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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025096877
(43)【公開日】2025-06-30
(54)【発明の名称】資源供給システム
(51)【国際特許分類】
   E03B 3/02 20060101AFI20250623BHJP
   E03C 1/02 20060101ALI20250623BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20250623BHJP
【FI】
E03B3/02 Z
E03C1/02
H02J3/38 130
H02J3/38 180
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023212845
(22)【出願日】2023-12-18
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】高下 真
【テーマコード(参考)】
2D060
5G066
【Fターム(参考)】
2D060AA03
5G066HA11
5G066HA13
5G066HB02
5G066HB06
5G066HB09
5G066JA02
(57)【要約】
【課題】電動自動車の給電施設に適用され、資源を有効活用可能な資源供給システムを提供すること。
【解決手段】資源供給システム100は、電動自動車に給電を行う給電施設1に適用され、太陽光パネル3と、太陽光パネル3により発電された発電電力によって電動自動車への給電が可能な給電設備2と、水を利用する設備である洗車機6及び水洗トイレ8と、太陽光パネル3上の雨水を貯留可能な雨水タンク13と、雨水タンク13内の水を、洗車機6及び水洗トイレ8に供給可能な雨水供給装置14と、雨水タンク13内の水を洗車機6及び水洗トイレ8に供給するよう雨水供給装置14を制御可能な給水制御部57と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動自動車に給電を行う給電施設に適用され、
太陽光パネルと、
前記太陽光パネルにより発電された発電電力によって前記電動自動車への給電が可能な給電設備と、
水を利用する設備である水利用設備と、
前記太陽光パネル上の雨水を貯留可能な雨水タンクと、
前記雨水タンク内の水を、前記水利用設備に供給可能な雨水供給装置と、
前記雨水タンク内の水を前記水利用設備に供給するよう前記雨水供給装置を制御可能な給水制御部と、
を備える、資源供給システム。
【請求項2】
前記雨水タンク内の水の量が、所定の基準雨水量より大であるか否かを判定可能な雨水貯留量判定部を備え、
前記給水制御部は、前記雨水貯留量判定部により前記雨水タンク内の水の量が前記基準雨水量より大であると判定された場合、前記雨水タンク内の水を前記水利用設備に供給するよう前記雨水供給装置を制御可能である、請求項1に記載の資源供給システム。
【請求項3】
前記水利用設備と、前記水利用設備が排出した水を浄化して浄化水とする排水浄化装置と、前記浄化水を貯留可能な浄水タンクと、を有し、水を循環利用可能とする水循環系統を備え、
前記雨水供給装置は、前記雨水タンク内の水を前記水循環系統に供給可能である、請求項1又は2に記載の資源供給システム。
【請求項4】
前記雨水タンク内の水の量が、所定の基準雨水量より大であるか否かを判定可能な雨水貯留量判定部と、
前記浄水タンク内の水の量が、所定の下側基準浄水量より大であるか否かを判定可能な浄水貯留量判定部と、
を備え、
前記給水制御部は、前記雨水貯留量判定部により前記雨水タンク内の水の量が前記基準雨水量より大であると判定され、且つ、前記浄水貯留量判定部により前記浄水タンク内の水の量が前記下側基準浄水量より大でないと判定された場合、前記雨水タンク内の水を前記水循環系統に供給するよう前記雨水供給装置を制御可能である、請求項3に記載の資源供給システム。
【請求項5】
前記浄水タンク内の水の量が、所定の上側基準浄水量より大であるか否かを判定可能な浄水貯留量判定部を備え、
前記水循環系統は、第1水循環系統と、第2水循環系統と、を含み、
前記第1水循環系統は、前記第1水循環系統の水を前記第2水循環系統に放出可能な放水装置を有し、
前記給水制御部は、前記浄水貯留量判定部により前記第1水循環系統の浄水タンク内の水の量が前記上側基準浄水量より大であると判定された場合、前記第1水循環系統から前記第2水循環系統に水を放出するよう前記放水装置を制御可能である、請求項3に記載の資源供給システム。
【請求項6】
前記太陽光パネルは、地面から離間して配置され、
前記雨水タンクは、前記太陽光パネルと地面とにより挟まれた空間であるパネル下空間に配置される、請求項1又は2に記載の資源供給システム。
【請求項7】
前記水利用設備には、上水道から水道水を供給可能となっており、
前記上水道による水の供給が停止しているか否かを判定可能な断水判定部を備え、
前記給水制御部は、前記断水判定部により前記上水道による水の供給が停止していると判定された場合、前記雨水タンク内の水の前記水利用設備への供給を制限するよう前記雨水供給装置を制御可能である、請求項1又は2に記載の資源供給システム。
【請求項8】
前記水利用設備には、上水道からの水道水を供給可能となっており、
前記上水道による水の供給が停止しているか否かを判定可能な断水判定部と、
前記基準雨水量は、第1基準雨水量と、前記第1基準雨水量よりも大きな値に設定される第2基準雨水量と、を有し、
前記雨水貯留量判定部は、前記雨水タンク内の水の量が前記基準雨水量より大であるか否かの判定を、前記断水判定部により前記上水道からの水の供給が停止していないと判定された場合、前記第1基準雨水量に基づき実行し、前記断水判定部により前記上水道からの水の供給が停止したと判定された場合、前記第2基準雨水量に基づき実行する、請求項2に記載の資源供給システム。
【請求項9】
前記水利用設備には、前記発電電力を供給可能である、請求項1又は2に記載の資源供給システム。
【請求項10】
前記給電施設には、商用電源が接続されており、
前記商用電源による商用電力の供給が停止しているか否かを判定可能な停電判定部と、
前記太陽光パネルによる前記発電電力の前記水利用設備への供給を許可又は遮断可能な給電切替装置と、
前記給電切替装置を制御可能な給電制御部と、
を備え、
前記給電制御部は、前記停電判定部により前記給電施設への前記商用電力の供給が停止していると判定された場合、前記太陽光パネルによる前記発電電力の前記水利用設備に対する供給を制限するように前記給電切替装置を制御可能である、請求項9に記載の資源供給システム。
【請求項11】
前記水利用設備は、洗車設備を含む、請求項1又は2に記載の資源供給システム。
【請求項12】
前記水利用設備は、水洗トイレを含む、請求項1又は2に記載の資源供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、資源供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電動自動車の普及に伴い電動自動車の給電を行う給電施設の整備が進んでいる。給電施設には、給電元として太陽光発電設備が設けられる場合がある。
【0003】
太陽光発電設備を用いて電動自動車に給電する場合、短くとも30分程度の給電時間が発生してしまう。このため、混雑時には、給電を行うまでの待ち時間が発生してしまうおそれがある。しかし、例えば特許文献1の給電施設には、洗車装置が設けられている。この場合、洗車を行うことで給電待ちの時間を有効活用することができると考えらえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-010521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、洗車用の水の確保のために多量の水が必要となってしまう。また、車両洗浄の排水により環境負荷が生じてしまう。このため、上水利用や排水処理のために上下水道料金がかかってしまうことになる。
【0006】
また、太陽光発電パネル上に降る雨水の有効活用についても課題となっている。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、電動自動車の給電施設に適用され、資源を有効活用可能な資源供給システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく、第1の発明の資源供給システムは、電動自動車に給電を行う給電施設に適用され、太陽光パネルと、前記太陽光パネルにより発電された発電電力によって前記電動自動車への給電が可能な給電設備と、水を利用する設備である水利用設備と、前記太陽光パネル上の雨水を貯留可能な雨水タンクと、前記雨水タンク内の水を、前記水利用設備に供給可能な雨水供給装置と、前記雨水タンク内の水を前記水利用設備に供給するよう前記雨水供給装置を制御可能な給水制御部と、を備える。
【0009】
第2の発明の資源供給システムは、第1の発明において、前記雨水タンク内の水の量が、所定の基準雨水量より大であるか否かを判定可能な雨水貯留量判定部を備え、前記給水制御部は、前記雨水貯留量判定部により前記雨水タンク内の水の量が前記基準雨水量より大であると判定された場合、前記雨水タンク内の水を前記水利用設備に供給するよう前記雨水供給装置を制御可能である。
【0010】
第3の発明の資源供給システムは、第1又は第2の発明において、前記水利用設備と、前記水利用設備が排出した水を浄化して浄化水とする排水浄化装置と、前記浄化水を貯留可能な浄水タンクと、を有し、水を循環利用可能とする水循環系統を備え、前記雨水供給装置は、前記雨水タンク内の水を前記水循環系統に供給可能である。
【0011】
第4の発明の資源供給システムは、第3の発明において、前記雨水タンク内の水の量が、所定の基準雨水量より大であるか否かを判定可能な雨水貯留量判定部と、前記浄水タンク内の水の量が、所定の下側基準浄水量より大であるか否かを判定可能な浄水貯留量判定部と、を備え、前記給水制御部は、前記雨水貯留量判定部により前記雨水タンク内の水の量が前記基準雨水量より大であると判定され、且つ、前記浄水貯留量判定部により前記浄水タンク内の水の量が前記下側基準浄水量より大でないと判定された場合、前記雨水タンク内の水を前記水循環系統に供給するよう前記雨水供給装置を制御可能である。
