる。前記等間隔である30個の地点は、中央部110aで指定されることができる。一方、そのような平均値の測定をそれぞれ10個の誘電体層111及び10個の内部電極121、122に対して行ってから平均値を測定すると、誘電体層111の平均厚さtd及び内部電極121、122の平均厚さteをより一般化することができる。
【0028】
外縁部110bは、中央部110aの第1方向の両面と中央部110aの第3方向の両面とを連続的にカバーすることができる。外縁部110bは、基本的に、物理的又は化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割を果たすことができる。外縁部110bは、誘電体層に類似した構成を有することができ、ABOで表されるペロブスカイト型化合物を主成分として含むことができる。
【0029】
外縁部110bは、中央部110aの第1方向の両面上にそれぞれ配置される第1カバー部112及び第2カバー部113を含むことができ、中央部110aの第3方向の両面上にそれぞれ配置される第1マージン部114及び第2マージン部115を含むことができる。中央部110aと第1カバー部112との境界面は、第1方向を基準として最上部に配置された内部電極の上面に対応することができ、中央部110aと第2カバー部113との境界面は、第1方向を基準として最下部に配置された内部電極の下面に対応することができ、中央部110aとマージン部114、115との境界面は、内部電極の第3方向の両側面に対応することができる。
【0030】
カバー部112、113の平均厚さは特に限定されない。カバー部112、113の平均厚さは、例えば、400μm以下、150μm以下、100μm以下、30μm以下、又は20μm以下であってもよい。カバー部112、113の平均厚さは、例えば、10μm以上であってもよい。ここで、カバー部112、113の平均厚さとは、第1カバー部112及び第2カバー部113のそれぞれの平均厚さを意味する。カバー部112、113の平均厚さは、カバー部112、113の第1方向の平均寸法を意味することができ、本体110の第3方向の中央で切断した第1方向及び第2方向の断面において第2方向に等間隔である5個の地点で測定した第1方向の寸法を平均した値であってもよい。
【0031】
マージン部114、115の平均厚さは特に限定されない。マージン部114、115の平均厚さは、例えば、150μm以下、100μm以下、20μm以下、又は15μm以下であってもよい。マージン部114、115の平均厚さは、例えば、5μm以上であってもよい。ここで、マージン部114、115の平均厚さとは、第1マージン部114及び第2マージン部115のそれぞれの平均厚さを意味する。マージン部114、115の平均厚さは、マージン部114、115の第3方向の平均寸法を意味することができ、本体110の第2方向の中央で切断した第1方向及び第3方向の断面において第1方向に等間隔である5個の地点で測定した第3方向の寸法を平均した値であってもよい。
【0032】
以下、本体110を形成する方法の一例について説明する。まず、誘電体層111を形成するためのセラミック粉末を準備する。セラミック粉末は、例えば、BaTiO、BaTiOにCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)などが一部固溶された(Ba1-xCa)TiO(0<x<1)、Ba(Ti1-yCa)O(0<y<1)、(Ba1-xCa)(Ti1-yZr)O(0<x<1、0<y<1)又はBa(Ti1-yZr)O(0<y<1)であってもよい。BaTiO粉末は、例えば、二酸化チタンなどのチタン原料と炭酸バリウムなどのバリウム原料とを反応させることにより合成することができる。前記セラミック粉末の合成方法には、例えば、固相法、ゾルゲル法、水熱合成法などがあるが、本発明は、それらに限定されるものではない。次に、準備されたセラミック粉末を乾燥及び粉砕してからエタノールなどの有機溶剤及びポリビニルブチラールなどのバインダーを混合してセラミックスラリーを製造し、その後前記セラミックスラリーをキャリアフィルム(carrier film)上に塗布及び乾燥することによりセラミックグリーンシートを設ける。
【0033】
次に、セラミックグリーンシート上に金属粉末、バインダー、有機溶剤などを含む内部電極用導電性ペーストを所定の厚さでスクリーン印刷法やグラビア印刷法などを用いて印刷することにより内部電極パターンを形成する。
【0034】
