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特開2025-9682ソーラーアレイ故障検出方法、装置、コンピュータ機器、及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009682
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】ソーラーアレイ故障検出方法、装置、コンピュータ機器、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H02S 50/00 20140101AFI20250109BHJP
【FI】
H02S50/00
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023185936
(22)【出願日】2023-10-30
(31)【優先権主張番号】202310780597.5
(32)【優先日】2023-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523346928
【氏名又は名称】三峡国▲際▼能源投▲資▼集▲団▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 何稚
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲楊▼
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲興▼▲寧▼
(72)【発明者】
【氏名】王 波
(72)【発明者】
【氏名】▲単▼ 海超
(72)【発明者】
【氏名】曹 ▲長▼冲
(72)【発明者】
【氏名】沈 玉超
(72)【発明者】
【氏名】李 晨晞
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ ▲麗▼蓉
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251KA08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】従来のソーラーアレイ故障検出方法の検出精度及び検出効率が低いという問題を解決するソーラーアレイ故障検出方法、装置、コンピュータ機器、及び記憶媒体を提供する。
【解決手段】ソーラーアレイ状態情報ライブラリを取得するステップと、信号伝送システムスを利用してテップ信号をソーラーアレイに送信し、ソーラーモジュールの状態反射信号を取得するステップと、状態反射信号をフィルタシステムに送信してフィルタリングし、目標状態反射信号波形図を得て、ソーラーアレイ状態情報ライブラリを組み合わせ、ソーラーアレイに対して故障検出を行い、ソーラーアレイの故障検出結果を得るステップと、を含む。ソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの各状態での状態反射信号をソーラーアレイ状態情報ライブラリとマッチングし、さらにソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの故障状態を判断し、ソーラーアレイの故障検出結果を得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーラーアレイ故障検出方法であって、
前記ソーラーアレイは、少なくとも1つのソーラーモジュールを含み、且つ前記ソーラーアレイはそれぞれ信号伝送システム及びフィルタシステムに接続され、前記信号伝送システムは、前記ソーラーアレイの一端に接続された第1信号伝送装置及び前記ソーラーアレイの他端に接続された第2信号伝送装置を含み、
ソーラーアレイ状態情報ライブラリを取得するステップと、
前記信号伝送システムにおける前記第1信号伝送装置及び前記第2信号伝送装置を利用して前記ステップ信号をソーラーアレイにそれぞれ送信するステップと、
前記ステップ信号に基づいて前記ソーラーアレイにおける各前記ソーラーモジュールの状態反射信号を取得するステップと、
各前記ソーラーモジュールの前記状態反射信号を前記フィルタシステムに送信してフィルタリング処理を行い、各前記ソーラーモジュールの目標状態反射信号波形図を得るステップと、
前記ソーラーアレイ状態情報ライブラリ及び各前記ソーラーモジュールの前記目標状態反射信号波形図に基づいて、前記ソーラーアレイに対して故障検出を行い、前記ソーラーアレイの故障検出結果を得るステップと、を含むことを特徴とするソーラーアレイ故障検出方法。
【請求項2】
ソーラーアレイ状態情報ライブラリを取得するステップは、
前記信号伝送システムを利用して前記ステップ信号を前記ソーラーアレイに送信した後、前記ステップ信号に基づいて前記ソーラーアレイにおける各前記ソーラーモジュールの少なくとも1つの前記状態反射信号を取得するステップと、
各前記ソーラーモジュールの各前記状態反射信号を前記フィルタシステムに送信してフィルタリング処理を行い、各前記ソーラーモジュールの少なくとも1つの状態反射信号波形図を得るステップと、
各前記ソーラーモジュールの各前記状態反射信号波形図に基づいて前記ソーラーアレイ状態情報ライブラリを構築するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記信号伝送システムを利用して前記ソーラーアレイにステップ信号を送信した後、前記ステップ信号に基づいて前記ソーラーアレイにおける各前記ソーラーモジュールの状態反射信号を取得する前に、
前記第1信号伝送装置が所定の単位時間内に前記状態反射信号を受信しなかった場合、ステップ信号、要求命令を前記第2信号伝送装置に送信するステップと、
前記第1信号伝送装置が前記第2信号伝送装置から送信される応答命令を受信したか否かを判断するステップと、
前記第1信号伝送装置が前記応答命令を受信しなかった場合、前記第2信号伝送装置が故障していると決定するステップと、
前記第1信号伝送装置が前記応答命令を受信しており、且つ前記第1信号伝送装置が前記所定の単位時間内に前記状態反射信号を受信しなかった場合、前記第2信号伝送装置が故障していると決定するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記フィルタシステムは、第1ハイパスフィルタ及び第2ハイパスフィルタを含み、各前記ソーラーモジュールの前記状態反射信号を前記フィルタシステムに送信してフィルタリング処理を行い、各前記ソーラーモジュールの目標状態反射信号波形図を得るステップは、
各前記ソーラーモジュールの前記状態反射信号を前記第1ハイパスフィルタに送信してフィルタリングし、第1状態反射信号波形図及び第1信号対雑音比を得るステップと、
前記第1ハイパスフィルタでフィルタリングした後の各前記ソーラーモジュールの前記状態反射信号を前記第2ハイパスフィルタに送信してフィルタリングし、第2状態反射信号波形図及び第2信号対雑音比を得るステップと、
前記第1信号対雑音比と所定の信号対雑音比閾値とを比較し、また、前記第2状態反射信号波形図と前記第1状態反射信号波形図とを比較し、差の値を得るステップと、
前記第1信号対雑音比が前記所定の信号対雑音比閾値よりも小さく、且つ前記差の値が前記所定の差閾値よりも小さい場合、前記第1ハイパスフィルタ及び前記第2ハイパスフィルタの信号遮断周波数をそれぞれ調整し、調整後の前記第1ハイパスフィルタ及び前記第2ハイパスフィルタに基づいて、各前記ソーラーモジュールの前記状態反射信号を処理し、前記第2信号対雑音比が前記所定の信号対雑音比閾値以上になると調整を停止し、前記目標状態反射信号波形図を得るステップと、
前記第1信号対雑音比が前記所定の信号対雑音比閾値以上であり、且つ前記差の値が前記所定の差閾値よりも小さい場合、前記第2状態反射信号波形図を前記目標状態反射信号波形図とするステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2状態反射信号波形図及び前記第1状態反射信号波形図とを比較し、差の値を得るステップの後、
前記第1信号対雑音比が前記所定の信号対雑音比閾値よりも小さく、且つ前記差の値が前記所定の差閾値以上である場合、前記第1ハイパスフィルタ及び前記第2ハイパスフィルタが故障していると決定するステップと、
前記第1信号対雑音比が前記所定の信号対雑音比閾値以上であり、且つ前記差の値が前記所定の差閾値よりも大きい場合、前記第1ハイパスフィルタ及び前記第2ハイパスフィルタが故障していると決定するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
各前記ソーラーモジュールの各前記状態反射信号波形図に基づいて前記ソーラーアレイ状態情報ライブラリを構築するステップは、
各前記状態反射信号波形図に基づいて、各前記ソーラーモジュールの前記第1信号伝送装置との第1距離、前記第2信号伝送装置との第2距離を取得するステップと、
各前記状態反射信号波形図に基づいて、時間領域反射イメージング法により処理され、各前記ソーラーモジュールの初期3次元画像を得るステップと、
各前記ソーラーモジュールの前記第1距離、前記第2距離及び前記初期3次元画像に基づいて、各前記ソーラーモジュールの目標位置及び目標3次元画像を決定するステップと、
各前記ソーラーモジュールの各前記状態反射信号波形図及び前記目標3次元画像に基づいて、前記ソーラーアレイ状態情報ライブラリを構築するステップと、を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記ソーラーアレイ状態情報ライブラリ及び各前記ソーラーモジュールの前記目標状態反射信号波形図に基づいて、前記ソーラーアレイに対して故障検出を行い、前記ソーラーアレイの故障検出結果を得るステップは、
各前記ソーラーモジュールの前記目標位置に基づいて、前記ソーラーアレイ状態情報ライブラリで各前記ソーラーモジュールの番号を決定するステップと、
前記ソーラーアレイ状態情報ライブラリ、各前記ソーラーモジュールの前記番号及び前記目標状態反射信号波形図に基づいて、各前記ソーラーモジュール故障検出を行い、各前記ソーラーモジュールの故障検出結果を得るステップと、
各前記ソーラーモジュールの故障検出結果に基づいて、前記ソーラーアレイの前記故障検出結果を決定するステップと、を含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ソーラーアレイ故障検出装置であって、
前記ソーラーアレイは、少なくとも1つのソーラーモジュールを含み、且つ前記ソーラーアレイはそれぞれ信号伝送システム及びフィルタシステムに接続され、前記信号伝送システムは、前記ソーラーアレイの一端に接続された第1信号伝送装置及び与前記ソーラーアレイの他端に接続された第2信号伝送装置を含み、
ソーラーアレイ状態情報ライブラリを取得するための第1取得モジュールと、
前記信号伝送システムにおける前記第1信号伝送装置及び前記第2信号伝送装置を利用して前記ステップ信号をソーラーアレイにそれぞれ送信するための送信モジュールと、
