(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009652
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】燃料組成物
(51)【国際特許分類】
C10L 5/44 20060101AFI20250109BHJP
C10L 10/04 20060101ALN20250109BHJP
【FI】
C10L5/44
C10L10/04
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023151181
(22)【出願日】2023-09-19
(31)【優先権主張番号】10-2023-0084289
(32)【優先日】2023-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】519024348
【氏名又は名称】株式会社ブルーオーシャン産業
【氏名又は名称原語表記】BLUE OCEAN INDUSTRY, INC.
【住所又は居所原語表記】288, Sandandongseo-ro Gunsan-si Jeollabuk-do Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】ミン,ビョンデ
(72)【発明者】
【氏名】チェ,サンミン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ウンジ
【テーマコード(参考)】
4H015
【Fターム(参考)】
4H015AA12
4H015AA26
4H015AB01
4H015AB07
4H015BA01
4H015BB01
4H015CB01
(57)【要約】
【課題】燃料組成物が開示される。
【解決手段】一実施例による燃料組成物は、ホッパー内にある原資材を第1上昇コンベヤーベルトに投下させる工程と、第1上昇コンベヤーベルトに投下された原資材を上昇させながら原資材から金属成分を1次除去する工程と、金属成分が1次除去された原資材を第2上昇コンベヤーベルトに向けて投下させる工程と、金属成分が1次除去された原資材が第2上昇コンベヤーベルトに到逹する前に、フィルターで異物を除去する工程と、異物が除去された原資材を上昇させながら原資材から金属成分を2次除去する工程とにより取得したパームカーネルシェルと、アルミノ珪酸塩とを含み、アルミノ珪酸塩中の二酸化珪素の含有量を酸化アルミニウムの含有量で割った比が0.78~1.58であり、パームカーネルシェル100重量部当たりアルミノ珪酸塩3~5重量部がパームカーネルシェルと混合される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホッパー内にある原資材を第1上昇コンベヤーベルトに投下させる工程と、前記第1上昇コンベヤーベルトに投下された前記原資材を上昇させながら前記原資材から金属成分を1次除去する工程と、金属成分が1次除去された原資材を第2上昇コンベヤーベルトに向けて投下させる工程と、前記金属成分が1次除去された原資材が前記第2上昇コンベヤーベルトに到逹する前に、フィルターで異物を除去する工程と、異物が除去された原資材を上昇させながら前記原資材から金属成分を2次除去する工程とによって取得したパームカーネルシェルと、
アルミノ珪酸塩と、を含み、
前記アルミノ珪酸塩に含まれた二酸化珪素の含有量を前記アルミノ珪酸塩に含まれた酸化アルミニウムの含有量で割った比が0.78~1.58であり、
前記パームカーネルシェル100重量部当たり前記アルミノ珪酸塩3~5重量部が前記パームカーネルシェルと混合されたことを特徴とする、燃料組成物。
【請求項2】
前記アルミノ珪酸塩は、国際標準化機構ISO 9277:2010規定によって測定された比表面積が100~180m2/gであることを特徴とする、請求項1に記載の燃料組成物。
【請求項3】
前記アルミノ珪酸塩は、400℃から800℃まで昇温するとき、重量減少率が5%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の燃料組成物。
【請求項4】
前記パームカーネルシェルが第3上昇コンベヤーベルト上で移動するとき、前記アルミノ珪酸塩が前記パームカーネルシェル上に撒布されて前記パームカーネルシェルと混合されることを特徴とする、請求項1に記載の燃料組成物。
【請求項5】
前記パームカーネルシェルが洗浄された直後、前記パームカーネルシェルを前記アルミノ珪酸塩と混合して乾燥する工程によって前記パームカーネルシェルの表面に前記アルミノ珪酸塩が付着することを特徴とする、請求項1に記載の燃料組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は燃料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パーム油を製造する過程で多量のパーム副産物が発生することになる。パーム油抽出工程中に発生する皮副産物をパームカーネルシェル(PKS;Palm Kernel Shell)という。
【0003】
このようなパームカーネルシェルは大部分焼却するか埋め込んで来たが、最近には廃棄物であるパームカーネルシェルを燃料として再活用するための研究が引き続いて行われている。これに関連して、韓国登録特許第10-1566489号公報には、PKSを可動燃料として使用する流動層ボイラー制御システムに対する技術が提示されている。
【0004】
ところが、パーム農場でパーム果実を栽培するとき、収穫量を増大させるために種々の肥料を多量に使用することにより、パームカーネルシェルにはカリウム(K)、ナトリウム(N)などのようなアルカリ成分が多量含有されていることがある。
【0005】
パームカーネルシェルがボイラー内で燃焼すると、パームカーネルシェルに含有されていたアルカリ成分(例えば、K2O、Na2O)が放出されながら不均一燃焼を引き起こすだけでなく、燃焼炉(furnace)内にあったアッシュ(ash)と反応してボイラーの内壁をコーティングさせ、よってボイラーの内壁を含む金属表面を腐食させるおそれがあった。
【0006】
また、パームカーネルシェル内に含有されていた低融点の無機物がパームカーネルシェルの燃焼過程中に融けて流動しながらボイラーの内壁及び熱交換部などに付着してスラギング及びファウリング現象を引き起こすと、ボイラーの熱効率が著しく低下し、燃焼炉内での流動パターンに邪魔になり、さらにボイラーの内壁を深刻に損傷させる問題を引き起こすため、従来の問題点を改善した新技術の開発が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の技術的思想は上述した問題点を解決するためのものであり、これまでは焼却するか廃棄していたパームカーネルシェルを燃料として再活用することができる技術を提供することに目的がある。
【0008】
また、本開示の技術的思想は、パームカーネルシェルの燃焼の際、パームカーネルシェル内に存在していた特定の成分によるボイラーの内部の熱的不均衡、スラギング、ファウリング現象及び腐食問題を改善することができる技術を提供することに他の目的がある。
【0009】