その後、内部電極パターンが印刷されたセラミックグリーンシートをキャリアフィルムから剥離し、次いで内部電極パターンが印刷されたセラミックグリーンシートを所定の層数だけ積層及び圧着することによりセラミック積層体を形成する。セラミック積層体の上下部には、焼成後にカバー部112、113を形成するために内部電極パターンが形成されていないセラミックグリーンシートを所定の層数だけ積層することができる。その後、前記セラミック積層体を所定のチップサイズに切断し、切断されたチップを例えば1000℃以上1400℃以下の温度で焼成することにより本体110を形成することができる。
【0035】
一方、マージン部114、115は、セラミックグリーンシート上にマージン部が形成される領域を除いて内部電極用導電性ペーストを塗布して焼成することにより形成されたものであってもよい。あるいは、内部電極121、122による段差を抑制するために、前記切断されたチップの第3方向の両面から内部電極パターンが露出するようにセラミック積層体を切断し、その後マージン部形成用シートを切断されたチップの第3方向の両面上に取り付けてから焼成することによりマージン部114、115を形成してもよい。
【0036】
外部電極131、132は、第3面3又は第4面4に配置される接続部C1、C2と、接続部C1、C2から第1面1及び第2面2の一部に延びたバンド部B1、B2とを含むことができる。第1外部電極131は、第3面3に配置される第1接続部C1と、第1接続部C1から第1面1及び第2面2の一部に延びた第1バンド部B1とを含むことができ、第2外部電極132は、第4面4に配置される第2接続部C2と、第2接続部C2から第1面1及び第2面2の一部に延びた第2バンド部B2とを含むことができる。バンド部B1、B2は、接続部C1、C2から第5面5及び第6面6の一部に延びることもできる。
【0037】
第1接続部C1とは、第1外部電極131の中で第3面に平行な仮想の平面E3より外側に配置された領域を意味することができ、第1バンド部B1とは、第1外部電極131の中で第3面に平行な仮想の平面E3より内側に配置された領域を意味することができる。すなわち、第1接続部C1と第1バンド部B1との境界は、第3面に平行な仮想の平面E3上に位置することができる。
【0038】
第2接続部C2とは、第2外部電極132の中で第4面に平行な仮想の平面E4より外側に配置された領域を意味することができ、第2バンド部B2とは、第2外部電極132の中で第4面に平行な仮想の平面E4より内側に配置された領域を意味することができる。すなわち、第2接続部C2と第2バンド部B2との境界は、第4面に平行な仮想の平面E4上に位置することができる。
【0039】
外部電極131、132は、バンド部B1、B2に配置されるガラス層131a、132aと、接続部C1、C2に配置されて内部電極121、122に接触する基礎電極層131b、132bと、基礎電極層131b、132b上に配置される導電性樹脂層131c、132cとを含むことができる。
【0040】
第1外部電極131は、第1バンド部B1に配置される第1ガラス層131aと、第1接続部C1に配置されて第1内部電極121に接触する第1基礎電極層131bと、第1基礎電極層131b上に配置される第1導電性樹脂層131cと、第1導電性樹脂層131c上に配置される第1めっき層131dとを含むことができる。
【0041】
第2外部電極132は、第2バンド部B2に配置される第2ガラス層132aと、第2接続部C2に配置されて第2内部電極122に接触する第2基礎電極層132bと、第2基礎電極層132b上に配置される第2導電性樹脂層132cと、第2導電性樹脂層132c上に配置される第2めっき層132dとを含むことができる。
【0042】
ガラス層131a、132aは、基本的に、バンド部B1、B2に配置されて積層型電子部品100の曲げ強度を改善することができる。また、本体110と外部電極131、132との接合力を改善する役割を果たすことができる。特に、本体110とガラスとの接合力は本体110と樹脂との接合力より強いことから、ガラス層131a、132aは、バンド部B1、B2の端部を介して外部からの水分やめっき液が本体110の内部に侵透することを効果的に防止し、積層型電子部品100の信頼性を改善することができる。さらに、ガラスは樹脂より耐熱性及び耐圧性に優れるため、外部電極131、132がガラス層131a、132aを含むことにより、積層型電子部品100の高温及び高圧環境での安定性を改善することができる。