前記ステップ信号に基づいて前記ソーラーアレイにおける各前記ソーラーモジュールの状態反射信号を取得するための第2取得モジュールと、
各前記ソーラーモジュールの前記状態反射信号を前記フィルタシステムに送信してフィルタリング処理を行い、各前記ソーラーモジュールの目標状態反射信号波形図を得るためのフィルタリング処理モジュールと、
前記ソーラーアレイ状態情報ライブラリ及び各前記ソーラーモジュールの前記目標状態反射信号波形図に基づいて、前記ソーラーアレイに対して故障検出を行い、前記ソーラーアレイの故障検出結果を得る検出モジュールとを含むことを特徴とするソーラーアレイ故障検出装置。
【請求項9】
互いに通信可能に接続されたメモリとプロセッサを含み、前記メモリにはコンピュータプログラムが記憶され、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行することにより、請求項1~7のいずれか1項に記載のソーラーアレイ故障検出方法を実行することを特徴とするコンピュータ機器。
【請求項10】
請求項1~7のいずれか1項に記載のソーラーアレイ故障検出方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ命令が記憶されていることを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソーラーアレイ故障検出の技術分野に関し、具体的には、ソーラーアレイ故障検出方法、装置、コンピュータ機器、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
生活水準の継続的な発展に伴い、ソーラー発電は人々の日常生活にとって重要な電力源となっており、ソーラーアレイは、多くの場合、自然環境が悪い場所、例えば砂漠や荒野などの地区に取り付けられ、従って、その内部のソーラーモジュールは、ケーブルへの日射、湿気、濃い霧、雨水などの極端な天気やケーブルの老朽化、磨耗などの問題のため、ソーラー発電システムの信頼性と安全性が低下し、しかも、その多くは環境が劣悪で辺鄙な地区にあるため、保守が困難でコストが高い。
【0003】
従来のソーラーアレイ故障検出方法は、通常、電流-電圧信号を出力することによってソーラーアレイにおけるソーラーモジュールにケーブル開路などの故障があるか否かを検出するが、この方法は、ソーラーアレイにおけるケーブルの老朽化の問題により検出の誤判断を招くことがあり、しかも、効率的ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑みて、本発明は、従来のソーラーアレイ故障検出方法の検出精度及び検出効率が低いという問題を解決するソーラーアレイ故障検出方法、装置、コンピュータ機器、及び記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様では、本発明は、ソーラーアレイ故障検出方法であって、
ソーラーアレイは、少なくとも1つのソーラーモジュールを含み、且つソーラーアレイはそれぞれ信号伝送システム及びフィルタシステムに接続され、信号伝送システムは、ソーラーアレイの一端に接続された第1信号伝送装置及びソーラーアレイの他端に接続された第2信号伝送装置を含み、ソーラーアレイ状態情報ライブラリを取得するステップと、信号伝送システムにおける第1信号伝送装置及び第2信号伝送装置を利用してステップ信号をソーラーアレイにそれぞれ送信するステップと、ステップ信号に基づいてソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの状態反射信号を取得するステップと、各ソーラーモジュールの状態反射信号をフィルタシステムに送信してフィルタリング処理を行い、各ソーラーモジュールの目標状態反射信号波形図を得るステップと、ソーラーアレイ状態情報ライブラリ及び各ソーラーモジュールの目標状態反射信号波形図に基づいて、ソーラーアレイに対して故障検出を行い、ソーラーアレイの故障検出結果を得るステップと、を含むソーラーアレイ故障検出方法を提供する。
【0006】
本発明によるソーラーアレイ故障検出方法では、ソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの各状態での状態反射信号をソーラーアレイ状態情報ライブラリとマッチングし、さらにソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの故障状態を判断し、ソーラーアレイの故障検出結果を得ることにより、ソーラーアレイに対する全天候インテリジェント故障検出を実現し、故障検出の効率を向上させ、故障検出コストを低減する。
【0007】
選択可能な実施形態において、ソーラーアレイ状態情報ライブラリを取得するステップは、信号伝送システムを利用してステップ信号をソーラーアレイに送信し、ステップ信号に基づいてソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの少なくとも1つの状態反射信号を取得するステップと、各ソーラーモジュールの各状態反射信号をフィルタシステムに送信してフィルタリング処理を行い、各ソーラーモジュールの少なくとも1つの状態反射信号波形図を得るステップと、各ソーラーモジュールの各状態反射信号波形図に基づいてソーラーアレイ状態情報ライブラリを構築するステップと、を含む。
【0008】
本発明では、ソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの各状態での状態反射信号波形図に基づいてソーラーアレイ状態情報ライブラリを構築し、後のソーラーアレイ故障検出のための検出根拠を提供し、さらに、故障検出の効率を向上させ、故障検出コストを低減する。
【0009】
選択可能な実施形態において、信号伝送システムを利用してソーラーアレイにステップ信号を送信した後、ステップ信号に基づいてソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの状態反射信号を取得する前に、第1信号伝送装置が所定の単位時間内に状態反射信号を受信しなかった場合、ステップ信号、要求命令を第2信号伝送装置に送信するステップと、第1信号伝送装置が第2信号伝送装置から送信される応答命令を受信したか否かを判断するステップと、第1信号伝送装置が応答命令を受信しなかった場合、第2信号伝送装置が故障していると決定するステップと、第1信号伝送装置が応答命令を受信しており、且つ第1信号伝送装置が所定の単位時間内に状態反射信号を受信しなかった場合、第2信号伝送装置が故障していると決定するステップと、をさらに含む。
【0010】
本発明では、ソーラーアレイの左右両端の信号伝送装置が状態反射信号の状態を受信することにより、ソーラーアレイの左右両端の信号伝送装置の故障検出を実現する。
【0011】
選択可能な実施形態において、フィルタシステムは、第1ハイパスフィルタ及び第2ハイパスフィルタを含み、各ソーラーモジュールの状態反射信号をフィルタシステムに送信してフィルタリング処理を行い、各ソーラーモジュールの目標状態反射信号波形図を得るステップは、各ソーラーモジュールの状態反射信号を第1ハイパスフィルタに送信してフィルタリングし、第1状態反射信号波形図及び第1信号対雑音比を得るステップと、第1ハイパスフィルタでフィルタリングした後の各ソーラーモジュールの状態反射信号を第2ハイパスフィルタに送信してフィルタリングし、第2状態反射信号波形図及び第2信号対雑音比を得るステップと、第1信号対雑音比と所定の信号対雑音比閾値とを比較し、また、第2状態反射信号波形図と第1状態反射信号波形図とを比較し、差の値を得るステップと、第1信号対雑音比が所定の信号対雑音比閾値よりも小さく、且つ差の値が所定の差閾値よりも小さい場合、第1ハイパスフィルタ及び第2ハイパスフィルタの信号遮断周波数をそれぞれ調整し、調整後の第1ハイパスフィルタ及び第2ハイパスフィルタに基づいて、各ソーラーモジュールの状態反射信号を処理し、第2信号対雑音比が所定の信号対雑音比閾値以上になると調整を停止し、目標状態反射信号波形図を得るステップと、第1信号対雑音比が所定の信号対雑音比閾値以上であり、且つ差の値が所定の差閾値よりも小さい場合、第2状態反射信号波形図を目標状態反射信号波形図とするステップと、を含む。
【0012】
本発明では、フィルタシステムにおける第1ハイパスフィルタ及び第2ハイパスフィルタの信号遮断周波数を調整することにより、状態反射信号をフィルタリングする効率及び品質を向上させる。
【0013】
選択可能な実施形態において、第2状態反射信号波形図と第1状態反射信号波形図とを比較し、差の値を得るステップの後、第1信号対雑音比が所定の信号対雑音比閾値よりも小さく、且つ差の値が所定の差閾値以上である場合、第1ハイパスフィルタ及び第2ハイパスフィルタが故障していると決定するステップと、第1信号対雑音比が所定の信号対雑音比閾値以上であり、且つ差の値が所定の差閾値よりも大きい場合、第1ハイパスフィルタ及び第2ハイパスフィルタが故障していると決定するステップと、をさらに含む。
【0014】
本発明では、第1ハイパスフィルタ及び第2ハイパスフィルタの状態反射信号に対するフィルタリング結果を比較することにより、第1ハイパスフィルタ及び第2ハイパスフィルタの故障検出を実現する。
【0015】
選択可能な実施形態において、各ソーラーモジュールの各状態反射信号波形図に基づいてソーラーアレイ状態情報ライブラリを構築するステップは、各状態反射信号波形図に基づいて、各ソーラーモジュールの第1信号伝送装置との第1距離、第2信号伝送装置との第2距離を取得するステップと、各状態反射信号波形図に基づいて、時間領域反射イメージング法により処理し、各ソーラーモジュールの初期3次元画像を得るステップと、各ソーラーモジュールの第1距離、第2距離及び初期3次元画像に基づいて、各ソーラーモジュールの目標位置及び目標3次元画像を決定するステップと、各ソーラーモジュールの各状態反射信号波形図及び目標3次元画像に基づいて、ソーラーアレイ状態情報ライブラリを構築するステップと、を含む。
【0016】
本発明で構築されるソーラーアレイ状態情報ライブラリは、各ソーラーモジュールの各状態での状態反射信号波形図及び3次元画像を含み、後のソーラーアレイ故障検出のための検出根拠を提供する。
【0017】
選択可能な実施形態において、ソーラーアレイ状態情報ライブラリ及び各ソーラーモジュールの目標状態反射信号波形図に基づいて、ソーラーアレイに対して故障検出を行い、ソーラーアレイの故障検出結果を得るステップは、各ソーラーモジュールの目標位置に基づいて、ソーラーアレイ状態情報ライブラリで各ソーラーモジュールの番号を決定するステップと、ソーラーアレイ状態情報ライブラリ、各ソーラーモジュールの番号及び目標状態反射信号波形図に基づいて、各ソーラーモジュールに対して故障検出を行い、各ソーラーモジュールの故障検出結果を得るステップと、各ソーラーモジュールの故障検出結果に基づいて、ソーラーアレイの故障検出結果を決定するステップと、を含む。