本開示が解決しようとする課題は前述した課題に限定されず、言及しなかった他の技術的課題は後述する内容から本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者に明らかに理解可能であろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的を達成するために、本発明の一実施形態として、燃料組成物は、ホッパー内にある原資材を第1上昇コンベヤーベルトに投下させる工程と、前記第1上昇コンベヤーベルトに投下された前記原資材を上昇させながら前記原資材から金属成分を1次除去する工程と、金属成分が1次除去された原資材を第2上昇コンベヤーベルトに向けて投下させる工程と、前記金属成分が1次除去された原資材が前記第2上昇コンベヤーベルトに到逹する前に、フィルターで異物を除去する工程と、異物が除去された原資材を上昇させながら前記原資材から金属成分を2次除去する工程とによって取得したパームカーネルシェルと、アルミノ珪酸塩と、を含み、前記アルミノ珪酸塩に含まれた二酸化珪素の含有量を前記アルミノ珪酸塩に含まれた酸化アルミニウムの含有量で割った比が0.78~1.58であり、前記パームカーネルシェル100重量部当たり前記アルミノ珪酸塩3~5重量部が前記パームカーネルシェルと混合される。
【0011】
前記アルミノ珪酸塩は、国際標準化機構ISO 9277:2010規定によって測定された比表面積が100~180m2/gであり得る。
【0012】
また、前記アルミノ珪酸塩は、400℃から800℃まで昇温するとき、重量減少率が5%以下であり得る。
【0013】
また、前記パームカーネルシェルが第3上昇コンベヤーベルト上で移動するとき、前記アルミノ珪酸塩が前記パームカーネルシェル上に撒布されて前記パームカーネルシェルと混合され得る。
【0014】
また、前記パームカーネルシェルが洗浄された直後、前記パームカーネルシェルを前記アルミノ珪酸塩と混合して乾燥する工程によって前記パームカーネルシェルの表面に前記アルミノ珪酸塩が付着し得る。
【0015】
このような目的を達成するために、本発明の他の実施形態として、燃料組成物の製造方法は、ホッパー内にある原資材を第1上昇コンベヤーベルトに投下させる原料投下段階と、前記第1上昇コンベヤーベルトに投下された前記原資材を上昇させながら前記原資材から金属成分を1次除去する1次金属選別段階と、金属成分が1次除去された原資材を第2上昇コンベヤーベルトに向けて投下させる第1移送段階と、前記金属成分が1次除去された原資材が前記第2上昇コンベヤーベルトに到逹する前に、フィルターで異物を除去するフィルタリング段階と、異物が除去された原資材を上昇させながら前記原資材から金属成分を2次除去する2次金属選別段階と、金属成分が2次除去された原資材であるパームカーネルシェルを洗浄する洗浄段階と、前記パームカーネルシェルを洗浄した直後、アルミノ珪酸塩とともに混合して乾燥することにより、前記パームカーネルシェルの表面に前記アルミノ珪酸塩を付着させる乾燥段階と、を含む。
【0016】
上述した課題の解決手段はただ例示的なものであり、本発明を限定しようとする意図と解釈されてはいけない。上述した例示的な実施例の他にも、図面及び発明の詳細な説明に記載した追加の実施例が存在することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上で説明したように、本発明の多様な実施例によれば、パームカーネルシェルおよびアルミノ珪酸塩を使用して燃料組成物を製造することで、環境に優しく燃焼効率に優れた燃料を製造することができる。
【0018】
そして、本開示の多様な実施例によれば、パームカーネルシェルを使用して燃料組成物を製造する場合、パームカーネルシェルの廃棄物処理による費用を節減することができる。
【0019】
また、本発明の多様な実施例によれば、パームカーネルシェルの燃焼の際、アルミノ珪酸塩がパームカーネルシェル内に含有されていた特定の成分(例えば、カリウム、ナトリウム、塩素など)と反応して高融点の物質を生成することができる。したがって、パームカーネルシェル内に存在していた特定の成分によるボイラー内部の熱的不均衡、スラギング及びファウリング現象、及び腐食問題を改善することができる。
【0020】
特に、パームカーネルシェルを使用して燃料組成物を製造する場合、パームカーネルシェルの廃棄物処理による費用を節減することができ、パームカーネルシェルの燃焼の際、パームカーネルシェルに含有されていたアルカリ成分などはアルミノ珪酸塩によって高融点の物質に転換されるので、燃料の完全燃焼に寄与し、ボイラーの内壁を含めた金属表面が腐食されることを事前に防止することができる。
【0021】
本発明の多様な実施例による効果は以上で言及した効果に限定されず、言及しなかった他の効果は請求範囲の記載から当業者に明らかに理解可能であろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施例による燃料組成物製造装置を概略的に示す概念図である。
【
図2】本発明の一実施例による洗浄機を概略的に示す概念図である。
【
図3】本発明の一実施例による乾燥機を概略的に示す概念図である。
【
図4】本発明の一実施例による燃料組成物の製造方法を概略的に示すフローチャートである。
【
図5】本発明の他の実施例による燃料組成物の製造方法を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の好適な実施例について添付図面を参照してより具体的に説明するが、既に知られている技術的部分に対しては、説明の簡潔性のために、省略するか圧縮する。
【0024】
本明細書で、本発明の「一」または「一つの」実施例についての言及は必ずしも同じ実施例についてのものではなく、これらは少なくとも一つを意味するということに気をつけなければならない。
【0025】
以下の実施例で、第1、第2などの用語は限定的な意味ではなく、一構成要素を他の構成要素と区別する目的で使用する。
【0026】
以下の実施例で、単数の表現は、文脈上明確に他の意味を意味しない限り、複数の表現を含む。
【0027】
以下の実施例で、含むまたは有するなどの用語は明細書上に記載された特徴または構成要素が存在することを意味するものであり、一つ以上の他の特徴または構成要素が付加される可能性を予め排除するものではない。
【0028】
ある実施例が他に具現可能な場合、特定の工程順序は説明の順序とは異なるように遂行することもできる。例えば、連続して説明する二つの工程は実質的に同時に遂行することもでき、説明する順序と反対の順序に遂行することができる。すなわち、本明細書に記述する方法の各段階は、明細書上で他に言及するかまたは文脈上明確に相反することがない限り、任意の順序に適切に実施することができる。
【0029】
<燃料組成物についての説明>
一実施例による燃料組成物は、パームカーネルシェル及びアルミノ珪酸塩を含むことができる。一実施例で、パームカーネルシェルは複数の工程によって取得することができる。
図1は本発明の一実施例による燃料組成物製造装置を概略的に示す概念図である。