【0012】
第5の発明の資源供給システムは、第3又は第4の発明において、前記浄水タンク内の水の量が、所定の上側基準浄水量より大であるか否かを判定可能な浄水貯留量判定部を備え、前記水循環系統は、第1水循環系統と、第2水循環系統と、を含み、前記第1水循環系統は、前記第1水循環系統の水を前記第2水循環系統に放出可能な放水装置を有し、前記給水制御部は、前記浄水貯留量判定部により前記第1水循環系統の浄水タンク内の水の量が前記上側基準浄水量より大であると判定された場合、前記第1水循環系統から前記第2水循環系統に水を放出するよう前記放水装置を制御可能である。
【0013】
第6の発明の資源供給システムは、第1~第5のうちいずれか1の発明において、前記太陽光パネルは、地面から離間して配置され、前記雨水タンクは、前記太陽光パネルと地面とにより挟まれた空間であるパネル下空間に配置される。
【0014】
第7の発明の資源供給システムは、第1~第6のうちいずれか1の発明において、前記水利用設備には、上水道から水道水を供給可能となっており、前記上水道による水の供給が停止しているか否かを判定可能な断水判定部を備え、前記給水制御部は、前記断水判定部により前記上水道による水の供給が停止していると判定された場合、前記雨水タンク内の水の前記水利用設備への供給を制限するよう前記雨水供給装置を制御可能である。
【0015】
第8の発明の資源供給システムは、第2~第7のうちいずれか1の発明において、前記水利用設備には、上水道からの水道水を供給可能となっており、前記上水道による水の供給が停止しているか否かを判定可能な断水判定部と、前記基準雨水量は、第1基準雨水量と、前記第1基準雨水量よりも大きな値に設定される第2基準雨水量と、を有し、前記雨水貯留量判定部は、前記雨水タンク内の水の量が前記基準雨水量より大であるか否かの判定を、前記断水判定部により前記上水道からの水の供給が停止していないと判定された場合、前記第1基準雨水量に基づき実行し、前記断水判定部により前記上水道からの水の供給が停止したと判定された場合、前記第2基準雨水量に基づき実行する。
【0016】
第9の発明の資源供給システムは、第1~第8のうちいずれか1の発明において、前記水利用設備には、前記発電電力を供給可能である。
【0017】
第10の発明の資源供給システムは、第9の発明において、前記給電施設には、商用電源が接続されており、前記商用電源による商用電力の供給が停止しているか否かを判定可能な停電判定部と、前記太陽光パネルによる前記発電電力の前記水利用設備への供給を許可又は遮断可能な給電切替装置と、前記給電切替装置を制御可能な給電制御部と、を備え、前記給電制御部は、前記停電判定部により前記給電施設への前記商用電力の供給が停止していると判定された場合、前記太陽光パネルによる前記発電電力の前記水利用設備に対する供給を制限するように前記給電切替装置を制御可能である。
【0018】
第11の発明の資源供給システムは、第1~第10のうちいずれか1の発明において、前記水利用設備は、洗車設備を含む。
【0019】
第12の発明の資源供給システムは、第1~第11のうちいずれか1の発明において、前記水利用設備は、水洗トイレを含む。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、電動自動車の給電施設に適用され、資源を有効活用可能な資源供給システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に係る資源供給システムの全体構成図である。
図2】給水制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
図3】給電制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
図4】雨水供給処理の流れを示すフローチャートである。
図5】電力供給処理の流れを示すフローチャートである。
図6】変形例に係る資源供給システムの全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態に係る資源供給システム10について、図面を参照しつつ説明する。図1に示すように、資源供給システム10は、電動自動車の給電を行う給電施設1に適用され、給電施設1内の各種設備に対して水や電気といった資源の供給を行うシステムである。
【0023】
(給電施設1の概要)
まず、給電施設1の概要について図1に基づき説明する。給電施設1は、電動自動車に給電を行うための施設である。給電施設1は、給電エリアA1と、発電エリアA2と、洗車エリアA3と、休憩エリアA4と、を備える。
【0024】
給電エリアA1は、電動自動車への給電を行うエリアである。給電エリアA1には、給電設備としての給電設備2が設けられている。給電設備2は、例えば、給電スタンドである。給電設備2は、例えば、商用電源Cから供給される商用電力を電動自動車に対して供給可能となっている。
【0025】
発電エリアA2は、給電施設1で使用する電力の発電を行うエリアである。発電エリアA2には、太陽光パネル3と、架台4と、が設けられている。詳しくは後述するが、太陽光パネル3により発電された発電電力は、給電施設1の各種設備に供給可能となっており、例えば、給電設備2に供給可能となっている。給電設備2は、太陽光パネル3から供給される発電電力を使用して、電動自動車の車載バッテリの充電を行うことが可能となっている。なお、電動自動車としては、電気自動車(EV)のみならず、ハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)といった、エンジンとモータとを動力源として用いる自動車についても想定されている。
【0026】
架台4は、地面G上に配置されている。太陽光パネル3は、架台4上に載置されている。太陽光パネル3と地面Gとの間には、空間が形成されている。なお、太陽光パネル3と地面Gとで挟まれた空間を「パネル下空間5」ということがある。
【0027】
洗車エリアA3は、洗車を行うエリアである。洗車エリアA3には、洗車設備としての洗車機6が設けられている。洗車機6は、例えば、上水道Wと接続されており、上水道Wから供給される水道水により自動車を洗浄可能となっている。洗車エリアA3の床部には、集水口7が設けられている。集水口7には、洗車により生じた排水が流入する。なお、本明細書において、水を利用する設備を「水利用設備」ということがある。洗車機6は、水利用設備に相当する。また、洗車設備は、洗車機6に限定されるものではなく、例えば、移動式の高圧洗浄機等であってもよい。
【0028】
休憩エリアA4は、給電施設1の利用者等が休憩を行うエリアである。休憩エリアA4には、水洗トイレ8が設けられている。水洗トイレ8は、排水用の配管P21と接続されている。水洗トイレ8は、例えば、上水道Wと接続されており、上水道Wから水道水を供給可能となっている。水洗トイレ8は、例えば、水道水を手洗い水として使用可能となっている。水洗トイレ8は、水利用設備に相当する。
【0029】
なお、本明細書において、水利用設備のうち、洗濯、体の洗浄、排泄といった人間の生活に関わる活動に使用される設備を「生活用水供給設備」ということがある。生活用水供給設備には、例えば、水洗トイレ8が該当し、洗車機6は該当しない。
【0030】
給電施設1の利用者は、例えば、混雑等により直ちに自動車への給電ができない場合には、洗車機6で洗車したり、水洗トイレ8で用を足したりすることができるため、待ち時間を有効活用することができる。また、給電施設1に水洗トイレ8等の各種設備が設けられていることで、給電施設1は、例えば、災害時の防災拠点としても好適に活用することができる。
【0031】
続いて、資源供給システム10の構成について説明する。
【0032】
まず、資源供給システム10の構成のうち水の供給に関連する構成について説明する。
【0033】
資源供給システム10は、給電施設1の水利用設備に雨水を供給可能となっている。資源供給システム10は、雨樋11と、雨水浄化装置12と、雨水タンク13と、雨水供給装置14と、を備える。
【0034】
雨樋11は、太陽光パネル3上に降った雨水を集める設備である。雨樋11は、断面視略U字状のU字管P1と、U字管P1から延びる円筒状の配管P2と、を有する。太陽光パネル3は、例えば、その上面が地面Gに対して斜めになるように設置されている。U字管P1は、例えば、太陽光パネル3の下縁部に沿って設けられている。配管P2は、雨水浄化装置12に接続されている。
【0035】
雨水浄化装置12は、雨水を浄化する装置である。雨水浄化装置12は、例えば除塵器であり、雨水中の不純物をろ過により除去する。
【0036】
雨水タンク13は、雨水を貯留する設備である。雨水タンク13は、例えば、密閉型の水槽である。雨水タンク13は、配管P4により雨水浄化装置12と接続されている。雨水タンク13は、地面G上に設置されており、例えば、地面Gに直接置かれている。雨水タンク13は、パネル下空間5に配置されている。平面視において、雨水タンク13は、少なくとも一部が太陽光パネル3と重なっており、詳しくは、全体が太陽光パネル3と重なっている。
【0037】
雨水供給装置14は、雨水タンク13内の水を給電施設1の水利用設備に供給する設備である。雨水供給装置14は、配管P5により雨水タンク13と接続されている。雨水供給装置14は、配管P6及び配管P7(詳しくは後述)と接続されている。雨水供給装置14は、雨水タンク13内の水を、配管P6及び配管P7のうちいずれか一方に供給可能となっている。雨水供給装置14は、雨水タンク13内の水の供給先を切り替える給水切替部15を有する。
【0038】
給水切替部15は、例えば、配管P6に接続され配管P6への水の供給を許可又は遮断する第1雨水弁16と、配管P7に接続され配管P7への水の供給を許可又は遮断する第2雨水弁17と、を有する。給水切替部15は、第1雨水弁16と、第2雨水弁17とのそれぞれにおいて、水の供給の許可又は遮断を切り替えることにより、雨水タンク13内の水の供給先を切り替えたり、雨水タンク13内の水の供給を停止したりすることができる。雨水供給装置14は、例えば、図示しないポンプを有する。雨水供給装置14は、当該ポンプの駆動力により、雨水タンク13内の水を汲み上げて各種設備に供給可能となっている。