【0018】
本発明では、ソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの各状態での状態反射信号をソーラーアレイ状態情報ライブラリとマッチングし、ソーラーアレイの故障検出結果を得ることにより、ソーラーアレイに対する全天候インテリジェント故障検出を実現し、故障検出の効率を向上させ、故障検出コストを低減する。
【0019】
第2態様では、本発明は、
ソーラーアレイ故障検出装置であって、ソーラーアレイは、少なくとも1つのソーラーモジュールを含み、且つソーラーアレイはそれぞれ信号伝送システム及びフィルタシステムに接続され、信号伝送システムは、ソーラーアレイの一端に接続された第1信号伝送装置及びソーラーアレイの他端に接続された第2信号伝送装置を含み、ソーラーアレイ状態情報ライブラリを取得するための第1取得モジュールと、信号伝送システムにおける第1信号伝送装置及び第2信号伝送装置を利用してステップ信号をソーラーアレイにそれぞれ送信するための送信モジュールと、ステップ信号に基づいてソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの状態反射信号を取得するための第2取得モジュールと、各ソーラーモジュールの状態反射信号をフィルタシステムに送信してフィルタリング処理を行い、各ソーラーモジュールの目標状態反射信号波形図を得るためのフィルタリング処理モジュールと、ソーラーアレイ状態情報ライブラリ及び各ソーラーモジュールの目標状態反射信号波形図に基づいて、ソーラーアレイに対して故障検出を行い、ソーラーアレイの故障検出結果を得る検出モジュールと、を含むソーラーアレイ故障検出装置を提供する。
【0020】
第3態様では、本発明は、互いに通信可能に接続されたメモリとプロセッサを含み、メモリにはコンピュータプログラムが記憶され、プロセッサは、コンピュータプログラムを実行することにより、上記第1態様又はその対応するいずれかの実施態様に記載のソーラーアレイ故障検出方法を実行するコンピュータ機器を提供する。
【0021】
第4態様では、本発明は、上記第1態様又はその対応するいずれかの実施態様に記載のソーラーアレイ故障検出方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ命令が記憶されているコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0022】
本発明の具体的な実施形態又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、具体的な実施形態又は従来技術の記述のために使用した図面を簡単に説明するが、明らかに、以下に記述した図面は本発明のいくつかの実施形態であり、当業者にとって、創造的な労力をせずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施例によるソーラーアレイ故障検出方法の概略的なフローチャートである。
図2】本発明の実施例による別のソーラーアレイ故障検出方法の概略的なフローチャートである。
図3】本発明の実施例による、さらに別のソーラーアレイ故障検出方法の概略的なフローチャートである。
図4】本発明の実施例による更なるソーラーアレイ故障検出方法の概略的なフローチャートである。
図5】本発明の実施例による時間領域反射法に基づくソーラーアレイ故障検出方法の概略的なフローチャートである。
図6】本発明の実施例によるソーラーアレイ故障検出装置の構造ブロク図である。
図7】本発明の実施例のコンピュータ機器のハードウェア構成概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、本発明の実施例の図面を参照して、本発明の実施例における技術的解決手段を明確に完全に説明する。明らかに、説明される実施例は本発明の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。本発明における実施例に基づいて、当業者であれば、創造的な労力をせずに、得られる他のすべての実施例は本発明の保護の範囲に属する。
【0025】
ソーラーアレイは、多くの場合、自然環境が悪い場所、例えば砂漠や荒野などの地区に取り付けられ、従って、その内部のソーラーモジュールは、ケーブルへの日射、湿気、濃い霧、雨水などの極端な天気やケーブルの老朽化、磨耗などの問題を抱えているため、本発明の実施例は、ソーラーアレイ故障検出方法を提供し、ソーラーアレイに接続される信号伝送システム及びフィルタシステムを組み合わせて、ソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの各状態での状態反射信号をソーラーアレイ状態情報ライブラリとマッチングすることにより、ソーラーアレイに対する全天候インテリジェント故障検出の効果を達成する。
【0026】
本発明の実施例によれば、ソーラーアレイ故障検出方法の実施例を提供し、なお、図面のフローチャートに示されたステップは、1セットのコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータシステムで実行されてもよく、そして、フローチャートに論理的順序が示されているが、場合によっては、こことは異なる順序で図示又は説明されたステップを実行することができる。
【0027】
本実施例では、ソーラーアレイ故障検出方法を提供し、信号伝送システム及びフィルタシステムを組み合せて故障検出を行い、ここで、信号伝送システムは、ソーラーアレイの一端に接続された第1信号伝送装置及びソーラーアレイの他端に接続された第2信号伝送装置を含む。図1は本発明の実施例によるソーラーアレイ故障検出方法のフローチャートであり、図1に示すように、該プロセスは、ステップS101~S105を含む。
【0028】
ステップS101:ソーラーアレイ状態情報ライブラリを取得する。
【0029】
ここで、ソーラーアレイには、少なくとも1つのソーラーモジュールが含まれる。
具体的には、ソーラーアレイ状態情報ライブラリは、ソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの関連状態情報を含む、事前に構築されたデータベースである。
【0030】
ステップS102:信号伝送システムにおける第1信号伝送装置及び第2信号伝送装置を利用してステップ信号をソーラーアレイにそれぞれ送信する。
【0031】
ここで、ソーラーアレイは信号伝送システムに接続され、且つ信号伝送システムがステップ信号をソーラーアレイに送信する送信周期が交互性を有する。
【0032】
具体的には、各信号伝送装置には、信号送信装置及び信号受信装置が含まれる。
【0033】
上記ソーラーアレイの両端の第1信号伝送装置及び第2信号伝送装置置により、周期的なステップ信号をソーラーアレイに送信することができる。
【0034】
まず、ソーラーアレイの両端の信号伝送装置における信号送信装置は、周期的な信号伝送命令を初期化し、その後、ソーラーアレイの左端の第1信号伝送装置における信号送信装置は、1セグメントのステップ信号をソーラーアレイに送信する。
【0035】
次に、ソーラーアレイの右端の第2信号伝送装置における信号受信装置がソーラーアレイによって出力されるステップ信号を受信した場合、この受信したステップ信号に基づいて周期的なステップ信号送信命令を生成し、第2信号伝送装置における信号送信装置は、該周期的なステップ信号送信命令の制御の下で、1セグメントのステップ信号をソーラーモジュールに送信する。
【0036】
具体的には、ソーラーアレイの両端の信号伝送装置は、信号を受信すると、まず、受信した信号周波数を判断し、さらにそれが信号受信端から送信されるステップ信号の反射信号であるか否かを判断し、当該信号伝送装置が位置する端部のステップ信号であると判断すると一時保存し、該信号伝送装置が位置する端部のステップ信号でないと判断すると周期的なステップ信号命令を生成する。
【0037】
さらに、ソーラーアレイの両端の信号伝送装置に信号長さ閾値が設定されている。従って、信号伝送装置は、特定の信号周波数の信号を受信すると、まず、その信号長さが信号長さ閾値よりも大きいか否かを判断し、その信号長さが信号長さ閾値以下であると判断すると、自動的にそのセグメント信号を無視し、その信号長さが信号長さ閾値よりも大きいと判断すると、さらにその信号周波数に基づいてそれが信号受信装置端に送信されるステップ信号の反射信号であるか否かを判断する。
【0038】
ステップS103:ステップ信号に基づいてソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの状態反射信号を取得する。
【0039】
具体的には、ソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールには、ケーブル損失欠陥、外形欠陥や内部品欠陥などの様々な形態上の欠陥状態が存在するため、ステップ信号はソーラーアレイで段階的に反射し、すなわちステップ信号は、正常なソーラーモジュール又は欠陥が存在するソーラーモジュールを通過する際に一部が送信端に反射される。
【0040】
従って、信号伝送システムを介してステップ信号をソーラーアレイに送信することにより、ソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの現在の状態での状態反射信号を得ることができる。
【0041】
ステップS104:各ソーラーモジュールの状態反射信号をフィルタシステムに送信してフィルタリング処理を行い、各ソーラーモジュールの目標状態反射信号波形図を得る。
【0042】
ここで、フィルタシステムは、信号中の不要な周波数を除去するためのフィルタリング機器を表す。
【0043】
具体的には、フィルタシステムを利用して該状態反射信号をフィルタリングすることにより、現在のソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの現在の状態での反射信号を反映する波形図、すなわち目標状態反射信号波形図を得ることができる。
【0044】
ステップS105:ソーラーアレイ状態情報ライブラリ及び各ソーラーモジュールの目標状態反射信号波形図に基づいて、ソーラーアレイに対して故障検出を行い、ソーラーアレイの故障検出結果を得る。
【0045】
具体的には、ソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの目標状態反射信号波形図をソーラーアレイ状態情報ライブラリとマッチングし、マッチング結果に基づいて、対応するソーラーモジュールに故障があるか否かを判断し、さらに、ソーラーアレイの故障検出結果を得ることができる。
【0046】
