(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009683
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】ワイヤレス充電システム、ワイヤレス充電装置
(51)【国際特許分類】
H02J 50/90 20160101AFI20250109BHJP
H02J 50/80 20160101ALI20250109BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20250109BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
H02J50/90
H02J50/80
H02J50/10
H02J7/00 301D
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023186545
(22)【出願日】2023-10-31
(31)【優先権主張番号】112124583
(32)【優先日】2023-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】511212376
【氏名又は名称】先鋒材料科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】PIONEER MATERIAL PRECISION TECH CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1F, NO.11, WUCYUAN 2ND RD., Wugu Dist., NEW Taipei City 248, Taiwan,
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】陳 泰宇
(72)【発明者】
【氏名】葉 禮源
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 健智
(72)【発明者】
【氏名】沈 志偉
(72)【発明者】
【氏名】張 昌祺
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA10
5G503DA07
5G503GB08
5G503GD04
(57)【要約】
【課題】従来技術の欠点を少なくとも1つ軽減することができるワイヤレス充電システムを提供する。
【解決手段】ワイヤレス充電システムは、水中環境で充電を実施するように適合された、ワイヤレス充電装置1と水中移動装置2とを含む。ワイヤレス充電装置1は、水中移動装置2を磁気的に引き付けて充電位置に保持するように構成され、内部に配置されるワイヤレス送信ユニット12を含む。水中移動装置2は、内部に配置され、水中移動装置2が充電装置に保持される際にワイヤレス送信ユニット12に位置的に対応するワイヤレス受信ユニット22を含む。水中移動装置2が充電位置にある際、ワイヤレス受信ユニット22及びワイヤレス送信ユニット12は、互いに位置合わせられ、ワイヤレス充電装置1は、ワイヤレス送信ユニット12を制御してワイヤレス受信ユニット22にパワーをワイヤレス的に送り、水中移動装置2を充電する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中環境で充電を実施するように適合された、ワイヤレス充電装置と水中移動装置とを含むワイヤレス充電システムであって、
前記ワイヤレス充電装置は、
前記水中環境にある壁に取り付けられるように適合され、第1の接触壁を含む防水ハウジングと、前記防水ハウジングの内部に配置されるワイヤレス送信ユニットと、前記第1の接触壁の内側に配置される第1の磁性部品と、前記第1の接触壁の内側に配置される近接センサーと、を含み、
前記ワイヤレス送信ユニットは、前記第1の接触壁の内側に配置され、前記第1の磁性部品及び前記近接センサーに近接するワイヤレストランスミッターと、外部電源から電力を受け取るように構成され、前記ワイヤレストランスミッター及び前記近接センサーに電気的に接続する第1のコントローラーと、を含み、
前記水中移動装置は、
前記第1の接触壁に形状的に対応する第2の接触壁を含む防水シェルと、前記防水シェルの内部に配置されるワイヤレス受信ユニットと、前記第2の接触壁の内側に配置される第2の磁性部品と、前記第2の接触壁の内側に配置され、前記近接センサーにより検出可能な位置決め部品と、を含み、