【0043】
本発明の一実施形態によれば、ガラス層131a、132aの一部は、接続部C1、C2に配置され、接続部C1、C2に配置されたガラス層の端部13a、13bは、外縁部110b上に配置されることができる。例えば、第1ガラス層131aの一部は、第1接続部C1に配置され、第1接続部C1に配置された第1ガラス層の端部13aは、外縁部110b上に配置されることができ、第2ガラス層132aの一部は、第2接続部C2に配置され、第2接続部C2に配置された第2ガラス層の端部13bは、外縁部110b上に配置されることができる。例えば、第1ガラス層131aは、第1面1、第2面2、第5面5及び第6面6上に配置されて第3面3の一部上に延びるが、第1内部電極121とは接触しないようにすることができ、第2ガラス層132aは、第1面1、第2面2、第5面5及び第6面6上に配置されて第4面4の一部上に延びるが、第2内部電極122とは接触しないようにすることができる。例えば、第1ガラス層131aは、第1接続部C1及び第1バンド部B1に配置されるが、第1方向及び第3方向を基準として中央部110aより外側に配置されることができ、第2ガラス層132aは、第2接続部C2及び第2バンド部B2に配置されるが、第1方向及び第3方向を基準として中央部110aより外側に配置されることができる。第1ガラス層131a及び第2ガラス層132aは、互いに離隔して配置されることができる。
【0044】
ガラス層131a、132aの一部が接続部C1、C2に配置されることにより、外部からの水分やめっき液の浸透に脆弱な本体110のコーナー部を効果的にシールすることができ、それにより、積層型電子部品100の信頼性を効果的に改善することができる。ただし、ガラス層131a、132aが内部電極121、122に直接接触すると、内部電極121、122と外部電極131、132との間の接続性が悪くなり、積層型電子部品100の容量が低下することがある。よって、接続部C1、C2に配置されたガラス層の端部13a、13bは、外縁部110b上に配置されることが好ましい。一実施形態において、ガラス層131a、132aは、本体110と外部電極131、132との接合力の改善及び信頼性の改善のために、第1面1及び第2面2の少なくとも一部に接触することができる。ガラス層131a、132aは、第1面1、第2面2、第5面5及び第6面6の少なくとも一部に接触することがより好ましい。ガラス層131a、132aは、第3面3又は第4面4の一部に接触することができる。第1ガラス層131aは、第3面3の一部に接触することができ、第2ガラス層132aは、第4面4の一部に接触することができる。
【0045】
一実施形態において、バンド部B1、B2に配置されたガラス層131a、132aの端部は、導電性樹脂層131c、132cから露出することができる。すなわち、第1バンド部B1に配置された第1ガラス層131aの端部は、第1導電性樹脂層131cから露出することができ、第2バンド部B2に配置された第2ガラス層132aの端部は、第2導電性樹脂層132cから露出することができる。それにより、本発明の外部からの水分及びめっき液の浸透防止効果がより顕著になる。また、バンド部B1、B2の長さを長くして積層型電子部品100の曲げ強度を改善しながらも、第1外部電極131と第2外部電極132との間の絶縁性は維持することにより、アーク放電が発生することを防止することができる。
【0046】
ガラス層131a、132aは、第1ガラスを含むことができる。ガラス層131a、132aは、Ba、Ca、Zn、Al、B、Si及びFeのうちの1つ以上を含むことができる。一実施形態において、ガラス層131a、132aは、Feを含むことができる。前記Fe成分は、耐食性及び耐酸性に優れるため、ガラス層131a、132aがFeを含む場合、本発明の外部からの水分及びめっき液の浸透防止効果がより顕著になる。
【0047】
ガラス層131a、132aの厚さは特に限定する必要はない。ただし、バンド部B1、B2で測定したガラス層131a、132aの厚さは、0.2μm以上4μm以下であってもよい。ガラス層131a、132aの厚さは、本体110の第3方向の中央で切断した第1方向及び第2方向の断面を走査電子顕微鏡(SEM)でスキャンした画像で測定することができる。
【0048】
