(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009656
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】カーブ走行台付きの抵抗生成可能なトレッドミル
(51)【国際特許分類】
A63B 22/02 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
A63B22/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023158302
(22)【出願日】2023-09-22
(31)【優先権主張番号】112124644
(32)【優先日】2023-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】522337990
【氏名又は名称】富安健康科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蔡 世英
(57)【要約】
【課題】特殊なトレーニングを必要とする走者に好適なカーブ走行台付きの抵抗生成可能なトレッドミルを提供する。
【解決手段】カーブ走行台付きの抵抗生成可能なトレッドミルは、トレッドミルのベースの、一対の第一伝動輪と一対の第二伝動輪との間には一対のベルトコンベアが設置され、前記一対のベルトコンベアの周方向に沿って複数のランニングバーが配置され、前記ベースの上方に位置される前記複数のランニングバーの一部が一対のアークバーに支持されることでカーブ走行台を形成し、前記複数のランニングバー各々の上面には第一装着素子が設置され、走者の足又は靴との組み合わせに用いられる第二装着素子を更に有し、前記第二装着素子は前記第一装着素子とは着脱可能に相互装着である。このようにして、走者が走行台でランニングする際、足と走行台との間、又は靴と走行台との間にこの第一装着素子と第二装着素子との相互装着によって抵抗が生じる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーブ走行台付きの抵抗生成可能なトレッドミルであって、
対向する両端に一対の第一伝動輪と一対の第二伝動輪がそれぞれ配置され、前記一対の第一伝動輪と前記一対の第二伝動輪との間に、下方に凹んだ一対のアークバーが配置され、前記一対のアークバーが前記一対の第一伝動輪の円心及び前記一対の第二伝動輪の円心の上方に位置されるベースと、
前記一対の第一伝動輪と前記一対の第二伝動輪に連結され、前記一対の第一伝動輪と前記一対の第二伝動輪との相互伝動を行いつつこれらの伝動輪を回転させる一対のベルトコンベアと、
前記一対のベルトコンベアの周方向に沿って配置される複数のランニングバーであって、前記複数のランニングバー各々の対向する両端がそれぞれ前記一対のベルトコンベアに固定され、前記ベースの上方に位置される前記複数のランニングバーの一部が前記一対のアークバーに支持され、前記ベルトコンベアが前記一対の第一伝動輪と前記一対の第二伝動輪の周りに回転するのに伴って移動する前記複数のランニングバーと、
前記複数のランニングバー各々の上面にそれぞれ設置される複数の第一装着素子と、
走者の少なくとも1つの靴又は走者の少なくとも1本の足との組み合わせに用いられるものであって、前記第一装着素子とは着脱可能に相互装着するための少なくとも1つの第二装着素子と、を備える、
カーブ走行台付きの抵抗生成可能なトレッドミル。
【請求項2】
各前記第一装着素子は第一基材を有し、前記第一基材の上面にはループ状面ファスナが設けられ、
前記第二装着素子は前記靴に適用するための第二基材を有し、前記第二基材の下面にはフック状面ファスナが設けられる、
請求項1に記載のカーブ走行台付きの抵抗生成可能なトレッドミル。
【請求項3】
各前記第一装着素子は第一基材を有し、前記第一基材の上面には少なくとも1つの第一磁石が設けられ、
前記第二装着素子は前記靴又は前記足に適用するための第二基材を有し、前記第二基材の下面には少なくとも1つの第二磁石が設けられ、
前記第一磁石及び前記第二磁石は異なる磁性を有する、