前記第1の磁性部品及び前記第2の磁性部品は、互いに引き合うように構成され、
前記ワイヤレス受信ユニットは、前記第2の接触壁の内側に配置され、前記第2の磁性部品及び前記位置決め部品に近接するワイヤレスレシーバーと、前記ワイヤレスレシーバーに電気的に接続する第2のコントローラーと、前記第2のコントローラーに電気的に接続する充電式バッテリーと、を含み、
前記水中移動装置の前記第2の接触壁が前記ワイヤレス充電装置の前記第1の接触壁に接近し、前記第2の磁性部品と前記第1の磁性部品とが互いに磁気的に引き合って、前記第2の接触壁が前記第1の磁性部品と前記第2の磁性部品との間の磁気吸引力によって前記第1の接触壁に対して保持され、位置決めされる場合において、前記ワイヤレスレシーバーと前記ワイヤレストランスミッターとが互いに位置合わせられ、前記近接センサーと前記位置決め部品とが互いに位置合わせられることによって、前記近接センサーは前記位置決め部品を検出するようになり、
前記近接センサーは、前記位置決め部品を検出すると、前記第1のコントローラーに充電信号を送信するように構成され、前記第1のコントローラーは、前記近接センサーから前記充電信号を受信すると、前記外部電源から前記電力を前記ワイヤレストランスミッターに継続的に送るように構成され、前記ワイヤレストランスミッターは、前記電力に基づいて前記ワイヤレスレシーバーにパワーをワイヤレス的に送るように構成され、
前記ワイヤレスレシーバーは、前記ワイヤレストランスミッターからの前記パワーに基づいて電力を生成し、前記電力を前記第2のコントローラーに出力するように構成され、前記第2のコントローラーは、前記ワイヤレスレシーバーからの電力を用いて前記充電式バッテリーを充電するように構成される、
ワイヤレス充電システム。
【請求項2】
前記水中移動装置の前記第2の接触壁が前記ワイヤレス充電装置の前記第1の接触壁から離れて、前記第2の磁性部品と前記第1の磁性部品とが互いに引き付けられなくなると、前記近接センサーは、前記位置決め部品を検出できなくなり、
前記近接センサーは、前記位置決め部品を検出できなくなると、前記第1のコントローラーに停止信号を送信するように構成され、
前記第1のコントローラーは、前記停止信号を受信すると、前記外部電源から受け取った前記電力を前記ワイヤレストランスミッターに送ることを停止するように構成される、
請求項1に記載のワイヤレス充電システム。
【請求項3】
前記第1の磁性部品は、前記ワイヤレストランスミッターの周囲に均等に配置される2つの第1の永久磁石を含み、
前記第2の磁性部品は、前記ワイヤレスレシーバーの周囲に均等に配置される2つの第2の永久磁石を含み、
前記第2の接触壁が前記第1の接触壁に近接している際に前記第2の永久磁石が前記第1の永久磁石により磁気的に引き付けられるように構成されることによって、前記第2の接触壁は、前記第2の永久磁石が前記第1の永久磁石によってそれぞれ保持されるまで、前記第1の接触壁に徐々に近づくように駆動される、
請求項1に記載のワイヤレス充電システム。
【請求項4】
前記水中移動装置は、前記第2のコントローラーにより制御されるように構成される移動ユニットをさらに含み、
前記第2のコントローラーは、
前記充電式バッテリーの現在の電力レベルに基づいて前記充電式バッテリーが充電を必要としていると判断される場合において、前記水中移動装置を駆動して前記ワイヤレス充電装置に近づけるように、前記移動ユニットを制御し、
前記水中移動装置が前記ワイヤレス充電装置に接近していると判断される場合において、前記水中移動装置を駆動して前記ワイヤレス充電装置に近づけるように、前記水中環境にある前記壁に沿って移動させ、
前記ワイヤレスレシーバーから前記電力を受け取ると、前記充電式バッテリーの充電中に前記水中移動装置が移動しないように、前記移動ユニットを制御して動作を停止させる、ようにさらに構成される、
請求項1に記載のワイヤレス充電システム。
【請求項5】
前記第2のコントローラーは、前記充電式バッテリーの前記現在の電力レベルに基づいて前記充電式バッテリーがフル充電されたと判断される場合において、前記水中移動装置が駆動されて前記ワイヤレス充電装置から離れて前記第2の磁性部品が前記第1の磁性部品から引き離されるように、前記移動ユニットを迅速に動作するよう制御するようにさらに構成される、請求項4に記載のワイヤレス充電システム。
【請求項6】
前記第2の磁性部品と前記第1の磁性部品とが互いに磁気的に引き合って、前記水中移動装置が前記防水ハウジングに保持されている場合において、前記ワイヤレスレシーバーと前記ワイヤレストランスミッターとの間の距離は、5から10ミリメートルである、請求項1に記載のワイヤレス充電システム。