本実施例によるソーラーアレイ故障検出方法は、ソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの各状態での状態反射信号をソーラーアレイ状態情報ライブラリとマッチングし、さらにソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの故障状態を判断し、ソーラーアレイの故障検出結果を得ることによって、ソーラーアレイに対する全天候インテリジェント故障検出を実現し、故障検出の効率を向上させ、故障検出コストを低減する。さらに、ソーラーアレイの左右両端の信号伝送装置からステップ信号をソーラーアレイに交互に送信することにより、ソーラーアレイにおけるソーラーモジュールの連続性故障検出を実現し、且つソーラーアレイの左右両端に信号伝送装置が設けられるため、ソーラーアレイにおけるソーラーモジュールの左右両端に亘って検出が行われ、故障検出の正確率がある程度向上する。
【0047】
本実施例では、ソーラーアレイ故障検出方法を提供し、信号伝送システム及びフィルタシステムを組み合わせて故障検出を行い、ここで、信号伝送システムは、ソーラーアレイの一端に接続された第1信号伝送装置及びソーラーアレイの他端に接続された第2信号伝送装置を含む。図2は本発明の実施例によるソーラーアレイ故障検出方法のフローチャートであり、図2に示すように、該プロセスは、ステップS201~S205を含む。
【0048】
ステップS201:ソーラーアレイ状態情報ライブラリを取得する。
【0049】
具体的には、上記ステップS201は、ステップS2011~S2013を含む。
【0050】
ステップS2011:信号伝送システムを利用してステップ信号をソーラーアレイに送信し、ステップ信号に基づいてソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの少なくとも1つの状態反射信号を取得する。
【0051】
具体的には、図1に示される実施例のステップS102の記述を参照し、ソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの異なる状態での状態反射信号を得ることができる。
【0052】
ステップS2012:各ソーラーモジュールの各状態反射信号をフィルタシステムに送信してフィルタリング処理を行い、各ソーラーモジュールの少なくとも1つの状態反射信号波形図を得る。
【0053】
具体的には、図1に示される実施例のステップS103の記述を参照し、ソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの異なる状態での反射信号を反映する波形図を得ることができる。
【0054】
ここで、ソーラーモジュールの異なる状態は、ソーラーモジュールが完全である状態、ケーブルが欠落している状態、部品が欠落している状態、及びハウジングが破損した状態を含み、各状態は、少なくとも1つの対応する反射信号波形図を有する。
【0055】
ステップS2013:各ソーラーモジュールの各状態反射信号波形図に基づいてソーラーアレイ状態情報ライブラリを構築する。
【0056】
具体的には、各ソーラーモジュールの異なる状態での状態反射信号波形図をソーラーアレイ状態情報ライブラリに格納し、後のソーラーアレイの検出のための検出根拠を提供する。
【0057】
いくつかの選択可能な実施形態において、上記ステップS2013は、ステップa1~a4を含む。
ステップa1:各状態反射信号波形図に基づいて、各ソーラーモジュールの第1信号伝送装置との第1距離、第2信号伝送装置との第2距離を取得する。
ステップa2:各状態反射信号波形図に基づいて、時間領域反射イメージング法により処理し、各ソーラーモジュールの初期3次元画像を得る。
ステップa3:各ソーラーモジュールの第1距離、第2距離及び初期3次元画像に基づいて、各ソーラーモジュールの目標位置及び目標3次元画像を決定する。
ステップa4:各ソーラーモジュールの各状態反射信号波形図及び目標3次元画像に基づいて、ソーラーアレイ状態情報ライブラリを構築する。
【0058】
まず、状態反射信号波形図に基づいてソーラーモジュールのソーラーアレイにおける物理的位置を特定する。
【0059】
具体的には、状態反射信号波形図に基づいてステップ信号の伝搬速度、及びソーラーアレイの両端の信号伝送装置がステップ信号を送信する時点を得ることができる。
【0060】
【0061】
さらに、状態反射信号波形図及び時間領域反射イメージング法に基づいてソーラーモジュールに対応する初期3次元画像を取得する。
【0062】
さらに、左右両端において隣接周期内で得られた同一番号のソーラーモジュールの初期3次元画像、及びその左右両端の信号受信装置に対する当該ソーラーモジュールの物理位置(第1距離及び第2距離)に基づいて、ソーラーアレイにおける対応するソーラーモジュールの位置、すなわち目標位置、及びリアルタイム3次元画像、すなわち目標3次元画像を決定する。
【0063】
最後に、ソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの各状態での状態反射信号波形図及び目標3次元画像に基づいて、ソーラーアレイ状態情報ライブラリを構築する。
【0064】
【0065】
ステップS202:信号伝送システムにおける第1信号伝送装置及び第2信号伝送装置を利用してステップ信号をソーラーアレイにそれぞれ送信する。詳細は図1に示される実施例のステップS102を参照し、ここで繰り返し説明しない。
【0066】
ステップS203:ステップ信号に基づいてソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの状態反射信号を取得する。詳細は図1に示される実施例のステップS103を参照し、ここで繰り返し説明しない。
【0067】
ステップS204:各ソーラーモジュールの状態反射信号をフィルタシステムに送信してフィルタリング処理を行い、各ソーラーモジュールの目標状態反射信号波形図を得る。詳細は図1に示される実施例のステップS104を参照し、ここで繰り返し説明しない。
【0068】
ステップS205:ソーラーアレイ状態情報ライブラリ及び各ソーラーモジュールの目標状態反射信号波形図に基づいて、ソーラーアレイに対して故障検出を行い、ソーラーアレイの故障検出結果を得る。詳細は図1に示される実施例のステップS105を参照し、ここで繰り返し説明しない。
【0069】
本実施例によるソーラーアレイ故障検出方法では、ソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの各状態での反射信号波形図に基づいてソーラーアレイ状態情報ライブラリを構築し、さらに各ソーラーモジュール各状態での目標状態反射信号波形図をソーラーアレイ状態情報ライブラリとマッチングし、ソーラーアレイに対応する現在の状態を判断し、対応するメンテナンス対策を生成し、対応する反射信号波形図をマッチングしないと、今回の反射信号波形図を記録し、このようにして、ソーラーアレイに対する全天候インテリジェント故障検出を実現し、故障検出の効率を向上させ、故障検出コストを低減する。
【0070】
本実施例では、ソーラーアレイ故障検出方法を提供し、信号伝送システム及びフィルタシステムを組み合わせて故障検出を行い、ここで、信号伝送システムは、ソーラーアレイの一端に接続された第1信号伝送装置及びソーラーアレイの他端に接続された第2信号伝送装置を含む。図3は本発明の実施例によるソーラーアレイ故障検出方法のフローチャートであり、図3に示すように、該プロセスは、ステップS301~S305を含む。
【0071】
ステップS301:ソーラーアレイ状態情報ライブラリを取得する。詳細は図2に示される実施例のステップS201を参照し、ここで繰り返し説明しない。
【0072】
ステップS302:信号伝送システムにおける第1信号伝送装置及び第2信号伝送装置を利用してステップ信号をソーラーアレイにそれぞれ送信する。詳細は図1に示される実施例のステップS102を参照し、ここで繰り返し説明しない。
【0073】
ステップS303:ステップ信号に基づいてソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの状態反射信号を取得する。詳細は図1に示される実施例のステップS103を参照し、ここで繰り返し説明しない。
【0074】
ステップS304:各ソーラーモジュールの状態反射信号をフィルタシステムに送信してフィルタリング処理を行い、各ソーラーモジュールの目標状態反射信号波形図を得る。
【0075】
具体的には、上記ステップS304は、ステップS3041~S3047を含む。
【0076】
ステップS3041:各ソーラーモジュールの状態反射信号を第1ハイパスフィルに送信してタフィルタリングし、第1状態反射信号波形図及び第1信号対雑音比を得る。
ここで、信号対雑音比は、受信した有用な信号の強度と受信した干渉信号(雑音及び干渉)の強度との比を表す。
【0077】
具体的には、フィルタシステムは、第1ハイパスフィルタ及び第2ハイパスフィルタを含み、且つ第1ハイパスフィルタ及び第2ハイパスフィルタには、同じ伝達関数が設定されている。
各ソーラーモジュールの状態反射信号を第1ハイパスフィルに送信してタフィルタリングし、対応する第1状態反射信号波形図及び第1信号対雑音比を得ることができる。
【0078】
ステップS3042:第1ハイパスフィルタでフィルタリングした後の各ソーラーモジュールの状態反射信号を第2ハイパスフィルタに送信してフィルタリングし、第2状態反射信号波形図及び第2信号対雑音比を得る。
【0079】
具体的には、第1ハイパスフィルタでフィルタリングした後の状態反射信号を第2ハイパスフィルタに送信してフィルタリングし続け、第2ハイパスフィルタでフィルタリングした後の状態反射信号に対応する第2状態反射信号波形図及び第2信号対雑音比を得る。
【0080】
ステップS3043:第1信号対雑音比と所定の信号対雑音比閾値とを比較し、また、第2状態反射信号波形図と第1状態反射信号波形図とを比較し、差の値を得る。
【0081】
具体的には、第1信号対雑音比と所定の信号対雑音比閾値とを比較し、また、第2状態反射信号波形図と第1状態反射信号波形図とを比較し、対応する差の値を得る。
【0082】
ステップS3044:第1信号対雑音比が所定の信号対雑音比閾値よりも小さく、且つ差の値が所定の差閾値よりも小さい場合、第1ハイパスフィルタ及び第2ハイパスフィルタの信号遮断周波数をそれぞれ調整し、調整後の第1ハイパスフィルタ及び第2ハイパスフィルタに基づいて、各ソーラーモジュールの状態反射信号を処理し、第2信号対雑音比が所定の信号対雑音比閾値以上になると調整を停止し、目標状態反射信号波形図を得る。
【0083】
ここで、本例では、所定の差閾値は3%である。
【0084】
具体的には、第1信号対雑音比が所定の信号対雑音比閾値よりも小さく、且つ第2状態反射信号波形図と第1状態反射信号波形図の差が3%以下である場合、第1ハイパスフィルタ及び第2ハイパスフィルタのフィルタ状態が正常であると判断する。さらに、第1ハイパスフィルタ及び第2ハイパスフィルタの信号遮断周波数を調整し、ソーラーモジュールの元の状態反射信号をハイパスフィルタでフィルタリングし、得られた第2信号対雑音比が所定の信号対雑音比閾値以上になると調整を停止し、対応する目標状態反射信号波形図を得る。