請求項1に記載のカーブ走行台付きの抵抗生成可能なトレッドミル。
【請求項4】
各前記第一装着素子は第一基材を有し、前記第一基材の上面には少なくとも1つの吸着パッドが設けられ、前記第二装着素子は前記靴又は前記足に適用するための第二基材を有し、前記第二基材の下面には前記少なくとも1つの吸着パッドとの吸着作用を生成可能な平面があり、又は、
前記第二基材の下面には前記少なくとも1つの吸着パッドが設けられ、前記第一基材の上面には前記少なくとも1つの吸着パッドとの吸着作用を生成可能な平面がある、
請求項1に記載のカーブ走行台付きの抵抗生成可能なトレッドミル。
【請求項5】
各前記第一装着素子は第一基材を有し、前記第一基材の上面には第一コロイド素子が設けられ、
前記第二装着素子は前記靴又は前記足に適用するための第二基材を有し、前記第二基材の下面には前記第一コロイド素子と互いに粘着可能な第二コロイド素子が設けられる、
請求項1に記載のカーブ走行台付きの抵抗生成可能なトレッドミル。
【請求項6】
これらのランニングバーは、
対向する両側辺に位置する一対の翼部が形成されているバー状本体と、
前記一対の翼部の上方に対応して設置される一対の押えバーと、を備え、
前記第一基材の対向する両側は、前記一対の押えバーをそれぞれ被覆し、
前記第一基材に被覆された前記一対の押えバーは、前記一対の翼部の上面に設置され、少なくとも1つの固定素子で前記第一基材、前記一対の押えバー及び前記一対の翼部を互いに固定する、
請求項2~5のいずれか1項に記載のカーブ走行台付きの抵抗生成可能なトレッドミル。
【請求項7】
これらのランニングバーは、
バー状本体と、
前記バー状本体の上方に対応して設置される押え板と、を備え、
前記第一基材は前記押え板を被覆し、前記第一基材に被覆された前記押え板は前記バー状本体の上面に設置され、少なくとも1つの固定素子で前記第一基材、前記押え板及び前記バー状本体を互いに固定する、
請求項2~5のいずれか1項に記載のカーブ走行台付きの抵抗生成可能なトレッドミル。
【請求項8】
前記ベースに設置され、前記一対の第一伝動輪の回転を駆動するための第一モータを更に備える、
請求項1に記載のカーブ走行台付きの抵抗生成可能なトレッドミル。
【請求項9】
前記ベースの一端の仰角を調整するための角度調整装置を更に備え、
前記角度調整装置は、
前記一対の第二伝動輪に相対的に近接する前記ベースの一端に回転可能に設置され、下端が地面に接触する可動支持脚と、
前記ベースに設置され、前記ベースの前記仰角を変更するよう前記可動支持脚に作用力を加えることで前記可動支持脚を前記ベースに対して回転させるための作動装置と、を備える、
請求項1に記載のカーブ走行台付きの抵抗生成可能なトレッドミル。
【請求項10】
前記ベースの一端の仰角を調整するための角度調整装置を更に備え、
前記角度調整装置は、
前記一対の第二伝動輪に相対的に近接する前記ベースの一端に回転可能に設置され、下端が地面に接触する可動支持脚と、
前記ベースに設置され、前記ベースの前記仰角を変更するよう前記可動支持脚に作用力を加えることで前記可動支持脚を前記ベースに対して回転させるための作動装置と、を備える、
請求項8に記載のカーブ走行台付きの抵抗生成可能なトレッドミル。
【請求項11】
前記作動装置は、
シリンダ筒と前記シリンダ筒内に部分的に設置されるシリンダシャフトとを有し、前記シリンダ筒の一端が前記可動支持脚に回転可能に連結されるスクリュシリンダと、
減速機を介して前記シリンダシャフトに連結され、前記ベースの前記仰角を変更するよう前記シリンダシャフトと前記シリンダ筒との相対的な軸方向移動を駆動するための第二モータと、を備える、
請求項9に記載のカーブ走行台付きの抵抗生成可能なトレッドミル。
【請求項12】
前記作動装置は、
シリンダ筒と前記シリンダ筒内に部分的に設置されるシリンダシャフトとを有し、前記シリンダ筒の一端が前記可動支持脚に回転可能に連結されるスクリュシリンダと、
減速機を介して前記シリンダシャフトに連結され、前記ベースの前記仰角を変更するよう前記シリンダシャフトと前記シリンダ筒との相対的な軸方向移動を駆動するための第二モータと、を備える、