【請求項7】
水中環境で用いられ、前記水中環境にある水中移動装置をワイヤレス的に充電するように構成されるワイヤレス充電装置であって、
前記水中環境にある壁に取り付けるように適合され、接触壁を含む防水ハウジングと、
前記防水ハウジングの内部に配置されるワイヤレス送信ユニットと、
前記接触壁の内側に配置される磁性部品と、
前記接触壁の内側に配置される近接センサーと、を含み、
前記ワイヤレス送信ユニットは、前記接触壁の内側に配置されるワイヤレストランスミッターと、外部電源から電力を受け取るように構成され、前記ワイヤレストランスミッター及び前記近接センサーに電気的に接続するコントローラーと、を含み、
前記水中移動装置が前記防水ハウジングの前記接触壁に接近し、前記水中移動装置が、前記磁性部品に磁気的に引き付けられ、前記磁性部品により保持される場合において、前記近接センサーは前記水中移動装置を検出するようになり、
前記近接センサーは、前記水中移動装置を検出すると、前記コントローラーに充電信号を送信するように構成され、前記コントローラーは、前記近接センサーから前記充電信号を受信すると、外部電源から受け取った電力を前記ワイヤレストランスミッターに継続的に送るように構成され、前記ワイヤレストランスミッターは、前記電力に基づいて、前記水中移動装置にパワーをワイヤレス的に送り、前記水中移動装置を充電するように構成される、
ワイヤレス充電装置。
【請求項8】
前記水中移動装置が前記ワイヤレス充電装置の前記接触壁から離れると、前記近接センサーは、前記水中移動装置を検出できなくなり、
前記近接センサーは、前記水中移動装置を検出できなくなると、前記コントローラーに停止信号を送信するように構成され、
前記コントローラーは、前記停止信号を受信すると、前記外部電源から受け取った前記電力を前記ワイヤレストランスミッターに送ることを停止するように構成される、
請求項7に記載のワイヤレス充電装置。
【請求項9】
前記磁性部品は、前記ワイヤレストランスミッターの周囲に均等に配置される2つの永久磁石を含む、請求項7に記載のワイヤレス充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス充電システムに関し、特に、水中環境用のワイヤレス充電システムに関する。本発明はさらに、水中環境用のワイヤレス充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水中移動装置用の従来のワイヤレス充電システムは、最適な充電効率のために、水中移動装置を従来のワイヤレス充電システムの特定の充電位置にきっかりと保持する必要がある。水中移動装置が特定の充電位置からわずかでもずれると、充電効率が低下する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は、従来技術の欠点を少なくとも1つ軽減することができるワイヤレス充電システム及びそのワイヤレス充電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、ワイヤレス充電システムは、水中環境で充電を実施するように適合された、ワイヤレス充電装置と水中移動装置とを含む。
【0006】
ワイヤレス充電装置は、水中環境にある壁に取り付けられるように適合され、第1の接触壁を含む防水ハウジングと、防水ハウジングの内部に配置されるワイヤレス送信ユニットと、第1の接触壁の内側に配置される第1の磁性部品と、第1の接触壁の内側に配置される近接センサーと、を含む。ワイヤレス送信ユニットは、第1の接触壁の内側に配置され、第1の磁性部品及び近接センサーに近接するワイヤレストランスミッターと、外部電源から電力を受け取るように構成され、ワイヤレストランスミッター及び近接センサーに電気的に接続する第1のコントローラーと、を含む。
【0007】
水中移動装置は、第1の接触壁に形状的に対応する第2の接触壁を含む防水シェルと、防水シェルの内部に配置されるワイヤレス受信ユニットと、第2の接触壁の内側に配置される第2の磁性部品と、第2の接触壁の内側に配置され、近接センサーにより検出可能な位置決め部品と、を含む。第1の磁性部品及び第2の磁性部品は、互いに引き合うように構成される。ワイヤレス受信ユニットは、第2の接触壁の内側に配置され、第2の磁性部品及び位置決め部品に近接するワイヤレスレシーバーと、ワイヤレスレシーバーに電気的に接続する第2のコントローラーと、第2のコントローラーに電気的に接続する充電式バッテリーと、を含む。