【0085】
ステップS3045:第1信号対雑音比が所定の信号対雑音比閾値以上であり、且つ差の値が所定の差閾値よりも小さい場合、第2状態反射信号波形図を目標状態反射信号波形図とする。
【0086】
具体的には、第1信号対雑音比が所定の信号対雑音比閾値以上であり、且つ第2状態反射信号波形図と第1状態反射信号波形図の差が3%以下である場合、フィルタリングが終了すると判断し、得られた第2状態反射信号波形図をそのまま目標状態反射信号波形図とする。
【0087】
フィルタシステムにおける第1ハイパスフィルタ及び第2ハイパスフィルタの信号遮断周波数を調整することにより、状態反射信号に対するフィルタリングの効率及び品質が向上する。
【0088】
いくつかの選択可能な実施形態において、ステップS3043の後、上記ステップS304は、ステップS3046~S3047をさらに含む。
【0089】
ステップS3046:第1信号対雑音比が所定の信号対雑音比閾値よりも小さく、且つ差の値が所定の差閾値以上である場合、第1ハイパスフィルタ及び第2ハイパスフィルタが故障していると決定する。
【0090】
具体的には、第1信号対雑音比が所定の信号対雑音比閾値よりも小さく、且つ第2状態反射信号波形図と第1状態反射信号波形図の差が3%以上である場合、フィルタリング後の状態反射信号がいずれも要求を満たさないことを示し、この場合、該第1ハイパスフィルタ及び第2ハイパスフィルタの状態が異常であると判断し、これを保守処理する必要がある。
【0091】
ステップS3047:第1信号対雑音比が所定の信号対雑音比閾値以上であり、且つ差の値が所定の差閾値よりも大きい場合、第1ハイパスフィルタ及び第2ハイパスフィルタが故障していると決定する。
【0092】
具体的には、第1信号対雑音比が所定の信号対雑音比閾値以上であり、且つ第2状態反射信号波形図と第1状態反射信号波形図の差が3%以上である場合、フィルタリング後の状態反射信号がいずれも要求を満たさないことを示し、この場合、該第1ハイパスフィルタ及び第2ハイパスフィルタの状態が異常であると判断し、これを保守処理する必要がある。
【0093】
さらに、条件を満たす目標状態反射信号波形図を得るまで、保守処理された第1ハイパスフィルタ及び第2ハイパスフィルタを利用して反射信号を再度フィルタリングする。
【0094】
具体的には、第2状態反射信号波形図と第1状態反射信号波形図の差が3%以上である場合、第1ハイパスフィルタ及び第2ハイパスフィルタの状態が異常であると判断し、これを保守処理する必要がある。
【0095】
ステップS305:ソーラーアレイ状態情報ライブラリ及び各ソーラーモジュールの目標状態反射信号波形図に基づいて、ソーラーアレイに対して故障検出を行い、ソーラーアレイの故障検出結果を得る。詳細は図1に示される実施例のステップS105を参照し、ここで繰り返し説明しない。
【0096】
本実施例によるソーラーアレイ故障検出方法では、同じ伝達関数を持つ2つのハイパスフィルタを設け、ステップ信号の反射信号を2つのハイパスフィルタを順次通過させ、さらに両者で得た反射信号波形図を比較することにより、ハイパスフィルタの異常有無を判断し、同時に信号対雑音比閾値を設定し、取得した反射信号波形図の信号対雑音比値と信号対雑音比閾値とを比較し、最適な信号遮断周波数を探すまでハイパスフィルタの信号遮断周波数を複数回調整することによって、反射信号フィルタリングの効率と品質をある程度向上させる。
【0097】
本実施例では、ソーラーアレイ故障検出方法を提供し、信号伝送システム及びフィルタシステムを組み合わせて故障検出を行い、ここで、信号伝送システムは、ソーラーアレイの一端に接続された第1信号伝送装置及びソーラーアレイの他端に接続された第2信号伝送装置を含む。図4は本発明の実施例によるソーラーアレイ故障検出方法のフローチャートであり、図4に示すように、該プロセスは、ステップS401~S409を含む。
【0098】
ステップS401:ソーラーアレイ状態情報ライブラリを取得する。詳細は図2に示される実施例のステップS201を参照し、ここで繰り返し説明しない。
【0099】
ステップS402:信号伝送システムにおける第1信号伝送装置及び第2信号伝送装置を利用してステップ信号をソーラーアレイにそれぞれ送信する。詳細は図1に示される実施例のステップS102を参照し、ここで繰り返し説明しない。
【0100】
ステップS403:第1信号伝送装置が所定の単位時間内に状態反射信号を受信しなかった場合、ステップ信号送信要求命令を第2信号伝送装置に送信する。
【0101】
具体的には、ソーラーアレイの両端の第1信号伝送装置及び第2信号伝送装置には、信号受信アラート機構が設けられる。
【0102】
所定の単位時間内に第1信号伝送装置が状態反射信号を受信しなかった場合、ステップ信号送信要求命令を第2信号伝送装置に送信する。
【0103】
好ましくは、所定の単位時間内に第2信号伝送装置が状態反射信号を受信しなかった場合、ステップ信号送信要求命令を第1信号伝送装置に送信することもできる。
【0104】
好ましくは、他端の信号伝送装置から送信されるステップ信号を受信したか否かに基づいて、他端にステップ信号送信要求命令を送信するか否かを判断することもできる。
【0105】
ステップS404:第1信号伝送装置が第2信号伝送装置から送信される応答命令を受信したか否かを判断する。
【0106】
具体的には、第1信号伝送装置は、ステップ信号送信要求命令を送信した後、さらに第2信号伝送装置が応答命令を該第1信号伝送装置に送信したか否かを判断する。
【0107】
ステップS405:第1信号伝送装置が応答命令を受信しなかった場合、第2信号伝送装置が故障していると決定する。
【0108】
具体的には、第1信号伝送装置が応答命令を受信しなかった場合、第2信号伝送装置は第1信号伝送装置から送信されるステップ信号送信要求命令を受信しなかったことを示し、さらに、該第2信号伝送装置が故障していると決定することもできる。
【0109】
ステップS406:第1信号伝送装置が応答命令を受信しており、且つ第1信号伝送装置が所定の単位時間内に状態反射信号を受信しなかった場合、第2信号伝送装置が故障していると決定する。
【0110】
具体的には、第1信号伝送装置が応答命令を受信した場合、第2信号伝送装置がすでに第1信号伝送装置から送信されるステップ信号送信要求命令を受信したことを示し、この場合、第1信号伝送装置がまだ所定の単位時間内に状態反射信号を受信しなかった場合、該第2信号伝送装置が故障していると決定することもできる。
【0111】
さらに、第1信号伝送装置が第2信号伝送装置から送信される状態反射信号を受信した場合、第2信号伝送装置の状態は正常であることを示し、この場合は何の動作もする必要がない。
【0112】
ステップS407:ステップ信号に基づいてソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの状態反射信号を取得する。詳細は図1に示される実施例のステップS103を参照し、ここで繰り返し説明しない。
【0113】
ステップS408:各ソーラーモジュールの状態反射信号をフィルタシステムに送信してフィルタリング処理を行い、各ソーラーモジュールの目標状態反射信号波形図を得る。詳細は図3に示される実施例のステップS304を参照し、ここで繰り返し説明しない。
【0114】
ステップS409:ソーラーアレイ状態情報ライブラリ及び各ソーラーモジュールの目標状態反射信号波形図に基づいて、ソーラーアレイに対して故障検出を行い、ソーラーアレイの故障検出結果を得る。
【0115】
具体的には、上記ステップS409は、ステップS4091~S4093を含む。
【0116】
S4091:各ソーラーモジュールの目標位置に基づいて、ソーラーアレイ状態情報ライブラリで、各ソーラーモジュールの番号を決定する。
【0117】
ここで、ソーラーアレイ状態情報ライブラリには、ソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの番号、ソーラーアレイにおける物理位置が含まれる。
【0118】
具体的には、各ソーラーモジュールのソーラーアレイにおける目標位置を、ソーラーアレイ状態情報ライブラリに含まれる各ソーラーモジュールの目標位置とマッチングし、対応するソーラーモジュールを決定することができ、さらに、該ソーラーアレイ状態情報ライブラリにおいて、決定されたソーラーモジュールの番号を得ることができる。
【0119】
S4092:ソーラーアレイ状態情報ライブラリ、各ソーラーモジュールの番号及び目標状態反射信号波形図に基づいて、各ソーラーモジュールに対して故障検出を行い、各ソーラーモジュールの故障検出結果を得る。
【0120】
具体的には、各ソーラーモジュールの番号及び目標状態反射信号波形図をソーラーアレイ状態情報ライブラリに含まれるソーラーモジュールの番号及び状態反射信号波形図とマッチングし、比較結果に基づいて、対応するソーラーモジュールの現在状態を決定することができる。
【0121】
ソーラーモジュールの現在状態が正常状態であると決定する場合、動作しない。
【0122】
ソーラーモジュールの現在状態が正常状態以外の任意の状態であると決定する場合、メンテナンス要求を生成して関連保守担当者に送信し、ここで、メンテナンス要求は、ソーラーモジュールの番号、ソーラーアレイでのソーラーモジュールの物理位置、現在状態及び現在状態での3次元画像を含む。
【0123】
さらに、目標状態反射信号波形図を利用してソーラーアレイ状態情報ライブラリとマッチングする時、マッチング対象の反射信号波形図との差が5%以内の反射信号波形図が存在すると、両者がマッチングすると判断し、マッチング対象の反射信号波形図の差が5%以内の反射信号波形図が存在しないと、マッチング対象の反射信号波形図に基づいて3次元画像を生成し、さらに、現在の所属状態タイプを判断してメンテナンス要求を生成するとともに、今回の反射信号波形図をソーラーアレイ状態情報ライブラリに記録する。
【0124】
S4093:各ソーラーモジュールの故障検出結果に基づいて、ソーラーアレイの故障検出結果を決定する。
【0125】
具体的には、ソーラーアレイは少なくとも1つのソーラーモジュールで構成され、従って、各ソーラーモジュールの故障検出結果に基づいて、ソーラーアレイの故障検出結果を得ることができる。
【0126】
本実施例によるソーラーアレイ故障検出方法は、目標状態反射信号波形図をソーラーアレイ状態情報ライブラリとマッチングし、ソーラーアレイに対応する現在の状態を判断し、対応するメンテナンス対策を生成することができ、対応する反射信号波形図をマッチングしないと、今回の反射信号波形図を記録し、ソーラーアレイに対する全天候インテリジェント故障検出を実現し、故障検出の効率を向上させ、故障検出コストを低減する。
【0127】
一例では、時間領域反射法に基づくソーラーアレイ故障検出方法を提供し、図5に示すように、以下のステップ1~ステップ4を含む。
【0128】