図1を参照すると、ホッパー100にあった原資材が第1上昇コンベヤーベルト200に投下され、第1上昇コンベヤーベルト200に投下された原資材は第1上昇コンベヤーベルト200によって上昇することができる。ここで、原資材は異物および金属成分が除去されなかった状態のパームカーネルシェルを意味する。原資材が第1上昇コンベヤーベルト200の移動方向に上昇するとき、第1上昇コンベヤーベルト200の上側に備えられた第1金属選別機210の磁力によって原資材から金属成分を1次除去することができる。金属成分が1次除去された原資材は第2上昇コンベヤーベルト300に向かって投下され、金属成分が1次除去された原資材が第2上昇コンベヤーベルト300に到逹する前に、第1上昇コンベヤーベルト200と第2上昇コンベヤーベルト300との間に配置されたフィルター400を通過するうちに異物を除去することができる。異物の除去された原資材は第2上昇コンベヤーベルトの移動方向に上昇し、この過程で、第2上昇コンベヤーベルト300の上側に備えられた第2金属選別機310の磁力によって原資材から金属成分を2次除去することができる。金属成分が2次除去された原資材であるパームカーネルシェルはアルミノ珪酸塩と混合させることができる。例えば、パームカーネルシェル100重量部当たりアルミノ珪酸塩3~5重量部(例えば、3重量部、4重量部または5重量部)をパームカーネルシェルと混合することができる。アルミノ珪酸塩の含量がパームカーネルシェル100重量部当たり3重量部未満の場合は、パームカーネルシェルの燃焼の際、パームカーネルシェルから放出されるアルカリ成分を効果的に制御しにくいので、アルミノ珪酸塩の含量は3重量部以上に適用することが好ましい。
【0030】
一実施例によれば、第2上昇コンベヤーベルト300によって移動していたパームカーネルシェルは第3上昇コンベヤーベルト500の方向に投下され、パームカーネルシェルが第3上昇コンベヤーベルト500上で移動するとき、第3上昇コンベヤーベルト500の上側に備えられた散布機510によってアルミノ珪酸塩をパームカーネルシェル上に撒布してパームカーネルシェルと混合させることができる。
【0031】
他の実施例によれば、パームカーネルシェルを洗浄液(例えば、水、pH5の酸溶液など)と一緒に洗浄機内に投入して一定の時間(例えば、1~2時間)洗浄し、パームカーネルシェルを洗浄した直後、パームカーネルシェルをアルミノ珪酸塩とともに乾燥機内に投入することができる。パームカーネルシェルが乾燥機内でアルミノ珪酸塩と混合されながら乾燥される工程でパームカーネルシェルの表面にアルミノ珪酸塩が付着することができる。
【0032】
本明細書で、アルミノ珪酸塩(aluminosilicate)はアルミナ(Al2O3)とシリカ(SiO2)とが結合したものを意味する。一実施例によるアルミノ珪酸塩は、アルミニウム(Al)元素に対してシリコン(Si)元素の数が1~5個である構造を有することができる。
【0033】
一実施例で、アルミノ珪酸塩は、パームカーネルシェルが燃焼するとき、パームカーネルシェル内に含有されていたアルカリ成分と化学的に反応することにより、パームカーネルシェルから放出されたアルカリ成分をカルシライト(KAlSiO4)及びリューサイト(KAlSi2O6)のうちの少なくとも1種に転換させることができる。
【0034】
すなわち、パームカーネルシェル内に含有されていたアルカリ成分は、パームカーネルシェルが燃焼するとき、アルミノ珪酸塩と反応しながら溶融点1600℃以上のカルシライトに転換されるか、または溶融点1500℃以上のリューサイトに転換されるので、従来の、ボイラー内でアルカリ成分が溶融して発生したスラギング、ファウリング、および凝結の問題を改善することができる。
【0035】
一実施例によれば、アルミノ珪酸塩は、二酸化珪素及び酸化アルミニウムを含むことができる。
【0036】
一具体例で、アルミノ珪酸塩内に含有される酸化アルミニウムの含量は、20~60重量部を適用することができる。具体的な例として、酸化アルミニウムの含量は、20重量部、25重量部、30重量部、35重量部、40重量部、45重量部、50重量部、55重量部または60重量部を適用することができる。また、酸化アルミニウムの含量は、前記数値のうちの一つ以上及び前記数値のうちの一つ以下であり得る。
【0037】
例えば、アルミノ珪酸塩内に含まれた酸化アルミニウムの含量範囲は、20重量部~30重量部、30重量部~40重量部、35重量部~45重量部、40重量部~50重量部または20重量部~60重量部であり得る。一実施例による酸化アルミニウムは、前記範囲でパームカーネルシェルのアルカリ成分を効果的に制御することができる。
【0038】
仮に、アルミノ珪酸塩内に含まれた酸化アルミニウムが20~60重量部の範囲を外れる場合には、パームカーネルシェルの燃焼の際、パームカーネルシェルから放出されるアルカリ成分を効果的に制御することが容易でない。
【0039】
一実施例で、アルミノ珪酸塩内に含有される二酸化珪素の含量は、40~80重量部を適用することができる。具体的な例として、二酸化珪素の含量は、40重量部、45重量部、50重量部、55重量部、60重量部、65重量部、70重量部、75重量部または80重量部を適用することができる。また、二酸化珪素の含量は、前記数値のうちの一つ以上及び前記数値のうちの一つ以下であり得る。
【0040】
例えば、アルミノ珪酸塩内に含まれた二酸化珪素の含量範囲は、40重量部~50重量部、50重量部~60重量部、55重量部~65重量部、60重量部~70重量部、55重量部~70重量部または40重量部~80重量部であり得る。一実施例による二酸化珪素は、前記範囲でパームカーネルシェルのアルカリ成分を効果的に制御することができる。仮に、アルミノ珪酸塩内に含まれた二酸化珪素が40~80重量部の範囲を外れる場合には、パームカーネルシェルの燃焼の際、パームカーネルシェルから放出されるアルカリ成分を効果的に制御することが容易でない。
【0041】
一実施例によれば、アルミノ珪酸塩に含まれた二酸化珪素の含有量をアルミノ珪酸塩に含まれた酸化アルミニウムの含有量で割った比は0.78~1.58であり得る。例えば、アルミノ珪酸塩に含まれた二酸化珪素が48重量部であり、アルミノ珪酸塩に含まれた酸化アルミニウムが42重量部であれば、アルミノ珪酸塩に含まれた二酸化珪素の含有量をアルミノ珪酸塩に含まれた酸化アルミニウムの含有量で割った比は1.14であり得る。
【0042】
具体的な例として、アルミノ珪酸塩に含まれた二酸化珪素の含有量をアルミノ珪酸塩に含まれた酸化アルミニウムの含有量で割った比は、0.78、0.79、0.8、0.81、0.82、0.84、0.86、0.88、0.9、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99、1、1.01、1.02、1.03、1.04、1.05、1.06、1.07、1.08、1.09、1.1、1.11、1.12、1.13、1.14、1.15、1.16、1.17、1.18、1.19、1.2、1.21、1.22、1.23、1.24、1.25、1.26、1.27、1.28、1.29、1.3、1.31、1.32、1.34、1.36、1.38、1.4、1.42、1.44、1.46、1.48、1.5、1.51、1.52、1.53、1.54、1.55、1.56、1.57または1.58であり得る。また、アルミノ珪酸塩に含まれた二酸化珪素の含有量をアルミノ珪酸塩に含まれた酸化アルミニウムの含有量で割った比は、前記数値のうちの一つ以上及び前記数値のうちの一つ以下の範囲であり得る。
【0043】