請求項10に記載のカーブ走行台付きの抵抗生成可能なトレッドミル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は運動器材の分野に関し、特に走者のランニング中、靴と走行台との間の相互装着によって抵抗を生成することができるカーブ走行台付きの抵抗生成可能なトレッドミルに関する。
【背景技術】
【0002】
フィットネスが好きな人にとって、トレッドミルは外部環境や気候の影響を受けないため一般的に人気である。既知のトレッドミルの走行台は、主にベースの両端にそれぞれ伝動輪を設置し、前記二組の伝動輪にランニングベルトを巻き付けてループを形成し、環状のランニングベルトの上側をベース台の上方に位置させる。前述したトレッドミルは、平坦又はカーブ、動力を備えているかどうか、及び走行台の仰角を調整可能かどうかなどのタイプを更に含む。
【0003】
前述した平坦式のトレッドミルとは、走者が平坦な道を走ることを模擬するよう、走行台及びその上のランニングベルトが平坦面であるものを指す。カーブ式のトレッドミルとは、比較的好適な走行位置を提供し、走者からの衝撃を効果的に低減し、優れたトレーニング効果を提供するよう、走行台及びその上のランニングベルトが凹んだ弧形面であるものを指す。研究によると、カーブ式のトレッドミルは特定の健康ニーズを持つ人々(例えばパーキンソン病の患者)の歩行能力の向上に潜在的な利点があるとされている。
【0004】
前述した動力を備えたトレッドミル(いわゆる電動式トレッドミル)とは、モータが伝動輪を介してランニングベルトの回転を駆動させることで、走者が引っ張られて走行台上でランニングするものを指す。動力を備えていないトレッドミル(いわゆる自走式トレッドミル)は、モータなどの動力素子を配置せず、単純に走者がランニングベルト上でランニングする時の摩擦力によってランニングベルトを牽引し回転させることで、自然に体の作用力で速度を制御することができる。
【0005】
前述した仰角調整可能なトレッドミルとは、走者が異なる角度の斜面を走ることを模擬するよう、走行台先端の上向き傾斜の角度を調整できるものを指す。一方、仰角調整不可なトレッドミルには、この機能がない。
【0006】
前述の様々なタイプのトレッドミルは、1つの共通点を有し、即ち、走行台と走者の履いている靴との間には、材料自体の摩擦力で相互作用しているため、走者が走行台でランニングする際、足を持ち上げる時の抵抗を更に高めることはできない。しかしながら、これは特殊なトレーニングを必要とする走者には必要なものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、走者のランニング中に、靴と走行台との間に互いに装着・離れることができ、足を持ち上げる時に抵抗を発生させ、特殊なトレーニングを必要とする走者の使用に適するカーブ走行台付きの抵抗生成可能なトレッドミルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の提供するカーブ走行台付きの抵抗生成可能なトレッドミルは、その技術手段として、対向する両端に一対の第一伝動輪と一対の第二伝動輪がそれぞれ配置され、前記一対の第一伝動輪と前記一対の第二伝動輪との間に、下方に凹んだ一対のアークバーが配置され、前記一対のアークバーが前記一対の第一伝動輪の円心及び前記一対の第二伝動輪の円心の上方に位置されるベースと、前記一対の第一伝動輪と前記一対の第二伝動輪に連結され、前記一対の第一伝動輪と前記一対の第二伝動輪との相互伝動を行いつつこれらの伝動輪を回転させる一対のベルトコンベアと、前記一対のベルトコンベアの周方向に沿って配置される複数のランニングバーであって、前記複数のランニングバー各々の対向する両端がそれぞれ前記一対のベルトコンベアに固定され、前記ベースの上方に位置される前記複数のランニングバーの一部が前記一対のアークバーに支持され、前記ベルトコンベアが前記一対の第一伝動輪と前記一対の第二伝動輪の周りに回転するのに伴って移動する前記複数のランニングバーと、前記複数のランニングバー各々の上面にそれぞれ設置される複数の第一装着素子と、走者の少なくとも1つの靴又は走者の少なくとも1本の足との組み合わせに用いられるものであって、前記第一装着素子とは着脱可能に相互装着するための少なくとも1つの第二装着素子と、を備える。