【0039】
さらに、資源供給システム10は、水利用設備から排出された水を浄化して循環利用することが可能となっている。資源供給システム10は、第1水循環系統21と、第2水循環系統31と、を備える。
【0040】
第1水循環系統21は、洗車機6から排出された水を循環利用する水循環系統である。第1水循環系統21は、洗車機6と、第1排水浄化装置23と、第1浄水タンク24と、第1浄水供給装置25と、を有する。
【0041】
第1排水浄化装置23は、洗車機6から排出された水を浄化して第1浄化水とする装置である。洗車機6から排出された水には、汚れとして、例えば、ガソリンやグリス等の油分、洗剤由来の界面活性剤、車体由来の重金属、車体に付着していた汚泥等が含まれることが想定される。第1排水浄化装置23は、例えば、これらの汚れを分解又は除去可能な装置である。第1排水浄化装置23は、配管P11により洗車エリアA3の集水口7と接続されている。
【0042】
図示していないが、第1排水浄化装置23は、例えば、油分を分解又は除去可能な設備を有し、例えば、浮上分離槽等を有する。第1排水浄化装置23は、界面活性剤を分解又は除去可能な設備を有し、例えば、浮上分離槽、生物処理槽又は活性炭ろ過槽等を有する。第1排水浄化装置23は、例えば、重金属を除去可能な設備を有し、例えば、pH調整槽等を有する。第1排水浄化装置23は、例えば、汚泥を分解又は除去可能な設備を有し、例えば、沈殿分離槽等を有する。第1排水浄化装置23は、例えば、配管P11から排水を吸入したり、第1排水浄化装置23内で水を移送したりするポンプを有する。当該ポンプは、例えば、電力により駆動する。なお、第1排水浄化装置23の構成は、これに限定されるものではなく、洗車機6からの排水を、洗車機6で再利用可能な程度に浄化可能なものであればよい。
【0043】
第1浄水タンク24は、第1浄化水を貯留する設備である。第1浄水タンク24は、例えば、密閉型の水槽である。第1浄水タンク24は、配管P12により第1排水浄化装置23と接続されている。また、第1浄水タンク24は、配管P6により雨水供給装置14と接続されている。したがって、第1水循環系統21と、雨水タンク13とは、配管P5と雨水供給装置14(第1雨水弁16)と配管P6とを通じて接続されていることになる。
【0044】
第1浄水供給装置25は、第1浄水タンク24内の水を洗車機6に供給する装置である。第1浄水供給装置25は、配管P13により第1浄水タンク24と接続されている。また、第1浄水供給装置25は、配管P14により洗車機6と接続されている。第1浄水供給装置25は、図示しないポンプの駆動力により、第1浄水タンク24内の水を汲み上げて洗車機6に供給可能となっている。
【0045】
なお、洗車機6は、第1浄水タンク24内の水を自動車の洗浄水として利用可能となっている。洗車機6は、上水道Wから供給された水道水と、第1浄水タンク24内の水とを利用可能となっている。洗車機6は、それらの水のうちいずれか一方を選択して利用するようにしてもよいし、それらの水を混合して同時に利用するようにしてもよい。
【0046】
第2水循環系統31は、水洗トイレ8から排出された水を循環利用する水循環系統である。第2水循環系統31は、水洗トイレ8と、第2排水浄化装置33と、第2浄水タンク34と、第2浄水供給装置35と、を有する。なお、第1水循環系統21と、第2水循環系統31とは、まとめて「各水循環系統21,31」ということがある。
【0047】
第2排水浄化装置33は、水洗トイレ8から排出された水を浄化して第2浄化水とする装置である。水洗トイレ8から排出された水には、汚れとして、例えば、し尿やちり紙に由来する、有機物、窒素、リン、汚泥、大腸菌等が含まれることが想定される。第2排水浄化装置33は、これらの汚れを分解又は除去可能な装置である。第2排水浄化装置33は、配管P21により水洗トイレ8と接続されている。
【0048】
図示していないが、第2排水浄化装置33は、有機物、窒素及びリンを分解又は除去可能な設備を有し、例えば、嫌気槽や接触酸化槽を有する。第2排水浄化装置33は、例えば、汚泥を分解又は除去可能な設備を有し、例えば、沈殿ろ過槽を有する。第2排水浄化装置33は、大腸菌を死滅させることが可能な設備を有し、例えば、消毒液を貯留する消毒タンクを有する。浄化部は、接触材が設けられた接触ろ過槽を更に有することが好ましい。当該接触材としては、例えば、牡蠣殻が使用されることが好ましい。その場合、接触ろ過槽において、有機物、窒素、リン等を好適に分解又は除去することができる。第2排水浄化装置33は、例えば、配管P21から排水を吸入したり、第2排水浄化装置33内で水を移送したりするポンプを有する。第2排水浄化装置33は、例えば、接触酸化槽や接触ろ過槽室において排水中に酸素を供給するブロワを有する。当該ポンプと、当該ブロワとは、例えば、電力により駆動する。また、第2排水浄化装置33の構成は、これに限定されるものではなく、水洗トイレ8からの排水を、水洗トイレ8で再利用可能な程度に浄化可能なものであればよい。
【0049】
第2浄水タンク34は、第2浄化水を貯留する設備である。第2浄水タンク34は、例えば、密閉型の水槽である。第2浄水タンク34は、配管P22により第2排水浄化装置33と接続されている。また、第2浄水タンク34は、上述の配管P7により雨水供給装置14と接続されている。したがって、第2水循環系統31と、雨水タンク13とは、配管P5と雨水供給装置14(第2雨水弁17)と配管P7とを通じて接続されていることになる。
【0050】
第2浄水供給装置35は、第2浄水タンク34内の水を水洗トイレ8に供給する装置である。第2浄水供給装置35は、配管P24により第2浄水タンク34と接続されている。また、第2浄水供給装置35は、配管P25により水洗トイレ8と接続されている。第2浄水供給装置35は、図示しないポンプの駆動力により、第2浄水タンク34内の水を汲み上げて水洗トイレ8に供給可能となっている。なお、第2浄水供給装置35により供給された第2浄水タンク34内の水は、水洗トイレ8において流し水として利用される。
【0051】
次いで、資源供給システム10における水の流れについて説明する。
【0052】
太陽光パネル3上に降った雨水は、太陽光パネル3上を流下して雨樋11(U字管P1)に流れ込む。当該雨水は、雨樋11を通じて雨水浄化装置12に流れ込み、雨水浄化装置12により浄化される。浄化された雨水は、配管P4を通じて雨水タンク13に流れ込み、雨水タンク13内に貯留される。このため、雨水タンク13内には、太陽光パネル3上に降った雨水が、浄化された状態で貯留されている。
【0053】
第1水循環系統21においては、洗車機6から排出された水は、集水口7により集水されて、配管P11を通じて第1排水浄化装置23に流れ込む。当該排水は、第1排水浄化装置23により浄化されて第1浄化水とされる。第1浄化水は、配管P12を通じて第1浄水タンク24に流れ込み、第1浄水タンク24に貯留される。第1浄水タンク24内の水は、第1浄水供給装置25のポンプの駆動力により汲み上げられて、配管P13及び配管P14を通じて洗車機6に供給される。洗車機6に供給された水は、洗車用の洗浄水として使用される。このように、第1水循環系統21内で水の循環利用が行われている。
【0054】
ただし、水循環系統内で循環する水の一部は、水利用設備の利用に伴って当該水循環系統から出ていく場合が想定される。その場合、例えば、水循環系統内の水が減少を回避すべく、上水道Wから当該循環系統に水道水を供給することが考えらえる。しかし、そうすると、水道料金がかかってしまい、不経済であると考えられる。また、断水時には、水道水の補充ができないため、当該循環系統内の水が不足してしまい、水利用設備を使用できなくなってしまうおそれがある。
【0055】
例えば、第1水循環系統21内で循環する水の一部は、洗浄後の自動車に付着して、第1水循環系統21から出ていく場合がある。
【0056】
そこで、第1水循環系統21には、雨水タンク13内の水を供給することができる。給水切替部15を、配管P6に水が供給可能になるように切り替えるとともに、雨水供給装置14のポンプを駆動状態にすると、雨水タンク13内の水は、雨水供給装置14のポンプの駆動力により汲み上げられて、配管P5と配管P6とを通じて第1浄水タンク24に供給される。これにより、第1水循環系統21における水の不足を抑制することができる。
【0057】
第2水循環系統31においては、水洗トイレ8から排出された水は、配管P21を通じて第2排水浄化装置33に流れ込む。当該排水は、第2排水浄化装置33により浄化されて第2浄化水とされる。第2浄化水は、配管P22を通じて第2浄水タンク34に流れ込み、第2浄水タンク34に貯留される。第2浄水タンク34内の水は、第2浄水供給装置35のポンプの駆動力により汲み上げられて、配管P24及び配管P25を通じて水洗トイレ8に供給される。水洗トイレ8に供給された水は、流し水として使用される。このように、第2水循環系統31内で水の循環利用が行われている。
【0058】
ただし、第2水循環系統31においては、水洗トイレ8が短期間に連続して使用された場合、第2浄水タンク34内の水が一時的に不足してしまうおそれがある。上述のように、かかる水の不足を水道水により補うことは不経済であるし、断水時には、水道水の供給を行うことができなくなってしまう。
【0059】
そこで、第2水循環系統31には、雨水タンク13内の水を供給することができる。給水切替部15を、配管P7に水が供給可能になるように切り替えるとともに、雨水供給装置14を駆動状態にすると、雨水タンク13内の水は、例えば、雨水供給装置14のポンプの駆動力により汲み上げられて配管P5と配管P7とを通じて第2浄水タンク34に供給される。これにより、第2水循環系統31における水の不足を抑制することができる。
【0060】
なお、第1水循環系統21や第2水循環系統31には、水道水や雨水が供給される場合がある。第1浄水タンク24や第2浄水タンク34に貯留される水は、第1浄化水や第2浄化水に限定されるものではなく、雨水や水道水であってもよいし、それらの水が混じり合った水であってもよい。
【0061】
次いで、資源供給システム10の構成のうち電力の供給に関連する構成について説明する。
【0062】
資源供給システム10は、太陽光パネル3と、蓄電装置41と、配電装置45と、を備える。