ガラス層131a、132aを形成する方法は特に限定する必要はない。例えば、本体110をガラスフリットやバインダーなどを含むガラスペーストにディッピングし、その後中央部110a及び外縁部110bの一部上に塗布されたガラスペーストを除去してから熱処理することにより、ガラス層131a、132aを形成することができる。あるいは、ガラス層131a、132aは、スパッタリング工法などにより形成してもよい。
【0049】
基礎電極層131b、132bは、基本的に、内部電極121、122に直接接触することにより内部電極121、122と外部電極131、132とを電気的に接続する役割を果たすことができる。基礎電極層131b、132bは、接続部C1、C2に配置されて内部電極121、122に接触すればよいが、基礎電極層131b、132bの一部は、バンド部B1、B2に配置され、バンド部B1、B2において、基礎電極層131b、132bは、ガラス層131a、132aと導電性樹脂層131c、132cとの間に配置されることができる。すなわち、第1バンド部B1において、第1基礎電極層131bは、第1ガラス層131aと第1導電性樹脂層131cとの間に配置され、第2バンド部B2において、第2基礎電極層132bは、第2ガラス層132aと第2導電性樹脂層132cとの間に配置されることができる。
【0050】
基礎電極層131b、132bは、金属及び第2ガラスを含むことができる。一実施形態において、ガラス層131a、132aに含まれる第1ガラスは、第2ガラスとは成分が異なってもよい。例えば、第1ガラスはFeを含み、第2ガラスはFeを含まなくてもよい。Feは耐食性及び耐酸性に優れるが、内部電極121、122のNiと反応してNi-Fe化合物を形成すると、内部電極121、122と外部電極131、132との間の接続性が低下することがあり、その結果、積層型電子部品100の容量を劣化させることがある。よって、内部電極121、122に直接接触する第2ガラスは、Feを含まないことが好ましい。あるいは、一実施形態において、第1ガラス及び第2ガラスは、それぞれFeを含み、第1ガラスを構成する元素の総含有量のうちのFeの含有量(at%)が第2ガラスを構成する元素の総含有量のうちのFeの含有量(at%)より多くてもよい。第1ガラス及び第2ガラスの成分は、SEM-EDSを用いてスキャンした画像から算出したものであってもよい。具体的には、積層型電子部品を第3方向の中央の位置まで研磨して第1方向及び第2方向の断面を露出させ、その後SEM-EDSを用いて第1ガラス及び第2ガラスを構成する元素の総含有量のうちのFeの含有量(at%)を測定することができる。
【0051】
基礎電極層131b、132bに含まれる金属は、Cu、Ni、Pd、Pt、Au、Ag、Pb及び/又はそれを含む合金を含むことができるが、本発明は、それに限定されるものではない。
【0052】
基礎電極層131b、132bの厚さは特に限定する必要はない。ただし、接続部C1、C2の中央部で測定した基礎電極層131b、132bの最大厚さは、10μm以上100μm以下であってもよい。基礎電極層131b、132bの最大厚さは、本体110の第3方向の中央で切断した第1方向及び第2方向の断面を走査電子顕微鏡(SEM)でスキャンした画像で測定することができる。
【0053】
基礎電極層131b、132bは、例えば、ガラス層131a、132aが形成された本体110を金属粉末、ガラスフリット、バインダー、有機溶剤などを含む導電性ペーストにディッピングしてから焼成することにより形成することができる。基礎電極層131b、132bを形成するための焼成は、500℃以上900℃以下の温度で行うことができるが、本発明は、それに限定されるものではない。
【0054】
導電性樹脂層131c、132cは、接続部C1、C2及びバンド部B1、B2に配置されることができる。導電性樹脂層131c、132cは、金属及び樹脂を含むことができる。導電性樹脂層131c、132cは、基本的に、積層型電子部品100の曲げ強度を改善する役割を果たすことができる。
【0055】
導電性樹脂層131c、132cに含まれる金属は、球状粒子及びフレーク状粒子のうちの1つ以上を含むことができる。ここで、球状粒子は、完全な球状でない形態も含むことができ、例えば、長軸と短軸の長さの比率(長軸/短軸)が1.45以下である形態を含むことができる。フレーク状粒子とは、平たくて長い形態を有する粉末を意味し、特に限定されるものではないが、例えば、長軸と短軸の長さの比率(長軸/短軸)が1.95以上であってもよい。
【0056】