【0009】
この構成によって、走者のランニング中に足を持ち上げると、ある程度の力を加えない限り靴がランニングベルトから離れられないため、抵抗の増加によって特殊なランニングトレーニングの目的を達成する。
【0010】
本発明の一実施例では、各前記第一装着素子は第一基材を有し、前記第一基材の上面にはループ状面ファスナが設けられ、前記第二装着素子は前記靴に適用するための第二基材を有し、前記第二基材の下面にはフック状面ファスナが設けられてもよい。前記ループ状面ファスナとフック状面ファスナは共に通称「ベルクロ(登録商標)ベルト」又は「マジックテープ(登録商標)」というものを構成し、前記ループ状面ファスナとフック状面ファスナとの間の相互粘着の構成によって抵抗を高める。
【0011】
本発明の一実施例では、各前記第一装着素子は第一基材を有し、前記第一基材の上面には少なくとも1つの第一磁石が設けられ、前記第二装着素子は前記靴又は前記足に適用するための第二基材を有し、前記第二基材の下面には少なくとも1つの第二磁石が設けられ、前記第一磁石及び前記第二磁石は異なる磁性を有してもよい。このように、前記第一磁石と第二磁石との間の磁気吸引力によって抵抗を高める。
【0012】
本発明の一実施例では、各前記第一装着素子は第一基材を有し、前記第一基材の上面には少なくとも1つの吸着パッドが設けられ、前記第二装着素子は前記靴又は前記足に適用するための第二基材を有し、前記第二基材の下面には前記少なくとも1つの吸着パッドとの吸着作用を生成可能な平面があり、又は、前記第二基材の下面には前記少なくとも1つの吸着パッドが設けられ、前記第一基材の上面には前記少なくとも1つの吸着パッドとの吸着作用を生成可能な平面があってもよい。このように、吸着パッドと平面との間に発生される真空吸引力によって抵抗を高める。
【0013】
本発明の一実施例では、各前記第一装着素子は第一基材を有し、前記第一基材の上面には第一コロイド素子が設けられ、前記第二装着素子は前記靴又は前記足に適用するための第二基材を有し、前記第二基材の下面には前記第一コロイド素子と互いに粘着可能な第二コロイド素子が設けられてもよい。このように、第一コロイド素子と第二コロイド素子との間の粘着によって抵抗を高める。
【0014】
本発明の前述したランニングバーの一実施例では、対向する両側辺に位置する一対の翼部が形成されているバー状本体と、前記一対の翼部の上方に対応して設置される一対の押えバーと、を備え、前記第一基材の対向する両側は、前記一対の押えバーをそれぞれ被覆し、前記第一基材に被覆された前記一対の押えバーは、前記一対の翼部の上面に設置され、少なくとも1つの固定素子で前記第一基材、前記一対の押えバー及び前記一対の翼部を互いに固定してもよい。この構成により、第一装着素子がランニングバーに強固に結合されることができ、第一装着素子が摩耗した後に容易に交換することができる。
【0015】
本発明の前述したランニングバーの他の実施例では、バー状本体と、前記バー状本体の上方に対応して設置される押え板と、を備え、前記第一基材は前記押え板を被覆し、前記第一基材に被覆された前記押え板は前記バー状本体の上面に設置され、少なくとも1つの固定素子で前記第一基材、前記押え板及び前記バー状本体を互いに固定してもよい。上記と同様、この構成により、第一装着素子がランニングバーに強固に結合されることができ、第一装着素子が摩耗した後に容易に交換することができる。
【0016】
本発明の他の実施例では、前記ベースに設置され、前記一対の第一伝動輪の回転を駆動するための第一モータを更に備えてもよい。前記第一モータによって動力が提供されて、ランニングバーを駆動してベルトコンベアと共に回転することで、走者が引っ張られて楽に走れるようになる。
【0017】
