(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009666
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】レーザアニール装置およびレーザアニール方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/20 20060101AFI20250110BHJP
H01L 21/268 20060101ALI20250110BHJP
【FI】
H01L21/20
H01L21/268 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023175411
(22)【出願日】2023-10-10
(31)【優先権主張番号】P 2023112510
(32)【優先日】2023-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】500171707
【氏名又は名称】株式会社ブイ・テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】弁理士法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥野 武志
(72)【発明者】
【氏名】楊 映保
(72)【発明者】
【氏名】木下 理裕
(72)【発明者】
【氏名】橋爪 瑞葵
(72)【発明者】
【氏名】針谷 香織
(72)【発明者】
【氏名】後藤 順
【テーマコード(参考)】
5F152
【Fターム(参考)】
5F152BB02
5F152BB03
5F152CC02
5F152CD13
5F152CD14
5F152CD17
5F152CE05
5F152CE43
5F152EE01
5F152EE02
5F152FF01
5F152FF02
5F152FF05
5F152FF09
5F152FF32
5F152FF39
5F152FF44
5F152FG01
5F152FG03
5F152FG19
5F152FG22
5F152FG23
5F152FH02
5F152FH03
5F152FH08
5F152FH15
(57)【要約】
【課題】アモルファスシリコン膜をレーザアニールして結晶化膜に改質するまでのタクトタイムを短くするレーザアニール装置を提供すること。
【解決手段】アモルファスシリコン膜に向けて連続発振された結晶化レーザビームを照射する結晶化レーザビーム照射部を備え、前記アモルファスシリコン膜を結晶化膜に改質させるレーザアニール装置であって、前記結晶化レーザビーム照射部と共に前記アモルファスシリコン膜に対して相対的にスキャン方向に沿って移動し、前記結晶化レーザビームに先駆けて、前記アモルファスシリコン膜に向けて連続発振された複数の脱水素化レーザビームを照射する脱水素化レーザビーム照射部を備え、複数の前記脱水素化レーザビームにおける前記アモルファスシリコン膜に投影される複数の脱水素化レーザビームスポットと、前記結晶化レーザビームスポットとが、前記スキャン方向に沿って列をなすように配置される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上に成膜されたアモルファスシリコン膜に向けて連続発振された結晶化レーザビームを照射する結晶化レーザビーム照射部を備え、前記結晶化レーザビームにおける前記アモルファスシリコン膜に投影される結晶化レーザビームスポットが、前記アモルファスシリコン膜に対して相対的にスキャン方向に沿って移動して前記アモルファスシリコン膜を結晶化膜に改質させるレーザアニール装置において、
前記結晶化レーザビーム照射部と共に前記アモルファスシリコン膜に対して相対的にスキャン方向に沿って移動し、前記結晶化レーザビームに先駆けて、前記アモルファスシリコン膜に向けて連続発振された複数の脱水素化レーザビームを照射する脱水素化レーザビーム照射部を備え、
複数の前記脱水素化レーザビームにおける前記アモルファスシリコン膜に投影される複数の脱水素化レーザビームスポットと、前記結晶化レーザビームスポットとが、前記スキャン方向に沿って列をなすように配置される、
ことを特徴とするレーザアニール装置。
【請求項2】
前記アモルファスシリコン膜における複数の前記脱水素化レーザビームスポットが照射された領域を含む複数のビーム照射領域は、前記アモルファスシリコン膜に残留する水素により水素爆発を起こす温度未満の脱水素可能な温度領域内に収まるように、
複数の前記脱水素化レーザビームにおいて、本数、互いに隣接する前記脱水素化レーザビーム同士の距離、スキャン速度、および前記脱水素化レーザビームの出力、から選ばれる条件が調整される、
請求項1に記載のレーザアニール装置。
【請求項3】
前記結晶化レーザビーム照射部は、結晶化用光源から結晶化用光ファイバを介してレーザ光が導かれ、
前記脱水素化レーザビーム照射部は、複数の脱水素化用光源のそれぞれから脱水素化用光ファイバを介してレーザ光が導かれる、
請求項1に記載のレーザアニール装置。
【請求項4】
前記結晶化レーザビーム照射部と、前記脱水素化レーザビーム照射部と、が一体に設けられている、
請求項1に記載のレーザアニール装置。
【請求項5】
前記結晶化用光源および前記脱水素化用光源は、青色半導体ダイオードである、
請求項3に記載のレーザアニール装置。
【請求項6】
前記結晶化膜は、低温ポリシリコン膜または疑似単結晶シリコン膜である、
請求項1に記載のレーザアニール装置。
【請求項7】
複数の前記脱水素化レーザビームにおける前記アモルファスシリコン膜に投影される複数の脱水素化レーザビームスポットを、前記スキャン方向と直角をなす方向にずらして複数回の照射を行うように設定されている、
請求項1に記載のレーザアニール装置。
【請求項8】
複数の前記脱水素化レーザビームスポットは、前記基板に対して、前記結晶化レーザビームスポットの幅よりも広い領域に脱水素化領域を形成する、
請求項1に記載のレーザアニール装置。
【請求項9】
複数の前記脱水素化レーザビームスポットは、前記スキャン方向に沿って配置される列を、前記スキャン方向に直角をなす方向に所定の距離を隔てて、複数配置される、
請求項8に記載のレーザアニール装置。
【請求項10】
基板の上に成膜されたアモルファスシリコン膜に向けて連続発振された結晶化レーザビームを照射し、結晶化レーザビームにおける前記アモルファスシリコン膜に投影される結晶化レーザビームスポットが、前記アモルファスシリコン膜に対して相対的にスキャン方向に沿って移動して前記アモルファスシリコン膜を結晶化膜に改質させるレーザアニール方法において、
前記結晶化レーザビームと共に前記アモルファスシリコン膜に対して相対的にスキャン方向に沿って移動し、前記結晶化レーザビームに先駆けて、前記アモルファスシリコン膜に向けて連続発振された複数の脱水素化レーザビームを照射させ、
複数の前記脱水素化レーザビームにおける前記アモルファスシリコン膜に投影される複数の脱水素化レーザビームスポットと、前記結晶化レーザビームスポットと、が、前記スキャン方向に沿って列をなすように配置させる、
ことを特徴とするレーザアニール方法。
【請求項11】
