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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009674
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】外用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/73 20060101AFI20250109BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20250109BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20250109BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20250109BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20250109BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
A61K8/73
A61K8/44
A61K8/49
A61K8/34
A61Q19/00
A61Q17/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023183942
(22)【出願日】2023-10-26
(31)【優先権主張番号】P 2023108702
(32)【優先日】2023-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002819
【氏名又は名称】大正製薬株式会社
(72)【発明者】
【氏名】堺 友美
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 真由美
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA032
4C083AA072
4C083AA112
4C083AB032
4C083AB172
4C083AB212
4C083AB232
4C083AB242
4C083AC022
4C083AC111
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC132
4C083AC171
4C083AC182
4C083AC302
4C083AC342
4C083AC372
4C083AC402
4C083AC422
4C083AC432
4C083AC442
4C083AC532
4C083AC552
4C083AC582
4C083AC621
4C083AC622
4C083AC642
4C083AC682
4C083AC712
4C083AC792
4C083AC851
4C083AC852
4C083AC892
4C083AC912
4C083AD072
4C083AD092
4C083AD112
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD172
4C083AD212
4C083AD242
4C083AD282
4C083AD311
4C083AD312
4C083AD332
4C083AD352
4C083AD392
4C083AD412
4C083AD452
4C083AD492
4C083AD532
4C083AD572
4C083AD622
4C083AD632
4C083AD642
4C083AD662
4C083CC04
4C083CC05
4C083CC19
4C083DD32
4C083DD33
4C083EE10
4C083EE17
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、多価アルコール又はフェノキシエタノールの臭いを軽減した外用組成物及び/又は安全性に優れた外用組成物を提供すること。
【解決手段】
多価アルコール又はフェノキシエタノールを配合した外用組成物に、ヘパリン類似物質、ナイアシンアミド、又はトラネキサム酸とエクトインを配合すると、多価アルコール又はフェノキシエタノール由来の臭いを軽減できること見出した。また、多価アルコール又はフェノキシエタノールと、ヘパリン類似物質、ナイアシンアミド、又はトラネキサム酸を配合した外用組成物にエクトインを配合すると、製剤の安全性を向上できることを見出した。すなわち、
(a)ヘパリン類似物質、ナイアシンアミド、トラネキサム酸からなる群から選ばれる少なくとも1種、(b)多価アルコール又はフェノキシエタノール、及び(c)エクトインを含有することを特徴とする外用組成物、である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ヘパリン類似物質、ナイアシンアミド、トラネキサム酸からなる群から選ばれる少なくとも1種、(b)多価アルコール又はフェノキシエタノール、及び(c)エクトインを含有することを特徴とする外用組成物。
【請求項2】
(b)多価アルコールがアルカンジオールである請求項1に記載の外用組成物。
【請求項3】
アルカンジオールが1,2-ペンタンジオール又は1,2-ヘキサンジオールである請求項2に記載の外用組成物。
【請求項4】