本発明の他の実施例では、前記ベースの一端の仰角を調整するための角度調整装置を更に備え、前記角度調整装置は、前記一対の第二伝動輪に相対的に近接する前記ベースの一端に回転可能に設置され、下端が地面に接触する可動支持脚と、前記ベースに設置され、前記ベースの前記仰角を変更するよう前記可動支持脚に作用力を加えることで前記可動支持脚を前記ベースに対して回転させるための作動装置と、を備えてもよい。この構成により、走行台の傾斜角度を調整して斜面を走ることを模擬可能である。
【0018】
好ましくは、前記作動装置は、シリンダ筒と前記シリンダ筒内に部分的に設置されるシリンダシャフトとを有し、前記シリンダ筒の一端が前記可動支持脚に回転可能に連結されるスクリュシリンダと、減速機を介して前記シリンダシャフトに連結され、前記ベースの前記仰角を変更するよう前記シリンダシャフトと前記シリンダ筒との相対的な軸方向移動を駆動するための第二モータと、を備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係るトレッドミルを示す斜視図である。
【
図2】本発明に係るトレッドミルの構成を示す分解斜視図である。
【
図3】本発明に係るトレッドミルの構成を示す拡大斜視図である。
【
図4】本発明に係るトレッドミルの構成を示す断面斜視図である。
【
図5】本発明に係るトレッドミルの構成を示す側面断面図である。
【
図6】本発明に係るトレッドミルのランニングバー及び第一装着素子の、第一実施例での組み合わせの構成を示す分解斜視図である。
【
図7】本発明に係るトレッドミルのランニングバー及び第一装着素子の、第二実施例での組み合わせの構成を示す分解斜視図である。
【
図8】本発明に係るトレッドミルの第二装着素子を靴と組み合わせる実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
便宜上、本発明を理解するために、以下では図面と実施例に合わせて本発明を詳細に説明する。図面には、全ての実施例ではなく、本発明の一部の実施例が示されている。本発明は、本明細書に記載の実施例に限定されるものではなく、多くの異なる形態で実施することができる。にもかかわらず、これらの実施例を提供する目的は、本発明に開示されている内容を一層理解できることである。本発明における実施例に基づいて、当業者が進歩的な努力を払わずに得た他の全ての実施例は、本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【0021】
特に定義がない限り、本明細書で使用される技術及び科学用語の全ては、本発明の当業者が一般的に理解するものと同じ意味である。本発明の明細書で使用される用語は、具体的な実施例の目的を説明するためのものにすぎず、本発明を制限するためのものではない。
【0022】
以下に述べる「第一」、「第二」などの用語の目的は、素子を区別することであり、素子の配置や取り付けの順番を制限するためのものではない。
【0023】
図1~
図4に示すように、本発明の提供するカーブ走行台付きの抵抗生成可能なトレッドミルは、ベース10の対向する両端に一対の第一伝動輪101と一対の第二伝動輪102がそれぞれ配置され、前記一対の第一伝動輪101と前記一対の第二伝動輪102との間に、下方に凹んだ一対のアークバー103が配置され、前記一対のアークバー103が前記一対の第一伝動輪101の円心C1及び前記一対の第二伝動輪102の円心C2の上方に位置される。
【0024】
前記一対の第一伝動輪101と前記一対の第二伝動輪102との間には、一対のベルトコンベア20が連結され、このようにして前記一対の第一伝動輪101と前記一対の第二伝動輪102との相互伝動を行いつつこれらの伝動輪が回転可能になる。前記一対のベルトコンベア20には、周方向に沿って複数のランニングバー30が配置される。
【0025】
即ち、前記複数のランニングバー30各々の対向する両端は、それぞれ前記一対のベルトコンベア20に固定され、前記複数のランニングバー30は、ベルトコンベア20が前記一対の第一伝動輪101と前記一対の第二伝動輪102の周りに回転するのに伴って移動する。前記複数のランニングバー30各々の上面には、第一装着素子40が設置される。前記第一装着素子40は、足又は靴と組み合わせることが可能な第二装着素子50に合わせてそれと着脱可能に相互粘着するためのものである。
【0026】