前記アモルファスシリコン膜における複数の前記脱水素化レーザビームスポットが照射された領域を含む複数ビーム照射領域は、前記アモルファスシリコン膜に残留する水素により水素爆発を起こす温度未満の脱水素可能な温度領域内に収まるように、複数の前記脱水素化レーザビームにおいて、本数、互いに隣接する前記脱水素化レーザビーム同士の距離、スキャン速度、および前記脱水素化レーザビームの出力、から選ばれる条件が調整される、
請求項10に記載のレーザアニール方法。
【請求項12】
前記結晶化レーザビームおよび前記脱水素化レーザビームの光源として、青色半導体ダイオード用い、前記結晶化膜は、低温ポリシリコン膜または疑似単結晶シリコン膜である、
請求項10に記載のレーザアニール方法。
【請求項13】
複数の前記脱水素化レーザビームにおける前記アモルファスシリコン膜に投影される複数の脱水素化レーザビームスポットを、前記スキャン方向と直角をなす方向にずらして複数回の照射を行う、
請求項10に記載のレーザアニール方法。
【請求項14】
複数の前記脱水素化レーザビームスポットは、前記基板に対して、前記結晶化レーザビームスポットの幅よりも広い領域に脱水素化領域を形成する、
請求項10に記載のレーザアニール方法。
【請求項15】
複数の前記脱水素化レーザビームスポットは、前記スキャン方向に沿って配置される列が、前記スキャン方向に直角をなす方向に所定の距離をずらして、複数配置される、
請求項14に記載のレーザアニール方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LTPS(以下、低温ポリシリコンともいう)の製造工程において、アモルファスシリコン膜の脱水素化および結晶化を行うレーザアニール装置およびレーザアニール方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LTPSとは、低温条件で生成するポリシリコンのことである。このLTPSは、アモルファスシリコンの生成温度と同程度の500℃程度の温度で生成することができる。ポリシリコンは、アモルファスシリコンと比べて電流駆動能力(移動度)が高いため、液晶表示ディスプレイに適用した場合、表示速度を速くするという特長がある。また、液晶を制御するための薄膜トランジスタ(以下、TFTという)も小型化できるため、その分、液晶の画素開口部の面積を広くでき、輝度を上げることもできる。上述のように、LTPSの生成は低温条件であるため、アモルファスシリコンをTFTの構成膜として用いる薄型ディスプレイ(FPD:Flat Panel Display)と同様に安価なガラス基板(高歪点ガラス)を使用できる。このため、製造コストを安く抑えることができる。
【0003】
TFTにおけるチャネル領域の移動度を高めるため、アモルファスシリコン膜に対して疑似単結晶シリコンを横方向(ラテラル)結晶成長させるレーザアニール方法が知られている。このレーザアニール方法では、エキシマレーザアニールによって形成した微結晶シリコン膜の結晶粒を種結晶として、連続発振レーザ光のスキャン方向にラテラル結晶成長させて、移動度の高い疑似単結晶シリコン膜を形成する。
【0004】
上述のアモルファスシリコン膜のレーザアニール方法では、前処理として、アモルファスシリコン膜中に含まれる水素を離脱させるための脱水素処理が必要である。この脱水素処理を行う装置としては、TFT基板を収納して脱水素処理温度で加熱する脱水素処理炉と、TFT基板におけるゲート配線に電流を発生させてこのゲート配線を発熱させる電流発生部と、を備える脱水素処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のように、従来のレーザアニール方法では、タクトタイムが長くなり、生産効率が低下するという課題がある。従来のレーザアニール方法では、アモルファスシリコン膜内に含まれる水素を離脱させるための脱水素処理炉からTFT基板をレーザアニール装置に移し、アモルファスシリコン膜にレーザアニールを行う必要がある。近年、表示ディスプレイのTFT基板が大型化しているため、大型の脱水素処理炉が必要である。したがって、上述のレーザアニール方法では、アモルファスシリコン膜を疑似単結晶シリコン膜に改質させるまでのタクトタイムが長くなり、コストが高くなるという課題がある。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、アモルファスシリコン膜をレーザアニールして結晶化膜に改質するまでのタクトタイムを短くするレーザアニール装置およびレーザアニール方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明の態様は、基板の上に成膜されたアモルファスシリコン膜に向けて連続発振された結晶化レーザビームを照射する結晶化レーザビーム照射部を備え、前記結晶化レーザビームにおける前記アモルファスシリコン膜に投影される結晶化レーザビームスポットが、前記アモルファスシリコン膜に対して相対的にスキャン方向に沿って移動して前記アモルファスシリコン膜を結晶化膜に改質させるレーザアニール装置において、前記結晶化レーザビーム照射部と共に前記アモルファスシリコン膜に対して相対的にスキャン方向に沿って移動し、前記結晶化レーザビームに先駆けて、前記アモルファスシリコン膜に向けて連続発振された複数の脱水素化レーザビームを照射する脱水素化レーザビーム照射部を備え、複数の前記脱水素化レーザビームにおける前記アモルファスシリコン膜に投影される複数の脱水素化レーザビームスポットと、前記結晶化レーザビームスポットとが、前記スキャン方向に沿って列をなすように配置されることを特徴とする。
【0009】
上記態様としては、前記アモルファスシリコン膜における複数の前記脱水素化レーザビームスポットが照射された領域を含む複数のビーム照射領域は、前記アモルファスシリコン膜に残留する水素により水素爆発を起こす温度未満の脱水素可能な温度領域内に収まるように、複数の前記脱水素化レーザビームにおいて、本数、互いに隣接する前記脱水素化レーザビーム同士の距離、スキャン速度、および前記脱水素化レーザビームの出力、から選ばれる条件が調整されることが好ましい。なお、この態様としては、少なくともスキャン速度および前記脱水素化レーザビームの出力に応じて、前記スキャン方向に沿って互いに隣接する前記脱水素化レーザビーム間の距離が調整されることが好ましい。
【0010】
上記態様としては、前記結晶化レーザビーム照射部は、結晶化用光源から結晶化用光ファイバを介してレーザ光が導かれ、前記脱水素化レーザビーム照射部は、複数の脱水素化用光源のそれぞれから脱水素化用光ファイバを介してレーザ光が導かれることが好ましい。
【0011】
上記態様としては、前記結晶化レーザビーム照射部と、前記脱水素化レーザビーム照射部と、が一体に設けられていることが好ましい。
【0012】
上記態様としては、前記結晶化用光源および前記脱水素化用光源は、青色半導体ダイオードであることが好ましい。
【0013】
上記態様としては、前記結晶化膜は、低温ポリシリコン膜または疑似単結晶シリコン膜であることが好ましい。
【0014】