例えば、アルミノ珪酸塩に含まれた二酸化珪素の含有量をアルミノ珪酸塩に含まれた酸化アルミニウムの含有量で割った比の範囲は、0.78~1.2、0.98~1.2、0.9~1.2、0.9~1.3、1~1.2、1~1.4、1.18~1.58、1.2~1.58、1.38~1.58または0.78~1.58であり得る。一実施例によるアルミノ珪酸塩に含有された二酸化珪素と酸化アルミニウムの含有量の比は前記範囲でパームカーネルシェルのアルカリ成分と反応し、スラギングやファウリング現象を効果的に抑制することができる。
【0044】
仮に、アルミノ珪酸塩に含まれた二酸化珪素の含有量をアルミノ珪酸塩に含まれた酸化アルミニウムの含有量で割った比が0.78~1.58の範囲を外れる場合には、パームカーネルシェルの燃焼の際、パームカーネルシェルから放出されるアルカリ成分と反応して高融点物質(例えば、カルシライト、リューサイトなど)を生成する効率が低下するので、スラギングやファウリング現象を防止することが容易でない。
【0045】
一具体例によれば、X線蛍光分光法を用いて、アルミノ珪酸塩内に含有された二酸化珪素及び酸化アルミニウムの重量を確認することができる。したがって、アルミノ珪酸塩に含まれた二酸化珪素の含有量をアルミノ珪酸塩に含まれた酸化アルミニウムの含有量で割った比を導出することができる。
【0046】
一実施例で、アルミノ珪酸塩は、国際標準化機構ISO 9277:2010規定によって測定された比表面積が100~180m2/gであり得る。具体的な例として、アルミノ珪酸塩の比表面積は、100m2/g、110m2/g、120m2/g、130m2/g、140m2/g、150m2/g、160m2/g、170m2/gまたは180m2/gを適用することができる。また、アルミノ珪酸塩の比表面積は、前記数値のうちの一つ以上及び前記数値のうちの一つ以下の範囲になることができる。
【0047】
例えば、アルミノ珪酸塩の比表面積の範囲は、100m2/g~140m2/g、105m2/g~135m2/g、110m2/g~130m2/g、115m2/g~135m2/g、120m2/g~150m2/g、125m2/g~145m2/g、100m2/g~150m2/gまたは100m2/g~180m2/gの範囲になることができる。一実施例によるアルミノ珪酸塩の比表面積の上限は特に限定されないが、例えば、300m2/g以下、250m2/g以下、200m2/g以下、250m2/g以下、200m2/g以下、180m2/g以下または150m2/g以下であり得る。
【0048】
一実施例で、アルミノ珪酸塩の比表面積の数値が大きいほどパームカーネルシェルの燃焼時に発生するアルカリ成分(例えば、K2O、Na2Oなど)と塩化物(例えば、KCl、HClなど)の吸着が容易であり、スラギングやファウリング現象と腐食を効果的に抑制することができる。仮に、アルミノ珪酸塩の比表面積が100m2/g未満の場合は、パームカーネルシェルから発生するアルカリ成分を物理的に吸着して捕集する効率が低下してスラギングやファウリング現象を充分に制御することができず、ボイラーの内部に塩化物が付着して金属部品が腐食するおそれがある。
【0049】
そして、一実施例で、アルミノ珪酸塩の平均粒径は20~500μmを適用することができる。具体的な例として、アルミノ珪酸塩の平均粒径は、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、200μm、300μm、400μmまたは500μmを適用することができる。もちろん、実施によって、アルミノ珪酸塩の平均粒径を燃焼状況別に異なるように調節して使用することも可能である。
【0050】
一方、一実施例によるアルミノ珪酸塩は、400℃から800℃まで昇温するとき、重量減少率が5%以下、4.5%以下、4%以下、3.5%以下、3%以下、2.5%以下、2%以下、1.5%以下、1%以下、0.9%以下、0.8%以下、0.7%以下、0.6%以下、0.5%以下、0.4%以下、0.3%以下、0.2%以下または0.1%以下であり得る。例えば、400℃から800℃まで分当たり10℃の速度で昇温するとき、アルミノ珪酸塩の重量減少率は5%以下であり得る。ここで、アルミノ珪酸塩の重量減少率は下記の式1によって導出することができる。
【0051】
[数1]
アルミノ珪酸塩の重量減少率(%)=(A-B)/A*100
(ここで、Aは400℃でのアルミノ珪酸塩の重量、Bは800℃でのアルミノ珪酸塩の重量である)
【0052】
一実施例によるアルミノ珪酸塩の重量減少率の下限は、特に限定されないが、例えば、0.001%以上、0.01%以上または0.05%以上であり得る。
【0053】
一実施例によるアルミノ珪酸塩は、カオリン(例えば、カオリナイト、ハロイサイトなど)とは違い、アルミノ珪酸塩内に結晶水を含んでいないので、高温で結晶水が蒸発してアルミノ珪酸塩の総重量が減少する現象がほとんど起こらず、400~800℃で重量減少率が5%以下である。
【0054】
それに比べて、カオリンは、内部に含有された結晶水が400~800℃で蒸発するのに伴って比表面積数値が常温の場合より大きくなることはあるが、結晶水が蒸発する温度に到逹するまではカオリンの比表面積が大きくなりにくいので、パームカーネルシェルに含有されていてから放出されるアルカリ成分を早く吸着して除去することが難しい。
【0055】
しかし、一実施例によるアルミノ珪酸塩は内部に結晶水を含まず、400~800℃でも常温(例えば、20~25℃)と類似したレベルの比表面積(例えば、100~180m2/g)を維持することができるので、カオリンに比べて速かにアルカリ成分を吸着して除去することができる。
【0056】
一実施例によるアルミノ珪酸塩には、酸化アルミニウム及び二酸化珪素の含量を除いた残量として不可避な不純物がさらに含まれることもある。
【0057】
<燃料組成物の製造方法についての説明>
一実施例による燃料組成物は燃料組成物製造装置10によって製造することができる。一実施例で、燃料組成物製造装置10は、ホッパー100と、第1上昇コンベヤーベルト200と、第1金属選別機210と、第2上昇コンベヤーベルト300と、第2金属選別機310と、フィルター400と、第3上昇コンベヤーベルト500と、散布機510と、洗浄機600と、乾燥機700とを含むことができる。
【0058】
一実施例で、ホッパー100は原資材を保管し、内部にある原資材を下側に投下することができる。一実施例による第1上昇コンベヤーベルト200は地面に対して一定の角度に傾くように設置されたコンベヤーベルトである。一実施例で、第1金属選別機210は第1上昇コンベヤーベルト200の上側に設けられ、第1上昇コンベヤーベルト200上にある原資材から金属成分を分離することができる。一実施例で、第2上昇コンベヤーベルト300は地面に対して一定の角度に傾くように設けられたコンベヤーベルトであり、第1上昇コンベヤーベルト200の下側に設けられることができる。一実施例で、第2金属選別機310は第2上昇コンベヤーベルト300の上側に設けられ、第2上昇コンベヤーベルト300上にある原資材から金属成分を分離することができる。
【0059】
一実施例で、フィルター400は、第1上昇コンベヤーベルト200と第2上昇コンベヤーベルト300との間に設けられることができる。すなわち、フィルター400は、第1上昇コンベヤーベルト200の下部でありながら第2上昇コンベヤーベルト300の上部である空間に設けられることができる。また、フィルター400はホール直径の相異なる複数のフィルターによって実現することができる。
