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特開2025-9630黒鉛又は、不定形炭素を使用した半導体集積回路の基板製造法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009630
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】黒鉛又は、不定形炭素を使用した半導体集積回路の基板製造法
(51)【国際特許分類】
   H10D 62/83 20250101AFI20250110BHJP
【FI】
H01L29/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023132721
(22)【出願日】2023-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】518440899
【氏名又は名称】パテントフレア株式会社
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 学
(57)【要約】
【課題】半導体集積回路の基板の主な材料であるシリコン(ケイ素)と比べて、より大きな電力を制御できる材料として、炭素同素体である黒鉛(グラファイト)又は、カーボンブラックのような不定形炭素(非晶質炭素)が知られている。
しかし、黒鉛又は、不定形炭素を集積回路の基板に必要な大きさ、形状で大量に製造することは難しいという課題があった。
【解決手段】集積回路の基板に必要な大きさ、形状まで黒鉛(グラファイト)又は、カーボンブラックのような不定形炭素(非晶質炭素)を、樹脂で固める樹脂接着加工、プレス成形後高温で焼き固める高温焼結加工、という2つの加工法を用いて必要な大きさ、形状を作り、課題を解決する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体集積回路の基板に、炭素同素体の黒鉛(グラファイト)を使用すると、現在主に使用されているシリコン(ケイ素)より、はるかに大きな電力(電流、電圧)量を制御できる(電力量に対して耐久性がある)ことが知られている。
これを基板の材料に使用すると、大きな電力を必要とする輸送機関、設備などを制御できるが、集積回路に必要な大きさ、形状の黒鉛を大量生産すること(大量の結晶化)が、難しかったため、実用化されていなかった。
大きな形状の黒鉛の製造(結晶化)は難しいが、微細粒子状の黒鉛は大量生産されている、これを材料に使う。
永久磁石の製法の1つで、磁性粉末を樹脂で必要な大きさ、形状に固めたものをボンド磁石という。
この製法で、磁性粉末ではなく黒鉛(微細粒子)を必要量集めて、樹脂で必要な大きさ、形状に固めて集積回路の基板とする方法。
(半導体集積回路の基板は永久磁石と違い電気が流れる必要があるため、微細粒子を固める樹脂は、電気が流れる導電性ポリマーを使用する。)
【請求項2】
請求項1に記載の方法で、使用する材料を黒鉛(微細粒子)の代わりに、カーボンブラックなどの無定形炭素(非晶質炭素)を使用する方法。
【請求項3】
永久磁石の製法の1つで、磁性粉末を成形機(プレス機)で必要な大きさ、形状に成形して高温で焼き固めたものを、焼結磁石という。
この製法で磁性粉末ではなく黒鉛(微細粒子)を必要量集めて、成形機で必要な大きさ、形状に成形して高温で焼き固めて集積回路の基板とする方法。
(高温で焼き固める焼結加工は、材料を溶融して合成するのではなく、溶融しない温度で微粒子を結合させて固める加工法である。)
【請求項4】
請求項3に記載の方法で、使用する材料を黒鉛(微細粒子)の代わりに、カーボンブラックのような不定形炭素(非晶質炭素)を使用する方法。
【請求項5】
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4に記載の方法を使用した部品、装置。
【請求項6】
請求項5に記載の部品、装置を使用した役務、事業。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末粒子の凝固、結合技術の応用技術に関する。
【背景技術】
【0002】
永久磁石などで使われる成形加工技術
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
半導体集積回路の基板の材料は、主にシリコン(ケイ素)であるが、制御可能な(素材として耐えられる)電力(電流、電圧)量の制約があるため、大きな電力を必要とする装置の集積回路では使用できなかった。
より大きな電力量を制御できる材料として、炭素同素体の黒鉛(グラファイト)が知られているが、集積回路の基板に必要な大きさ、形状で大量に製造する(結晶化する)ことが、難しいという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
集積回路の基板に必要な大きさ、形状の黒鉛(グラファイト)を、大量に製造する(結晶化する)ことは難しいが、微細粒子状の黒鉛は、大量に製造されている(結晶化されている)。
この微細粒子状の黒鉛を、材料に使う。
永久磁石に、磁性粉末を樹脂で固め合わせる(接着して結合する)ボンド磁石というものがある。
同様に磁性粉末ではなく黒鉛を樹脂で固め合わせる加工法で課題を解決する。(樹脂接着加工)
(半導体集積回路の基板は、永久磁石と違い電気が流れる必要があるため、微細粒子を固め合わせる樹脂は、電気が流れる導電性ポリマーを使用する。)
又、永久磁石には、磁性粉末を成形機(プレス機)で成形後、高温で焼き固める(熱処理で結合する)焼結磁石というものがある。
同様に磁性粉末ではなく黒鉛をプレス成形後、高温で焼き固める加工法で課題を解決する。(高温焼結加工)
(高温で焼き固める焼結加工は、材料を溶融して合成するのではなく、溶融しない温度で結合させる加工法である。)
この2つの加工法を用いて黒鉛の代わりに、カーボンブラックのような不定形炭素(非晶質炭素)を使用しても、同じ様に大きな電力量を制御できるため、課題を解決できる。