導電性樹脂層131c、132cに含まれる金属は、例えば、Cu、Ni、Pd、Pt、Au、Ag、Pb、Sn及び/又はそれを含む合金を含むことができる。導電性樹脂層131c、132cに含まれる樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂及びエチルセルロースのうちの1つ以上を含むことができる。一実施形態において、導電性樹脂層131c、132cは、AgSn、NiSn、CuSn及びCuSnのうちの1つ以上を含む金属間化合物をさらに含むことができる。
【0057】
導電性樹脂層131c、132cの厚さは特に限定する必要はない。ただし、接続部C1、C2の中央部で測定した導電性樹脂層131c、132cの最大厚さは、10μm以上100μm以下であってもよい。導電性樹脂層131c、132cの最大厚さは、本体110の第3方向の中央で切断した第1方向及び第2方向の断面を走査電子顕微鏡(SEM)でスキャンした画像で測定することができる。
【0058】
導電性樹脂層131c、132cは、例えば、基礎電極層131b、132bが形成された本体110を金属粉末、樹脂、バインダー、有機溶剤などを含む導電性樹脂組成物にディッピングし、その後200℃~300℃の温度で硬化熱処理することにより形成することができる。
【0059】
めっき層131d、132dは、実装特性を向上させることができる。めっき層131d、132dの種類は特に限定されず、Ni、Sn、Pd及び/又はそれを含む合金などを含むめっき層であってもよく、複数層で形成されてもよい。めっき層131d、132dは、例えば、Niめっき層又はSnめっき層であってもよく、Niめっき層及びSnめっき層が順次形成された形態であってもよい。また、めっき層131d、132dは、複数のNiめっき層及び/又は複数のSnめっき層を含んでもよい。めっき層131d、132dは、電解めっき法及び/又は無電解めっき法などを用いて形成することができる。
【0060】
図面においては、積層型電子部品100が2つの外部電極131、132を有する構造について説明しているが、それに限定されるものではなく、外部電極131、132の数や形状などは、内部電極121、122の形態やその他の目的に応じて変更することがある。
【0061】
図6図8は、本発明の他の一実施形態による積層型電子部品を概略的に示す断面図であって、図2に対応する図である。以下、図6図8を参照して、本発明の他の一実施形態による積層型電子部品200について説明する。図6図8において説明した積層型電子部品100の構成と同一/類似の構成には同一/類似の参照符号を用い、重複する説明は省略する。
【0062】
図6を参照すると、本発明の一実施形態による積層型電子部品200は、第1バンド部B1に配置される第1ガラス層231a、第1接続部C1に配置されて第1内部電極121に接触する第1基礎電極層231b、第1基礎電極層231b上に配置される第1導電性樹脂層231c、及び第1導電性樹脂層231c上に配置される第1めっき層231dを含む第1外部電極231と、第2バンド部B2に配置される第2ガラス層232a、第2接続部C2に配置されて第2内部電極122に接触する第2基礎電極層232b、第2基礎電極層232b上に配置される第2導電性樹脂層232c、及び第2導電性樹脂層232c上に配置される第2めっき層232dを含む第2外部電極232とを含むことができる。
【0063】
本発明の一実施形態によれば、接続部C1、C2において、ガラス層231a、232aは、基礎電極層231b、232bと導電性樹脂層231c、232cとの間に配置されることができる。すなわち、第1接続部C1において、第1ガラス層231aは、第1基礎電極層231bと第1導電性樹脂層231cとの間に配置されることができ、第2接続部C2において、第2ガラス層232aは、第2基礎電極層232bと第2導電性樹脂層232cとの間に配置されることができる。
【0064】
基礎電極層231b、232bの一部は、バンド部B1、B2に配置され、バンド部B1、B2において、基礎電極層231b、232bは、本体110とガラス層231a、232aとの間に配置されることができる。すなわち、第1基礎電極層231bの一部は、第1バンド部B1に配置され、第1バンド部B1において、第1基礎電極層231bは、本体110と第1ガラス層231aとの間に配置されることができる。第2基礎電極層232bの一部は、第2バンド部B2に配置され、第2バンド部B2において、第2基礎電極層232bは、本体110と第2ガラス層232aとの間に配置されることができる。
【0065】