化粧料、医薬部外品、又は医薬品である、請求項1又は2に記載の外用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘパリン類似物質、ナイアシンアミド、又はトラネキサム酸を含有する外用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘパリン類似物質は、酸性ムコ多糖類の一種であり、皮膚に対する保湿効果や抗炎症作用、血流促進、瘢痕・ケロイドの治療や予防など幅広い効果が知られている。ナイアシンアミドは、水溶性ビタミンであるビタミンB群の一種であり、皮膚への効果としては肌荒れ改善、美白、血行促進、抗シワ等が知られている。トラネキサム酸は抗炎症作用、美白作用を有している。これらの成分はそれぞれが有する皮膚への効果を期待した有効成分として化粧品や医薬部外品、医薬品などの外用製剤に配合されている。
【0003】
通常、外用組成物には、外部からの汚染される微生物の増殖を抑制し、製品の保存性を向上させる目的で、防腐剤が配合される。このような目的で使用される防腐剤としてはパラベン(パラオキシ安息香酸エステル)類が一般的であるが、パラベン類は皮膚刺激性があることから、化粧品や医薬品などの外用製剤では多価アルコールやフェノキシエタノールが併用されることが多い。分子内に複数のヒドロキシ基をもつ多価アルコールは、角層に浸透しケラチンと水分子との間で仲介役を果たすことで保湿性を発揮することから、保湿剤として広く汎用される一方で、2価の多価アルコールであるペンチレングリコールやヘキサンジオールなどは微生物の増殖を抑制することが報告されている(非特許文献1)。またフェノキシエタノールは分子内に1個のヒドロキシ基を持つ芳香族アルコールであり、広範囲の抗菌活性を有し、比較的安全性の高い防腐剤として広く使用されてきた(非特許文献2)。ただし、1,2-ペンタンジオールによる眼刺激性や(非特許文献3)、フェノキシエタノールによるわずかな感覚刺激(非特許文献4)が報告されている。また、これら多価アルコールやフェノキシエタノールには臭いがあることから、化粧品など皮膚に適用する外用製剤においてはその臭いが課題になる。これに対して特許文献1ではアルカンジオールに含まれる臭いの原因成分を特定し、当該特定の化合物を一定含量以下にすることにより、臭いの少ないアルカンジオールを製造している。また特許文献2では、エモリエント効果もあるラノリン脂肪酸の塩を配合することで1,2-アルカンジオールやフェノキシエタノールの使用量を低減できることが示されている。
【0004】
一方で、エクトインはエジプトの塩湖に生息する好塩基性バクテリア中に多く存在する環状アミノ酸である。エクトインは水和核を生成することで水分保持力を有し、乾燥・紫外線・大気汚染物質・温度・化学物質から細胞を保護することから(非特許文献5)、保湿や皮膚バリア機能向上効果が謳われ、化粧品や医薬部外品などの外用製剤に保湿剤として配合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Fragrance Journal (2006) Vol. 34, No. 4, 34-38
【非特許文献2】J Eur Acad Dermatol Venereol (2019) 33, Suppl. 7, 15-24
【非特許文献3】International Journal of Toxicology (2012) Vol. 31(Supplement 2) 147S-168S
【非特許文献4】香粧会誌 (1988) Vol. 12, No. 4, 238-247
【非特許文献5】Clinics in Dermatology (2008) 26, 326-333
【特許文献1】WO2006/118111
【特許文献2】特開2020-83771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、多価アルコール又はフェノキシエタノールの臭いを軽減した外用組成物、及び/又は安全性に優れた外用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、多価アルコール又はフェノキシエタノールを配合した外用組成物に、ヘパリン類似物質、ナイアシンアミド、又はトラネキサム酸と、エクトインを配合すると、多価アルコール又はフェノキシエタノール由来の臭いを軽減できることを見出した。また、多価アルコール又はフェノキシエタノールと、ヘパリン類似物質、ナイアシンアミド、又はトラネキサム酸を配合した外用製剤にエクトインを配合すると、製剤の安全性を向上できることを見出した。
【0008】
すなわち本発明は、
(1)(a)ヘパリン類似物質、ナイアシンアミド、トラネキサム酸からなる群から選ばれる少なくとも1種、(b)多価アルコール又はフェノキシエタノール、及び(c)エクトインを含有することを特徴とする外用組成物、
(2)(b)多価アルコールがアルカンジオールである(1)に記載の外用組成物、
(3)アルカンジオールが1,2-ペンタンジオール又は1,2-ヘキサンジオールである(2)に記載の外用組成物、
(4)化粧料、医薬部外品、又は医薬品である、(1)又は(2)に記載の外用組成物、
である。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、多価アルコール又はフェノキシエタノール由来の臭いを軽減、及び/又は安全性に優れた外用組成物を提供することが可能となった。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の外用組成物において用いる各成分は、通常医薬品、医薬部外品、又は化粧料に用いられる品質のものを適宜使用することができる。