【0063】
太陽光パネル3は、太陽光エネルギーにより発電するとともに、発電電力を出力する。
【0064】
蓄電装置41は、太陽光パネル3による発電電力を蓄電する設備である。蓄電装置41は、バッテリ42と、給電切替装置43と、を有する。
【0065】
バッテリ42は、太陽光パネル3による発電電力を蓄電可能となっている。バッテリ42は、電力線L1により太陽光パネル3と接続されている。
【0066】
また、蓄電装置41は、給電切替装置43を有する。給電切替装置43は、電力線L2によりバッテリ42と接続されている。給電切替装置43は、電力線L3により商用電源Cと接続されている。給電切替装置43は、電力線L4により配電装置45(詳しくは、後述する給電切替装置46)と接続されている。
【0067】
給電切替装置43は、バッテリ42と配電装置45との通電のみを許可するA状態と、商用電源Cと配電装置45との通電のみを許可するB状態と、のうちのいずれかの状態をとることが可能となっている。蓄電装置41は、給電切替装置43の状態に応じて、バッテリ42の蓄電電力と、商用電源Cから供給された商用電力と、のうちいずれか一方の電力を配電装置45に供給する。
【0068】
配電装置45は、配電盤であり、蓄電装置41から供給された電力を給電施設1の各種設備に分配する装置である。配電装置45は、配電装置45に接続された設備への電力供給を許可又は遮断する給電切替装置46を有する。給電切替装置46は、給電スイッチ461と、雨水供給スイッチ462と、第1水循環スイッチ463と、第2水循環スイッチ464と、を有する。
【0069】
給電スイッチ461は、給電設備2への電力供給を許可又は遮断する。給電スイッチ461は、電力線L6により給電設備2と接続されている。
【0070】
雨水供給スイッチ462は、雨水供給装置14への電力供給を許可又は遮断する。雨水供給スイッチ462は、電力線L7により雨水供給装置14と接続されている。
【0071】
第1水循環スイッチ463は、第1水循環系統21(詳しくは、洗車機6、第1排水浄化装置23、第1浄水供給装置25等)への電力供給を許可又は遮断する。第1水循環スイッチ463は、電力線L8により第1水循環系統21と接続されている。
【0072】
第2水循環スイッチ464は、第2水循環系統31(詳しくは、第2浄水供給装置35、第2排水浄化装置33等)への電力供給を許可又は遮断する。第2水循環スイッチ464は、電力線L9により第2水循環系統31と接続されている。
【0073】
資源供給システム10においては、給電切替装置43がA状態である場合、バッテリ42の蓄電電力が、配電装置45を通じて各種設備に供給可能となり、給電切替装置43がB状態である場合、商用電力が、配電装置45を通じて各種設備に供給可能となる。なお、給電切替装置43と、給電切替装置46とは、ユーザが手動で切り替え可能なものであってもよい。
【0074】
なお、図示していないが、給水制御装置51と、給電制御装置71とは、それぞれ、蓄電装置41と接続されている。給水制御装置51と、給電制御装置71とには、それぞれ、商用電力と、発電電力のうちいずれかが供給されている。
【0075】
続いて、資源供給システム10の電気的構成について図2及び図3に基づき説明する。
【0076】
図2に示すように、資源供給システム10は、給水制御装置51と、給水関連センサ61と、を備える。
【0077】
給水制御装置51は、水の供給に関連する制御を実行する装置である。給水制御装置51は、制御部52と、記憶部58と、を有する。
【0078】
制御部52は、プロセッサによって構成される演算装置である。制御部52は、水の供給に関連する各機能を実行する。制御部52は、記憶部58から各種プログラムやデータを読み込んで所定のデータ処理を実行する。プロセッサは、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、SoC(system on a chip)等である。
【0079】
記憶部58は、プログラムやデータ等を記憶する記憶領域である。記憶部58には、例えば、水の供給に関連する各機能を制御部52に実行させるためのプログラムや、各種判定を行うための基準値等が記憶される。記憶部58は、ROM、RAM、フラッシュメモリ、半導体ドライブ(SSD)又はハードディスクドライブ(HDD)等で構成される。
【0080】
給水関連センサ61は、給水制御装置51による制御と関連するセンサである。給水関連センサ61は、給水制御装置51と接続されている。給水関連センサ61の取得結果は、給水制御装置51(詳しくは、制御部52)に対して出力される。給水関連センサ61は、雨水貯留量センサ62と、第1浄水貯留量センサ63と、第2浄水貯留量センサ64と、水道水圧センサ65を有する。
【0081】
雨水貯留量センサ62は、雨水タンク13内に貯留されているの水の量を取得するセンサである。雨水貯留量センサ62は、雨水タンク13に設けられている。雨水貯留量センサ62は、例えば、水位計であり、雨水タンク13内の水位を取得する。
【0082】
第1浄水貯留量センサ63は、第1浄水タンク24内に貯留されている水の量を取得するセンサである。第1浄水貯留量センサ63は、第1浄水タンク24に設けられている。第1浄水貯留量センサ63は、例えば、水位計であり、第1浄水タンク24内の水位を取得する。
【0083】
第2浄水貯留量センサ64は、第2浄水タンク34内に貯留されているの水の量を取得するセンサである。第2浄水貯留量センサ64は、第2浄水タンク34に設けられている。第2浄水貯留量センサ64は、例えば、水位計であり、第2浄水タンク34内の水位を取得する。
【0084】
水道水圧センサ65は、上水道Wから供給される水道水の水圧を取得するセンサである。水道水圧センサ65は、給電施設1内に設けられた上水道管に設けられている。
【0085】
また、制御部52は、雨水貯留量判定部53と、第1浄水貯留量判定部54と、第2浄水貯留量判定部55と、断水判定部56と、給水制御部57と、を有する。
【0086】
雨水貯留量判定部53は、雨水タンク13において貯水量が十分確保されているか否かを判定可能となっている。雨水貯留量判定部53は、雨水貯留量センサ62を通じて雨水タンク13内の水の量を取得可能となっている。また、記憶部58には、所定の基準雨水量が予め記憶されている。基準雨水量は、例えば、雨水の計画備蓄量とされる。雨水貯留量判定部53は、記憶部58から基準雨水量を取得可能となっている。
【0087】
雨水貯留量判定部53は、雨水貯留量センサ62による取得結果と、所定の基準雨水量とに基づいて、雨水タンク13内の水の量が、所定の基準雨水量より大であるか否かを判定可能となっている。
【0088】
第1浄水貯留量判定部54は、第1浄水タンク24の貯水量が十分であるか否かを判定可能となっている。第1浄水貯留量判定部54は、第1浄水貯留量センサ63を通じて第1浄水タンク24内の水の量を取得可能となっている。また、記憶部58には、所定の第1下側基準浄水量が予め記憶されている。第1下側基準浄水量は、例えば、第1浄水タンク24内の水の量の下限値とされる。第1浄水貯留量判定部54は、記憶部58から第1下側基準浄水量を取得可能となっている。
【0089】
第1浄水貯留量判定部54は、第1浄水貯留量センサ63による取得結果と、記憶部58に記憶された第1下側基準浄水量と、に基づいて、第1浄水タンク24内の水の量が、第1下側基準浄水量より大であるか否かを判定可能となっている。
【0090】
第2浄水貯留量判定部55は、第2浄水タンク34の貯水量が十分であるか否かを判定可能となっている。第2浄水貯留量判定部55は、第2浄水貯留量センサ64を通じて第2浄水タンク34内の水の量を取得可能となっている。また、記憶部58には、所定の第2下側基準浄水量が予め記憶されている。所定の第2下側基準浄水量は、例えば、第2浄水タンク34内の水の量の下限値であり、より具体的には、第2浄水タンク34内の最小水位とされる。第2浄水貯留量判定部55は、記憶部58から第2下側基準浄水量を取得可能となっている。
【0091】
第2浄水貯留量判定部55は、第2浄水貯留量センサ64による取得結果と、記憶部58に記憶された所定の第2下側基準浄水量と、に基づいて、第2浄水タンク34内の水の量が、第2下側基準浄水量より大であるか否かを判定可能となっている。
【0092】
また、第2浄水貯留量判定部55は、第2浄水タンク34において貯水量が過大であるか否かを判定可能となっている。記憶部58には、所定の第2上側基準浄水量が予め記憶されている。所定の第2上側基準浄水量は、第2浄水タンク34内の水の量の上限値とされる。第2浄水貯留量判定部55は、記憶部58から第2上側基準浄水量を取得可能となっている。
【0093】
断水判定部56は、上水道Wによる水の供給が停止しているか否かを判定する。断水判定部56は、水道水圧センサ65を通じて給電施設1内の水道管における水圧を取得可能となっている。なお、上水道Wによる水の供給が停止している状態を「断水状態」いうことがある。また、記憶部58には、所定の基準水圧が予め記憶されている。
【0094】
断水判定部56は、水道水圧センサ65による取得結果が、所定の基準水圧未満である場合、上水道Wによる水の供給が停止している(断水状態である)と判定し、所定の基準水圧以上である場合、上水道Wによる水の供給は停止していない(断水状態でない)と判定する。
【0095】
給水制御部57は、雨水供給装置14と、第1浄水供給装置25と、第2浄水供給装置35と、に対してそれぞれ接続されている。詳しくは後述するが、給水制御部57は、給水制御装置51の各種判定部による判定結果に基づいて、給水制御部57と接続された各種装置を制御する。
【0096】
また、図3に示すように、資源供給システム10は、給電制御装置71と、給電関連センサ81と、を備える。
【0097】
給電制御装置71は、電気の供給に関連する制御を実行する装置である。給電制御装置71は、制御部72と、記憶部77と、を有する。
【0098】
制御部72は、制御部52と同様、プロセッサによって構成される演算装置である。制御部72は、電気の供給に関連する各機能を実行する。制御部72は、記憶部77から各種プログラムやデータを読み込んで所定のデータ処理を実行する。
【0099】