より詳しくは、ベース10の対向する両端に設置される第一伝動輪101と第二伝動輪102がタイミングプーリであってもよく、前記第一伝動輪101と第二伝動輪102を連結するベルトコンベア20はタイミングベルトであってもよい。タイミングベルトとタイミングプーリとの噛み合いによって、第一伝動輪101と第二伝動輪102はベルトコンベア20の回転を確実に駆動することができる。
【0027】
本発明の一実施例では、第一伝動輪101又は第二伝動輪102を駆動するためのいかなるモータを設けなくてもよい。この場合、走者がランニングベルト上でランニングする際、ランニングバー30を人力で推進させベルトコンベア20と共に回転することになる。しかしながら、別の実施例では、ベース10に第一モータ104を設置してもよく、前記第一モータ104は第一減速機105を介して前記一対の第一伝動輪101の回転を駆動させる。
【0028】
例えば、第一減速機105の出力軸に設置されるドライブプーリと、第一伝動輪101の中心軸に設置されるドリブンプーリ(図示せず)とに連結されるベルトを採用してもよい。又は、第一減速機105の出力軸に設置されるドライブギアを、第一伝動輪101の中心軸に設置されるドリブンギア(図示せず)に直接噛み合わせる。これにより、第一モータ104が前記一対の第一伝動輪101の回転を駆動すると、ベルトコンベア20によって前記一対の第二伝動輪102を牽引し回転させることで、各ランニングバー30がベルトコンベア20と共に回転する。
【0029】
前述した一対のアークバー103は、ベース10の対向する両側に配置され、前記一対のベルトコンベア20の側辺に位置され、前記一対のベルトコンベア20の下面より低い(
図3に示すように)。環状のベルトコンベア20の上方に位置する各ランニングバー30自体の重量にベルトコンベア20の重量を加えるとベルトコンベア20が垂下するため、垂下したベルトコンベア20及びランニングバー30は、ランニングバー30が前記一対のアークバー103に支持されることにより凹んだカーブ状に形成され、カーブ走行台を構成する。
【0030】
図6は、本発明に係るランニングバー30の第一実施例を示し、即ち、前記複数のランニングバー30各々は、1つのバー状本体301Aと一対の押えバー302とを備えてもよい。前記バー状本体301Aは、その対向する両側辺に位置する一対の翼部3011が形成され、各翼部3011上には複数の固定孔3012が設置される。バー状本体301Aの長手方向の対向する両端にはそれぞれ少なくとも1つの締め付け孔3013が設置され、これらの締め付け孔3013は、締め付け素子(例えばねじ)に貫通されてランニングバー30をベルトコンベア20に締め付けるためのものである。
【0031】
バー状本体301Aの下面には、バー状本体301Aが人体の重量に耐える十分な強度を有するよう補強リブ303が一体成形されてもよい。前記一対の押えバー302には、前記一対の翼部3011の上方に対応して設置されるための複数の貫通孔3021が設置されている。
【0032】
より明確的には、前記一対の翼部3011は、バー状本体301Aの対向する両側辺から水平に延びて突出しており、前記一対の翼部3011の上面は、バー状本体301Aの上面よりも低い。前記翼部3011の上面とバー状本体301Aの上面との高さの差は、基本的に押えバー302の厚さに等しい。これにより、押えバー302が翼部3011の上に置かれる際、押えバー302の上面とバー状本体301Aの上面とは基本的に面一となる。
【0033】
本発明の一実施例では、前述した第一装着素子40と第二装着素子50(
図8に示すように)として、通称「ベルクロベルト」又は「マジックテープ」というものを採用してもよい。前記第一装着素子40は第一基材401を有し、前記第一基材401の上面にはループ状面ファスナ402が設けられ、前記第一装着素子40の上には複数の穿孔403が更に設けられている。
【0034】