【0060】
一実施例で、フィルター400は、複数のホールが形成された第1フィルター410および第2フィルター420を含むことができる。第1フィルター410および第2フィルター420のホール直径は互いに異なるように具現され、第1フィルター410が第2フィルター420の上側に設けられ、第1フィルター410のホール直径を第2フィルター420のホール直径よりも大きく形成することができる。
【0061】
一実施例で、第3上昇コンベヤーベルト500は地面に対して一定の角度に傾くように設置されたコンベヤーベルトであり、第2上昇コンベヤーベルト300の下側に設けられることができる。一実施例で、散布機510は第3上昇コンベヤーベルト500の上側に設けられ、散布機510の内部にあったアルミノ珪酸塩を下方に撒布することができる。例えば、散布機510は、1.7g/secの速度でアルミノ珪酸塩を撒布することができる。
【0062】
図2は本発明の一実施例による洗浄機を概略的に示す概念図である。
図2を参照すると、一実施例による洗浄機600の内部には、洗浄液(例えば、水)を収容することができる空間が形成され得る。そして、洗浄機600にはコンベヤーベルト610が一定の角度に傾くように設置され得る。一実施例によれば、コンベヤーベルト610の一部が洗浄液に漬かるように設置されることにより、洗浄液によって洗浄されたパームカーネルシェルをコンベヤーベルト610の移動方向に移送して洗浄機600の外部に容易に運搬することができる。
【0063】
一実施例によれば、洗浄機600はパームカーネルシェルを洗浄する装置であり、洗浄機600の内部に洗浄液およびパームカーネルシェルを投入し、一定の時間洗浄することにより、パームカーネルシェルに含有されていたアルカリ成分を一定の割合以上に除去することができる。
【0064】
一実施例で、洗浄機600によってパームカーネルシェルを洗浄する時間は、アルカリ成分の除去効率および生産性を考慮して、24時間を適用することができる。洗浄時間が24時間未満であると、パームカーネルシェルに含有されたアルカリ成分を充分に除去しにくく、24時間を超えると、洗浄に長時間がかかって工程効率および生産性が低下し、24時間を超えてもアルカリ成分が除去される程度が小さいので、24時間洗浄することが好ましい。
【0065】
図3は本発明の一実施例による乾燥機を概略的に示す概念図である。
図3を参照すると、一実施例による乾燥機700は洗浄されたパームカーネルシェルを乾燥させながらパームカーネルシェルの表面にアルミノ珪酸塩を付着させる装置であり、本体部710と、撹拌部720と、加熱部730とを含むことができる。
【0066】
一実施例で、本体部710は洗浄されたパームカーネルシェルを収容することができる内部空間を有し、本体部710の内部には、パームカーネルシェルとアルミノ珪酸塩とを混合する撹拌部720が本体部710の長手方向に設けられ得る。一実施例で、撹拌部720は、地面に対して水平になるように設置される撹拌軸721と、撹拌軸721の外周面に螺旋形に巻かれて形成されたスクリュー722とを含むことができる。
【0067】
一実施例で、加熱部730は、本体部710の内部が一定の温度(例えば、100~120℃)に維持されるように、本体部710の下側で本体部710を加熱することができる。一実施例によれば、洗浄パームカーネルシェルはアルミノ珪酸塩とともに本体部710の内部に投入され、撹拌軸721が一定の速度(例えば、20~30rpm)で回転するとき、スクリュー722に沿って移動することにより、パームカーネルシェルとアルミノ珪酸塩とが一定の時間(例えば、10分~60分)混合されることができる。特に、混合過程では、表面が濡れている状態のパームカーネルシェルにアルミノ珪酸塩粒子が付着し、乾燥過程が終了してもパームカーネルシェルに付いていたアルミノ珪酸塩粒子が容易に分離せず、付着した状態を維持することができる。
【0068】
本発明の一実施例による燃料組成物の製造方法について
図1及び
図4を参照して説明するにあたり、便宜上順番を付けて説明する。
【0069】
1.原料投下段階<S401>
本段階では、ホッパー100の内部にあった原資材を第1上昇コンベヤーベルト200に投下することができる。本段階で、ホッパー100にあった原資材は異物および金属成分が除去されていない状態のパームカーネルシェルを意味する。
【0070】
2.1次金属選別段階<S402>
本段階では、第1上昇コンベヤーベルト200に投下された原資材が第1上昇コンベヤーベルト200の移動方向に移動しながら上昇し、第1上昇コンベヤーベルト200の上側に備えられた第1金属選別機210の磁力によって原資材から金属成分を1次除去することができる。金属成分が1次除去された原資材は第1上昇コンベヤーベルト200の一端に移動することができる。
【0071】
3.第1移送段階<S403>
本段階では、段階S402で金属成分が1次除去された原資材を第2上昇コンベヤーベルト300に向けて投下することができる。
【0072】
4.フィルタリング段階<S404>
本段階では、金属成分が1次除去された原資材が第2上昇コンベヤーベルト300に到逹する前に、第1上昇コンベヤーベルト200と第2上昇コンベヤーベルト300との間に配置されたフィルター400を通過することによって異物を除去することができる。一実施例によれば、金属成分が1次除去された原資材はホール直径が互いに異なる第1フィルター410および第2フィルター420を順次通過することによって異物を除去することができる。
【0073】
5.2次金属選別段階<S405>
本段階では、段階S404で異物が除去された原資材が第2上昇コンベヤーベルト300の移動方向に上昇し、この過程で、第2上昇コンベヤーベルト300の上側に備えられた第2金属選別機310の磁力によって原資材から金属成分を2次除去することができる。金属成分が2次除去された原資材は第2上昇コンベヤーベルト300の一端に移動することができる。
【0074】
6.第2移送段階<S406>
本段階では、段階S405で金属成分が2次除去された原資材を第3上昇コンベヤーベルト500に向けて投下することができる。
【0075】
7.混合段階<S407>
本段階で、パームカーネルシェルは第3上昇コンベヤーベルト500によって移動し、第3上昇コンベヤーベルト500の上側に備えられた散布機510によってアルミノ珪酸塩をパームカーネルシェル上に撒布してパームカーネルシェルと混合させることができる。
【0076】
本発明の他の実施例による燃料組成物の製造方法について
図1、
図2、
図3及び
図5を参照して説明するが、便宜上順番を付けて説明する。また、前述した一実施例による燃料組成物の製造方法と重複する説明は簡略にするかまたは省略する。
【0077】
1.原料投下段階<S501>
本段階では、ホッパー100の内部にあった原資材を第1上昇コンベヤーベルト200に投下することができる。
【0078】
2.1次金属選別段階<S502>
本段階では、第1上昇コンベヤーベルト200に投下された原資材が第1上昇コンベヤーベルト200の移動方向に移動しながら上昇し、第1上昇コンベヤーベルト200の上側に備えられた第1金属選別機210の磁力によって原資材から金属成分を1次除去することができる。金属成分が1次除去された原資材は第1上昇コンベヤーベルト200の一端に移動することができる。