ステップ1:信号送信装置は、ステップ信号をソーラーアレイに周期的に送信し、ソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの各状態での反射信号を取得する。
【0129】
具体的には、信号送信装置には、周期的な信号送信命令が設定されており、それによって、信号送信装置はステップ信号をソーラーアレイに周期的に送信する。
【0130】
なお、ソーラーアレイの両端共に、信号送信装置及び信号受信装置が設けられており、且つソーラーアレイの両端の信号送信装置のステップ信号の送信周期が交互性を有し、すなわち一端の信号送信装置から送信されるステップ信号が他端の信号受信装置に到達すると、他端の信号送信装置はステップ信号を送信し始め、且つ両端の信号送信装置から送信されるステップ信号の信号周波数が異なる。
【0131】
以下、信号送信装置がステップ信号を交互に送信することについて、実施例によって説明する。
【0132】
ソーラーアレイの両端の信号送信装置は周期的な信号伝送命令を初期化し、さらに左端の信号送信装置は1セグメントのステップ信号をソーラーアレイに送信する。
【0133】
ソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールには、ケーブル損失欠陥、外形欠陥や内部品欠陥などの様々な形態上の欠陥状態が存在するため、ステップ信号はソーラーアレイで段階的に反射し、すなわちステップ信号が正常なソーラーモジュール又は欠陥が存在するソーラーモジュールを通過する際に、ステップ信号の一部は、ステップ信号がソーラーアレイの右端に到達し、右端の信号装置によって受信されるまで、送信端に反射される。
【0134】
右端の信号受信装置は、まず、受信したステップ信号周波数を判断し、さらにそれが右端から送信されるステップ信号の反射信号であるか否かを判断し、右端から送信されるステップ信号の反射信号であると判断すると、それをフィルタに通過させる。
【0135】
右端から送信されるステップ信号の反射信号ではない、すなわち左端のステップ信号であると判断すると、左端からのステップ信号に基づいて周期的なステップ信号送信命令を生成し、それにより、右端の信号送信装置は1セグメントのステップ信号をソーラーモジュールに送信する。
【0136】
なお、ソーラーアレイの両端の信号受信装置には、信号受信アラート機構が設けられ、すなわち単位時間内にソーラーアレイのいずれか一端の信号受信装置が他端のステップ信号、又は当該信号受信装置が位置する端部のステップ信号の反射信号を受信しなかった場合、テップ信号送信要求を他端又は当該信号受信装置が位置する端部の信号送信装置に送信し、信号受信装置が信号送信装置の応答を受信したが、単位時間内にステップ信号又は反射信号、又は受信信号送信装置の応答を受信しなかった場合、対応する信号送信装置に損傷が発生したと判断し、保守担当者にメンテナンス命令を送信し、信号受信装置が単位時間内にステップ信号又は反射信号を受信した場合、何の動作もしない。
【0137】
左右両端の信号伝送装置からステップ信号をソーラーアレイに交互に送信することにより、ソーラーアレイにおけるソーラーモジュールの連続性故障検出を実現し、且つソーラーアレイの左右両端に信号伝送装置が設けられるため、ソーラーアレイにおけるソーラーモジュールの左右両端に亘って検出が行われ、故障検出の正確率がある程度向上する。
【0138】
ステップ2:反射信号にハイパスフィルタを通過させると、フィルタリング後の反射信号波形図を得る。
【0139】
具体的には、ソーラーアレイの両端の信号伝送装置は、信号を受信すると、まず、受信した信号周波数を判断し、さらにそれが信号受信端から送信されるステップ信号の反射信号であるか否かを判断し、当該信号伝送装置が位置する端部のステップ信号であると判断すると一時保存し、当該信号伝送装置が位置する端部のステップ信号でないと判断すると周期的なステップ信号命令を生成する。
【0140】
なお、ソーラーアレイの両端の信号伝送装置には、信号長さ閾値が設定されており、それにより、信号伝送装置は、特定の信号周波数の信号を受信すると、まず、その信号長さが信号長さ閾値よりも大きいか否かを判断し、その信号長さが信号長さ閾値以下であると判断すると、自動的にそのセグメント信号を無視し、その信号長さが信号長さ閾値よりも大きいと判断すると、さらにその信号周波数に基づいてそれが信号受信装置端に送信されるステップ信号の反射信号であるか否かを判断する。
【0141】
さらに、信号受信装置の一端から送信されるステップ信号の反射信号を判断することに対して、伝達関数の同じ2つのハイパスフィルタを通過させ、信号対雑音比閾値を設定する。
【0142】
反射信号が第1ハイパスフィルタを通過すると、反射信号波形図を得て、その第1信号対雑音比を取得し、第1信号対雑音比と信号対雑音比閾値とを比較し、第1信号対雑音比が信号対雑音比閾値よりも小さい場合、第1ハイパスフィルタを通過した反射信号に第2ハイパスフィルタを通過させ、第1ハイパスフィルタによって得られた反射信号波形図と第2ハイパスフィルタによって得られた射信号波形図との差が3%以下である場合、ハイパスフィルタのフィルタリング状態が正常であると判断し、ハイパスフィルタの信号遮断周波数を調整し、得られた反射信号波形図の信号対雑音比が信号対雑音比閾値以上になるまで、元の反射信号にハイパスフィルタを再度通過させ、差が3%以上である場合、ハイパスフィルタの状態が異常であると判断し、これを保守処理する必要がある。
【0143】
第1ハイパスフィルタによって得たれた反射信号波形図の信号対雑音比が信号対雑音比閾値以上であると判断すると、第1ハイパスフィルタを通過して得られた反射信号に第2ハイパスフィルタを通過させて、両者で得られた反射信号波形の差が3%以下である場合、フィルタリングが終了すると判断して反射信号波形図を記憶し、差が3%以上である場合、2つのハイパスフィルタを保守してから反射信号を再度フィルタリングする。
【0144】
同じ伝達関数を持つ2つのハイパスフィルタを設け、ステップ信号の反射信号を2つのハイパスフィルタを順次通過させ、さらに両者で得た反射信号波形図を比較することにより、ハイパスフィルタの異常有無を判断し、同時に信号対雑音比閾値を設定し、取得した反射信号波形図の信号対雑音比値と信号対雑音比閾値を比較し、最適な信号遮断周波数を探すまで、ハイパスフィルタの信号遮断周波数を複数回調整することによって、反射信号フィルタリングの効率と品質をある程度向上させる。
【0145】
ステップ3:ソーラーアレイにおけるソーラーモジュールの各状態での反射信号波形図に基づいてソーラーアレイ状態情報ライブラリを構築する。
【0146】
具体的には、反射信号波形図及び時間領域反射イメージング法に基づいて対応するソーラーモジュールの3次元画像を取得し、ソーラーモジュールに対して、例えばg1、g2、……、gkなど、番号を設定し、kは0より大きい自然数であってもよく、反射信号波形図に基づいてソーラーモジュールのソーラーアレイにおける物理位置を特定し、ここでソーラーモジュールの物理位置的を取得する過程は、以下のことを含む。
【0147】
まず、左右両端に対するそのソーラーモジュールの距離を計算し、計算式は上記関係式(1)及び(2)を参照する。
【0148】
左右両端において隣接周期内で得られた同一番号のソーラーモジュールの3次元画像、及びその左右両端の信号受信装置に対する当該ソーラーモジュールの物理位置に基づいて、対応するソーラーモジュールのソーラーアレイにおける位置及びリアルタイム3次元画像を決定する。
【0149】
さらに、ソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの各状態での反射信号波形図及び3次元図形、ソーラーアレイ状態情報ライブラリを構築する。
【0150】
ここで、ソーラーアレイ状態情報ライブラリには、ソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの番号、そのソーラーアレイにおける物理位置、左右両端の信号受信装置が対応する反射信号を受信する時点、及び様々な状態での3次元画像や対応する反射信号波形図が含まれ、ここで、ソーラーモジュールの様々な状態は、ソーラーモジュールが完全である状態、ケーブルが欠落している状態、部品が欠落している状態、及びハウジングが破損した状態を含み、且つ各状態は対応する複数の反射信号波形図を有する。
【0151】
ステップ4:新たな反射信号にハイパスフィルタを通過させ、対応する反射信号波形図を得て、それをソーラーアレイ状態情報ライブラリとマッチングし、対応する反射信号のソーラーモジュールの現在状態を取得する。
【0152】
具体的には、左右両端の信号送信装置は、ステップ信号をソーラーアレイに周期的に順に送信し、ソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの反射信号に基づいて、反射信号を2つのハイパスフィルタを通過させて得られた対応する反射信号波形図を取得する。
【0153】
同時に、信号受信ユニットが反射信号を受信するのに必要な時間に基づいて、対応するソーラーモジュールの左右両端に対する距離を取得し、さらに、ソーラーアレイにおける対応するソーラーモジュールの物理位置を判断し、物理位置に基づいてソーラーアレイ状態情報ライブラリから対応するソーラーモジュールの番号をマッチングして取得する。
【0154】
ソーラーモジュールの番号及びハイパスフィルタによって取得される反射信号波形図に基づいてソーラーアレイ状態情報ライブラリとマッチングし、対応するソーラーモジュールの現在状態を判断する。
【0155】
ソーラーモジュールの現在状態が正常状態であると判断すると、動作しない。
【0156】
ソーラーモジュールの現在状態が正常状態以外の任意の状態であると決定する場合、メンテナンス要求を生成して関連保守担当者に送信して、ここで、ソーラーモジュールの番号、ソーラーアレイでのソーラーモジュールの物理位置、現在状態及び現在状態での3次元画像を含む。
【0157】
なお、反射信号波形図をもってソーラーアレイ状態情報ライブラリとマッチングする時、マッチング対象の反射信号波形図との差が5%以内の反射信号波形図が存在すると、両者がマッチングすると判断し、マッチング対象の反射信号波形図の差が5%以内の反射信号波形図が存在しないと、マッチング対象の反射信号波形図に基づいて3次元画像を先に生成し、次にその現在の所属状態タイプを判断してメンテナンス要求を生成するとともに、今回の反射信号波形図をソーラーアレイ状態情報ライブラリに記録する。
【0158】
本実施例では、ソーラーアレイ故障検出装置をさらに提供し、該装置は、上記実施例及び好ましい実施形態を実現するためのものであり、既に説明したことは省略する。以下で使用するように、「モジュール」という用語は、所定の機能のソフトウェア及び/又はハードウェアの組み合わせを実装することができる。以下の実施例で説明される装置はソフトウェアで実現することが好ましいが、ハードウェア、又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせも可能であり、それらは想定されている。