【0008】
水中移動装置の第2の接触壁がワイヤレス充電装置の第1の接触壁に接近し、第2の磁性部品と第1の磁性部品とが互いに磁気的に引き合って、第2の接触壁が第1の磁性部品と第2の磁性部品との間の磁気吸引力によって第1の接触壁に対して保持され、位置決めされる場合において、ワイヤレスレシーバーとワイヤレストランスミッターとが互いに位置合わせられ、近接センサーと位置決め部品とが互いに位置合わせられることによって、近接センサーは位置決め部品を検出するようになる。近接センサーは、位置決め部品を検出すると、第1のコントローラーに充電信号を送信するように構成され、第1のコントローラーは、近接センサーから充電信号を受信すると、外部電源から電力をワイヤレストランスミッターに継続的に送るように構成され、ワイヤレストランスミッターは、電力に基づいてワイヤレスレシーバーにパワーをワイヤレス的に送るように構成される。ワイヤレスレシーバーは、ワイヤレストランスミッターからのパワーに基づいて電力を生成し、電力を第2のコントローラーに出力するように構成され、第2のコントローラーは、ワイヤレスレシーバーからの電力を用いて充電式バッテリーを充電するように構成される。
【0009】
本発明によれば、ワイヤレス充電装置は、水中環境で用いられ、水中環境にある水中移動装置をワイヤレス的に充電するように構成される。
【0010】
ワイヤレス充電装置は、水中環境にある壁に取り付けるように適合され、接触壁を含む防水ハウジングと、防水ハウジングの内部に配置されるワイヤレス送信ユニットと、接触壁の内側に配置される磁性部品と、接触壁の内側に配置される近接センサーと、を含む。ワイヤレス送信ユニットは、接触壁の内側に配置されるワイヤレストランスミッターと、外部電源から電力を受け取るように構成され、ワイヤレストランスミッター及び近接センサーに電気的に接続するコントローラーと、を含む。
【0011】
水中移動装置が防水ハウジングの接触壁に接近し、水中移動装置が、磁性部品に磁気的に引き付けられ、磁性部品により保持される場合において、近接センサーは水中移動装置を検出するようになる。近接センサーは、水中移動装置を検出すると、コントローラーに充電信号を送信するように構成され、コントローラーは、近接センサーから充電信号を受信すると、外部電源から受け取った電力をワイヤレストランスミッターに継続的に送るように構成され、ワイヤレストランスミッターは、電力に基づいて、水中移動装置にパワーをワイヤレス的に送り、水中移動装置を充電するように構成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、第1の磁性部品及び近接センサーは、ワイヤレス充電装置のワイヤレストランスミッターに近接して配置され、第2の磁性部品及び位置決め部品は、水中移動装置のワイヤレスレシーバーに近接して配置される。第2の磁性部品が第1の磁性部品により磁気的に引き付けられると、水中移動装置は、充電位置からずれることなくワイヤレス充電装置に安定的に保持され、ワイヤレストランスミッター及びワイヤレスレシーバーはきっちりと位置合わせられる。従って、近接センサーは、位置決め部品を検出するようになり、第1のコントローラーに充電信号を送信し、第1のコントローラーは、外部電源から受け取った電力をワイヤレストランスミッターに継続的に送り、ワイヤレストランスミッターは、電力に基づいてワイヤレスレシーバーにパワーをワイヤレス的に送って、水中移動装置を充電する。
【0013】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照する以下の実施形態の詳細な説明において明白になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係るワイヤレス充電装置が示されている模式図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る水中移動装置が示されている模式図である。
【
図3】ワイヤレス充電のために、ワイヤレス充電装置に保持される水中移動装置が示されている模式図である。
【
図4】ワイヤレス充電装置及びワイヤレス充電装置に電気的に接続する外部電源が示されているブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明をより詳細に説明する前に、適切と考えられる場合において、参照符号または参照符号の末端部は、同様の特性を有し得る対応のまたは類似の要素を示すために各図面間で繰り返し用いられることに留意されたい。