【0011】
本発明のヘパリン類似物質の配合量は、本発明の外用組成物中、0.01~5w/w%が好ましく、0.1~0.5w/w%がより好ましい。
【0012】
本発明のナイアシンアミドの配合量は、本発明の外用組成物中、0.1~20w/w%が好ましく、1~10w/w%がより好ましい。
【0013】
本発明のトラネキサム酸の配合量は、本発明の外用組成物中、0.1~5w/w%が好ましく、1~5w/w%がより好ましい。
【0014】
本発明の多価アルコールとしては通常医薬品、医薬部外品、又は化粧料に使用されるものであれば特に限定されないが、アルカンジオールが好ましく、例えば1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、プロパンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、カプリリルグリコール、グリセリン、ジグリセリンなどが挙げられる。これらは1種単独で使用しても良く、2種以上を組み合わせて使用しても良い。本発明の多価アルコールの配合量は、本発明の外用組成物中、0.1~30w/w%が好ましく、1~15w/w%がより好ましい。
【0015】
本発明のフェノキシエタノールの配合量は、本発明の外用組成物中、0.01~2w/w%が好ましく、0.05~1w/w%がより好ましい。
【0016】
本発明のエクトインの配合量は、本発明の外用組成物中、0.1~10w/w%が好ましく、1~5w/w%がより好ましく、2~3w/w%が最も好ましい。また、ヘパリン類似物質1質量部に対して、0.3~100質量部が好ましく、3~50質量部がより好ましい。また、ナイアシンアミド1質量部に対して、0.01~10質量部が好ましく、0.1~5質量部がより好ましい。また、トラネキサム酸1質量部に対して、0.01~10質量部が好ましく、0.1~5質量部がより好ましい。
【0017】
本発明の外用組成物は、上記の各成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、通常の化粧品、医薬部外品、医薬品などに用いられる各種成分を適宜配合することができる。例えば、pH調整剤(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム等)、香料、清涼化剤(メントール、ハッカ油、カンフル等)、抗炎症剤(サリチル酸、グリチルレチン酸、アラントイン、インドメタシン、フェルビナク、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム等)、殺菌剤(グルコン酸クロルヘキシジン、イソプロピルメチルフェノール等)、防腐剤(パラベン類(メチルパラベン、ブチルパラベン、プロピルパラベン等)、安息香酸又はその塩等)、保湿剤(ヒアルロン酸又はその塩、コンドロイチン硫酸、アミノ酸(L-セリン、L-プロリン、L-ヒドロキシプロリン、グリシン等)、リピジュア、ソルビトール、マルチトール等)、粘稠剤(ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、カラギーナン等)各種動植物(オウレン、オウバク、海藻、ボタンピ、カンゾウ、ローズマリー、セージ等)の抽出物、ビタミン類(パルミチン酸レチノール、アスコルビン酸、硝酸チアミン、シアノコバラミン、ビオチン、リボフラビン等)、抗酸化剤(ジブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、エデト酸ナトリウム、アスコルビン酸、イソプロピルガレート等)、溶解補助剤(各種植物油、各種動物油、アルキルグリセリルエーテル、炭化水素類等)、油性ゲル化剤(ステアリン酸イヌリン、パルミチン酸デキストリン等)等)代謝賦活剤、粘着剤、抗ヒスタミン剤(クロルフェニラミンマレイン酸塩等)、局所麻酔剤(プロカイン、テトラカイン、ブピパカイン、メピパカイン、クロロプロカイン、プロパラカイン、メプリルカイン又はこれらの塩、オルソカイン、オキセサゼイン、オキシポリエントキシデカン、ロートエキス、ペルカミンパーゼ、テシットデシチン等)、皮膚保護剤(コロジオン、ヒマシ油等)、血行促進成分(γ―オリザノール、ノニル酸ワニリルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、カプサイシン、トウガラシエキス等)、ムコ多糖類(グルコサミン、ヒアルロン酸等)等が挙げられる。
これらの成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの成分の添加量は、特に制約はなく、使用感等を考慮しながら適宜定めることができる。薬理成分を含有させる場合、その含有量については、使用する薬理成分の種類、期待する効果等に応じて適宜設定すればよい。
【0018】
本発明の外用組成物は皮膚に適用できる剤形である限り、その形態は特に制限されない。具体的な剤形としては、ローション、クリーム、乳液、ゲル、パック等が挙げられる。本発明の外用組成物は、W/O又はO/W型のエマルション製剤であってもよい。
【0019】
本発明の外用組成物は化粧料、医薬部外品、医薬品などの用途に使用できる。本発明の外用組成物は、剤形に応じて常法により製造することができる。
【0020】
本発明の多価アルコール又はフェノキシエタノールの臭いの軽減効果は、ガスクロマトグラフを用いたこれらの分析を行うことによって確認することができる。本発明では、ヘパリン類似物質、ナイアシンアミド、又はトラネキサム酸とエクトインを組み合わせると、気相中の多価アルコール又はフェノキシエタノールの量が低減するため、多価アルコール又はフェノキシエタノール由来の臭いの軽減効果が確認できる。