本発明の一実施形態においては、ガラス層231a、232aの一部が接続部C1、C2に配置されることにより、外部からの水分やめっき液の浸透に脆弱な本体110のコーナー部を効果的にシールすることができ、それにより、積層型電子部品200の信頼性を効果的に改善することができる。また、接続部C1、C2に配置されたガラス層の端部23a、23bは、外縁部110b上に配置されることにより、基礎電極層231b、232bと導電性樹脂層231c、232cとの接合面積を所定レベル以上に確保し、積層型電子部品200の容量が低下することを防止することができる。
【0066】
導電性樹脂層231c、232cの形態は特に限定する必要はないが、導電性樹脂層231c、232cは、接続部C1、C2において、基礎電極層231b、232bをカバーすることができる。
【0067】
一方、基礎電極層231b、232bは、本体110を導電性ペーストにディッピングしてから焼成することにより形成することができる。ガラス層231a、232aは、基礎電極層231b、232bが形成された本体110をガラスペーストにディッピングし、その後中央部110a及び外縁部110bの一部上に塗布されたガラスペーストを除去してから熱処理することにより形成するか、又はスパッタリング工法により形成することができる。
【0068】
図7を参照すると、本発明の一実施形態による積層型電子部品300は、第1バンド部B1に配置される第1ガラス層331a、第1接続部C1に配置されて第1内部電極121に接触する第1基礎電極層331b、及び第1基礎電極層331b上に配置される第1導電性樹脂層331cを含む第1外部電極331と、第2バンド部B2に配置される第2ガラス層332a、第2接続部C2に配置されて第2内部電極122に接触する第2基礎電極層332b、及び第2基礎電極層332b上に配置される第2導電性樹脂層332cを含む第2外部電極332とを含むことができる。
【0069】
接続部C1、C2において、ガラス層331a、332aは、基礎電極層331b、332bと導電性樹脂層331c、332cとの間に配置されることができる。また、基礎電極層331b、332bの一部は、バンド部B1、B2に配置され、バンド部B1、B2において、基礎電極層331b、332bは、本体110とガラス層331a、332aとの間に配置されることができる。
【0070】
基礎電極層331b、332bは、接続部C1、C2において、導電性樹脂層331c、332cによりカバーされない領域を有することができる。すなわち、第1基礎電極層331bは、第1接続部C1において、第1導電性樹脂層331cによりカバーされない領域を有することができ、第2基礎電極層332bは、第2接続部C2において、第2導電性樹脂層332cによりカバーされない領域を有することができる。接続部C1、C2に配置された導電性樹脂層331c、332cの端部は、中央部110a上に配置されることもでき、外縁部110b上に配置されることもできる。
【0071】
外部電極331、332は、接続部C1、C2において基礎電極層331b、332b上に配置され、バンド部B1、B2において導電性樹脂層331c、332c上に配置されるめっき層331d、332dを含むことができる。すなわち、第1外部電極331は、第1接続部C1において第1基礎電極層331b上に配置され、第1バンド部B1において第1導電性樹脂層331c上に配置される第1めっき層331dを含み、第2外部電極332は、第2接続部C2において第2基礎電極層332b上に配置され、第2バンド部B2において第2導電性樹脂層332c上に配置される第2めっき層332dを含むことができる。
【0072】
本発明の一実施形態においては、ガラス層331a、332aの一部が接続部C1、C2に配置されることにより、外部からの水分やめっき液の浸透に脆弱な本体110のコーナー部を効果的にシールすることができ、それにより、積層型電子部品300の信頼性を効果的に改善することができる。また、接続部C1、C2に配置されたガラス層の端部33a、33bは、外縁部110b上に配置されることにより、基礎電極層331b、332bとめっき層331d、332dとの接合面積を所定レベル以上に確保し、積層型電子部品300の容量やESR特性などを改善することができる。
【0073】
一方、導電性樹脂層331c、332cは、基礎電極層331b、332bが形成された本体110を導電性樹脂組成物にディッピングし、その後接続部C1、C2の中央部に塗布された導電性樹脂組成物を一部除去してから硬化熱処理することにより形成することができる。