記憶部77は、記憶部58と同様、プログラムやデータ等を記憶する記憶領域である。記憶部77には、例えば、電気の供給に関連する各機能を制御部72に実行させるためのプログラムや、各種判定を行うための基準値等が記憶される。
【0100】
給電関連センサ81は、給電制御装置71による制御と関連するセンサである。給電関連センサ81は、給電制御装置71と接続されている。給電関連センサ81による取得結果は、給電制御装置71(詳しくは、制御部72)に対して出力される。給電関連センサ81は、蓄電量センサ82と、電力センサ83を有する。
【0101】
蓄電量センサ82は、蓄電装置41に設けられている。蓄電量センサ82は、バッテリ42の蓄電量を取得する。
【0102】
電力センサ83は、商用電源Cと接続された電力線L3に設けられている。電力センサ83は、電力線L3を流れる電力を検知する。電力センサ83は、給電施設1への商用電力の供給の有無を検知していることになる。
【0103】
また、制御部72は、蓄電量判定部73と、停電判定部74と、給電制御部75と、を有する。
【0104】
蓄電量判定部73は、バッテリ42の蓄電量が十分であるか否かを判定する。蓄電量判定部73は、蓄電量センサ82を通じてバッテリ42の蓄電量を取得可能となっている。また、記憶部77には、所定の基準蓄電量が予め記憶されている。蓄電量判定部73は、記憶部77から所定の基準蓄電量を取得可能となっている。
【0105】
蓄電量判定部73は、蓄電量センサ82による取得結果と、所定の基準蓄電量とに基づいて、バッテリ42の蓄電量が、所定の基準蓄電量より大であるか否かを判定する。
【0106】
停電判定部74は、商用電源Cによる商用電力の供給が停止しているか否かを判定する。停電判定部74は、電力センサ83による電力の検知結果を取得可能となっている。なお、商用電源Cによる商用電力の供給が停止している状態を「停電状態」いうことがある。
【0107】
停電判定部74は、電力センサ83により電力が検出されなかった場合、商用電源による商用電力の供給は停止している(停電状態である)と判定する。停電判定部74は、電力センサ83により電力が検出された場合、商用電源Cによる商用電力の供給は停止していない(停電状態でない)と判定する。
【0108】
給電制御部75は、蓄電装置41と、配電装置45と、に対してそれぞれ接続されている。詳しくは後述するが、給電制御部75は、制御部72の各判定部による判定結果に基づいて、給電制御部75と接続された各種装置を制御する。
【0109】
ここで、給水制御装置51は、第1水循環系統21や第2水循環系統31に対する雨水の供給に関連する処理である雨水供給処理を実行する。以下、雨水供給処理及び放水処理について、図4を参照しつつ説明する。なお、図4は、雨水供給処理の流れを示すフローチャートである。図4のフローチャートは、それぞれ、給水制御部57により所定の時間周期(例えば、1分)で繰り返し実行される。
【0110】
まず、雨水供給処理について説明する。なお、本実施形態において、雨水供給装置14がオンであるとは、雨水供給装置14のポンプが駆動状態であることをいい、雨水供給装置14がオフであるとは、雨水供給装置14のポンプが非駆動状態であることをいう。
【0111】
図4に示すように、ステップS11では、断水状態が発生しているか否かを判定する。具体的には、水道水圧センサ65により取得された上水道Wの水圧が、所定の基準水圧未満であるか否かを判定する。水道水圧センサ65による取得結果が、所定の基準水圧以上である場合、すなわち断水状態でない場合には、NO判定してステップS12に進む。水道水圧センサ65による取得結果が、所定の基準水圧未満である場合、すなわち断水状態である場合には、YES判定してステップS21に進む。
【0112】
ステップS12では、基準雨水量として、第1基準雨水量を記憶部58から取得する。次いでステップS13に進む。
【0113】
ステップS13では、雨水タンク13内の水が不足しているか否かを判定する。具体的には、雨水貯留量センサ62により取得された雨水タンク13の貯水量が、第1基準雨水量以下であるか否かを判定する。雨水貯留量センサ62による取得結果が、第1基準雨水量以下である場合には、NO判定してステップS14に進む。雨水貯留量センサ62による取得結果が、第1基準雨水量より大である場合には、YES判定してステップS15に進む。
【0114】
ステップS14では、雨水供給装置14をオフにする。第1雨水弁16を閉状態にする。第2雨水弁17を閉状態にする。このため、雨水タンク13の貯水量が不足している場合には、雨水タンク13内の水は、第1浄水タンク24と、第2浄水タンク34とのいずれに対しても供給されない。これにより、雨水タンク13の貯水量を確保し易くすることができる。その後、本処理を終了する。
【0115】
ステップS15では、第1浄水タンク24の貯水量が十分であるか否かを判定する。具体的には、記憶部58から第1下側基準浄水量を取得するとともに、第1浄水貯留量センサ63により取得された第1浄水タンク24内の水の量が、第1下側基準浄水量より大であるか否かを判定する。第1浄水貯留量センサ63による取得結果が、第1下側基準浄水量以下である場合には、NO判定してステップS16に進む。第1浄水貯留量センサ63による取得結果が、第1下側基準浄水量より大である場合には、YES判定してステップS19に進む。
【0116】
ステップS16では、第2浄水タンク34の貯水量が十分であるか否かを判定する。具体的には、記憶部58から第2基準浄水量を取得するとともに、第2浄水貯留量センサ64により取得された第2浄水タンク34の貯水量が、第2基準浄水量より大であるか否かを判定する。第2浄水貯留量センサ64による取得結果が、第2基準浄水量以下である場合には、NO判定してステップS17に進む。第2浄水貯留量センサ64による取得結果が、第2基準浄水量より大である場合には、YES判定してステップS18に進む。
【0117】
ステップS17では、雨水供給装置14をオンにする。第1雨水弁16を開状態にする。第2雨水弁17を開状態にする。このため、雨水タンク13の貯水量が不足しておらず、且つ第1浄水タンク24の貯水量と、第2浄水タンク34の貯水量とが、いずれも不足している場合には、雨水タンク13内の水は、第1浄水タンク24と、第2浄水タンク34とに対してそれぞれ供給される。これにより、第1浄水タンク24の貯水量と、第2浄水タンク34の貯水量とを確保し易くすることができるため、第1水循環系統21の循環水量と、第2水循環系統31の循環水量を確保し易くすることができる。その後、本処理を終了する。
【0118】
ステップS18では、雨水供給装置14をオンにする。第1雨水弁16を開状態にする。第2雨水弁17を閉状態にする。このため、雨水タンク13の貯水量が不足しておらず、且つ第1浄水タンク24の貯水量が不足しており、且つ第2浄水タンク34の貯水量が不足していない場合には、雨水タンク13内の水は、第1浄水タンク24に対して供給され、第2浄水タンク34に対しては供給されない。これにより、第1浄水タンク24の貯水量を確保し易くすることができる。その後、本処理を終了する。
【0119】
また、ステップS19では、ステップS16と同様、第2浄水タンク34の貯水量が十分であるか否かを判定する。第2浄水貯留量センサ64による取得結果が、第2基準浄水量以下である場合には、NO判定してステップS20に進む。第2浄水貯留量センサ64による取得結果が、第2基準浄水量より大である場合には、YES判定してステップS14に進む。
【0120】
ステップS20では、雨水供給装置14をオンにする。第1雨水弁16を閉状態にする。第2雨水弁17を開状態にする。このため、雨水タンク13の貯水量が不足しておらず、且つ第1浄水タンク24の貯水量が不足しておらず、且つ第2浄水タンク34の貯水量が不足している場合には、雨水タンク13内の水は、第2浄水タンク34に対して供給され、第1浄水タンク24に対しては供給されない。これにより、第2浄水タンク34の貯水量を確保し易くすることができる。その後、本処理を終了する。
【0121】
ステップS14では、上述のとおり、雨水供給装置14をオフにする。第1雨水弁16を閉状態にする。第2雨水弁17を閉状態にする。これにより、第1浄水タンク24の貯水量と、第2浄水タンク34の貯水量とが、いずれも十分に存在する場合には、雨水タンク13内の水は、第1浄水タンク24と、第2浄水タンク34とのいずれに対しても供給されない。これにより、雨水タンク13内の貯水量を確保し易くすることができる。その後、本処理を終了する。
【0122】
また、ステップS21では、基準雨水量として、第2基準雨水量を記憶部58から取得する。次いでステップS22に進む。
【0123】
ステップS22では、雨水タンク13の貯水量が十分であるか否かを判定する。雨水貯留量センサ62による取得結果が、第2基準雨水量以下である場合には、NO判定してステップS14に進む。雨水貯留量センサ62による取得結果が、第2基準雨水量より大である場合には、YES判定してステップS19に進む。
【0124】
ステップS14では、上述のとおり、雨水供給装置14をオフにする。第1雨水弁16を閉状態にする。第2雨水弁17を閉状態にする。このため、断水状態において、雨水タンク13の貯水量が不足している場合、雨水タンク13内の水は、第1浄水タンク24と、第2浄水タンク34とのいずれに対しても供給されない。ただし、第2基準雨水量は、第1基準雨水量よりも大きい値として設定されている。したがって、上水道Wによる水の供給が停止している場合には、上水道Wによる水の供給が停止していない場合と比較して、より多くの水が、雨水タンク13内において確保される。その後、本処理を終了する。
【0125】
ステップS19では、上述のとおり、第2浄水タンク34の貯水量が十分であるか否かを判定する。第2浄水貯留量センサ64による取得結果が、第2基準浄水量以下である場合には、NO判定してステップS20に進む。第2浄水貯留量センサ64による取得結果が、第2基準浄水量より大である場合には、YES判定してステップS14に進む。
【0126】
ステップS20では、上述のとおり、雨水供給装置14をオンにする。第1雨水弁16を閉状態にする。第2雨水弁17を開状態にする。このため、断水状態であり、且つ雨水タンク13の貯水量が不足しておらず、且つ第2浄水タンク34の貯水量が不足している場合には、雨水タンク13内の水は、第2浄水タンク34に対して供給される。ただし、雨水タンク13内の水は、第1浄水タンク24に対しては供給されない。これにより、断水時には、雨水タンク13の貯水量をより確保し易くするとともに、第2浄水タンク34の貯水量を確保し易くすることができる。その後、本処理を終了する。