これにより、第一基材401の対向する両側は各押えバー302をそれぞれ被覆し、穿孔403を貫通孔3021に対応させ、第一基材401に被覆された前記一対の押えバー302を前記一対の翼部3011の上面に設置したうえで、翼部3011上の各固定孔3012を前記穿孔403と貫通孔3021に対応させ、固定素子304で前記第一基材401、前記一対の押えバー302及び前記一対の翼部3011を互いに固定する。即ち、第一基材401の対向する両側が翼部3011と押えバー302との間に押圧されつつ固定され、第一装着素子40とランニングバー30とを一体化させる。
【0035】
図6に示すように、前述した固定素子304は、例えば、ナット3041とねじ3042で構成されてもよい。ねじ3042をナッターに取り付けた後、前記ねじ3042をナット3041の一端のねじ孔30411に締め付け、ナット3041の他端が第一装着素子40の穿孔403、押えバー302の貫通孔3021及びランニングバー30の固定孔3012を順次に貫通し、前述したナッターを操作して前記ナット3041の他端を変形させ、第一装着素子40とランニングバー30とを結合して固定する。又は、前述した固定素子304をねじとナットとの組み合わせに置き換えてもよく、又は他の好適な固定素子でもよい。
【0036】
図7は本発明に係るランニングバー30の第二実施例を示し、即ち、前記複数のランニングバー30各々は、1つのバー状本体301Bと1つの押え板305とを備えてもよい。前記バー状本体301Bは、長尺状の平板に形成され、対向する両側に複数の固定孔3012が設置されている。バー状本体301Bの長手方向の対向する両端には、少なくとも1つの締め付け孔3013がそれぞれ設置される。
【0037】
バー状本体301Bの下面には、バー状本体301Bが人体の重量に耐える十分な強度を有するよう補強リブ303が一体成形されてもよい。前記押え板305には複数の貫通孔3021が設置されている。本発明の一実施例では、前述した第一装着素子40と第二装着素子50として、通称「ベルクロベルト」又は「マジックテープ」というものを採用してもよい。
【0038】
前記第一装着素子40は第一基材401を有し、前記第一基材401の上面にループ状面ファスナ402が設けられ、前記第一装着素子40の上に複数の穿孔403が更に設けられている。これにより、第一装着素子40の第一基材401の対向する両側はそれぞれ各押え板305の対向する両側を被覆し、穿孔403を貫通孔3021に対応させ、第一基材401に被覆された前記押え板305をバー状本体301Bの上面に設置したうえで、バー状本体301Bの各固定孔3012を該穿孔403と貫通孔3021に対応させ、前述した固定素子304で前記第一基材401、前記押え板305及び前記バー状本体301Bを互いに固定する。
【0039】
即ち、第一基材401の対向する両側がバー状本体301Bと押え板305との間に押圧されつつ固定され、第一装着素子40とランニングバー30とを一体化させる。
【0040】
前述した第二装着素子50は、足又は靴に対応して組み合わせることが可能な形態(例えば、靴カバー)に形成されることが好ましい。
図8に示すように、第二装着素子50は、靴底の代わりに靴の底部に固定し組み合わせるように形成されてもよく、本体となる第二基材501を有する。前記第二基材501の下面にはフック状面ファスナ502が設けられ、前記フック状面ファスナ502は、前述したループ状面ファスナ402に合わせて着脱可能に粘着するためのものである。前記第二装着素子50と靴との固定方式は、靴ひも、キャップボタン、…などの任意の方式を採用でき、これらに制限されない。
【0041】
図示していないが、本発明の提供する第一装着素子及び第二装着素子は、前述したベルクロベルト(又はマジックテープ)の代わりに他の方式を用いてもよい。例えば、前記第一基材の上面に少なくとも1つの第一磁石が設置され、前記第二基材の下面に少なくとも1つの第二磁石が設置されてもよい。前記第一磁石及び前記第二磁石は異なる磁性を有する。このように、前記第一磁石と第二磁石との間の磁気吸引力によって抵抗を高める。又は、前記第一基材の上面又は前記第二基材の下面には少なくとも1つの吸着パッドが設置され、前記第二基材の下面又は前記第一基材の上面には前記少なくとも1つの吸着パッドとの吸着作用を生成可能な平面が形成されてもよい。
【0042】