【0159】
本実施例は、ソーラーアレイ故障検出装置を提供し、ソーラーアレイは、少なくとも1つのソーラーモジュールを含み、且つソーラーアレイは信号伝送システム及びフィルタシステムにそれぞれ接続され、信号伝送システムは、ソーラーアレイの一端に接続された第1信号伝送装置及びソーラーアレイの他端に接続された第2信号伝送装置を含み、図6に示すように、
ソーラーアレイ状態情報ライブラリを取得するための第1取得モジュール601と、
信号伝送システムにおける第1信号伝送装置及び第2信号伝送装置を利用してステップ信号をソーラーアレイにそれぞれ送信するための送信モジュール602と、
ステップ信号に基づいてソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの状態反射信号を取得するための第2取得モジュール603と、
各ソーラーモジュールの状態反射信号をフィルタシステムに送信してフィルタリング処理を行い、各ソーラーモジュールの目標状態反射信号波形図を得るためのフィルタリング処理モジュール604と、
ソーラーアレイ状態情報ライブラリ及び各ソーラーモジュールの目標状態反射信号波形図に基づいて、ソーラーアレイに対して故障検出を行い、ソーラーアレイの故障検出結果を得るための検出モジュール605と、を含む。
【0160】
いくつかの選択可能な実施形態において、上記ソーラーアレイ故障検出装置は、
第1信号伝送装置が所定の単位時間内に状態反射信号を受信しなかった場合、ステップ信号送信要求命令を第2信号伝送装置に送信するための第1送信モジュールと、
第1信号伝送装置が第2信号伝送装置から送信されるステップ信号送信要求命令に対する応答命令を受信したか否かを判断するための判断モジュールと、
第1信号伝送装置が応答命令を受信しなかった場合、第2信号伝送装置が故障していると決定するための第1決定モジュールと、
第1信号伝送装置が応答命令を受信しており、且つ第1信号伝送装置が所定の単位時間内に受信しない状態反射信号を受信しなかった場合、第2信号伝送装置が故障していると決定するための第2決定モジュールと、をさらに含む。
【0161】
いくつかの選択可能な実施形態において、第1取得モジュール601は、
信号伝送システムを利用してソーラーアレイにステップ信号を送信し、ステップ信号に基づいてソーラーアレイにおける各ソーラーモジュールの少なくとも1つの状態反射信号を取得するための送信及び取得ユニットと、
各ソーラーモジュールの各状態反射信号をフィルタシステムに送信してフィルタリング処理を行い、各ソーラーモジュールの少なくとも1つの状態反射信号波形図を得るための第1送信ユニットと、
各ソーラーモジュールの各状態反射信号波形図に基づいてソーラーアレイ状態情報ライブラリを構築する構築ユニットと、を含む。
【0162】
いくつかの選択可能な実施形態において、フィルタリング処理モジュール604は、
各ソーラーモジュールの状態反射信号を第1ハイパスフィルに送信してタフィルタリングし、第1状態反射信号波形図及び第1信号対雑音比を得る第2送信ユニットと、
第1ハイパスフィルタでフィルタリングした後の各ソーラーモジュールの状態反射信号を第2ハイパスフィルタに送信してフィルタリングし、第2状態反射信号波形図及び第2信号対雑音比を得るための第3送信ユニットと、
第1信号対雑音比と所定の信号対雑音比閾値とを比較し、また、第2状態反射信号波形図と第1状態反射信号波形図とを比較し、差の値を得るための比較ユニットと、
第1信号対雑音比が所定の信号対雑音比閾値よりも小さく、且つ差の値が所定の差閾値よりも小さい場合、第1ハイパスフィルタ及び第2ハイパスフィルタの信号遮断周波数をそれぞれ調整し、調整後の第1ハイパスフィルタ及び第2ハイパスフィルタに基づいて、各ソーラーモジュールの状態反射信号を処理し、第2信号対雑音比が所定の信号対雑音比閾値以上になると調整を停止し、目標状態反射信号波形図を得るための処理ユニットと、
第1信号対雑音比が所定の信号対雑音比閾値以上であり、且つ差の値が所定の差閾値よりも小さい場合、第2状態反射信号波形図を目標状態反射信号波形図とするための第1決定ユニットと、を含む。
【0163】
いくつかの選択可能な実施形態において、フィルタリング処理モジュール604は、
第1信号対雑音比が所定の信号対雑音比閾値よりも小さく、且つ差の値が所定の差閾値以上である場合、第1ハイパスフィルタ及び第2ハイパスフィルタが故障していると決定するための第2決定ユニットと、
第1信号対雑音比が所定の信号対雑音比閾値以上であり、且つ差の値が所定の差閾値よりも大きい場合、第1ハイパスフィルタ及び第2ハイパスフィルタが故障していると決定するための第3決定ユニットと、をさらに含む。
【0164】
いくつかの選択可能な実施形態において、構築ユニットは、
各状態反射信号波形図に基づいて、各ソーラーモジュールの第1信号伝送装置との第1距離、第2信号伝送装置との第2距離を取得するための取得サブユニットと、
各状態反射信号波形図に基づいて、時間領域反射イメージング法により処理し、各ソーラーモジュールの初期3次元画像を得るための処理サブユニットと、
各ソーラーモジュールの第1距離、第2距離及び初期3次元画像に基づいて、各ソーラーモジュールの目標位置及び目標3次元画像を決定するための決定サブユニットと、
各ソーラーモジュールの各状態反射信号波形図及び目標3次元画像に基づいて、ソーラーアレイ状態情報ライブラリを構築するための構築サブユニットと、を含む。
【0165】
いくつかの選択可能な実施形態において、検出モジュール605は、
各ソーラーモジュールの目標位置に基づいて、ソーラーアレイ状態情報ライブラリで、各ソーラーモジュールの番号を決定するための第4決定ユニットと、
ソーラーアレイ状態情報ライブラリ、各ソーラーモジュールの番号及び目標状態反射信号波形図に基づいて、各ソーラーモジュールに対して故障検出を行い、各ソーラーモジュールの故障検出結果を得るための検出ユニットと、
各ソーラーモジュールの故障検出結果に基づいて、ソーラーアレイの故障検出結果を決定するための第5決定ユニットと、を含む。
【0166】
上記の各モジュール及びユニットの更なる機能の記述は、上記対応する実施例と同様であり、ここでは繰り返し説明しない。
【0167】
本実施例におけるソーラーアレイ故障検出装置は、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、1つ又は複数のソフトウェア又は固定プログラムを実行するプロセッサ及びメモリ、及び/又は上記機能を提供できる他の機器を指す機能ユニットとして具現化される。
【0168】
本発明の実施例は、上記図6に示すソーラーアレイ故障検出装置を有するコンピュータ機器をさらに提供する。
【0169】
図7を参照して、図7は本発明の選択可能な実施例によるコンピュータ機器の構造概略図であり、図7に示すように、該コンピュータ機器は、1つ又は複数のプロセッサ10、メモリ20、及び、高速インターフェース及び低速インターフェースを含む各部品を接続するためのインターフェースを含む。各部品は、様々なバスを使用して互いに通信可能に接続されており、共通のマザーボードにインストールされたり、必要に応じて他の方法でインストールされたりすることができる。プロセッサは、コンピュータ機器内で実行される命令を処理することができ、該命令は、外部入出力装置(例えば、インターフェースに結合された表示機器)にGUIのグラフィックス情報を表示するためにメモリに格納された命令を含む。いくつかの選択可能な実施形態では、必要に応じて、複数のプロセッサ及び/又は複数のバスを複数のメモリとともに使用することができる。同様に、必要な動作の一部を提供する複数のコンピュータ機器(例えば、サーバアレイ、ブレードサーバ、又はマルチプロセッサシステム)を接続することができる。図7には、1つのプロセッサ10が例示されている。
【0170】
プロセッサ10は、中央プロセッサ、ネットワークプロセッサ、又はそれらの組み合わせであってもよい。ここで、プロセッサ10は、ハードウェアチップをさらに含むこともできる。上記ハードウェアチップは、特定用途向け集積回路、プログラマブル論理デバイス、又はそれらの組み合わせであってもよい。上記プログラマブル論理デバイスは、複合なプログラマブル論理デバイス、フィールドプログラマブル論理ゲートアレイ、汎用アレイ論理、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0171】
ここで、メモリ20は、上記実施例を実装する方法を少なくとも1つのプロセッサ10に実行させるために、少なくとも1つのプロセッサ10によって実行可能な命令を記憶している。
【0172】
メモリ20は、プログラム記憶領域及びデータ記憶領域を含むことができ、ここで、プログラム記憶領域は、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラムを記憶することができ、データ記憶領域は、コンピュータ機器の使用に応じて作成されたデータなどを記憶することができる。また、メモリ20は、高速ランダムアクセスメモリを含むことができ、また、少なくとも1つのディスク記憶デバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の非一時的固体記憶デバイスなどの非一時メモリを含むことができる。いくつかの選択可能な的な実施形態では、メモリ20は、ネットワークを介してコンピュータ機器に接続することができるプロセッサ10に対して遠隔的に設置されたメモリを含むことができる。上記ネットワークの例は、インターネット、企業イントラネット、ローカルエリアネットワーク、移動体通信網、及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0173】
メモリ20は、ランダムアクセスなどのメモリ揮発性メモリを含むことができ、フラッシュメモリ、ハードディスク、又はソリッドステートハードディスクなどの不揮発性メモリを含むこともでき、また、メモリ20は、上記種類のメモリの組み合わせを含むこともできる。
【0174】
該コンピュータ機器は、他の機器又は通信ネットワークと通信するための通信インターフェース30をさらに含む。
【0175】
本発明の実施例は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、上述した本発明の実施例による方法は、ハードウェア、ファームウェアにおいて、又は記憶媒体に記録可能に、又はネットワークを介してダウンロード可能な、リモート記憶媒体又は非一時的機械可読記憶媒体に元々記憶され、ローカル記憶媒体に記憶されるコンピュータに記憶されたコードとして実装されてもよく、それにより、本明細書で説明された方法は、汎用コンピュータ、専用プロセッサ、又は、プログラム可能又は専用ハードウェアを使用する記憶媒体に記憶されるようなソフトウェアによって処理されてもよい。ここで、記憶媒体は、磁気ディスク、光ディスク、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、ハードディスク、又はソリッドステートドライブなどであってもよく、さらに、記憶媒体は、上記種類のメモリの組み合わせを含んでもよい。理解できるように、コンピュータ、プロセッサ、マイクロプロセッサコントローラ、又はプログラム可能なハードウェアは、ソフトウェア又はコンピュータコードを格納又は受信することができる記憶部品を含み、ソフトウェア又はコンピュータコードがコンピュータ、プロセッサ又はハードウェアによってアクセスされ実行されるときに、上記実施例に示された方法を実装する。