複数の前記脱水素化レーザビームにおける前記アモルファスシリコン膜に投影される複数の脱水素化レーザビームスポットを、前記スキャン方向と直角をなす方向にずらして複数回の照射を行うように設定されていることが好ましい。
【0015】
上記態様としては、複数の前記脱水素化レーザビームスポットは、前記基板に対して、前記結晶化レーザビームスポットの幅よりも広い領域に脱水素化領域を形成することが好ましい。
【0016】
上記態様としては、複数の前記脱水素化レーザビームスポットは、前記スキャン方向に沿って配置される列を、前記スキャン方向に直角をなす方向に所定の距離を隔てて、複数配置されることが好ましい。
【0017】
本発明の他の態様は、基板の上に成膜されたアモルファスシリコン膜に向けて連続発振された結晶化レーザビームを照射し、結晶化レーザビームにおける前記アモルファスシリコン膜に投影される結晶化レーザビームスポットが、前記アモルファスシリコン膜に対して相対的にスキャン方向に沿って移動して前記アモルファスシリコン膜を結晶化膜に改質させるレーザアニール方法において、前記結晶化レーザビームと共に前記アモルファスシリコン膜に対して相対的にスキャン方向に沿って移動し、前記結晶化レーザビームに先駆けて、前記アモルファスシリコン膜に向けて連続発振された複数の脱水素化レーザビームを照射させ、複数の前記脱水素化レーザビームにおける前記アモルファスシリコン膜に投影される複数の脱水素化レーザビームスポットと、前記結晶化レーザビームスポットと、が、前記スキャン方向に沿って列をなすように配置させることを特徴とする。
【0018】
上記態様としては、前記アモルファスシリコン膜における複数の前記脱水素化レーザビームスポットが照射された領域を含む複数ビーム照射領域は、前記アモルファスシリコン膜に残留する水素により水素爆発を起こす温度未満の脱水素可能な温度領域内に収まるように、複数の前記脱水素化レーザビームにおいて、本数、互いに隣接する前記脱水素化レーザビーム同士の距離、スキャン速度、および前記脱水素化レーザビームの出力、から選ばれる条件が調整されることが好ましい。なお、この態様においては、少なくともスキャン速度および前記脱水素化レーザビームの出力に応じて、前記スキャン方向に沿って互いに隣接する前記脱水素化レーザビーム間の距離が調整されることが好ましい。
【0019】
上記態様としては、前記結晶化レーザビームおよび前記脱水素化レーザビームの光源として、青色半導体ダイオード用い、前記結晶化膜は、低温ポリシリコン膜または疑似単結晶シリコン膜であることが好ましい。
【0020】
上記態様としては、複数の前記脱水素化レーザビームにおける前記アモルファスシリコン膜に投影される複数の脱水素化レーザビームスポットを、前記スキャン方向と直角をなす方向にずらして複数回の照射を行うことが好ましい。
【0021】
上記態様としては、複数の前記脱水素化レーザビームスポットは、前記基板に対して、前記結晶化レーザビームスポットの幅よりも広い領域に脱水素化領域を形成することが好ましい。
【0022】
上記態様としては、複数の前記脱水素化レーザビームスポットは、前記スキャン方向に沿って配置される列が、前記スキャン方向に直角をなす方向に所定の距離をずらして、複数配置されることが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係るレーザアニール装置およびレーザアニール方法によれば、レーザアニールしてアモルファスシリコン膜を結晶化膜に改質するまでのタクトタイムを短くするという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るレーザアニール装置を示す構成説明図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るレーザアニール装置を作動させた状態を示す側面説明図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1の実施の形態に係るレーザアニール装置の結晶化レーザビーム照射部および脱水素化レーザビーム照射部の平面説明図である。
【
図4】
図4は、本発明の第1の実施の形態に係るレーザアニール装置における脱水素化用光ファイバの出射端部同士の距離を示す平面説明図である。
【
図5】
図5は、本発明の第1の実施の形態に係るレーザアニール装置における、脱水素化用光ファイバの本数とスキャン速度との関係を示す図である。
【
図6】
図6は、レーザアニール装置において脱水素化用光ファイバの本数が1本の場合を示し、脱水素不足状態、適正な脱水素状態、および水素爆発を起こす状態を示す図である。
【
図7】
図7は、レーザアニール装置において脱水素化用光ファイバを2本用いた例(実線F)と2本以上に増加させた例を示し、複数の脱水素化レーザビームスポットが照射された領域を含む領域が脱水素可能な温度領域内に収まっている状態を示す図である。
【
図8】
図8は、レーザアニール装置において脱水素化用光ファイバを2本用いた場合を示し、2つの脱水素化レーザビームスポットが照射された領域に水素爆発を起こす領域と、脱水素不足となる温度になる領域が出現した状態を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の第1の実施の形態に係るレーザアニール装置において、結晶化レーザビーム照射部と脱水素化レーザビーム照射部と、がスキャン方向へ移動する状態を示す平面説明図である。
【
図10】
図10は、本発明の第1の実施の形態に係るレーザアニール装置を適用する基板構造を示す説明図である。
【
図11】
図11は、本発明の第1の実施の形態に係るレーザアニール装置を適用する他の基板構造を示す説明図である。
【
図12】
図12は、本発明の第1の実施の形態に係るレーザアニール装置を用いてTFT形成領域のみに結晶化膜を作成する実施例を示す平面説明図である。
【
図13】
図13は、本発明の第1の実施の形態に係るレーザアニール装置を用いて基板周辺に駆動回路を形成する領域に結晶化膜を作成する実施例を示す平面説明図である。
【
図14】
図14は、本発明の第2の実施の形態に係るレーザアニール装置を示す構成説明図である。
【
図15】
図15は、本発明の第2の実施の形態に係るレーザアニール装置を作動させた状態を示す側面説明図である。
【
図16】
図16は、本発明の第2の実施の形態に係るレーザアニール装置の結晶化レーザビーム照射部および脱水素化レーザビーム照射部の平面説明図である。
【
図17】(a)は、脱水素化工程後の結晶化工程におけるクラック発生のメカニズムの説明に用いる脱水素化工程の前の状態を示し、脱水素化レーザビームスポットの配置状態、照射量、および断面との対応関係を示し、(b)は、脱水素化工程の基板表面の状態、照射量、および断面との対応関係を示し、(c)は、結晶化工程後の基板面のクラック発生状態、照射量、および断面との対応関係との対応関係を示す。
【