【0079】
3.第1移送段階<S503>
本段階では、段階S502で金属成分が1次除去された原資材を第2上昇コンベヤーベルト300に向けて投下することができる。
【0080】
4.フィルタリング段階<S504>
本段階では、金属成分が1次除去された原資材が第2上昇コンベヤーベルト300に到逹する前に、第1上昇コンベヤーベルト200と第2上昇コンベヤーベルト300との間に配置された第1フィルター410および第2フィルター420を順次通過することによって異物を除去することができる。
【0081】
5.2次金属選別段階<S505>
本段階では、段階S504で異物が除去された原資材が第2上昇コンベヤーベルトの移動方向に上昇し、この過程で、第2上昇コンベヤーベルト300の上側に備えられた第2金属選別機310の磁力によって原資材から金属成分を2次除去することができる。金属成分が2次除去された原資材は第2上昇コンベヤーベルト300の一端に移動することができる。
【0082】
6.洗浄段階<S506>
本段階では、段階S505で金属成分が2次除去された原資材であるパームカーネルシェルを洗浄液(一例として、水)と一緒に洗浄機600に投入し、一定の時間洗浄することにより、パームカーネルシェルに含有されていたアルカリ成分を一定の割合以上に除去することができる。
【0083】
7.乾燥段階<S507>
本段階では、洗浄液が表面に付いている状態のパームカーネルシェルをアルミノ珪酸塩とともに乾燥機700の本体部710の内部に投入し、撹拌軸721を一定の速度で回転させると、パームカーネルシェルおよびアルミノ珪酸塩がスクリュー722に沿って回転しながら互いに混合されることができる。また、本段階では、加熱部730が本体部710を加熱してパームカーネルシェルを乾燥させることができる。
【0084】
本段階で、パームカーネルシェルとアルミノ珪酸塩とが混合されるとき、表面が濡れている状態のパームカーネルシェルにアルミノ珪酸塩粒子が付着し、乾燥過程が終了してもパームカーネルシェルに付いていたアルミノ珪酸塩粒子は容易に分離されず、付着した状態を維持することができる。
【0085】
一実施例によれば、本段階で、撹拌軸721は20~30rpmの速度で回転することができる。仮に、撹拌軸721が20rpm未満で回転する場合は、パームカーネルシェルとアルミノ珪酸塩とが均一に混合されないおそれがあり、30rpmを超えて回転すると、パームカーネルシェルの表面にアルミノ珪酸塩が付着しにくく、付着しても容易に取れることがある。
【0086】
また、本段階で、本体部710の内部温度は100~120に維持することができる。仮に、本体部710の内部温度が100未満であると、パームカーネルシェルの含水率(すなわち、パームカーネルシェルに含有された水分の割合)を調節しにくく、120を超えると、パームカーネルシェルの表面にあった洗浄液が早く蒸発するから、アルミノ珪酸塩がパームカーネルシェルの表面に付着しにくい。
【0087】
そして、本段階で、パームカーネルシェルおよびアルミノ珪酸塩を本体部710の内部で乾燥させる時間は10分~60分を適用することができる。仮に、乾燥時間が10分未満の場合は、パームカーネルシェルの含水率が10%を超えて燃料として使用するのに適さず、乾燥時間が60分を超えると、パームカーネルシェルの表面に十分な量のアルミノ珪酸塩が付着しにくくなることがある。
【0088】
以下では、具体的な実施例及び実験例に基づいて本発明をより詳細に説明する。下記の実施例及び実験例は本発明の理解を手伝うための一例示に過ぎないので、本発明の権利範囲がこれに限定されるものではない。
【0089】
実施例及び比較例別燃料組成物の製造
<実施例1~5及び比較例1~2>
ホッパー内部にあった原資材を第1上昇コンベヤーベルトに投下し、第1上昇コンベヤーベルトを作動させて原資材を上昇させながら第1金属選別機で原資材内に含まれていた金属成分を1次除去した。その後、金属成分が1次除去された原資材を第2上昇コンベヤーベルトに向けて投下し、金属成分が1次除去された原資材を第1フィルター(ホール直径は50mm)および第2フィルター(ホール直径は20mm)を順次通過させることによって異物を除去した。異物の除去された原資材が第2上昇コンベヤーベルトによって上昇するうちに第2金属選別機310によって金属成分を2次除去し、金属成分が2次除去された原資材であるパームカーネルシェルを第3上昇コンベヤーベルト500に向けて投下した。その後、パームカーネルシェルが第3上昇コンベヤーベルト500によって移動しているうち、パームカーネルシェル100g当たりアルミノ珪酸塩3gの割合でパームカーネルシェル上にアルミノ珪酸塩を撒布した。
【0090】
燃料組成物の製造の際に使用されたブラックペレットの製造の際に撹拌機に投入された実施例及び比較例別のアルミノ珪酸塩の二酸化珪素及び酸化アルミニウムの重量をX線蛍光分光法機器(Rigaku社のZSX Primus II)で測定し、アルミノ珪酸塩に含まれた二酸化珪素の含有量をアルミノ珪酸塩に含まれた酸化アルミニウムの含有量で割った比を導出して下記の表1に記載した。
【0091】
【0092】
実施例及び比較例別の燃料組成物のスラギング及びファウリング抑制実験
<実施例1~5及び比較例1~2>
火力発電所の循環流動層ボイラーを模型化したパイロットテスト機に実施例及び比較例別の燃料組成物を投入して燃焼させることで、スラギング及びファウリング抑制性能を比較した。燃料組成物は2.5kg/hrの速度で3時間の間にテスト機に投入し、パイロットテストしているうちに燃焼炉及び測定ロードセルの平均温度はそれぞれ850℃と600℃に維持した。テストが終了した後、ロードセルの重量変化量を測定してロードセルの表面に形成されたスラギング及びファウリング(すなわち、パームカーネルシェルに含有されていたアルカリ成分が溶融してロードセルの表面にアッシュ粒子とともに付着した状態で固化したもの)の重さを測定し、その結果を表2に記載した。
【0093】
【0094】
表2を参照すると、アルミノ珪酸塩に含まれた二酸化珪素の含有量をアルミノ珪酸塩に含まれた酸化アルミニウムの含有量で割った比が0.78~1.58の範囲内にある実施例1~5による燃料組成物は、比較例1及び2に比べて、スラギング及びファウリング現象が相対的に少なく発生したことが分かる。すなわち、実施例1~5による燃料組成物が燃焼するとき、アルミノ珪酸塩がパームカーネルシェルに含有されていたアルカリ成分を効果的に制御してスラギング及びファウリング現象の発生を抑制することができ、アルカリ成分が塩素と反応して塩化物を形成することを防止することができるので、塩化物がボイラーの内壁や金属部品に付着して腐食を引き起こすことを防ぐことができる。
【0095】
BET法による比表面積測定
<実施例1~5>
各実施例に投入されるアルミノ珪酸塩サンプル0.1gを100℃で前処理してサンプル内の表面水を除去した後、MicrotracBEL社のBELSORP-max II機器を用い、標準分析方法ISO 9277:2010に従って各サンプルの比表面積を総3回測定し、その平均値を下記の表3に記載した。
【0096】
【0097】
重量減少率測定
<実施例1~5>