【0127】
ステップS14では、上述のとおり、雨水供給装置14をオフにする。第1雨水弁16を閉状態にする。第2雨水弁17を閉状態にする。このため、断水状態であり、且つ第2浄水タンク34の貯水量が不足していない場合には、雨水タンク13内の水は、第2浄水タンク34に対して供給されない。また、雨水タンク13内の水は、第1浄水タンク24に対しても供給されない。これにより、断水時には、雨水タンク13の貯水量をより確保し易くすることができる。その後、本処理を終了する。
【0128】
このように、ステップS11でYES判定された場合、すなわち、断水状態である場合には、雨水タンク13内の水は、第1浄水タンク24の貯水量が不足しているか否かによらず、第1浄水タンク24には供給されないようになっている。一方、雨水タンク13内の水は、第2水循環系統31の貯水量が不足している場合には、第2水循環系統31に供給されるようになっている。換言すると、断水状態である場合、雨水タンク13内の水は、第1水循環系統21及び第2水循環系統31のうち第2水循環系統31のみに供給可能とされるようになっている。更に換言すると、断水状態である場合、雨水タンク13内の水は、複数の水利用設備(詳しくは、洗車機6及び水洗トイレ8)のうち生活用水供給設備(詳しくは、水洗トイレ8)のみに供給可能とされるようになっている。これにより、断水時には、雨水タンク13の貯水量をより好適に確保可能としつつ、生活用水供給設備(水洗トイレ8)が使用不可となってしまうのを抑制することができる。
【0129】
なお、水洗トイレ8は、生活用水供給設備の中でも特に災害時に使用を欲される設備であると考えられる。このため、断水時に水洗トイレ8を利用可能とすることを、雨水タンク13の貯水量を確保することよりも優先するようにしてもよい。その場合、例えば、ステップS21と、ステップS22とを、図4のフローチャートから除くことが考えられる。そうすると、断水が生じており、且つ第2浄水タンク34の貯水量が不足している場合には、雨水タンク13の貯水量によらず、第2雨水弁17は、開状態とされる。そして、第2浄水タンク34に雨水タンク13内の水が供給される。これにより、断水時に水洗トイレ8が使用不可となってしまうのをより好適に抑制することができる。
【0130】
また、給電制御装置71は、第1水循環系統21や第2水循環系統31に対する電力の供給に関連する処理である電力供給処理を実行する。以下、電力供給処理について図5を参照しつつ説明する。図5は、電力供給処理の流れを示すフローチャートである。図5のフローチャートは、給電制御部75により所定の時間周期(例えば、1秒)で繰り返し実行される。
【0131】
図5に示すように、ステップS41では、給電施設1において停電が発生しているか否かを判定する。より具体的には、商用電源Cと接続された電力線L3に設けられた電力センサ83により電力が検知されたか否かを判定する。電力センサ83により電力が検知された場合、すなわち停電状態でない場合には、NO判定してステップS42に進む。電力センサ83により電力が検知されなかった場合、すなわち停電状態である場合には、YES判定してステップS46に進む。
【0132】
ステップS42では、バッテリ42の蓄電量が十分であるか否かを判定する。より具体的には、記憶部58から基準蓄電量を取得するとともに、蓄電量センサ82により取得された蓄電量が、基準蓄電量より大であるか否かを判定する。蓄電量センサ82による取得結果が、基準蓄電量より大である場合、すなわちバッテリ42の蓄電量が十分である場合には、YES判定してステップS43に進む。蓄電量センサ82による取得結果が、基準蓄電量以下である場合、すなわち、バッテリ42の蓄電量が十分でない場合には、NO判定してステップS44に進む。
【0133】
ステップS43では、バッテリ42の蓄電電力(すなわち、太陽光パネル3による発電電力)が配電装置45に供給されるように給電切替装置43を制御する。より具体的には、給電切替装置43を、A状態に切り替える。その後、ステップS45に進む。
【0134】
ステップS44では、商用電力が配電装置45に供給されるように給電切替装置43を制御する。より具体的には、給電切替装置43を、B状態に切り替える。その後、ステップS45に進む。
【0135】
ステップS45では、給電スイッチ461と、雨水供給スイッチ462と、第1水循環スイッチ463と、第2水循環スイッチ464と、をいずれもオンにする。これにより、停電が発生していない場合、給電設備2と、雨水供給装置14と、第1水循環系統21と、第2水循環系統31とに電力が供給される。給電設備2と、雨水供給装置14と、第1水循環系統21と、第2水循環系統31とには、バッテリ42の蓄電量が十分である場合、バッテリ42から太陽光パネル3による発電電力が供給され、バッテリ42の蓄電量が十分でない場合、商用電源Cから商用電力が供給される。これにより、バッテリ42の蓄電量を確保し易くすることができる。その後、本処理を終了する。
【0136】
また、ステップS46では、ステップS43と同様、太陽光パネル3による発電電力が配電装置45に供給されるように給電切替装置43を制御する。その後、ステップS47に進む。
【0137】
ステップS47では、給電スイッチ461をオンにする。第2水循環スイッチ464をオンにする。第1水循環スイッチ463をオフにする。雨水供給スイッチ462をオフにする。その後、本処理を終了する。このため、停電が発生している場合、給電施設1の各種設備には、バッテリ42の蓄電量によらず、バッテリ42の蓄電電力が供給される。給電設備2と、第2水循環系統31とには、太陽光パネル3による発電電力が供給され、雨水供給装置14と、第1水循環系統21とには、電力は供給されない。このように、停電時には、雨水供給装置14と、バッテリ42の蓄電電力の水循環系統の一部に対するバッテリ42の蓄電電力の供給は、制限される。
【0138】
これにより、自動車に給電を行う給電設備2と、水洗トイレ8とは、災害時における必要性が高いと考えられるところ、給電設備2や、水洗トイレ8を含む第2水循環系統31に対して発電電力を供給可能とすることで、災害時に給電設備2や水洗トイレ8が使用できなくなってしまうのを抑制することができる。
【0139】
また、洗車機6は、災害時における必要性が比較的低いと考えられるところ、洗車機6を含む第1水循環系統21への電力の供給を遮断することで、給電施設1の利便性を大きく損なうことなく、バッテリ42の消費を抑制することができる。このように、災害時には、バッテリ42の蓄電電力の水循環系統への供給を一部制限することにより、バッテリ42の蓄電量を確保し易くすることができる。また、雨水供給装置14への電力の供給を遮断した場合、雨水供給制御は停止する。これにより、停電時において、雨水供給制御に起因するバッテリ42の消費を抑制することができる。
【0140】
なお、ステップS47では、雨水供給スイッチ462をオンにするようにしてもよい。その場合、バッテリ42は若干消費され易くなるものの、雨水供給装置14に電力を供給して、雨水供給制御を継続させることができる。
【0141】
本実施形態の資源供給システム10によれば、以下の効果を得ることができる。
【0142】
本実施形態によれば、資源供給システム100は、太陽光パネル3と、太陽光パネル3により発電された発電電力によって電動自動車への給電が可能な給電設備2と、水を利用する設備である洗車機6及び水洗トイレ8と、太陽光パネル3上の雨水を貯留可能な雨水タンク13と、雨水タンク13内の水を、洗車機6及び水洗トイレ8に供給可能な雨水供給装置14と、雨水供給装置14を制御可能な制御部52と、を備える。給水制御部57は、雨水タンク13内の水を洗車機6や水洗トイレ8に供給するよう雨水供給装置14を制御する。
【0143】
かかる構成によれば、太陽光パネル3上に降った雨水を、洗車機6や水洗トイレ8等の水を利用する設備において利用することができる。これにより、太陽光パネル3に降った雨水を有効活用しつつ、給電施設1における水の不足等の発生を抑制することができる。したがって、資源を有効活用可能な資源供給システム100を提供することができる。
【0144】
本実施形態によれば、資源供給システム100は、雨水タンク13内の水の量が、所定の基準雨水量より大であるか否かを判定する雨水貯留量判定部53を備える。給水制御部57は、雨水貯留量判定部53により雨水タンク13内の水の量が基準雨水量より大であると判定された場合、雨水タンク13内の水を洗車機6や水洗トイレ8に供給するよう雨水供給装置14を制御する。
【0145】
かかる構成によれば、雨水タンク13の貯水量を確保し易くすることができるため、給電施設1における水の不足を好適に抑制することができる。
【0146】
本実施形態によれば、給電施設1には、洗車機6が設けられている。
【0147】
これにより、給電施設1において、例えば、給電までの待ち時間を有効活用することができる。
【0148】
本実施形態によれば、給電施設1には、水洗トイレ8が設けられている。
【0149】
これにより、給電施設1において、例えば、給電までの待ち時間を有効活用可能とすることができる。また、水洗トイレ8を近隣住民に解放したりすることで、給電施設1を防災拠点として好適に活用することができる。
【0150】
本実施形態によれば、資源供給システム100は、水の循環利用をそれぞれ行う第1水循環系統21及び第2水循環系統31を備える。第1水循環系統21は、洗車機6を有し、洗車機6から排出された水を浄化して循環利用可能となっている。第2水循環系統31は、水洗トイレ8を有し、水洗トイレ8から排出された水を浄化して循環利用可能となっている。雨水供給装置14は、雨水タンク13内の水を各水循環系統21,31に供給可能となっている。
【0151】
かかる構成によれば、洗車機6や水洗トイレ8において水の循環利用が可能となる。これにより、給電施設1における水道水の使用を抑制したり、排水の発生量を削減したりすることができる。また、雨水の供給により、各水循環系統21,31において循環水量を確保し易くすることができる。
【0152】