図18】(a)は、本発明の第1および第2の実施の形態に適用される、脱水素化レーザビームスポットの径寸法よりも結晶化レーザビームスポットの幅寸法が短い変形例1を示し、脱水素化レーザビームスポットの配置状態、直径、結晶化レーザビームスポットの幅寸法との関係、照射量、および断面との対応関係を示し、(b)は、脱水素化レーザビームスポットの径寸法よりも結晶化レーザビームスポットの幅寸法が短い変形例1を示し、脱水素化工程の基板表面の状態、照射量、および断面との対応関係を示す図であり、(c)は、脱水素化レーザビームスポットの径寸法よりも結晶化レーザビームスポットの幅寸法が短い変形例1を示し、結晶化工程の基板表面の状態、照射量、および断面との対応関係を示す図である。
【
図19】(a)は、本発明の第1および第2の実施の形態に適用される、脱水素化レーザビームスポットが矩形で脱水素化レーザビームスポットの幅寸法よりも矩形状の結晶化レーザビームスポットの幅寸法が短い変形例2を示し、脱水素化工程前の状態であり、脱水素化レーザビームスポットの配置状態、照射量、および断面との対応関係を示す図であり、(b)は、脱水素化レーザビームスポットが矩形で脱水素化レーザビームスポットの幅寸法よりも矩形状の結晶化レーザビームスポットの幅寸法が短い変形例2を示し、脱水素化工程の基板表面の状態、照射量、および断面とのとの対応関係を示す図であり、(c)は、脱水素化レーザビームスポットが矩形で脱水素化レーザビームスポットの幅寸法よりも矩形状の結晶化レーザビームスポットの幅寸法が短い変形例2を示し、結晶化工程後の基板表面の状態、照射量、および断面との対応関係を示す図である。
【
図20】(a)は、本発明の第1および第2の実施の形態に適用される、脱水素化工程における脱水素化レーザビームスポットの列を、スキャン方向と直角をなす方向へ順次ずらして複数回のスキャンを行って結晶化レーザビームスポットよりも広い脱水素化領域を形成する変形例3を示し、1回目の脱水素化工程の状態であり、脱水素化レーザビームスポットの配置状態、照射量、および断面との対応関係を示す図であり、(b)は、脱水素化工程における脱水素化レーザビームスポットの列を、スキャン方向と直角をなす方向へ順次ずらして複数回のスキャンを行って結晶化レーザビームスポットよりも広い脱水素化領域を形成する変形例3を示し、3回目の脱水素化工程の状態であり、脱水素化レーザビームスポットの配置状態、照射量、および断面との対応関係を示す図であり、(c)は、脱水素化工程における脱水素化レーザビームスポットの列を、スキャン方向と直角をなす方向へ順次ずらして複数回のスキャンを行って結晶化レーザビームスポットよりも広い脱水素化領域を形成する変形例3を示し、結晶化工程の状態であり、基板表面の状態、照射量、および断面との対応関係を示す図である。
【
図21】(a)は、本発明の第1および第2の実施の形態に適用される、脱水素化工程における脱水素化レーザビームスポットの列で、同じ領域を複数回のスキャンを行って結晶化レーザビームスポットよりも広い脱水素化領域を形成する変形例4を示し、1回目の脱水素化工程の状態であり、脱水素化レーザビームスポットの配置状態、照射量、および断面との対応関係を示す図であり、(b)は、脱水素化工程における脱水素化レーザビームスポットの列で、同じ領域を複数回のスキャンを行って結晶化レーザビームスポットよりも広い脱水素化領域を形成する変形例4を示し、3回目の脱水素化工程の状態であり、脱水素化レーザビームスポットの配置状態、照射量、および断面との対応関係を示す図であり、(c)は、脱水素化工程における脱水素化レーザビームスポットの列で、同じ領域を複数回のスキャンを行って結晶化レーザビームスポットよりも広い脱水素化領域を形成する変形例3を示し、結晶化工程の状態であり、基板表面の状態、照射量、および断面との対応関係を示す図である。
【
図22】(a)は、本発明の第1および第2の実施の形態に適用される脱水素化工程における脱水素化レーザビームスポットの列をスキャン方向と直角をなす方向へずらした状態で順次互い違いに配置した変形例5を示す脱水素化レーザビームスポットの配置説明図であり、(b)は、脱水素化工程における脱水素化レーザビームスポットの列をスキャン方向と直角をなす方向へずらした状態で順次互い違いに配置した変形例5を示す脱水素化レーザビームスポットの部分拡大配置図と脱水素化レーザビームスポットの配列に対応する照射量を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明の実施の形態に係るレーザアニール装置およびレーザアニール方法の詳細を図面に基づいて説明する。但し、図面は模式的なものであり、各部材の数、各部材の寸法、寸法の比率、形状などは現実のものと異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率や形状が異なる部分が含まれている。
【0026】
[第1の実施の形態]
(レーザアニール装置の概略構成)
図1および
図2に示すように、第1の実施の形態に係るレーザアニール装置1は、半導体レーザアレイ2と、脱水素化レーザビーム照射部3と、結晶化レーザビーム照射部4と、基板10を配置する図示しないステージと、脱水素化レーザビーム照射部3および結晶化レーザビーム照射部4をスキャン方向Sに沿って上記ステージに対して相対移動させる図示しない搬送手段と、を備えている。
【0027】
図2に示すように、本実施の形態で用いる基板10は、ガラス基板11を本体とする。
このガラス基板11の上には、下地膜12、被レーザアニール処理膜としてのアモルファスシリコン膜13が順次積層されている。なお、
図10に示すように、下地膜12は、シリコン窒化膜(Si3N4)14とシリコン酸化膜(SiO2)15とで構成されている。
【0028】
(半導体レーザアレイ)
図1に示すように、半導体レーザアレイ2は、脱水素化光源ユニット2Aと、結晶化光源ユニット2Bと、を備える。
【0029】
図1に示すように、脱水素化光源ユニット2Aは、複数の脱水素化用光源としての青色半導体レーザLD1~LD24を備える。なお、本実施の形態では、青色半導体レーザを24個備えるが、複数であればこれに限定されるものではない。これら青色半導体レーザLD1~LD24は、連続発振レーザ光(CWレーザ光)を発振する。
【0030】
脱水素化光源ユニット2Aは、上記の複数の青色半導体レーザLD1~LD24と同数のカップリングレンズ21を備える。カップリングレンズ21は、それぞれの青色半導体レーザLD1~LD24の出射側に接続されている。それぞれのカップリングレンズ21には、導波路としての脱水素化用光ファイバ22Aの一端部が接続されている。本実施の形態では、脱水素化用光ファイバ22Aとしてマルチモードファイバを適用している。なお、図面において、脱水素化用光ファイバ22Aおよび結晶化用光ファイバ22Bにおけるコアのみを表示してクラッドは省略する。
【0031】
結晶化光源ユニット2Bは、単数の青色半導体レーザLD25と、カップリングレンズ21と、を備える。カップリングレンズ21には、導波路としての結晶化用光ファイバ22Bの一端部が接続されている。青色半導体レーザLD25は、連続発振レーザ光(CWレーザ光)を発振する。
【0032】
ここで、結晶化光源ユニット2Bにおける青色半導体レーザLD25で出力する連続発振レーザ光(CWレーザ光)とは、目的領域に対して連続してレーザ光を照射する所謂疑似連続発振も含む概念である。つまり、レーザ光がパルスレーザであっても、パルス間隔が加熱後のシリコン薄膜(アモルファスシリコン膜)の冷却時間よりも短い(固まる前に次のパルスで照射する)疑似連続発振レーザであってもよい。