【0074】
図8を参照すると、本発明の一実施形態による積層型電子部品400は、第1バンド部B1に配置される第1ガラス層431a、第1接続部C1に配置されて第1内部電極121に接触する第1基礎電極層431b、第1基礎電極層431b上に配置される第1導電性樹脂層431c、及び第1導電性樹脂層431c上に配置される第1めっき層431dを含む第1外部電極431と、第2バンド部B2に配置される第2ガラス層432a、第2接続部C2に配置されて第2内部電極122に接触する第2基礎電極層432b、第2基礎電極層432b上に配置される第2導電性樹脂層432c、及び第2導電性樹脂層432c上に配置される第2めっき層432dを含む第2外部電極432とを含むことができる。
【0075】
第1ガラス層431aと第2ガラス層432aとは、第1面及び第2面上で互いに連結されて第1面及び第2面をカバーすることができる。第1ガラス層431aと第2ガラス層432aとが第1面及び第2面を完全にカバーすることにより、本発明の耐湿信頼性の改善効果がより顕著になる。
【0076】
本発明の一実施形態においては、ガラス層431a、432aの一部が接続部C1、C2に配置されることにより、外部からの水分やめっき液の浸透に脆弱な本体110のコーナー部を効果的にシールすることができ、それにより、積層型電子部品400の信頼性を効果的に改善することができる。ただし、ガラス層431a、432aが内部電極121、122に直接接触すると、内部電極121、122と外部電極431、432との間の接続性が悪くなり、積層型電子部品400の容量が低下することがある。よって、接続部C1、C2に配置されたガラス層の端部43a、43bは、外縁部110b上に配置されることが好ましい。
【0077】
一方、ガラス層431a、432aは、本体110の第1面及び第2面上にガラスペーストを塗布してから熱処理することにより形成するか、又はスパッタリング工法を用いて形成することができる。基礎電極層431b、432bは、ガラス層431a、432aが形成された本体110を導電性ペーストにディッピングしてから焼成することにより形成することができる。
【0078】
本発明は、上述の実施形態及び添付の図面により限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲により限定されるものである。よって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、当該技術分野における通常の知識を有する者により様々な形態の置換、変形及び変更が可能であり、それらも本発明の範囲に属するといえる。
【0079】
なお、「一実施形態」という表現は、同じ実施形態を意味するものではなく、それぞれ異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかし、上記提示された一実施形態は、他の一実施形態の特徴と組み合わせられて実現されることを排除しない。例えば、特定の一実施形態で説明されている事項は、他の一実施形態で説明されていなくても、他の一実施形態にその事項と反対であるか矛盾する説明がない限り、他の一実施形態に係る説明として理解することができる。
【0080】
また、第1、第2などの表現は、1つの構成要素と他の構成要素とを区別するために用いられるものであり、当該構成要素の順序及び/又は重要度などを限定するものではない。場合によっては、権利範囲を逸脱しない範囲内で、第1構成要素を第2構成要素と命名することもでき、同様に、第2構成要素を第1構成要素と命名することもできる。
【符号の説明】
【0081】
100、200、300、400 積層型電子部品
110 本体
110a 中央部
110b 外縁部
111 誘電体層
112、113 カバー部
121、122 内部電極
114、115 マージン部
131、132、231、232、331、332、431、432 外部電極
131a、132a、231a、232a、331a、332a、431a、432a ガラス層
131b、132b、231b、232b、331b、332b、431b、432b 基礎電極層
131c、132c、231c、232c、331c、332c、431c、432c 導電性樹脂層
131d、132d、231d、232d、331d、332d、431d、432d めっき層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8