【実施例0021】
以下に、実施例、比較例を示し、本発明を詳細に説明するが、本発明は、下記の例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例において、数値は全て質量%を意味するものとする。
【0022】
(外用組成物の調製法)
下記の表1~5に示す処方に従い、各成分を精製水に均一に混合して実施例及び比較例の組成物を得た。
【0023】
(試験例1:気相中多価アルコール又はフェノキシエタノールの分析)
実施例1~8、比較例1~13の各溶液を20mLのバイアル瓶に2mLずつ充てんして密閉し、気相中の多価アルコール又はフェノキシエタノールを以下の試験条件でヘッドスペースガスクロマトグラフィーにより測定し、ピーク面積を算出した。多価アルコール又はフェノキシエタノールだけを含む場合(比較例1、6、8、12)のピーク面積を100とした時の、各サンプルの多価アルコール又はフェノキシエタノールのピーク面積の割合(%)を求めた。結果を表1~4に示す。
【0024】
<ガスクロマトグラフ試験条件>
カラム:DB-WAX (内径0.53mm、長さ30m、膜厚1μm)
カラム温度:50℃(5min)→170℃(10min)→220℃(5min)、昇温50℃/min
試料注入部温度:150℃
検出器温度:230℃
キャリヤーガス:ヘリウム
流速:9mL/min
検出:FID
スプリット比:1:2
【0025】
<ヘッドスペースオートサンプラー試験条件>
オーブン温度:40℃
ループ温度:110℃
トランスファライン温度:130℃
バイアル平衡化時間:20min
注入時間:1min
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
比較例1、2、6、7、12,13について、多価アルコール臭又はフェノキシエタノール臭があることを官能で確認した。それぞれの臭いは比較例1よりも比較例2、比較例6よりも比較例7,比較例12よりも比較例13の方が強く、濃度依存的に臭いが強くなることを確認した。
表1~3の結果から明らかなように、多価アルコール又はフェノキシエタノールを配合した比較例1、6、8と比較して、さらにヘパリン類似物質、ナイアシンアミド、トラネキサム酸のいずれかを配合した比較例3、5、9~11では、気相中の多価アルコールもしくはフェノキシエタノールが低減されていた。比較例3、5~11にエクトインを配合した実施例1、3~8では、気相中の多価アルコールもしくはフェノキシエタノールがさらに低減されていた。また、トラネキサム酸とエクトインを配合した実施例2では、比較例1と比較して気相中のフェノキシエタノールが低減されていた。
よって、本発明により、多価アルコール又はフェノキシエタノール由来の臭いを明らかに軽減することが確認できた。
【0031】
(試験例2:SIRC細胞を用いた細胞毒性の評価)
3.0×104cells/mLのウサギ角膜由来株化細胞(SIRC細胞)懸濁液を96wellプレート(MS‐8096F、住友ベークライト(株))に200μLずつ播種し、4日間培養した。被験物質として比較例1、6、12、14~16及び実施例9~11を各wellに200μL/wellずつ暴露した。10分間暴露した後、被験物質溶液を除去しDPBSで2回洗浄後、methylthiazolydiphenyl‐tetrazolium bromideを細胞培養培地に0.5mg/mLになるように溶解した液(MTT溶液)を200μL/well添加した。37℃、5% CO2条件下で2時間インキュベートした後、MTT溶液を除去し、0.04N-HClを含有する2-propanol (MTT抽出液)を200μL/well添加し、室温で1時間以上放置した。プレートリーダーを用いて、570nmのMTT抽出液の吸光度を測定し、吸光度(570nm)を測定値OD570とした。なお、吸光度測定時にはブランクとしてMTT抽出液を用いた。溶媒対照には生理食塩水を使用した。被験物質の細胞生存率は3wellの平均吸光度を用い下記の式より算出した。結果を表5に示す。
【0032】
【数1】
【0033】
【表5】
【0034】
比較例1、6、12の細胞生存率はいずれも40%未満であることから、本試験系は多価アルコール又はフェノキシエタノールによる刺激を評価できると判断した。
表5の結果から明らかなように、多価アルコール又はフェノキシエタノールを配合した比較例1、6、12と比較して、さらにヘパリン類似物質又はナイアシンアミドを配合した比較例14、15、16では、細胞生存率がやや低下した。比較例14、15、16にエクトインを配合した実施例9、10、11では、比較例1、6、12、14~16と比較して細胞生存率が増加した。
よって、本発明により、多価アルコール又はフェノキシエタノールを配合した組成物の安全性を向上することが確認できた。
【0035】
(処方例)
以下、本発明に関わる製剤例として外用組成物の処方例を表6~9に示す。いずれも単位はw/w%である。
【0036】
【表6】
【0037】
【表7】
【0038】
【表8】
【0039】
【表9】
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明により、多価アルコール又はフェノキシエタノールの臭いを軽減、及び/又は安全性に優れた外用組成物を提供することが可能になった。