【0033】
(脱水素化レーザビーム照射部および結晶化レーザビーム照射部)
図2に示すように、脱水素化レーザビーム照射部3および結晶化レーザビーム照射部4は、これらを一体に接続する細長い板状の共通ヘッド5を備える。
図2、
図3および
図4に示すように、本実施の形態においては、脱水素化レーザビーム照射部3は、上記した複数の脱水素化用光ファイバ22Aの出射側端部が、共通ヘッド5の一端側の部分において長手方向に沿って等しい距離Dに列をなすように配置されている。なお、本実施の形態において、共通ヘッド5の長手方向は、基板10に対する相対的なスキャン方向Sと同一である。
【0034】
複数の脱水素化用光ファイバ22Aの出射側端部が取り付けられた共通ヘッド5の下面側には、結像光学系としてのレンズ7が設けられている。このため、脱水素化用光ファイバ22Aの出射側端部から出射されたそれぞれのレーザビームLBは、レンズ7で集光されて基板10のアモルファスシリコン膜13の表面に所定の径寸法の脱水素化レーザビームスポットBSを投影する。なお、本実施の形態では、複数の脱水素化レーザビームスポットBSも、等しい距離になるように設定されている。なお、レンズ7としては、単一レンズ、複合レンズの各種の結像光学系レンズを適用することができる。
【0035】
図3に示すように、結晶化レーザビーム照射部4は、共通ヘッド5の他端側の部分に、結晶化用光ファイバ22Bの出射側端部が、上記の脱水素化用光ファイバ22Aの出射側端部と列をなすよう配置されている。
【0036】
図2に示すように、共通ヘッド5の下面側には、結晶化用光ファイバ22Bの出射側端部と対応する位置に、結像光学系としてのレンズ8が配置されている。このため、結晶化用光ファイバ22Bの出射側端部から出射されたそれぞれのレーザビームLBは、レンズ8で集光されて基板10のアモルファスシリコン膜13(13a)の表面に所定の径寸法の結晶化レーザビームスポットBSを投影する。
【0037】
図示しない搬送手段は、レーザアニール処理を施す基板10をスキャン方向Sへ設定された速度で搬送する機構を備える。なお、搬送手段は、脱水素化レーザビーム照射部3および結晶化レーザビーム照射部4の位置を固定して、基板10をスキャン方向Sと反対の方向へ搬送してもよいし、基板10の位置を固定して、脱水素化レーザビーム照射部3および結晶化レーザビーム照射部4をスキャン方向Sへ搬送してもよい。
【0038】
図2および
図9に示すように、本実施の形態では、基板10の表面に照射される結晶化レーザビーム照射部4のビームスポットBSは、脱水素化レーザビーム照射部3のビームスポットBSよりも、スキャン方向Sの上流側に配置されている。
図9において、複数の白い円は、脱水素化レーザビームLBのビームスポットを示し、ハッチングを付した円は、結晶化レーザビームのビームスポットを示す。基板10の表面のアモルファスシリコン膜13に改質予定領域Lは、結晶化レーザビーム照射部4の結晶化レーザビームLBの照射に先駆けて、脱水素化レーザビーム照射部3の複数の脱水素化レーザビームLBの照射が行われる。
【0039】
したがって、
図2に示すように、アモルファスシリコン膜(未脱水素化膜)13は、脱水素化レーザビーム照射部3が通過することにより膜中の水素が抜かれて、アモルファスシリコン膜(脱水素化膜)13aに変化する。そして、結晶化レーザビーム照射部4が通過することにより、ポリシリコン膜(結晶化膜)13bが生成(改質)される。
【0040】
(脱水素化レーザビーム照射部の設定)
本実施の形態では、アモルファスシリコン膜13における複数の脱水素化レーザビームスポットBSが照射された領域を含む複数のビーム照射領域は、アモルファスシリコン膜13に残留する水素により水素爆発を起こす温度未満の脱水素可能な温度領域内に収まるように設定されている。
【0041】
このように脱水素可能な温度領域内に収まるようにするには、複数の脱水素化レーザビームLBにおいて、本数、互いに隣接する脱水素化レーザビームLB同士の距離、スキャン速度、および脱水素化レーザビームLBの出力、から選ばれる条件が調整されることが好ましい。加えて、上記のように、脱水素可能な温度領域内に収まるようにするには、少なくともスキャン速度および脱水素化レーザビームLBの出力に応じて、スキャン方向Sに沿って互いに隣接する脱水素化レーザビームLB間の距離を調整してもよい。
【0042】
以下に、脱水素化用光ファイバ22Aの出射側端部同士の距離Dの設定について説明する。アモルファスシリコン膜13における複数の脱水素化レーザビームスポットBSが照射された改質予定領域Lを含む複数のビーム照射領域は、アモルファスシリコン膜13に残留する水素により水素爆発を起こす温度未満の脱水素可能な温度領域内に収まるように、脱水素化用光ファイバ22Aの出射側端部同士の距離Dを設定する。なお、脱水素化用光ファイバ22Aの出射側端部同士の距離Dに代えて、脱水素化レーザビームスポットBS同士の距離を設定してもよい。
【0043】
図6は、脱水素化用光ファイバ22Aが1つだけの場合における、基板温度(℃)とスキャンしている時間(t)との関係を示す。
図6において鎖線Aは、1つの脱水素化用光ファイバ22Aから出射するレーザビームLBに起因する基板温度が、脱水素化が可能となる温度領域DH(例えば、500℃程度の温度領域)よりも低い場合を示す。この場合、脱水素不足となり、アモルファスシリコン膜13に水素が残留するため、その後、結晶化レーザビーム照射部4によるレーザアニールにより水素爆発が発生し、アブレーション状態が観察される。
【0044】
図6における破線Cは、基板温度が、脱水素化が可能となる温度領域DHよりも急激に上昇して、アモルファスシリコン膜13中の水素が一気に膜外へ抜けようとするため、水素爆発状態となりやすい。
【0045】
図6における実線Bは、基板温度が、アモルファスシリコン膜13の脱水素化が可能となる温度領域DHとなり、適正な条件となる。しかしながら、この実線Bは、脱水素化用光ファイバ22Aが1つであるため、アモルファスシリコン膜13の表面に多数本の改質予定領域Lが設定された基板10では、脱水素化に長時間を要してしまう。このため、従来では、アモルファスシリコン膜13の脱水素工程には、脱水素処理炉が使用されており、基板10全体を脱水素処理炉に入れた状態で、500℃程度の温度で1~2時間加熱することが行われている。
【0046】
図5は、複数の脱水素化用光ファイバ22Aを用いたときの、ファイバ本数とスキャン速度(mm/sec)との関係を示す。この結果は、脱水素化用光ファイバ22Aが24本の青色半導体レーザLD1~LD24を点灯制御して得られる。
図5に示すように、ファイバ本数とスキャン速度とに比例関係が観測される。すなわち、1本の脱水素化用光ファイバ22Aで脱水素処理が可能なスキャン速度が1と仮定すると、脱水素化用光ファイバ22Aを24本使用した場合、脱水素処理が可能なスキャン速度も約24倍になることが分かる。
【0047】
このように、脱水素化用光ファイバ22Aの本数を増やすことにより、1スキャン当たり照射時間を増加させることができると共に、脱水素処理が可能なスキャン速度を速く設定することが可能となる。このため、TFT基板(基板10)1枚当たりの脱水素処理に要する時間、すなわち、タクトタイムを大幅に削減することが可能となる。