【0016】
図1から
図3を参照すると、水中環境で充電を実施するように適合されたワイヤレス充電システムが示される。水中環境は、プール、水槽、水域などであってもよいが、これらに限定されない。ワイヤレス充電システムは、ワイヤレス充電装置1と、水中移動装置2と、を含む。本実施形態において、水中移動装置2は、ロボット魚であるが、これに限定されない。
【0017】
ワイヤレス充電装置1は、水中環境で用いられ、水中環境にある水中移動装置2をワイヤレス的に充電するように構成される。ワイヤレス充電装置1は、防水ハウジング11と、ワイヤレス送信ユニット12と、第1の磁性部品13と、近接センサー14と、を含む。防水ハウジング11は、水中環境にある壁(図示せず)に取り付けられるように適合される取り付け壁110と、取り付け壁110の反対側に位置する第1の接触壁111と、を含む。第1の磁性部品13及び近接センサー14は、第1の接触壁111の内側(すなわち、防水ハウジング11の内部に面する側)に配置され、近接センサー14は、第1の磁性部品13に近接して配置される。
【0018】
ワイヤレス送信ユニット12は、防水ハウジング11の内部に配置され、ワイヤレストランスミッター121と、第1のコントローラー122と、を含む。ワイヤレストランスミッター121は、第1の接触壁111の内側に配置され、第1の磁性部品13及び近接センサー14に近接する。第1のコントローラー122は、ワイヤレストランスミッター121と近接センサー14と外部電源3(
図4を参照)とに電気的に接続し、外部電源3から電力を受け取る。例えば、外部電源3は、電池、商用電源を提供するコンセントなどである。本実施形態において、第1の磁性部品13は、ワイヤレストランスミッター121の周囲に均等に配置される2つの第1の永久磁石131、132を含むが、これに限定されない。ワイヤレストランスミッター121は、トランスミッターコイルを含む。
【0019】
水中移動装置2は、防水シェル21と、ワイヤレス受信ユニット22と、第2の磁性部品23と、位置決め部品24と、を含む。防水シェル21は、第1の接触壁111に形状的に対応する第2の接触壁211を含む。さらに詳細に説明すると、
図3に例示されているように、第1の接触壁111の外側の形状が第2の接触壁211の外側の形状に合うため、第2の接触壁211は、第1の接触壁111に合う。第2の磁性部品23及び位置決め部品24は、第2の接触壁211の内側(すなわち、防水シェル21の内部に面する側)に配置される。第1の磁性部品13及び第2の磁性部品23は、互いに引き合うように構成される。位置決め部品24は、近接センサー14により検出可能である。
【0020】
ワイヤレス受信ユニット22は、防水シェル21の内部に配置され、ワイヤレスレシーバー221と、第2のコントローラー222と、充電式バッテリー223と、を含む。ワイヤレスレシーバー221は、第2の接触壁211の内側に配置され、第2の磁性部品23及び位置決め部品24に近接する。第2のコントローラー222はワイヤレスレシーバー221に電気的に接続し、充電式バッテリー223は第2のコントローラー222に電気的に接続する。本実施形態において、第2の磁性部品23は、ワイヤレスレシーバー221の周囲に均等に配置され、
図3に示すように、第1の永久磁石131、132に位置的に対応する2つの第2の永久磁石231、232を含む。ワイヤレスレシーバー221は、レシーバーコイルを含み、
図3に示すように、ワイヤレストランスミッター121に位置的に対応する。位置決め部品24は、金属板(この際、近接センサー14は、金属板を検出できる磁気近接センサーである)であってもよいが、これに限定されない。
【0021】
水中移動装置2は、第2のコントローラー222に電気的に接続する移動ユニット25をさらに含む。移動ユニット25が、水中移動装置2の遊泳機構(図示せず)を駆動して動作させるように、第2のコントローラー222によって制御されるように構成されるため、水中移動装置2は水中環境で移動するように駆動される。例えば、移動ユニット25は、モーター、ギアセットなどを含んでもよく、遊泳機構は、ロボット魚のひれや尾であってもよい。
【0022】