各実施例に使われるアルミノ珪酸塩サンプル200mgを熱重量-示差走査熱量分析器(TA Instruments社のSDT Q600)に投入し、常温(25℃)から1,000℃まで分当たり10℃の速度で昇温し、400℃及び800℃であるとき、アルミノ珪酸塩の重量を測定し、サンプル別の重量減少率は前述した式1によって導出し、その結果を下記の表4に記載した。
【0098】
【0099】
実施例及び比較例別の円錐形サンプル製造
<実施例1~5及び比較例1~2>
実施例及び比較例別に製造された燃料組成物を550℃で焼成して灰分を作るにあたり、ISO 18122 Solid biofuelsに基づいて灰分を製造した。製造された灰分サンプルを円錐形モールドに投入し、20MPaで2分間圧力をかけることで、実施例及び比較例別に円錐形サンプルを製作した。
【0100】
高温での安定度実験
<実施例1~5及び比較例1~2>
実施例及び比較例別に製作された円錐形サンプルの高温での安定度を確認するために、アッシュの可溶融度実験方法(ISO 540 Determination of fusibility of ash)に基づいて実験を実行し、その結果を下記の表5に記載した。
【0101】
【0102】
表5は温度による各円錐形サンプルの形状を撮影した写真、及び各サンプルの変形が起こり始める温度を記録したものであり、表5の可溶融度実験結果を参照すると、実施例1~5の熱変形温度がいずれも1,000℃以上であるこから、高温で安定的であることを確認することができる。それに比べて、比較例1及び2を見ると、1,000℃未満で熱変形されたことが確認された。すなわち、比較例1及び2は熱変形温度が1,000℃未満であるので、比較例1及び2による燃料組成物が燃焼すると、火力発電所の循環流動層ボイラーの一部区間で溶融してクリンカーが発生する可能性(すなわち、スラギングやファウリングが発生する可能性)があることが分かる。
【0103】
洗浄時間によるアルカリ成分除去効率実験
<実施例6~10及び比較例3>
ホッパーの内部にあった原資材を第1上昇コンベヤーベルトに投下し、第1上昇コンベヤーベルトを作動させて原資材を上昇させながら、第1金属選別機で原資材内に含まれていた金属成分を1次除去した。その後、金属成分が1次除去された原資材を第2上昇コンベヤーベルトに向けて投下し、金属成分が1次除去された原資材を第1フィルター(ホール直径は50mm)および第2フィルター(ホール直径は20mm)に順次通過させることによって異物を除去した。異物の除去された原資材を第2上昇コンベヤーベルトによって上昇させるうち、第2金属選別機によって金属成分を2次除去した。その後、金属成分が2次除去された原資材であるパームカーネルシェル1kgを水とともに洗浄機に投入し、表6に記載した時間別にパームカーネルシェルを水に浸して置いた。各パームカーネルシェルの洗浄が終了した時点に100gずつのパームカーネルシェルを取り出し、24時間自然乾燥し、粉砕した粉砕物をX線蛍光分光法機器(Rigaku社のZSX Primus II)で分析してパームカーネルシェル内に含有されたアルカリ成分(ポタシウム)の濃度を測定し、その結果を下記の表6に記載した。
【0104】
【0105】
表6を参照すると、洗浄時間として24時間を適用すると、パームカーネルシェル内に含有されたアルカリ成分の濃度を600ppmに近いレベルに減らすことができ、洗浄時間が24時間を経過すると、パームカーネルシェル内に含有されたアルカリ成分が除去される程度が急激に低下することが分かる。
【0106】
実施例及び比較例別燃料組成物の追加製造
<実施例11~13及び比較例4~5>
ホッパーの内部にあった原資材を第1上昇コンベヤーベルトに投下し、第1上昇コンベヤーベルトを作動させて原資材を上昇させながら、第1金属選別機で原資材内に含まれていた金属成分を1次除去した。その後、金属成分が1次除去された原資材を第2上昇コンベヤーベルトに向けて投下し、金属成分が1次除去された原資材を第1フィルター(ホール直径は50mm)および第2フィルター(ホール直径は20mm)に順次通過させることによって異物を除去した。異物の除去された原資材を第2上昇コンベヤーベルトによって上昇させるうち第2金属選別機によって金属成分を2次除去した。その後、金属成分が2次除去された原資材であるパームカーネルシェルを水とともに洗浄機に投入し、24時間待機してパームカーネルシェルを洗浄した。洗浄が終了した直後、表面に水が付いている状態のパームカーネルシェル1000gをアルミノ珪酸塩(実施例3によるアルミノ珪酸塩)30gと一緒に混合して乾燥機の本体部に投入し、下記の表7に記載した時間乾燥させ、パームカーネルシェルおよびアルミノ珪酸塩が乾燥する間は本体部の内部温度を100℃に維持し、乾燥時間が終了した後、燃料組成物の製造を完了した。
【0107】
【0108】
乾燥段階の乾燥時間によるアルミノ珪酸塩の離脱率測定
含水率測定機を用いて実施例11~13および比較例4~5による各燃料組成物の含水率を測定し、含水率が10%以下であると含水率良好、10%を超えると含水率不良と評価して下記の表8に記載し、燃料組成物の車両運搬の際、振動によってアルミノ珪酸塩がパームカーネルシェルから分離されるかを調べるために、実施例11~13および比較例4~5による各燃料組成物を容器に入れ、車両に容器を積載した後、20km/hrの走行速度で舗装道路を10km走行した。走行が終了した後、有機内にある燃料組成物の状態を確認し、下記の数学式2を用いてパームカーネルシェルから離脱したアルミノ珪酸塩の離脱率を算出して下記の表8に記載した。
【0109】
[数2]
アルミノ珪酸塩の離脱率(%)=(30-D)/30*100
(Dは走行終了後にもパームカーネルシェルに付いているアルミノ珪酸塩の重量)
【0110】
【0111】
表8を参照すると、乾燥時間が10分~60分範囲にある実施例11~13は、パームカーネルシェルの含水率が良好であり、アルミノ珪酸塩の離脱率が50%未満であるので、燃料組成物として燃焼に適し、燃料運搬の際、パームカーネルシェルとアルミノ珪酸塩とが互いに分離されるおそれが小さい反面、乾燥時間が10分未満の比較例4は、含水率が良くなって燃料として適さず、乾燥時間が60分を超える比較例5は、含水率は良好であるがアルミノ珪酸塩の離脱率が50%を超えるので、燃料運送の過程でパームカーネルシェルとアルミノ珪酸塩とが分離されるから、比較例5による燃料組成物を燃焼させる場合はスラギングやファウリング現象を効率的に制御しにくいことが分かる。
【0112】
比較例燃料組成物の追加製造
<比較例6~8>
ホッパーの内部にあった原資材を第1上昇コンベヤーベルトに投下し、第1上昇コンベヤーベルトを作動させて原資材を上昇させながら、第1金属選別機によって原資材内に含まれていた金属成分を1次除去した。その後、金属成分が1次除去された原資材を第2上昇コンベヤーベルトに向けて投下し、金属成分が1次除去された原資材を第1フィルター(ホール直径は50mm)および第2フィルター(ホール直径は20mm)に順次通過させることによって異物を除去した。異物の除去された原資材が第2上昇コンベヤーベルトによって上昇するうちに第2金属選別機によって金属成分を2次除去した。その後、金属成分が2次除去された原資材であるパームカーネルシェルをアルミノ珪酸塩(実施例3によるアルミノ珪酸塩)とともに混合して燃料組成物を製造した。パームカーネルシェルおよびアルミノ珪酸塩の含量は下記の表9に記載した通りである。
【0113】
【0114】
比較例6~8によるアルミノ珪酸塩の離脱率測定