【0176】
図面を参照しながら本発明の実施例を説明したが、当業者は本発明の趣旨及び範囲を逸脱せずに様々な修正や変形を行うことができ、このような修正や変形はいずれも添付の特許請求の範囲に定められる範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-08-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーラーアレイ故障検出方法であって、
前記ソーラーアレイは、少なくとも1つのソーラーモジュールを含み、且つ前記ソーラーアレイはそれぞれ信号伝送システム及びフィルタシステムに接続され、前記信号伝送システムは、前記ソーラーアレイの一端に接続された第1信号伝送装置及び前記ソーラーアレイの他端に接続された第2信号伝送装置を含み、
各ソーラーモジュールの各状態での状態反射信号波形図を含むソーラーアレイ状態情報ライブラリを取得するステップと、
前記信号伝送システムにおける前記第1信号伝送装置及び前記第2信号伝送装置を利用してステップ信号をソーラーアレイにそれぞれ送信するステップと、
前記ステップ信号に基づいて前記ソーラーアレイにおける各前記ソーラーモジュールの状態反射信号を取得するステップと、
各前記ソーラーモジュールの前記状態反射信号を前記フィルタシステムに送信してフィルタリング処理を行い、各前記ソーラーモジュールの目標状態反射信号波形図を得るステップと、
前記ソーラーアレイ状態情報ライブラリ及び各前記ソーラーモジュールの前記目標状態反射信号波形図に基づいて、前記ソーラーアレイに対して故障検出を行い、前記ソーラーアレイの故障検出結果を得るステップであって、前記ソーラーアレイにおける各前記ソーラーモジュールの各状態での状態反射信号を前記ソーラーアレイ状態情報ライブラリとマッチングし、ソーラーアレイの故障検出結果を得ることを含むステップと、を含むことを特徴とするソーラーアレイ故障検出方法。
【請求項2】
ソーラーアレイ状態情報ライブラリを取得するステップは、
前記信号伝送システムを利用して前記ステップ信号を前記ソーラーアレイに送信した後、前記ステップ信号に基づいて前記ソーラーアレイにおける各前記ソーラーモジュールの少なくとも1つの前記状態反射信号を取得するステップと、
各前記ソーラーモジュールの各前記状態反射信号を前記フィルタシステムに送信してフィルタリング処理を行い、各前記ソーラーモジュールの少なくとも1つの状態反射信号波形図を得るステップと、
各前記ソーラーモジュールの各前記状態反射信号波形図に基づいて前記ソーラーアレイ状態情報ライブラリを構築するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記信号伝送システムを利用して前記ソーラーアレイにステップ信号を送信した後、前記ステップ信号に基づいて前記ソーラーアレイにおける各前記ソーラーモジュールの状態反射信号を取得する前に、
前記第1信号伝送装置が所定の単位時間内に前記状態反射信号を受信しなかった場合、ステップ信号、要求命令を前記第2信号伝送装置に送信するステップと、
前記第1信号伝送装置が前記第2信号伝送装置から送信される応答命令を受信したか否かを判断するステップと、
前記第1信号伝送装置が前記応答命令を受信しなかった場合、前記第2信号伝送装置が故障していると決定するステップと、
前記第1信号伝送装置が前記応答命令を受信しており、且つ前記第1信号伝送装置が前記所定の単位時間内に前記状態反射信号を受信しなかった場合、前記第2信号伝送装置が故障していると決定するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記フィルタシステムは、第1ハイパスフィルタ及び第2ハイパスフィルタを含み、各前記ソーラーモジュールの前記状態反射信号を前記フィルタシステムに送信してフィルタリング処理を行い、各前記ソーラーモジュールの目標状態反射信号波形図を得るステップは、
各前記ソーラーモジュールの前記状態反射信号を前記第1ハイパスフィルタに送信してフィルタリングし、第1状態反射信号波形図及び第1信号対雑音比を得るステップと、
前記第1ハイパスフィルタでフィルタリングした後の各前記ソーラーモジュールの前記状態反射信号を前記第2ハイパスフィルタに送信してフィルタリングし、第2状態反射信号波形図及び第2信号対雑音比を得るステップと、
前記第1信号対雑音比と所定の信号対雑音比閾値とを比較し、また、前記第2状態反射信号波形図と前記第1状態反射信号波形図とを比較し、差の値を得るステップと、
前記第1信号対雑音比が前記所定の信号対雑音比閾値よりも小さく、且つ前記差の値が所定の差閾値よりも小さい場合、前記第1ハイパスフィルタ及び前記第2ハイパスフィルタの信号遮断周波数をそれぞれ調整し、調整後の前記第1ハイパスフィルタ及び前記第2ハイパスフィルタに基づいて、各前記ソーラーモジュールの前記状態反射信号を処理し、前記第2信号対雑音比が前記所定の信号対雑音比閾値以上になると調整を停止し、前記目標状態反射信号波形図を得るステップと、
前記第1信号対雑音比が前記所定の信号対雑音比閾値以上であり、且つ前記差の値が前記所定の差閾値よりも小さい場合、前記第2状態反射信号波形図を前記目標状態反射信号波形図とするステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2状態反射信号波形図及び前記第1状態反射信号波形図とを比較し、差の値を得るステップの後、
前記第1信号対雑音比が前記所定の信号対雑音比閾値よりも小さく、且つ前記差の値が前記所定の差閾値以上である場合、前記第1ハイパスフィルタ及び前記第2ハイパスフィルタが故障していると決定するステップと、
前記第1信号対雑音比が前記所定の信号対雑音比閾値以上であり、且つ前記差の値が前記所定の差閾値よりも大きい場合、前記第1ハイパスフィルタ及び前記第2ハイパスフィルタが故障していると決定するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
各前記ソーラーモジュールの各前記状態反射信号波形図に基づいて前記ソーラーアレイ状態情報ライブラリを構築するステップは、
各前記状態反射信号波形図に基づいて、各前記ソーラーモジュールの前記第1信号伝送装置との第1距離、前記第2信号伝送装置との第2距離を取得するステップと、
各前記状態反射信号波形図に基づいて、時間領域反射イメージング法により処理され、各前記ソーラーモジュールの初期3次元画像を得るステップと、
各前記ソーラーモジュールの前記第1距離、前記第2距離及び前記初期3次元画像に基づいて、各前記ソーラーモジュールの目標位置及び目標3次元画像を決定するステップと、
各前記ソーラーモジュールの各前記状態反射信号波形図及び前記目標3次元画像に基づいて、前記ソーラーアレイ状態情報ライブラリを構築するステップと、を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記ソーラーアレイ状態情報ライブラリ及び各前記ソーラーモジュールの前記目標状態反射信号波形図に基づいて、前記ソーラーアレイに対して故障検出を行い、前記ソーラーアレイの故障検出結果を得るステップは、
各前記ソーラーモジュールの前記目標位置に基づいて、前記ソーラーアレイ状態情報ライブラリで各前記ソーラーモジュールの番号を決定するステップと、
前記ソーラーアレイ状態情報ライブラリ、各前記ソーラーモジュールの前記番号及び前記目標状態反射信号波形図に基づいて、各前記ソーラーモジュール故障検出を行い、各前記ソーラーモジュールの故障検出結果を得るステップであって、各前記ソーラーモジュールの前記番号及び前記目標状態反射信号波形図を前記ソーラーアレイ状態情報ライブラリに含まれるソーラーモジュールの番号及び状態反射信号波形図とマッチングし、比較結果に基づいて、対応するソーラーモジュールの現在状態を決定することができることを含むステップと、
各前記ソーラーモジュールの故障検出結果に基づいて、前記ソーラーアレイの前記故障検出結果を決定するステップと、を含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ソーラーアレイ故障検出装置であって、
前記ソーラーアレイは、少なくとも1つのソーラーモジュールを含み、且つ前記ソーラーアレイはそれぞれ信号伝送システム及びフィルタシステムに接続され、前記信号伝送システムは、前記ソーラーアレイの一端に接続された第1信号伝送装置及び与前記ソーラーアレイの他端に接続された第2信号伝送装置を含み、
各ソーラーモジュールの各状態での状態反射信号波形図を含むソーラーアレイ状態情報ライブラリを取得するための第1取得モジュールと、
前記信号伝送システムにおける前記第1信号伝送装置及び前記第2信号伝送装置を利用してステップ信号をソーラーアレイにそれぞれ送信するための送信モジュールと、
前記ステップ信号に基づいて前記ソーラーアレイにおける各前記ソーラーモジュールの状態反射信号を取得するための第2取得モジュールと、
各前記ソーラーモジュールの前記状態反射信号を前記フィルタシステムに送信してフィルタリング処理を行い、各前記ソーラーモジュールの目標状態反射信号波形図を得るためのフィルタリング処理モジュールと、
前記ソーラーアレイ状態情報ライブラリ及び各前記ソーラーモジュールの前記目標状態反射信号波形図に基づいて、前記ソーラーアレイに対して故障検出を行い、前記ソーラーアレイの故障検出結果を得る検出モジュールであって、前記ソーラーアレイにおける各前記ソーラーモジュールの各状態での状態反射信号を前記ソーラーアレイ状態情報ライブラリとマッチングし、ソーラーアレイの故障検出結果を得る検出モジュールとを含むことを特徴とするソーラーアレイ故障検出装置。
【請求項9】
互いに通信可能に接続されたメモリとプロセッサを含み、前記メモリにはコンピュータプログラムが記憶され、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行することにより、請求項1~7のいずれか1項に記載のソーラーアレイ故障検出方法を実行することを特徴とするコンピュータ機器。
【請求項10】
請求項1~7のいずれか1項に記載のソーラーアレイ故障検出方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ命令が記憶されていることを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。