【0048】
1つのレーザアニール装置内で、脱水素化レーザビームと結晶化レーザビームの2つの用途のレーザビームを同時に用いる場合、要求される出力が大きく異なる両者の条件を揃えることが困難であった。スキャン速度を落として確実に脱水素化させることが要求される脱水素化工程に、スキャン速度の著しく速い結晶化工程を合わせることが困難であった。
【0049】
以下に説明するように、本実施の形態では、一例として、脱水素化用光ファイバ22Aの出射側端部同士の距離Dを設定することにより、脱水素化レーザビームと結晶化レーザビームの2つの用途のレーザビームを効率的に用いることを実現している。
【0050】
上述のように、脱水素化レーザビーム照射部3において、多数の脱水素化用光ファイバ22Aの出射側端部を、列をなすように配置した場合に、脱水素化用光ファイバ22Aの出射側端部同士の距離Dが重要となる。
図7は、2本の脱水素化用光ファイバ22Aの距離Dを適切化した状態を示す。
図7に示す実線Fは、基板10の温度は急激に上昇していくが、2つの脱水素化用光ファイバ22Aとの間で温度上昇が収まり、ほぼ一定の平衡状態が保持されている。
【0051】
このような温度平衡状態が、脱水素温度(脱水素化が可能となる温度領域DH)になるように設定することで、スキャン速度を速くしても一定の割合で脱水素状態をコントロールすることが可能となる。本実施の形態に係るレーザアニール装置1によれば、
図6に示した1本の脱水素化用光ファイバ22Aを用いた場合に比較して、水素爆発を抑制しながら、良好な脱水素が高速で可能となる。
【0052】
なお、
図7に示す破線F1は、脱水素化用光ファイバ22Aの本数を増加させた場合を示す。このように、1本で適正な条件の脱水素化用光ファイバ22Aと、それに隣接する脱水素化用光ファイバ22Aの条件を同様に設定して複数の脱水素化レーザビームLBが照射される領域の基板10の温度が平衡状態となるように、脱水素化用光ファイバ22Aの出射側端部同士の距離Dを調整すればよい。
【0053】
このような調整に用いるパラメータとしては、脱水素化用光ファイバ22Aの出射側端部同士の距離Dの他に、スキャン速度、レーザビームLBの出力(エネルギー密度)、脱水素化用光ファイバ22Aの出射側端部の径寸法、ビームスポットBSの径寸法などを挙げることができる。本実施の形態では、これらのパラメータを複合的に調整してもよい。
【0054】
なお、
図8は、脱水素化用光ファイバ22Aの出射側端部同士の距離Dを、
図7の脱水素化用光ファイバ22Aの出射側端部同士の距離Dよりも大きくした場合を示す。この場合、距離Dが長くなっているため、温度プロファイルは中央部E1が凹んで脱水素温度(脱水素化が可能となる温度領域DH)が下がり部分的に脱水素化できない領域となる。また、脱水素温度(温度領域DH)より高い領域E2,E3が存在するため、部分的に水素爆発を発生し、アブレーション状態が観察される。
【0055】
(レーザアニール方法)
本実施の形態に係るレーザアニール方法としては、アモルファスシリコン膜13に対して相対的にスキャン方向Sに沿って移動し、同時にスキャンする結晶化レーザビームLBに先駆けて、アモルファスシリコン膜13に向けて連続発振された複数の脱水素化レーザビームLBを照射させる。
【0056】
このとき、複数の脱水素化レーザビームLBにおけるアモルファスシリコン膜13に投影される複数の脱水素化レーザビームスポットBSおよび結晶化レーザビームスポットBSが、スキャン方向Sに沿って列をなすように配置するように設定する。同時に脱水素化処理を経た領域に、連続発振された結晶化レーザビームLBを照射し、この結晶化レーザビームLBにおけるアモルファスシリコン膜13に投影される結晶化レーザビームLBを照射してアモルファスシリコン膜13を低温ポリシリコン膜または疑似単結晶シリコン膜などの結晶化膜に改質させる。
【0057】
このレーザアニール方法においても、アモルファスシリコン膜13における複数の脱水素化レーザビームスポットBSが照射された領域を含む複数ビーム照射領域は、アモルファスシリコン膜13に残留する水素により水素爆発を起こす温度未満の脱水素可能な温度領域内に収まるようする。具体的には、複数の脱水素化レーザビームLBにおいて、本数、互いに隣接する脱水素化レーザビームLB同士の距離、スキャン速度、および脱水素化レーザビームLBの出力、から選ばれる条件が調整されることが好ましい。なお、より実用的には、少なくともスキャン速度および脱水素化レーザビームLBの出力に応じて、スキャン方向Sに沿って互いに隣接する脱水素化レーザビームLB間の距離を調整してもよい。
【0058】
(効果)
上述の構成の本実施の形態に係るレーザアニール装置1およびレーザアニール方法によれば、アモルファスシリコン膜13をレーザアニールして結晶化膜(低温ポリシリコン)に改質するまでのタクトタイムを短くすることができる。すなわち、本実施の形態においては、処理温度範囲が広い結晶化工程に比較して、水素爆発並びに脱水素不足を避けるために処理温度範囲が狭い脱水素化工程を複数の脱水素化用光ファイバ22Aで安定に行えるようにしたことで、
図5に示すように、スキャン速度を飛躍的に高速化できる。
【0059】
また、本実施の形態に係るレーザアニール装置1およびレーザアニール方法によれば、脱水素処理炉を用いることがないため、装置の省スペース化を達成できる。
【0060】
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態に係るレーザアニール装置1Aは、
図14から
図16に示すように、上記の実施の形態に係る共通ヘッド5を、脱水素化ヘッド5Aと、結晶化ヘッド5Bと、に分離した構成であり、他の構成は上記実施の形態に係るレーザアニール装置1と同様の構成である。脱水素化ヘッド5Aには、脱水素化用光ファイバ22Aが接続されている。結晶化ヘッド5Bには、結晶化用光ファイバ22Bが接続されている。
【0061】
図14から
図16に示すレーザアニール装置1Aは、脱水素化ヘッド5Aと、結晶化ヘッド5Bと、の間の距離を図示しない調整手段により任意の距離に設定することができ、装置使用時に、各アニールのタイミングの調整が可能である。
【0062】
[脱水素化工程後の結晶化工程におけるクラック発生のメカニズム]
上述の各実施の形態においては、脱水素化工程において、十分な脱水素時間を確保するために、スキャン方向Sに沿って複数の脱水素化レーザビームにより複数のビームスポットを具備することが望ましいが、基板10の表層においては脱水素化工程を施す非常に狭い領域である。このように、脱水素化レーザビームでの脱水素化処理は、局所的な膜質の改変であるため、脱水素化レーザビームを照射する膜構造(積層構造)によっては、脱水素化工程の後の結晶化レーザビームの照射によるアニール工程において結晶化膜(低温ポリシリコン膜または疑似単結晶シリコン膜)にクラックが発生する虞がある。
【0063】
図17(a)、
図17(b)、および
図17(c)は、上述した脱水素化工程後の結晶化工程におけるクラック発生の原因を示す参考例の図である。