燃料組成物の車両運搬の際、振動によってアルミノ珪酸塩がパームカーネルシェルから分離されるかを調べるために、比較例6~8による各燃料組成物を容器に入れ、車両に容器を積載した後、20km/hrの走行速度で舗装道路を10km走行した。走行が終了した後、容器内にある燃料組成物の状態を確認し、前述した数学式2を用いてパームカーネルシェルから離脱したアルミノ珪酸塩の離脱率を算出して下記の表10に記載した。
【0115】
【0116】
表10を参照すると、洗浄乾燥段階を経なかった比較例6~8の燃料組成物の場合は、運搬過程でアルミノ珪酸塩の離脱率が90%を超えるので、燃料組成物を燃焼させてもスラギングやファウリング現象を効果的に制御しにくいことが分かる。
【0117】
上述したように、本開示の多様な実施例によれば、パームカーネルシェルを使用して燃料組成物を製造することで、環境に優しく燃焼効率に優れた燃料を製造することができる。
【0118】
そして、本開示の多様な実施例によれば、パームカーネルシェルの廃棄物処理による費用を節減することができる。
【0119】
また、本開示の多様な実施例によれば、パームカーネルシェルの燃焼の際、アルミノ珪酸塩がパームカーネルシェル内に含有されていた特定の成分(例えば、カリウム、ナトリウム、塩素など)と反応して高融点の物質を生成することができる。よって、パームカーネルシェル内に存在していた特定の成分によるボイラー内部の熱的不均衡、スラギング、ファウリング現象及び腐食問題を改善することができる。
【0120】
特に、燃料組成物の燃焼の際、パームカーネルシェルに含有されていたアルカリ成分などはアルミノ珪酸塩によって高融点物質に転換されるので、燃料の完全燃焼に寄与し、ボイラーの内壁を含む金属表面が塩化物によって腐食することを事前に防止することができる。
【0121】
また、本発明の多様な実施例によれば、カオリンを使わなくてもパームカーネルシェル内に含有されていたアルカリ成分を制御することで、アルカリ成分によるスラギング及びファウリング現象を抑制することができる。
【0122】
さらに、本発明の多様な実施例によれば、パームカーネルシェルと混合されるアルミノ珪酸塩は高温で重量減少率が小さいので、アルミノ珪酸塩投入量の設定が容易であり、強熱減量による損失が少ないので、カオリンに比べて相対的に少量でもアルカリ成分を制御することができる。
【0123】
また、本発明の多様な実施例によれば、アルミノ珪酸塩は結晶水を含有していないので、400~800℃の高温にアルミノ珪酸塩を熱処理しなくても常温で100~180m2/g程度の比表面積を維持することができ、大きな比表面積によって、パームカーネルシェルの燃焼の際に溶融して放出されるアルカリ成分(例えば、K、Na、K2O、Na2Oなど)を物理的に吸着して除去することができるので、スラギング及びファウリング現象を防止することができる。
【0124】
仮に、アルミノ珪酸塩が結晶水を含有している場合には、高温で熱処理して結晶水を除去することによってのみアルミノ珪酸塩の比表面積が大きくなることができるが、本発明の多様な実施例によれば、結晶水を別に除去しなくてもアルミノ珪酸塩の比表面積数値が高い特性を有しているので、パームカーネルシェルの燃焼の際、迅速な吸着反応によってアルカリ成分を制御することができる利点がある。
【0125】
そして、本発明の多様な実施例によれば、パームカーネルシェルにアルミノ珪酸塩を付着するために別途の接着物質を使用する必要がないので、経済性に優れ、パームカーネルシェルの表面にアルミノ珪酸塩粒子が付着した状態が維持されるので、燃料組成物の運送中にアルミノ珪酸塩粒子がパームカーネルシェルから分離されるおそれが小さい。したがって、燃料組成物の燃焼の際、パームカーネルシェルと燃焼するアルミノ珪酸塩の含量を一定の割合以上に維持することができるので、燃焼効率に優れた利点がある。
【0126】
また、本発明の多様な実施例による洗浄段階で洗浄液として水を使用すると、酸性溶液または塩基性溶液で洗浄することに比べて費用を節減することができ、酸性または塩基性溶液で洗浄する方式に比べて追加の洗浄過程を減らすことができるので、工程を簡素化することができる。
【0127】
そして、本発明の多様な実施例による洗浄段階でpH5レベルの酸(例えば、硫酸、硝酸、塩酸など)溶液を洗浄液として使用すると、pHを調節するための追加の洗浄過程を減らすことができる。
【0128】
以上で説明したように、本発明についての具体的な説明は実施例に基づいて開示したが、上述した実施例は本発明の好適な例を説明しただけであるので、本発明が前記実施例にのみ限定されるものと理解されてはいけなく、本発明の権利範囲は後述する特許請求の範囲及びその均等な概念と理解されなければならないであろう。
【符号の説明】
【0129】
10 燃料組成物製造装置
100 ホッパー
200 第1上昇コンベヤーベルト
210 第1金属選別機
300 第2上昇コンベヤーベルト
310 第2金属選別機
400 フィルター
410 第1フィルター
420 第2フィルター
500 第3上昇コンベヤーベルト
510 散布機
600 洗浄機
610 コンベヤーベルト
700 乾燥機
710 本体部
720 撹拌部
721 撹拌軸
722 スクリュー
730 加熱部
【手続補正書】
【提出日】2024-11-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホッパー内にある原資材を第1上昇コンベヤーベルトに投下させる工程と、前記第1上昇コンベヤーベルトに投下された前記原資材を上昇させながら前記原資材から金属成分を1次除去する工程と、金属成分が1次除去された原資材を第2上昇コンベヤーベルトに向けて投下させる工程と、前記金属成分が1次除去された原資材が前記第2上昇コンベヤーベルトに到逹する前に、フィルターで異物を除去する工程と、異物が除去された原資材を上昇させながら前記原資材から金属成分を2次除去する工程とによってパームカーネルシェルを取得すること、並びに
前記パームカーネルシェルと、前記パームカーネルシェル100重量部当たり3~5重量部のアルミノ珪酸塩とを混合すること、
を含み、
前記アルミノ珪酸塩に含まれた二酸化珪素の含有量を前記アルミノ珪酸塩に含まれた酸化アルミニウムの含有量で割った比が0.78~1.58である、
燃料組成物の製造方法。
【請求項2】
前記アルミノ珪酸塩は、国際標準化機構ISO 9277:2010規定によって測定された比表面積が100~180m2/gであることを特徴とする、請求項1に記載の燃料組成物の製造方法。
【請求項3】
前記アルミノ珪酸塩は、400℃から800℃まで昇温するとき、重量減少率が5%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の燃料組成物の製造方法。
【請求項4】
前記パームカーネルシェルが第3上昇コンベヤーベルト上で移動するとき、前記アルミノ珪酸塩が前記パームカーネルシェル上に撒布されて前記パームカーネルシェルと混合されることを特徴とする、請求項1に記載の燃料組成物の製造方法。
【請求項5】
前記パームカーネルシェルが洗浄された直後、前記パームカーネルシェルを前記アルミノ珪酸塩と混合して乾燥する工程によって前記パームカーネルシェルの表面に前記アルミノ珪酸塩が付着することを特徴とする、請求項1に記載の燃料組成物の製造方法。