本実施形態において、第2のコントローラー222は、充電式バッテリー223の現在の電力レベルに基づいて、充電式バッテリー223が充電を必要としていると判断する場合において、移動ユニット25を制御して水中移動装置2を駆動し水面に浮上させ、超広帯域(UWB)技術を用いて水中移動装置2からワイヤレス充電装置1までの距離を得て、移動ユニット25を制御して水中移動装置2を駆動し前進させる。第2のコントローラー222は、ワイヤレス充電装置1までの距離を継続的に得て、該距離が時間と共に増加しているか減少しているかを判断することによって、水中移動装置2がワイヤレス充電装置1に接近しているか離れているかを判断する。第2のコントローラー222は、水中移動装置2がワイヤレス充電装置1から離れている(すなわち、ワイヤレス充電装置1までの距離が増加している)と判断される場合において、水中移動装置2がワイヤレス充電装置1に接近している(すなわち、ワイヤレス充電装置1までの距離が減少している)と判断されるまで、移動ユニット25をさらに制御して水中移動装置2を駆動し左折させる。第2のコントローラー222は、水中移動装置2がワイヤレス充電装置1に接近していると判断される場合において、移動ユニット25をさらに制御して、水中移動装置2を駆動し右折させて水中環境にある壁に接近させ、水中移動装置2を駆動して壁に沿って移動させ、これによって、水中移動装置2はワイヤレス充電装置1に徐々に近づく。いくつかの実施形態において、第2のコントローラー222は、充電式バッテリー223の現在の電力レベルを測定できるバッテリーチェッカーを含んでもよい。
【0023】
第2の接触壁211が第1の接触壁111に十分に近接し、第2の磁性部品と第1の磁性部品13が互いに引き合って、第2の磁性部品23と第1の磁性部品13との間の磁気吸引力が水中移動装置2の遊泳機構による推進力よりも大きい場合において、第2の永久磁石231、232が第1の永久磁石131、132により磁気的に引き付けられることによって、第2の接触壁211は、第2の永久磁石231、232が第1の永久磁石131、132によってそれぞれ保持されるまで、第1の接触壁111に徐々に近づくように駆動される。従って、第2の接触壁211は、第1の接触壁111に対して位置決めされ、保持され(すなわち、水中移動装置2が充電位置に保持される)、第2の接触壁211上のワイヤレスレシーバー221は、第1の接触壁111上のワイヤレストランスミッター121と位置合わせられる。本実施形態において、水中移動装置2が第2の磁性部品23と第1の磁性部品13との間の磁気吸引力によって防水ハウジング11に保持されている場合において、ワイヤレスレシーバー221とワイヤレストランスミッター121との間の距離は5から10ミリメートルである。
【0024】
第2の接触壁211が第1の接触壁111に対して保持され位置決めされる場合において、近接センサー14と位置決め部品24とが互いに位置合わせられることによって、近接センサー14は位置決め部品24を検出するようになる。近接センサー14は、位置決め部品24を検出すると、第1のコントローラー122に充電信号を送信し、第1のコントローラー122は、近接センサー14から充電信号を受信すると、外部電源3から受け取った電力をワイヤレストランスミッター121に継続的に送り、ワイヤレストランスミッター121は、電力に基づいて、ワイヤレスレシーバー221にパワーをワイヤレス的に送る。従って、ワイヤレスレシーバー221は、ワイヤレストランスミッター121からのパワーに基づいて電力を生成して電力を第2のコントローラー222に出力することができ、第2のコントローラー222は、ワイヤレスレシーバー221からの電力を用いて充電式バッテリー223を充電することができる。
【0025】
ワイヤレスレシーバー221から電力を受け取ると、第2のコントローラー222は、充電式バッテリー223の充電中に水中移動装置2が移動しないように、移動ユニット25を制御して動作を停止させる。第2のコントローラー222が充電式バッテリー223の現在の電力レベルに基づいて、充電式バッテリー223がフル充電されたと判断する場合において、第2のコントローラー222は、移動ユニット25を迅速に動作するように制御し、これによって、水中移動装置2の遊泳機構による推進力が第2の磁性部品23と第1の磁性部品13との間の磁気吸引力より大きくなり、水中移動装置2は駆動されてワイヤレス充電装置1から離れて(第2の接触壁211は第1の接触壁111から離れて)、第2の磁性部品23は第1の磁性部品13から引き離され、第2の磁性部品23と第1の磁性部品13とが互いに引き付けられなくなる。従って、近接センサー14は、位置決め部品24を検出できなくなる。近接センサー14は、水中移動装置2を検出できなくなると、第1のコントローラー122に停止信号を送信し、第1のコントローラー122は、停止信号を受信すると、外部電源3から受け取った電力をワイヤレストランスミッター121に送ることを停止する。