図17(a)、
図17(b)、および
図17(c)は、基板10の平面図、脱水素化レーザビームの照射域における照射量を表す図、および基板10の表層部の断面を示す図を相対的に配置した図である。ここでは、照射量とは、積算の照射量を意味する。なお、基板10の表層部は、シリコン窒化膜でなる下地膜12と、その上に形成されたアモルファスシリコン膜13と、で構成されている。なお、下地膜12としては、シリコン窒化膜の上にシリコン酸化膜を積層した構成でもよいが、このメカニズムの説明では、アモルファスシリコン膜13と同様に水素を含有する特性を有するシリコン窒化膜とした。なお、
図17(a)、
図17(b)、および
図17(c)において示す照射量の図は、脱水素化工程前、脱水素化工程、結晶化工程における照射量の蓄積総量のイメージを示している。
【0064】
図17(a)における基板10の平面図では、断面円形の複数の光ファイバを用いて複数の円形の脱水素化レーザビームスポットBS1をスキャン方向Sに沿って配置したレイアウトを説明している。この脱水素化レーザビームスポットBS1の直径はWに設定され、
図17(c)に示す結晶化レーザビームスポットBS2の幅寸法Wと同一に設定されている。なお、
図17(a)に示す照射量は、上記配列の脱水素化レーザビームスポットBS1で照射開始前の状態における値0としている。なお、このクラック発生のメカニズムの説明においては、脱水素化レーザビームの脱水素化レーザビームスポットBS1の数を3つとした。
【0065】
図17(b)は、脱水素化工程の状態を示している。基板10の表層部には、脱水素化レーザビームスポットBS1の通過に伴って脱水素化が行われた脱水素化領域Adhがスキャン方向Sに沿って帯状に形成される。この脱水素化領域Adhの幅は、通過した脱水素化レーザビームスポットBS1の直径Wが通過した領域の幅(W)と同じか僅かに幅広の領域となる。この状態での照射量S1は、ガウス分布となる。このとき、脱水素化領域Adhの幅方向の中央部Mは、最も脱水素化が進行した状態であり、脱水素化領域Adhの中央部Mから離れる程、脱水素化が進んでいない状態にある。脱水素化の度合いは、基板10の表層部内の水素欠損量と対応するため、図中太い矢印で示すように、表層部の中央部Mに行くほど膜密度が低下する。このため、アモルファスシリコン膜13(脱水素化膜13a)とその下層の下地膜12(シリコン窒化膜)について、中央部Mへの応力が集中した状態となる。
【0066】
このように、中央部Mへの応力が集中した状態で、結晶化アニール、すなわち結晶化レーザビームスポットBS2の照射を、脱水素化レーザビームスポットBS1と同じ軌跡で照射を行った場合、結晶化領域Acrが形成される。照射量は、S2で示す。このとき、結晶化レーザビームによる加熱およびその冷却の過程で、上記した応力が緩和される方向に膜状態が変化するため、結果として、
図17(c)に示すようなクラックCRがポリシリコン膜(結晶化膜)13bおよび下地膜12の中央部Mに発生してしまうと考えられる。
【0067】
[変形例1]
図18(a)、
図18(b)、および
図18(c)は、本発明の上記第1および第2の実施の形態に適用することができる変形例1を示す。
図18(b)および
図18(c)に示すように、この変形例1では、脱水素化レーザビームスポットBS1の径寸法を参考例よりも長くし、脱水素化レーザビームスポットBS1の径寸法W1よりも結晶化レーザビームスポットBS2の幅寸法W2を短く設定している。
図18(a)に示すように、この変形例1では、2つの脱水素化レーザビームスポットBS1をスキャン方向Sに沿って配置したレイアウトを示している。
図18(a)は、脱水素化工程を行う前の状態を示している。なお、本変形例1における基板10の構成は、
図17に示した基板10と同様である。
【0068】
図18(b)は、脱水素化工程を行っている状態を示す。この状態において、X-Yで示す位置の積算される照射量S3は、ガウス分布となる。このとき、基板10内部では、上記ガウス分布を反映して、アモルファスシリコン膜13(脱水素化膜13a)とその下層の下地膜12(シリコン窒化膜)の境界付近の中央部Mへの応力が集中した状態となる。
図18(b)に示すように、基板10における脱水素化レーザビームスポットBS1が通過した領域は、脱水素化領域Adhとなる。この脱水素化領域Adhは、脱水素化レーザビームスポットBS1が通過した領域よりも幅方向外側に向けて僅かに幅広となっている。この脱水素化領域Adhの照射量S3を、
図17(b)に示した参考例の照射量S1と比較すると、ガウス分布になり中央部Mにおける水素欠損量が大きくなる点は同じであるが、参考例よりも中央部Mにおける照射量S3の曲線がよりなだらかになるため、中央部Mにおける応力の集中を緩和できる。
【0069】
次に、
図18(c)に示すように、矩形状の結晶化レーザビームスポットBS2を、その中心線が上記脱水素化工程で形成された脱水素化領域Adhの中心線と一致するようにスキャン方向Sにスキャンする。脱水素化領域Adhの中央部Mの応力の集中が緩和された状態で、結晶化工程を行うことでクラックCRの発生を抑制できる。
【0070】
この変形例1では、
図18(b)に示した脱水素化工程において、積算の照射量S3における中央部M近傍に相当する領域の曲線がなだらかになるように緩和している。このため、基板10の中央部Mにおける応力の集中を回避でき、結晶化工程に伴う加熱と冷却の過程でクラックCRが発生することを抑制できる。
【0071】
[変形例2]
図19(a)、
図19(b)、および
図19(c)は、変形例2を示し、脱水素化レーザビームスポットBS1および結晶化レーザビームスポットBS2が矩形で、脱水素化レーザビームスポットBS1の幅寸法よりも結晶化レーザビームスポットBS2の幅寸法を短く設定した例を示す。脱水素化工程における照射量はS5で示し、結晶化工程時の照射量はS6で示す。
【0072】
この変形例2においては、
図19(b)に示すように、脱水素化レーザビームスポットBS1の通過に伴い、照射量S5が
図17(b)に示す参考例の照射量S1と比較してトップハット形状に近い照射量分布となる。このため、結晶化工程において、脱水素化工程で蓄積した応力が緩和される方向に膜状態が変化する度合いが小さいため、クラックCRがポリシリコン膜(結晶化膜)13bおよび下地膜12に発生することを回避できる。
【0073】
[変形例3]
図20(a)、
図20(b)、および
図20(c)は、本発明の第1および第2の実施の形態に適用される変形例3を示す。この変形例3では、脱水素化工程における脱水素化レーザビームスポットBS1の列を、
図20(b)に示すようにスキャン方向Sと直角をなす方向へ順次ずらして複数回(この変形例では3回)のスキャンを行って結晶化レーザビームスポットBS2よりも広い脱水素化領域Adhを形成する。
図20(a)は1回目の脱水素化工程後の状態を示し、その照射量はS7である。この照射量S7の曲線はガウス分布で幅方向の変化が急峻であるが、