本実施形態によれば、資源供給システム10は、第1浄水タンク24の水の量が、所定の第1下側基準浄水量より大であるか否かを判定可能な第1浄水貯留量判定部54を備える。給水制御部57は、雨水貯留量判定部53により雨水タンク13内の水の量が第1雨水基準量以上であると判定され、且つ、第1浄水貯留量判定部54により第1浄水タンク24内の水の量が第1下側基準浄水量以下であると判定された場合、雨水タンク13内の水を第1水循環系統21に供給するよう雨水供給装置14を制御可能となっている。
【0153】
同様に、資源供給システム10は、第2浄水タンク34の水の量が、所定の第2下側基準浄水量より大であるか否かを判定可能な第2浄水貯留量判定部55を備える。給水制御部57は、雨水貯留量判定部53により雨水タンク13内の水の量が第2雨水基準量以上であると判定され、且つ、第2浄水貯留量判定部55により第2浄水タンク34内の水の量が第2下側基準浄水量以下であると判定された場合、雨水タンク13内の水を第2水循環系統31に供給するよう雨水供給装置14を制御可能となっている。
【0154】
これにより、第1水循環系統21や第2水循環系統31において、循環水量を確保し易くすることができる。
【0155】
本実施形態によれば、太陽光パネル3は、地面Gから離間して配置されている。雨水タンク13は、太陽光パネル3と地面Gとにより挟まれた空間であるパネル下空間5に配置されている。
【0156】
従来、パネル下空間5は、有効な活用方法を模索されていた。かかる構成によれば、パネル下空間5を雨水タンク13の設置場所として有効活用することができるため、パネル下空間5の利用価値を創出することができる。また、雨水タンク13を地下に埋設する場合と比較して、雨水タンク13を容易に設置することができる。このため、既設の給電施設に対して資源供給システムを後から導入することを容易にすることができる。また、給電施設では、自動車等に由来する油水が生じる可能性があるところ、雨水タンク13を地下に埋設する場合と比較して、雨水タンク13への油水の流入を容易に防止することができる。
【0157】
本実施形態によれば、各水循環系統21,31には、上水道Wが接続されている。資源供給システム10は、上水道Wによる水の供給が停止しているか否かを判定可能な断水判定部56を備える。給水制御部57は、断水判定部56により上水道Wによる水の供給が停止していると判定された場合、雨水タンク13内の水の各水循環系統21,31への供給を制限するよう雨水供給装置14を制御可能となっている。
【0158】
かかる構成によれば、給電施設1において、断水時に雨水を確保し易くすることができる。また、給電施設1は、例えば、災害時には、防災拠点として活用してもよい。その場合、例えば、雨水タンク13内の水を近隣住民に提供するようにしてもよい。断水時に雨水タンク13の貯水量を確保し易くされていることで、かかる取り組みを実施し易くすることができる。したがって、給電施設1を防災拠点として更に活用し易くすることができる。
【0159】
本実施形態によれば、雨水供給装置14は、各水循環系統21,31に対し、雨水タンク13内の水を、それぞれ供給可能となっている。給水制御部57は、断水判定部56により上水道Wからの水の供給が停止していると判定された場合、雨水タンク13内の水を、各水循環系統21,31のうち特定の水循環系統(詳しくは、第2水循環系統31)のみに供給可能とするよう雨水供給装置14を制御可能となっている。
【0160】
第2水循環系統31は、例えば、水洗トイレ8を有する。水洗トイレ8は、断水時に使用できるようにしておく必要性が特に高いと考えられる。かかる構成によれば、断水時においても、水洗トイレ8を含む第2水循環系統31に雨水を供給することができるため、断水時に水洗トイレ8が使用できなくなってしまうのを抑制することができる。これにより、断水時においても、給電施設の利便性を確保し易くすることができる。そして、給電施設を防災拠点として好適に活用可能とすることができる。
【0161】
本実施形態によれば、基準雨水量は、第1基準雨水量と、第1基準雨水量よりも大きな値に設定される第2基準雨水量と、を有する。雨水貯留量判定部53は、断水判定部56により上水道Wからの水の供給が停止していないと判定された場合、雨水タンク13内の水の量が、第1基準雨水量より大であるか否かを判定し、断水判定部56により上水道Wからの水の供給が停止したと判定された場合、雨水タンク13内の水の量が、第2基準雨水量より大であるか否かを判定する。換言すると、雨水貯留量判定部53は、雨水タンク13内の水の量が基準雨水量より大であるか否かの判定を、断水判定部56により上水道Wからの水の供給が停止していないと判定された場合、第1基準雨水量に基づき実行し、断水判定部56により上水道Wからの水の供給が停止したと判定された場合、第2基準雨水量に基づき実行する。
【0162】
これにより、断水時には、通常時よりも多くの水が、雨水タンク13に貯留されるようにすることができる。これにより、断水時に雨水を確保し易くすることができるため、給電施設1における水の不足を抑制することができる。
【0163】
本実施形態によれば、各水循環系統21,31には、太陽光パネル3による発電電力を供給可能となっている。
【0164】
かかる構成によれば、太陽光パネル3による発電電力を有効活用することができる。そして、商用電力の消費を抑制することができる。したがって、資源を有効活用可能な資源供給システム10を提供することができる。また、災害時に電力を確保し易くすることができるため、給電施設1を防災拠点として好適に活用可能とすることができる。
【0165】
本実施形態によれば、給電施設1には、商用電源Cが接続されている。資源供給システム100は、商用電源Cによる商用電力の供給が停止しているか否かを判定可能な停電判定部74と、太陽光パネル3による発電電力の各水循環系統21,31への供給を許可又は遮断可能な給電切替装置43及び給電切替装置46と、給電切替装置43及び給電切替装置46を制御可能な給電制御部75と、を備える。制御部72は、停電判定部74により給電施設1への商用電力の供給が停止していると判定された場合、太陽光パネル3による発電電力の各水循環系統21,31に対する供給を制限するように給電切替装置43及び給電切替装置46を制御可能となっている。
【0166】
詳しくは、給電制御部75は、停電判定部74により給電施設1への商用電力の供給が停止していると判定された場合、バッテリ42の蓄電電力(太陽光パネル3による発電電力)が給電切替装置46に供給されるように給電切替装置43を制御し、且つ、太陽光パネル3による発電電力の第1水循環系統21に対する供給を遮断するとともに、太陽光パネル3による発電電力の第2水循環系統31に対する供給を許容するように給電切替装置46を制御する。
【0167】
かかる構成によれば、停電時には、第1水循環系統21への発電電力の供給を遮断するようになっている。これにより、停電時における発電電力の消費を抑制することができる。また、水の循環利用は、災害時には、必ずしも実行されていなくてもよい場合が考えられる。例えば、災害時には、洗車機6の利用はそこまで必要とされないと考えらえるため、洗車機6や第1水循環系統21を停止させても特段の支障は生じないと考えられる。したがって、災害時において、給電施設1の利便性が損なわれてしまうのを抑制しつつ、電力を確保し易くすることができる。
【0168】
一方、停電時には、第2水循環系統31への発電電力の供給を実行するようになっている。水洗トイレ8や、水洗トイレ8の排水処理や水供給に関係する第2水循環系統31は、災害時においても利用できることが好ましいと考えられる。しかし、停電時においても、第2水循環系統31を動作させることができるため、水不足等により水洗トイレ8が使用できなくなってしまうのを抑制することができる。これにより、災害時における給電施設1の利便性を確保し易くすることができる。
【0169】
そして、災害時においても、給電施設1の利便性が確保されており、且つ電力を確保し易くされていることで、給電施設1を防災拠点として好適に活用可能とすることができる。
【0170】
(変形例)
以下、本実施形態の資源供給システム10の変形例について図6を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態と同じ構成については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。本変形例では、給電施設1には、水利用設備として、洗車機6と、シャワー9と、が設けられている。
【0171】
図6に示すように、本変形例では、第2水循環系統31は、水洗トイレ8に代えてシャワー9を有する。第2水循環系統31においては、シャワー9により体を洗った後の排水を第2排水浄化装置33により浄化して循環利用するようになっている。なお、シャワー9は、生活用水供給設備に該当する。
【0172】
第1水循環系統21内で循環する水の一部は、自動車に付着して、第1水循環系統21から出ていくことが想定される。また、第2水循環系統31内で循環する水の一部は、ユーザの体に付着して、第2水循環系統31から出ていくことが想定される。このため、第1水循環系統21内の水や第2水循環系統31内の水が徐々に減少し、第1水循環系統21や第2水循環系統31において水の不足が発生してしまうおそれがある。
【0173】
一方、洗車機6やシャワー9において水道水が利用されると、第1水循環系統21内の水や第2水循環系統31内の水が増える場合がある。このため、洗車機6やシャワー9において水道水が多量に使用された場合、第1水循環系統21や第2水循環系統31でオーバーフローが発生してしまうおそれがある。
【0174】
そこで、本変形例では、第1水循環系統21は、第1水循環系統21の水を第2水循環系統31に放出可能な第1放水装置26を有する。第2水循環系統31は、第2水循環系統31の水を第1水循環系統21に放出可能な第2放水装置36を有する。なお、第1放水装置26と、第2放水装置36とは、それぞれ放水装置に相当する。
【0175】
第1放水装置26は、配管P15により、例えば第1浄水タンク24と接続されている。第1放水装置26は、配管P23により、例えば第2浄水タンク34に接続されている。第1放水装置26は、図示しないポンプの駆動力により、第1浄水タンク24内の水を汲み上げて第2浄水タンク34に放出可能となっている。