このように、吸着パッドと平面との間に発生される真空吸引力によって抵抗を高める。又は、前記第一基材の上面には第一コロイド素子(軟性の膠質粘着材)が設置され、前記第二基材の下面には前記第一コロイド素子と互いに粘着可能な第二コロイド素子(軟性の膠質粘着材)が設置されてもよい。このように、第一コロイド素子と第二コロイド素子との間の粘着によって抵抗を高める。
【0043】
前述した本発明のカーブ走行台付きの抵抗生成可能なトレッドミルによって、靴に第二装着素子50と組み合わせた走者が走行台でランニングする際、第一装着素子40と第二装着素子50との相互装着によって、走者が足を持ち上げる時より大きな力を消耗しない限り第二装着素子50が第一装着素子40から離れることができない。そのため、この抵抗によって走者がより大きな運動量をするようになり、特定の健康ニーズを持つ人々(例えばパーキンソン病の患者)の歩行能力の向上に潜在的な利点がある。
【0044】
なお、本発明の提供するカーブ走行台付きの抵抗生成可能なトレッドミルは、走行台の仰角を変更できないトレッドミルに適用可能であるうえに、走行台の仰角を調整できるトレッドミルにも適用可能である。走行台の仰角を調整できるトレッドミルにおいて、ベース10に前記ベース10の一端の仰角を調整するための角度調整装置60が設置されてもよい。前記角度調整装置60は、可動支持脚601と作動装置602とを備えてもよい。
【0045】
前記可動支持脚601は、前記一対の第二伝動輪102に相対的に近接するベース10の一端に回転可能に設置され、前記可動支持脚601の下端は地面に接触するためのものである。前記ベース10の他端には、地面に支持されるための固定支持脚603が設置される。前記作動装置602は、ベース10の一端の仰角を変更するよう可動支持脚601に作用力を加えることで前記可動支持脚601をベース10に対して回転させるためのものである。
【0046】
図4及び
図5に示すように、具体的には、前記作動装置602は、スクリュシリンダ6021と第二モータ6022とを備えてもよい。前記スクリュシリンダ6021は、シリンダ筒60211と、前記シリンダ筒60211内に部分的に設置されるシリンダシャフト60212とを有し、前記シリンダ筒60211の一端が可動支持脚601に回転可能に連結される。例えば、可動支持脚601に連結されるベース10の回転軸6023には一対の耳部6024が設置され、シリンダ筒60211の一端が前記一対の耳部6024に枢着される。
【0047】
前記第二モータ6022は、第二減速機6025を介してシリンダシャフト60212に連結され、第二モータ6022が起動すると、前記シリンダシャフト60212のシリンダ筒60211に対する相対的な軸方向移動を駆動する。このようにして、ベース10の地面に対する仰角を変更し、異なる勾配の地面を模擬する。
【0048】
上述したものは、本発明を説明するための好ましい実施例にすぎず、本発明に対するいかなる形式上の制限をしようとするものではない。そのため、同じ発明の主旨の下でなされた本発明に関するいかなる修飾又は変更は、いずれも本発明の意図的な保護の範疇に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0049】
10 ベース
101 第一伝動輪
102 第二伝動輪
103 アークバー
104 第一モータ
105 第一減速機
20 ベルトコンベア
30 ランニングバー
301A、301B バー状本体
3011 翼部
3012 固定孔
3013 締め付け孔
302 押えバー
3021 貫通孔
303 補強リブ
304 固定素子
3041 ナット
30411 ねじ孔
3042 ねじ
305 押え板
40 第一装着素子
401 第一基材
402 ループ状面ファスナ
403 穿孔
50 第二装着素子
501 第二基材
502 フック状面ファスナ
60 角度調整装置
601 可動支持脚
602 作動装置
6021 スクリュシリンダ
60211 シリンダ筒
60212 シリンダシャフト
6022 第二モータ
6023 回転軸
6024 耳部
6025 第二減速機
603 固定支持脚
C1、C2 円心