図20(b)に示すように、3回(3列)のスキャンを経て照射量S7となる。この照射量S7は、全体としてなだらかな分布となるため、上述した変形例2と同様に、脱水素化工程で蓄積した応力が緩和される方向に膜状態が変化する度合いが小さいため、クラックCRがポリシリコン膜(結晶化膜)13bおよび下地膜12に発生することを回避できる。
【0074】
[変形例4]
図21(a)、
図21(b)、および
図21(c)は、本発明の第1および第2の実施の形態に適用される変形例4を示す。この変形例3では、脱水素化工程における脱水素化レーザビームスポットBS1の列を、
図20(b)に示すように同じ軌跡で3回スキャン結晶化レーザビームスポットBS2よりも広い脱水素化領域Adhを形成する。
図21(a)1回目の脱水素化工程後の状態であり、その照射量はS9である。この照射量S9の曲線は狭い幅(Wと同等の幅)の領域においてガウス分布で幅方向の変化が急峻であるが、
図21(b)に示すように、複数のスキャンを経て照射量S10となる。このとき、脱水素化領域Adhの幅は、脱水素化レーザビームスポットBS1の径寸法Wよりも大幅に広くなる。この照射量S10は、広い幅(脱水素化領域Adhの幅W)全体としてなだらかな分布となる。すなわち、基板10において中央部Mがほぼ水素が抜けた状態(飽和状態)に近づき、その周辺部においてもこの飽和状態が拡大している。これに加え、この変形例4では、上述した変形例1と同様に、狭い幅寸法の結晶化レーザビームスポットBS2を照射することにより、より水素が抜けた領域を結晶化アニールすることとなり、脱水素化工程で蓄積した応力が緩和される方向に膜状態が変化する度合いが小さい。このため、クラックCRがポリシリコン膜(結晶化膜)13bおよび下地膜12に発生することを回避できる。
【0075】
[変形例5]
図22(a)および
図22(b)は、本発明の第1および第2の実施の形態に適用され変形例5を示す。この変形例5では、脱水素化レーザビームスポットの列、をスキャン方向と直角をなす方向へずらして3列、配置し、順次互い違いに配置している。
図22(a)に示すように、脱水素化レーザビームスポットの列は、複数の脱水素化レーザビームスポットBS11からなる列と、複数の脱水素化レーザビームスポットBS12からなる列と、複数の脱水素化レーザビームスポットBS13からなる列と、で構成されている。それぞれの列の脱水素化レーザビームスポット同士はスキャン方向Sにd1の距離で配置されている。また、それぞれの脱水素化レーザビームスポットの列は、スキャン方向Sに直角をなす方向にd2の距離で配置されている。また、それぞれの脱水素化レーザビームスポットBS11、BS12、BS13の半径は、ともに同寸法rに設定されている。これらの距離を適宜調整することにより、スキャン方向Sに対する脱水素化レーザビームスポットの重なり部Pの大きさを決めることができる。この重なり部Pを調整することにより、脱水素化領域内の各部の照射量S12の調整が可能となる。この変形例5は、上述の変形例3のように脱水素化レーザビームスポットBS1の列をスキャン方向Sに直角をなす方向にずらしながら複数回の脱水素化工程を繰り返すことなく、1回のスキャンで脱水素化工程を終了することができる。なお、比較的広い領域に結晶化を行う場合は、この変形例5の構成の脱水素化レーザビームスポットBS11、BS12、13の列を一体的に組み合わせた状態で、スキャン方向Sに直角をなす方向にずらしながら随時スキャン方向Sに沿って行う脱水素化工程を数回、繰り返してもよい。
【0076】
[その他の実施の形態]
以上、本発明の実施の形態について説明したが、実施の形態の開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【0077】
上記の実施の形態では、結晶化用光源としては、青色半導体レーザLD25を用いたが、他の半導体レーザ、固体レーザ、液体レーザ、気体レーザなどの各種のレーザを用いることが可能である。
【0078】
上記の実施の形態では、脱水素化レーザビーム照射部3と結晶化レーザビーム照射部4を1列で構成したが、このような構成を複数列、平行をなすように配置してもよい。
【0079】
上記の実施の形態では、結晶化膜として低温ポリシリコンを形成したが、疑似単結晶シリコン膜を形成してもよい。
【0080】
上記の実施の形態では、
図10に示すようなトップゲート型に適用される構造の基板10を用いたが、
図11に示すようなボトムゲート型に適用される構造の基板10Aを用いてもよい。この基板10Aは、ガラス基板11の上に、銅(Cu)でパターン形成された複数のゲートライン16およびその他の金属配線パターン、シリコン酸化膜(SiO2)15、シリコン窒化膜(Si3N4)14、アモルファスシリコン膜13が順次積層された構造である。なお、この構造において、シリコン窒化膜14は、水素の含有量が多い場合があるが、本実施の形態に係るレーザアニール装置1によれば、アモルファスシリコン膜13と同様に、シリコン窒化膜14の水素も適切に抜き取ることが可能である。
【0081】
上記の実施の形態では、脱水素化光源ユニット2Aにおいて、複数の脱水素化用光源としての青色半導体レーザLD1~LD24の24個を備える構成としたが、数百個の青色半導体レーザが1列をなすように配置してもよい。近年は、TFT基板が大型化しているため、スキャン速度を上げるためにも、青色半導体レーザの数を増やすことは有効である。
【0082】
上記の実施の形態では、結晶化レーザビーム照射部4に1本の結晶化用光ファイバ22Bの出射側端部を配置したが、複数の結晶化用光ファイバ22Bの出射側端部を配置してもよい。また、結晶化用光ファイバ22Bの出射側端部の形状を矩形状としてもよい。
【0083】
上記の実施の形態では、
図12に示すように、バックライト用途に使用する基板10BにおけるTFTを形成する箇所のみに低温ポリシリコンを形成させることも可能である。
この場合、従来のエキシマレーザ装置を用いた全面アニールをする必要がないためタクトタイムを低減できる。
【0084】
また、
図13に示す基板10Cのように、アモルファスシリコンTFT形成領域18の周縁部の駆動回路形成領域19A、19Bのみに低温ポリシリコンを形成させることも可能である。
【符号の説明】
【0085】
Adh 脱水素化領域
Acr 結晶化領域
BS ビームスポット
BS1 脱水素化レーザビームスポット
BS2 結晶化レーザビームスポット
CR クラック
D 距離
L 改質予定領域
LB レーザビーム
LD1~LD24 青色半導体レーザ(脱水素化用光源)
LD25 青色半導体レーザ(結晶化用光源)
M 中央部
1 レーザアニール装置
2 半導体レーザアレイ
2A 脱水素化光源ユニット
2B 結晶化光源ユニット
3 脱水素化レーザビーム照射部
4 結晶化レーザビーム照射部
5 共通ヘッド
5A 脱水素化ヘッド
5B 結晶化ヘッド
7、8 レンズ
10、10A、10B、10C 基板
11 ガラス基板
12 下地膜
13 アモルファスシリコン膜(未脱水素化膜)
13a アモルファスシリコン膜(脱水素化膜)
13b ポリシリコン膜(結晶化膜)
14 シリコン窒化膜
15 シリコン酸化膜
16 ゲートライン
17 TFT
18 アモルファスシリコンTFT形成領域
19A、19B 駆動回路形成領域
21 カップリングレンズ
22A 脱水素化用光ファイバ
22B 結晶化用光ファイバ