【0176】
第2放水装置36は、配管P26により、例えば第2浄水タンク34と接続されている。第2放水装置36は、配管P27により、例えば第1浄水タンク24に接続されている。第2放水装置36は、図示しないポンプの駆動力により、第2浄水タンク34内の水を汲み上げて第1浄水タンク24に放出可能となっている。これらにより、第1水循環系統21と第2水循環系統31との間で水の交換が可能となっている。
【0177】
なお、第1放水装置26や第2放水装置36が取水する位置や放水する位置は、これらに限定されるものではなく、第1水循環系統21の第1浄水タンク24以外の箇所や、第2水循環系統31の第2浄水タンク34以外の箇所であってもよい。ただし、放水装置は、排水浄化装置により浄化される前の水を取水する場合、当該水を、排水浄化装置又は排水浄化装置よりも上流側の箇所に放水するようにする。また、第1放水装置26と第2放水装置36とは、別個で設けられている必要はなく、1つの放水装置により、第1水循環系統21の水の第2水循環系統31への放出と、第2水循環系統31の水の第1水循環系統21への放出とが行われるようにしてもよい。
【0178】
第1浄水貯留量判定部54は、第1浄水タンク24において貯水量が過大であるか否かを判定可能となっている。記憶部58には、所定の第1上側基準浄水量が予め記憶されている。第1上側基準浄水量は、例えば、第1浄水タンク24内の水の量の上限値とされる。第1浄水貯留量判定部54は、記憶部58から第1上側基準浄水量を取得可能となっている。
【0179】
第1浄水貯留量判定部54は、第1浄水貯留量センサ63による検出結果と、記憶部58に予め記憶された第1上側基準浄水量と、に基づいて、第1浄水タンク24内の水の量が、第1上側基準浄水量より大であるか否かを判定可能となっている。
【0180】
給水制御部57は、第1放水装置26と接続されている。給水制御部57は、第1浄水貯留量判定部54により第1浄水タンク24内の水の量が上側基準浄水量より大であると判定された場合、第1水循環系統21(第1浄水タンク24)から第2水循環系統31(第2浄水タンク34)に水を放出するよう第1放水装置26を制御可能となっている。
【0181】
かかる構成によれば、第1水循環系統21におけるオーバーフローの発生を抑制しつつ、第2水循環系統31の循環水量を確保し易くすることができる。また、第1水循環系統21で生じた余剰水を有効活用可能することができる。
【0182】
同様に、第2浄水貯留量判定部55は、第2浄水タンク34において貯水量が過大であるか否かを判定可能となっている。記憶部58には、所定の第2上側基準浄水量が予め記憶されている。第2上側基準浄水量は、例えば、第2浄水タンク34内の水の量の上限値とされる。第2浄水貯留量判定部55は、記憶部58から第2上側基準浄水量を取得可能となっている。
【0183】
第2浄水貯留量判定部55は、第2浄水貯留量センサ64による検出結果と、記憶部58に予め記憶された第2上側基準浄水量と、に基づいて、第2浄水タンク34内の水の量が、第2上側基準浄水量より大であるか否かを判定可能となっている。
【0184】
給水制御部57は、第2放水装置36と接続されている。給水制御部57は、第2浄水貯留量判定部55により第2浄水タンク34内の水の量が第2上側基準浄水量より大であると判定された場合、第2水循環系統31(第2浄水タンク34)から第1水循環系統21(第1浄水タンク24)に水を放出するよう第2放水装置36を制御可能となっている。
【0185】
かかる構成によれば、第2水循環系統31におけるオーバーフローの発生を抑制しつつ、第1水循環系統21の循環水量を確保し易くすることができる。また、第2水循環系統31で生じた余剰水を有効活用可能することができる。
【0186】
なお、本変形例では、資源供給システム10は、第1水循環系統21の水を第2水循環系統31に放出する第1放水装置26と、第2水循環系統31の水を第1水循環系統21に放出する第2放水装置36と、を備え、第1水循環系統21と第2水循環系統31との間で水を交換可能に構成されていたが、資源供給システム10は、第1水循環系統21と第2水循環系統31とのうち一方から他方にのみ水を放出可能に構成されていてもよい。例えば、資源供給システム10は、第1放水装置26と第2放水装置36のうち、第1放水装置26のみを備えるものであってもよいし、第2放水装置36のみを備えるものであってもよい。
【0187】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に制限されるものではなく適宜変更が可能である。
【0188】
・上記実施形態では、給水制御部57は、雨水貯留量判定部53の判定結果に基づいて、雨水供給装置14の制御を行うようになっていたが、雨水貯留量判定部53は、必須の構成ではない。例えば、第1浄水貯留量判定部54や第2浄水貯留量判定部55の判定結果のみに基づいて、雨水供給装置14の制御を行うようにしてもよい。ただし、給電施設1において好適に雨水を確保できる点で、上記実施形態の構成が好ましい。
【0189】
・上記実施形態では、雨水供給装置14と、第1浄水供給装置25と、第1放水装置26と、第2浄水供給装置35と、第2放水装置36とは、それぞれポンプを有し、ポンプの駆動力により水の供給を実行していたが、それらのポンプは必須の構成ではない。雨水供給装置14と、第1浄水供給装置25と、第1放水装置26と、第2浄水供給装置35と、第2放水装置36とは、例えば、水が自重で流下することを利用して、水の供給を実行するものであってもよい。その場合、例えば、雨水供給装置14と、第1浄水供給装置25と、第1放水装置26と、第2浄水供給装置35と、第2放水装置36とは、当該装置から当該装置の外部への水の供給を許可又は遮断する弁を有し、当該弁の開閉により、水の供給を実行又は停止するようにすることができる。
【0190】
なお、その場合、雨水供給処理において、雨水供給装置をオン又はオフする処理は不要となる。雨水供給処理において、雨水の供給を実行するか否かの制御は、第1雨水弁16及び第2雨水弁17の開閉の制御のみにより行われることになる。
【0191】
・上記実施形態では、雨水タンク13は、地面Gに直接置かれていたが、これに限定されるものではない。雨水タンク13は、地面Gから離間して配置されていてもよく、例えば、台座を介して地面G上に設置されていてもよい。その場合、雨水タンク13内の水を自重で流下させ易くすることができる。また、第1浄水タンク24や第2浄水タンク34についても同様である。なお、雨水タンク13は、地面G上でパネル下空間5の外部に配置されていてもよいし、地下に埋設されていてもよい。ただし、上述の効果を得られる点で、雨水タンク13は、パネル下空間5に配置されていることが好ましい。
【0192】
・上記実施形態では、雨水タンク13内の水は、第1浄水タンク24と第2浄水タンク34とに供給されていたが、第1水循環系統21や第2水循環系統31のうち、第1浄水タンク24や第2浄水タンク34以外の箇所に供給されるようにしてもよい。雨水タンク13内の水は、例えば、第1排水浄化装置23や第2排水浄化装置33に供給されるようになっていてもよい。
【0193】
・上記実施形態では、給電施設1は、第1水循環系統21と、第2水循環系統31とを備えていたが、水循環系統は、必須の構成ではない。給電施設1において、水利用設備の排水は、必ずしも循環利用されるようになっていなくてもよく、例えば、下水道に排出されるようになっていてもよい。ただし、資源供給システムに水循環系統を設けることで、水道水の使用や下水の排出を抑制することができる。さらに、上水道等の水源を確保できない地域や、排水の放流先を確保できない地域においても水利用設備を利用し易くすることができる。また、給電施設には、1つの水循環系統が設けられていてもよいし、3つ以上の水循環系統が設けられていてもよい。
【0194】
・上記実施形態では、水利用設備は、洗車機6と、水洗トイレ8と、シャワー9とであったが、水を利用する設備であれば、これらに限定されるものではない。
【0195】
・上記実施形態では、洗車機6と、水洗トイレ8と、シャワー9とは、それぞれ上水道Wと接続されていたが、必要な水を確保可能であれば、上水道Wと接続されていなくてもよい。
【0196】
・雨水タンクには、雨水タンク内の水を取り出し可能な雨水取出部が設けられていてもよい。雨水取出部は、例えば、蛇口である。これにより、雨水タンク13内の水を様々な用途で利用し易くすることができる。当該雨水の用途としては、例えば、災害時における近隣住民への給水等が考えられる。その場合、給電施設1を災害時の拠点としてより好適に活用可能とすることができる。また、雨水タンクは、密閉型の水槽に限定されるものではなく、例えば、上方に開口する水槽であってもよい。その場合、当該開口を通じて、雨水タンクから容易に雨水を取り出すことができる。なお、当該開口は、雨水取出部に相当する。また、浄水タンクについても同様である。
【0197】
・雨水処理装置は、上記実施形態のものに限定されない。例えば、雨水処理装置は、雨水タンクと一体となったものであってもよい。その場合、例えば、雨水処理装置は、雨水タンク内に配置される活性炭や、雨水タンク内に送気して曝気を行うブロワを有し、雨水タンク内の水を浄化可能なものであってもよい。なお、当該ブロワは、太陽光パネル3による発電電力により動作可能としてもよい。その場合、停電と断水が同時に発生する場合を想定し、停電時にも雨水処理装置への電力供給が継続されるようにすることが好ましい。
【符号の説明】
【0198】
1 給電施設
3 太陽光パネル
2 給電設備
5 パネル下空間
6 洗車機(洗車設備及び第1水利用設備)
8 水洗トイレ(第2水利用設備)
10 資源供給システム
13 雨水タンク
14 雨水供給装置
21 第1水循環系統
23 第1排水浄化装置
24 第1浄水タンク
26 第1放水装置
31 第2水循環系統
33 第2排水浄化装置
34 第2浄水タンク
36 第2放水装置
43,46 電力切替部(給電切替装置)
53 雨水貯留量判定部
54 第1浄水貯留量判定部(浄水貯留量判定部)
55 第2浄水貯留量判定部(浄水貯留量判定部)
56 断水判定部
57 給水制御部
74 停電判定部
75 給電制御部
C 商用電源
G 地面
W 上水道
図1
図2
図3
図4
図5
図6