【0026】
いくつかの実施形態において、水中移動装置2の防水シェル21は、第2の接触壁211の反対側に位置し、第2の接触壁211に対して対称な第3の接触壁212をさらに含んでもよく、水中移動装置2は、防水シェル21の第3の接触壁212の内側に配置される追加の第2の磁性部品と、追加のワイヤレスレシーバーと、追加の位置決め部品と、をさらに含んでもよい。追加の第2の磁性部品、追加のワイヤレスレシーバー、及び追加の位置決め部品は、第2の磁性部品23、ワイヤレスレシーバー221、及び位置決め部品24とそれぞれ同一である。この場合、水中移動装置2は、第2の接触壁211及び第3の接触壁212のいずれかを介してワイヤレス充電装置に保持されて充電される。
【0027】
いくつかの実施形態において、第1の磁性部品13は、ワイヤレストランスミッター121を囲む円形永久磁石または半円形永久磁石であってもよく、第2の磁性部品23は、ワイヤレスレシーバー221を囲む円形永久磁石または半円形永久磁石であってもよい。
【0028】
いくつかの実施形態において、水中移動装置2は、充電のために、ユーザによって手動でワイヤレス充電装置1に向けて移動されてもよく、水中移動装置2を、充電のためにそれ自身の遊泳機構によってワイヤレス充電装置1に近づくことができるよう構成する必要はない。
【0029】
要約すると、本発明によれば、第1の磁性部品13及び近接センサー14は、ワイヤレス充電装置1のワイヤレストランスミッター121に近接して配置され、第2の磁性部品23及び位置決め部品24は、水中移動装置2のワイヤレスレシーバー221に近接して配置され、第1の磁性部品13及び近接センサー14にそれぞれ位置的に対応する。第2の磁性部品23が第1の磁性部品13により磁気的に引き付けられ、保持されると、水中移動装置2は、充電位置からずれることなくワイヤレス充電装置1に安定的に保持され、ワイヤレストランスミッター121及びワイヤレスレシーバー221はきっちりと位置合わせられる。従って、近接センサー14は、位置決め部品24を検出するようになり、第1のコントローラー122に充電信号を送信し、第1のコントローラー122は、外部電源3から受け取った電力をワイヤレストランスミッター121に継続的に送り、ワイヤレストランスミッター121は、電力に基づいてワイヤレスレシーバー221にパワーをワイヤレス的に送って、水中移動装置2を充電する。
【0030】
上記の説明では、説明の目的のために、実施形態の完全な理解を提供するために多数の特定の詳細が述べられた。しかしながら、当業者であれば、一又はそれ以上の他の実施形態が具体的な詳細を示さなくとも実施され得ることが明らかである。また、本明細書における「一実施形態」「一つの実施形態」を示す説明において、序数などの表示を伴う説明は全て、特定の態様、構造、特徴を有する本発明の具体的な実施に含まれ得るものであることと理解されたい。更に、本明細書において、時には複数の変化例が一つの実施形態、図面、又はこれらの説明に組み込まれているが、これは本明細書を合理化させるためのもので、本発明の多面性が理解されることを目的としたものであり、また、一実施形態における一又はそれ以上の特徴あるいは特定の具体例は、適切な場合には、本発明の実施において、他の実施形態における一またはそれ以上の特徴あるいは特定の具体例と共に実施され得る。
【0031】
以上、本発明の実施形態および変化例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、最も広い解釈の精神および範囲内に含まれる様々な構成として、全ての修飾および均等な構成を包含するものとする。
【符号の説明】
【0032】
1 ワイヤレス充電装置
11 防水ハウジング
110 取り付け壁
111 第1の接触壁
12 ワイヤレス送信ユニット
121 ワイヤレストランスミッター
122 第1のコントローラー
13 第1の磁性部品
131 第1の永久磁石
132 第1の永久磁石
14 近接センサー
2 水中移動装置
21 防水シェル
211 第2の接触壁
22 ワイヤレス受信ユニット
221 ワイヤレスレシーバー
222 第2のコントローラー
223 充電式バッテリー
23 第2の磁性部品
231 第2の永久磁石
232 第2の永久磁石
24 位置決め部品
25 移動ユニット
3 外部電源